テノックス配合カプセル T20 テノックス配合カプセル T25 生物学的同等性試験に関する資料 1.標準製剤(配合カプセル剤、テガフールとして 25mg)と試験製剤(配合カプセル 剤、テガフールとして 25mg)のヒトにおける生物学的同等性試験 2.試験製剤(配合カプセル剤、テガフールとして 20mg)の生物学的同等性試験 【1.標準製剤(配合カプセル剤、テガフールとして 25mg)と試験製剤(配合カプセル剤、テガフールとして 25mg) のヒトにおける生物学的同等性試験】 <概要> テノックス配合カプセル T25 を試験製剤とし、ティーエスワン配合カプセル T25 を標準製剤として、 「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン(薬食審査発 0229 第 10 号:平成 24 年 2 月 29 日) 」 に従い検討した結果、両製剤の生物学的同等性が確認された。 <試験方法> 癌患者(標準製剤に適応のある患者)24 名(男性 18 名、女性 6 名)を 1 群 12 名の 2 群に割り付け、 試験製剤又は標準製剤それぞれ 2 カプセル(テガフールとして 50mg、ギメラシルとして 14.5mg、オ テラシルカリウムとして 49mg)を絶食単回経口投与し、4 日間以上の休薬期間を設けた 2 群 2 期クロ スオーバー法における両製剤の血漿中未変化体濃度を測定した。 <試験結果及び考察> テノックス配合カプセル T25 テガフールの薬物動態パラメータ 試験製剤及び標準製剤の薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC0-48)は 25356.09±9692.99ng・hr/mL 及び 24716.84±9593.33ng・hr/mL、最高血中濃度(Cmax)は 2413.79±586.50ng/mL 及び 2376.38 ±507.61ng/mL、最高血中濃度到達時間(Tmax)は 0.73±0.4hr 及び 0.90±1.2hr、血中濃度半減 期(T1/2)は 12.5±3.2hr 及び 12.7±3.5hr であった。 また、AUC0-48 及び Cmax における対数値の平均値の差の 90%信頼区間は log(0.9948)~log(1.0627) 及び log(0.9204)~log(1.1099)で、生物学的同等性の基準(log(0.80)~log(1.25))を満たしていた。 ギメラシルの薬物動態パラメータ 試験製剤及び標準製剤の薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC0-24)は 1667.53±471.52ng・hr/mL 及び 1616.17±431.32ng・hr/mL、最高血中濃度(Cmax)は 484.26±161.07ng/mL 及び 469.68± 143.40ng/mL、最高血中濃度到達時間(Tmax)は 1.3±0.8hr 及び 1.1±0.1hr、血中濃度半減期(T1/2) は 3.5±0.7hr 及び 3.5±0.8hr であった。 また、AUC0-24 及び Cmax における対数値の平均値の差の 90%信頼区間は log(0.9908)~log(1.0763) 及び log(0.9279)~log(1.1554)で、生物学的同等性の基準(log(0.80)~log(1.25))を満たしていた。 オテラシルカリウムの薬物動態パラメータ 試験製剤及び標準製剤の薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC0-24)は 871.58±453.75ng・hr/mL 及 び 951.40±506.54ng・hr/mL、最高血中濃度(Cmax)は 162.76±98.83ng/mL 及び 172.81± 96.20ng/mL、最高血中濃度到達時間(Tmax)は 2.1±1.3hr 及び 2.4±1.1hr、血中濃度半減期(T1/2) は 2.9±1.0hr 及び 3.1±1.1hr であった。 また、AUC0-24 及び Cmax における対数値の平均値の差の 90%信頼区間は log(0.8099)~log(1.0249) 1 及び log(0.8393)~log(1.0737)で 、生物学的同等性の基準(log(0.80)~log(1.25))を満たしていた。 薬物動態パラメータ テガフール ギメラシル カリウム オテラシル 投与量 AUC0-24※ (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) テノックス配合 カプセル T25 50mg 25356.09 ±9692.99 2413.79 ±586.50 0.7 ±0.4 12.5 ±3.2 標準製剤 50mg 24716.84 ±9593.33 2376.38 ±507.61 0.9 ±1.2 12.7 ±3.5 テノックス配合 カプセル T25 14.5mg 1667.53 ±471.52 484.26 ±161.07 1.3 ±0.8 3.5 ±0.7 標準製剤 (カプセル、7.25mg) 14.5mg 1616.17 ±431.32 469.68 ±143.40 1.1 ±0.6 3.5 ±0.8 49mg 871.58 ±453.75 162.76 ±98.83 2.1 ±1.3 2.9 ±1.0 49mg 951.40 ±506.54 172.81 ±96.20 2.4 ±1.1 3.1 ±1.1 (カプセル、25mg) テノックス配合 カプセル T25 標準製剤 (カプセル、24.5mg) T1/2 (hr) ※テガフールのみ AUC0-48 値(mean±S.D., n=24) 血漿中テガフール濃度(ng/mL) テノックス配合 平均値 カプセル T25 標準偏差 標準製剤 平均値 (カプセル、25mg) 標準偏差 0 0.802 2.032 1.051 4.134 0.25 867.321 1032.444 927.518 1027.794 0.5 2005.473 852.097 2040.822 765.024 1 2063.858 459.956 1927.480 470.883 2 1718.233 438.815 1652.937 464.577 3 1502.343 392.958 1455.815 413.911 テノックス配合 平均値 カプセル T25 標準偏差 標準製剤 平均値 (カプセル、25mg) 標準偏差 4 1354.709 393.139 1316.535 418.197 6 1103.764 386.905 1068.590 377.878 8 932.213 352.394 911.496 348.067 10 748.197 307.757 729.358 311.362 24 329.043 167.326 322.238 169.903 48(hr) 106.436 85.604 106.068 91.912 2 血漿中ギメラシル濃度(ng/mL) テノックス配合 平均値 カプセル T25 標準偏差 標準製剤 平均値 (カプセル、25mg) 標準偏差 0 0.000 0.000 0.000 0.000 0.25 27.863 57.573 21.435 27.775 0.5 259.928 214.576 246.010 175.145 1 436.284 191.891 432.622 167.101 2 295.719 98.838 267.653 86.363 テノックス配合 平均値 カプセル T25 標準偏差 標準製剤 平均値 (カプセル、25mg) 標準偏差 4 148.348 53.737 146.185 67.005 6 84.122 35.010 82.015 36.311 8 48.284 20.534 48.381 21.653 10 29.788 12.884 29.258 13.408 24(hr) 2.101 1.497 2.064 1.466 血漿中オテラシルカリウム濃度(ng/mL) テノックス配合 平均値 カプセル T25 標準偏差 標準製剤 平均値 (カプセル、25mg) 標準偏差 0 0.000 0.000 0.031 0.153 0.25 7.393 7.785 6.507 7.569 0.5 50.357 41.428 42.525 36.376 1 122.323 75.427 117.480 76.129 2 136.418 98.775 131.346 84.721 テノックス配合 平均値 カプセル T25 標準偏差 標準製剤 平均値 (カプセル、25mg) 標準偏差 4 107.234 64.628 129.170 87.925 6 64.080 41.028 71.349 45.624 8 32.836 21.255 37.113 25.948 10 17.922 11.601 19.810 15.379 24(hr) 0.954 1.531 0.944 1.119 3 3 199.822 64.859 197.852 79.882 3 117.957 82.206 138.606 102.795 <参考>フルオロウラシル(活性代謝物)の血漿中濃度 フルオロウラシルの薬物動態パラメータ 試験製剤及び標準製剤の薬物血中濃度-時間曲線下面積(AUC0-24)は 846.57±424.13ng・hr/mL 及び 815.07±383.14ng・hr/mL、最高血中濃度(Cmax)は 152.00±67.95ng/mL 及び 149.94± 61.41ng/mL、最高血中濃度到達時間(Tmax)は 2.1±0.9hr 及び 2.1±1.1hr、血中濃度半減期(T1/2) は 1.8±0.6hr 及び 2.0±0.8hr であった。 また、AUC0-24 及び Cmax における対数値の平均値の差の 90%信頼区間は log(0.9938)~ log(1.0699)及び log(0.9397)~log(1.0777)で、生物学的同等性の基準(log(0.80)~log(1.25))を満 たしていた。 投与量 ウラシル フルオロ AUC0-24 (ng・hr/mL) Cmax (ng/mL) Tmax (hr) T1/2 (hr) テノックス配合 カプセル T25 2 カプセル 846.57 ±424.13 152.00 ±67.95 2.1 ±0.9 1.8 ±0.6 標準製剤 (カプセル) 2 カプセル 815.07 ±383.14 149.94 ±61.41 2.1 ±1.1 2.0 ±0.8 (mean±S.D., n=24) 血漿中フルオロウラシル濃度(ng/mL) テノックス配合 カプセル T25 標準製剤 (カプセル) テノックス配合 カプセル T25 標準製剤 (カプセル) 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 0 0.000 0.000 0.000 0.000 0.25 16.929 48.444 13.928 22.766 0.5 72.365 53.326 83.794 64.980 1 122.650 59.387 123.191 56.811 2 142.213 62.919 138.129 57.966 4 109.015 56.800 102.175 48.070 6 63.137 45.773 59.357 43.010 8 29.171 25.838 28.245 28.456 10 12.379 12.153 11.944 12.999 24(hr) 0.162 0.349 0.241 0.391 4 3 132.693 61.072 123.936 49.847 血漿中濃度並びに AUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験 条件によって異なる可能性がある。 <結論> テノックス配合カプセル T25 と標準製剤は、テガフール、ギメラシル、オテラシルカリウム及び参考 として測定したフルオロウラシルのいずれについても生物学的同等性判定パラメータ(AUCt、Cmax) の対数値の平均値の差の 90%信頼区間はいずれも生物学的同等性の基準(log(0.80)~log(1.25))を満 たしており、両剤は生物学的に同等であると判断された。 【2.試験製剤(配合カプセル剤、テガフールとして 20mg)の生物学的同等性試験】 <概要> テノックス配合カプセル T20 は、テノックス配合カプセル T25 と容れ目違いの硬カプセル剤であり、テノッ クス配合カプセル T25 がティーエスワン配合カプセル T25 と生物学的に同等であることから、「含量が異な る経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン Q&A」(平成 24 年 2 月 29 日付審査管理課事務連絡) の Q21 に従い、ティーエスワン配合カプセル T20 と生物学的に同等性であるとみなされた。 5
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