ヒラタケ(冬しめじ)Oyster mushroom

ヒラタケ(冬しめじ)Oyster mushroom
きのこ類・ヒラタケ科
作 型
月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
伐 採
玉切り・植菌
伏 せ 込 み
発 生
1. 原木栽培
最 適 木
エノキ、ヤナギ、ポプラ、クルミ
伐採と乾燥
秋の黄葉期から翌春の新芽がふくまでの樹の休眠期に伐採します。
2. 玉切りと植菌時期
玉切り
太い原木は短く厚さ12~15㎝の円盤状に切断し、細いものは1m位に玉切る。玉切り
後は直ちに植菌することが大切です。
ヒラタケは材腐朽力が強くほだ木が2~3年で腐るため、できるだけ早く収穫します。
幸いヒラタケは木口面(切断面)からもよく発生するため、短く玉切って切断面を多くす
ることで短期間に多量のきのこを発生させることができます。
植菌の時期
厳寒期を避け、秋または春に植菌します。温暖地では冬植えも可能です。秋植えは厳寒
期に入るまでに菌を十分活着させておくことが大切であり、春植えは遅くとも4月末まで
に終えるようにします。遅れるとその年の秋の発茸が望めなくなります。
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ヒラタケ
3. 植菌の方法
植菌:小・中径木
小・中径木は
1mに切る
ドリルで穴をあける
コマ菌使用例
直径10㎝、長さ
1mの原木では
20~25か所
樹皮の展開図
4㎝
コマ菌
原木は直径6㎝以上が
適しています
植菌:大径木
植え穴は千鳥状に
あける
オガ菌の植え方
●コマ菌、オガ菌使用
上部には細かいものを
短木栽培の玉切りの厚さは12~15㎝を標
準としますが、20~30㎝も可。後で切断
面が重ねられるように番号を書いておく。
●平ぬり法
2㎝
植え穴は5㎠に1個の割合
●大径木短木栽培の仮伏せ
12~15㎝
のこくず 2
米ぬか
0.5
オガ菌
1
水
2
の割合でよく混
ぜたもの
中には粗い塊を
乾かしすぎないように
ときどき散水する
ワラやコモで回りをおおう
2~3段ほど
6~8㎜くらいの
ピッタリと重ねる
厚さにぬりつける
※平ぬり法は植菌年の秋から発生します
2~3月植菌の場合、5月頃には木口
面に菌糸が吹き出る。梅雨入り前まで
にコモ囲いをはずし本伏せとします。
伏せ込み
●林内伏せ込み
●露地伏せ込み
木もれ日程度
ヨシズまた
はネット
地伏せ
ヨロイ伏せ
立て伏せ
湿度が高いとトリコデルマ菌などが
侵入しやすい。
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ヒラタケ
発生操作
バールなどでほだ木を離す
林内
露地
ヨシズ、ネット
ヒラタケの菌で
真っ白
大径木の短木栽培は、植菌
年の8月下旬~9月上旬に
分解し、発生準備(床伏せ)
を行います。
散水する
(床伏せ)
ばらした短木ほだ木は
中径木以下は地伏
2~3㎝出して埋める。 せ、ヨロイ伏せの
湿度のある所は2~3
ままとします。
段重ねのままでも可。
発生時期に散水する
切りワラ
を置く
ほだ木は土から2~3㎝出す。
切りワラを置くと発生が多くな
ります。
注)ヒラタケのヒダコブ病が発生する所は、発生シーズン前の10月上旬から
1㎜目の防虫ネットで覆うと被害を防止できる。
4. 茸の発生
発生管理
ヒラタケは春に植菌すればその年の秋には発生します。発生時期は年により多少ずれま
すが、9月下旬~10月下旬の間に部生を始め、10月下旬から11月下旬(気温8~15℃)
の発生が最も多くなります。自然のままで発生しますが、より多く収穫するためには散水
は欠かせません。発生が始まると収穫期を除き2、3日に1回、土壌の表面が湿る程度に
散水することが必要です。ただし水分の多いきのこは市場価値を下げるため、収穫前の散
水はしてはなりません。
きのこは明るすぎると灰褐色を帯び、暗くなるほど色は淡く茎が長くなります。低温で
風通しがよいほどネズミ色が濃く、茎が短くなります。日陰の程度を変えることで、品質
をある程度調整できます。
5. 収 穫
株のまま収穫し、100g、200gあるいは1㎏などに株分けしてパック、袋あるいは箱
詰めします。ヒラタケは流通市場でしばしばシメジの名で取り引きされています。シメジ
に似た幼茸が好まれ、傘の大きさが1円玉程度(1.5㎝~2.0㎝)の茸が上物とされてい
ます。しかし、市場によって好みが異なり、またヒラタケとして大型の茸を出荷した方が
有利な場合もあります。
ほだ木の寿命は細いもので2年、太いもので3年、一代の発茸量は原木重量の30~
35%です。
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