News Letter 「カムイチェプ」(第2号)

2015.1 . 第2 号
傷 つ き 遡 上 す る 姿 に 、 感 動 !!
『頑張 って いる 』
旭川市神楽公民館、あさひかわサケの会、大雪
サケクッキングは、『サケの解剖がすごかった』
と石狩の自然を守る会主催の<サケ遡上見学会と
(小学4年生)、『普段”切り身”しか目にしないので
美味しいサケクッキング>(神楽公民館お試し講
感激!食べる前に見ることは大切』、『何気なく食
座)が10月25日行われ、午前中はバスで忠別川と
べていたサケが神々しく感じた』、『チャンチャン焼
ポン川の合流地点ツインハープ橋下で、サケの遡
きも最高、こどもから大人まで食べて楽しく集え
上と産卵床、忠別川浄水場の取水堰を見学(39人
た』など、サケが素晴らしい生き物であることを実
参加)。
感する声であふれました。
ぜき
午後は、神楽公民館調理実習室でサケの解体と
一方、『話が長すぎ、終了時刻が大幅にズレ込ん
チャンチャン焼きを試食しながら、愛別町でサケの
だ上、待ち時間も多かった』などの苦言もありまし
放流事業を行っている愛別釣り会の代表5人を交
えて、交流会が行われました(45人参加)。
見学会では、『(サケの遡上
たが、最後は『こんな会があること自体を知らなか
った。来年も参加したい』と励まされホッと!!
する姿は)がんばっていると
いう印象』、『稚魚がどうして
戻っ てくるのか納得』、『産卵
後一週間も産卵床を守ってい
る姿に感動した』などの声が
相次ぎ、サケの魅力にとりつ
かれた様子。
お子さんも熱心に!
サケの解体
チャンチャン焼きスタッフ
サケは卵を産み、自分の子供を産むためにだけ帰ってくる。
そして、自分の子供を見ることもなく親ザケは死んでいく。
旭川では、サケの遡上が長い間途絶えていましたが、大雪と石狩の自然を守る会など多くの粘り強い
運動が実を結び、3年前の秋から、サケが群れをなして戻ってくるようになりました。
しかし、私たちは“カムバック・サーモン”では終わらず、サケが遡上・産卵環
境の良い場所で住み続けることができる環境づくりが大事だと考えていま
す。
つまり、現在行っている「放流」に頼らない“自然繁殖”の復活、継続を願っ
て、サケがさらに上流まで上れる環境を整えようと努力しています。
これまでサケの遡上を妨げていた石狩川下流の深川市にある旧花園頭
首工(農業用取水堰)に魚道が設けられた(2000年、2011年)ことによって、
旭川まで帰ってくるようになりましたが、今日の河川環境は、産卵に必要な湧
き水や川砂利が減ったり、河川工事に伴う土砂の流入などによって多くの障
害が横たわっています。
サケの遡上を見に集まるる市民
2014.10.19
私たちがよほどの決意を持ち、行動しないと、せっかく遡上しているサケも
ふるさとに定着できないのです。<石狩川を野生のサケのふるさとに>というスローガンには、そうした
私たちの強い願いが込められています。
<あさひかわサケの会>は
この一年間、次のような取り組みを行いました。
<春のぶらぶら散歩>
大パノラマを正面にぶらぶら散歩
4月29日(火)、春のさわやかなひとときを、旭川市と東神楽
町を結ぶ「ひじりの大橋」の上流にある”トトロの森”(仲間の通
称)と東聖橋間をぶらぶら歩き。
かつて忠別川は石狩川水系のサケの一大産卵床の一つで、
戦後も現在のベストム付近でサケ・マスふ化場の事業所が操業
していた事実がわかり、当時のようすを知る富田恭司さんから、
興味深いお話を聞くことができました。
~サケを迎える~ <石狩川クリーンウォーク>
サケはアイヌ語で「カムイチェプ(神の魚)」と呼ばれている
ように、アイヌの人々にとっては大切な神の恵みで、欠かせな
い主食でした。そして、遡上時期が近づくと洗濯など川が汚れ
るようなことは禁じていました。
私たちは、アイヌの人たちの暮らしや文化を学んで、市民に
参加を呼びかけて春と秋に水辺のゴミを拾って、クリーンな環
境でサケを迎えたいとアピールを続けています。
<5/18と9/28に実施>
春のクリーンウォーク 2014.05.18
あなたもサケ案内人になりませんか?
<サケ案内人&案内人養成講座>
石狩川や忠別川に、遡上シーズンにサケの群れが戻っていますが、見学に訪れる方々に簡
単なサケのガイドができる案内人を募っています。
サケの生態や歴史を学び、サケの魅力を多くの人に伝えたいという趣旨で、養成講座を受
講するだけで、どなたでも案内人になれますよー!(将来はサケ博士になれるかも!?)
会員も日々サケの知識を吸収し、仲間を増やすための学習を続けています。
<サケのふるさとを訪ねて>
7月26日(土)、サケが遡上するようになった石狩川とその支
流・愛別川を訪れて、河床や河畔林、河川施設と産卵環境を見
学すると共に、長年ヤマメの放流やサケの里親運動に取り組ん
でいる愛別町民の皆さんと、ジンギスカンを食べながら経験交
流を深めました。
この日は、愛別町の前佛町長、阿部副町長、釣りクラブの木全
会長外10数人の熱烈歓迎を受け、一層の連携と“自然産卵”への
愛別町民との経験交流2014.07.26
決意を誓い合いました。
<河川環境・ホッチャレ調査>
サケが群れをなして戻るようになりましたが、戻ったサケが自然繁殖するのにふさわしい環
境になっているか、また、帰ってきたサケの実態を調べるため、河川環境・産卵床・ホッチャレ調
査などを実施しました。
かつて稚魚を放流していた秋月橋下流は、河床低下によって岩盤が剥き出しになっていま
す。ツインハープ橋下の産卵床も砂利の流
出や土砂の流入によって、良好な産卵場所
でなくなりつつあります。遡上を困難にする
堰も数多く残っています。
サケの産卵適地を広げるだけでなく、他
の河川生物も含めた河川環境をどう豊かに
ホッチャレ 2013.11.13
ホッチャレ 2013.11.13
していくか、これからの大きな課題です。
<里親制度と人工産卵床づくり>
石狩川をサケのふるさとにするために、サケの稚魚を放流す
るまでの間、家庭や職場で飼育していただいていますが、水槽
飼育より自然に近い状態で飼育してみようと、昨年は、石狩川
栄園橋上流右岸に人工産卵床(産室)を設け、2万粒前後の発眼
卵を埋設しました。
今年は、埋設場所を栄園橋の上流400メートルの右岸に移し、
11月16日(日)に人工産卵床を造成し、12月21日(日)に発眼卵の
埋設(2万粒前後)を行いました。
人工産卵床の造成 2014.11.16
<あさひかわサケの会>の仲間になって、
サケを知り、その魅力をいっしょに伝えませんか! ?
サケがボロボロに傷つきながら遡上・産卵する姿に感動し、勇気づけられるという方が圧倒
的に多いようです。<神からの贈り物>と言われる、神秘的なサケにもっと関心を持ってもら
いたい、サケの魅力を知ってほしい、伝えたいと様々なイベントを企画し、実行しています。
<あさひかわサケの会>には、現在100人ほどの会員がいて
活動していますが、地域全体では一握りの数に過ぎません。
会員の皆さんにもお友達に呼びかけていただき、おおきな輪
を広げてもらえればと願っています。
し
”百聞は一見に如かず”です。参加を心からお待ちしています。
秋のクリーンウォーク 2014.09.28
スタッフ・仲間
募集中
? サケの不思議・2 ?
【 サケは赤身魚?それとも白身魚? 】
答えは、白身魚です。赤身魚と白身魚の区別は、肉の見かけの色とは必ずしも一致しません。
学術的には、筋肉(結合肉)に含まれるミオグロビンと血液に含まれ
るヘモグロビン呼ばれる色素たんぱく質の量で分けられ、100g当たり
のミオグロビン・ヘモグロビンの含有量が10mg未満のものを白身魚、10
mg以上のものを赤身魚としています。
一般に運動量の多い魚ほど結合肉が多く、従ってミオグロビンの量
も多いとされています。
白身魚は沿岸魚のタイ、フグなどや底生魚のカレイ、ヒラメ、タラ
サケの遡上(忠別川) 2014.10.25
などです。赤身魚は回遊魚のマグロ、カツオ、ブリ、イワシ、サンマなどです。
サケの含有量は10mgに達していないので白身魚に入るのですが、それでも、赤い身をしてるのは、
アスタキサンチンという赤い色素を含むオキアミなどエビやカニの仲間を食べて育つためです。
オキアミをたくさん食べたサケほど、その身は色づき、赤に近い色になり、脂ノリも良く、白っぽく
なるに従い、脂のノリは悪くなります。
鮮やかな赤色をしたベニザケの輸入は日本が最大です。ただし、養殖ものには、エビの殻などを
エサに混ぜて身を赤くしたものが少なくありません。
それでは問題です!
アジは赤身魚?それとも白身魚?(答えは会員会議のご案内欄に)
<あさひかわサケの会>
どなたでも参加できます !
・ と き
/ 2015年
2/7
日 (土)
13時~16時
(受付は12時30分から)
・ ところ / 神楽公民館 2 F講座室
・ 内 容 / 2014年度事業実施・決算報告
2015年度事業計画・予算案 など
サケ解説板(忠別川・ツインハープ橋下)
大事な一年間の活動方針を決める場となりますが、
会員でない方にも参加いただけますし、発言も自由です。
赤身魚?or白身魚?の答え:アジは赤身魚
写真提供:鎌田、神田、北島、寺島
〈〈 お問い合わせや入会希望の方は
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あ さ ひ か わ サ ケ の 会
連絡先
寺島(0166-65-1940/Faxも同じ)
E-Mail [email protected]
高原(0166-54-6517/Faxも同じ)