第124号 ぐんぎん Business Report (平成27年 3月18日) ぐんぎん経営倶楽部事務局 群馬県前橋市元総社町194 TEL:027-254-7315 「消費税免税店制度」について 2014年における年間の訪日外国人旅行者数は、約1,341万人となり、過去最高を記録しました。これは、円安進行という経済 的な要因に加え、羽田空港国際線発着枠拡大、ビザ緩和や消費税免税制度の拡充、及びこれらと連動した訪日プロモーショ ンなど、政府が取り組んできた諸施策が奏功した結果であると考えられます。 こうした流れに加えて群馬県では、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録や、北陸新幹線の金沢延伸など、訪 日外国人旅行者を呼び込む事業機会が拡がっています。 そこで今回の「ぐんぎん Business Report」は、訪日外国人旅行者のショッピング需要の取り込みに有効な「消費税免税店制 度」について、お届けします。 1.訪日外国人旅行者数の推移と訪日目的について ●訪日外国人数の推移 ●外国人旅行者が実施した活動 単位:万人 過去最高!⇒ 1400 1200 1,341 1,036 1000 835 800 673 733 861 835 679 1位 日本食をたべること 2位 ショッピング 3位 繁華街の街歩き 4位 自然・景勝地観光 5位 旅館に宿泊 836 622 600 400 200 ※いずれの図表も、観光庁・経済産業省の資料 をもとに、群馬銀行にて作成 0 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 ○ 訪日外国人旅行者は、10年前と比較すると昨年(2014年)は約2倍に増加しており、前年(2013年)と比較し ても、約30%と高い増加率となった。 ○ 外国人旅行者が日本で実施する活動として、「日本食をたべること」に次いで多いのが「ショッピング」と なっている。「ショッピング」は、非常に大きな訪日動機であることが伺える。 2.訪日外国人旅行消費総額の推移について ●訪日外国人旅行消費額の推移 ●費目別旅行消費額の前年・前々年比較 単位: 億円 2013年 25000 過去最高!⇒ 買物代 宿泊費 飲食費 交通費 娯楽サービス費 その他 合計 20,305 20000 15000 14,167 11,490 10,849 8,135 10000 5000 0 2010年 2011年 2012年 2013年 4,632億円 4,763億円 2,903億円 1,480億円 349億円 40億円 14,167億円 2014年 7,142億円 6,093億円 4,307億円 2,179億円 497億円 87億円 20,305億円 増加率 54.2% 27.9% 48.4% 47.2% 42.4% 117.5% 43.3% ※いずれの図表も、観光庁の資料 をもとに、群馬銀行にて作成 2014年 ○ 2014年の訪日外国人旅行消費の総額は、前年(2013年:1兆4,167億円)比、43.3%増の2兆305億円と推計され、 こちらも過去最高額を更新した。 ○ 費目別に旅行消費額を見ると、前年(2013年)第2位の「買物代」が、前年第1位の「宿泊費」を上回り、2014 年は第1位となった。 -1- ● 本資料の内容につきましては万全を期しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に依拠した ことによりお客さまが被った損害については、群馬銀行は一切責任を負いません。本資料の複写・複製・転載等を禁じます。 第124号 ぐんぎん Business Report (平成27年 3月18日) 3.消費税免税店制度とは 「消費税免税店制度」とは、消費税免税店(輸出物品販売場)を経営する事業者が、外国人旅行者等の非居住者に 対して一定の方法で販売する場合には、消費税が免除される制度で、主な要件は以下のとおりです。 場 所 消費税免税店(輸出物品販売場)の許可を受けた店舗での販売であること。 者 「非居住者」に対する販売であること。 ○ 事業者が経営する販売場ごとに、事業者の納税地を所轄する税務署長の許可を受けること。 対 象 ○ 外国人でも、日本国内の事業所に勤務する者、6カ月以上日本に在住する者は、非居住者には該当しない。 免税対象物品 ① 通常生活の用に供されるもの(※)であること。 ② 同一の非居住者に対して、同一店舗における1日の一般物品の販売合計額が1万円を超えること。 ③ 同一の非居住者に対して、同一店舗における1日の消耗品(食品類、飲料類、たばこ、薬品類、化粧品類 など)の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲であること。 ※ 非居住者が事業用・販売用としての購入が明らかな場合は、免税販売対象外。 手 所定の手続きに基づく販売であること。 続 ○ ①免税店は「輸出免税物品購入記録票」を作成し、旅券等に貼付して割印すること、②「購入者誓約書」に免税 物品を購入する非居住者の署名を受け、7年間保存すること、など。 輸 出 非居住者は、出国の際に、購入記録票を税関に提出し、購入した免税物品を携帯して国外に持ち出すこと。 ●免税販売の概要図 ●昨年10月より、食品類、飲料類、薬品類、化粧品類等の 消耗品を含めた、全ての品目が免税対象となった。 ○一般物品(消耗品以外のもの) ○消耗品(食品類、飲料類、薬品 類、化粧品類など) 4.消費税免税店になるには 免税販売を行うには、消費税免税店(輸出物品販売場)の許可を受けなければなりません。許可を受けるには、 ①許可を受けようとする店舗ごとに、②経営する事業者が、その納税地を所轄する税務署に「輸出物品販売場許可 申請書」を記載して申請することが必要です。消費税免税店(輸出物品販売場)の、主な許可要件は以下のとおり です。 ① 販売場の所在地は、「非居住者の利用度が高いと認められる場所」(※1)であること。 ② 販売場が「非居住者に対する販売に必要な人員の配置」(※2)及び「物的施設(例えば、非居住者向け特設 売場等)を有する」(※3)ものであること。 ③ 申請者が、許可申請の日から起算して過去3年以内に開始した課税期間の国税について、その納税義務が「適 正に履行されている」と認められること。 ④ 申請者の「資力及び信用力が十分」であること。 ⑤ 前各号(①~④)のほか、許可することにつき特に不適当であると認められる事情がないこと。 (※1)申請時点で、利用度が高いことまでを求めているものではなく、今後、非居住者の利用が見込まれる場所も含む。 → 空港・港・観光地は、一般的に非居住者の利用度が高いと考えられるが、これらの場所に限られない。 (※2)免税販売の際に必要となる手続きを、非居住者に対して説明できる人員の配置を求めるもの。 → 外国語を流暢に話せることまでを必要とはしておらず、パンフレット等の補助材料を活用しながら、非居住者に手続きを 理解してもらえれば十分。 (※3)免税販売の際に必要となる手続きを行うためのカウンター等の物的施設があることを求めているもの。 → 特別なカウンターを設けることまでは、必要としていない。 ※消費税免税店制度に関する詳細は、国税庁ホームページをご参照ください。 http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/menzei/ 資料出所:国税庁、経済産業省、国土交通省、観光庁 本件に関する相談、詳細に関するお問合せ先:群馬銀行 法人部(岡安)027-254-9314 以上 -2- ● 本資料の内容につきましては万全を期しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に依拠した ことによりお客さまが被った損害については、群馬銀行は一切責任を負いません。本資料の複写・複製・転載等を禁じます。
© Copyright 2024 ExpyDoc