IRP’s Build Back Better 事例(2004 年、2012 年、インドネシア) スマトラ島沖地震以降の災害時における避難行動の改善 2015 年 9 月 15 日 ☆スマトラ島沖地震津波の被害☆ 2004 年 12 月 26 日午前7時 58 分、インドネシア共和国スマトラ島アチェ州沖でマグニチュード 9.0 (米国地質調査所発表)と推定される海溝型巨大地震が発生しました。 これにより発生した大津波がインドネシアのみならず、遠地津波として、タイ、マレーシアやインド、 スリランカ、モルディブ、さらには遠くアフリカ大陸まで到達し、インド洋沿岸諸国に未曾有の被害を もたらしました。これによる被災者は約 206 万人、死者・行方不明者数は約 23 万人、被害総額は 68 億 ドルを超えました。この津波では、世界的な観光地であるタイのプーケットなどにおいて、各国の住民 のみならず、日本をはじめ欧米等海外からの観光客も多数犠牲となりました。 ☆その後の避難行動の改善☆ 2012 年 4 月 11 日 14 時 38 分(現地時間) 、インドネシア・スマトラ島北部の西方沖でマグニチュード 8.6 の地震が起きました。インド洋を囲む国々には津波警報が発令されました。津波の最大の高さは、イ ンドネシア ムラボにおいて 1.1m(太平洋津波警報センター(PTWC)による)であったため、被害はアチェ 州で死者 5 名、負傷者 4 人の報告がなされています。地震発生直後、スマトラ島のアチェ州バンダアチ ェ市内各所に設置された津波早期警報装置が作動しました。この警報により、住民たちは速やかに高所 へ避難を開始しました。 スマトラ島周辺で起きた地震(東京大学地震研究所) 写真「津波早期警報装置」 (インドネシア バンダアチェ) ☆IRP’s Build Back Better ポイント☆ 住民の地震・津波に対する防災意識の向上と津波早期警報装置という、ソフト面とハード面からの防 災・減災対策が活かされ、住民の速やかな高所への避難につながりました。スマトラ島周辺の地域は、 毎年のように大きな地震が発生しており、さらに、事前の対策が「より良い復興」へつながると考えら れています。 ☆参照☆ 日本地震工学会 http://www.jaee.gr.jp/jp/2012sumatra/ 東京大学地震研究所 http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/PREV_HP/outreach/eqvolc/201204_sumatra/ 内閣府 『平成 18 年度 防災白書』 http://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h18/BOUSAI_2006/html/honmon/hm01040103.htm
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