第6号 - 全国水産技術者協会

 代表機関 一般社団法人
全国水産技術者協会
Fax.03-6459-1912
株式会社 シャトー海洋調査
Tel. 03-6459-1911
いであ株式会社
株式会社 日本海洋生物研究所
50
40
30
個体数密度(個体/㎥)
60
20
10
10/1
タイラギ浮遊幼生の出現状況(平成20年∼26年)
ありあけうみ通信
株式会社オオスミ
平成25年 平均( 7測点)
ー 有明海魚介類漁の再生を目指して ー
平成二十六年度の調査結果について
タイラギ浮遊幼生
①タイラギ浮遊幼生の出現状況
平成23年 平均( 7測点)
平成24年 平均(10測点)
平成二十六年六月十二日から十月一日までの期間で、
諫早湾湾口部︵5地点︶と覆砂区︵2地点︶でタイラギ
浮遊幼生調査を行いました。
昨年のタイラギ浮遊幼生は、平成二十四年、二十五年
と同様に少ない状況でした。
平成21年 平均( 7測点)
平成22年 平均( 7測点)
ごあいさつ
法尻流速 ( 遅い )
施工した覆砂区の位置
今年度は、これまで以上に﹁ありあ
︵一社︶全国水産技術者協会と四つ
の機関からなるグループは、今年度、 けうみ通信﹂などを通じて、調査の進
状況や解析の結果などを提供してま
水産庁から﹁有明海水産基盤整備実
証調査﹂の委託を受け、昨年度に引 いります。
この調査には、有明海のことを熟知
き続き、たいらぎ漁を中心として覆
砂による漁業再生のための実証調査 した皆様のご協力が不可欠です。皆様
も、本事業や有明海に関してご意見な
を行っていきます。
どがありましたら、当協会までご意見
昨年度までに、福岡県大牟田沖に
をお寄せ下さい。
凹凸覆砂畝型による人工漁場を8基
と2基造成しました。この凹凸覆砂
畝型は、タイラギの浮遊幼生の着底
を促進し、タイラギの成長に悪影響
を及ぼす浮泥の堆積を軽減するとと
もに、タイラギだけでなくかに類や
えび類の増加にも有効な可能性があ
ります。今年度は、造成した凹凸覆
砂畝型による人工漁場の有効性を実
証し、タイラギ漁をはじめとする漁
船漁業を再生するための調査に取り
組んでまいります。
﹁ありあけうみ通信﹂は、これまで
に、私ども調査グループが取り組ん
できたことや今後の取り組みなどに
ついて発信して来ました。
凹凸覆砂畝型
凹凸覆砂畝型
平成26年 9 月 10 日出現
殻長:0.61mm
平成26年 6 月 12 日出現
殻長:0.15mm
圧力低下
圧力低下
9/1
8/1
調査期日
7/1
6/1
0
平成26年 平均( 7測点)
70
湧昇流
湧昇流
平成20年 平均(19測点)
80
第6号
(2015.5.18)
H21・22 年度
凹凸覆砂区
(2 基造成)
H25・26 年度
凹凸覆砂区
(8 基造成)
天端流速 ( 速い )
天端流速 ( 速い )
凹凸覆砂畝型漁場
20m
4.0
3.0
2.0
1.0
L3
5.0
4.0
3.0
2.0
20m
1人当たり5分間観察によりタイラギ個体数を
H25造成漁場
H26造成漁場
③タイラギ人工種苗の放流
平成二十六年九月に人工的に生産された
タイラギ種苗︵稚貝︶を畝型覆砂区に放流
しました。放流したタイラギ種苗は、国立
研究開発法人 水産総合研究センター 西海
区水産研究所が、有明海産リシケタイラギ
︵福岡県海域で採捕︶を母貝として生産した
ものです。
平成二十七年二月調査では、一平米当た
り最大約五十個体を確認しました。
今年度の調査検討
平成二十六年度の調査結果からみてタイ
ラギ浮遊幼生の出現状況、タイラギの着底
状況は非常に厳しい状況にあります。この
状況を鑑み、私どもの調査グループは皆様
にご協力頂きながら、次に示す取り組みを
平成二十七年度に進めていきます。
次号は、学識経験者、試験研究機関お
よび漁業関係者などを構成メンバーとす
る検討委員会︵五月二十二日︶の協議結
果︵平成二十七年度の調査方針・調査内
容︶を皆様に報告する予定です。
①凹凸覆砂畝型工によるたいらぎ漁やその
他魚介類漁への効果の検証
②タイラギの の質や量に着目したへい死
原因の解明
平成 27 年2月調査(測線幅 2m× 調査幅 2m当たりの個体数)
沈下板
0.0
20m
間縄付きの沈子ロープを測線の起点と終点間に
張り、測線幅2m の範囲の底泥表面のタイラギ
個体数を2m 毎に記録。
7.0
20m
0.0
︵その他 スポット観測︶潜水士による目視観察。
記録。
1.0
20m
1.0
ライン観測︶潜水士による目視観察。
︻調査方法︼
7.0
20m
0.0
3m
21m
H基
G基
F基
E基
6.0
5.0
L4
25年級群
26年級群
H基
G基
D基
C基
B基
5.0
L4
0.0
60m
2.0
F基
7.0
60m
3.0
E基
4.0
L2
6.0
L2
5.0
︵覆砂区
1.0
D基
C基
B基
25年級群
26年級群
6.0
L3
L1
A基
4.0
3.0
2.0
14
12
10
8
6
4
2
0
14
12
10
8
6
4
2
0
25年級群
26年級群
3m
21m
78m
タイラギの着底状況調査位置
9m
H21・22 年度凹凸覆砂区
78m
天然漁場
165m
覆砂区外部
6.0
L1
25年級群
26年級群
②タイラギの着底状況
干潟縁辺
7.0
A基
干潟 ( 初島北西 )
H25・26 年度凹凸覆砂区
93m
平成 25・26 年度凹凸覆砂区
14
12
10
8
6
4
2
0
14
12
10
8
6
4
2
0
平成二十六年十一月、二十七年二月に、
覆砂区、天然漁場、干潟、干潟縁辺部、
覆砂区外部で、タイラギの生息状況を
調査しました。
平成二十五年度から二十六年度に施
工した覆砂区では、二月調査において、
二十五年級群を一平米当たり最大1個
体、二十六年級群を最大3個体確認し
ました。覆砂区以外では、天然漁場で
一平米当たり0.1個体を確認しまし
た。
干潟 ( 柳川地先 (4 号 )