(5)事業継承事業の進め方(1.07MBytes)

南予地域における
地方創生に係る官民連携事業承継推進
事業構想の進め方について
1
南予地域官民連携事業承継推進本部事務局
愛媛県南予地域における企業数、事業所数、人口数
南予地方の企業数
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
合計
2009年
4,265
2,080
2,218
1,927
837
472
166
466
1,198
13,629
南予地方の事業所数
2012年
3,765
1,888
2,020
1,768
787
406
148
414
1,119
12,315
増減率
-11.7%
-9.2%
-8.9%
-8.3%
-6.0%
-14.0%
-10.8%
-11.2%
-6.6%
-9.6%
【出典】
総務省「平成21年経済センサス-基礎調
査」、総務省・経済産業省「平成24年経済セ
ンサス-活動調査」
【注記】
会社数と個人事業所を合算。
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
合計
2009年
5,191
2,453
2,767
2,357
970
598
200
553
1,401
16,490
2
南予地方の人口数
2012年
4,638
2,224
2,553
2,142
922
519
174
492
1,298
14,962
増減率
-10.7%
-9.3%
-7.7%
-9.1%
-4.9%
-13.2%
-13.0%
-11.0%
-7.4%
-9.3%
【出典】
総務省「平成21年経済センサス-基礎調
査」、総務省・経済産業省「平成24年経済セ
ンサス-活動調査」
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
合計
2009年
88,055
39,981
49,564
44,127
19,322
11,920
4,597
12,126
26,054
295,746
2012年
84,584
38,400
47,601
42,371
18,491
11,118
4,400
11,606
24,673
283,244
増減率
-3.9%
-4.0%
-4.0%
-4.0%
-4.3%
-6.7%
-4.3%
-4.3%
-5.3%
-4.2%
【出典】
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び
世帯数調査
人口数の減少よりも、地元の働く場企業数・事業所数の減少幅が大きい
企業数・事業所数が減少すれば、勤め先候補が減少、地元に働く場がなくなる可能性大
仕事(就職できる企業)を求め、まずは昼間人口が減り、最終的に近隣都市部に人口が流出する可能性大
南予地域における転出超過数(参考)
3
南予地方のFrom-to分析(定住人口転出超過数内訳)(2012年)
松
山
市
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
合計
宇
今
和
治
島
市
市
八
幡
浜
市
202 20 160
155
3
98
68 12
38
45
35
四
久
県
新
西 大 伊 国 西 東 上 万 松 砥 内 伊 松 鬼 愛 庁
居
条 洲 予 中 予 温 島 高 前 部 子 方 野 北 南 所
浜
市 市 市 央 市 市 町 原 町 町 町 町 町 町 町 在
市
市
町
市
10
12 16 12
29 11 11 25 19
4 14 28 16
- 13
8
2
23
12
17 15
94
18
-
31
26
41
13
そ
の
他
271
191
188
143
104
76
6
転出超過なし
22 18 43
10
10 10
743 50 81 45 10 28 65 49 37 39 32
0
0 58 15 12
0
10
137
0 94 0 121 1,116
域
外
転
出
超
過
数
585
450
427
315
184
114
6
0
217
2,081
【出典】
総務省「住民基本台帳人口移動報告」
【注記】
上位10位のみデータ入手可能であり、これを基礎として域外転出超過数(南予地域外)を算出しているため、実際の
域外転出超過数と合致しない可能性がある。
後継者不在による廃業リスクの顕在化

4
2006年度版中小企業白書から引用

年間平均廃業企業数289,731社×後継者
がいないために廃業を検討する企業割合
24.4%=70,694社

これだけの雇用が完全に喪失された場合を
仮定すると、失われる従業員の雇用は毎年
約20万人~35万人に上ると推定される。
(1)最小ケース:
882,587人(従業員50人未満の廃業企業の常用雇用者数合計)×24.4% = 約20万人
(2)最大ケース:
1,453,623人(廃業中小企業の常用雇用者数合計)×24.4% = 約35万人
南予地方においても、経営の状況、市場先行き不安に有無にかかわらず、廃業する可能性が存在
南予地方の雇用喪失可能性は、2012年経済センサス活動調査結果を基に同じ前提で推計すると、
最大ケースで約2,400人
後継者不在による廃業と雇用喪失試算(参考)
5
南予地方の廃業事業所数及び廃業雇用数(2012年)
宇和島市
八幡浜市
大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
合計
廃業事業所数 廃業雇用数
781
3,334
315
1,229
355
2,099
298
1,307
117
499
89
281
28
71
73
255
185
723
2,241
9,798
後継者不足廃業率
24.4%
24.4%
24.4%
24.4%
24.4%
24.4%
24.4%
24.4%
24.4%
最大雇用喪失可能数
813
300
512
319
122
69
17
62
176
2,391
【出典】
総務省・経済産業省「平成24年経済センサス-活動調査」
【注記】
廃業事業所で中小企業基本法に基づく資本金3億円以下の事業所は愛媛県では存在
していない。
帝国DBによる2015 年社長分析(四国) 概要

6
経営者の年齢が「70 歳以上」の構成比 は 10 年連続で前年を上回ったほか、全体の約 1 割
が「80 歳以上」となるなど、経営者の高齢化問題 が深刻さを増してきた。自身の高齢化にとも
ない、事業承継するのか、廃業するのか、選択を迫られる経営者は多い。
調査結果(概要)
1.四国 4 県における社長の平均年齢は 59.2 歳、県別では徳島県 59.5 歳、香川県 59.1 歳、愛媛県 58.7 歳、高知県 60.2 歳となって
いる。また、社長交代率は、徳島県 3.37%、香川県 3.68%、 愛媛県 3.60%、高知県 3.56%といずれも全国(3.83%)を下回り、高齢
化が進む中で社長交代率が低い状況は、今後「休廃業・解散」のリスクが高まっていることを示している。政府や自治体、金融機関等の
事業承継支援が広がることで社長の交代がさらに進み、社長高齢化に歯止めを掛けることが期待される。
2.業種別に社長の平均年齢を見ると、最も高かったのは不動産業で、次いで卸売業、製造業となっている。不動産業は 70 代や 80 歳以
上の社長が他業種に比べ多いため平均年齢が高い。また、 製造業では 30 代や 40 代の社長が少ないため、平均年齢が押し上げら
れている。
3.年代別に見ると、30 歳未満~50 歳代の合計の構成比は、徳島県 45.9%、香川47.0%、愛媛県49.4%、高知県 43.6%となり、愛媛
県以外は全国(48.1%)を下り、社長の高齢化が現れて いる。
4.年商規模別の平均年齢を見ると、年商が大きいほど 60 代の社長が多く、小さいほど 70 代や 80 歳以上の社長が多くなっており、平
均年齢を押し上げる層が違っている。大規模企業において は平均年齢が下がっており、事業承継が実施されていることが示されてい
る。
四国 4 県をみると、社長の平均年齢は愛媛県以外では全国を上回り、小規模企業の平均年齢が上昇している中で、社長交代率は低位で推移して
いる状況から、今後も「休廃業・解散」のリスクが高いことが示されている。
社長の高齢化の背景には、事業承継の遅れのほか、若者による起業の減少という問題がある。年商規模別の結果では、「1 億円未満」における平均
年齢の上昇が著しかった。この要因としては、小規模・低収益企業は事業承継する魅力に乏しい企業が多いという理由だけでなく、創業して間もない
企業が少ないことも考えられる。
一般的に、社長の年齢が高いということは、内外に対する信用が得やすい反面、企業としての活力や継続性の面においてはマイナスに働くことが多
い。それにも関わらず、社長の平均年齢が一貫して上昇を続けているという状況は、その産業や地域にとってのリスクが大きくなり続けているということ
でもある。不動産業のケースは特殊であるものの、製造業における平均年齢が高いことには注意が必要であろう。
南予地方の人口推計を考えると、将来、事業承継が進まず、職を求め、人口流出が加速する可能性大
事業承継は創業よりもリスクが少なく、経済を維持するためにも、南予地域でもできる事業承継の推進が必要
愛媛県南予地域における経営者の平均年齢
7
61
60
59
58
57
全国平均
56
愛媛県平均
55
宇和島市
八幡浜市
54
53
大洲市
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
西予市
全国平均
54.1
57.9
58.1
58.2
58.4
内子町
愛媛県平均
57.7
57.8
58.1
58.3
58.4
伊方町
宇和島市
57.6
58.1
58.2
58.4
57.7
松野町
八幡浜市
59.9
59.7
59.3
59.5
58.9
鬼北町
大洲市
58.8
58.8
60.1
60.1
60.7
愛南町
西予市
54.1
55.5
56.7
57.9
58.6
内子町
57.2
57.4
58.1
58.6
56.7
伊方町
55.5
56.5
57.3
57.6
55.7
松野町
55.8
56.8
57.3
54.1
56
鬼北町
56.1
56.9
58.2
59.3
59.9
愛南町
57.6
58.4
58.4
58.8
58.1
【出典】
株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝
国データバンク「企業間取引データ TRD」
農林水産業だけが、後継者不足に悩んでいるわけではない。全産業的に年を追うごとに高齢化して
いる。また、経営者の平均年齢が減少傾向にある自治体もあるものの、廃業・解散の企業数の減少傾
向を加味すれば、世代交代が必ずしも進んでいるとは言い切れない。
国における事業承継の施策
8
中小企業経営承継円滑化法(2008年10月施行)
○ 相続における遺留分に関する民法の特例
・ 贈与株式等を遺留分算定基礎財産から除外可能
・ 贈与株式等の評価額を予め固定化可能
○ 相続税・贈与税の特例
・ 非上場株式等の相続税納税猶予制度の創設
・ 非上場株式等の贈与税納税猶予制度の創設
○ 自己株式取得等のための日本政策金融公庫等の金融支援
【課題】
・事前確認手続きが煩雑
・後継者を親族に限定
・雇用8割5年間毎年維持要件が厳格過ぎ
・要件を満たさない場合のリスクが大
・役員退任要件で現経営者の信用力が喪失
経営承継円滑化法改正(2015年1月施行)
【課題】
・事業承継の形態が多様化し、20年前は9割
だった親族外承継が近年約4割と増加傾向
・役員が退任せずにとどまる傾向
○
○
○
○
○
○
経済産業大臣の事前確認制度の緩和
親族外承継を対象化
雇用8割維持要件の緩和(5年間毎年維持から5年平均へ)
要件を満たせない場合の納税猶予打ち切り時の利子税の軽減
後継者の死亡、会社倒産に加え、事業再生にも納税猶予額を再計算
経営者の役員退任要件を代表者退任に緩和
経営承継円滑化法等の一部改正(2015年8月成立)
○
○
○
○
遺留分特例制度の対象を親族外へ拡充
独立行政法人中小企業基盤整備機構による事業承継サポート機能の強化 P
個人事業者が親族内で事業承継した場合や65歳以上の会社役員が退任した場合の共済金を引き上げ
小規模企業者の経営状況に応じた掛金の柔軟化
中小企業基盤整備機構事業承継・引き継ぎ支援センターの設置
○ 第三者への事業引継ぎを希望する売り手中小企業と買い手企業とのマッチングを目的としたデータベースの構築
○ 各地の事業引継ぎ支援センターの新規設立 → 愛媛県事業引継ぎ支援センターの設置(平成25年7月1日設置)
○ 広域マッチングなどを行う「事業引継ぎ全国本部事業」 等
南予地域で、なぜ事業承継が進まないのか
事業承継先の事情
人脈がない。紹
介してくれない
潜在的承継元を
自力で捜索困難
潜在的承継元の
情報が不足
事業承継元の事情
親族に承継させ
たい
経営者としての
力量が不足
親族しか承継さ
せないとの推測
経営者のノウハ
ウがなく不安
親族に承継が困
難
従業員に適切な
者がいない
親身になる相談
先が身近に不足
事業内容を経験
してみたい
信用がない。資
金がない
親族が都市部に
在住し生計
9
承継仲介者等の事情
相談先が都市部
にある
地方部自治体・商工会・銀行
法律改正により
承継増加を予想
支援センターを
開設すればOK
相談数が見込め
る都市部に開設
地方部自治体等
はセンターに期待
潜在的承継先の
情報が不足
人脈がない。あっ
せんがない
基本 的に受身 、
待ちの姿勢
仲介者に仲介料
等を払いたくない
自治体、商工会
連携、営業不足
潜在的承継先を
自力で捜索困難
事業承継=M&A
というイメージ
地元金融機関と
の連携も不足
承継先に直ちに
任せるのは不安
安価・無償で
譲ってほしい
できれば高値で
売りたい
DB作成してもメン
テナンスが不十分
人材紹介業者等
公 的 サ ー ビ スの
手続きが煩雑
事業承継し経営
者への道を断念
相談が都市部の
者に偏る
公 的 サ ー ビ スの
手続きが煩雑
潜在的なニーズ
が読み切れない
親族外承継も困
難
事業承継せず
廃業を選択
設備投資には経
費が掛かる
特に承継元の情
報が集まらない
事業 承継をビ ジ
ネスにしない
事業推進体制
10
南予地域官民連携
事業承継推進本部
[構成員]
・宇和島市産業経済部長
・八幡浜市産業建設部長
・大洲市産業経済部長
・西予市産業建設部長
・西予市企画財務部長
・内子町産業振興課長
・伊方町産業振興課長
・松野町森の国創生課長
・鬼北町産業課長
・愛南町商工観光課長
・愛媛県南予地方局産業経済部長
[事務局]
・西予市企画財務部総合政策課
・西予市産業建設部経済振興課
各市町官民連携事業承
継推進ラウンドテーブル
[構成員案]
・市町内関係組織の関係者
・市町内商工会議所・商工会の関係者
・市町内金融機関の関係者
・地域活性化非営利法人の関係者
[オブザーバ]
・宇和島商工会議所事務局長
・吉田三間商工会事務局長
・津島町商工会事務局長
・八幡浜商工会議所事務局長
・保内町商工会事務局長
・大洲商工会議所事務局長
・長浜町商工会事務局長
・川上商工会事務局長
・西予市商工会事務局長
・内子町商工会事務局長
・伊方町商工会事務局長
・松野町商工会事務局長
・鬼北町商工会事務局長
・愛南町商工会事務局長
・四国経済産業局
・愛媛県事業引継ぎ支援セン
ター
等
・伊予銀行
・愛媛銀行
・愛媛信用金庫
・宇和島信用金庫
・四国労働金庫
・日本政策金融公庫
・愛媛県信用農業協同組合連合会
・愛媛県漁業協同組合連合会
・リクルートキャリアコンサルティング
・テンプスタッフ・フォーラム
・パソナ
・ふるさと回帰支援センター愛媛ふるさと暮
らし応援センター
今年度の進め方
11
11月
予算要求・上乗せ交付金決定
12月
1月
審 交付 議会
査 決定 採決
2月
3月
4月
予算
要求
議会
採決
組織形成
南予地域官民連携
事業承継推進本部
南予地域の事業承継に
関する政策を推進する組
織体
設置
準備
各市町官民連携事
業承継推進RT
推進本部決定に基づ
き、各市町が事業承継
に関する政策を推進す
る組織体
設置
準備
設
置
南予地域で事業承継を
円滑に推進するため事業
構想を策定
内容 民間事業者、
各市町
検討 金融機関との相談 との調整
決
定
設
置
体制
強化
事業設計
事業構想
事業計画
各市町実施計画
構想を計画的に実施し、
目標を達成するため、役
割分担、日程、目標等を
まとめた事業計画を策定
内容 民間事業者、
各市町
検討 金融機関との相談 との調整
事業計画を各市町におい
て円滑に実施するため、
実施計画を策定
決
定
段階的に事業開始
内容 民間事業者、
各市町
検討 金融機関との相談 との調整
実態調査
国に統計調査解析
国の経済センサスデータ
を解析。母集団データに
独自調査
経済センサスデータを基
に、企業の独自調査を実施
申請
準備
審査
調査準備
解析
発注
調査
解析
決
定
南予地域官民連携事業承継推進構想イメージ
・田舎に行きたい
・地元に帰りたい
・経営者に挑戦したいが
リスクが高い
etc.
UIJターン・経営者
でも、どうしてよい
かわからない
域内事業者
12
・子供が帰ってこない
・相続が大変そう
・会社は残したいが
候補者がいない etc.
希望者
人材募集・紹介、移住等
セミナー
状況把握
募集・相談
募集・交渉
その他人材派遣会社
承継相談・交渉・融資等
宇和島市 八幡浜市 大洲市
西予市
内子町
伊方町
松野町
鬼北町
愛南町
ファーストマッチング
企業買収案件・セミナー等
愛媛県事業
引継ぎ支援センター
制度紹介、情報提供等
従業員雇用
ノウハウ伝授
経営者研修
取引先紹介
各地域商工
会議所・商工会
伊予銀 ひめぎん 愛媛信金
エンドマッチング
うわしん 四国労金 日本公庫
事業承継
四国経産局
愛媛県
ミスマッチング
JA愛媛県信連 JF愛媛漁連