学会発表

P03 メタン-酸素およびアセチレン-酸素混合気を用いた
単一パルスRDEの推進性能
○三ヶ尻 脩人(大分高専専攻科),利光 和彦(福岡工大),原 耕成,瀧口 直(大分高専専攻科)
デトネーションとは
実験結果
衝撃波と火炎が一体となり
爆発的に超音速で伝播する現象
燃焼状態の確認
近年,超音速飛行のための推進機関として
デトネーションエンジン(DE)が注目されている
実験条件
CH4-O2, C2H2-O2
当量比1
RDEの燃焼実験
DEの分類
・ 定在デトネ-ションエンジン(Standing Detonation Engine)
・ パルスデトネーションエンジン(Pulse Detonation Engine,以下PDE)
・ 連続スピンデトネーションエンジン(Continuous Spin Detonation Engine
またはRotating Detonation Engine,以下RDE)
高速度カメラ
フレームレート16000fps
アセチレン-酸素混合気での1フレーム間の燃焼
目 的
最終的な目的
飛翔体または発電用などのエンジンとして使用可能な
高効率・軽量・低公害なRDEの開発
本報の目的
・ RDEの製作
・ メタン-酸素,アセチレン-酸素混合気での単一パルス燃焼
・ 燃焼流れ場の可視化
・ 弾道振り子法による推力性能評価
おおよその燃焼旋回速度
CH4-O2 : 335m/s
C2H2-O2 : 1885m/s → ほぼデトネーション燃焼
比推力の比較
比較対象のPDE
・ 全長1000mm
・ 燃焼室容積707cm3
実験装置・実験方法
RDEの概要
混合気ベース
RDEの断面図
実験方法
燃料-酸化剤充填
単一パルス燃焼
高速度カメラによる流れ場の撮影
弾道振り子法により推力測定
RDEの写真
弾道振り子法
静止状態から単発燃焼
レーザー変位計で測定
↓
式(1),(2)で推力評価
弾道振り子法概略図
π
参考文献
比推力
燃料ベース
混合気ベースでの比推力の比較
燃料ベースでの比推力の比較
RDEとPDE[8]のCH4-O2混合気
↓
Ispはほぼ一定の値
RDEのC2H2-O2混合気
↓
等量比φが大きくなる程
Ispは大きくなる
RDEとPDE[8]のCH4-O2混合気
およびRDEのC2H2-O2混合気
↓
Φが大きくなる程
Ispは小さくなる
↓
エアーブリージングDEにおいて
希薄燃焼が有利
RDEの最大比推力
CH4-O2:Isp=150s(φ=1.2~2.0)
C2H2-O2:Isp=363s(φ=2.8)
RDEの最大比推力
CH4-O2:Isp800s(φ=0.8)
C2H2-O2:Isp=1100s(φ=0.6)
結論
↓
インパルス
RDE(上)とPDE(下)の比較
燃焼室容積:669cm3
・ 二重円筒形状
・ 開端側は大気開放
・ 閉端側に燃料-酸化剤供給
と 着火装置を配置
・ 燃料と酸化剤を連続的に注入
・ 火炎は二重円筒内を周方向
にいくつかの旋回デトネーション
を 形成しながら伝搬
・ 燃焼室の軸方向長さをPDEより
短くできる
①
②
③
④
メタン-酸素混合気での5フレーム間の燃焼
2π
I = M ⋅ x⋅e ⋅
T
Ft
I
I SP =
=
m g mg
2
ς
(1)
(2)
M: 懸垂質量[kg]
x: 最大変位[m]
𝜁𝜁 : 減衰係数
T: 振動周期[s]
Ft: 推力[N]
g: 重力加速度[m/s2]
m: 推進剤燃焼量[kg/s]
本研究の結果をまとめると以下のとおりである
(1) アセチレン-酸素混合気でメタン-酸素混合気の2倍以上のイン
パルスおよび比推力を得ることができ,混合気ベース最高比推力
は363sでH2A固体燃料推進ブースタと同程度である.
(2) アセチレン-酸素の火炎の旋回速度はおよそ1885m/sであり,デト
ネーション燃焼であると考えられる.
(3) メタン-酸素の燃焼におけるRDEの比推力は,混合気ベース・燃
料ベースの両方において,PDEと同程度である.
(4) 燃料ベース比推力は当量比の増加に対して減少する.結果として
エアーブリージングエンジンとしてデトネーションエンジンを作動さ
せる場合は希薄燃焼が有利である.
(5) 燃料ベース比推力では,アセチレン−酸素混合気がメタン−酸素混
合気の場合の約2倍となり,その最大値は1100sである.