12心の糧 H12.10

生かせいのち心の糧
お大師さまの言葉
空海全集第五巻
法界無縁の一切衆生を観ずることなお
し己身のごとし。
然る所以は、善人の用心は他を先とし、
己を後す。
三昧耶戒序 弘
?法大師
この世界における生きとし生け
るもの一切をみる場合にあたかも、
自分自身のもののようにみるべき
である。そのわけは、善人の用心
は他のものを先とし自分自身のこ
とは後にするからである。
本来自分も他人もなく、生きとし生けるものは、
お互いに生かされあいのなかに生きてい るのである
から、他人のことも、自分自身のことのように考え
ていかねばならないと語りかけている。
生きとし、生けるもののなかに、自分を見い出し
ていくということで、生きていけるようになるには、
深い信仰心にささえられねばならないのである。
孤独
最近の残忍な少年犯罪は、被害者が少年や老人と
いう、社会的弱者とされる方たちが被害にあってい
ます。そして、その手口が、あまりにも残忍で、そ
してまた、犯行にいたるまでの理由や思考内容が、
日常生活では理解が出来ないことから、社会的な混
乱を招いている。
犯罪を犯した少年は、単独犯ばかりです。一人で
考え、一人で悩み、一人で計画し、一人で実行して
いました。友だちはいなかったんだろうか、親との
関係はどうなっていたんだろうか、地域社会とのつ
ながりはないんだろうかと、きっと、他の人との関
係が切れてしまった世界を生きていたのだ。
孤独は、一人だけで作れるものではなく、家庭環
境・社会の状況がその少年を孤独にしたのです。一
人で孤独になったのではなくて、みんなで、その子
を孤独にしたという面がある。
﹁仲間意識が、仲間はずれを作る﹂という言葉があ
ります。過ちをおかした人達をつつみこむ仲間意識
っていうものはないだろうか。
正しいとか間違いという、人間の価値判断による
仲間意識は、仲間はずれを生み出します。
今の世の中、みんな、本当は人との出会いを求め
ているのに、ちっぽけな価値判断で孤独地獄に堕ち
ているんではないだろうか?
仏教の話で、地獄というのは、死んでから行くの
ではなくて、この世の中であると。そして、その地
獄の一番苦しい地獄が、孤独地獄であると・・・。
幼い頃、大人達からたくさんの愛を貰って育 った子は、大
人になった時、真に人を愛することが出来る。
H・スペンサー
アレクサンダー大王
宇野 千代
逆に愛薄く育った子供は生涯愛に飢える
母の涙は、子の不平を洗い去る
子供は父母の行為を映し出す鏡である
仲間の愛の中で育った子は、世界に愛を見つけます
アメリカインディアンの教え
人間は、誰でも考えている。インテリだけが、それを自慢
しているのだ
ボーヴォワール
人間にもっとも多くの災いをもたらすのは人間である
プリニウス
ヒューズ
ホイットマン
• 寒さにふるえた者ほど太陽の暖かさを感じる。
人 生 の 悩 みを く ぐ っ た 者 ほ ど 生 命 の 尊 さ を 知 る 。
• 墓場は一番安上がりの宿屋である。
ボワロー
• 人が天から心を授かっているのは愛するためである。
◇御写経のすすめ
日々の雑事から、ちょつと離れてこころ
ゆたかな時間を持つことが大切です。
直接御仏の息吹に触れることが出来ます。
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﹃高野山こころの電話﹄ 〇七三六五 六- 四- 五〇〇
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