2005年秋号 - 一般財団法人住総研

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団地再生は住宅組合の手で 新井信幸:::却
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-大正・昭和初期における住宅組合の理想と挫折藤谷陽悦:::刊
中林由行(斡間前一長 )+早岨宰(耕一酬畑)司会 H小林秀樹 (粁鱈臥)
住宅組合唱-事ー 虐住地再生に果たす告をめぐって::・・7
焦点 v今こそ住宅組合の出番である:::4
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︿風紋﹀約を巧みに活凋した Vングハクスド U 汁比一肘南部 藤 井 明:::2
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︿図書室だより﹀盛時間西山卯三記念すまい ・まちづくb文庫 広原盛明・::招
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︿ひろば﹀大きな鳥族に囲ふれてlコウハウジングの容で柳川一夫:・ 一
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︿すまい再発見﹀﹁新たな魅力ある郊外居住のあb方 ﹂ 津田初穂:::印
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やかな勾配の高原地借になっている。ダクラック中間の首都パン
ベトナムの中南部は海側に山地が迫っているが、内陸側は経
れている。
並んでいる。最奥部は町一房で、置炉が三個あり、炊事に使用さ
や斧、鋸などの農具や工具が掛けられ、壁際には壷酒が幾っち
妻鹿恨の垂水の掛け方で、竹の節から仲ぴた分校部分を一
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大い丸太の材で全体の架構が組まれているが、面白いのは切
メトiト か ら 南 東 に 五O M余 り の 所 に ラ ッ ク 湖 が あ る 。 浅 い 怖
で象が歩いて波っていたが、この湖の周辺で水船栽培をしてい
るのがムノン肢である。
この地域には、校が根のように太い竹が生えているが、それを
程切り残し、それを敷桁に引っかけるようにして留めている。
が、彼らの住民は高床のロングハウスで、妻函を道路側に見せ
巧みに利用したものである。竹は小屋組の垂木や屋根材を留め
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│ 住居の外観。
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この住民は一九七四年に造られ、現在三人が住んでいる。
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ベッド
(ふじい・あきら/京京大学生産技術研究所教授)
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寝室
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入口テラス
勝手口テラス
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調査住居平面図
ムノン族はカンボジアから移住してきた民族といわれている
な が ら 整 然 と 並 ん で い る 。 二0 1三Omの 長 さ の も の が 標 準 的
る桟として利用されるほかに、住居の内外部の至る所に用いら
れている。践は割竹を格子状に編んだ網代で、それを支える支
で あ る が 、 な か に は 四Omに及ぶものもある。
住肢は両端部に木や竹を組んだテラスがあり、それに刻みを
柱や桁もまた竹である。床も割竹敷きで、一扉や窓も竹の修子で
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ざるたけひご
入れた九大が立て掛けてある。内部は人口に近い部分が居間で、
ある。穀物や野菜を入れる筑や龍も竹銭を編んで作られ、魚を
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絞容の場を兼ねていて、煙草川の炉がある。この周辺には机や
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2酒が主主んだ室内。
躍るための第や鶏の雛を入れる能も竹製である。
5一部屋に仕切らず広
椅子、それに銅線、太鼓などの祭礼川具が置かれている。その
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裂には蚊帳やゴザなどの寝具が吊るされている。桁や柱には鍬
rr の分十えを巧みにわIJ fT!した智~HN?Q
'児は京族の日常生活の場で、壁に沿ってベッドが置かれ、屋根
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助や低利のファンド、あるいは住民のボランティア活動等が間附与することが
きる賃貸感覚を両立させる第三の住宅になる。
れは、中心市街地活性化などの政策目的に合致すれば、住宅経営法人に対し
省が、平成一七年度より﹁街なか居住ファンド﹂を創設したことである。こ
もちろん、この仕組みが成立する鍵は、住宅組合への融資にある。という
その中間セクターとして、最近話題のNPOなども考えられるだろう。し
て一定額を国が出資する制度である。これが機能すれば、金融機関が抱える
必要になる。それを受け止めつつ住宅供給を進めるためには、非営利であり
かし、欧米のような慈善団体の腰史に乏しい日本では、寄付金等を基盤とし
のは、間住者が負う経営リスクが減ることは、逆にいえば、融資側のリスク
た住宅経営組織を実現することは容易ではない。むしろ、居住者自身が、自
リスクは、居住者による出資と本ファンドによる出資の分だけ減ることにな
ながら、かつ公共団体ではない新しいタイプの担い手、つまり中間セクター
らのために投資を行なう組織に可能性があるのではないか。なぜならば、そ
る。おそらく、事業費の五 i六 割 程 度 の 融 資 に な る だ ろ う 。 こ の 程 度 で あ れ
が増すことを意味するからである。この開題に対して朗報がある。国土交通
の住宅に現に住んでいる人びとが、その住宅の価値を最も高く評価しており、
ば、融資に応じてもよいとする金融機関は存在する。
が望ましい。
建物の改修をはじめとして将来に向けた追加投資を行なう動機が強いと考え
が出資してもよいし、地域活性化の観点から地元企業が少しずつ出資しても
さらに、出資者を居住者に限る必要はない。郊外田地であれば、都市機構
欠けているのは、その意欲・投資を引き出す仕組みである。持ち家として
よいだろう。そうなれば、住宅組合とコミュニティファンドをミックスした
られるからである。
払い下げを受ければ、この目的に照らして明快だが、しかし、賞貸住宅に住
ような仕組みになる。
クターとして、住宅組合の可能性が大きいと考えている。
理組合活動の経験が積み重ねられている。これらの背景を考えれば、中間セ
日本では、大正時代に住宅組合法があった。また、現在、マンションの管
む住民は、そこまでの資金とリスクを負担したくないと考えるのが普通だろ
う。その一方で、維持管理やリフォーム程度ならば自己負担で実施してもよ
に、
い と 考 、 え る 居 住 者 は 大 勢 いそ
るこ。
住宅組合方式の出番がある。
日本での住宅組合の仕組みとは
話は変わるが、実は、我々は欧米のコ iブ住宅について意外に知らない。
住宅組合の多様な展開
は法人であり、そこに居住者は出資する。出資額は持ち家で払い下げを受け
本特集にあたって、既往文献を調べてみたが、住宅の所有形態や融資に踏み
公共団地の払い下げを想定して具体的な社組みを考えてみよう。住宅組合
る場合の二割程度としよう。残りの八割程度は、住宅組合法人が金融機関等
込んで研究した文献は稀であった。おそらく、建築分野での検討が中心であ
ったために、これらの側面への関心が乏しかったのであろう。
から融資を受け、その返済は、毎月の家賃から行なう。
このようにすれば、居住者主体の管理に移行するだけではなく、自助努力
が自らにメリットとして返ってくる。つまり、経営がうまくいけば維持管現
その一方で、居住者が負う経営リスクは出資金の範囲内に収まる。また、
中による家賃高騰を背景として、居住者自らが住宅を経営しようとする要求
は、資産家が所有し賃貸経営を行なうものであった。しかし、人口の都市集
そこで、コ iプ住宅について概略を同調べてみた。その昔、都市の集合住宅
①底分所有に敗北した持ち家型のコ lプ 住 宅
持ち家のように口 i ン 破 産 に お び え る 必 要 も な い 。 い わ ば 、 持 ち 家 と 借 家 の
が強まった。その初期の一例が、アメリカのホl ムクラブと呼ばれるもので、
費を続減できたり、あるいは退去時に出資株を売買できたりする。
中間の所有形態であり、自助努力を引き出す持ち家感覚と、気軽に入退去で
d 重量掴
欧米諸国と毘本の住宅組合
中林由行/なかばてよしゆき
繍綜建築研究所代表取締役
NPO全恩コiブ住宅推進協議会事務局長
一九六丘年、東京大ハ子工や館山叫築学科卒業。
七O年、同大学院修了。六五年より鞠絞建築
研究所の役立に参加、七二年、代表紋締役に
銑任、現在に沼市心る。七0年代よりコ 1ブ住宅
の企図設計に関わり、八六年より N P O全開
コiブ住宅俄進協議会の事務局長。環境共生
住宅推進協議会技術級問、共生裂すまい全開
ネット常任俊一議人等も務める。域自決 Hに、吋コ
ーポラティブハウジング﹂(共怯打、成品川版
ム国)、ぷ持続共生住宅宣之同﹂(北九官自、ヤイブン
出版}、 E ハに住むかたちら(共皆、山也築資料
研究社)などがある。
特集@住宅組合││公私の中間
居住地再生に果たす
役割をめぐって
盤調
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公から民への住宅政策とコーポラチィブ
早田宰/そすだおさむ
厚穏回大学社会科学総合学術院教授
一九九O年、円十抑制限大学政治経済学部隊治学
科卒祭。九二年、同大手段理工学研究科(建
設工学)修γ。九三年、同博士後期課程単位
取刑判退令。約十巾升川耐問・住宅政策を専門とする。
十抑制限大川町ずむ会
京点都立大栄建築学科助予、 H
一
年
科学郊専任講師、助教授を経て、二O O一
一
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年1 0四年、パ l ミンガム大
より羽織。 O一
川下郡市・地凶研究所 (CURS) れぬけ研究只、
O悶107九年、北京大学柄拘出場令部都市・地同時
針治学科訪問研究以。﹁伎環境整備事業にお
けるU絞京間イメージの An
窓形成フロセスに
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九五折、防
関する研究﹂で一九九九年日本建築 千
司会日
小林秀樹/こばやしひでき
千葉大学工学部都市環綴システム学科教授
一九七七年、東京大糸工令部建築何千科卒業。
設計事務所効筏を絞て、八五年、円山大学院間同
士課程修了。八七年、建設行建築研究所に入
所合同川土交通行問土技術政策総合研・叫ん所をほ秘
戦。スケルトン定的(勺くば方式)マン
て mt
ションの的経と実践で、九六年、日本不動緩
や九五業抑制校、九八年、郡市住宅学会食論文伐
を受賞。湾市口に、吟築住のなわばり苧﹄(州戦川内
社)、﹁何判・祭会住宅の時代﹂ (NHK出版)、
吋スケルトン定借の則一論とす内淡い(此(位打、八子議
出版社)などがある。本汁山川瑚集委口氏。
日本のコープ住宅建設戸数の推移
図- 1
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公団・公社は八0年代からコ lプ 方 式 を 導 入 し て 、 か な り 頑 張 っ て や っ た
のですが、一九九五年ぐらいから分譲はやめるということで、公的供給は現
在はほとんどないんですね。民間は最初は頑張ったのですが、バブルの時代
になると、土地が買えなくなってどんどん下がってきて、バブルがはじけて
からだんだん盛り返しました。
一九九七年が、なぜゼロに近いかというと、阪神・淡路大震災があり、一
OOO戸ぐらいのコ iプ方式で建て替えた被災マンションがパックに隠れて
いるんです。それにほとんどかかりっきりだったので、この間ほかのコ iブ
住宅はほとんど建っていないのです。
こういうふうな流れで、最近は公的なものはほとんどありません。これは
非常に残念なことなのですが、今は民間が頑張ってコ lプ住宅をふやしてい
る。総数的には、去年で八七O O戸 ぐ ら い と い う の が コ ! プ 住 宅 の 流 れ に な
っています。
各国のコlプ住宅のタイプ
ていて、中に住んでいる人は組合員であり、基本的に居住権で住んでいると
的な土地を借りているという例も非常に多いのですが、建物は組合が所有し
格がありますので、土地や建物は組合自身が所有している。土地は組合が公
世界的に主流になっているのが、二番目の﹁組合所有﹂です。組合に法人
いるようなものが﹁管理型コ lプ﹂で、イギリス、カナダに事例があります。
理を委託されてやっている、いわゆる﹁マネジメント・コ lブ﹂と呼ばれて
それで、第三者所有、たとえば公営住宅みたいなものを住み予の紐合が管
2)。
個人が一区分所有しているものと大きく三つに分かれます(次頁、図i
有の建物をコ!プ的に管理しているものとか、組合白身が所有しているもの、
のなかに﹁住宅協同組合﹂があり、その住宅を所有型で分ければ、第三者所
思います。世界的にみますと、中間セクターである非営利的な住宅供給組織
ここで日本を離れ、諸外国のコ lプ住宅についてひと通りの話をしたいと
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(2)民間営利企業による供給.各
偲人による住宅建設。
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(1) 日本における公団住宅、公営
住宅など政府や自治体による
霞接供給,
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) 非営利企業法などに基づいてliI・il!iドイツ(ノイエハイ
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31)建物の所有権は第三者(公共陵・イギリスの一部
(managementco-op)
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合って建設する原始的なコ
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1・オーストリアの一部
ブ住宅で、建設後は区分所有関・イギリスの一部
される場合が多く、また総合
も解散してしまう域合もある。
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しお5:自五金一:長忌ミニヲー(335)入居者集岱が自ら労力を出し調・力ナダの初期の例
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っ所般出済え設一対住譲宅な
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(第三分類)
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1区分所有型コープ
セヲターなど)にあるが、日盤・力ナダの一部
常の管理運営を箆住者組合が
主体的に行うもの. 3
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のコープへの H皆様として実
施される場合もある。(出 1)
(
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) 第三者所宥-3
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) 区分所有寸
※ 13
3
1は協同組合が建設供給す
るものではないので、 3
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コ
分
類に入れることは必ずしも正
確ではない a
※23
3
5は建設裂の分類で他の所
有型の分類とは整合していな
いが、
応つの型とし扱っ
た.
とができる。居住権そ
いうのがこのタイプで、
のものが売買できると
いちばん有名なのはス
ウェーデンのHSBで
す
。
HSBは、貯蓄組合
であり、地域の親組合
と、建物毎に設立され
る子組合があります。
入居したいという人は
組合員になって、年々
積み立てをしていく。
親組合はその積立てを
資金としてもっていま
すから、そのお金で土
地を買ったり、建物を
建てたりして、組合員
に居住権で入ってもら
う。入居した人は、家
賃というよりも、ある
程度ロ l ンの返済も合
いわゆる住居費というものを毎月親組合に払っていくわけです。最
﹁共有所有権型コ iプ ﹂ は 、 居 住 権 が か な り 強 い 。 出 て い く と き は そ の 居
有型しかないというのが特徴になっています。これは正確には﹁住宅協同組
カにもあるし、フランスにもあるし、イタリアにもある。日本はこの区分所
﹁区分所有型﹂というのは、世界的にはそんなに多くないですが、アメリ
住権を市場価格、ないしはある定められた価格によって売買して出ていくこ
カナ、夕、イギリス、西ドイツ、フランスで借家型のものがあります。
まれた
の議決擦をもって経営に参加
し、組合員にのみ住宅を供給
1、32と異なる.
する点で、 3
いう形です。そのなかは、さらに﹁共有借家型コ i。フ﹂と﹁共有所有権型コ
(
3
3
) 組合組織で 1メンパーは 1
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翠
終的に居住権が全部自分のものになれば、それを市場価格で売って出ていい
1
1
1 ? 卜など)
設立される公益的な住宅企業 .
配当率制限立どいくつかの条隠・スウェーデン
件を満たすことで税制上の優駿・デンマーク
遇 、 公 的 助 成 を 受 け る こ と が 際 フ ラ ン ス (HLM株 式
できる.
隆会社など)
ープ﹂に大きく二つに分かれます。﹁借家型﹂は居住の権利がやや弱くて、
(第二分類)
3
2 非営利住宅金社
クの住宅 1
協会
自治体などの出資によって設磁・デンマ
立される公益的な住宅供給組
織. i
正案気住宅を主として供
給.
というシステムができています。
(第一分類)
(
3
1
) 教会、財回、労働団体、地方関イギリスの住宅協会
3
1 公益住宅法人
〈各留における事例〉
(概要〉
借家的な権利である。退去するときは最初に出した出資額だけが一民ってくる。
図-2 住宅供給主体とコープ住宅の分類
ハ
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口﹂とはいえません。建物をつくるときに組合でつくるけれども、最終的に
り ま す 。 一 方 で 、 ア メ リ カ に は 低 所 得 者 向 け の コ l。フ住宅があり、公的な援
いのですが、アメリカの人種問題などの特殊事情として、そういうものがあ
助を受けて、かなりつくられています。いちばん多いのはニューヨークで、
は個人の所有になってしまうものです。
このように組合の形と所有の形というのは、その国の国民性とか歴史、住
コlブ住宅の比率がかなり高くなっています。
それから、ニュ i ヨi ク な ど の 特 徴 は 、 ﹁ コ ン バ ー ジ ョ ン ﹂ と い っ て 、 賃
宅政策によってさまざまなタイプがあるのですが、欧米の場合は、住宅組合
に法人格があり、不動産や土地を所有できて、住んでいる人は居住権または
1
0
貸住宅をコ iポ ラ テ ィ ブ に コ ン バ ー ジ ョ ン し て い く の が 非 常 に 多 い よ う で し
20
使用権で暮らすというタイプが主流になっている。こういう法人格をもっ組
30
て、民間の賃貸住宅
き40
合がないために、いま日本では本格的な住宅組合がつくれないんですね。
ると、デベロッパー
緩
1
1
.
が採算が合わなくな
各国でコ iブ住宅がどういうふうに建設されてきたかをみてみると、第一
が入って、それを全
部改造してコ iポ ラ
次世界大戦後の住宅難のころに始まった国、第二次位界大戦後の住宅難のこ
ろに始まった国、最近になって始めた国と、大きく分ければ一一一つのグループ
ティブとして売り出
?
レ
て レ
でつ﹀﹂い、 7、
1キ
2005年
1995年
1985年
になります(図│3)。戦前のドイツは別格で、もっと前からかなり建設して
いて、非常に数が多い。北欧諸国│スウェーデン、フィンランド、ノルウエ
コンバージョンがか
非常に民間事業的な
設しています。そのあと、第二次世界大戦後になるのはアメリカ、フランス、
なり行なわれている
i、デンマ iクは、第一次世界大戦後のかなり早い時期からコ iプ 住 宅 を 建
戦後のドイツ。住宅難の時代ですから、なんとか質の良い低所得者用の住宅
ドイツは使用権型
と開いています。
し か し 、 イ ギ リ ス 、 カ ナ ダ 、 日 本 は 第 三 の グ ル ー プ で し て 、 一 九 六0年 代
中心です。社会住宅
プ住宅を導入しているわけです。
JJ
にかなり公的な助成闘
が入っています。で、
住宅費も安い。その似
ア メ リ カ は や や 特 殊 で 、 二 種 類 の コ iブ 住 宅 が あ り ま す 。 一 つ は 非 常 に お
かわり、出ていくと柑
きは出資額しか戻っ
金持ちの人たちが、自分たちの住コミュニティを守るために住宅組合をつく
ていて、設かが売るという場合、住人が同意しない限り新しい居住者はそこ
てこない。
っ て い る 。 ニ ュ ー ヨ ー ク な ど の 災 い 場 所 に 非 常 に 高 級 な コ iプ 住 宅 を つ く っ
に入れない。排他的なコ iプ 住 宅 と い う の は 、 本 来 あ ま り 好 ま し い 形 で は な
年
1975年
1965年
をつくろうという形のものがや心です。
(日本は七0年代)からコ lプ 住 宅 に 取 り 組 み 始 め た 悶 々 で す 。 こ れ ら は 住
l
正
の一部としてコ lプ 移
住宅を扱っています仰
50
1955年
1925年
1915年
宅 難 解 消 の た め と い う よ り 、 新 し い 都 市 の 住 宅 の 再 生 の た め に コ lブ 住 宅 を
(
政策的に取り上げている。特にイギリスはそうですし、カナダも多民族のな
60
ので、低所得者向け離
70
かでどうやって良いコミュニティをつくっていくかということのためにコー
8
0
1945年
図- 3
各国のコiプ住宅と法人格
4)。 事 業 組 合 と い う の は 、 幾 つ も コ iプ
法人格の話をしてみたいと思います。法人には、大きく分ければ事業組合
と住民組合の二つがあります(図
住宅を事業的に建てていくという協同組合のこと。住民組合は、その棟に住
んでいる住民がつくる組合です。﹁大きな組合﹂と﹁小さな組合﹂という言
い方もします。
日本のコ!。フ住宅の場合は、大きな組合はなく、小さい住民組合だけです。
日本の住宅生協は、住宅を供給していますから卒業組合にあたるのですが、
コーポラティブという位置づけはあまりされておらず、分譲の一戸建て住宅を
中心に供給しています。
ないと思います。
イギリスはさまざまなタイプがあり、大きな事業組合もあるし、住民組合
カナダの場合は、事業組合はなく、住民組合だけでやっています。これも
もありますが、中心は売買できるものではなくて使用権。
というふうに、国によって法人のあり方もさまざまです。ですから、日本
かなり合的助成が入っていまして、使用権です。
で組合を法人化するという場合に、どういう形が最もいいのかということを
考えなければいけないと思っています。
欧米と日本のコiプ住宅の相違点
期的共同性、長期的共同性でみてみようと思います。個別性というのは、日
ここで、﹁欧米と日本のコ iブ 住 宅 の 相 違 点 ﹂ を 、 個 別 性 と い う 問 題 と 短
本でいう﹁白由設計へそれぞれの住宅を自由に設計するかどうか。短期的
ム法人格のない組合、
O法人格のある総合、
ム
1
.8本のコープ住宅
¥
ベ
一
一
言十酒・建設湖
3
.北欧諸国
使用機
4
.ドイツ
5
.イギリス
使照権・退去時は出資績が震る
居住権市場で奈良が可能な権利
イ吏沼権
使用権
居住権
使用権
O
O
O
6
.カナダ
7
.アメリカ
居住権
O
O
O
O
O
2
.日本の住宅生協
生活湖の
居住穣
使館穣
事業総合住民総合
基本的にはタイプ別につくってしまいます。実費性はあります。共同の建設
欧米のコ iプ住宅では、個別設計、自由設計なんていうのはありません。
にやりますが、長くたてば普通になる可能性をもっています。
だんだん薄まっていく可能性があります。コミュニティ活動も当初はさかん
まいます。共同の管理活動はやりますが、共同の所有形態ではないですから、
と 区 分 所 有 に な っ て し ま い 、 住 む 段 階 に な る と コ lブ 方 式 で は な く な っ て し
は非常に強いんですね。ところが、長期的な共同性となると、建設が終わる
日本の場合は非常に初期の参加性が強いですから、短期的共同性について
由にやりましょう、なんていう例は日本だけなんですね。
などを選べるぐらいのところはありますが、間取り、プラン、設備すべて自
ほかの国ではほとんど自由設計するところはありません。かろうじて仕上げ
日本のコ lプ住宅は自由設計をします。これは世界的にも非常に珍しい。
同性というのは、住んでからの共同性がどうかという観点です。
共同性というのは、みんなで一緒につくるという建設時の共同性。長期的共
大きな組合と小さい組合がはっきりあり、両方が組み合わさって大きなシス
やや借家的ですから、住民の組合はありますけれども、大きな力はもってい
ドイツの場合は、大きな事業組合はあるけれども、使用権で住んでいて、
テムをつくり、売買できる居住権で住んでいる。
北 欧 諸 国 、 特 に ス ウ ェ ー デ ン 、 デ ン マ i クあたりでは、親組合と子組合、
5
4
国 一 4 各留のコープ伎宅と法人格
日本のコ
欧米のコ
内容
ーブ住宅
ーブf
主宅
自由
O
×
実費性
O
O
O
×
O
ム
×
O
ム
O
ム
ム
関
性 設計
量
性
的
同
共
共同建
設活動
コ
ー
‘
ュ
ニT
ーイ
活動
共問所
有形態
理活動
共同管
コ
ミ
ュ
ニ
テ
ィ
活動
5)。
日本で組合住宅が育たなかったのは何故か
わけです。
って普通のマンションと開じになってしまうというところから出てきている
本のコ!ブ住宅の開題は、もともとそういう構造的な、最後は一区分所有にな
に強くないけれども、住んでからの共向性は担保されているといえます。日
共同性はあまり担保されていない。欧米の場合は、短期的な共同性はそんな
いかの違いに加え、日本の場合は短期的な共同性はあるけれども、長期的な
このようにみていったときに、日本と欧米の違いは、自由設計があるかな
います(図
りますから、これは非常に強くなります。コミュニティの活動は適度だと思
管理・運営をしていかなければいけない。常に運営・管理のための活動があ
ほとんど不参加。ところが、住んでからは、組合所有ですから、自分たちで
活動みたいなものは、参加性があまりない。コミュニティ活動も樫照的には
類
分
私の推論ですが、一番目は、﹁民間の公益住宅、非営利住宅供給の膝史が
ほとんどない﹂こと。欧米諸国では、公益田体とか宗教団体、生協、教会の
慈善団体、そういう非営利な組織が低所得者のための住宅を供給してきた膝
史があるんですね。そういう市民の自主的な住宅建設活動が多かったので、
例えばドイツでは、そういう活動を支援するということで住宅供給を一つの
柱にしていくという政策をとっているのです。しかし日本には、関東大震災
後の義指金を元に発足した同潤会がたまたまあるけれども、歴史的にみてほ
とんどない。ですから、支援して育てていこうにもそういうものがないとい
うことで、コープ住宅もほとんど育ってこなかったということがいえるので
はないかと思います。
二番目は、逆の意味で、﹁B本 は 公 陸 、 公 社 、 公 営 住 宅 な ど が 充 実 し て い
た。日本の国民性として、﹁お上が住宅をつくってくれる。それでいいよ﹂
みたいな傾向があったのではないかという気がします。
三番自に、﹁持ち家への志向が強い﹂こと。持ち家を推進したことがコー
プ住宅の推進につながらなかったという可能性があります。
四番目に、世界的にみて、コープ住宅は低所得層のための住宅という位置
づけが中心ですから、日本の場合は﹁中産階層が多く低所得層が少ない﹂こ
とが影響しているのかもしれません。
五番目に、﹁市民の連帯意識が強くない国民性﹂。これもあるように思う。
生協などの加入率も世界的にみれば低いですし、市民運動、市民活動、そう
いった活力が日本の国民性はやや弱いのではないかという感じを私自身は持
っています。
そういうことが背景になって、なかなかこういう活動が活発化しなかった
のではないか。このへんについては、ご専門の方からご意見をいただければ
と思っております。
組合住宅を導入するとこうなる
いなものと、おそらくこつのタイプがありうると思います。居住権分譲はア
として、居住権分譲方式と、ユーザー自身が企画する現在のコ iプ住宅みた
の中関に組合所有住宅という大きな柱ができることになります。そのタイプ
結局、日本にはいまは賃貸住宅と一区分所有住宅しかないわけですから、そ
7
欧米と岡本のコープ住宅の
相違点
E
君 5
6
し一一一
メリカで蟻んに行なわれているコー
プ 住 宅 で す が 、 デ ベ ロ ッ パ i が入っ
ている、所有形態は組合所有、管理
自主
かかるケi ス が あ り ま し て 、 み ん な 苦 し ん で い る ん で す 。 と こ ろ が 、 法 人 型
組合の場合は、法人がお金を情りて、法人が土地を買うなり借りるなりする
わけですから、集まる見通しさえあれば、スタートできる。だから、一人、
二人いないけれども、事業をスタートすることができるということは、事業
的にみれば非常に大きなことだと思うのです。ただ、リスクはあります。た
とえば一一O 人 の う ち 五 人 が 集 ま っ て い な い の に ス タ ー ト す れ ば 、 そ の 五 人 が
竣工までに集まらなかったら、非常に問題が出てくるわけです。いろいろな
支援体制がないと、そういう問題は簡単に解決しない。
課題は、
①当初の事業にリスクがあり、運営にもリスクがある。
②資産性が低い。担保にならない。
ちゃんと集まるかどうか。住んだあとは、かりに抜けていく人がいたりした
いくら法人格になっても、やっぱりリスクはあるわけです。当初は全員が
自主管理的なものが多くできる可能図
場合に、それをちゃんと補充しない限り、コープ住宅は運営が成り立たない
いまのコ lポ ラ テ ィ ブ は 、 一 人 で も 足 り な い と 事 業 が ス タ ー ト で き な い 。
れ は 今 後 ど う い う イ メ ー ジ で 日 本 の コ lプ 住 宅 を 進 め て い く か に よ る の で す
中林法人には事業組合型の法人と居住者組合の法人とニ撞類あります。こ
なイメージですか。
すか。ただ、印刷合に法人格を与、えればいいのですか。それとも、生協のよう
したけれども、組合の法人というのは、たとえばどんなイメージになるので
小林どうもありがとうございました。最後に﹁法人型組合住宅﹂とありま
ットがあるのか﹂、これは議論のあるところです。
とかのメリットはありますが、﹁では、お金の面とか資産の面で本当にメリ
のメリットがあるのか﹂という話にもなるわけです。管理運営がうまくいく
で は 、 日 本 で 組 合 所 有 型 の コ lプ 住 宅 を つ く っ て 、 ﹁ い っ た い 住 む 人 に 何
うことができますが、佃人はできないという問題があります。
資産性が抵いわけです。しかも、組合はそれを担保にしてお金を借りるとい
また、医分所有の住宅は担保になりますが、コープ住宅は居住権ですから、
性 は あ る 。 今 後 の コ iブ 方 式 は こ う い う 全 体 の 構 成 の な か で の 役 割 を 果 た し
法人型組合住宅の長所と課題
6)。
というのが私の意見です(図i
わけです。
閣現
第管
3
者
自主
は入居者の自主管理。組合の法人化、
住宅組合法みたいなものができたと
きにこういう柱ができる。
﹀
﹄
賃貸住宅のなかにも臼主管理、コる
す
iポ ラ テ ィ ブ 的 な 管 理 を す る も の は 入
議
当然ありうるので、こういうものにを
宅
ム
口
も法人組合が一つの場をもつように住
なります。また、区分所有住宅でも、総
委託
管理
管
玉
里
鑑 J 組合後主主
管理
てくるのではないか。こういう役割を果たすような組み立てになってほしい
現在のコ lブ方式による建設方式で、 ι
区分所有
賃借
総合所有
所有
分譲
言
十
在
留
言
吉 3者建設
1
室設
区分所有住宅
賃貸住宅
コlポ ラ テ ィ ブ の 場 合 、 最 後 の 一 入 、 二 人 が 集 ま ら な い と い う こ と で 時 間 が
などを挙げることができます。
⑤管理運営がうまくゆく。
④ 全 員 が 集 ま ら な く て も 事 業 が ス タi トできる。
③公的な土地を借りるなどが可能になる。
②法人として融資が受けられる。
①取得費用、管理費用の抵減ができる。
法人格をもった場合、その長所は、
8
震護持家
室調公営賃貸
1
4
8
6
1
0
0
ロハウシ.ンヲ'7')シ工ーション霊童貸
口社宅
同居世帯
1
9
1
1
0
0
園民隠重量鍵
震翌河居
うものですが、一つの日本的
7
6
5
2
3
0
0
給与住宅
が、居住者組合に法人格を与えるような法制度をまず基本にしたい。事業者
民営借家(非木造)
な企業福祉の流れとしてはあ
4
9
0
9
0
0
0
組合というのは今でもあることはあるわけですから、居住者組合に法人格を
9
3
6
0
0
0
民営借家(木造)
っただろうと。それをいま企
公団公社の借家
業がもちきれなくなってきて、
遊休地化したり、持て余して
売却するなかで、公的な住宅
への転換の可能性を探るとい
ったこともあると思います。
現在の日本がどうなってい
るかを住宅土地統計でみます
と、公営住宅、給与住宅(社
宅)、民営借家の木造が減少
ている。持ち家が少しずつ回
していて、非木造が逆に伸び
復基調にあるということです
(
図1
2)。
その一方で、住宅の所有関
υ
ハ
係と位帯年収の変化をみると、刑
公営住宅のニOO万円以下の引
レ
レ
世帯が九・八%をはじめ、低刷
所得層が、公団、公社、機構、伊
普通世帯総数
もたせるということを中心にして考えています。
公から民への住宅政策とコiポラティブ
早田宰
私の話は、コ lポラティブそのものというより、それを取り巻く日本の毘
辺の動き、特にイギリスと比べながら緒に考えてみたいと思います。
住宅需給と住宅政策ニiズ
イギリスと日本の住宅ストックの違い(図││)をみると、イギリスのほ
うは公営賃貸の比率が高いことが自に付くと思うのですが、大きな流れとし
ては、公営住宅の割合が大変高かったものが、売却によって減ってきている
ということがあります。その反面、持ち家が高まっていて、ハウジング・ア
ソシエーションというボランタリi ・セクターによる住宅が現在六%ぐらい
ある。民間賃貸は一O%程度と大変弱いということがあります。
このように、世帯数と低所凶
民営の借家等に集まってきて刑判
いるという傾向があります。一同
得者の割合と全住宅ストック時
における割合というものが少惜
しずつ変化してきているなか
2
8
8
0
0
ロその他
住宅以外慈物居住世帯
2
8
6
6
5
9
0
0
持ち家
2
1
8
2
6
0
0
公営の借家
振り返って、日本は公営賃貸の比率が大変少なく、現在四%程度で、イギ
リスの四分の一ぐらい。民間賃貸が一八%と大変多く、また、アジア型の生
活様式だと思うのですが、同居もかなりあります。
うものを大企業が企業の中の福祉という形で抱え込んだということが大きい
で、国民の意識は、 土地、建
日本の場合は、﹁社宅﹂というものが大変特徴的ですが、非営利住宅とい
特色ではないかと思います。社宅とハウジング・アソシエーションは全然違
滋少
増加
図-1 住宅ストックの日英比較
図- 2
2
もちたいことにこだわって一次住宅取得期間を少し遅くして、頑張ってお金
物の両方を所有しなくても、せめて建物だけでももっていられればいいとか、
す。一つは、住宅政策におけ
かむことができるかどうかで
民借木造
民借非木造
公営
公営白
公団公社
民倦木造
民借非木造
H15
公邸公社
をためるとか、このへんで苦しんでいるところではないかと思います(凶│
る﹁政府の失敗 (mO︿ぬ門5
E
口0
Eロ
R
O
) ﹂というものにどう
。
3)
住宅政策における﹁市場の失腐
関係があるのか。もう一つは
ろうかということを考えても単純に対応しません。というのも、そもそもコ
敗(自民
こういう住宅政策の潮流とコーポラティブはどういう関係がありうるのだ
iボラティブというのは住宅政策と直接連動していません。それ自体はミユ
関係があるのか。もう一つは、問
EE3ご と ど う 側
lチュアル・ソサエティーですから、アメリカには排他的なコ iプがあった
﹁インフォーマルセクター鵬
とどういう関係があるの初
MB刀
り、低所得者のコ lブ が あ っ た り と い う よ う に 、 そ の ソ サ エ テ ィ ー に よ っ て
敗
刊一明数ぬ
捕叩
to
事
惨
年収2
00
万河以下
(家族・コミュニティ)の失時
とについて一定の関与が訂される。
H10
%
は
そ
の
'
!
i
'
1
J
合
規定されるわけですから、それ自体がターゲット層と連携するということは
じかには考、ぇ難い仕組みである。それをある程度媒介させていく必要があり
L
かというところで決まってく G
る部分もあるのではないでし↓叩
ょうか(凶i416)。 図
。
襲
撃
ます。
それが日本の場合はどうなっていくのかということが整理されないと、コ
ーポラティブが住宅政策のなかである程度のウェートを占めるということは
②情報の非対称性(不動者情報の不透明性)
③供給の非弾力性(袋詰は時間がかかるよ.ストック会体のな
かでは非常に一部分であるがゆえ、供給は需要を満たすことができず
市場I
ま常に健全に機能しない〉
④貸し手と借り手の立場の優位差による紛争
①住宅には批低限度の泊l
輸が必聾であり、低所得者の場合
(その他の議論)
社会的正義とはいえない。
に、所得に比例した禁Ii自のみ分配すること(例えば設備
スベースの不!分な f
i'宅を低所持者に供給すること)は
哩住宅とは、"~:もがアクセスできるべきと 11 会が者える社
会t
r
,
価
官{
f刻 (
m
e
r
I
tg
o
o
d
s
) であり、まちづくりの飯山から
担金全体として 1~1 人の刊宅取得の消費行動を支援するこ
関 - 6 インフォーマルセクター(家才長・コミ
ュニティ)の失敗」
①領域がせまく、資源を動員する人材や手段
が貧困になりがち
②文化的、人口的な間質性志向。外から異な
る性質をもっ資源と相補約な関係を結ぶとい
生
う発想に立つことが罰難。排他f
インフォーマルセクターの失敗は政府の失敗や市湯の失敗よりも当事
者の数が少ないため、しばしばその失融の場合、筒麹が著し〈大きくなっ
てしまうことが特徴的である。{主宅問題の繍舎は特定地区や特定住宅由
著しい劣悪化として問題化する。
0
0
0,
0
0
0
4,
めの住宅をつくっていくということで連帯
では:::﹂ということから、自分たちのた
ことを専門家が認識をして、﹁こんな状況
あったりと、満足のいく水準でないという
に高かったり、政府の住宅政策も画一的で
イギリスの場合、民間賞貸の住宅が不法
であると思うのです。
帯をする、といったよ判かに対する連帯。
困で、それに対して我慢がならないから連
る、あるいは、政府の住宅政策が非常に貧
で、我慢がならないから賃借入が連帯をす
つまり市場が失敗して、地主が非常に横柄
先ほど中林先生から、﹁日本は、連帯するという思想が弱い﹂というお話
①住宅口一ンのリスク(長期金融と市塙のギャッブによる影響)
実現できないだろうと思います。可能性があるということは多くの人が気づ
⑤緊急持の対応不可能性
がありました。連帯するというのは、あることに対するアクションであって、
①供給サービスの価格決定の失敗
②公共サービスの供給蚤不足
③供給先のミスマッチ
④画一的サービス(多様なニーズの不充足)
いてはきていて、問題は、コーポラティブが住宅政策のなかで足掛かりをつ
5 住宅政策における「市場の失敗」
図
4 住宅政策における「政府の失敗」
図
をし、 そこからコ!プが生まれてきたということがあると思います。
うがないと思えば、非常に安い住宅ストックがあるわけです。それは強いら
れた居住かもしれませんが、とりあえず住むことはできるようになっている。
これがジレンマではあるのですが、これをどうやって改善していくかという
私のきょうの話は、鹿りのセクターとの関係性のなかで可能性を位置づけ
ていけないか、鏡をみるなかで自分の顔を確認するという形ができないか、
私 は 、 も と も と 主 に 老 朽 住 宅 ス ト ッ ク の 改 善 の な か で ボ ラ ン タ リi ・セク
ことになります。
日本の住宅供給は、民間住宅市場のバイタリティがあり、良いものもあれ
ターやコ i。ホラティブを位置づけるということに関心をもっています。政府
という議論の立て方をしています。
ば悪いものもあるといった、いろいろなタイプのものが供給されてきました。
のアフォl ダ ブ ル 住 宅 に 限 界 が き て い る こ と を ど う み る か と い う こ と と 鏡 で
す
。
﹁現在の民間住宅に関する問題﹂として、空き家・遊休地が多くなって持
政 府 の ほ う は 、 六0 1七0年 代 に 、 あ る 意 味 で 低 質 な 民 間 住 宅 ス ト ッ ク が
形成されたことに対する手当て、﹁量から質﹂への転換ということで、多様
て余しているとか、塩漬けの問題とかがあり、別荘等は除いて、﹁いま買っ
な住宅需要が出現するなかで、公明が広い意味で公的資金の持ち出しをしな
がらも住宅需要に応えていくということで、公共セクターが頑張ってきた。
({主宅一時取得の時期遅れ)
-中低所得者震の持ち家取得臨難
てほしい、住んでほしい、だけども:::﹂というのが一割以上ある。一方で、
争
八二年には、民間資金が冷え込んだなかで、パッと公的資金が入る。戸数で
さて、﹁政府の失敗﹂と﹁市場の失敗﹂
+
﹁買いたい、だけどもなかなか手が届かない﹂という資源のミスマッチ問題
よる供給というのはなかなか可能
m 住宅問題というより公共経営的問鐙
いうと、公庫の融資を含むと、逆転現象すら起きるというあうんの呼肢をみ
0
の隙間の領域が大きくなっており、その隙
間に新しい住宅供給の仕組みが必要ではな
いか?それをいったい誰が担うか?と
いうところを繰り返しお話ししてきました
資源のミスマッチ開題
コーポラティブは政府の住宅政策の再編、住宅市場の再編を担うのか?│
かなということです。
ちらのほうが主導権を握る可能性もある。そのへんをどうやってみていくの
可能性がある反面、ほかのセクターも非常に意欲的であると思うんです。そ
大化できるように見積もられていないことがある。ただ、コーポラティブに
が 、 全 然 み え て き て い ま せ ん 。 そ の 一 つ と し て コ iポ ラ テ ィ ブ の 可 能 性 が 最
(空き家・遊休地)
• 600万戸 (11.3%)が空き家
が発生している。住宅政策といえば、ある
200
性が見出しにくかったのではない
か。それは非営利住宅でも、コー
ポラティブでもそうだつたと思い
ます。現在もそうかというと、少
しずつ違う話になってきており、
この溝が大きくなってきているの
ではないかと患います。
一方で﹁日本型住宅市場の特
性﹂として、良かれ悪しかれ住宅
市場があり、こんなものでもしょ
図- 8 現在の住宅に関する問題
せてきました(図 i7)0
400
意味で公共経営的な問題であり、このミス
600
民間住宅がいいときには公営住
800
マッチに対して媒介するパスを通してやる
1000
宅は控えめで、何かあったらすっ
1200
ことがどうしたらできるかということにな
1400
とサポートに由る。この鶴間でオ
1600
ります(図 -│8)。
単位千
ルタl ナ テ ィ ブ な 住 宅 セ ク タ ー に
図-7 公的資金投入とを主宅着工数
た と え ば 民 間 賃 貸 な ど が オ ル タiナティブのニ iズを提供するなかでコ iポ
ラティブが伸びていくのか、戦略がどちらなのか。あるいは、それぞれいろ
いろな団体がありますから、両方を足掛かりに寵いてもかまわないとは思う
コーポラティブの到達点と可能性
現在、コ iポ ラ テ ィ ブ 住 宅 が 供 給 で 再 注 目 さ れ て い る 理 由 と い う の は 、 た
﹁{おから民へ﹂という住宅政策のなかでの中間セクターの存立条件として、
との中で、組合所有の住宅ということも合め、持ち家の可能性の追及なのだ
プローチと、持ち家による公的住宅の政策を確立できないだろうかというこ
ぶん﹁住宅取得層の潜在的な需要の掘り起こし﹂という供給サイドからのア
どういうことがありうるかという仲立ちの方法について、六点ほど挙げられ
ろうと思います。
おそらくいままでのコ lポ ラ テ ィ ブ の 宣 伝 の 方 法 と い う の は 、 い ろ い ろ な
②﹁中軸機能﹂。公的セクタi も 、 民 間 セ ク タ ー も 、 そ れ ぞ れ そ れ な り に は
給サイドのほうから、たとえば行政のほうでもう住宅をもちきれないことと
わりには価格が安いということであったと思うのですが、それに加えて、供
ライフスタイルとか、自由設計とか、ニーズに応えられる、わがままをいう
て、これがないと両セクターとも最大限の能力を発揮しえないから、真ん
動いているのだけれども、どうもその開の媒介に不可欠な社会的装置とし
ティを形成して自主管理で自分たちでやっていけるようにしようとか、こう
寝室族形態やライフス
告イ)~の多緑化に{半っ
いう供給サイドの思惑でコ iポ ラ テ ィ ブ に 注 目 を 集 め て い る の だ ろ う と い う
J
{鶴絡が宣言い
一 いh'一騎手
機化
ふうに思えるわけです。それで、
一にと産政
需
一
コ 一
ポ
いまの日本型の、むしろ需要サげ
いったことのコーポラティブに
た
み
ら
カ
・
れれ
a
de
サ
要
課
JB
る
AU
サ 一イ通行
ロ
a
n一
サ一軒
供
一給一欄
一
供
一
土
て、位当言や住まい方
に対するニーズも多
としてこれが機能する。何かあった場合にサポートに回るという意味での
非常に弱い補完機能です。
いうものがあったほうが官と民のセクターがうまくいくだろうということ。
どうやって転換していけるかと
一イ一安
イドからいいものをつくれると持 一
サ一割住
一要一伎
も し か し た ら 、 今 ま で の コ iポ ラ テ ィ ブ と い う の は 、 こ の 円 滑 機 能 だ っ た
いうことに私も関心を持ってい
③﹁円滑機能﹂。他セクター同士の衝突防止、社会循環の潤滑油としてそう
のかなという気もするのですが、これがこれから補完機能なり、中軸機能
。
ます(図 │9)
果敢にチャレンジしたコ lポ ラ
九0年代後半から、多様な、
なりというものに伸びていくという過程にあるのだろうなという感じがし
ます。
⑤﹁開発機能﹂。将来に備え、将来の可能性を最大化する。あるセクターが
ティブ住宅ができてきまして、
をうまく活用しながら、土地の
住宅政策の開発機能や社会実験を担うという意味での役割。特にボランタ
⑥﹁緊急避難措置﹂。阪神・淡路のように、震災などで頑張るといったこと
コストをあまり顕在化させない
特に定期借地の登場後は、それ
を、公的セクターができない場合にどれだけ担うかということになります。
形でつくっていく。それによっ
リl 住宅セクターが役割を多く担っていたのだろうと思います。
社会危機悪化の安全弁。
9
図
③﹁補完機能﹂。ほかのセクターの欠陥を是正し、社会的な効率性や安定器
中に居座っていてほしいという意味で必要になってくる。
か、あるいは地方における、定着・定住の促進であるとか、良好なコミュニ
ことができるということで売り出していくことがあるだろう。
①﹁独自機能﹂。政府にも市場にもどちらもできないような離れ業、独自の
ると思います。
のですけれども。
2
てきていて、そういったものの可能性、成果も上がっているのではないかと
りました。持ち家においても住宅地区改良卒業のなかで分譲改良が行なわれ
を実現するといったものもかなりできてきまして、可能性がずいぶんと広が
て今度は木造住宅密集市街地等の改善を図ること。長屋であるとか都市鹿住
味で企業の福祉のなかでつくられて
くのだろうかと。社宅というある意
めていますが、それがどれぐらいい
あるいは相談に乗るということを始
ないだろうと思いますが、完全に民
社会住宅洪給体はそれぞれ専門特
制劃一 ω
4
1
充実またはリース (SaleorLease)
45
ホステル (Hostel
)
きたものが、ある程度社会に聞かれ
営化のなかでこういった問題にアプ
た形に転換していく可能性もなくは
かかっていたわけですが、それを乗り越えていくために、公有地の定期借地
融資適用時の不確実性・リスクなど、リスクが伴うということがずっと引っ
ローチしていくということも、あり
化をしていて、非常に競争が激しく、
が出現して、非営利ではない団体が
陪
思います。
権制度の活用とか、公庫の都市居住再生融資制度の活用により、多少乗り越
得ると思います。役割分担のマップ
たとえばイギリスの社会住宅供給休日。阿佐ZB己印。巳ω二、虫色。え)は大
社会住宅供給体として存在しえてい
司
共同所有権 (Co ownership)
40
YMCA!YWCA
さて、﹁コ lポ ラ テ ィ ブ の 障 壁 ﹂ と し て 、 土 地 取 得 時 の 不 確 実 性 ・ リ ス ク 、
えやすくすることができつつあると思うのです。さらに、これをパッケージ
がまだ描けていません。
イギリスでは、コンバージョンで
アーバンビレッジで都市再生をやる
とか、こういったものの主要なアク
ターとしてコ lプ が 参 加 し て く る と
き く 、 た と え ば い ち ば ん 大 き いZ25 ∞江氏岳民05Em ピ ヨ 詐 止 は 四 万 六
役割分担が戦略化されてきている。
比較すると、まず日本は、社会住宅供給体という広がりが弱いということ
救貧院 (Almshouse)
3
0
7
高齢者グループハウス (
A
b
b
e
y
f
i
e
l
d
)
2
0
0
5
会計
にする、もう少し使いやすくするということで何ができるかということが議
論になっている状態だと思います。
欧米の社会住宅セクター
千一戸ぐらいもっています。この社会住宅の概念のなかにコーポラティブが位
吸収・合併など民閣のようなことが
いうことをたくさんやっています。
霞 づ け ら れ て い て 、 現 在 、 コ ー ポ ラ テ ィ ブ の 団 体 が 二 五O団 体 ぐ ら い あ り ま
起きたり、ある種のグループ企業の
こういったなかで、散米型と比較するとどういうことが言えるか。
す。これ以外に国のようにさまざまな社会住宅の供給体があります(図川)。
ようなものをつくったりしています
(次頁、凶ーは)。
これらの社会住宅供給体の対象は、完全に公営住宅の代替をしていく方向
に向かっていて、たくさんの居住弱者腐(不適切な居住を強いられている人
です。コーポラティブそのものの位置づけも弱いという話が先ほどあったわ
て、それが子会社として非営利の社
つまり、 セ ン タ ー 機 能 を も っ 組 織
けですが、全体として非営利住宅セクターの広がりが弱いなかでどうしたら
会住宅供給体、なかにはコ!ポラテ
びと)への低廉な価格での住宅供給(実費と売却)です(関!日)。
いいのか。たとえばいまNPOが少しずつ住宅を供給したり、管理をしたり、
iコ…ポラテイブ (Co-ope tive)
賃貸ホステル (Le
社i
n
g
!
H
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l
)
310
賃貸 (Le
坑i
n
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)
5
7
6
-居住弱者(不適切
な居住を強いられ
ている人々を支譲)
への低廉な髄格
での性宅供給(賃
貸と売却)
図-10 イギリスの社会住宅供給体の匝体分類と数
関-11 イギリスの社会住宅供給体の対象ターゲット
(公営住宅の代替)
3
ィブを傘下に置いている。それで、
センターにマネジメント機能を置い
て、市場と張り合いながら、どうい
うふうにすべきかというポートフォ
リオをつくっている。
社会住宅供給体以外に、選択肢と
して何があるか。逆に政府が両方を
天秤にかけて張り令わせているので
円
(UH
O6
21
(UCa
とか、都市
す が 、 住 宅 再 生 会 社 ( 出ogEm 河内
問。足辺氏。ロ
再生会社(む岳山口刻め
mS巾門即位。ロ
g宮 ミ ) と か 、 伝 統 的 な 開 発 ト ラ
ストとか、コミュニティ土地トラス
1¥ウジング・アソシエーション
00000000000000000000
争
20の地区ごとの住民パネ)1.-
す
。
チャレンジ、適用対象地区を広めにするのか、狭めにするのかということ、
いわば政策のコントロールによっても、その活動がずいぶん左右されている
のではないかと思います。
もう一つは、ミュ i チ ュ ア ル ・ サ ポ ー ト と い う 共 同 の 仕 組 み で 、 ど れ だ け
地域に開いていく仕組みを率先してできるかということがあります。たとえ
ばNPOは ま さ に 公 的 で あ る こ と を 看 板 に 掲 げ て い ま す か ら 、 不 特 定 多 数 の
人に利誌をということで、そういうものとどういう関係なのか、あるいは逆
に子を結ぶという可能性もあるだろうということです。
それから、コ lポ ラ テ ィ ブ 、 非 営 利 セ ク タ ー そ の も の が 、 非 営 利 で あ り な
がら、市場メカニズムのなかで生き残っていくということは、市場競争力を
もたなければなりませんから、そこでどのぐらい勝負ができるかということ。
SWOT分析などの戦略分析を丁寧にやっていたり、
たとえばイギリスの大規模な非常に頑張っているセクターは、優秀なスタッ
フの引き抜きをしたり、
ある分野は撤退したりと、棲み分けが非常に厳しいだろうと思います。補助
それから、政策評価とか罷良事例が普及して、ノウハウを交換するような
ことが居住者レベルでもあるし、事業組合レベルでもある。そういうものが
共同のターゲットの戦略が組まれたりします。どうやってこういう共同住宅
むかということ自体が自治体と社会住宅供給体の共同戦略になっていたり、
イギリスにおける﹁政策課題﹂として、こういったなかでコーポラティブ
を地域に聞いていく仕組みがつくれるのかというところが大きいのかなとい
そ れ か ら 、 こ れ は お も に マ ネ ジ メ ン ト ・ コ i ブ の 話 で す が 、 コ iポ ラ テ イ
う気もします。
わけですが、融資の対象になるとか、たとえば建築の規制の緩和によって容
ブを住宅政策に位寵づけるための取り組みがイギリスでも九四年ぐらいから
は可能性を高めてきた。民間からみても、参入のしがいがある分野になって
積率を上げることによってコストを下げるとか、都市再生的な話のなかでの
き て い る こ と 。 日 本 で は 、 民 間 の コ lポ ラ テ ィ ブ が た く さ ん ふ え て き て い る
のがポi ト フ ォ リ オ の な か で ぶ つ か っ て く る の で は な い か と い う こ と で す 。
自治体のほうも戦略化していまして、どうやって社会住宅供給体と手を組
と介護施設の終身利用権を組み合わせた供給システムをつくって全国展開す
(有限責任事業組合) の プ ロ ジ ェ ク ト も 出 て く る で し ょ う し 、 こ ん な も
網の自のようになっています。
そう考えますと、日本のほうも、たとえば定期借地による分譲マンション
うということだと思います。
金についても、昔は政策を育てるときはかなりふんだんに使えて、﹁黄金
10の子会社総織 (
S
u
b
s
i
d
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a
r
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)の
主導の住宅を公的に供給するという役割をもっていて、こちらは多少効率を
。
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沿
も
期﹂というのもあったようですが、いまはそういうことはなくなり、非常に
6
凹入、ロンドン他全
(税控除はない)。雇用者 1
英25
地区に事務所。独自管理ストツヴを持たない。、
優先している。効率を優先したほうが価格は安くなるということだと思うの
RSL
畳銭をしているが、チャリティ団体ではない
しほられてきている。アカウンタビリティーがないとどんどん切られてしま
トといったものも、良質な住まい子
隠逮組織
(
A
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a
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)
T
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e既 成 叫TPEO
托 E
Grout
ですが、こちらのパターンと共同型のものがいま競わされているという形で
図 一1
2 イギリスの社会住宅供給体の組織図
るというものなどが出てきているようでして、コープではありませんが、 L
L
P
﹄
n
u
q/
図 一1
3 コミュニティ土地トラストによる住宅例
'ノてーリントン)
(アメリカ・ヴァーモントチ1
105"¥(3ベッドルーム‘ガレージ付き)約 2平方向程度
補 助 金 300
万伺以よ〈金銭の約 19号令)
麟 入 者 負 線 約 1.
:
f700万伺
国 一1
4
だんだんと行なわれています。最近取り組んでいるのは、まだまだ仕組みが
弱いだろう、市場競争力を持たなくてはいけないということで、アメリカの
コミュニティ土地トラストを導入し、コープと連携するものです。
コミュニティ土地トラスト
まとめ一日本でのコiポラティブ展開の考察
パl ミンガムではそれをまねてやり始めているということです。
ヴァl モント州のパ i リントンで大きな土地トラストが動いていまして、
に利誌を受け取ることも可能、という仕組みです。
共有の所有権、居住権を取得する。良好な状態で管理されていれば、売却時
かなり補助金が入りますてそれによって土地を運営して、建物は居住者が
をして、居住者の努力で寄付金も入るとは思うのですが(イギリスの場合は
アメリカでは、基本的には民主的に管理された非営利組織がマネジメント
4
﹀
日本の場合、いま公的住宅の売却の受け肌という期待があるのですが、欧
︿日本での展開の考察1
みにしてもらうということがどれだけできるだろうか。
発 す る か 、 そ う い っ た な か で メ リ ッ ト を み つ け て 、 逆 に コ iポ ラ テ ィ ブ の 強
マネジメント組織とどうやって連携をし、居住を豊かにする仕組みとして開
を地域の﹁まちづくり住宅﹂と位置づけ、多様なそれぞれの地域のエリア・
ういうロ i ド マ ッ プ を つ く っ た ら い い だ ろ う か 。 そ れ か ら 、 コ ー ポ ラ テ ィ ブ
成する、コーポラティブを住宅政策の達成の一手段として明確化するにはど
滑油という位置づけから、﹁政府﹂と﹁市場﹂を﹁補完﹂するセクターに育
な選択肢として成熟していくことがどうやったらできるだろうか。現在の潤
こういうコ iポ ラ テ ィ ブ を 需 要 サ イ ド の み な ら ず 、 供 給 サ イ ド か ら の 有 力
5
米と比較すると、そもそも公的住宅のストックの割合が少ないですから、こ
ティブにぜひ頑張っていただきたいと、期待を込めて思っているところです。
前半は、市民の連帯がそれほど強くないのではないかという中林さんのお
小林ありがとうございました。
民間住宅には非常に劣悪なものから良いものまでありますが、民間住宅と
話に対して、むしろ市民の連帯というのは必要に迫られてやるものだと。し
れだけではコーポラティブは決して伸ぴていかないだろうと思います。
どういう関係をつくるかということは、日本では市場への信頼感が強く、ま
かし、日本では公共と民間が非常にうまく機能してきたので、実は連帯する
必要がなかったのではないか、という主張ですね。しかし、現在は民間と公
ったくの未知数です。
コ レ ク テ ィ ブ ハ ウ ジ ン グ や ま ち づ く りN P Oな ど の 、 イ ン フ ォ
共のうまい機能しぐあいが宥干ほころびている。だから、中間セクターの可
それから、
ー マ ル ・ セ ク タi の 眼 界 を 補 完 す る と い う 期 待 が あ り ま す 。 地 域 の 対 入 社 会
早田はい。
ド林
能性が出ているのではないだろうか、という理解でいいですね。
伺入の自由を高めつつ豊かな社会をつくる新しい協働という、コーポラティ
シエーションは、日本でいう公団・公社とはかなり違うものですか。
サービスとか福祉も合め、日本ではそういうものは家族とか地域社会がかな
ブを中心とした開かれた地域の共同運営組織体がもっていくということに、
阜回開じところをカバーしているのだと思うのですが、公団・公社は行政
り負担を強いられてやってきたという歴史的側面があり、それをもう一度、
インフォーマル・セクターの失敗の代替ということでの可能性もあるのでは
の政策目的を形にしたものですけれども、社会住宅供給体のほうは、むしろ
イギリスで、公共の政策の一環を担うという意味のハウジング・アソ
ないか。たぶんアジアではそういう可能性があるのではないかと思います。
上げられてきたのだと思います。
多様な地域とか宗教セクターのなかで自然発生的に生まれてきたものが積み
アジアでは、民間の供給のなかに一定レベルのアフォ lダブル住宅を合ませ
小林土地トラストは、土地をトラストというある種の組織が所有するとい
民間の供給とどうやって関係をつくるかということについては、たとえば
る割り当てをするということが行なわれていますので、そういう可能性もあ
早図いろいろなパターンがあると思うのですけれども、現在はモデルをつ
るかなという気はしています。
﹀
う理解でよろしいのですね。その資金はどこから集めるのですか。
︿日本での展開の考察2
パナンス型になった場合に、それが本当に効率よく運営できるかというと、
評価であるとか、アカウンタビリティ!とか、﹁自立・分散・協調型﹂のガ
っきりするなかで、隙間をつくらずにやってきたわけです。それが急に総合
が、心配をしています。というのは、日本の場合は、ある程度役割分担がは
まく機能するか、地域協働というものを進めたいとは私も思っているのです
性を探るという話をしたつもりではいるのですが、はたしてこれが本当にう
て 必 要 と い う 議 論 が あ り ま す 。 間 か れ た 運 営 の な か で コ iポ ラ テ ィ ブ の 可 能
されていきますので、非常にコストが安くなるということです。
早田土地をトラストがもっているということは、未来永劫その土地が安定
れで安く済むというイメージに近いのかなと思いました。
建物のお金は自分で鼠祖するけれども、その土地を定期借地権で借りて、そ
小林日本の定期借地権の土地をトラストが所有していて、家をつくる人は、
早田地代は払います。
なっていると思うのですが、逆に地代は払うわけですか。
小林その結果、居住者は土地の負担が軽くなるということで、金額が安く
くる段階だからだと思うのですが、行政がほとんど出してつくります。
まだ少し時間がかかるのではないかという印象ももっていまして、そういう
小林ありがとうございました。
ほかのセクターとの連携による、ガパナンスの失敗を開避する連結器とし
なかで、円滑に回るように切り開いていく主要なパートナーとしてコーポラ
ディスカッション
個別組合をバックアップするセカンダリ!コiプ
三番目は、自治体が形成するコ iプ住宅支援組織。
四番呂は、公社とか公団が組合住宅を支援するためにつくる組織。
五番目は、住宅金融公庫のように資金援助をする公的組織。低利で貸して
くれるとか、場合によってはスウェーデンみたいな貯蓄総合の形もある。い
いな形で公庫が集めて、それを組合員に還元するという形も考えられる。
ま公庫は住宅債権をやっていますが、あれを組合住宅のための積立債権みた
理をしていくという形になるのですが、居住者のみでつく
中林個々の住宅組合が法人格をもち、住宅を建設して管
す
。
う理由で公的支援をするということになりますか?
として、組合住宅に公的支援をする理由がなければいけませんよね。どうい
小 林 セ カ ン ダ リi コi。フがある桂度公的支援を受けるとすれば、その前提
ないかというふうに考えています。
あってはじめて住宅組合がある程度の安定性をもって運営されていくのでは
六番目の非営利貯蓄組合というのは、いわゆる民間の積立組合です。
中林先生の資料にある﹁組合住宅成立のための体制﹂の中のセカンダ
られた組合は非常に不安定なものなんですね。力が弱いし、
中林組合住宅というのは個人所有ではないということですから、半公的な
早田
リスクも食っているし、人が抜けたり、入れ替わったり、
性格をもった住宅です。利用を中心として、使わなくなればまた次の不特定
い ろ い ろ 考 え ら れ る の で す が 、 こ う い う セ カ ン ダ リ ! コ iプ と い う も の が
空き家になったりといった問題のときに、居住者だけでは
リl コiプ と い う の に 興 味 を も っ て い ま し て 、 説 明 を い た だ き た い と 思 い ま
な か な か カ バ ー で き な い 。 居 住 者 の 組 合 を プ ラ イ マ リ ! な コ l。フと考えて、
多数の人の利用に供する。だから、そこで個人が値上がりなどで利益を得る
今後日本でどういうふうにみて、どういうふうに活かしていくか、由討ててい
中 林 平 問 先 生 の お 話 の 大 き な テl マ は 、 中 間 セ ク タ ー と い う も の の 役 部 を
組合所有のメリットは?
います。
ことがないようにしておけば、助成の対象となりうるのではないかと考えて
そ れ を バ ッ ク ア ッ プ す る 組 織 を ﹁ セ カ ン ダ リl コlブ﹂と呼んでいます。
CDC(打。日自己巳守口 20]OHY
セカンダリl コiブ と プ ラ イ マ リl コiプ の 関 に ﹁ リ ソ ー ス グ ル ー プ ﹂ と
いうのが入っていますが、アメリカでいえば、
Eゆえの。弓向丘一。ロ)みたいなものを指し、組合住宅の活動に対して、 N P
O的な専門家の組織が地域密着型で支援をしていく。こういう一二つの組織に
このセカンダリl コ!ブというのはいったい何をするのかといいますと、
くかという話だと思うんですね。中間セクターというのは非常に広い概念で
よる構成が必要なのではないかと考えているわけです。
幾つかの形が考、えられまして、一番呂は、事業型住宅協同組合。これは生協
す。しかし、私は、平田先生の観点と少し違って、賃借と個人所有という所
なんかもありうるのですが、いわゆる事業を行なっていくかなり資本も力も
二番目は、ユーザーの予備形成組織。これはあらかじめそういうものに入
有形態のなかで、中間的な共同所有、組合所有という形を日本に導入したい
すから、コーポラティブはあくまでもそのなかの一つの形にすぎないわけで
居 し た い と い う 人 た ち を 集 め て 組 織 化 し て お く 部 分 で す 。 た と え ばHSBに
という観点が強いんですね。いまは賃情か、個人所有か、二つしか所有形態
ある住宅協同組合。
おける組合、綴組合みたいなもの。
早田組合所有の住宅形態があれば、選択肢として可能性が広がるとは思う
のがありうるのではないか。
形 を つ く る こ と に よ っ て 新 し い オ ル タl ナ テ ィ ブ な 住 宅 、 ハ ウ ジ ン グ と い う
入でもある。これは﹁第一一一の所有形態﹂といわれているのですが、そういう
がない。そうではなくて、組合所有という、建物の所有者でありながら黄借
タル・モデリングに関する研究をしているのですが、そうし瞬、議議
首 藤 亮 一 ( 首 都 大 学 東 京 都 市 環 境 学 部 ) い ま 私 は 団 地 の トi
常に強いですから。そこが非常に大きな問題なんです。
それを管理組合がどうできるかという問題があるわけです。個人の権利が非
ども、管理費も払わなければ、何もしないという人もたくさんいたりして、
よね。いまそういう状態はたくさんあるわけです。しかも、住んでいるけれ
いるマンションが出ている。その結果、スラム化が進行しているわけです。
分成り立っているのですが、周辺都市においては、どんどん空き家が増えて
す。東京の区部など誰もが住みたいと思う人気のあるところは区分所有で十
中林いま一区分所有の問題がいろいろなところで大きく出てきているわけで
いうジレンマから脱出できないことによると思うのですが。
るとおりで、区分所有に比べれば、合意形成は非常にうまくいくと思います。
福 利 の ほ う が 優 先 さ れ る と い う 仕 組 み が コ iポ ラ テ ィ ブ で す か ら 、 お っ し ゃ
中林組合が所有して運営しているわけですから、個人の権利よりも全体の
なり有効ではないかと考えております。
ったらもっと大変。そういった意味では組合方式の住宅はか三言珠湾
たところでも合意形成をとるのが非常に大変で、区分所有だ鱗駐韓
私騒騒叢麟夢
んです。しかし、いままでできなかったのは、その必要性が実感できないと
しかも、区分所有であるために、管理組合は、空いたところについては何も
場合の意思決定の仕組みと区分所有の場合の意思決定の仕組協麟轍親離離川府
米野史健(国土交通省国土技術政策総合研究所)住宅組合の弘畠襲撃
そうすると、 そ こ に 住 み 続 け た い と 思 っ て い る 人 も 生 活 が 続 け ら れ な く な
みがどこが達、つのかということを教えていただきたい。鰯鶴麟襲撃一二
できない。
ってしまうような状況がいまあちこちで生じているわけです。これは基本的
日本の区分所有であっても、建替えは五分の闘の賛同です議々一
入居者を探すこともできるし、組合が保有して誰かに賃貸することもできる
それが組合所有になっていれば、組合としていろいろな形がとれる。次の
形成はできないけれども、なぜ組合所有になれば合意形成ができるようにな
組合所有の場合は、割合でいうとどう違うのか。つまり、区分所有では合意
あれば、反対する人も当然従わざるをえない仕組みになっています。それが
し、大規模修繕は四分の一一一という形で、多くの人がそちらの方向を望むので
謝灘濁繍醐際機ハ々⋮一ぃ
に区分所有の欠点です。そこに個人の権利がいつまでも残っていて、何も子
し、建物そのものは組合全体の責任ですから、さまざまな形で管理をきちん
るのか。
が付けられない。
としていくことができる。
くるものだろうと思うんです。日本の場合は、所有権というのは個人の侵す
基本的には、所有権であるか、居住権であるかという根本の違いから
あるのでしょうか。
べからざる部分ですので、それがある限りにおいて、非常に合意形成の障害
マンションの管理組合がありますよね。それはどのぐらいの可能性が
中林最近の改正で、人数に拘わらず管理組合が法人格をもてるようになっ
使用権なり居住権ということで住んでいる。ただし、もちろんその人たちの
そ の 全 体 の 決 定 に 従 う と い う こ と が ルl ル と し て は っ き り さ れ て い る と い う
早田
たとえばそこの人が夜逃げしちやったら、 そ ん な こ と は で き な い で す
合意によって決めるということですけれども、当然所有権ではないですから、
中林
ないですか。
空いたところに入る人を一生懸命探したりということはできるのでは
になっているという部分がある。組合所有の場合は個人には所有権がなく、
中
林
た。しかし、住戸を所有するという形はできません。
早
田
2
4
いうことからできているので、一つひとつの住戸に対して個別に抵当権が設
小林もともと一区分所有のマンションの仕組みは、個別金融を可能にすると
賃に充当してもいいですよ、というようなメリットを与えながら、住民管理
理をする場合には管理費の一部を居住者に還元して、それで浮いた費用は家
いうものに取り組むように指導しました。組合をつくって、その居住者が管
そのときに、コーディネータl が 入 っ て 、 住 ま い 予 を 集 め て 積 極 的 に そ う
定でき、個別に融資ができるというところから出発して組み立てられている
をしてもらうというのがイギリスの場合の事例です。
ふうに私は考えておりますが。
法律なんです。
というお話が最初
に あ っ た の で す が 、 最 近 、 サ ン リ と い う 特 別 養 護 老 人 ホl ム の 会 社 が 、 土 地
L
普通は過半数で決着しますけれども、区分所有でも四分の一一一とか、五分の医
はユーザー予備形成組織による共有持分で、コーポラティブで建設して、部
遠藤広正(日本大学大学院)﹁日本では利用権型はない
とか、多数決原理が導入されているので、比率が違うだけなので、ある意味、
実際に中に住んでいる人の合意形成だけに着目すれば、組合住宅であれば
五十歩百歩かもしれませんね。
僕が開きたいのは、日本でなぜ利用権売買が蕗売になりえないのか、市場
ステムをやっています。あまり知られていませんが。
屋は、従来の終身利用権ではなくて、相続可能、売買可能な優先利用権のシ
しかし、草分所有というのは、一方で抵当権者という権利が非常に強い。
さらに、不在所有者も住一戸の所有者ですので、その権利も非常に強い。その
て、組合の決定が融資している銀行の意思よりも優先するわけですから、実
も抵当権者の意思のほうが優先すること。そのあたりが組合所有では逆転し
いま一区分所有マンションでいちばん留っているのは、管理組合の決定より
遠藤利用権に担保設定が可能ということですか。
その結果、定着してきたというような経緯があります。
ーデンの例では利用権売買に対して融資する仕組みをつくっているんです。
す、担保がないので。そのために日本では定着しなかったのですが、スウェ
との契約でしかないんです。実はそれに対して融資することはできないんで
流通できないのか、という点です。
は紐合に対して銀行が融資しないというのがいちばんの問題なんです。たと
人たちも合意形成に巻き込まなければ、区分所有は動かない。そこが組合所
えば多数決によって解散させられてしまうとか、組合員個人は融資に責任を
小 林 実 際 に はHSBか ら 証 書 が 出 る は ず な の で す が 、 そ の 証 書 を 銀 行 に も
小林終身利用権は、法律上は賃借権、ゴルフ会員権と同じで、一一種の会社
負わないとか、そういう不安定なものに対して銀行は融資はしないというこ
っていくと、それを担保に融資してくれるんです。そういうことによって、
有と決定的に違うところなんですね。
とで、組合所有が日本で定着しないことの一つの理由であるといわれていま
いまの話と非常にかかわるので、﹁なぜ、日本で紘合住宅が育たなかった
事実上分譲と同じような形でスウェーデンでは定着してきたと開いています。
新井信幸(千葉大学大学院)中林さんの資料に、﹁管理型コ
のか﹂について少し話を深めてみたいと思うんです。竿由さん、ご意見があ
す
。
ープ﹂という第三者所有のコ!プがありますが、この組合は
りますか?
早田
よくある議論としては、﹁日本はキリスト教国ではないので、 ボラン
なぜ日本で組合住宅が育たなかったのか
どのように発生して、かつどんなことをやっていて、居住者
にどういうメリットがあるのですか?
中林イギリスで、スラム化、パンダリズムがあり、公営住宅が非常に荒れ、
なんとかそれを改善したいということで、居住者自身が自主的に公営住宅を
管理するような形ができないかということをいろいろ模索したんですね。
山本理(長谷工総合研究所)きょうのお昔、区分所有に撃機野
もないのかなという気は少しいたします。
ということがあると思います。あまり歴史とかバックボーンにこだわる必要
﹁これは頼れるセクタi だ ﹂ と い う 信 頼 を か ち 得 て 、 こ れ だ け や っ て こ れ た
ング・アソシエーションは非常に脱宗教性を発揮して、むしろ実質性で、
があったがために発展したわけでは決してなくて、歴史的にみると、ハウジ
ます。そういうことも基盤にあるのかもしれませんが、イギリスでは、それ
タリl意 識 が な い の で 、 非 常 利 な 公 益 セ ク タ ー が 育 た な い ﹂ と い う 話 が あ り
の場合、貯蓄してから買うのではなく、先に買ってあとから支払うという形
山本持ち家系の話なんですが、家を買うときに、いま日本では、ほとんど
はすごく小さいと思います。
リスの場合は占める比重が非常に大きかったので、日本のほうがインパクト
阜回公共住宅が撤退するという意味では似ているようにみえますが、イギ
ているんですか?
ん衰退していく。それはイギリスにおけるサッチャi政 権 以 降 の 雰 囲 気 と 似
小林いま日本では、公営は若干残っていますが、公団・公社賃貸がだんだ
は、まさにそういう流れだと思います。
かでコーポラティブやハウジング・アソシエーションが見直されたというの
りとしてコ iプ 住 宅 を 発 展 さ せ た と い う 流 れ が あ る の で 、 そ れ は 非 常 利 組 織
の感覚ではなく、むしろ借家として低・中所得者に向けて、公共住宅の代わ
小 林 中 林 さ ん の お 話 で ﹁ 借 家 型 コ lプ ﹂ と い う の が あ り ま し た が 、 持 ち 家
両方が交じったままで議論すると、混乱を来すのではないか。
﹁なぜ組合住宅が育たなかったのか﹂ということに関しても、必麟鱗機欄脚、
ようになったので、そのへんの運用はわりと自由になってきている。
券化といった手続ができるようになりましたし、定借に対する融資もできる
な支援ができていない。しかし、幸い、昨今金融の分野でも不動産の小口証
融資が確定するからです。つまり、保有まで組合型にすることに対する十分
であって、コーポラティブ住宅でも最後に一区分所有にしているのは、そこで
をとっています。ですから、融資が付く、付かないということは大きな問題
γ
千
三
リ!な組織というものが交じって話されている気がします。鰯欝麟日 川一一一
代わる新しい所有形態の観点と、住宅供給のためのボランタド日三川ト
の発展と非常にかかわっていると思う。つまり、持ち家系の話と借家系の話
接供給に力を入れたので、借家型のコ lブが発達する必要がなかったのだと
ラティブ住宅がもっと多くあってもよかったのですが、戦後は公共住宅の直
はもともと生協運動ないしコーポラティブ住宅運動の発祥地なので、コーポ
その借家系の話について私の意見を少し披露させていただくと、イギリス
中林融資がなかったから組合住宅は育たなかったというのは、逆のように
小林中林さんの先ほどの主張に近いような気がしますけど、いかがですか。
ないかという気がしています。
ベロッパ iや公団・公社などによるいわばデベロッパ i主導型が要るのでは
みをつけてやれば普及して融資も付いてくる可能性がある。そのために、デ
そ れ で 、 あ ら か じ め レ デ ィ メl ド な 組 合 型 住 宅 を 多 く つ く っ て 、 市 場 に 弾
思うんですね。それでサッチャ i政 権 以 降 、 公 共 住 宅 が だ ん だ ん 衰 退 し て き
思うんですけれども。もともと組合住宅がないのだから、融資の話はないわ
は分けて議論すると整理できると思うんです。
ます。そのときに公共住宅に代わるものとして、﹁そういえば、昔、コーポ
組合が法人格をもてば、デベロッパ l供 給 型 と か 公 共 供 給 型 の 組 合 所 有 の
けで、そういう由果関係にはなっていないだろうと思います。
住宅というのは供給可能ですから、当然ありうるのですが、問題は、なぜい
ラティブがあったね﹂とか﹁ハウジング・アソシエ i ションというものもあ
ったね﹂と、もう一国それを見直して、公共住宅に取って代わるようにしよ
ま日本でコ lプ 住 宅 が 好 ま れ て い る か と い う と 、 最 大 の ポ イ ン ト は 自 由 設 計
という問題があるわけです。自由設計があるから、日本の場合はコ lプ 住 宅
理解はどうですか。
六0年 代 の 民 間 住 宅 へ の 対 抗 意 識 と 、 自 治 体 住 宅 へ の 疑 問 、 限 界 の な
う、というような流れではないかと私は理解したのですが、平田さん、その
早閏
ンション管理の臨路を解くために提案されたものだと思うからなんです。そ
山本私の意見は、むしろここで推されている組合住宅論というものが、マ
ない限り、基本的に入居者はいないわけです。
住宅を買うのか、住宅に入るのかということ。そのメリットをはっきりさせ
のでは。とすれば、いまの分譲マンションを買った人が、万一途中でロ i ン
小 林 銀 行 ロi ンの残高が減っているので出資株が高く売れる可能性もある
そういう高いお金を払っているにもかかわらず途中で抜けたら:。
中林全部払ってしまえば、持ち家と同じだけの権利はもてるわけですが、
じになりますね。その時点で一区分所有にだってできるわけですね。
ているわけですから、最終的に銀行に全部返しおわれば、事実上持ち家と間関
小林ただ、毎月ずっと返していきますよね。居住者は出資分の権利刊をもっ
れはやりたいけれども融資が付かないという現状があるわけですから、融資
が払えなくなって、処分しなくてはいけないというような状況を迎えたとき
賃と向等にならないんですよ。
の対象にできるような市場をつくるために、ある程度の一戸数を供給しようと
にもっているリスクと、組合所有で買った人がもっているリスクを比べれば、
が規格型の住宅を組合所有だといって売り出して、,誌が何のメリットでその
すれば、自由設計をやりたい人は自由設計ができるほうでいいし、規格型で
かなり組合所有にメリットがあるという可能性がありますね。
をやりたいという人が、絶えずずっと続いてきている。じゃ、デベロッパー
つくってあげる必要があるのではないかということです。
もかまわないという人にはそれでもいいというもの券二定の青写真のもとに
うになっていて、それだけでコ lプ住宅のメリットを出すことも難しくなっ
間で払わないと登記できないという話、まさにそういうことなんです。
泉宏佳(住宅管理協会)供給公社の分譲は昔そうだつたんですね。三五年
中林確かにそうですね。
ている。問題は、すべてのものが区分所有になって保有されるというところ
山本ノンリコ!ス性が強まって、小林さんがおっしゃるように、値下がり
自由設計の話でいうと、最近はマンションもかなり自由設計を取り込むよ
にあるのじゃないかと思うのです。
} 割入るとなる
という国が出資する仕組みが新しくできたので、それが一, a二
リスクがよそへいってしまうと、実は融資が付かなくなるおそれがあるので、
ないですね。組合が借金を食っているので、途中で出ていく場合には、その
と、民間融資は五割、六割で済むので、銀行としては十分融資できる範割に
小 林 ﹁ デ ベ ロ ッ パ i が組合所有型住宅を供給したときのメリットは何だろ
借金をそのまま山引きずることはない。居住者からみたら、ノンリコ!ス・ロ
入ってくるんです。そういう意味では、組合所有型が成立しうるさまざまな
いいとこ取りはできないだろうと思っています。
ーンで持ち家がもてるというのと事実上関じなので、メリットがある可能性
補劫制度、あるいは市場環境ができつつあるような印象はありますね。
うか﹂といわれると、﹁メリットはない﹂ということになっちゃうので、た
がありますよね。
泉三
小林融資の問題は、たとえば居住者が頭金を二割出したとして、残りの八
中林組合がお金を措りているとはいえ、その借金を返すための原資は毎月
ほうに問っているのですが、中林さんは、つくり方の話と所数綴麟緩謬縫
割が融資ですよね。その八割に対して、今年から﹁都市居住再生ファンド﹂
居住者が払わなくちゃいけないですから:::。
一繋 議 機
有にこだわっておられたのですが、たとえば日本型のコ lプ 緩 イ ヘ一
に頭金を出資金として払うとしても、それ以外は自分が借金を負うわけでは
小林それは賃貸の家賃と一緒じゃないですか。
であっても、﹁ユ l コiト﹂は二O年 た つ 今 も 、 非 常 に は つ
とえばこういうことは考えられませんか。組合所有住宅に入った人は、最初
中 林 い や 、 土 地 費 を 合 め て ロ i ンの返済を含むので、どうしても家賃より
らつとした団地管理が行なわれています。日本のコ iポラティブの場合は、
jfo
m錫媛議場録後稼絵総後務
O年 、 公 団 で 住 宅 を つ く っ て き ま し て 、 い ま は 管 理 の ? ﹀
高くならざるをえないんですね。だから、何らかの別の助成がない限り、{永
う意識がちょっとあるんですね。
が衰退するというのは、むしろ別なところに問題があるのじゃないかなとい
つくるプロセスのなかで共有関係をつくっていますので、建物完成後共同性
のはなかなか難しいと思いますけれども、発展段階としてはあるだろうと
これは本格的な欧米型の組合所有住宅コ lブ に な る 。 た だ し 、 こ こ ま で い く
体 に 対 し て は 、 地 代 だ け を 払 っ て い く 。 そ う い う の が 第 二 段 階 の コ iプで、
に投資することがやりやすくなる可能性が非常に高い。賃貸住宅では、白分
組合住宅経営になれば、メリットの一つは、居住者自身が内装リフォーム
(
図i4 ・第二段階)。
生活運営するというところが非常に欠けていた。高齢化した時の話とか、そ
が退去するときに、内装費としてかけたものが回収できない可能性が高いの
公団では、管理のしかたをメンテナンスだけにしぽってしまって、そこで
一度見直すことで、中林さんの一一一一回う長期的な共同性を、日本でも実現できる
で、居住者がリフォームするのは難しい。そこで、退去するときに内装を次
れをカバーするような互助的な運営形態に着自しなかった。その部分をもう
のではと考えています。
の人に売れるようにすればいいのですが、実際には内装の価格査定は非常に
難しく、内装を売るという概念の適用は難しい。この間題を解決するいちば
まだうまくいくかどうかはわからないのですが、このまま
小林これは私の研究室で提案、を始めているところなので、
仕組みになる。そうなれば、投資が促されるだろう、という考え方です(図
そうすると、事実上賃貸と分譲の中間的な形で売買が行なわれていくという
内装の状態をみて、出資持ち分の価格を評価して次の人に買ってもらえる。
いるわけですから、出資持分を次の人に売るようにすればよい。そうすれば、
公共賃貸住宅の住宅組合による運営は可能か
では郊外部の公共賃貸住宅は立ち行かなくなる。そこで、
15)。
ん簡単な方法は、住宅組合運営であれば、住宅組合はその居住者が出資して
ほどのイギリスと同じように、公共住宅の払下げの一つと
住宅組合による管理受託というのを考えてはどうかと。先
建物と土地は都市機構等が所有し、管理部分だけを請け負っていく。機構に
を 行 な い ま す 。 中 林 さ ん の 表 で は ﹁ 管 理 型 コ iプ﹂と呼んでいるものですね。
こ の 考 え 方 は 、 第 一 段 階 は 管 理 受 託 ( テ ナ ン ト ・ マ ネ ジ メ ン ト ・ コ lプ)
一度は住民に管理を任せてもらうということがあれば、住民も納得できるの
いく。ただ、いずれにせよ郊外団地から公共が撤退するプロセスのなかで、
終わっていると考えるべきで、あきらめて団地を撤退し、用途転用を図って
住民が経営してもうまくいかないということで、これはもう社会的に寿命が
しかし、万が一運営に失敗したら、公共側が経営してもうまくいかない、
対しては、たと、えばいま六万円の家建だったら、四万円ぐらいは基本家賃と
ではないだろうかと思っています。
して、住宅組合の可能性を考えてはどうかと忠っています。
して機構に払い、維持・管理・修繕その他は往宅組合が自分で徴収して、自
日T
るのですか。
ある程度軌道に乗るまでは面倒をみなければなりませんよね。そこはどうす
閑転換するときのコストと、かなりのノウハウが要ると思うのですが、
分で修繕して、運営していく。で、管理が非常にうまくいけば、家賃が安く
なるかもしれないし、逆に管理に失敗すれば、家賃が高くなってしまうかも
どうだろうかというのが一つのアイディアです。
たとえば都市機構の専門家が団地ごとに付いてサポートしていくというのは
小 林 こ れ は や は り 専 門 家 の サ ボi トが必ずなければいけないとは思います。
しれない。リスクはあるけれども、自分たちの経営努力が反映する仕組みで
ある(次頁、図i3 第一段階)。
もしこれが非常にうまくいけば、次の段階では、建物を完全に払下げを受
けて、建物は組合所有の形になる。土地は定期借地権として、機構とか白治
1 既得住宅活用の基本的考え方
図
2
Ha
住審による投資が、本人!こ滋売される仕組みが必繋
b内量産自由突貫だけでは、家賃段定による不定要望日が大奮い
退 去 時 内 装 + 出 資 金J を次の入爆者に売買する
が大曹〈なる.これにより、退去跨の宛軍備稽 l
立高〈なる.
また、それを肉量産儀格と出資金函格 1
=
分ける必要は無い.
:
0
'
・
M・:管理の失敗で高〈なる場合
人たちをうまく専門家が支援して、その一体のテナント・マネジメント・コ
んなのはやらないよ﹂という人もたくさん交じっているわけですから、その
貸の入居者というのは、さまざまな人がいて、そのなかには﹁俺は絶対にそ
中林非常に賛成です。やはりいちばん難しいのは最初の段階ですよね。賃
それで資金調達したらどうか、というような考えです。
一部については都市居住再生ファンドという国の出資の仕組みを導入して、
いいまの敷金程度だと思われるので、残りについては、銀行融資を受けつつ、
が全額出すというのは当然難しいでしょう。出資ができるとしても、せいぜ
る段階では幾らかお金が必要になるんですね。そのお金については、居住者
ので、特に初期のお金は必要ない。しかし、組合所有、建物の払下げを受け
小林管理を受託して、住民から維持管理費、修繕費を集めるということな
認地経世が成功すると、窓貫整額〈相場窓買と漣構の~本l&!鍵町議額〉
ーブなり何なりにするというところが非常に大きな問題なわけです。
第2
段階
退去時i
ま出資株を売買できる。街地が活性化すると高〈なる。
住宅飽食:居住宅まが出資する総合〈全員参加でなくてよい〉
!第二段階 l
主、建物の払い下げ(土地l
ま定期借地権〉
住宅絡会:欽米軍吉の飽食所有住宅になる{法的艶舗が必要}
新築ではメリットがないが、老朽賃貸団地では効果的である
スケルトン賃貸方式
i
内議開拭
メエュ一方式
│
老朽化した公共賃貸問地を詩集するプロセス
と、住宅組合の中間的なイメージに近くなると思うんですね。 コープ(管理型
いい。そうすると、早田さんがおっしゃったハウジング・アソシエーション
半 数 ぐ ら い の 参 加 で で き る よ う な テ ナ ン ト ・ マ ネ ジ メ ン ト ・ コ lブ が あ る と
案もありますが、住み替えも大変なので、それもなかなか難しい。やはり過
う感じがするんですね。住み替えをして団地の一部の街区だけでやるという
小林私も、全員参加でつくらないといけないとなると、事実上無理だとい
やっていただきたいと思います。
まえば、あとは買おうが何しようがうまくいくだろうと思いますので、ぜひ
どうにでもなると思うんです。自分で管理するよというところまでなってし
そのへんをやってテナント・マネジメント・コ!ブになれば、そのあとは
のテクニックや専門家の支援が必要なんだと思いますね。
ても意見をまとめるのは難しいという感じがしますから、やっぱりそのへん
人だけを一棟に集めるというような方法をとりながらやっていかないと、と
常に難しいだろうと思うんです。嫌な人は抜けて別の棟にいって、やりたい
図-4 住宅組合!こよる団地経営
i
│居住者による投資を促進するために最望書な方法は何か
一部の人間だけでテナント・マネジメントが本当にできるかというと、非
5 郊外等の公共鍾貧困地の手写生!こ向けて
図
笹王星が成功した場合 1
=
払下 '
1
経緯修繕費
続ヰ住宅飽食による管理受託
基本窓貧
管理由成功で安〈なる場合
経持鯵総重量
テナント・マネージメント・コープ
1
3
喜一段階i
立、管理受託│
1段階
第
s
'
i
)-3 住宅組合による団地経営
の!l案
+ 内議自由売買方式
住宅総合による経営
住宅組合が建物を所有
地代
住宅総合による団飽経営+内装自由売寅方式
図
早回お金のほうはどうですか。軌道に乗るまで:::。
団地再生における住宅組合の可能性(小林秀樹)
コープ)への出資者は、居住者でもいいし、既住者以外の人も出資するコ i
機付けをすれば、可能性があるのかなというふうに感じています。
家賃が下げられれば、その分自分の生活が楽になるから、そういう意味で動
とって、 その分は一一砲の儲けになるようにする。一方で、組合員に対しては
泉私もその方式が定着するのを望んでいるんです。たとえば居住者による
ーション、トラスト的な要素と居住者自身が出資する要素を組み合わせたよ
うなものはうまくいかないですかね。
リニュ l ア ル に 関 し て い う と 、 投 資 し た も の を 次 の 入 居 者 に 継 続 さ せ よ う と
ブでもかまわないというような形がありそうなので、ハウジング・アソシエ
竿罰非常に可能性はあると思うのですが、たとえば住民ゑ欝鋭機麟鱗撃
すると、公募原則がありますので、公共住宅である以上はこういう仕組みが
い
は 二 分 の 一 ぐ ら い に し て 、 あ と 外 部 の 専 門 家 が 入 っ て ス テ 験 機 務LJ;
しかし、経営の問題について考えると、現況の公共住宅は地代相当しか入
によって柔軟な発想で管理できるようになってほしい。
機能しないんですね。だから、いまある公的住宅はどんどん民開化すること
階、臨ム
lク ホ ル ダ ー ( 利 害 当 事 者 ) に な る と い う の は 、 非 常 に わ 鱒 メ 泳 三 /
J
C
V
掃鶴繍輔輔醐騒騒も
かりやすいし、逆にそうでなかったらうまくいかないのじ議機鐘欝磯欝鱒
F
れていませんから、修繕費に使える分は安いんですね。当初から三分の一か
ii-
四分の一ぐらいしか設定していませんから、その不足分を何で補うかという
ゃないかと思います。
山本震貸住宅の経営を純粋にビジネスで考えると、いかにして家賃を上げ
問題があります。
管理費が高くなる一つの要因として、集中管理することによって、無駄な
るかに尽きるんです。賃貸住宅からの収益を上げていくためにいい管理を行
一方で、居住者にとっては、自分の団地がきれいになって高い家賃で貸せ
コストがだいぶ発生している。本来的には住宅の管理なんていうのは、家庭
なうとか、いいコミュニティをつくるといったことがまず自的になります。
ることによって、自分が払う費用が多くなるという負担が出てくるわけです
の主婦がやっている世界ですから、いくらでもできる要素はあると思うんで
とせる要素もある。
す。そういう意味では、住宅の自主管理がうまくいけば、かなりコストを落
ね。ひょっとしてそこに矛盾があるのではなかろうか。
もう一つ、日本に多くあった公社の分譲住宅における、いわば賃貸的管理
によって、居住者のほうに管理意識が育たず、公社の長期分譲物件はなかな
そのときに、いまの自治会が法人絡をとって、管浬受託するような組織に
変わる可能性は、僕はありえないことじゃないと思う。イギリスの大規模公
か管理がうまくいかないというのがありムまして、そういった問題とこれの関
係はどうなのか。
のなかに住民代表が入るみたいな仕組みがあれば、その地域の住宅に合った
営もほとんど公社が管理を受けていると忠、つんです。そのとき、受ける公社
管理ができていくだろうと忠、つんです。分散化して入居者が参加するような
小林まず前者の問題ですが、答えからいうと、両方の性格をもっている。
賃貸として入るわけです。そういう人たちからはできるだけ高い家賃をとり
小回りの利く管理形態を探したいなとは忠、つんですね。
五O%強 の 人 が 参 加 す れ ば い い と す る と 、 残 り の 四O%ぐらいの人は普通の
たい。一方で、家震に差をつけたってかまわないので、出資している自分た
小林その時に、現在の管理会社はどうなりますか。
ますから、二四時間監視態勢をつくっておかないと間に合わないというとこ
ちはなるべく安く住めるようにする。そのようにして運営すれば、それはう
それで、自分の持ち物でないものを、どれぐらい真剣に管理していくかと
ろもありますから、住民の自主管理になっても、それを支援する組織の必要
泉集合住宅の管理は、水漏れがあっても一軒だけじゃなくて問りに波及し
いうのは、確かに難問で、そのために何らかの動機づけが働かなければいけ
性はあるように思います。
まくいくのじゃないかなと思います。
ない。例えば管理がうまくいったら、高い家賃がとれる人からは高い家賃を
巧
n
u
4d
思うんです。
泉 い ま の 都 市 機 構 そ の も の が セ カ ン ダ リ ! コiプ の 役 割 を も っ て い る と
ということですね。
小 林 先 ほ ど の 個 別 組 合 を 支 援 す る セ カ ン ダ リi コiプ の よ う に な っ て い く
入ってマネジメントするということは同じだと思います。
期にわたって土地をお預かりして、それに地域の運営スタッフが半分ぐらい
ますので、株を売買できるかどうかという問題はありますが、トラストが長
っているという形に近いと思います。トラストは社団法人でやっていたりし
付けようということですか。
資株の売買ができるので、頑張れば価値が上がるよというインセンティブを
いわけですよね。出資して住宅組合をつくってやるというのは、退去時に出
た と え ば 住 民 が 中 心 に な っ てNPO組 織 を つ く っ て 管 理 を 受 託 す る の で も い
やサービスをどうやって持っかというのは、私もまだよくわからないのです
iブ の イ メ ー ジ と よ く 似 て い る と 思 う の で す 。 そ の へ ん の 専 門 的 な 意 思 決 定
っ て 、 地 域 課 題 に 応 え る と い う 役 割 を も っ て い る 。 先 ほ ど の セ カ ン ダ リi コ
議会、まちづくり協議会、そういうものと連携する仕組みをつくることによ
専門家による管理組織がトラストの中心にあって、地域の住宅を運営する協
それから、さっき管理会社の話が出ましたけれども、そういうコアとなる
小林まさにそのとおりです。管理が非常にうまくいったら、退去時にその
カ
米野維持管理・修繕費を安くして、それを住民自らが行なうのであれば、
果実を得るような仕組みでないと、本当の意味で熱心に管理することはない
どういうメリットがあってそこに出資するのか、そのあたりはどういうもの
小林トラストで土地を所有する場合に、そのトラストにお金を山山す人は、
宅組合という制度が必要になってくると思っています。そういう市場原理が
なんですか。
NPOで は 出 資 株 の 売 買 は で き な い の で 、 住
働くような仕組みが必要じゃないかと思います。
メントする寅任を逃れることができるということです。非常に消極的な理由
早田
と思っているんです。だから、
米野それであれば、別に組合でなくても、株式会社でもいいですよね。住
小林株式会社だと利誌に対して税金がかかってしまうのでうまくいかない
れば、家賃が一万円安くなるということですよね。
公共が持っていますが、建物部分については公共の食担から離れていくので、
小林公共住宅をこういう形式に転換していくということであれば、土地は
です。
たとえば行政ならば、行政が長期にわたって土地や公的住宅をマネジ
民の半数が出資する株式会社があって、たとえばそこから記当が月一万円く
んです。もちろん組合じゃなくて、さっきのトラストというか、そういう別
むしろ負担が軽減されるのではないかということですね。
まい。
組織でも十分可能性はあると思うんですね。
早国
首藤いまのお話やハウジング・アソシエーションにも関連するのですが、
いまの話の続きで、この土地トラストというのがなかなか面白そうなので、
日本に導入するとしたらどういう可能性があるのだろうか、どんなイメージ
いままで自治体が行なっていた役割が軽減されていくということは、﹁小さ
な状況になっていくのかということをお聞きしたいのですが。
がやるようになったということがあるのです。全体的な流れとしてどのよう
った関係で、地方自治体がやっていることをハウジング・アソシエーション
昨年、私もデンマークへ取材に行ったのですが、デンマークは政権が代わ
い政府﹂に向かっていると考えてよろしいのでしょうか。
になるか、ということを早田さんにお伺いしたいと思います。
いまの話とよく似ていると思うのですが、定期借地の仕組みで動いて
土地トラストの可能性
問→沼
いるコ lポ ラ テ ィ ブ は た く さ ん あ る わ け で す か ら 、 そ の 土 地 を ト ラ ス ト が も
る一方ではない。ハウジング・アソシエーションが自立したセクターになれ
の時より一時期ふえたりしていますから、間接的な投資というのは決して減
早 図 ハ ウ ジ ン グ ・ ア ソ シ エ ー シ ョ ン に 投 資 さ れ る 金 額 は 、 サ ッ チ ャ l政 権
づけるという続きの話を、チャンスがあればどこかでできればいいなと思っ
開 す る の か と い う の に 興 味 が あ り ま し て 、 そ の な か に コ lポ ラ テ ィ ブ を 位 置
早田大変勉強になりました。こういった議論を地域レベルでどうやって展
ような形にしていかなければいけないのじゃないかと思っております。
ています。
ば、公的補助も減るかもしれないですけれども、イギリスの場合は単純な
﹁小さい政府﹂ではないと思います。
小 林 持 ち 家 型 、 借 家 型 の 両 方 と も 、 コiブ 住 宅 が も う 一 度 見 直 さ れ る 社 会
H編集部)
米野コミュニティ土地トラストは、早閉さんがおっしゃっているように、
文責
環境にあると思われますので、今後の発展を期待したいと思います。どうも
ありがとうございました。
社 会 住 宅 政 策 の な か で の 位 置 づ け と い う よ り は 、 ア メ リ カ で い う 日O A
(
民
。5EmODmO︿号ロ50E ﹀
go己 民 吉 ロ ) の 一 つ の 形 態 と し て で き た の か
なという感じもするのですけれども、その位霞づけをお教えいただくのが一
、o
F
i
・
それから、 ほ か に い ろ い ろ な 社 会 住 宅 の 仕 組 み が あ る の に 、 ア メ リ カ で 出
てきたこういう仕組みをイギリスで、なぜやってみようとしているのかとい
うあたりについてお教えいただきたいのです。
早 田 こ の フ レ ー ム が 議 論 さ れ て き た の は 、 イ ギ リ ス の 場 合 、 ホi ムレス対
策の流れからで、いちばん安く、しかも持ち家感覚でということをどうやっ
たらできるかというぎりぎりのなかで出てきたのだと思います。
ニつ目は、原則として、自分たちが保有してより良い管理をするというこ
と で は 、 コ ン セ プ ト はHOAとまったく向じだと思います。
それから、公営住宅の移管にはスイッチングコストがずいぶんかかって、
かえって時間も長引いたりして消耗するというので、打開策としていろいろ
なパ i ツを並べている段階だと思います。
中林いま日本の問題は、公団とか公社、公営住宅という公共の住宅が分譲
住宅とか賃貸住宅から撤退していって、公的な住宅がなくなっていくにもか
かわらず、それに代わるものは基本的にないという状態が非常に大きな問題
だと思います。すべての住宅を民間のほうに移してしまう形で賄うというの
は非常に難しいことです。やっぱりその受け皿として、コーポラティブも含
む非営利な住宅供給みたいなものの体制を日本のなかにつくっていく必要が
ある。逆に非営利型、コーポラティブ型の住宅を今後どんどん伸ばしていく
ミニシンポジウム風景。すまいろんでは毎号ミニシンポジウムを開催
し、特集のコア記事としています。ご案内は財団ホームページに掲載
しています。
高騰を引き起こした。これに危機感をもった人ぴと
し、一九世紀末の急速な都市化は、住宅不足と家賃
資産階層が所有し賃貸経営するものであった。しか
これ以前は、多額の投資を必要とする集合住宅は、
ドイツで一九五一年に成立した区分所有法を手本と
く、新たな立法が求められた。それに応えるべく、
しく登場した集合住宅形式に対応できるものではな
法の古い規程に碁づいて権利を設定していたが、新
いる。当初は、長屋などの縦割り所有を想定した民
この法律の制定を契機として分譲マンションが急増
して制定されたのが、日本の毘分所有法であった。
が、自ら集合住宅を所有・経営しようと級合を結成
したのがコ lプ住宅の始まりとされる。つまり、集
賃貸の一種として位置づけられる借家系コ lプ住宅
その後、コ iブ住宅は、政府の支援を受けて公的
ンス一九六五年、カナダ一九六六年、ニュ
では一九六0年代に立法措置がとられており(フラ
ドミニアムと呼ばれる。興味深いことに、主要な国
この区分所有形式のマンションは、米国ではコン
し、今日の除盛につながっている。
合住宅を居住者が所有しようとする時に、最初に登
と、アメリカに多くみられる資産性をもっ持ち家系
一九六周年等)、日本とほぼ向時期に、ドイツから
場したのが﹁組合所有﹂の形式であった。
コlプ住宅に分かれていくが、﹁組合所有﹂という
世界各国に広がったようである。
集合住宅を所有する形として、コ iプ住宅の典型
きな役割を果たしているが、それは本号の竹弁論文
このような組合所有の普及には、金融の充実が大
借権﹂を市場で売買する仕組みが発達した。住宅の
らか、リースホールドと呼ばれ、各伎一戸の﹁長期賃
市部の土地を一部の貴族階層が所有してきた経緯か
例外の一つがイギリスである。イギリスでは、都
ι
1
,ョ lク
ている。
権利形態は、両者に共通する特徴として今日に続い
である﹁組合所有﹂と、一般の分譲マンションが採
﹁区分所有﹂が登場し、急速に普及することになる。
長期賃貸する形態である。しかし、近年、リl スホ
所有権は地主がそのまま保持し、一般には九九年で
に詳しい。そして、一九六0年代になると、新しく
の違いを整理してみよう。
区分所有とは何か
用する﹁区分所有﹂は、どこが違うのだろうか。そ
組合所有の発祥
したとされる。
年代にイギリスで登場し、その後、欧米各国に波及
物を所有するタイプである。この形式は、一八六0
を専有部分(各住一戸)と共用部分に分け、専有部分
する法律﹂に規定された権利である。これは、建物
六三)年四月に施行された﹁建物の区分所有等に関
しているのは﹁区分所有﹂である。昭和三八(一九
いため実例は稀だが、いずれイギリスでも一区分所有
る区分所有法が成立している。まだ立法から日が浅
その過程で、一一O O二年にコモンホールドと呼ばれ
したことから、リースホールドの改革が求められ、
ールドの期限が到来するものが増加して問題が発生
この形式が、最初に本格的な普及をみせたのは、
わが国において、集合住宅の所有形態として定着
一八九0年代のドイツといわれる。ピスマルク政府
きるように仕組みと金融を発達させた。このため、
デンでは、コープ住宅の居住権を市場価格で売買で
もう一つの例外が北欧である。例えば、スウェー
マンションが等及するとみられている。
は独立した所有権の対象とし、共用部分は、各所有
法制定の一 O年近く前、昭和三O年頃から登場して
ところで、わが岡山の分譲マンションは、区分所有
者の共有とみなすことを定めたものである。
た
主に労働者階層に向けて数多くの賃袋住宅を供給し
の支援により﹁ドイツ住宅協同組合﹂が設立され、
コープ住宅の典型は、居住者が組合を結成して建
2
事実上、コ iプ住宅が分譲マンションと同等の伎絡
して独立している。金融機関は担保として、専有部
者の融資に糞任を負う必要もない。完全に所有権と
他の所有者とは無関係に融資を受けられ、他の所有
上の負債は免除される。これをノン・リコース・ロ
が払えなくなった場合に住宅を売却すれば、それ以
い点に注意したい。例えば、アメリカでは、ローン
i ンという。これを成立させているのが、政府が関
与する保証制度である。この場合は、有限責任とい
分に抵当権を設定する。
をもち、今日に至るまで区分所有を必要としていな
ν
a
以上の経緯が教、えることは、都市化の進展ととも
に応える形で、まず組合所有が工夫され、その後、
る。そのロ l ン返済は、各居住者が支払う{ゑ賃をあ
人である。原則として建物全体に抵当権が設定され
た最大の理出向と考えられる。ただし、その代わりと
は明快である。これが、世界的に区分所有が普及し
いずれについても、区分所有は、融資の組み立て
うことになる。
区分所有が登場したことである。そして、両者の佼
いため、退去すれば(組合を脱退すれば)借金とは
てる。各居住者からみると、直接借金を負っていな
して、一区分所有では抵当権者の権利は強い。例えば、
一方のコ iブ住宅では、融資を受けるのは組合法
霞づけは、各国の事情によって異なっている点も興
管理組合の決議があっても、抵当権者の権利を侵す
に集合住宅を各偶人が所有する要求が強まり、それ
味深い。
コlプ住宅は融資対象として不安定ということにな
無関係になる。逆にいえば、金融機関からすれば、
は退去して経営を放棄できるからである。その場合、
る。というのは、もし経営が不調になれば、日出住者
コlプ住宅に居住するためには、まず空家募集に
所有形態の違いは、入居規約の遠いにつながる。
③入退去の方法
ような何らの措置もできない。
コープ住宅と区分所有(コンドミニアム)
の比較
さて、両者の特徴を改めて愁現してみよう(表l
限資任である。一方の銀行は、建物を競売にかける
するかどうか審査されるのが普通である。しかも、
応募する。その際に、当該コ lプ住宅の理念に合致
居住者の損失は出資金の範囲に限られる。いわば有
ことになるが、経営が不調の賃貸住宅であり、貸金
│)。主にアメリカと日本を想定した。比較のため
を回収できずに損失を抱える可能性が高いであろう。
①所有と利用の関係
両者の基本的な違いは所有と利用の関係にある。
由な判断に委ねられている(アメリカでは、この点
その審査方法や拒否理由は、各国ともコ lプ側の自
が入居階層の同一性を保てる点で歓迎されている)。
い。これに対して、各国とも、政府による融資保設
このような審査が正当化されるのは、募集は所有権
このため、コープ住宅への融資はなかなか成立しな
あるいは直接融資を組み立てることで、コープ住宅
区分所有では、各住戸(正確にいうと専有部分)が
所有権者であり、自らがそこに居住してもよいし、
の売員ではなく、組合員の募集である点にあるとさ
を普及させてきたという経緯がある。
にした融資が可能になっている。このために、コー
カやスウェーデンでは、コープ住宅の居住権を担保
た、住民委員会が定めたさまざまな制約に従うこと
もに、居住契約(テナント契約)が締結される。ま
入居が決まると、当該コープの組合員になるとと
れる。
プ住宅の中古売貨が成立しており、資産性を有する
なお、持ち家系コ i。フ住宅が定着しているアメリ
テナント契約により居住する。つまり、居住者は、
する。各居住者は、組合に出資して組合員になり、
持ち家系コ lブ住宅の定着につながっている。
マ令。
その後も個人が負債を負う。つまり無限責任である。
住宅ロi ンは、仮に住宅を売却しても残僚が残れば、
うことは難しい。法的には、ヤクザ等の不適当者を
様である。しかし、購入者の審査や入居拒否を行な
これに対して、区分所有も管理規約がある点は同
所有形態の違いは、融資を受ける際の方法の違い
ただし、この点は、区分所有に共通する特性ではな
が求められる。
につながる。区分所有では、各個人(毘分所有者)
②住宅ロ l ンのあり方
が、直接、金融機関から融資を受けられる。しかも、
ところで、日本の分譲マンションでは、各個人の
建物の所有者の一員であると同持に、賃借入でもあ
一方のコ iプ住宅は、組合法人が建物全体を所有
他人に賃貸しても構わない。
独立した所有権の対象となる。それを購入した者は
に、賃貸住宅を併せて示している。
3
表一 1 策 室 ま ・ 級 合 所 有 ・ 区 分 所 有 の 比 較
19世紀末頃
20世紀中頃
住宅の所有者
大家
(建物所有者)
組合法人
個人
(区分所有者)
所有単位
建物
援物
奪有部分
利用の権利
鍵償援
組合規約 i
こ基づく居住権
所有権
抵当擦の設定単位
建物
E
童物
専有部分
権利形態
古い{紀元前)
室長会住宅への滋用はいつか
(
j
返上がり益}
不要
必
要
害
必婆
組合への告知
組合への告知
居住擦の売却
住宅の売却
島俊者の議決
所有者の議決
経営索任を負うか
なし
(大言震が食う)
設が利益を得るか
犬家
なし
言語会が必婆か
不要
居住脅からみた特徴
犬家への告知
書量級蓄電佳
出資分だけの有緩資任
ある
向上
居住権設謬等
f
主戸売寅B
寺の担保
原則なし
(霊童筏される)
ある
入居憾の密交はあるか
持ち家系コープ
{昔家系コープ
所有者
組合員
(鏑上がり主主)
退去時に必要なこと
大家
音量が芸家震や
居住者
管理襲警を決めるか
犬家
所有者
(管理組合)
E
撃が維持管理するか
区分所有住宅
震設住宅
組合所有住宅
タイルの問一性を保つよう
きるが、入居者のライフス
多数決で排除することはで
権およぴ抵当権をできる限り尊重するためである。
合意形成のハードルが高い現出向は、専有部分の所有
分の四などの特別多数決が求められる。このように
区分所有では、各国とも所有者の全員一致または五
大規模修繕や建替え等の重要な事項については、
一方のコ iブ 住 宅 で は 、 大 規 模 な 修 繕 で あ っ て も
国とも認めていない。なお、
住民委員会の決断があればできる例が多い。原則は
な理由での転売拒否は、各
よる優先買受け権を認めて
中古売買時に所有者組合に
その他の義援(として、入退去時にかかる費用があ
過半数の賛同であり、より柔軟な意思決定ができる
る。区分所有では、各国とも所有権取得に伴う登録
とされている。
税 等 が 求 め ら れ る 。 一 方 の コ lプ 住 宅 は 賃 貸 住 宅 に
いる国が多いが、実際に買
のため、区分所有における
意形成上も困難である。こ
近く、入退去時の税金は原則として不婆である。
受けることは資金的にも合
かつム自由である。このこと
各住一戸の独立性が尊重される形態といえる。後者の
性が強く求められる形態であり、区分所有は、逆に
総じていえば、コ lプ 住 宅 は 、 居 住 者 同 士 の 共 向
まとめ
中古売却は、事実上、簡単
が強く支持されている一方
で、誰が隣人になるかコン
う場合もある。
トロールできないことを嫌
④建物の維持管理
く、また建物が老朽化して大規模改修や建替えなど、
られるが、一方で、居住者の匿名性が強くなりやす
このことが区分所有の急速な普及を促進したと考え
る管理組合である。所有者
運命共同体としての特性が前回に出るようになると、
特性は、都市住民のライフスタイルに合致しており、
組合であって、居住者組合
区分所有は欠点が目立つようになる。両者の長所を
区分所有では、維持管理
ではない点に注意する。こ
の主体は、区分所有者によ
のため、住戸を他人に賃貸
うまくミックスした形態が最適といえそうである。
︿
注
﹀
している場合など、不在所
有者の存在が、しばしば管
住宅協会 (Z﹀同C E G込者若者 n
ccHvyccmzm-O門間およ
び、カナダコープ住宅協会(
(UZHJEGL若者宅・口三円・2
コiプとコンドミニアムの差異については、全米コープ
居住者の組合が維持管理の
のホ lムページを参照した。
一方のコ lブ住宅では、
理上の問題になる。
主体であり、開明快である。
団地再生は住宅組合の手で
信幸
投資が鍵になると考、えている。
近年、公共賃貸住宅留地の再生手法について、議論が盛んに行なわれるよ
なり時期尚早と思われる。これに対して、﹁払い下げ﹂の前段に住遺づけら
﹁払い下げ﹂という案が浮んでくる。しかし、現時点で﹁払い下げ﹂は、か
このような観点から、ごく単純にアイデアを出してみると、居住者側への
うになった。これに対して、これまでの実際の事業は、そのほとんどが建替
れるような仕組みがあれば、管理運営方法の転換と居住者側からの投資を、
以 上 の よ う な 考 え の も と 、 本 稿 で は 公 共 賃 貸 住 宅 こ と にU R賃貸住宅にお
え方式で行なわれてきた。しかし最近では、都心回帰や人口減少の予兆から、
な状況が現れてきている。この傾向は、今後ますます顕著になり、それにと
いて、団地ストックを活用していける仕組みについて、検討していくことに
徐々に進めていくことができると考える。
もなって、郊外ではストックを活用していくか、それとも閉鎖・売却かのい
居住者による﹁自主リフォーム﹂の可能性
する。
むろん居住者側は閉鎖・売却だけは避け
たいと言うであろう。しかしながら、スト
川自主リフォ i ムとは
まず、ここでは、管理運営方法の転換と居住者側からの投資を、一歩前進
ックを活用して賃貸経営を続けていくのに
も困難な状況がうかがえる。例えば、スト
U R賃貸住宅では、居住者の退去によってできた
空き住戸については、原状回復だけでなく現代の住要求に合わせるための内
う少し詳しく説明すると、
なっている空き住戸のリフォームを関避できるといったメリットがある。も
フォームすることができる仕組みのことで、大家にとっては経営上の食担に
ここでいう﹁白、玉リフォーム﹂とは、内装を居住者が自己負担で自由にリ
してみたいと思う。
させる仕組みとして﹁自主リフォーム﹂を提案し、その可能性について検討
は、管埋運営方法の転換と居住者側からの
筆者は今後の団地ストックの活用において
いわれている。このような状況に対して、
可能な家賃水準を設定することが難しいと
資効果が鉱く、改修費用を回収することが
改修していく必要があるが、古い居地は投
ックを使い続けるには、老朽化した住棟を
写 真 一 1 古い団地の住棟
ずれかの選択を迫られる団地が多くなると思われる。
郊外の住宅需要の低下が目立つようになり、建替え方式での事業成立が困難
はじめに
新
井
スクが大きい。このため、﹁自主リフォーム﹂の普及は、大家にとってメリ
多様化が進む現代にあって、内装に先行投資するというやり方は、かなりリ
賃が安いという古い団地の魅力を消すことになっている。しかも、住要求の
れており、これにかかった費用が家賃に上乗せされることから、結果的に家
であったことがわかった。潜在的な需要につい
を行なったことがある世帯は全体のニニ・一%
言文献
ム﹂の潜在的な需要についての調査を行なった
O四年)、建設から四O年 あ ま り が 経 過 し たU
R賃 貸 住 宅 団 地 を 対 象 に 、 主 に ﹁ 自 主 リ フ ォ ー
アル﹂と呼んでいる)が実施さ
11
ットが大きく、したがって、団地ストックの活用にとって有意義であるとい
ては﹁原状回復がなければやってみたい﹂等、
装リフォーム(都市再生機構では﹁リニュ
、えヲ心。
条件付きではあるが全体の四割強が﹁自主リフ
2 0 まず、実態として﹁自主リフォーム﹂
叩手づくりリフォーム制度の実態
フォームにいくらかけるか﹂を尋ねたところ、
ii)。 た だ し 、 ﹁ 原 状 回 復 が な い 場 合 、 リ
(
図
制度﹂の仕組みを簡単に説明すると詳しくは参考文献 iを参照してほしい)、大家
﹁一
内装を査定して大家などに
売却できるならやってみたい
ォーム﹂の実施を望んでいることがわかった
が提示するリフォームメニューのなかから居住者が選ぶようになっており、
ームを希望する世帯がほとんどであった。この
n=117
神奈川県住宅供給公社では一九九六年に﹁予づくりリフォーム制度﹂を創
退去時には原状回復義務はなく、内装は所有放棄という取り扱いになる。ま
ことからは、現状のU R賃 貸 住 宅 に お い て 原 状
なければやってみたい
設し、試行的に﹁自主リフォーム﹂を実施してきた。﹁子づくりリフォーム
た特徴的なのは、リフォームクレジットが設置されているところで、一二0 0
回復義務を撤廃しても、居住者による内装への
これらを受けて、筆者は居住者側からの内装
を促進することができるのだろうか。
では、どうしたら、居住者による内装への投資
投資はあまり増進されないことが理解できる。
O万円未満﹂が最も多く、小規模なリフォ
万円まで無審査、無視保で借りられる。
この制度は 3団地(それぞれ八九一一一戸、五三二一戸、四五O 一戸)で約四年間
ック活用という観点からは、ほとんど機能しなかったといえる。さらに調査
施 行 さ れ た が 、 実 施 件 数 は 計 三 五 戸 に と ど ま っ た ( 写 真12)。 つ ま り 、 ス ト
結果をみると、実施此制怖が少ない要因には、﹁退去時に内装の所有放棄をし
なければならないこと﹂﹁リフォームに自由度が不足していたこと﹂の二点
装の自由売買
42'
が影響していることがうかがえる。また、リフォームクレジットもあまり効
時の内装の自由売買﹂を導入すれば、原則的に、か
への投資を促進する方法として、﹁退去時の内用
が有用であると考える。﹁退去時
果的ではなかったようで、﹁クレジットが用意されていなくてもリフォーム
内装の所有放棄はなくなり、内装の市場価値分以
フォーム﹂を実施する場合、居住者は通常の家 2
賃に加え、内装にも費用をかけなければならず、間町
居住者側からの投資は増進していくと忠われる。り
その一方で、現状の管理運営形態で﹁自主リ位
フ
が現金で一民ってくることになる。そうなれば、ト
L
を行なった﹂と答えた世帯が約七割を占めた。
私見を加えると、﹁子づくりリフォーム制度﹂の創設にあたっては、大家
側の思惑が先行し、居住者の意向を十分把握できていなかったことがそもそ
もの原因であったように思える。
問自主リフォームの潜在的需要と普及に向けて
右 の よ う な 調 査 結 果 を 踏 ま え て 、 筆 者 が 所 属 す る 研 究 室 で は 、 昨 年 ( 二O
原状回復義務が
写真一 2 キッチン等をリフォームした事例
自主リフォームの意向
図ー 1
売買を円滑にするとともに家賃の低減が実現できる仕組みが必要となろう。
ネックになると思われる。そのため、﹁自主リフォーム﹂の普及には、自由
費用負担が非常に大きくなる。この点は﹁自主リフォーム﹂の普及にとって
∞テナント・マネジメント・コープ
検討を行ないたいと思う。
いて検討を行なうことにし、二段階自については次の機会があれば、そこで
な お 、 本 稿 で は 主 に 段 階 自 の ﹁T Mコiブ﹂のあり方とその可能性につ
4)。
業務については都市再生機構が﹁住宅組合﹂へ一括して委託する(図i
では、﹁T Mコlプ ﹂ を も う 少 し 具 体 的 に 検 討 し て み る 。 ま ず 、 管 理 運 営
そこで、次章ではその点を踏まえて検討を進めることにする。
﹁住宅組合﹂導入の検討
とは、団地居住者が主な組合員となり、団地の管理運営を担う組織のことで
﹁住宅組合﹂の導入を検討してみたいと思う。ここで想定する﹁住宅組合﹂
ここでは自由売買の円滑化と家賃の低減を実現する管理運営方法として
整備といったかたちでの還元が生じる。その反対に、経営が失敗した場合に
が成功した場合には、組合員である居住者に対して、現金あるいは施設等の
業者に委託するというスタイルになるであろう。このようなやり方で、経営
営業務の全てを担うというのは大変であろうから、はじめは、住宅組合から
このとき、経験も技術も情報も不足している居住者たちが、いきなり管理運
ある。そして、ストック活用への﹁住宅組合﹂の導入にはこ段階の取り組み
は、居住者の負担は大きくなる(図 │5)。 た だ 、 こ れ ま で の や り 方 と 比 べ る
と、人件費や交通費等を抑えられるだろうから、よほど特別なやり方をしな
い限り居住者への還元は生じてくると思われる。
⑨
また、﹁T Mコl。フ﹂においては家賃が抵減する可能性が高いことから、
~8哩
﹁自主リフォーム﹂が実施しやすくなり、件数も多くなると忠われる。この
管理委託
ナント・マネジメント・コ lブ (TMコlブ)﹂と呼ぶことにする。そして、
二段階居は、土地は機構所有のまま
図 - 4 T Mコープの基本的な仕組み
が見えてくる。
で、建物を﹁住宅組合﹂所有へと転換
費用の比較
し、管理運営を担うというものである。
このとき、建物の払い下げに伴う資金
調達が最大のポイントになると忠われ
るが、これについては、今年(ニ0 0
五年)四月に制定された、民関の多様
TMコープ
UR:
I
l
還
資
な住宅等の整備事業に対して出資によ
ストック活用のプロセス
密- 3
る支援を行なう﹁街なか居住再生ファ
5 U R賃貸と T Mコープの居住者にかかる
図
ンド﹂を活用すれば、自己資金の持ち
出しを半分理度に抑えられる。
E
喜1段
障
室
この﹁T Mコiプ﹂方式が安定し普及するようになれば、次の段暗の可能性
﹁住宅組合﹂が担うというものである。このような仕組みを、本稿では﹁テ
一段階自は、土地・建物の所有はともに都市機構のままで、管理運営を
3)。
が想定できるため、まずは、この点について説明していく(図i
川ストック活用プロセス
2
株﹂を売買するというかたちをとるのが望ましいだろう。ちなみに﹁TMコ
資金﹂と﹁内装﹂は分けて扱う必要がないため、これらを合わせて﹁出資
を結成することになろう。ただし、﹁出資金﹂が値上がりするような仕組み
が存在しないため、現行法のなかの生活協同組合法などで対応して住宅組合
三 つ 目 は 、 ﹁ 住 宅 組 合 法 の 創で
設あ
﹂
る。
わが国には、現在、住宅組合法
方の検討が重要となる。
ープ﹂の﹁出資金﹂は敷金程度を想定しているが、団地環境の評価が高まっ
には対応していないなどの不備もみられることから、﹁住宅組合法の創設﹂
場合、退去時に﹁出資金﹂とともに﹁内装﹂を売買することになるが、﹁出
ていけば、﹁出資金﹂の評価額も高まっていくことになる。投資の効果はこ
が急がれる。
るため、非組合員よりも組合員の家賃を安くしたり、組合員のみ﹁自主リフ
による計画提案活動を微力ながらサポートさせてもらっている。そこで、つ
現在、筆者は郊外に立地するU R賃貸住宅団地の建替えの現場で、居住者
おわりに
他にも細かな課題はいくつもあろうが、 大きくは上記の一一一つがあげられる。
のようなかたちで現れる。
一方、﹁T Mコi。フ﹂は、団地の全世帯が﹁住宅組合﹂に加入する必要は
ない。そのため、団地内および同じ住棟内に非組合員がいてもおかしくない。
ォーム﹂の実施を許可するといったインセンティブを与えることが起こって
ただ、健全な経営を行なうには、居住者の多くが組合員であることが望まれ
くるであろう。
だと﹁団塊の世代﹂が第一線からリタイアするころには、団地内は元気な中
気である﹂ということである。これは、本当によく思うことである。この分
これまでの検討では、﹁TMコ lプ ﹂ は 団 地 の ス ト ッ ク 活 用 方 法 と し て 有
高年で溢れかえることになるだろう。このとき、﹁住宅組合﹂による田地の
くづく思うことは、それらの活動を展開する七O歳前後の居住者たちが﹁元
用であることが、にわかにわかり始めてきたことであろう。ただ、これを成
管理運営が行なわれていれば、その主な担い手には彼らが想定される。そし
コlブ﹂成立のための課題
制﹁ T M
立させるには、まだいくつかのポイントがある。そこで、﹁TMコ iプ﹂の
て、彼らは団地のみならず地域全体の自主運営化を進めていくことになり、
郊外居住地を成熟させていくことであろう。こんなシナリオの実現のために
成立のための課題を以下にまとめることにする。
一つ目は、﹁団地居住者の管理運営能力の向上﹂である。公営住宅におい
も、団地再生をきっかけとして﹁住宅組合﹂結成の呉体的な検討が急がれる。
新井信幸/あらい・のぶゆき
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程在学
中(都市環境システム専攻)。
mlm真。および絞きのニ編。
究﹂千葉大学修士課程学位論文。
2 玉井議﹁居住者主体の自主リフォi ムによる公共賃貸住宅のストック活用に関する研
演梗概集、ニO O四年、
修の仕組みi賃貸共同住宅の活用方策に関する研究・その 1﹂日本建築学会大会学術講
1 藤本秀一、小林秀樹、玉井談、阿部菜穂美﹁底住者負担による賃貸共同住宅の住戸改
︿参考文献﹀
ては、外部環境の維持管破を自治会が中心となって行なうことが義務づけら
れているが、 U R賃貸住宅や公社住宅では、居住者が管理に参加することは
ほとんどない。そのため、自治会を主な担い手として想定して管理運営に関
わる能力を高めていくことが必要である。
二つ白は、﹁﹃住宅組合﹄結成のための合意形成﹂である。先にも述べたが、
﹁住宅組合﹂の結成は団地の全世帯の合意が必要なわけではないが、できる
だけ、多くの世帯が組合員になることが望ましい。しかし、近年は、自治会
加入率も五割を下回っている団地も多いため、まずは半数程度の世帯で﹁住
宅紐合﹂を立ち上げて、徐々に組合員を増やしていくというやり方が現実的
であると思われる。ただし、これも簡単ではないため、合意プロセスのあり
大正@昭和初期における住宅組合の理想と挫折
│11
住宅組合法が抱える問題について
O年四月二日に法律第六六号として、中
近年、 住 宅 団 地 の 再 生 へ の 試 み と し て 、 住 宅 組 合 に 対 す る 関 心 が 高 ま っ て
深刻化するのは大正八年である。このときには西欧の住宅問題に関連したさ
宅会社法案が同じ土俵で論議されている。第一次大戦後の都市住宅の不足が
は一握りに過ぎず、国家も住宅資金の貸付け後における資金回収ばかりに目
住宅の普及という大きな目標が掲げられていたものの、結果から見ればそれ
立たなかったということができる。住宅については住宅改善を踏まえた中流
部の中産階級を対象とするものであり、生活困窮者の住宅不足の解消には役
奥なっていたといえよう。すなわち大正期に限っていえば、住宅組合法は一
律第六六号として公布されている。しかし、その具体的な検討はニ年前から
経て、同年一一一月一 O 日 に 第 四 四 回 帝 国 議 会 に 提 出 さ れ 、 そ し て 民 年 四 月 に 法
法は大正一 O年二月に社会事業調査会による﹁住宅組合法案要綱﹂の答・申を
社会局の外郭団体である都市研究会と内務省社会局の一部である。住宅組合
ちなみに住宅組合法の成立について、それを最初に検討したのは、内務省
期における住宅組合法をどのように理解して、その理想を通した現実との狭
なって、八月一五日には﹁建築組合に関する特別委員会﹂を設蓋して具体的
小太郎・矢野亮一が中心となって評議会を聞き、建築組合に関する討議を行
都市研究会では大正八年七月一二一日に池田宏・佐野利器・渡議鉄瀧・棲井
始まっている。
間を検証することである。以下、住宅組合法の設立から廃案までを通じて、
な検討を行なった。特別委員会が最初に取り上げたのは、住宅組合の運用資
金をどのようにするかであった。メンバーの一人である渡議鉄蔵が日く、住
噴出した頃であった。たとえば住宅組合法が制定された大正一 O年には借地
日本で住宅総合法が施行された時期は、さまざまな形で都市・住宅問題が
﹁最初、玉として住宅組合に就て考へやうと云ふ話でありましたが、尚ほ考へ
ふ
1
1
0 そこで諸外国のさまざまな実例を調べている。そして最終的に
略)日本ではどうも基金を集める方法を知らないのが最大原留であらうと思
宅組合は﹁大変金が要ることで、到底吉岡や五百闘の金では出来ない、(中
法、借家法が制定され、同潤会などを下地とする住宅団地の形成を悦んだ住
住宅組合法の成立過程
当時の住宅組合法に含まれるさまざまな問題点について考えてみたい。
まで予が回らなかったというのが実状である。筆者に与えられたのは、戦前
が向いて、住宅地の形成やその景観保持、近隣同士によるコミュニティ育成
い
ヲ hvo 日本の住宅組合法は、大正一
まざまな事例が紹介されているから、日本の組合法も西歌を予本に考えてい
悦
産賠級への住宅供給を目的として導入されたが、現在と大正期のそれとを比
陽
たことは間違いない。
谷
較すれば、住民構成および組織の役割、その財源がもたらした役割が大きく
藤
SAT
nHU
なったのである。大正八年八月二六日には、﹁都市の住宅政策要綱﹂の中に
ている。 つまり住宅組合は途中から住宅政策全体のなかで論じられるように
て見ますと、 住 宅 政 策 を 主 と し た 方 が 適 切 で あ る と 云 ふ 事 ﹂ ; と 位 置 づ け
洗礼を受けた人びとに急速に広がっていったと考えられる。
た明治後期頃を墳として、産業組合に基づく住宅利用は、プロテスタントの
業組合の実態について彼の著書のなかで触れている。労働争議が喧しくなっ
八%、償還方法はニO年 以 内 の 半 年 賦 と し て 、 住 宅 の 規 模 は 原 則 五O坪以下
事業管理を産業組合法の規定から準用しているが、低利資金の利率は年四・
負担はかなり高額であったことが問題であったと予想される。住宅組合法は
め、利率は年九分、購買手数料から設計施工費を組合が受け取るなど、個人
とっていた。しかし、日本勧業銀行から融資を受けることができなかったた
負担を三割として、残り七割を低利資金から融通して月賦償還させる方法を
資させ、資財に余裕ある者に一千円程度の家屋を建築させ、建築資金の個人
用 購 買 組 合 を ス タ ー ト さ せ 、 こ の 購 買 組 合 で は 組 合 員 に 一 口 五O円以上を出
正八年には有馬頼寧伯爵令嗣・西指一恒矩農学博士らが発起人となって東京信
た互助組織であり、住宅組合法に先駆けて住宅の組合利用を始めていた。大
いてであった。産業組合は明治三三年に施行された消費活動全般を対象とし
ところでその時に特別委員会が話題としたのが、産業組合法との関係につ
しての住宅の住まい方についてはなおさら紹介が乏しい。トータルな問題に
ましてや住宅組合の運営から生み出される住宅地形成や環境のあり方、偶と
建築組合という概念・組合員への貸し付け方式だけに偏っているからである。
のも、日本における紹介の仕方が、あくまで建築組合の鹿史・定款を合めた
その後の日本の住宅組合にどれだけ参考になったかは疑わしい。それという
に数を伸ばしていたからと考えられる。しかし、これらの運用システムが、
時に注目を浴ぴたのは、ドイツの建築組合が第一次大戦後の痕興として急速
よるもの、の三タイプに分けて検討を加えている:。ドイツの事例がこの
いて、①慈善組織によるもの、②公共団体によるもの、③共益的事業組織に
取り上げられ、特に熱心であった斎藤樹と捜部五郎はドイツの建築組合につ
ェーデン・ノルェ i ・オランダ・ニュージーランドなどの建築組合が幅広く
ア・フランス・ハンガリー-ルクセンブルグ・ルーマニア・イタリア・スウ
鉄蔵・樫田五郎・斎藤樹である。この時にはイギリス・ドイツ・オーストリ
て い る 。 検 討 し た 主 な メ ン バ ー は 都 市 研 究 会 と 内 務 省 社 会 同 で 活 躍Lた渡漣
住宅組合法の設立においても諸外国の事例は当然のことのように検討され
と決めている。七O坪以下の敷地に住宅一一一五坪以下を建設する場合には、登
﹁建築組合の奨励﹂が含まれて具体的な検討がなされている。
録税と地方税を免除する方法を講じており、産業組合法と比較するとかなり
どれだけ関心が注がれていたかは疑わしい。
住宅組合法の挫折と組合員における実態
優遇された処霞をとっていたことが考えられる。
諸外関における組合紹介
施行規則﹂の細則によって運用の運びとなった。住宅組合の利用が多かった
0年 四 月 二 日 に 公 布 さ れ 、 開 年 七 月 六 日 ﹁ 住 宅 組 合 法
くからその存在を日本に伝えていたからであった。明治二一一一年には、岩倉具
地域は、六大都市と軍需産業を抱える周辺都市部であった。住宅組合法は住
住宅組合法は大正
視歌米視察団に随行した平関東助が杉山孝平と共著で﹃信用組合論﹄を著し
宅金融公庫法が成立してからも、形の上では存続し、昭和一一一O年において組
ところで産業組合が住宅組合よりも先行したのは、一部の慈善事業家が早
ている。徳富蘇峰が﹃国民の友﹄で労働組合の立場から共詞組合を促したの
合員数約一万五000人、一 O五 一 組 合 を 数 え て い た こ と が 判 っ て い る 。 図
までの住宅組合数の推移について示したものである。岡山からも知れるように、
ーーは、大正一 O年設立から住宅組合法の廃案が間近い時期の、昭和一二O年
おけるスラム調査の途中でドイツ・デンマークに立ち寄って、優良農村と産
(明治問。年)にも紹介され、編纂を手がけた生江孝之は明治問一年の欧州に
3
が明治三二年である。住宅協同組合は内務省地方民有志による﹃田闘都市﹄
2
1 全国にまヨける組合数の推移
3500
「
2000
1500
1000
伺
O
"
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目﹂叫
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H日
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謡各国震に総社一秘
守
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FFFF間 十 ん
NF 開炉開
=何日間同
間門町
間的-山 W F的 潮 時
E的 時
作針。。
o
6
4
7 大阪市
6
3
8 札幌市
6
1
g 佐世保市
5
2
住宅組合は昭和五年頃から停滞し、
られるように、 工場労働者を多く抱える重工業都市や箪需都市で多くの適用
ちなみに、これら住宅組合はどの都市でも、その実態がほとんど判ってい
を受けていたと考えられる。
ない。我々が六大都市を対象として調べた範屈でも、実態が唯一知れるのが、
昭和五年以降ではまったく組合の設
立数が増えていないことが判る。し
東京市・横浜市・大阪市に横須翼市を加えた地域である。そこから住宅組合
法が卒い時期から停滞した理由として、①組合への申請手続きが面倒であっ
一三年頃に、急激に落ち込んでいる。
つまり住宅組合は胞行後一 O年で竿
たこと、②組合の設立希望者に対して政府が充分な低利資金を用意できなか
かも戦間期においては、昭和二一、
くも停滞し、昭和五年以降では低利
ったこと、③関東大震災が住宅組合に打撃を与えたこと、であったと判断で
たとえば第一次大戦後の影響で住宅組合法の施行以前から住宅不足が深刻
資金の融通さえままならない状態に
であった大阪市では、大阪市長・関一の社会行政に対する取り組みもあって、
きる。この三点が住宅組合の存続に大きな打撃を与えたものと思われる。
では設立数においてはどの都市が
住宅組合法の導入が決まると初年度に申請者が殺到した。しかし、大阪市に
なっていたと考えられるのである。
一番多かったのか、市町村別の違い
割り当てられた住宅組合の低利融資額は全体の希望数に対して一割程度であ
せきはじめ
一一年度の各市町村における設立数
について見てみよう。表ーーは昭和
43
4
8
3
3
長崎市
3
0
東襲撃鶴市
27
川崎市
2
3
小田原市
小念市
2
2
2
2
2
2
堺市
西宮市
1
9
鎌念市
1
6
門司市
1
6
大牟国市
1
3
小樽市
1
1
1
0 t
富岡市
1
3
戸内
、
島皿、、川道
μ
沼山川同日目円山川伺幻
﹄
フ
nnn
別京奈康一都阪海悶由時 知崎烏阜山間森野童手葉川根口媛城
県東衿兵一京、大北福広愛長福蚊富静車問長三山若干石島山愛茨
、
道 123456789mH
ta
白
函館市
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広島市
被害が大きかった横須賀市でも、普通向き以外に庖舗付き住宅組合が組織さ
こうした現象は、震災で被害を受けた他都市でも同様に見られた。震災の
宅組合法の本質が途中から、ゆがめられたことを意味している。
され、商業者に対して住宅組合の低利資金が流用されたのである。これは住
本来的な目的を具にする。それにもかかわらず、横浜市では震災復興が優先
助組織であり、低所得者層・サラリーマン向けを対象とした住宅組合法とは
一・八倍を超えるほどであった。唐舗向き住宅組合は商業者を対象とする互
ている。その利用者は一七O組合を数え、低科資金の融資額は普通向きの約
市では震災復興として、普通向き以外に急濯、庖舗向き住宅組合が組織され
一方、これとは逆に、震災後に住宅組合の設立が急激に増えた都市もあっ
69
6 呉市
合)・横須賀市(九四組合)・京都市(九ニ組合)・名古屋市(六七組合)・呉
5 名主主屋市
た。震災で大被害を受けた横浜市である。横浜市は幕末期に新田埋め立てで
日2
市(六四組合て大阪市(六一一一組合)・札幌市(六一組合て佐世保市(五ニ
4 京都市、
開発されたために旧市街地の地盤が軟弱で、山手地灰一に比べて商業地区で住
9
4
1113
3 横須賀市
組合)の順となっている。このように住宅組合は六大都市のなかでも関東周
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2 横浜市
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i 東京市ヘ 620
値 54111
高
市域別最高値
宅被害が続出した。この場所は主に商業者が居住していた地域であり、横浜
組合数最高値順位
アミかけは六大都市を含む府県および
i'Iを示している。
六大都市の位 r
辺に集中し、なかでも山手地区や商業地区に多かった。また、積須賀市に見
った。住宅組合法は大阪市民から失望を買ったと思われる。翌年度から住宅
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の統計を高い傾から表わしたものである。図で判るように、各市町村単位で
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組合への申請者が激減する現象を生んでいる。
3500
最も多かったのが東京市の六一一O 組 合 で あ る 。 次 い で 横 浜 市 ( 一 二 七 組
図
1 各道府県1J1j.市域別にみた
表
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斗 る
ものの、組合員が
。では、普通向きであ
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'れている。横須賀市
の償還が不能となって連帯保証を投げ出す住宅組合が続出した。財界不況と
らは、財界不況や物価下落および低金利が組合員の生活を圧迫し、組合資金
好景気を反映して、組合員は建設資材の高騰に苦しんだ。昭和期に入ってか
日本の住宅組合法は最初の持ち家政策としてスタートしたが、そこでは欧
震災の被害は予想以上に組合員の重圧になっていたと考えられるのである。
一が明らかとなってお
州の建築組合が紹介され、当然のことのように同じ住宅地内における共同管
﹁一居住した住宅の一部
i2はその外
理・コミュニティ維持が意識されたと思われる。しかし、実際の運用に当た
土り、図
観と間取りを示した
って、最も苦慮したのが住宅低利資金の確保と償還方法についてであった。
そのうえ震災による被害が住宅組合の存続に大きな打撃を与えた。
ものである。住宅は
:明らかに和風を主と
呂を備えた、比較的規模の大きな部類であったことが判る。建物は横須賀市
備えられている。台所の奥は浴室となっており、組合員住宅のなかでも内風
れ、奥は六畳と八畳の一一座敷があり、八畳の座敷では押入れ以外に床の聞が
住 宅 の 規 模 は 平 均 一 五 i二O坪 程 度 、 玄 関 の 脇 に は 四 畳 半 の 女 中 室 が 用 意 さ
域単位の理想的なコミュニティについては後ずさりするものである。あるの
されている。これでは組合員による集団居住や共同管理の育成はおろか、地
宅組合の集団倒産を恐れて、職場単位を基本とする組合員の分散居住が推奨
以外に庖舗向き住宅組合に住宅組合の低利資金が流用され、横須賀市では住
ていることが判る。たとえば震災の被害が大きかった横浜市では、普通向き
日本の住宅組合は設立場所を見ると、震災を契機として関東地域に集中し
の市街から離れた郊外地に、ニ棟だけの組合員住宅が隣り合って建っている。
はただ中産階級の住宅供給に名を借りた、量としての住宅確保とそれに見合
した庶民住宅である。
当時、同じ組織の組合員は同じ居住地に住むことが敬遠された。これは政府
った適度な住宅である。このとき政府が向き合った現実が、今も日本の郊外
j
が住宅組合の一括倒産を恐れたためであり、職場単位で組織されることが奨
日本大学生設工学部建築工学科教授。
神奈川大学工学部建築学科卒業。一九七八年、
日本大学大学校博士前期課程修了。近代建築
史専攻。工学博士。主な著書に、﹃近代日本の
郊外住宅地﹄(共一総務)、﹃図説・近代日本住宅
史¥﹁住宅級合法が戦前郊外住宅・佼宅地形
成に及ぼした影響に関する研究﹂(文部省科学
研究費報告書、二O O二年)などがある。
藤谷陽悦/ふじゃ・ょうえつ
住宅地に残像として、尾を引きずっているのではないかと思う。
O名以上で組合が組織された場合でも、隣り合って住むことは稀であった。
一
日本の低利資金財政に対する不安がもたらした特殊性であるといってよい。
まとめ
ちなみに当時の残された史料を読むと、世界恐慌を反映した財政不況、関
東大震災による被害がいかに深刻であったかが窺える。たとえば昭和二年頃
から、各主要都市では住宅組合の倒産および財政難によって、組合員への救
探田五郎﹃住宅問題及ぴ住宅政策﹄一九一九年三月。
﹁都市の住宅政策綱領﹂(﹃都市公論﹄第二巻第九号所収)、大正八年九月。
1 ﹁建築組合に就いて﹂(﹃都市公論い第二巻第七号所収)、大正八年八月。
3 2
済の嘆願書・建議書が相次いでいる。その内務は、組合の償還年限延長、利
子の引き下げ、家屋税の免除、資金償還の免除、組合員同士による連帯保証
の解除、に関するものがほとんどである。住宅組合法が施行された大正期は
︿
註
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励された。そのため組合員は各々任意で自分の居住地を見つけねばならず、
昨
横須焚市に現存する住宅総合の住宅
特集⑧住宅組合││公私の中陣
最初にイギリスにおけるハウジング・コ iオペラティ
ヴについて簡単に見ておこう。
ロパ lト・オl エンが実践したニュ!・ラナi クの共
開体にならって、一八四0年代の中ごろにロッチデi ル
の織布工二八人が始めた著名な消費協同組合同州onyE-o
コiオペラティヴの起源である。ただ、その組織形態や
p百円片山σぽ 出050門印印。三o
q が、現代のハウジング・
の相互扶助を進める協同組合的な組織として、すなわち官と民のはざまに広
両者の活動分野と目的には明らかに大きな隔たりがあるが、両者とも会員閣
の利益に基づいて協同で購入・管理・改造することを目的としてきた?。
ハウジング・コ iオペラティヴは、どちらかといえば賃貸集会住宅を入居者
BRzaozg を相互扶助的に組織してきたのに対して、
四つを示している。また組織原則別に関しても、会員すべ
かながら存在している。表liにはそのような巨大組織
数百から千人を超える会員を擁する大規模な組織もわず
は数十人の会員しかいない弱小組織であるのに対して、
ジング・コ iオペラティヴが活動中だが、そのほとんど
を描くことは難しい。現在では少なくとも一三O のハウ
規模を具体的にみると非常に多様で、統一的なイメi ジ
がる公共性の領域で活動してきた団体としての共通性も認められる。さらに
てが入賠者であることを求める(逆にすべての入居者は
入資金の抵当融資
近年のイギリスでは、公営住宅政策からの転換が進むなか、賃貸住宅を非営
会員でなければならない)厳格な栢互扶助原理を維持す
イギリス住宅組合が、持ち家居住を広めることを目的として個人向け住宅購
グ・コ iオ ペ ラ テ ィ ヴ 同05吉ぬの。・0宮門丘町ゆと呼ばれている組織である。
特 集 の テl マ で あ る ﹁ 住 宅 組 合 ﹂ に 匹 敵 す る の は 、 イ ギ リ ス で は ハ ウ ジ ン
イ ギ リ ス の 住 宅 組 合 図EE山口問∞o
nぽ与はここでいう﹁住宅組合﹂ではない。
所有等の主体となる仕組みである﹂(本号特集のための企画書)とするならば、
ぺ住宅組合とは、居住者自らが組合を結成し、住宅の供給、計画、運営、
ハウジング・コ1オペラティヴ
込
持
るものから、ある程度の利益を目的の一っとする株式会
出典:http://www.sussex.ac.
uk/Users/iane/coops/
coopsdirectory.html より作成。
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利の原則で供給する住宅協会出。5 山口問﹀g
o丸山片山。ロ;に政策の力点が置か
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れるようになり、一般の住宅協会やハウジング・コ lオ ペ ラ テ ィ ヴ と 住 宅 組
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社として登録しているものまで多様である。表ーーに示
会社登記の有無
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合との間に新たな接点も生まれつつある。これらの点に注目した上で、両者
した上位二組合は株式会社として登録している。
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を共通の視点で眺めることには意味があるだろう。
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祭- 1 大規模なハウジング・コーオペラティヴ
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が多い;。つまり、持ち家居住には手が届かないが、公営住宅や民間借家
ヴは建物だけを所有し、土地は地方自治体から比較的安い地代で賃借する例
が非常に発達している盟と違って、イギリスのハウジング・コ i オペラテイ
い期間を要するほかに、すべての会員が設立から解散まで拘束されて途中で
くかかる計算だった:。このように全員が融資を受けるまでにきわめて長
それでも全員が融資を受けるまでには、すべてが脳順調に進行しても一五年近
から、融資件数が増えるとともにファンドの蓄積もスピードアップするが、
員に融資する。融資を受けた会員は積み立て金と同額を返済金として支払う
には飽き足りない人ぴとが、協同の力と官(日地方自治体)の援助を組み合
入退会できないなど、会員だけにサービスを限定して運営されることに伴う
ヨーロッパ大陸や北米(特にカナダ)などハウジング・コ iオペラティヴ
わせて目的を達成しようとしているのである。まさしく官だけでもなく民だ
σ巳EEm
窮屈な決まりも多かった。
この点を改良するために登場したのが継続組合℃耳目言。尽
on-2可 で 、 一 九 世 紀 半 ば に は す で に こ の 種 の 組 合 が 出 現 し て い る 。 簡 単 に
印
けでもない、そのはざまに広がる公共性の領域で住宅の供給・計画を行なう
という特色が、イギリスのハウジング・コ iオペラティヴには顕著に現れて
いる。
いえば、継続組合は融資を受ける会員からの出資だけでなく会員以外からの
資金(預金)も受け入れることによって、会員が融資を受ける時期を基本的
期、産業革命の進行によって農村の領主支配・保護の体系が崩れ、食糧生産
ラティヴより古く、一八世紀後半のパ l ミ ン ガ ム に ま で さ か の ぼ る 。 こ の 時
に、住宅購入資金の融資を行なってきた。その起源はハウジング・コ i オペ
これに対して、イギリスの住宅組合は個人による住宅取得を促進するため
最も狭義の相互扶助原則からの逸脱を意味したが、しかし活動の基礎には会
の当座組合につきものの限界と不確実性を乗り越えたのである。その過程は
いずれについても会員の外へと活動領域を広げたわけで、それによって初期
対象を拡大しなければならなかった。つまり、ファンドの蓄積と融資対象の
からの資金(預金)に対して支払う利息を穣ぐために、会員向け以外に融資
(入会←拠出←融資←返済←退会)から独立させた。また継続組合は会員外
イギリス住宅組合il簡単な歴史
から切り離されて都市へさまよい出た工場労働者たちは、自分の身を自分た
に自由化し、それによって組織としての組合の活動を会員としてのサイクル
ちで守る必要に迫られた。そのために仲間同士が協同して少額の資金を定期
員同士の緩やかな協同と相互扶助が存在し続けたことは間違いない。
イギリスではごく最近まで偶人向けに融資を行なう銀行はほとんどなく、
的に積み立て、病気や事故、失業、老齢、死亡などの不時の出費に備える組
82可
織が統々と設立されたのである。後の労働組合へとつながる友愛組合甲山
需要は非常に少なかったことも事実である。まして雇用の変動がはなはだし
一般の人ぴとにとって住宅組合は抵当融資のための事実上唯一の機関であっ
いヴィクトリア時代の労働者の多くにとって、住宅購入に大金を投ずること
ωonぽ ぞ は そ の 代 表 格 で あ り 、 各 種 の 給 付 制 度 を 総 合 的 に 備 え て い た が 、 住
初期の住宅組合の基本的な仕組みは識と似ている。会員が毎週積み立てた
はまったく魅力的な選択肢ではなかった。また住宅組合への拠出金の額は他
た。ただし第二次大戦終了後まで、自己の所有する住宅に居住すること(持
ファンドが一定額に達すると、議引きなどで融資の権利を得た会員に融資
の協関組合(埋葬組合、積立組合、貯蓄銀行など)と比較するとはるかに高
宅組合は会員の積み立てたファンドから住宅購入資金を融資すること(購入
し、それを繰り返して全会員が融資を受けると解散した。これを当康組合
水準であり、下層の労働者には重い負担となったと思われる。にもかかわら
ち家居住)自体が極めて限られており、住宅購入資金の融資に対する佃人の
ぽ円日宮巳E
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q と呼ぶ。会員二O名 か ら 成 る モ デ ル ・ ケl ス
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した住宅を担保とする抵当融資)だけに特化していた。
で 見 て み る と 、 一 人 当 た り 毎 年 六 ポ ン ド : を 積 み 立 て 、 一 二0ポ ン ド を 会
を兼ねた毎週のパブでの集会、そこでの飲酒など、当時の労働者階級のサブ
調され、実際に友愛組合などと関様の独特の入会の儀式や、拠出金の支払い
ず、住宅組合は貧しい労働者階級による相互扶助の協同組合であることが強
て踏みとどまっているように見山
方で地方的な小組合もかろうじ山
でに寡占化が進んでいるが、他的
半分以上を占める(表
流行になった。もっとも話題を
呼んだのは、二O世 紀 は じ め 以 恥 問
九九七年にロンドン証券取引所 2 1
に株式を上場して協同組合のス世記註
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カルチャーが住宅組合には色濃く付きまとっていた。さらにヴィクトリア時
であることを積極的に評価し品
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える。また、相互扶助の協同組岬
合が労働者階級に属する人びとを対象にしたのは、持ち家居住が急速に増え
始めた第二次世界大戦後のことである。
今日の住宅組合
て二位以下の組合の数倍の規模例糊加
を誇っていた﹁ハリファックス腕円引
来イギリス最大の住宅組合としト時
総資産を抱え、住宅組合に貯蓄口鹿を持つ成人の会員数は約一五O O万人に
住宅組合﹂の株式会社化で、一級向後
受 け て 住 宅 を 鯖 入 し た と さ れ て い る ; 。 一 九 八0年 代 の 金 融 ビ ッ グ パ ン 以
来、銀行と住宅組合との垣根が低くなり、それぞれの業務が大幅に相互乗り
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頭金口座の開設、クレジットカードの発行、現金自動支払機の設置、住宅融
宅組合も共存している状況は、相互扶助の協同組合としてのステータスを住
数万人の会員を擁し、規模の利益を発揮して有利な条件の融資を提供する
おり、会員数の何倍もの人ぴとが住宅組合と何らかのかかわりをもっている
を示している。
宅組合にとって必須の条件と評価する見方がまだある程度存在していること
近くの継続組合が存在しており、加えて一九世紀後半から二O世紀初頭にか
官と民のはざま││住宅管理における公共性
千の当座組合が設立されたが、その後は統廃合の繰り返しで減少の一途をた
どっている。今では全国的に支底網を展開する上位四組合の資産額が全体の
イギリス住宅組合は住宅購入資金の傭人向け融資を一貫して主要な業務と
けて特殊な当座組合設立の一大ブ!ムが起って、既存の継続組合とは別に約
住宅組合の数はこの百年あまりの間に大幅に減少した。一九世紀末には千
に違いない。
ている。そのために、今日の住宅組合はイギリス人の生活に深く入り込んで
化への動きは止まっているように見える。
テiタスを魔止し、その後パンク・オブ・スコットランドと合併したために
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代のイギリスでは、労働者に住宅を所有させることによって市長としての健
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ない傾向も金融ビッグパン以降北
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ズレた姿で描かれ、過剰に評価されたこともあったのである。実際に住宅組
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資以外の一般の融資(無組保ロ i ン)、各種保険や不動産の仲介なども行なっ
入れしたために、現在の住宅組合は、本業である住宅抵当融資以外に、普通
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全な自覚を高めることが社会の安定に不可欠であるというイデオロギーが声
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には表面化し、株式会社への転川か
換色。自己苫色町民吉ロが一つのい山肌
(億ポンド)
住宅組合名
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WestBromwich
サイト
資産額
本括在地
のぼり、これまでにおよそこ五O万人が住宅組合から住宅購入資金の融資を
ニO O四年現在、住宅組合は総数六三組合で、およそ二四O O信ポンドの
上位 1
0位までの住宅組合
九世紀後半の融資先リストにはすでに他の住宅組合や民間借家の所有者、建
してきたが、伺時にその融資先を徐々に拡大してきたことは先に述べた。
うな政策転換を支えた要素の一つとして評価する視点が必要であろう。
って官と民のはざまにある公共性の領域で活動を続けた住宅組合を、このよ
築業者などが挙げられていたが、今日では一般の住宅協会やハウジング・コ
ことはできないが、たとえば﹁ノi ス・カムデン・ハウジング・コ iオペラ
lオ ペ ラ テ ィ ヴ へ の 融 資 も 活 発 に 行 な わ れ て い る 。 今 こ の 点 を 包 括 的 に 示 す
ティヴ﹂は住宅組合から融資を受けていることを自らのサイトで明言してい
る : 。 つ ま り 、 住 宅 組 合 と ハ ウ ジ ン グ ・ コ l オペラティヴという一一つの匝
その目的の違いを超えて実際の活動分野においては互いに交錯しつつ
烏浩二/しま・こうじ
阪潟大学流通学部教授。
一九七一年、信州大学人文学部経済学科卒業。
七九年、京都大学大学院経済学研究科修了。
同年、阪南大学掘削学部助教授、八六年、レス
タ!大学(イギワス)社会経済史学科在外研
究員などを経て、八九年より現職。イギリス
住宅政策史、住宅組合の歴史、オクティピア・
ヒルの住宅改良運動などを研究テi ?とする。
主な著書に、﹃住宅総合の史的研究﹄(法律文
化社)などがある。
ながら、他のヨーロッパ諸国のようにそのはざまにある公共的な領域で活躍
けではない。イギリス(特にイングランド)では一一戸建てへのこだわりが強いために集合
︿
註 V
1 ただしハウジング・コ iオ ペ ラ テ ィ ヴ 一 般 は 必 ず し も 低 所 得 者 向 け に 特 化 し て い る わ
ク ト リ ア 時 代 に は 市 場 万 能 主 義 か ら 、 宮 (H国 、 地 方 政 府 ) に よ る 住 宅 市 場
へのいかなる介入も民間資本の意欲を減退させると峻拒された。しかし一九
世紀末にはスラムや過密住宅が社会問題としてセンセーショナルに取り上げ
られ、住宅問題を解決できなかった民間への不信が膨れ上がった結果、官
(国の資金提供、地方政府の計画、建設)による住宅供給が唐突に前面に押
し出された。慈善的な非営利団体や慈善と営利とを組み合わせた株式会社、
あるいは富裕な資産家が設立したトラスト、さらにはオクテイヴィア・ヒル
のような女性によるユニークな住宅改良運動など、今日の住宅協会につなが
る団体が多数活動していたにもかかわらず、それらには住宅問題を解決する
約には一九世紀半ばごろに誕生した各稜トラストや慈善団体、慈善と営利を結合した株
2 住宅協会は、安価な賃貸住宅を供給・管理することを目的とする非営利の団体で、路史
式会社など雑多な団体にその起源を滋ることができる。ハウジング・コ!オペラティヴ
も非常利の賃貸住宅の供給という点で住宅協会の範鳴に含まれる。登録された公的な家
主河晶一回丘町吋邑∞。巳即日戸田口色oamと呼ばれることもある。
4 これは遜あたり二シリング六ペンス(月一 0 シリング)にあたる。埋葬級会などの積立
3 Z G込者巾σ-Z4w-円山 σ口一円印 5m巾Rnz yoc印山口問 go内在出-zg}
金は月あたり一ペニー程度だったから、住宅組合の積立がいかに高いかがわかる。なお、
友愛組合の場合には、給付の種類によって積立はさまざまで一概には言えないが、住宅組
5 役員がファンドを持ち逃げするなどの不祥事は別として、積立や返済の滞納は決して
の史的研究﹄(法律文化社、一九九八年)による。
合と同水準のものもあった。住宅組合の燦史に関する詳織は、主として烏浩一二住宅組合
しかし、そもそも住宅は個人の生活の容器であると伺時に、地域社会の性
℃ロぴロロ 20})区民 O円以、.}品目日を参照のこと。
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7 出血一一内向同出口円凶切出口}向。同ωno民間口仏立nの略。民∞Oω℃]円のサイトEGLd︿唱者・
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σ08r・no日Fgcpσs 呂田円。ミ出即日間同・白与を参照のこと。
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向。ロ包ロ聞の010司句由民︿巾のサイト ZG・と司君宅・2nyno﹃間・己内
6 住 宅 組 合 協 会 の サ イ ト ZGL当者宅・σ8・0G-ロr を参照のこと。
珍しいことではなかった。またそのほかにも、住宅組合の円滑な運営を妨げる要因は数多
かった。
の末に、住宅協会が住宅政策の柱に据えられるようになったが、長年にわた
を発展させる上で必要である。現在のイギリスでは公営住宅政策からの転換
居住者を中心とした公共的な管理システムを確立することが、豊かな住環境
財である。したがってその供給者が官であるか民であるかにかかわりなく、
格や景観を規定する重要な要素であり、社会資本としての性格をあわせもつ
能力も実績もないと断罪されたのである。
住宅に対する評倒は相対的に低いが、高い地価対策やセキュリティ函から、一戸建住宅より
も集合住宅への選好が強い北米やヨーロッパの大都市では、富裕な階層によるハウジン
グ・コ l オペラティヴも稀ではない。
する住宅供給・管理の団体に注目する視点が欠けていたことに気づく。ヴィ
イギリスの住宅政策の歴史をフォローしてみると、官と民の両極端を揺れ
あ体
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ω 問。)を参考として
組合員に支給したことが最初の事例とされ、その後は公営住宅に代表される
公共住宅施策の充実とともに表退したものの、近年は再評価されているよう
けられなかった。そこで労働者たちが出資して住宅組合を結成し、その住宅
も金利が高かったことから、住宅取得に関して労働者は満足な金融支援を受
件が社会問題となっていた。当時の金融は企業向けを中心としており、しか
スでは産業革命を経て都市に多数流入した労働者の劣悪な生活環境や労働条
イギリスで発祥した σEE山
口
問
的 O巳04 が 原 型 と さ れ る ? 。 折 し も 、 イ ギ リ
して住宅需要者が急増した大正期(一九ニ一年)にイギリスに倣い住宅組合
を抱えてその多くが破綻に至一っている。一方、わが園でも都市に人口が流入
形態が徒となり、一九八O年台初頭に金利上昇にともなう預金流失のリスク
の後、隆盛を誇っていた。しかしながら、短期で調達し長期で運用する事業
て一九世紀初頭にS&LGω 三口問吉弘円。山口﹀∞
g
a
m淳一。ロ)がつくられ、そ
ていく。アメリカでは長期の住宅貸付を可能にするための貯蓄貸付組合とし
イギリスの住宅組合に触発されてアメリカとわが留でも住宅金融が萌芽し
である。
組合が取得した住宅の支給を受ける、あるいは住宅組合から住宅取得資金の
法が制定された。この系議は戦後(一九五O年)に発足し、長期、国定、低
特化した互助組織として発展していった。これに対して、住宅組合の労働者
住宅金融はイギリスの住宅組合
利を基調とする住宅金融公庫へと受け継がれていった。よって、日米両国の
巳EEmg巳 広 三 を 源 流 と し て 発 展 し て
に対する住宅支給は、生活物品の共同購買を目的として、マンチェスタ!の
σ
(
きたのである。
710を源
ZSEmgo2
℃E
ブ方式にも若干触れる)。筆者は大学院時分からアメリカのコウオブに関心
一方で、本稿の対象とするのは、イギリスの
σ巳EEm判
(
ロOD58己
門
印
。
)
的on円。々は、組合から組合員に対してノンリコ i ス
での貸付を行なう抵当融資 (
E2Z品。)を予法として、現在に至るまでイ
を抱きつつ、わが盟のコ i。ホラティブ方式については実務、研究の両面から
流 と し て 発 展 し た 、 ア メ リ カ の コ ウ オ ブ ; で あ る ( わ が 国 の コ lポラティ
vog一括
関わり、その伸長に寄与してきたと自負する者である。アメリカのコウオプ
80℃句見守めは
ギリスにおける主要な住宅金融の地位を占めている。後者の
一八六一年にロッチデi ル生活協関組合が所有する住宅を
購入するための町。5 吉mgo宮辺氏︿ぬとして継承されていった。前者の
ロッチデi ルで一八四四年に勃興した生活協同組合から派生し、住宅を共関
あだ
(凶包}包括ω。丘主命的﹀立)もあって、卒業を貯蓄と融資を前提とする金融に
貸付を受けたのである。一九段紀になると住宅組合は特別法の制定
住宅組合の鹿史は住宅金融の発展とともにある。住宅組合は八世紀末に
る匂)
(OOEO
℃)におけるモ lゲ!ジ(ヨ
呂志)の発展
金融が鍵を握る住宅組合 (Z552803
iliアメリカのコウオプ
隆
人
序論一住宅組合とコウオプ
竹
井
て 辛 う じ て 認 知 さ れ る ほ ど の 実 績 し か な く 、 そ の 登 場 も 一 九 七0年 代 と 遅 き
れ に 比 べ れ ば 、 わ が 国 に お け る コ iポ ラ テ ィ ブ 方 式 は 集 合 住 宅 の 一 形 態 と し
は、イギリスに約半世紀遅れるものの、一世紀以上の伝統を誇っている。そ
市を例にとれば、コウオプは依然として根強い人気を誇る居住形態といえる。
ドミニアムが隆盛しているものの、コウオブの発祥地でもあるニューヨーク
宅市場では戸建てが数の上で圧倒的に多く、また都市部の高層住宅ではコン
ティブ方式は、ややもすれば建築工学の如き物理的側面から偏重されてきた
金 融 の 実 務 家 で あ る 。 こ の よ う な 筆 者 の 観 点 か ら す る と 、 わ が 国 の コ iポ ラ
方式の擁護者のなかでは、稀有な文系(とりわけ政治学)の研究者であり;、
ので、ホl ムクラブ
ークに登場したのは後者を代表するも
裕層を対象とするものとの一一つの源流をもっ。一八七六年に初めてニューヨ
と、イギリスのみならず諸外国では見られないアメリカ特有の現象として富
た生活協同組合と同じく相互扶助を目的とした中低所得層を対象とするもの
g吉mnoo宮門出片山︿巾の原型であっ
きらいがあり、それは相対的な歴史の浅さにもともなう制度面での未成熟さ
呼称される高級社交クラブであった。
アメリカのコウオプは、イギリスの g
に由来するように思える。一方で、アメリカのコウオプはその長い歴史のな
すなわち、私的法人に所有される住宅
に 失 し た こ と は 否 め な い 。 筆 者 は 数 多 く い る わ が 留 に お け る コ lポ ラ テ ィ ブ
かで社会的および政治的に受容されてきた背景があって、その権利態様をは
をWASPな ど に 限 定 し て 長 期 リ ー ス
免等の支援を行なった結果、衣服業組
印
吉mhog宮 巳g F己売)で地方税の減
住 宅 会 社 法 ( ピgxEgi号呈出2・
ューヨーク州が一九二七年に有限配当
である労働者を対象としたものは、ニ
905ゅ のEぴ)と
じめとして法規、金融、政策などの諸制度において確聞たるアイデンティテ
することで、排他的かつ同質的社会を
σ氏EZmgn-a可のみならず、
yccm吉mgo Y
ィを有している。本稿では、
ぬ可知片山︿ゆについても、アメリカのコウオプの成熟(反対にわが国のコ l ポ ラ
形成したのであった;。中低所得層
。)
円
ティブ方式の未成熟)を例にとれば、住宅金融の発達(未達)と密接に関わ
ることを論じていくこととしたい。
sars
ー 所 有 権 的 リl
スQ S宮内向。
アメリカのコウオプは、そのほとんどが高層型の多世帯住宅であり、
合(宮司58門 口 三 Oロ ) に よ る 事 例 を
ーヨ l ク 、 シ カ ゴ な ど の 特 定 の 大 都 市 に 集 中 す る 。 ア メ リ カ 全 土 で コ ウ オ プ
は 戸 数 に し て 約 七O万 存 在 す る が 、 数 で は コ ウ オ ブ よ り も 一 世 紀 近 く 遅 れ て
稿矢として多く成立するようになって
の分譲マンションと同様に各居住者に
代に登場するコンドミニアムがわが国
成 は ほ ぼ 完 成 す る 。 そ れ は 一 九 六0年
た一九二0年 代 に 、 コ ウ オ プ の 法 的 構
なるそれぞれのタイプが普及していっ
以上のように二つの異なる源流から
いった。
こうし
興隆するコンドミニアムの方が圧倒的に多く、その一戸数は約六O O万 に 達 す
る。しかしながらニューヨークに限ればその立場は完全に逆転する。すなわ
ち 、 ア メ リ カ 全 土 の コ ウ オ プ の 過 半 と な る 約 四O万はニュ i ヨl ク州に存在
するが、その数は同州に存在するコンドミニアムの約倍に相当し、とりわけ
ニューヨーク市に限ってみれば、その差はさらに際立ったものとなる。すな
わちニューヨーク市には所有型住宅が全部で約一 O O万 の 戸 数 が あ る の に 対
ア ム の 戸 数 の 四 倍 を 上 回 る の で あ る ( 表ii参照)。このようにアメリカの住
して、その一二O %に相当する約一二O万 を コ ウ オ プ が 占 め 、 そ れ は コ ン ド ミ ニ
1 ニューヨーク市の住宅の権利態様
表
ニ
L
広司)となることで、建物内の住宅の賃情人
O
株式価格とは別に、コウオプの居住者は、コウオプ法人に対して毎月の負担
ニアムにおける販売価格と比べた場合に、低廉に映りやすい。しかしながら、
スに対する)販売価格となる。この販売価格は、物理的に関程度のコンドミ
出資がなされるのであり、 その出資金(株価)がコウオプの(所有権的リー
(古口山口付)として居住する権利を保証されるのである。このコウオブの入居
金を納めなくてはならず、その額はコンドミニアムの居住者が納める毎月の
コウオプ法人の株主(印宮島町
者が得る資格はハイブリッドであり、コウオプ法人に対する株主と、賃借入
負担金より高くなるため、この負担金を合めた総支払額ではそれほど差がな
より区分所有されるのとは異なり、建物全体がコウオプ法人 (
2
0宮EZ2
8G。自民 Oロ)によって所有されるのが原別である。そして、居住者はその
との双方の法的地位である。この微妙な位置づけを表すものとして、建物内
くなる。この等個性はコウオブに対する融資と関係がある。
コウオプ法人に対する居住者の出資金がエクイティであり、その残りはデ
の特定の住宅を居住者が利用する権利として呼称されるのが、所有権的リl
sg胃芯gミ]
g
mぬ)なのである。
ットとなる。すなわちコウオプ法人は金融機関から調達をせねばならない。
であり、コウオプ法人がその債務者となるため、そ
このコウオプ法人に対する金融機関による貸付がブランケット・モ l ゲl ジ
(ZSW252高ω
m
o
)
の返済はその株主である居住者による出資金(株式価格)に相応する金員を、
あお
の後、住宅金融の発展とともに再ぴ興隆に向かっていく。そのきっかけとな
金がコンドミニアムと比べて高額となり、販売価格を含めた総負担額では、
各居住者がコウオプ法人に負担金に合めて納めることとなる。よって、岳民担
(
E
U内借仏R 氏。ロ)が
を有する戸建て住宅の居住者に限られており、所有権的リi スを有するのみ
るが、その適用は(一九六0年代にコンドミニアムが現れるまでは)所有権
ヴを付与するため、わが掴よりはるかに手厚い住宅ロ!ン利子所得控除があ
にはその利潤を独占できる。よって、居住者が出資するエクイティにどれだ
出資者にとっては投資リスクが大きいものの、資産価健が将来上昇した場合
円
包
o
m百九 OS4
5 5 O) に よ り 、 借 入 れ ( デ ッ ト ) に よ ら な い 出 資 ( エ ク イ
山
片
テイ)の範囲は変動する。エクイティは資産としてはデットに劣後するため、
コ ウ オ プ 法 人 の ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モ i ゲi ジ に よ る 借 入 比 率 (LTV 一
あまりコンドミニアムとは差異が見られなくなるのである。
のコウオプの居住者には恩恵が無かったことが改善されたのである。そして、
けのウェイトを置くかがコウオプの性格付けの鍵を握る。
LTVを高くすれば販売価格を低く抑えられるものの、投資メリットは少
しない場合もある。こうしたLTVを低く設定した場合や、資産価値が著し
5
8吋可20胃E
P
1
0
) にはLTVの比率を抑
なくなるため、高級コウオプ (
えるものが多く、そもそもコウオプ法人がブランケット・モ!ゲ!ジを利用
資は特殊で複雑な仕級みをもつことに注意を要する。その前提となるのは、
こともある。この株傾(販売価格)に対する借入れは、コウオプ法人が借入
く上昇した場合には、株価が高額となり、それに対する借入れが必要になる
主体となるブランケット・モ l ゲl ジと異なり、居住者が借入主体となる。
コウオプが法人であることだ。法人の資産は、株式などの出資からなるエク
ら構成される。このエクイティについては、居住者による株式購入によって
イティ (
2
a
q
) と、ローンや債券などの借入れからなるデット信号円)か
これらの制度改善はコウオプに対する融資を前提とするものだが、その融
支援となっていった。
80℃雪印片山︿ゆ Fogzm胃omg日)がコウオプにも適用されたことが、大きな
第ニ一一一一条により、 F R A (連 邦 住 宅 局 ) に よ る 融 資 保 証 ( 通 称 一
第二次大戦後、連邦では一九五O年住宅法(叫がゆ Z忠宮口出]附向。
g山口問﹀立)
適用されたことである。アメリカでは持ち家取得に対する高いインセンティ
一二六条により、コウオプに住宅ロ i
ι
aン 利 子 所 得 控 除
ったのは、一九回二年にIRC(内閣歳入法一円昇。吋ロ巴M
g︿gBho仏ぬ)第
コウオプは一九二九年の大恐慌の場りを受けて一時は衰微したものの、そ
2 ブランケット@モlゲージ (UE
r25。岡井県認め)
ロ
ス
凶
hd
n
u
そして、 不 動 産 所 有 権 を 対 象 と し た 通 常 の モl ゲl ジは適用できず、動産ロ
ンケット・モ!ゲ!ジの返済に相応する負担分が軽減される)、アパートメ
程 度 と で き る ど こ ろ か 、 住 宅 ロ i ン 利 子 所 得 控 除 の 適 用 も 勘 案 す れ ば (ブラ
ーン(匂常的
子取得控除も適用されないデメリットを抱えるので、あまり利用されない。
ーンは、通常のモi ゲ ! ジ よ り も 非 常 に 高 利 と な り 、 さ ら に 、 住 宅 ロ ! ン 利
ため、その返済後の残余が引き当てとなるのみである。よって、この動産ロ
動産ロ i ン が 担 保 と す る 株 券 は ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モi ゲi ジ の 担 保 に 劣 後 す る
年住宅法第八条による家賃補助制度によって、抵所得者に対してはコウオプ
適用される。第二に、負担金に対する補助がある。たとえば連邦の一九七四
同
E
O
) による低利融資が
向 け 住 宅 へ の BMIR(∞巳 0司
4 冨向W2EZ22 N
ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モi ゲ ! ジ に 対 す る 補 助 で あ る 。 た と え ば 連 邦 の 中 低 所 得 層
より、中低所得層に相応する低廉さ(丘町。邑与口比三が保証される。第一に
このほかLECに 対 し て は 政 策 と し て 別 途 さ ら な る 補 助 が 施 さ れ る こ と に
ントよりも負担を軽くできるのである。
包 ]OmE) が あ る の み で あ る 。 こ の 場 合 、 コ ウ オ プ 法 人 が 借 入
OD
と く に 高 級 コ ウ オ プ で は 、 動 産 ロ l ンを利用せずに販売価格の五O %、 場 合
の負担金を家賃と見なして産接に補助することができる。最後に、資本補助
れ て い る ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モl ゲi ジが建物全体を担保としているのに対して、
によっては一 OO%を キ ャ ッ シ ュ で 用 意 す る こ と を 求 め る 場 合 も 多 い の で あ
還元されるのである。
人が解散する際も合めて、居住者に配当されるのでなく、当初の出資団体に
で行なわれるのが一般的である。資産価値の上昇による利潤は、コウオプ法
(31g-gg広 三 が あ り 、 公 的 団 体 よ り も 民 間 財 団 や 宗 教 法 人 に よ る 出 資
づ
。
。
3 資産制限型コウオプ(戸開。
冒頭に述べたように、アメリカのコウオプには富裕層を対象とするものと
中低所得層を対象とするものと二つの源流がある。前者の流れを汲む高級コ
ヨーク州および同市では有名なミッチェル刊ラマ・プログラム(沼津門 宮
υ
}}E
さらに、カリフォルニア他の諸州でも同様の制度が創設されたが、ニュー
た 居 住 形 態 と し て 富 裕 層 を 惹 き 付 け る た め に 、 ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モl ゲl ジを
ウオブは、前記のように間質性を保持することで、社会的ステイタスを伴っ
得なくとも市場で成立する。これに対して、後者の流れを汲む中低所得層向
帰すものの、販売価格は転売時も含めて低廉さを維持できる。一方で、居住
るため、開発利益や不動産価格高騰による利潤のほとんどがコウオプ法人に
高めるのである。 LTVが 高 ま る と 、 通 常 の コ ウ オ プ よ り 販 売 価 格 が 低 く な
法 人 が 所 有 す る 建 物 全 体 に 対 す る ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モl ゲi ジによるLTVを
あることに注意を要する。すなわち、相対的にデットを多くして、コウオプ
れるが、この d
sxaeoρEqe と は 出 資 金 ( エ ク イ テ イ ) を 抑 え る 趣 旨 で
適用のLECで は 販 売 価 格 は 通 常 数 千 ド ル で 、 負 担 金 も 毎 月 五0 0ド ル 程 度
年 の 平 均 で 約 八O万 ド ル も す る の に 対 し て 、 ミ ッ チ ェ ル 日 ラ マ ・ プ ロ グ ラ ム
こ れ に よ り 、 た と え ば マ ン ハ ッ タ ン で は 高 級 コ ウ オ プ の 販 売 師 格 が こO O四
マ・プログラムにより一九七0年代に七万におよぶ一戸数のLECが成立した。
とを強制したのである。こうして、ニューヨーク市では、ミッチェルHラ
譲 渡 価 格 制 限 、 居 住 者 の 収 入 制 限 、 そ し て 州 住 宅 コ ミ ュ ニ テ ィ 再 生 時 (DH
C R 一口ぞ E C Dえ問。
gぽmm口氏打。ョ自己三与問825}) の監督下に入るこ
を 受 け た コ ウ オ プ に 対 し て は ニ0年間(その後三五年に延長)にわたって、
gB) に よ り 、 中 低 所 得 者 層 の コ ウ オ ブ の 供 給 を 促 す 支 援 措 置
官。m
が取られた。間プログラムでは、低利融資と間定資産税控除を実施し、助成
CBω
者 が コ ウ オ プ 法 人 に 支 払 う モl ゲl ジ 返 済 分 を 合 む 毎 月 の 負 担 金 は 多 く な る
け は 資 産 制 限 型 コ ウ オ プ (LEC 一己ヨス包'開宮山々の OOU03510) と呼称さ
ものの、後述する公的助成によって高騰することが抑えられ居住は安定化す
に抑えられているのだ。
なお、 LECと は エ ク イ テ ィ の 割 合 を 低 く 設 定 す る こ と が 理 論 上 の 本 質 で
る。より極端な場合は d
oHZAロ
SF す な わ ち 販 売 価 格 は 僅 か ば か り で 毎 月
の長担金のみとして、賃貸住宅(アパートメント)における毎月の貴担と向
方が多い。これは、投資メリットを引き出さないと、出資者でもある居住者
に対して、譲渡価格に上限を設定することでの低廉さを維持している事例の
あるものの、実際には高級コウオプに代表される自由な市場価格による譲渡
にする際には見誤ってはならない。
確閣とした制度を土台とした金融的政策の所産であることを、わが国で参考
わが閣における福祉的住宅政策の範となるとも考えられがちだが、 LECは
ったことの影響もあるが、ミッチェル引ラマ・プログラム適用のLECが当
盛しつつあった分譲マンションの住戸設計の画一性に対するアンチテーゼと
g喜男巳71? でしかない。このことは、一九七0年 代 の 発 祥 以 来 、 当 時 隆
わが国におけるコ iポラティブ方式はせいぜい約三O年の歴史しか持たず、
初の販売価格の据置期間経過後は市場価格へ移行するため、二万以上の住戸
のコウオプの場合には、開発主体はあくまでデベロッパーである。一九五0
して建築専門家により主導されてきたことにも原因がある。まず、アメリカ
の需要が満たされないからでもあろうが、このことが現在は問題を派生させ
p
a,。己)が行なわれ、 DHCRの
ま た 、 竣 工 に 至 る ま で の プ ロ セ ス 、 す な わ ち 建 築 閣 を 重 視 す る d巳EZm
に対してデベロツパ i による買い占め
てもいる。ニューヨーク市自体が、 LECの開発から数年前に撤退してしま
監督下に置かれずに低廉さも維持されない事態に臨ってしまった。また、本
新 築 で あ ろ う と コ ン ヴ ァ l ジョン
(
プ法人の設立が可能となった。よって、
ツパ i が擬似的な株主となるコウオσ
巳庄司告882巴 に よ っ て 、 デ ベ ロ
来の対象よりも高位の所得階層をもLECに惹き付けることになったために、
居 住 者 層 の 富 裕 化 リ ジ エ ン ト リ フ ィ ケi ション (mgま片付EZ己が起こり、
年代に設けられた建設者支援制度
居住者組織によるキャピタルゲインを求める圧力が高くなっている事象も多
ツパ i が取得した建物についてコウオプ法人による所有とすることで、いっ
層の居住を自的とするLECの使命を放棄するといわれている。現在、マン
今後も約一 O年の関にニューヨーク市にあるLECの相当数が、中低所得
商業主義が否定される。しかし、分譲マンションの基調をなす区分所有制と
設事業あるいは入居者による自由設計に力点が置かれ、デベロッパーによる
に比べれば、わが国のコ iポラティブ方式では、建設組合による自主的な建
たんコウオプが成立し、その株式を各居住者に分譲していくのである。これ
(
g口語EZロ):であろうとも、デベロ
いのである。
ハッタンでは賃貸住宅(アパートメント)の高額化が進行しており、住宅に
このようにコ!ポラティブ方式が建物竣工後には分譲マンションと同様に
ではなく、単なるコンドミニアムとして整理されるのみであろう。
有され権利形態に差異がなくなるため、アメリカの概念からすればコウオプ
ち、事業主体は建設経合となるが、竣工後は分譲マンションと同様に一区分所
いう法的構成は否定されずに、むしろその亜流として存立してきた。すなわ
おけるLECのようなアフォ iダピリティの創出が課題ともなっている。そ
こで、現状に危機感をもっニューヨーク市長のブル l ムパ i グは政策として、
O O四年にアフォiダブル・コウオプの再活性化を打ち出している。具体
一
一
的 に は 一 億 ド ル を 拠 出 し て 、 民 間 の ∞ω口付。同﹀52片 山 と 市 住 宅 開 発 公 社
(HDC) の協力により強力な金融支援を講じて、六万戸におよぶLECの
新規供給を目標に掲げているのだ。
区分所有されてしまう実態は、わが閣の住宅金融における従来の慣行から外
前)の資金需要に対しても上述の個人向け融資を前倒しすることで対応して
ことでの個人向け融資が可能だからだ。そして、建設期間中(区分所有以
れたものではなかった。すなわち、各個人の霞分所有権に抵当権を設定する
以上より、アメリカのコウオプは一世紀以上に及ぶ歴史的潮流の中で、金
結語一わが国の住宅金融への示唆
yocmEmgoM)号先日︿ぬはアメリ
カ社会に深く根ざしたものとなっていることをおわかりいただけたと思う。
組みを構成することはなかったのであった:。
きたのであり、建設組合に対する団体向け融資といった新たな住宅金融の枠
融を含む諸制度を発展させてきたのであり、
とくに、 LECのような中低所得層向け住宅は、表層部のみに着目すれば、
こ れ に 対 し て ア メ リ カ の コ ウ オ プ は 、 わ が 国 と ほ ぼ 同 時 期 の 一 九 六0年 代
初期に区分所有法制(コンドミニアム)が発祥するよりもはるかに古くから、
集合住宅における共同所有を可能とする手法として確立したのである。この
︿
註v
l 住宅組合のほか、建築組合、住宅金融組合、などの訳語が当てられ統一していない。
般的であるが、アメリカ式発音にしたがえば、﹁コウオペラティヴ﹂﹁コウオプ﹂とした方
28ccR丘一︿刊は、わが国で﹁コ lポラティブ﹂﹁コ lプ﹂と表記、呼称されることが一
がより適している。ことにわが国でよく用いられる﹁コ lプ﹂という呼称は円。弓・(法人)
と混向のおそれがある。よって本文ではアメリカの事例を﹁コウオプ﹂と表記し、それ
ことは、アメリカで法人制度が卒くから発達し、団体向け融資による金融手
法も充実していたことと無縁ではない。近時はわが国の住宅金融においても、
)0
コウオプの相当数はコンヴァl ジョンであり、ここ数年に限ってみても新規建設を大
らは、すべての株主が居住権を有するコウオプが確立された。
であったため、株、主には居住者でない者も多く含まれていた。その後、一九二0年代か
4 株式会社に保有される建物について、その一部の株、去が長期リースする形態が始まり
新たなコミュニティ・ガパナンスのかたち﹄(世界思想社、二OO五年
の考察については以下の拙箸をぜひ参照されたい。竹井隆人﹃集合住宅デモクラシー
コウオプ(コ iポラティブ方式)に関する研究も含め、集合住宅の政治学的視点から
ある﹁コ lポラティブ﹂という表記で統一した。
との相対的な特異性を際だたせる目的もあって、わが国のものは既に一般化した呼称で
3
証券化や自由化といった要請の高まりとともに、欧米流のストラクチャー
ド ・ フ ァ イ ナ ン ス に 対 す る 理 解 が 深 ま っ て い る 。 そ の 貸 付 が 対 象 と す るS P
Cと 同 様 に 、 コ ウ オ プ 法 人 は ペ ー パ ー ・ カ ン パ ニ ー で あ り 、 こ れ に 対 す る プ
ロジェクト・ファイナンスのリスクは相当に高い。こうした貸付の要諦は金
融機関側がりスクを宣うことにあり、わが国の住宅金融が個人向け融資の枠
組みからなかなか脱却できずに、いまだに債務者の無限責任と人的担保主義
に依拠するのと明らかな相違を生んでいる。すなわちアメリカの住宅金融、
きく凌駕する。なお、わが国でコンヴァi ジョンというと物理的改装に重きが置かれて
5
いるが、本場のアメリカのコンヴア│ジョンは法的な権利態様の転換が本来の意味する
こ と に コ ウ オ ブ に 対 す る ブ ラ ン ケ ッ ト ・ モi ゲl ジは、コウオブ法人がもっ
唯一の資産であるエクイティと、その不動産担保のみを引当てとするノンリ
ところである。
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-JECBg]冨山口町民泊。巾円白]仏当・ω出
想社、ニOO五年。
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国Oロ由一口開市 0ロミ
・竹井隆人﹃集合住宅デモクラシーー新たなコミュニティ・ガパナンスのかたち﹄世界思
いて﹂﹃マンション学﹄第一七号、ニOO三年。
-竹井隆人﹁米国のコウオプ(noeO切)における所有権的リース(ug買お広円三gm巾)につ
w
円
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巾σ同門巾一切出口口町再三回目 ︿O}・印uHS品 日﹀同ζssc
い民連号、'同意enqロマミ円守83 U培、ロミ.忌詰民向島、ロミ注目町民己史的な旬、
出HHHP同旦(U-同ω5HgBEMJpm勾己目向ロ¥
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-Z司君 J
-﹀百四円円円山口出CC印山口問ωロ円︿ミ!(︼山匂︺
︿参考文献
工後の個別住一戸を念顕においた他人融資の色彩が強い。
6 住宅金融公庫におけるコ lポラティブ方式を対象とした偶人共同建設資金融資も、竣
コi ス・ロ i ン を 前 提 と す る 。 こ う し た 金 融 手 法 は 古 よ り 長 期 リ ス ク を 念 頭
におきつつ、 その回避手段を培ってきたからこそ為せる業なのである。
竹井除人/たけい・たかひと
住宅金融公庫首都国間交底誠査役。放送大学教
養学部非常勤講師。
一九九一年、学習院大学法学部政治学科卒業。
九六年、東京大学大学院法学政治学研究科政
治専攻修了(法学修士)。学習院大学法学部非
常勤講側などを経て現職。専門は政治学(集
合住宅を基点とした法律、社会、政治)。
地官舎に、﹃集合住宅デモクラシー新たなコミ
ュニティ・ガパナンスのかたち﹄(世界思想
お)、﹁スケルトン定備の理論と実践完全解
説つくば方式﹄(共者、川予古田出版社)、訳書に、
E ・ 7ソケンジ l ﹃プライベートピア集合
伎宅による私約政府の誕生三共訳、世界芯恕
社
)
、 E ・ブレークリl、M ・スナイダl 吋ゲ
iテソド・コミュニティー米留の要塞都市﹄
(集文社)、などがある。
私のすまいろん
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h
w
e
窃
A溜
日+1?のずまい
ーーその中で生きるように与えられるうつわとして
享子
ぃ。もちろん、これは私の記櫨というよりは、あ
つぎの家の記憶は、天井だ。一二歳ごろ、私はご
とで聞かされた話が記櫨をつくったものだけれど。
近所からもらったおはぎが原因で、赤痢になった
のだそうだ。ふだんは使わない二階の広い座敷に、
長い閤ひとりで寝ていた記櫨がある。その間ずっ
と天井板の木目を眺めていたのだろう。寝て見る
天井はずいぶん高かったように思う。
そのつぎに住んだ家については、家の中の記憶
がほとんどない。ただ、家の前に幅八0 センチく
らいの溝があり、危ないから気をつけるようにと
しょっちゅう言われていた憶えがある。
幼稚聞に行く前あたりから、小学校三年の一学
地から、間取り、近所の様子まで、かなりよく思
期まで住んでいたつぎの家については、ところ番
党えはないのに、ずいぶん数多くの﹁住まい﹂を
い出せる。イメージとしてはっきり残っているの
欄のそばの縁側で、夢中になって本を読んでいて、
は、ガラス戸つきの小ぶりの本概と、夕方その本
体験していたわけだ。
11m 一お化けの正体見たり
暗くなっている、そのときの感じ。
気がつくと、もう活字も見えないほど、あたりが
顔である。そして﹁みっともない、みっともないゅ
角度を変えたりして、部興幻灯を映してくれた、
クで顔を描き、それを近づけたり、遠ざけたり、
私は神戸生まれで、大学卒業まで神戸にいた。
うちゃったけど、そんなことないわして(みっとも
玄関の二畳間の白い壁も記憶にある。
れならなぜ引き受けたのか、ということになるが、
んだことのある家を思い出してみることにした。
ないといっていたけれど、そんなことないじゃな
留守番が好きだった子どもで、ひとりになると、
人は、ときどきこういう説明のつかないことをし
そうしたら、記憶にある最初の家から、現在の住
いのごという桂母の和歌山弁が開こえる。長女
よく二階に上がった。階段を登ると、とつつきは
また、父が二つの懐中電灯に赤インクと青イン
まいまで、全部で十一か所になることがわかった。
である姉が、だれもが認めるべつぴんさんだった
姉の勉強部屋になっている四畳半で、おひなさま
生まれた家の記憶は、寝かされていた部屋のほの
これに学生生活を送った日米二つの大学の寮と、
のに、こんどの子は、鼻ぺちゃで、えらいみっと
はここに飾った。北に向かって聞いた窓からは物
明るさと、畳の黄色と縁の呂町、のぞきこむ祖母の
一時居候をしていた叔父の家を加えると、十四か
もない子だという話が親戚中に広まっていたらし
そこで、この機会に、とりあえずこれまでに住
所にもなる。そんなに﹁身の置き所﹂を動かした
てしまうものらしい。
て言うべきほどのことは何もない、と気づく。そ
は、﹁論﹂とまではいかなくても、住まいについ
てしまったのだが、さて、と考えてみると、私に
﹁私のすまいろん﹂という原稿を書く約束をし
松
岡
た。ここで初めて台所が土間でなく板の間になり、
この家は空襲で焼けた。私はそのとき疎開して
してのぞいてみたりもした。
父の本棚があり、時折、読めもしない本を取り出
ここにもガラス戸つきの、こちらはずっと大きい
白いカバーを掛けた応接セットが置いであった。
るのは、門から玄関までの数メートルの道に、私
してもらえたのはうれしかった。印象に残ってい
そのひとつがいわゆる洋間で、ここを勉強部屋に
な造りの家があるうちのひとつで、部屋数は五つ。
あった。戦災を免れた地域で、四軒ほど同じよう
なったときに住んだのは、神戸の西、垂水の地で
戦争が終わり、再ぴ家族一緒に暮らせるように
よかった。ともかく、今考えれば、精神の独立を
りのこの部屋は明るく、広々としていて、気持が
東南に大きく窓が関川ているので、札一つあるき
この間畳半を独占した。関西の畳は大きいのと、
き、姉は結婚してもううちを出ていたので、私は
ら縁側になるところ)と四畳半があった。このと
二階は座敷とそれにつづく広い板の間(一階な
の認識を打ち崩した。
いたので、その恐ろしきを体験せずにすんだ。疎
の大好きなツユクサが植わっていたことと、お風
干し台に出ることができた。南側は六畳の座敷で、
開先は和歌山の祖母のところで、昔旅館をしてい
呂が五右衛門風呂だったことだ。
上がり降りしなくてもよくなった。茶の間に掘り
たこともあったというその家は、入口から奥まで
便所は母屋と離れをつなぐ長い廊下の突き当たり
れないのは、便所でお化けにつかまったことだ。
りを両親と姉から離れて過ごした。ここで忘れら
私はここで三年生から五年生にかけての二年余
呂は別の叔母のところへもらいに行った。
井戸は外で、近所の数軒が共同で使っていた。風
二聞に二景くらいの板の間と台所がついていた。
母屋とつながっている離れに住んだ。離れは六畳
屋には叔父犬婦が住み、祖母と私は、長い廊下で
高い板塀に関われた小路の奥、という立地条件が
今になんとかしてやる﹂と言い残して立ち去った。
いかれては匝ると震え戸で訴える母に、﹁よし、
げ、ちょうど悶円新円切替え時で、全部をもって
た。その上﹁財布を出せ﹂と追ってそれを取り上
トに父の万年筆を収め、腕に父の腕時計をしてい
がつく前に、父のレインコートを者用し、ポケッ
職のない人が多かった。件の強盗氏は、家族が気
とである。敗戦後のもののない時代、復員しても
この家で特記すべき事件は、強盗に入られたこ
生活の本拠をここに移した。場所は、姉の家の近
かった時点で、現在の中野に建設中の家を求め、
だったが、以後東京を離れることはあるまいと分
いた。父の転勤は、会社の事情による緊急のもの
しばらく新宿の若葉町というところに間借りして
寮にはいることにし、父は、今でいう単身赴任で、
れている﹁寄宿舎﹂なるものに憧れていたので、
に転勤になる。私は吋あしながおじさん﹄に描か
大学に入り、ここから通い始めてすぐ父が東京
求める時期に与えられた自分用の空間としては申
ごたつがあったのも、私には初めてであった。
ずっと土潤がつづいていて、とても広かった。母
にあり、夜そこへ行くのはかなりの勇気が要った。
悪かったのか、この家は空き巣にも狙われた。
ほどけたねまきのひもが便所の板戸にしっかりは
を決めて、﹁エイッ!﹂とふりかえった私の目に、
先はもうお化けと対決するしかないと悲壮な覚悟
しまった!どうやっても、前へ進めない。この
ころ、後ろから﹁お化け﹂にしっかりつかまれて
買ってくれたピアノがここにおさまった。女中部
い洋間││いわゆる応接間があり、父が奮発して
れまででいちばんゆったりしていた。玄関脇に広
住まいはすべて社宅であった。こんどの家は、こ
戸の束、六甲に引っ越した。父はサラリーマンで、
しばらくして私が高校一年のとき、こんどは神
た。ただ、ここのいいところは、大{ゑさんが、三
分)、六甲の家に比べて、落者きのない感じがし
りいいとはいえず(とくに、付け足しの二階部
この家は、間取りはまあまあだが、普請はあま
屋を建て増してもらった。
私の卒業とも重なったので、二階に鹿敷と私の部
くにということで決まったものである。ちょうど
し分ないものだったと思う。
ある晩、怖さをこらえて用をすませ、外へ出たと
さまっているのが見えた。この体験は、﹁お化
屋もあり、 Mち ゃ ん と い う か わ い い 女 中 さ ん も き
L
とそれにつらなるものに対する私のそれまで
け
最高の日当たりと、四季とりどりの庭の景色を無
は一変してしまったが、思えばそれまでの長い間、
が亡くなられた後、土地は細かく分割され、景色
の庭のごとくたのしめたことであった。大家さん
だの、花をつける樹が何本もあり、まるで我が家
は五八歳のとき、脳溢血で倒れ、二年近い闘病の
父は、建替えに乗り気ではなかった。実は、父
し、間じ場所に新しい家を建てる計画が生まれた。
とかしたいこと、等々があって、この家を取り壊
下の障子の開けたてに支障をきたしているのを何
たこと、現実問題としては、二階の本の重みで階
両親に、もう少しいい住環境を用意したいと思っ
になる場所が必要になったこと、年をとっていく
の小さな私立子ども図書館が発足し、活動の拠点
家庭文庫の仕事が少しずつ発展して、法人組織
よい住環境が長生きを可能にしたと思う。とくに
この屋根の下で最期を迎え、葬儀もここで営んだ。
両 親 は こ こ で ふ た り と も 九Oを過ぎるまで生き、
黄色い外援も、もう恥ずかしくはなくなった!
今では、ふしぎにすっかりか私のに永になっている。
(変化?)するというとおり、三十年近く経った
ていた。だが、家は住まわれることによって成長
もいないのを確かめてから、家に走りこんだりし
い外壁が気恥ずかしく、通りの左右を見て、だれ
作品という気がしたものだ。コンクリートの黄色
で、建った当初は自分の家というより、設計者の
も、実際には設計者にお任せする部分がほとんど
にという基本構想で、計画は進められた。条件を
大学卒業後、アメリカ留学を経て、子どもと本
末、退職していた。その時点で、社宅であったこ
北向きの、冬の際関風と冷えのひどい台所の代わ
空想を誘う仕掛けをしているのを見ると、苦々し
に関わる仕事についた私は、この家の玄関脇にあ
の家を買い取り、自分のものにしていたことで、
百坪ほどの庭の北東の角を切り売りしたものだっ
る六畳ほどの洋間を使って、一九六七年から近所
この建替えも可能になったのだが、健康を取り戻
我が手!というより頭?iで創り出すとはいって
の子どものための小さな図書室│家庭文庫iをは
りに、東側に窓の開けた、床暖房の台所は、料理
)0
じめた。何一つ広報はしなかったが、当時は土曜
したとはいえ、仕事の望みは断たれていたことも
好きの母へのいい贈り物だったと思う。その結果
く思わずにいられない
の午後半日に、苔二十人もの子どもが出入りする
あって、﹁建替えはおれが死んでからにしてく
おいしいものを食べることができたのは私だった
たので、南側に八重桜だの、梅だの、ライラック
賑わいで、部居のまん中で﹁ぼく、人に溺れるウ
れ﹂という。それを押し切っての決定であった。
話を開く。後年、成人した子どもたちから、あの
﹁おはなしのへや﹂(二階の座敷)にはいり、お
ちは、途中で折れ曲がった、急な階段をのぼって、
毎週の﹁おはなしのじかん﹂であった。子どもた
文庫で子どもたちがたのしみにしていたのは、
てくれたのは、まだ全員一一一O代 前 半 の 建 築 家 三 人
ることになったのだから。縁あって設計を扱当し
だったのが、こんどはその条件自体を自分で考え
えられた条件のなかで、どう住まうかだけが問題
これまではすでにある家に入って住む、つまり与
これは、私たち家族には初めての体験だった。
そうなってみて思うのは、人ひとりが必要とする
建ては自下私の独り占めするところとなっている。
常時二階を使う人はいなくなり、この大きな三階
建物が与えられて、文庫はそちらに移ったので、
住空間にした。仕事のほうでも、図書館に新しい
両殺の死後、一階をすっかり模様替えして私の
H1M一図書館のあるすまい
料で享受させてもらったことになる。
i!﹂と、川叫んだ子がいたほどだった。
階段をのぽっていくのが、異空間へはいっていく
のチiムで、これは、その後長くつづくご縁のは
スペースはごくわずかだということだ。ただし、
塞感に苦しめられるだろうが。
必要とするスペースのみでは、おそらく精神は閉
のだが。
ようで、なんとも心がときめいたと聞いて驚いた。
十}宇品川ノト﹂介字。。
関係ある集会活動の場に、三階を私の書斎兼寝室
一階を両親の生活空間に、一階を文庫とそれに
あのなんの変哲もない階段が、と。魔法を招く仕
掛けは、子どもの内側にあるのだ。(だから、子
ども用の施設で、いかにもちゃちなしつらえで、
というわけで、住まいに関しては、私は、今、
何故か私は、住まいというのは、親や性別と問
とができたことで、計画を進める気持になれた。
があとあと必ずいると思い、その姿を思い描くこ
上の持ち物を増やすなんて、という思いは強かっ
てもらっている。これからの課題は、現在あまり
じで、自分が選べるものでなく、最初からその中
設計者に初めに出した碁本イメージは、﹁個人
私も羨ましく思ったことはなかった。そういうも
使われていない二、一二階をどのように活用するか
で生きるように与えられるうつわのようなものだ
用修道院﹂というものであった(﹁尼僧院﹂とい
た。ただ、出来上がれば、これを使ってくれる人
だと思う。玄関も二つつけ、プライベiトな空間
と思ってきた。自分が施主となって家を建てる経
うべきか?)。計画は、この当初のイメージから
のだ、と思っていたから。
である一階と、パブリックに使えるニ階とが完全
験を経た今でさえ、その思いは捨てきれない。
東京の住宅事情では申し訳ないような賛沢をさせ
に切り離せるようにできているので、このせっか
相当離れて、修道践にしては賛沢なものになりつ
くの設備を生かして、何かよい呂的のために用い
いについて、意見らしい意見をもっていないのは、
ここまで書いてきて、気づいたのは、私が住ま
設計者にゆだねている。それは、彼の事務所を全
私は注文をつけはするが、肝心なところをすべて
私から私への古希のプレゼントなのだ。ここでも、
いになるかも知れない山寝を建てている。これは、
実は、私は、今、私にとっては十五番目の住ま
私以外の人にも、
なんと賛沢なホ!ムであろう!願わくばここが、
い、という考えが頭をよぎったが、それはそれで、
結 果 的 に ﹁ 偶 人 用 老 人 ホi ム ﹂ に な る か も し れ な
ている。計画が進んでいく途中で、ふと、これは
質素と清擦を旨として、美しく暮らしたいと思っ
つあるのではと怖れているが、住まい方としては、
十ーは個人用老人ホーム?
られたら、と願っている。使わないと退化するの
これまでの住まいに十分満足していたからではな
面的に信頼しているということでもあるが、出来
と静けさ)を心ゆくまで味わえる場とならんこと
は、頭だけではない。使われない部屋は、やはり
いかということだ。人が仰かについて真剣に考え
上がったとき、それを自分がつくったものとして
が﹂ 1・
いくつあるか分からないほどの部屋のひとつがビ
御影にある彼女の家は、庭にテニスコートがあり、
ゃんは、お祖父さんが大きな会社の社長さんで、
満 も な か っ た 。 中 学 の と き 仲 良 く し て い たY 子ち
る﹁借家﹂だったが、私としては、それに何の不
も、規模も造りも、当時のごくふ?っの、いわゆ
結婚後のほとんどが社宅暮らしだった。その社宅
送った。親から土地も家も受け継がなかったので、
父は、ごく平均的なサラリーマンとして一生を
世の持ち物を捨てて、つぎの旅のために身軽にな
さすらうかというときにさしかかっている。この
家族を離れて森に住むか、あるいは一切を捨てて
生の終わりの﹁林住期﹂から﹁遊行期﹂、仕事や
わけではない。私の今は、インド流にいえば、人
山荘をつくるという決心にためらいがなかった
く惹かれているというだけのことかもしれないが。
た内側の﹁巣作り﹂的たのしみのほうに、より強
ここに何を置き、この壁に何の絵を飾り、といっ
があるからだと思う。あるいは、全体を見るより、
淋しそうだし、沈んでくる。
るのは、困難や、苦しみに直面したときだと思わ
でなく、与えられたものとして受け取りたい気持
リヤード{歪だったりする﹁豪邸﹂であったが、か
らなければならないときである。そんなときに地
松岡卒予/まつおか・きょうこ
児議文学者。東京子ども図書館理事長。
神戸女学院大学英文学科、慶嶋崎義塾大学図書
館学科卒業。一九六一年渡米し、ウエスタン
ミシガン大学大学続で児童図書館学専攻の後、
ボルチモア市立イlノック・プラット公共図
書館に勤務。帰国後、大阪市立中央図書舘を
経て自宅で家庭文庫を開き、児島且文学の翻訳、
創作、研究を続ける。七悶年、財団法人東京
子ども図書館を設立。九二年、九四年、国際
アンデルセン賞選考委員。
﹁なぞなぞのすきな女の子い(学期向研究社)な
どの創作、﹃しろいうさぎとくろいうさぎ﹄(福
音館書応)などの翻訳書、﹃えほんのせかい
こどものせかいい(日本エディタi スクール出
版)などの大人向けの評論、エッセイなど著
書多数がある。
ω
oロ片足ぬ m
g門同盟}82(独 り 居
れるから。
といって Y 子ちゃんはそれを自慢するわけでなく、
すまい・まちづくり研究において多大の業績
があったぐらいだ。
苦労するのか、といった不謹慎腫まりない
しい指導を受けた上に亡くなられてからもまだ
の全体像は計り知れないものがある。生前に厳
時間とエネルギーが投じられてきたことか。そ
近くになる。この間、どれほど多くの関係者の
七年一一月八日、あれから早いものでもう八年
西山文庫が本格的にオープンしたのは一九九
と現代的意義について語りたいと思う。
はなぜ閉山文庫が成立したのか、その時代背景
の紹介は次回、安藤理事長に委ねるとして、私
ような気がするのである。資料の具体的な中身
ルを超えた大きな偶然の力が後押ししてくれた
それのお世話になったとか、そんな個々のレベ
たとしか思えない。誰それが頑張ったとか、誰
の利、そして人の輪が重なって奇しくも生まれ
るように、商山文庫はたまたま時代の流れ、地
いう一言葉があるが、私にはこの言葉に象徴され
アイルが整然と並ぶところまできた。天地人と
にしか見えないような中で、どれを残すか残さ
まう。西山資料の多くがまるで紙屑かガラクタ
と能力がなければ、発掘は破壊行為と化してし
発擁しでもそれを保存し分析できるだけの条件
掘現場においても同様の問題が生じるという。
資料価値を的確に判断できるのか。考古学の発
の人間だ。だがその時点で、私たちは果たして
資料の保存をめぐって判断するのは、その時代
の後の方向を決めた分岐点だったと思う。研究
の保存価値にかかわる大論争だった。これがそ
いまから思えば、最大の難関は資料そのもの
次第に利用するようになってきたのである。
知られる中で、関連する学際的領域の研究者が
究分野に広がってきている。西山文庫の存在が
中小企業論、科学論、科学運動などの広範な研
最近では社会学、家族学、経済史、産業発展史、
る。当初は建築分野の若手研究者が多かったが、
文庫訪問者の専門分野の変遷をみてもよくわか
ことが次第にわかってきたからだ。そのことは、
iズ ベ ッ ド ( 苗 闘 ) の よ う な 性 格 を 持 っ て い る
中で、西山資料がすまい・まちづくり研究のシ
正しかったように思う。それは資料整理が進む
だからこそ言えるが、やはり一括保存の判断は
料が多いだけに整理作業は難航した。でもいま
しかし、それからが大変だった。細切れの資
保存の方針が決定された。
討論が続けられ、ついに整理保存ではなく一括
ないか、捨てるのか捨てないのかの延々とした
ても際立って大きい存在だった。それが、当初
広原盛明
ちづくり文庫
*
を残した西山知三は、その研究遺産の点におい
の段ボール箱六O O佃 に な ん な ん と す る 研 究 資
料の雑多な山から、現在では分類された資料フ
蔵書探訪・蔵書自慢
写真は西山文庫で。左上の写真が主若者。
6
づ く り 研 究 は 、 戦 後 六O年 の 現 在 に 至 っ て も い
ても、戦中戦後を通して開花したすまい・まち
の点で西山の研究は時代の制約を免れないとし
タとなって時代から見捨てられる。しかし、こ
びたとしても、次の瞬間には文字どおりガラク
脚していなければ、それがある時期に脚光を浴
いることを示している。研究が歴史的視践に立
ローチに堪えるだけの十分な資料価値を有して
だすことは難しいだろう。それだけのリソース
ないからだ。おそらくは自前でその方向を見い
そのあたりの戦略シナリオがまだ描きされてい
した研究資料館としての発展方向を目指すのか、
まちづくりアーカイブス﹂として昭和期に特化
に精力を傾けるのか、それとも﹁昭和すまい・
在にかけての関連資料を通史的に網羅すること
ように西山文庫の名前にこだわり、戦前から現
しかし、問題はこれからだろう。これまでの
ているといえよう。
まだ輝きを失っていない。むしろ草創期の原資
をわれわれの力で調達することが不可能だから
づくり研究の発展に応じて、各方面からのアプ
料としての資料価値は、各専門分野からの比較
字
、
。
ナム
研究の対象としてもますますその重要性を増し
*
@
酉山知王記愈すまい
ま
すまい・まちづくり研究のシーズベッド
このことは、西山の研究資料がすまい・まち
住総研閣書室だより
だとすれば、関連学会や各大学に呼びかけて
いろいろな可能性を探るほかはない。そしてそ
の場合には、後者の昭和研究資料館としての方
いうのが呂下の私の考えだ。なぜなら、各大学
向がどちらかといえば有望なのではないか、と
や各研究室に昭和期を代表するすまい・まちづ
くりの研究資料の提出を呼びかけ、それらの統
一名称を﹁昭和すまい・まちづくりアーカイブ
ス﹂とすれば、共同運営も可能ではないかと思
うからだ。
ニ
一
一
口
わ
でも、 そんなことなど﹁夢のまた夢﹂ と
でも子いっぱいでは、﹁むべなるかな﹂という
れるに決まっている。現状を維持していくだけ
べきだろう。
広原蜂明/ひろはら・もりあき
龍谷大学法学部教校。 NPO法人凶山知一一一記
念すまい・まちづくり文庫副理事長。
一九六一年、京都大学工学部建築学科卒業。
六五年、同大学院憾士課程修了。京都府立大
学役目抽出子科教授を経て、九一一 1九八年、伺大
学常長。この問、八間 1八五年、ロンドン大
a
学都市計的令部およびニューヨーク行政印刷 究
所に客員研究員として学ぶ。住民の生沼や住
環境改善など暮らしに街着した視点からのま
ち、つくり研究、まちつくり支媛活動を行なう。
﹁少子高鈴社会の都市住宅学﹄(編著、ミネル
ヴァ書一段)、﹃日本の都市法﹄(共著、東京大
尚子出版会)、﹃提言・大渓災に学ぶ住宅とまち
づくり﹄(共濯、東邦出版)など著者多数が
ある。コミュニティ政策学会副会長、阪神・
淡路まちづくり支援機械名誉代表を務める。
ハウジング﹄のコモンハウスにあるキ
﹃サクラメント・ストリート・コウ
ク自身の住まいであるマンションの日
ングと呼ばれ全米に広がっていた。ボ
代にアメリカに紹介され、コウハウジ
及ぶ。
用費の管理、その他さまざまな範囲に
営のために定期的な会議を行ない、共
設備のメンテナンス、コミュニティ運
仲間と一緒に過ごす時間を誰もが大切
もコモンハウスに行って家事をしたり、
ろん全ての設備があるのだが、それで
もある。家族それぞれの住宅にはもち
に固まれてーーーコウハウジングの暮らし
ッチンに集まったのは、シングルマザ
ンが存在しないと疑問を感じ、アメリ
常に、日出住者同士のコミュニケーショ
の当番のことを忘れていて、仕事を片
だ 。 今 回 の シ ェ フ で あ る リl は、今日
け た ﹁ イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル ・ チi ム
﹂
ディナーの調理当番であるリ!の名づ
らのボクの三人である。今夜のコモン
し て い る サ ル パ ドi ル、そして日本か
ら、居住者たちへのインタビューを通
コウハウジングの暮らしを体験しなが
ウジング﹄に暮らすニ i ナを紹介され、
﹃サクラメント・ストリート・コウハ
内にある小規模コウハウジングである
方 を 是 非 体 験 し た い と 訪 れ た の が こ0
0 0年 春 で あ る 。 チ ャ ッ ク か ら 同 じ 市
カに広がるコウハウジングでの暮らし
泊 す る た め の ゲ ス ト ルi ムを持つこと
さ な 子 ど も の プ レ イ ルi ム 、 来 客 が 宿
ている。関室田コーナーがあったり、小
たいと計画段階で相談した設備も整っ
ニングルl ム の 他 に 、 皆 で 一 緒 に 持 ち
には皆で一緒に使、えるキッチンや、ダイ
を持つことも特徴の一つである。そこ
一か月に一度程度自分の当番を勤めれ
代で当番となり皆のために-調理する。
たちが一緒に夕食を囲む。居住者が交
相場合もある)、コモンハウスで居住者
(
四 1五 回 の 所 も あ れ ば 、 こ i 三 回 の
してコモンディナーがある。週に数回
毎日の暮らしでとても重要なことと
なことと思っているようだ。
ーであるリ!と、スペインからの留学
付けられずに職場を離れたらしく、受
じて、彼らの暮らしの中を少しだけ覗
を底伎者たちが主体的に行なう。建物、
タイルで、コウハウジング全体の運営
のように話が弾む。
じテーブルに座った人たちと、いつも
リーたちと用意した夕食の席で、同
@ここ以外で暮らすことは考えられない
げてしまい、その点は実にドライである。
食事が済めば皆さっさと自宅に引き上
何の違和感もない。毎週のことだから、
族と一緒に食事をしている雰囲気で、
ちと食卓を潤み話が弾めば、大きな家
ったところか。集まってくる居住者た
おおよそ五 i六 割 の 人 が 参 加 す る と い
うかは居住者自身の希望によるので、
もする必要がない!食事をするかど
ば、残りの日々は夕食の支度も片付け
話器を一局に挟んであちこちに連絡を続
かせてもらう機会を得ることができた。
コウハウジング実現へのプロセスは、
けながらの調理となった。調理途中同
居住者たちが自主参加してプロセスを
じ シ ン グ ル マ ザi で あ る デ ブ が 子 ど も
進めていくことに、大きな特徴がある。
@参加してつくる、参加して暮らす
そして共用施設としてコモンハウス
生でこのコウハウジングの一軒に下宿
コモンハウスにある広々として作業しやすいオーフ。ンキッチン。
を連れて﹁今夜のメニューは何か
ていながらまだ現役で働いているニ i
な ? ﹂ と 覗 き に 来 る し 、 七O 歳を越、え
プロセスを経て、入院出後に閉じ敷地の
ンを大切にして、安心のできる暮らし
中に暮らす人たちとコミュニケーショ
の夜のコモンディナーを心待ちにして
いるし、コモンハウスが皆の集まって
ナが、様子を見に来たりする。山首がそ
来る暮らしの一部であることがわかる。
の暮らし方が、建築家であるケイティ
入居後の暮らしも計画段階と同じス
を実現することが目的なのだ。
ー & チ ャ ッ ク 夫 妻 に よ っ て 一 九 八O年
北欧に広がったコレクティブハウス
*
nHu
n
n
u
﹁ゃあ、今夜も調理を手伝ったんだっ
て?ご苦労様だったね﹂
﹁いつものように野菜を切ったり、鍋
を洗ったりするだけで、役に立ってい
んなことに疑問を感じて、皆さんの暮
同士が挨拶も交わさない状況でね。そ
を持っているから、何を決めるにも話
だよ。皆それぞれに自分の考、えや希望
﹁もちろん良いことばかりじゃないん
﹁なるほど。羨ましいですね﹂
の家族が集まって暮らすことにより、
ウジングが実現していると開く。多く
現在アメリカには百を超えるコウハ
低所得者の家族もいるが、暮らす誰も
ル住宅が組み込まれていることもあり、
がフラットな関係である。
らしを経験したいと思って来たんです
し合いに時間がかかるしね、時には意
﹁アメリカでも閉じだよ。一般社会に
トム﹂
見がぶつかることもあるんだよ﹂
ある一戸建て住宅街でも集会住宅でも、
るのかなあ﹂
ことも、一人で静かに過ごすことも選
に暮らす人たちは、皆と一緒に過ごす
隣に住む住人と挨拶なんかしないし、
ら、お瓦いのことは良く知っていて、
﹁もちろんだよ。ここではね、みんな
話し合いを続けて解決してきたし、こ
らしを実現している。コウハウジング
よ。でもここでは違うよ。山首大きな家
資源を無駄にせず環境に配慮もした暮
で、全体の暮らしが成り立っているん
族みたいなものだからね﹂
ティの中に暮らしている。そして子ど
択できる、バランスのとれたコミュニ
﹁そんな時はどうするんですか?﹂
だよ。カズオが自分の待問を割いて、
れからもそうしていけるんだ。それに
﹁皆長く一緒に暮らしてきた仲間だか
皆のために手伝ってくれたから、こう
ね、これだけ良く知り合っている仲間
もから高齢者までが、それぞれ自分の
﹁そぉ、たとえばボクの子どもは一人
役割を担い、お互いを尊重して生き生
きと暮らしているように見えた。核家
と一緒に暮らしている安心感は他には
族が当たり前で、さらにその一人一人
ないから、ここ以外で暮らすことは考
えられないんだよ﹂
が沢山いるし、おばあちゃんやおじさ
﹁へえ 1、家族みたい?﹂
﹁ありがとう﹂
﹁ところで、日本にコウハウジングは
@現代によみがえらせたコミュニティ
あるの?﹂
いつも近くにいるからね。子どもを育
超える高齢者が暮らしていた。高齢者
小規模なコウハウジングである。一一0
0 0年 当 時 は 一 歳 の 幼 児 か ら 七O歳 を
予に入れることができるだろう。帰国
現すれば安心した暮らしを多くの人が
てよい日本にも、コウハウジングが実
日の感覚で作り直したものといえる。
で、士口くからあったコミュニティを今
の一人暮らしが三世帯、子どもがいな
後 仲 間 と 立 ち 上 げ た ﹃NPOコウハウ
が孤立する場合も多い境代の一般社会
かったり子育てが終わったカップルが
ジング・パートナーズ﹄は、そんなコ
サクラメント・ストリート・コウハ
四世帯、子どものいるカップルが三世
ナ!ズを設立、理事・事務局長就任。
OO一
一
一
年
、 NPOコウハウジング・パ iト
柳川一夫/ゃながわ・かずお
附明治大学法学部卒業。インテリア・フアブ
リック輸入商担勤務後、二 000年、アメ
リカ・コウハウジング、スウェーデン・コ
レクティブハウジングの暮らしを体験。二
地域コミュニティが崩壊したといっ
様、そして片親家族が回世帯である。
ウハウジング実現を目指している。
こ の コ ウ ハ ウ ジ ン グ に は ア フ ォ l ダブ
や思想的に偏った人たちではない。こ
まな家族構成が暮らしているが、宗教
れぞれ下宿している。多世代、さまさ
性が子どものいないカップルの家にそ
そ の 他 に サ ル パ ドl ル と 、 も う 一 人 男
ウジングは、一四世帯一一一一ニ人が暮らす
んのように気をかけてくれる人たちが
てる環境として恵まれているんだな﹂
﹁いやあ、まだ一つも実現していない
ンでは、同じ建物に住んでいる人たち
んですよ。ボクが住んでいるマンショ
だけれど、ここには兄弟みたいな友達
して皆食事ができるんだからね﹂
隣の人と顔を合わせることもないんだ
多様な家族がバランスのとれたコミュニティを選択して集まった。
自分のできることを少しずつすること
O
一緒に食事を屈めば、大きな家族の団緊の時間である
最近の動告
二O O五年度の助成研究者が一向に
会し、交流を深める
9/22 第 1
6
8
1
ii1江戸東京フォーラム「ノ.j(よか
究委員会
10/3
10/9
1
0
/
1
4
10/15
ら江戸東京学をみる 品川!の水辺と
?
荷
主
品J
第7
4
1
辺情報委員会
第1
8悶f
主教育フォーラム「路地袋の
子どもの 1
舌場所づくり コミュニテ
ィ・アートの切り口から」
第6
4回すまいろんミニシンポジウム
「すまいにおける写真・写真におけ
るすまい」
第1
2悶 枇 界 の す ま い 方 フ ォ ー ラ ム
「ブレ・モダンの住まい方と{上まい
士まい
のかたちーポスト・モダンの f
方を探る」
容ザ恒!世界のすまい方フォーラム委
4厨「すまいろん J 編集委員会
1
0
/
1
8 第8
1
1
/
1
9 第 5回ハウスアダプテーション・フ
J
P
l:
l
t
ォーラム「ノ、ウスアダブテーション
における自治体の役割再考 北九州
方式から学ぶ身近で信頼できる相談
1
1
/
2
0 第1
6
9図江戸東京フォーラム「下北沢
窓口」
の魅力一日本型都市再生のあり方を
探る J (仮題)
2
0
0
6年
1
5凶研究巡営委員会
1/9 第1
3閉ハウスアダブテーション研究
2/11 第2
9回住教育委員会
3/8 第 5
1
6図研究運営委員会
4/15 第 1
回「住まい・まち学留 J 実 践 報
4/22 第 7
委員会
7/14 第2
6間住総研シンポジウム
告・論文発表会
尚0 3 1 4主 査 浜 本 篤 史 ( 日 本 学 術 振 興
O﹂
-碇喜久枝(住まいから福祉を考、える会)
たらす住空間と労働空間の変容川﹂
﹁﹁一﹃O 印 印 白 訂 ロ ヨ
﹁犯罪紡止をめざした都市計画一米英にお
-横山勝樹{女子美術大学教授)
ける展開(翻訳)﹂
アの都市形成(仮)﹂
海域アジ
﹁チャイナタウンと植民地都市i4
-泉問英雄室長術技術科学大学助教授)
本年度の採択内容は次のとおり。
﹁スケルトン・インフィル│持続型社会の
-巽和夫(巽和夫建築研究所代表)
ハウジングシステム川(仮ご
ア)上泉欧スラブの建築的知性川(仮ご
-河野裕(河野裕建築設計 事務所代表)
﹁
002ngω 一口︿Oコ一白(デ・ファクト・スロベニ
の経年変化に関する研究﹂
﹁江戸東京学﹂
-小木新造(東京都歴史文化財団)
﹁﹁江戸東京時代﹄の生活と政治﹂
-江戸東京フォーラム委員会(小木新造)
﹁大規模集合住宅における共用空間・施設
・高井宏之(三重大学助教授)
︿印腕助成﹀
* 上波名(敬称略)←所同・職位←題目の順で記紋
七件で、審査の結果、会てが採択された。
応募数は、印刷助成が二件、出版助成が
刷助成と出版助成の審査が行なわれた。
第一一回問研究運営委員会において、印
印刷効成・出版助成決まる
伐情しさを残しつつ閉会した。
︿出版助成﹀
委員会
財団の中庭で簡単なバーベキューによる交
9/16 第1
9閲小規模7 ンション維持管理研
尾委員長から趣旨説
小木新進の江戸東京学」
﹁テレワi クの社会学的研究│情報化がも
2回ハウスアダプテーション研究
9/6 第2
・佐藤彰男(大手前大学助教授)
会)、ぬ 0202主査代行伊丹康二(聞紙中
や成果について
出版記念パーティ
流会が出陣された。﹁住まい﹂に関する研究
3 1 2、玉木刀川本意放
市政研究所)の四人の受賞者による講演が
(京都女子大学)、
研究運営委員会の深尾精一委員長からこ
成キックオフミーティング﹂が間開催された。
行なわれた。研究内容に加えて、研究方法
怒が述べられた。引き続き、ニO O五年度
昨年と同様、当
講演終了後、
ったと忠われる。
きな励ましにな
者にとって、大
本年度助成研究
具体的に話され、
の反省点などが
行なわれた。深
奨﹂の表彰式が
﹁助成研究選
ら設けられた
二O O四年度か
休憩を挟んで、
れた。
研究助成に採択された主査の紹介が行なわ
深尾研究運営委員長。
6
7閏江戸東京フォーラム「再考一
9/6 第 1
者が一同に集う機会が少ない中で、苦手を
究委員会
明があり、表彰に引
地の再生」
き続き、研究治 0 3
8悶江戸東京フォーラム委員会
7/9 第2
3
1
m rすまいろん J 編集委員会
7/19 第8
8
1
ii1小規模7 ンション維持管理研
7/19 第1
山中心とした活発な情報交換が行なわれ、名
委 H会
0 9主査神士口紀依子
(京都大学)、治 0
5隠{主総研シンポジウム「郊外団
7/8 第 2
谷直樹、中仕切明子、加藤信介各委員から感
2
0
0
5年
0 0五年度研究助成の審査経過報告いがあり、
昨年度に引き続き﹁二O O五年度研究助
6/17 2
0
0
5年度キックオフミーテイング
2
0
0
4年助成研究選奨論文発表会
6/18 第 4呂ハウスアダブテーション・コ
9
0発表フォーラム
ンクール優秀率 1
6
3jiiJミニシンポジウム「住宅組合
7/1 首&
論争 J
8回f
主教i'
i
委員会
7/4 第 5
1
1
ii1ハウスアダブテーション研究
7/5 第2
助成研究選奨の表彰式。
W
4
l
l
i
l研究運営委員会
7/22 百
8/28 小木新造江戸東京フォーラム委員長
財団中庭で交流会を。
NEWS
臣
段
LETT
太字のものは記事を掲絞しています。
イベントだより
第5回ハウスアダプテlション・フォー
ラムの予告
を六月一八日に開催した。ハウスアダブテ
ン・コンクールの優秀事例発表フォーラム
昨 年 に 引 き 続 き 、 ハ ウ ス ア ダ ブ テl シヨ
ら学ぶ身近で信頼できる相談窓口﹂と聞出し
に お け る 自 治 体 の 役 割 再 考i 北 九 州 方 式 か
な っ た 。 そ こ で ﹁ ハ ウ ス ア ダ ブ テi ション
っかけとなる相談体制の重姿性が明らかに
ハウスアダブテ│シヨンにあたっての、き
的・建築・造閲・美術・市民活動など幅広
践・研究の成果を募集する。教育・都市計
行なわれている﹁住まい・まち学習﹂の実
七年白となる今回も、学校・地域などで
第7闘﹁住まい・まち学腎﹂実践報
告・論文公募
全凶各地から出席され、会場も満員となり、
i シヨンの当事者の方も含め受賞者会員が
これまでのコンクールの入食事例から、
第二五附伎総研シンポジウム﹁郊外団地
少子高齢化社会へ向けた、 団地再生
の課題を採る
の再生﹂は、七月八日、建築会鈴ホ│ルを
て 、 各 区 にO T、p ?を 配 置 し 建 築 士 と も
発 表 者 か ら は 、 ハ ウ ス ア ダ ブ テl ション
千葉、神奈川で行なわれている相談体制も
る体制について深掘りすると問時に、板紙、
連携をとっている﹁北九州方式﹂と呼ばれ
意見交換の場として﹁発表会﹂を開催する。
て発行するとともに、分野・学会を越えた
寄せられた実践報告・論文を論文集とし
い分野の方からの応募を期待している。
大盛況のフォーラムとなった。
に至った経緯、それにともなう生活の変化
満席とする一七五名が参加して間開催された。
基 調 講 演 は 、 一 九 五0年 代 に 建 設 さ れ た
などが紹介され、審木札口尽からの講評、会場
テ!?一住まい・まち学習同i 次 代 の よ き 住
である原問陽子氏(福井ふ入学ふ入学院助手)
紹介する。
同地問生の実態調査に基づき、サ一判手研究者
の参加者からの滋兄を交え、議論が深めら
日時二
中皇彦氏(岡大学非常勤講師川)による、映
腎我部品史氏(東京装術大学助教授)と問
いたこと、生活の変化にうまく対応し、使
よって建設時よりも住まいが豊かになって
今凶の発表事例からは、生活した時間に
問い合わせ一ハウスアダブテlション担当まで
roamgvg
詳細豆古一¥﹀2550rgc三
百¥
会場一建築会館会議室(東京都港区芝)
肘 iHHS
口一 o
r白N白笠⑤︺己目。片巾ロ・ 0叶・芯
執筆申し込み・問い合せ一住教育担当まで
crgcごEESSEEg
詳細一室司¥﹀喜三g
原 稿 締 切 一 二O O六年二月一 O 日
まい子・っくり予を脊む
から、生活捌聞の自律を目指した応住環境の
れた。
O O五 年 一 一 月 一 九 日 ( 土 )
継続と応住者参加の実態と課題について。
ol 一七一 0 0
像を尚一じた団地の公共空間の活用について
い こ な さ れ て い た こ と 、 ア ダ ブ テi ション
一一二二一一
の新たな建築的手法の紹介。印山地市内生卒業
をしていく過抑制が重要であることとともに、
i
発行(編日住教育委員会)
﹁住まい・まち学習﹂実践報告・論文集 6
仏
∞
目白
を長年手がけてこられた品川橋徹也氏(都市
常に多くの人びとがかかわり、集団の知恵
浴話一812
プランナー)から、羽生を成功させるため
によって住宅をつくり上げる過程が求めら
第六回公募で寄せられた一ニ一編の実践報
学校と地域の協働による学期間や、まち、つく
﹁発表会﹂での討論内容を掲載している。
りの取り組みから学ぶ報告など、学校教
告・論文、住教古河委員会からのコメント、
住している日本国内の事例で、ハウスアダ
ルを今年度も開催する。応募対象は、ハウ
ブ テi シ ョ ン に 関 わ っ た す べ て の 方 が 応 募
い分野の内容となっており、今後の由来践・
育・建築・都市計画・造関・美術など幅広
IC日N H﹀ へ )
A 4判別ぺ l ジ ・ 本 体 側 絡1200円 十 税
(お申し込みは、丸善営業部︿電話81S芯
研究への示唆に富むものとなっている。
対象者となる。ムぬ鈴者・障害者の自立促
問い合わせ一ハウスアダブテ│シヨン担当まで
応 募 締 切 り 一 二O O六年一月一一ご日
って応募いただきたい。
テi シ ョ ン の 事 例 を 実 践 さ れ た 方 は 、 ふ る
進・社会参加等につながったハウスアダブ
ス ア ダ ブ テi シ ョ ン を 実 施 し 、 一 年 以 上 居
ハ ウ ス ア ダ ブ テ │ シ ョ ン 事 例 の コ ン クi
第5回ハウスアダプテlションi 住まい
の叫ハリアフリliコンクール事例募集
には、行政、住民組織、事業者の三者による
れていることが、まとめとして挙げられた。
婚の委
口問者査
/念/讃審
左記下受と
己主方員
。キ
パi ト ナi シ ソ ブ づ く り が 重 要 と い う ﹁ 同
地持生ガパナンスの確立﹂の提案がされた。
本テ!?余同者であ
る初見学委員(京京理
科大学教授)の可会で
進められたパ、不ルディ
スカッションでは、質
疑応答と会開明からのな
見交換が活発に行なわ
れ、示唆におむ議論が
記録は本 勺
H 別冊として刊行。
なされた。
パネルディスカッション風景。
江戸東京学のメンバーが集う
江戸東京フォーラム委員会の編集による
江戸東京学の更なる展開を探る
ム﹂の更なる展開を
﹁江戸東京フォーラ
﹁江戸東京学﹂と
東京学﹂を再考した。
題を述べ合い﹁江戸
て検証し、今後の課
緯を負の部分も含め
点を考察し、その経
﹁江戸東京学﹂の原
討論は、幅広い分野からの参加者と共に
しての資質、東京への熱い視線が述べられた。
木委員長の研究姿勢や、プロデューサーと
身の研究と﹁江戸東京学﹂との関わり、小
史としての﹁江戸東京学﹂の佼置づけ、自
れた。パネリストからは、地域研究・社会
緯が、関迷の出版物を紹介しながら発表さ
﹁江戸東京学﹂の羽会的背景、その特徴、経
陣内委員から、小木委員長が提同附された
フォ i
-フムを開催。
スト・司会者として、上記出版を記念して
問雄造氏(東洋大学教授)を講師・パネリ
東京博物館教授)の各委員と、元委員の内
山泰子(法政大学助教授)・小湾弘(江戸
学教授)・吉見俊哉(東京大学教授)・横
(法政大学教授)・波多野純(日本工業大
江戸東京フォi ラ ム 委 員 会 の 陣 内 秀 信
ールで開催した。
京学﹂と題して、九月六日、北沢タウンホ
第 一 六 七 回 は ﹁ 再 考i 小 木 新 造 の 江 戸 東
│出版記念フォーラム
京
小木新造の﹁江戸東京学﹂に関する出版
村誠料て附象学ゑ)
出版記念パーティ
小木新造江戸東京フォーラム委員長の出
版記念パーティを、八月一一八段、当財団で
一九八三年、小木委員長によって提略さ
閉山間した。
れた﹁江戸東京学﹂は、当時画期的な出来
事であった。日本の近般から近代への大き
な変選期を扱うのに、都市﹁江戸東京﹂の
迷続性を﹁東京(とうけい)時代﹂という
に新鮮な視点が与えられた。
一一一一同業とともに新たな史論が提示され、我々
小木委員長がこれまでさまざまなところ
に発表された﹁江戸東京学﹂を、江戸東京
フォーラム委員会が再録の編集にあたり、
著作集および論文集として刊行したもので
戸」
食ポ
﹁
訂μ滋来持代﹂?り川良と政治桝料品紅
った。
探るフォーラムとな
出版記念フォーラム
5
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担
藤泰欝ぷ欝議襲撃譲る
史
室
麟鱗議護法花居去?学
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日 2言
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襲警護議議襲撃議よ
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ある(下段、参照)。
それを記念してパ i ティを開催した。
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十定問
株発(第第第第第百者@
f百六 88 泡い~~ . . 大 小 * シ 船 の 者 論 税 { 百 六 ム 式 行 出 五 限 三 二 一 次 者 著
次号予告
側年冬、号
特集日時住宅写真
︿佳⋮占。
古写真の中の住宅
中小廿礼仁(大阪市立大学)
一月号
︿ミニシンポジウム﹀
すまいにおける写真、写真におけるすまい
植悶実(住宅建築評論家)
高梨曲旦(写真家)
司会一中谷礼仁(大阪市立大学)
︿報告﹀
写し込まれた伝統
岡本茂男{写真家)
小住宅写真論
一勝塚光政(写真家)
楼まいの痕跡としての写真
宮本隆司叫(写真家)
今のすまいを写す司}と
山岸側
︿すまいのテクノロジー﹀
建築・住宅・写真
矢 萩 喜 従 郎 ( アi テイスト)
︿私のすまいろん﹀
ニッポンすまい撮影記
大竹静市郎(写真家)
︿ひろば﹀
ハピタの活動について
西岡絵美子(大阪大学)
︿すまい再発見﹀
写真によるすまい再発見・福島県大内宿
相沢紹男(武蔵野美術大学)
︿図書室だより﹀
蔵盤探訪一西山文庫について②
安藤元夫(西山知一一一記念文庫)
︿住総研ニュ iズレタ│﹀
タイトルは仮題、執筆者は変わることがあります。
図書室だより
七O 品川所蔵している。
れていない雑誌も、住宅関迷の特集号は、
た資料も受け入れた。現在定期的に受け入
芳賀幸四郎先生古稀記念﹄、生江義男先生
閣議時間一九一一一一0 1 一六一 O O
図替変案内
単発的に購入し、利用に供していきたい。
図書室では、国内外の住宅関連の絵本を約
江戸東京関連では、芳賀去十四郊先生士口稀
還勝記念歴史論集刊行委員会﹃歴史論集
一
一
一
一 O Oはレ
(二一一 001 一
記念論文集編集委員会﹃日本社会史研究│
生江義男先生還暦記念﹄、安藤俊一郎﹃観
ファレンスサ!ピスおよぴ新規登
今 回 は 、 住 総 研 図 書 室 で こ0 0五 年 六 月
の研究報告書、住宅関連の絵本およぴ江戸
から八月に受け入れた資料のうち、大学等
光都市江戸の誕生﹄、大石学﹃釈名で読む
大学等の研究報告審は、野村みどり﹃病
東京関連の資料を中心に総介する。
﹁寸まいろん﹂のご購読について
@発刊日は原則則として、冬口万一月、春号四
いまして、送付開始は、購読料受領後の
月、支口万七月、秋口万一 O 月 で す 。 し た が
最新号とさせていただきます。なお、購
お含みおき下さい。
読手続きには約一週間同かかりますので、
江戸・東京﹄﹃統駅名で読む江戸・東京﹄、
ております。ご希望の方は、あらかじめ
@バックナンバーのお求めにもおこたえし
申し上げます。
き続きご購読いただきますよう、お願い
森まゆみ吋明治・大正を食べ歩く﹄、寺島
間、創立記念日日本年度は一一
図の休日(夏季・冬季の休暇期
@購読満了時にご通知いたしますので、引
(乎成一四 l 一 五 年 度 科 学 研 究 費 補 助 金 研
弱施設の現代化に問附する建築計幽的研究い
入れた。
孝一吋アスファルトの下の江戸恥他を受け
録受付等係長対応業務は休み)
究成果報告書)、ラオス人民民主共和国情
休筆一土問明日日曜日祝祭臼当則的
報文化省文化研究所・芝泌工業大学工学部
ア都市の居住空間アマルフィ、レッチェ、
七号)等の寄贈文献、陣内秀信﹃南イタリ
会 ﹁ 多 摩 ニ ュ i タ ウ ン 研 究 ﹂ ( 第 一 号1第
そ の 他 、 多 摩 ニ ュ i タウン学会一編集委員
りません)
利用形態.完全開架式(資料貸出はしてお
利用資格・一八歳以上の方
君司君主印 O}内 R
ZE印可 O四円。口付・耳目
・-
新刊だより
著者日一ニ沢治
A ・レ l モ ン ド の 建 築 詳 細
@出版助成による欝籍
フター劇的リフォーム研究所﹃あなたの家
宅・都市・渓災関連資料、さらにビフオ│ア
彰図社・ A 5判
000円(送料共)
購読の受け付けはしておりませんて
電話 (83)329111338
千 代 間 区 神 間 神 保 町1
8
郵便振替口東京ODllD3i6639
電話(03)34841538lFAX(03)34845794
一寸間側主口小都伏⋮川谷区船橋四丁目鈎
財団法人住宅総合研究財団
@南洋堂書庖
幻
ますので、ご利用ください(応頭での予約
﹁すまいろん﹂は次の応頭でも販売しており
申購読期間中の購読中止による購読料返金
はいたしません。
行いたしません。
お支払い方法
三年間五
一 年 間 二000内(送料品ムハ)
昨朗読料は次のとおりです。
認下さい。
集 落i 尚 ラ オ ス ・ サ ラ ワ ン の ロ ン グ ハ ウ
建 築 工 学 科 知 研 究 室 ﹃ カ ド ゥl の 住 ま い と
シ ャ ヵ 、 サ ル デl ニヤ﹄、大橋竜太﹃イン
詳細お問い合わせは・
在庫の有無、送料を左記財団まで、ご確
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スへ H,
グランド住宅史│伝統の形成とその背景﹄
ZG 一
月四日)、住総研シンポジウム
HF
巾}山町田口色町 OC
印問。片付ym吋即江田口向
、
吋
日)巾 O立 巾 ﹄ 、 法 政 大 学 大 学 院 エ コ 地 域 デ ザ イ
ン研究所関連の報告書では、﹃東京の水上
等のお備本や、日本風景写真協会会員﹃お
えさせていただき、財向からは改めて発
@領収書は、郵便局の払込禁兼受領証で代
開催日
生活者と水と共存する建築﹄﹃浄水から見
民 家i 迭 し た い 日 本 の 風 景 ﹄ 、 青 木 淳 ・ ホ
E
る江戸東京の都市空間と吉田初一一一郎が揃い
イツ・スペインの伝統﹄等の住宅写真集、
﹃アメリカの家│イギリス・オランタ・ド
mm 彰 久 吋 英 国 立 族 の 邸 宅 ﹄ 、 八 木 幸 二
ン マ タ カ シ ・ 秋 山 具 義 ﹃G ﹄ 、 田 中 亮 三 -
た多摩川﹄吋南イタリアの浴町│膝史的形
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﹃法政大学大学院エコ池域デザ
きるん氷﹄、伊東車検﹃みちの家﹂、阿部勤
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L
﹃中心のある家﹄(以上三上山⋮は、﹁くうねる
法﹄、ワールドフォトプレス﹃しまえる狭
間一の発見
と こ ろ に す む と こ ろ ﹂ シ リi ズ)、本間昇
m べl ジ
作・石井幼絵﹃家のくらしのうつりかわ
小住宅!収納を考えた小住宅へ
内2005﹂ の よ う な 広 く 一 般 を 対 象 と し
﹁∞河口吋ロω わ白印白川
ω最 強 最 新 ! 住 宅 案
りへ鈴木誠﹃日本の庭・世界の庭暮ら
ちこちゆかいな門家めぐり﹄を購入した。当
し と 庭 ﹄ 、 小 松 義 夫 文 ・ 凶 山 Hm絵 ﹃ 世 界 あ
〈新たな魅力ある郊外居住のあり方〉とコーポラティブハウス柿生
写真と文/津田初穂
⑫﹁コーポラティブハウス柿生﹂は︿新たな郊外
しているのではないか。
ィブハウス柿生﹂は再評価すべき内容を包含
いるのだと私は思う。この点、﹁コ i ポ ラ テ
2 郊外ならではの緑化活動に関して
のと考えている。
をするという述待感が、重要な意味を持つも
よ り は 将 米 の 我 喜 怒 目 響 調13
雪サ三
あり、限定された地域の住宅地の問題という
の人口・世併構成の特川県(性に山米するもので
でに顕在化してきでいる。この現象は我が同
住宅地の空洞化や荒廃化が懸念され、またす
か、都心同帰に伴って大都市部郊外・近郊の
年齢人口の減少状況にさしかかりつつあるな
いよ急激な人口減少・高齢化・少子化・生産
う生活の盟かさとは何か、を広く考えていく
生活の兵の出品かさとは何か、他人と分かち合
ってしまったように思える。しかし、今こそ、
似の上外の追求のあまり、この事例を忘れ去
生活の利便性・効来性の向上、私的不動産側
付いていることである。現在多くの日本人が
努力・行動・作法がコーポの伝統として身に
でできることは臼分たちで実行しようとする
一-ニ阿ってしまえば、間住者の方がたが自分たち
具体的に仰が評価すべき点なのかを一一一一一口で
き火を閥み談笑するといった至福の一時を過
飲むビl ル の 旨 い こ と 。 食 料 を 持 ち 寄 っ て 焚
た後、緑に関まれた土のプレイロットで皆で
そして何よりも共同作業を行なって汗を流し
藤棚・花思等の作成と、その活動範囲は広い。
に開墾した矧の農作業、新たに作るベンチ・
山の柴刈り、花坦の手入れや植え棒、ぇ、災山
わたる。定期的な草刈り、樹木の手入れ、一一災
な活動であり、行なわれる共同作業は多きに
緑化活動は緑豊かな郊外ならではの自主的
我が聞の人口および叶ぷ wの将米構成がいよ
居住のあり方﹀を先駆的に実現している
が出の地域社会、槻麟麟鱗錨鱗鱗藤機一
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市民の居住環境議議離義理離麟勾プ麟欝議離
このような機会は部会では得難いもので、
ごすこともしばしばであった。
コミュニティとは、このような機会に自然に
べき時別である。
はぐくまれるものだと思う。
@﹁コーポラティブハウス柿生﹂が実現している郊
ι
一側
外居住
ぽす走大な社会ヌハデ鱗お総議 ぶ 設 麟 額 整 。
島噌部制併巳}引法磯麟穣緩鱒盤調
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小で京哨らしい居住者の方がたと過ごした共
住をしている。しかし、総濃い柿伎の環境の
五年間ほどは柿生を縦れ、やむを得ず郎心民
生活をしてきたが、側人的な事山によりこの
に立地する﹁コ iポ ラ テ ィ ブ ハ ウ ス 柿 生 ﹂ で
ら れ て い る 。 私 自 身 、 二0年 間 に わ た り 郊 外
る郊外応住のあり方﹀を一部すことが引在求め
外の居住環境の改善に資する︿新たな魅力あ
を活用して日程を割り振り完成させる。白、主
鋭化め没装、仕上げ塗装を行なう。土・日曜
ちでペンキを調合し、ヤスリで鈴落としをし、
さんに委託するが、それ以外の部分は自分た
行なう。もちろん危険な筒所はプロの塗装屋
然鋭ぴてくるが、定期的に一斉に白、玉塗装を
ー等)は全てスチールである。したがって当
ー佑子、窓而総子、外部パイプシャフトカバ
は尿外に而する金属部品(予摺り、バルコニ
識、暮らしの作法や豊かさが自然と培われて
の伝統行事を通じて居住者の連情感、共同意
しい行事となっている。このような四季折々
伴う活動であり、子どもも大人も参加する楽
餅っき、忘年会等々、これらも皆共同作業を
のコ iポ祭、秋のお月見、年末の門松作り、
お花見、谷波り鯉のぼり飾り、七夕飾り、夏
焼き(多摩地域に兄られる虫送りの行事)、
いることである。正月の賀詞交換会、どんと
に基づく行事が共同生活の中に織り込まれて
特徴をもう一つ挙げれば、日本や地域の伝統
﹁コーポラティブハウス柿生﹂での生活の
3 四季折々の行事
同生活の盟鋭な情感は、いまもなお胸奥に的
るという怠味もあるが、ペンキや刷毛を分け
管理は業者に頼らず安く建物を維持・管理す
を象徴するものは自主塗装である。当建築物
﹁
コ lボラティブハウス柿生﹂の白、主管理
1 自主管理に関して(白主塗装を例に)
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リ響いている。﹁コ i ポ ラ テ ィ フ ハ ウ ス 柿
いくことを、実感として思い起こす。
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生﹂には現在求められている︿新たな魅力あ
ん口って、大人も子どもも体を動かし共同作業
る郊外ぽ住のあり方﹀が以前から実呪されて
立地 神奈川県川崎市麻生区上麻生
竣 工 昭 和5
0(
19
7
5
)年 8月2
4日
延べ床面積 一 1
1,5
30m
' 建 築 而 積 一 l,3
2
7
m
'
戸数 9
2戸
構造ー鉄'白鉄筋コンクリ ー ト造 1
1階建
子ど もの遊び場)
共同施設ー集会所、談話室、ピロティ (
住戸 タ イ プ 基 本 型 4タイプ
B
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'イブ (
7
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)
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'イプ (
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)
O$'イプ (
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)
-︿新たな魁力ある郊外居住のあり方﹀とは
結論となるが、﹁コーポラティブハウス柿
生﹂での生活体験から言えることは、住宅お
が、もはや物質的充実のみを追究する時代で
よび住宅地のハ lド 面 の 充 実 も 大 切 で は あ る
はない 。 ︿ 新 た な 魅 力 あ る 郊 外 居 住 の あ り
方﹀を実現するには、いかに郊外の環境を活
︿場﹀をつくるかの問題であり、いかに人ぴ
かした、皆で分かち合、える豊かな共同生活の
の問題であると考える。
との心を呼び覚ます︿きっかけ﹀をつくるか
最後に、﹁コ l ポ ラ テ ィ ブ ハ ウ ス 柿 生 ﹂ の
精神の原点であり、私自身の自戒の原点でも
あ る ﹁ コ lポ 憲 章 ﹂ を 掲 げ る 。
立。主として住宅問題、地域 ・地区再 生問題、
まちづく り企画に取 り組む 。﹃ハウジングルネ
共 著、彰国社)な どの著書がある。
サンス ﹄(
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-間口)を設
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副
総/さわだ・はつは
伺プラウド代表取締役所長。
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九 七二年、東海大学工学部建築学科卒業。
側市浦都市開発建築コンサルタンツなどを
包
コ問ωコ巳
経て、九七年、 PROUD(HVEロ
生活の基礎とします 。
5 信頼しあい感謝しあうことを、私たちの共同
4 自分たちの豊かな生活は皆に支えられてい
ることを忘れません 。
3 自分たちの環境は自分たちの手で守り育てます。
2 自介の地域を大切にします 。
自﹃分のまわりの人たちの生活を大切にします。
のことを自分の心に箸います 。
は、自分の生活を大切にします 。そのために、次
私たち﹁コーポラティブハウス柿生﹂に住むもの
*
自主塗装。
草刈り樹木勢定作業。
暮れの餅っき。
A タイプ (62n
i
)
.コーポラテイブハウス柿生の建物概要
春のお花見。
基本的住戸タイプ
断面図
夏のコーポ祭。
、
編集後記
いう第三とは、公共と民間の問、所有と
使t 総 合 研究 財 団 防 称 リ 住 総 研 一は
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で 、 住 宅 組 合 と い う 具 体 的 テl マを通し
け で は 、 あ ま り に 漠 撚 じ し て いる。そこ
実 践 、 普 及 によ って解決する こ と を 目 的
住 宅 の 総 合 的 研 究、および成果の公開、
康雄によ 北
発行 人 H 峰 政 克 義
発 行 U財 団 法 人 住 宅 総 合 研 究 財 団
等 を 発 件 、 ま た 住 に 関 す る 専 門 図書 室
、
心とし 、 ﹁住主 総 合 研 究 財 団 研 究 論 文 集 ﹂
現在は住宅に関する研究助成事業を中
て、第三の選択肢に切り込もうとじたの
そして、副産物として、もう一つのポ
として設立された財団法人であります。
ふれでいる 。 写 真 な ど が 少 な く て 見 栄 え
イントに気がついた 。 ぞれは、閉塞感の
は地味だが、それを補ってあま
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し て 、 成 果 の 一端を、市民、 実 務 者 、 研
ある時代に新しい可能性を切り拓くため
実 を い う と 、 編 集 段 階 で は 、 住 宅 組 合 ・ にはヘ 建 築 学 、 法 学 、 経 済 学 、 政 治 学 等
究者の皆様に、より広く、より手軽にご
容ではないだろうか。
干
口
川 町 東 京 都 世 田谷 区 船 橋 四 丁 目 却
21百.、 重一老孟﹂Cωoro
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TEL(03)34845381
FAX(83)3484 5 7 9A
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千 葉大学大学院教授)
服部本生 (
野城岡田也(東京大 学生産技術研究所教授)
印刷・ 製 本 日 慶 昌 堂 印 刷 株 式 会 社
制作 H 建 築 思 潮 研 究 所
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セミす月 室 等を整備、公開、 柱会 の お 役
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編集委員げ
*1署長
に立つよう、公益事業に つとめております。, 片山和俊(東京芸術大学建築科取授)*
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こ の ﹁ す ま い ろ ん ﹂ は 、 活 動 の 一環と
小 林 秀 樹 ( 千葉大学工学部教授 v
中 谷 礼 仁 (大阪市 立大学建築学科専任講師)
の異分野を横断的よ考、次る-﹄ V﹄が必要と
理解いえだくとともに、その音阿見交流の
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と い ミ テl マ は 、 古 め か じ く 可 堅 い イ ヅ
いうニとだ 。 本 特 集 に 登 場 す る 多 彩 な 筆
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場になることを願って刊行(季刊)され
l ジがあるのではと心配する声が強かっ
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くお願い申し上げます。
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ある内
である 。 そ の 意 図 は ‘ ど う や ら 成 功 し た
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外国の状況など、普段あまり昆にしない
500円
年 会
iょ う だ 。 住 宅 組 合 は 、 古 く て 新 し い テ ー
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、
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賃貸の
問、
という意味だ 。 しかし、それだ
昭和 二
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二 年、当時の清水建設社長・清水
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記喪が多いが、閉塞感のある公的住宅の
戦 後 の窮迫した住宅問題を、
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マ で あ る と と を 実 感 し た計 第 で あ る 。
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現状に希望の苑を防らすような示唆じあ
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者のコラポレ lト が 、 今 後 の 鍵 に な り そ
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W 当初の編集意図は、住宅分野に
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(米号 責 任 編 集 H小林秀樹)
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