第三回定例道議会報告 2015年10月2日 北海道議会 民主党・道民連合議員会 政 審 会 長 道 下 大 樹 第3回定例道議会は、9月8日(火)に開会、27年度道補正予算、「子ども医療費助 成の制度化を求める意見書」などを可決し、10月2日(金)に閉会した。 会派の代表質問には、道下大樹(札幌市西区)議員が立ち、知事の政治姿勢、行財政運 営、エネルギー政策、交通政策などについて質疑した。 また、一般質問には菅原和忠(札幌市厚別区)、中川浩利(岩見沢市)、藤川雅司(札 幌市中央区)、広田まゆみ(札幌市白石区)、佐々木恵美子(十勝地域)、星野高志(札 幌市東区)の6議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。 1 主な審議経過について 安倍政権は、安全保障関連法案の審議、採決を衆議院、参議院で相次ぎ強行した。会派 は、会期途中の9月15日に「安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書」、会期末の 10月2日に「9月19日未明に成立した安全保障関連法採決に抗議する決議」を提案し たが、いずれも自民・公明会派等の反対で否決された。多くの国民の反対、懸念の声を押 し切り成立した法の廃止に向けて今後も取り組んでいく。 TPP交渉、人口減少対策・地方創生関連施策、国土形成計画の前倒し改定に伴う「新 たな北海道総合開発計画」の前倒しでの見直しなど、安倍政権の未成熟な施策の連発によ って、道庁や市町村行政はその対応に追われているが、知事は、こうした施策に唯々諾々 と従うばかりで、相も変わらず、道民や市町村の意志をまとめて国にもの申す姿勢は示さ ない。 自ら閉鎖したシンガポールの道事務所を再開することを決めたり、道分の合計特殊出生 率が2030年に1.80、2040年には2.07まで上昇することを諸計画策定のベ ースにしたりと、道政の乱暴な手法も相次いでいる。 安全、安心な暮らしの基盤が揺らいでいる。少子対策といいながら、地域で子どもを産 み育てることが困難になっている。生徒の数の減少を理由に高校が地域から消えていく。 新幹線がやっとやってくるが、代償のようにローカル線での合理化が再び加速している。 地域で暮らし続けるための議論を進める。 補正予算は、道投資単独事業費48億円など一般会計61億9,100万円、特別会計 6,600万円。これで、27年度道予算は、一般会計2兆8,083億円、特別会計6, 415億円の合計3兆4,498億円となった。 26年度の道一般会計決算は、形式収支で33億5,800万円、実質収支で27億8, 500万円の黒字。地方公共団体財政健全化法に基づく健全化判断比率は、実質公債費比 率が20.8%、将来負担比率が317.4%と、なおも厳しい状況が続く。 2 採択された意見書 (◎は政審発議、○は委員会発議) ◎子ども医療費助成の制度化を求める意見書 ○「患者申出療養」の適切な運用を求める意見書 ○私学助成制度に係る財源措置の充実強化に関する意見書 ○北方領土の解決促進等に関する意見書 ※ なお、「安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書」の提案説明は、稲村久男(空 知地域)議員が行った。 -1- 3 代表質問の要旨 道下 大樹 (○は質問者発言、●は答弁者発言) 議員(札幌市西区) 1.知事の政治姿勢について (1)安倍首相の戦後70年談話について ○知事は首相談話を肯定的に捉えているのではないか。 ●多くの国民と共有できるような内容に心がけながら、慎重に作成されたと認識。 (2)安全保障関連法案について ○国民、道民の反対の意見をどう認識し、知事自身、どのように考えているのか。 ●様々な意見があると承知。国政の場で議論を尽くすことが大切。 (3)日ロ関係について ○日ロ関係の悪化と安倍首相の言動に対する所見は。 ●政府レベルでの関係強化に期待すると共に、地域レベルでも交流を進めていく。 (4)TPPについて ○知事自ら交渉が行われたハワイに乗り込んだことの成果は。 ●政府への要請やカナダ農業者との意見交換で、北海道の状況を訴えることができた。 ○交渉を巡りわが国の譲歩姿勢が伝えられる。一次産業にどう影響すると考えるか。 ●TPPは経済や生活に重大な影響が懸念されることから、関税維持を強く求めていく。 ○知事が言う必要なアクションとは、具体的には何なのか。 ●国会決議の遵守を、引き続き、国に対して強く働きかけていく。 (5)いわゆる地方創生関連施策について ○地域消費喚起・生活支援型事業は、どのような視点や過程で事業を採択したのか。 ●道外需要を獲得する事業を選定し、経済の活性化に、切れ目なく取り組むこととした。 ○生活支援「商品券」について、より公平な対応を早急に取るべきだ。 ●確実に申請し、商品券を渡すことができるよう柔軟な運用方法を直ちに検討する。 ○私立大学の定員超過に関する文部科学省の方針転換についての所見は。 ●一律に当てはめることのないよう担当大臣に申し入れた。 ○自治体が結婚支援事業を行わなければならない背景についての認識は。 ●結婚を望む人の希望が実現できる環境づくりがこれまで以上に求められている。 ○晩婚化・未婚化傾向の原因と、これまでの施策の成果への評価は。 ●様々な社会的・経済的要因があるが、これまでの取り組みでは流れは変わっていない。 ○押し付けになるとの懸念がある。事業実施によってどのような社会を目指すのか。 ●特定の価値観を押し付けることなく、安心な環境づくりを進める。 (6)各種計画のあり方について ○各種計画の前倒し見直しが、人口減少を主たる理由とすることへの見解は。 ●厳しい局面を迎えることが想定されることから、適切に対応することとした。 ○人口目標値を計画に盛り込むことへの所見は。 ●新たな総合計画の策定にあたっては将来展望を踏まえ、道民と一体となって取り組む。 2.行財政運営について (1)平成26年度決算について ○26年度決算への認識は。 ●決算額に対する黒字割合は0.1%と極めて低く、道財政は依然として厳しい。 (2)行財政改革について ○3ヶ年計画を1年延長した成果と、今後の歳入確保、歳出抑制策の方向性は。 ●一般財源総額で約210億円の増収。歳入確保や歳出の見直しの検討を進めていく。 ○団塊世代の大量退職、給与の独自縮減で、士気の低下や人材確保難の影響が出ている。 ●中長期の視点に立った計画的な組織運営を行うと共に、専門性の高い人材を育成する。 ○誰が見ても明確な道債残高目標を設定して財政運営をすべき。 ●道財政の健全化にあたって計画的に取り組むための目標設定について検討する。 ○新たな行財政計画策定に向けた基本的な方向と策定日程は。 ●今後3年間で現行水準の一般財源総額を確保するとし、11月下旬を目途に示す。 3.エネルギー政策について (1)泊原発について ○川内原発再稼働に対する所感と、山積する課題に対する政府の対応の認識は。 ●所要の手続を経て再稼働に至った。エネルギー基本計画に基づき進めている。 ○安全に対する無責任な状況の中で、知事は誰に対して安全確保を求めてきたのか。 ●国や事業者に安全対策を求めてきている。 ○再稼働に反対する民意をどう受け止めるのか。 ●不安な声など様々な意見があると承知。 ○新しいエネルギー社会の構築に向けたビジョンは。 ●原発に依存しない北海道を目指し、新エネが主要なエネルギー源になるよう取り組む。 (2)高レベル放射性廃棄物の最終処分について -2- ○研究期間の延長を示唆した研究センター長発言に対する所感と事実関係の把握は。 ●「20年程度」とする研究期間は、これまで変更されていないものと承知。 ○研究期間の延長は「受け入れることはできない」という立場を明確に示すべきだ。 ●三者協定の遵守を前提に対応していく。 (3)電源三法交付金と自治体財政について ○みなし稼働率の引き下げは、原発立地自治体の財政にどう影響するのか。 ●算定方法が明確になっていないことから、影響の評価はできない。 ○原発関連財政収入に頼る自治体財政を、どう持続的発展が可能な産業転換に導くのか。 ●交付金事業や各種施策を活用し、産業振興に向けた取り組みを促進する。 4.一次産業対策について (1)北洋サケ・マス漁業について ○漁船乗組員の仕事の確保にどう取り組むのか。 ●新たな職業に就くまでの給付金の支給、職業訓練や資格の取得の支援等を行う。 ○流し網漁業禁止に伴う影響額が、道と根室市とで何故差が生じるのか。 ●根室市は関連産業への影響も含め、道は他の漁業への影響は少ないという前提で算定。 ○国への要望スケジュールと、道としての対策の考え方は。 ●農水大臣や関係省庁に支援要請を行ったところであり、道は主導的な役割を発揮する。 (2)農協法改正について ○改正は、家族経営農業を切り捨て、農村コミュニティーの崩壊に繋がりかねない。 ●新たな制度が本道農業の実情に即し、改革プランが着実に実行されることが重要だ。 ○農協の準組合員規制には断固反対すべきだ。 ●本道農業や地域の発展に支障を来すことのないよう、必要な働きかけを行う。 ○市町村や農協と共に守ってきた農地や農村を、どう守っていくのか。 ●生産基盤の保全、農家経営の安定、農村コミュニティーの維持に取り組んでいく。 5.医療、福祉課題について (1)地域医療構想の策定について ○病床数推計は、診療提供体制の実態と受診状況の実態を的確に捉えているのか。 ●可能な範囲で妥当な推計だ。 ○行き場を失う患者が出ないことや地域の受入体制などに配慮する必要がある。 ●地域の実情を踏まえた、バランスの取れた医療提供体制の構築に取り組む。 ○自治体との一体議論の必要性と、医療介護総合確保基金の活用に対する所見は。 ●調整会議で役割を果たすとともに、基金を活用し医療提供体制の確保に努める。 (2)新・道立病院プランの改定について ○指定管理者制度の導入は、道民に不利益と負担増加を招く懸念がある。 ●安定的で持続可能な経営体制の確立には、病院経営の改革が必要。 (3)子どもの貧困対策について ○貧困率を押し上げている要因は。 ●生活困窮等の経済的要因、さらに貧困の連鎖を断ち切れないことも要因。 ○低所得者への経済支援など、国の政策・施策に対する認識と対策は。 ●様々な世帯の状況に応じた施策の充実が重要。必要な財政措置を国に要望する。 ○北海道創生総合戦略において、子どもの貧困はどう位置付けられているのか。 ●子どもの厳しい実態を踏まえ、貧困対策の推進に資する施策を盛り込んだ。 ○対策推進計画における食育の推進施策は十分ではない。 ●児童虐待防止の観点から、生活困窮家庭を早期に把握し関係部署が連携し取り組む。 6.経済、雇用施策について (1)小規模企業振興について ○あえてこの時期に、 北海道小規模企業振興条例を重ねて制定したいという狙いは何か。 ●小規模企業の事業活動の継続を促進し、持続的な地域経済の活性化を目的とする。 ○休廃業する企業の件数が増加している原因を、どう分析し施策を講じているのか。 ●後継者の不在や業績不振が大きな要因。経営改善に向けた相談対応に努めている。 ○人口減少と小規模企業数との関係について、どのような所見を持っているのか。 ●商圏が限られており、人口構造や産業構造など経済社会環境の変化を受けやすい。 ○近年、商店街からはどのような課題や要望があり、どのような政策で応えているのか。 ●買い物弱者対策や空き店舗解消等が要望され、プレミアム商品券の発行等で支援して きている。 (2)ASEANプロジェクトの推進について ○前事務所の閉鎖は失敗であり、 その反省の上で再設置に踏み切る認識で間違いないか。 ●一定の成果を得たことから閉鎖したが、近年、大きな可能性が期待されている。 ○いま何故、シンガポールへの設置なのか。 ●ヒト、モノ、カネ、情報が集まり、ASEANの中核的な役割を担っている。 (3)最低賃金について ○引き上げ答申は、円安等による物価上昇分が考慮されていないものではないか。 ●総合的に勘案し、慎重な検討の結果行った答申と受け止めている。 -3- ○賃金コスト負担増による経営への圧迫の懸念の声がある。抜本的な支援策が必要だ。 ●国に対し、企業への助成制度の拡充を要望している。 7.火山防災について (1)常時観測対象火山における避難施設の整備状況等について ○道内9つの常時観測対象火山における避難施設、災害情報伝達手段の整備状況だ。 ●火山防災協議会等連絡会を活用しながら、避難体制の充実に向けた取り組みを進める。 (2)火山噴火における災害時要援護者及び外国人の避難対策について ○要援護者と支援者の避難対策について、どのような検討と対策が行われているのか。 ●支援対策の手引きを策定するなど、地域が一体となった支援体制の整備を助言する。 ○火山地域での外国人への防災・避難対策をどう整備していくのか。 ●多言語による情報提供を行っているが、避難対応マニュアルの作成などに取り組む。 8.交通政策について (1)道とJR北海道との関わりについて ○道とJR北海道との連携、関係の現状認識、今後の対応への所見は。 ●道民の視点、地域の立場に立って適時適切な働き掛けを行っていく。 (2)道新幹線について ○本来の速度で運転できる見込み、貨物列車への影響に対する見解は。 ●新幹線効果を発揮するために、 すれ違い時減速システムの確立などを国に働き掛ける。 (3)新千歳空港の24時間運用について ○当面の運航予測と二次交通の所見は。 ●臨時便やチャーター便を中心に、利用者のニーズに応える交通アクセスの拡充を図る。 9.2026年冬季オリンピック・パラリンピックの札幌招致について (1)招致活動の進捗状況について ○連絡会議の今後の協議内容と、開催概要計画書策定の進捗状況は。 ●基本理念のコンセプトづくりに取り組んでいる。 (2)全道的な招致ネットワークの展開について ○招致活動の展開にあたり、どのような全道的ネットワークをつくるのか。 ●今後設立される招致期成会や競技団体、市町村と連携し取り組む。 10.マイナンバー制度と情報セキュリティについて (1)制度、システムへの信頼性について ○現時点においても、制度やシステムは「大丈夫」という認識なのか。 ●国の指針を踏まえ、円滑な導入に向けて適切な対応に努める。 (2)情報管理体制について ○付番開始までの個人情報流出防止には、どのような対策が有効と考え支援するのか。 ●インターネットを介しての外部通信との遮断が有効と考え、技術的助言を行っていく。 ○市町村の情報セキュリティポリシーの策定・改訂状況、自己点検、監査状況の現状は。 ●策定した177市町村のうち、改定73、監査56、自己点検76。 11.教育課題について (1)全国学力学習状況調査について ○調査の意義は。子どもにとっての意味があるのか。ポイント差の分析の意味は。 ●学力、指導方法、生活習慣を把握・分析することで、改善に役立てることを目的に、 学力や学習状況を把握・分析し、教育指導の充実や学習状況の改善に役立てる。 ○学校数や児童数が多ければ結果は公表して良いということなのか。 ●国の定めた方針を踏まえて対応していく。 ○結果公表が子ども達に与える影響は計り知れない。 ●教育上の効果や影響に十分に考慮しながら、分かりやすい公表に取り組んでいる。 ○道教委の施策のみで結果向上を目指すのは限界がきているのではないか。 ●地域の実情を踏まえ、知事部局と連携しながら、子どもの環境づくりに努める。 ○学力の向上を目指すのであれば、市町村任せではなく、道が責任を持って進めるべき。 ●国に対して必要な働き掛けを行うとともに、市町村教育委員会や学校を支援していく。 (2)高等学校配置計画について ○高等学校配置計画は見直しすべき。学びの環境、保護者への支援をどう確保するのか。 ●再編整備は、地域の実情を考慮しながら進めることが重要。生徒や保護者の負担に考 慮しながら、教育環境の充実に向けた検討を進める。 (3)北海道総合教育大綱について ○素案は総花的だ。教職員や学校関係者の声を聞き、反映する必要がある。 ●地域に出向いた際の住民の話しを参考に策定していく。 ○連携チームでは、教育の機会均等に関わる連携が優先されるべき。 ●子どもの貧困対策については、協働して検討を進めている。 12.犯罪から子供を守る取り組みについて (1)前兆事案について ○前兆事案が増加している要因は。 ●子供の安全に対する社会的関心が高まり、地域住民による通報が増加した。 -4- (2)被害防止教育について ○学校や防犯ボランティアと連携したこれまでの取り組みと、今後の方針は。 ●学校と連携し、防犯教室を通じて、参加・体験型の被害防止教育を推進していく。 (3)防犯、安全確保のネットワークづくりについて ○地域の防犯、安全確保のためのネットワークづくりについての考え方は。 ●各警察署において、事業者などと地域の実情に応じたネットワークを構築している。 <再質問> 1.知事の政治姿勢について (1)安倍首相の戦後70年談話について ○近隣アジア諸国への謝罪は終わって良いと考えるのか。 ●慎重に作成された談話であると考えている。 (2)安全保障関連法案について ○どのような状況になれば議論は尽くされると考えるのか。 ●閣議決定が示した事例であって、議論の濃淡は国政が判断すべき。 (3)日ロ関係について ○道は、日ロの政府に対して、直接、関係改善や事業の実現に向け要請すべきだ。 ●国の動きを注視し、交流事業の円滑な実施などを国に申し入れていく。 (4)TPPについて ○成果なきハワイ入りの反省を踏まえ、自ら先頭に立ち体を張って行動すべきだ。 ●関係団体と連携し、自ら先頭に立って国に強く求めていく。 2.地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金について ○ハートフル臨時支援商品券を対象者が確実に受け取れるようにする方法を市町村に奨 励すべきだ。 ●全ての対象者に、確実に申請してもらえるよう取り組む。 3.北海道結婚サポートセンター委託事業について ○この事業で道が果たす役割、事業の目的は。 ●相談支援や婚活者向けのマナー講座など、結婚を望む人のサポートに取り組む。 4.各種計画のあり方について ○合計特殊出生率が急速に好転する目標が、荒唐無稽な数字ではないという根拠は。 ●国の長期ビジョンで示された数値を基本にした。 5.行財政運営について ○今後の行財政改革に対する所見。 ●道財政の健全化に、計画的に取り組むための目標設定について検討を進める。 6.泊原発について (1)川内原発再稼働について ○大震災、原発事故を経験した国民の一人とは思えない答弁だ。 ●国において、安全性や政策上の必要性の説明を、責任を持って行うべき。 (2)安全性の確保について ○再稼働を行わないことに対する所感は。 ●審査が継続中であり、予断を持って申し上げる状況にはない。 7.高レベル放射性廃棄物の最終処分について (1)研究期間について ○計画の概要で示されている研究期間についての認識は。 ●概要では、調査段階を3段階に分け、全体で20年程度行うとされている。 (2)延長申し出の場合の対応について ○延長の協議は、開発機構が示した期間を基本に行うのか。 ●三者協定の遵守を前提に対応していく。 (3)協定に係る確認書の解釈について ○三者協定に基づき交わされた確認書の第7項についての意味は。 ●三者協定の第7条、計画の内容を変更する場合の、協議時期や目的を規定したもの。 8.農協法改正について ○北海道のリーダーとして、農村集落の維持を確実に守るべきだ。 ●地域の実態把握に努め、適時適切に必要な対応を行っていく。 9.子どもの貧困対策について ○一人の母親としても、この課題に積極的に取り組むべきである。 ●総合戦略では幅広い取り組みを盛り込んでおり、貧困対策推進計画と連携していく。 10.経済、雇用施策について (1)小規模企業振興について ○条例制定の意義と、 制定の前後で小規模企業振興に対する政策をどう変化させるのか。 ●国の施策と連携し、円滑な事業承継や創業の促進に取り組んでいく。 (2)ASEANプロジェクトの推進について ○なぜシンガポールなのか、閉鎖理由、再設置理由は。 -5- ●一定の成果を得たことから閉鎖したが、大きな可能性のある地域に発展してきた。 11.新千歳空港の24時間運用について ○二次交通の展開が確実に図られるよう、補助事業を実施すべきだ。 ●交通事業者に必要な働き掛けを行い、利用者のニーズに応える交通手段を確保する。 12.マイナンバー制度と情報セキュリティについて (1)制度、システムへの信頼性について ○制度が大丈夫と言い切れる根拠はどこにあるのか。不安や不信にどう対応するのか。 ●監視監督やセキュリティの強化など必要な対策を講ずべきものと考えている。 (2)情報管理体制について ○国家が国民の情報を何から何まで知ろうとする動きに対する知事の所感は。 ●公平・公正な社会の実現を目的としているととらえている。 13.教育課題について (1)全国学力学習状況調査について ○結果公表はすべての学校について行うべきではない。 ●市町村教育委員会の理解を得ながら、特色や取組状況を明らかにした公表を行う。 (2)北海道総合教育大綱について ○具体的な指標を基にして、丁寧に分析した上で施策に反映する必要がある。 ●地域における教育の実情の把握に努め、安心して学べる環境づくりに努める。 <再々質問> 1.安倍首相の戦後70年談話について ○アジアに向けて友好的、高く評価されるような知事自身の談話を発信すべきだ。 ●企業や団体と連携し、友好経済交流を今後とも着実に進めていく。 2.安全保障関連法案について ○法案は憲法違反か否か。手続に対する見解は。 ●様々な意見があると認識しているが、国政の場において慎重に審議を尽くすべき。 3.各種計画のあり方について ○各種計画の妥当性、信頼性に疑問がある。出生率好転を実現する手法、根拠は。 ●国の長期ビジョンで示された希望出生率の数値をもとに将来見通しを掲げた。 4.泊原発について ○安全確保に向けた所見は。 ●安全の追及に終わりはなく、不断に取り組んでいくべきと考える。 5.高レベル放射性廃棄物の最終処分について ○協定の当事者として、深地層での実験を約束通りやめるよう取り組むべきだ。 ●三者協定の遵守を前提に対応していく。 6.子どもの貧困対策について ○国の動向を待つのではなく、知事の政策展開の基本に置くべきだ。 ●貧困対策を総合的に進める必要があり、総合戦略や分野別計画において取り組む。 7.マイナンバー制度と情報セキュリティについて ○国に対して慎重な対応を求めよ。 ●法の規定や国の方針に基づき個人情報の安全管理に努める。 -6- 4 一般質問者の質疑内容 菅原 和忠 議員(札幌市厚別区) 1 人口減少問題について (1)人口減少問題に対する認識について (2)若年者の雇用確保と労働条件の改善について (3)周産期医療について (4)人口減少対策の目標設定について 2 JR北海道の課題について (1)日高線について (2)留萌線について (3)地域公共交通検討の会議体について 3 北海道インフラ長寿命化計画について (1)基本的な考え方について (2)スケジュールについて (3)新しい総合計画との関係性について 4 小規模企業の振興について (1)地方経済の状況認識について (2)小規模企業対策について (3)目標値について 5 北海道食の輸出拡大戦略について 6 喫煙、飲酒の年齢制限引き下げについて 中川 浩利 議員(岩見沢市) 1 JR路線の廃止、駅の無人化について (1)再生推進会議の提言について (2)赤字路線の存続要請について (3)JR北海道による関係地域への説明等の対応について 2 防災対策について (1)避難場所について (2)物資の備蓄について (3)避難行動要支援者名簿について 3 政府機関の地方移転について (1)政府機関の地方移転に関する道の提案概要について (2)誘致による効果等について (3)誘致決定までのプロセスについて (4)誘致成功に向けた知事の決意について (5)札幌の持つ機能の地域移転について 4 子どもの貧困対策について (1)子どもの貧困解消に向けた体制づくりについて (2)給付型奨学金の拡充・強化について 5 教職員の多忙化解消について (1)教職員の多忙化の現状等について (2)教職員の勤務時間の管理等について 6 通学路の安全対策について (1)通学路における交通安全対策等について (2)通学路の安全確保について 藤川 雅司 議員(札幌市中央区) 1 森林づくりを担う人材の育成について (1)森林整備担い手対策の取り組みについて (2)今後の林業担い手確保の推進について 2 北海道100年記念施設について 3 主権者教育について 広田 まゆみ 議員(札幌市白石区) 1 知床世界自然遺産の保全と活用のあり方について (1)知床世界自然遺産10年の意義と課題について (2)知床エコツーリズム戦略について 2 北方領土隣接地域振興のあり方について (1)社会資本から文化資本の充実強化について (2)脱化石燃料基地としての隣接地域の振興について 3 再生可能エネルギー促進のための法制度整備等について -7- (1)再生可能エネルギー導入の目的等について (2)固定価格買取制度に対する対応と新たな制度整備について ア)太陽光発電の現状と課題について イ)小水力発電について (3)風力発電導入における課題と道の果たすべき役割について 4 スポーツ振興政策の新たな展開について (1)スポーツ行政の現状について (2)スポーツ振興政策の推進組織について 佐々木 恵美子 議員(十勝地域) 1 地域生活を支援する助成制度について (1)障がい者地域生活支援事業について (2)私立小中学校に対する支援について (3)地域づくり総合交付金について (4)地域や住民に密着した政策展開について 2 帰国子女に関する教育について (1)帰国子女の人数等について (2)帰国子女の受入にかかわる課題と学校の取り組みについて (3)帰国子女の経験を生かした国際理解教育について (4)私立学校に対する支援について (5)今後の取り組みについて 星野 高志 議員(札幌市東区) 1 観光振興について (1)観光消費額について (2)観光客の旅行形態の変化への対応について (3)道外観光客の誘致に向けた取り組みについて (4)縄文文化の発信について (5)アイヌ文化の発信について (6)観光税導入について 2 道産食品の輸出と移出について (1)道産食品の輸出と国内移出額について (2)移出支援について (3)どさんこプラザについて 3 科学技術振興について (1)道総研の第2期中期計画に向けた取り組み等について (2)道総研との連携について (3)直流送電と交流送電に関わる国内外の動きについて (4)道の省エネ政策への直流送電の位置づけについて (5)直流送電に係る研究開発について 4 道庁周辺整備について (1)道庁本庁舎周辺地区の整備について (2)道庁周辺における公園整備について (3)道庁エリアへの新エネルギーの導入について 5 エネルギー問題について (1)再生可能エネルギー等の導入について ア)太陽光発電に関わる情報提供について イ)荒廃農地の活用について ウ)ワンストップの説明体制について (2)洋上風力発電について ア)洋上風力発電に対する知事の認識について イ)国の実証試験の誘致について ウ)離島における導入効果について エ)地場産業のビジネスチャンスについて (3)水素発電について ア)水素社会の未来像について イ)水素発電の位置づけについて ウ)道有施設への再生可能エネルギーの導入について (4)知事の政治姿勢について -8- 5 委員会等における主な質疑 (1)常任委員会・特別委員会 ○総務委員会では藤川雅司(札幌市中央区)議員が10月1日に防災情報システムの不具 合について質疑。 ○総合政策委員会では池端英昭(石狩地域)議員が8月4日に新北海道ビジョン推進方針 案について、9月7日に北海道過疎地域自立促進方針等の策定について、道下大樹(札 幌市西区)議員が8月4日にTPPをめぐる状況等について質疑。 ○保健福祉委員会では中川浩利(岩見沢市)議員が8月4日に地域医療構想の策定につい て、9月1日に日本脳炎ワクチンの定期予防接種について質疑。 ○経済委員会では松山丈史(札幌市豊平区)議員が9月1日に円安の道内経済への具体的 影響について質疑。 ○水産林務委員会では広田まゆみ(札幌市白石区)議員が8月4日に北海道の水産業の強 みと課題について、道産食品の輸出拡大などについて、9月1日に木育について、カー ボンオフセットなどを活用した森林の再生について、地材地消について質疑。 ○文教委員会では川澄宗之介(小樽市)議員が8月4日に土曜授業推進事業について、9 月1日に27年度全国学力学習状況調査について、食に関する指導の実施状況について、 9月7日に校務支援システムについて、10月1日に高校配置計画指針の成果と課題の 検証及び高校のあり方について、佐々木恵美子(十勝地域)議員が9月7日に私立学校 管理運営費補助金について、10月1日に特別支援学校児童生徒の通学について質疑。 ○産炭地域振興・エネルギー問題調査特別委員会では星野高志(札幌市東区)議員が8月 5日に26年度の省エネ・新エネ関連施策の取り組み状況について、10月1日に道庁 本庁舎への新エネの導入等について質疑。 ○北方領土対策特別委員会では橋本豊行(釧路市)議員が9月2日にサケ・マス流し網漁 業禁止に伴う対応について、北口雄幸(上川地域)議員が9月7日に北方墓参の円滑な 実施に関する要請について質疑。 ○新幹線・総合交通体系対策特別委員会では菅原和忠(札幌市厚別区)議員が9月2日に 新千歳空港における24時間運用について、道内における小型航空機の安全対策につい て質疑。 ○人口減少問題・地方分権改革等調査特別委員会では小岩均(北広島市)議員が9月7日 に道内市町村の人口ビジョン総合戦略の策定状況について、10月1日に北海道創生総 合戦略原案について質疑。 ○少子・高齢社会対策特別委員会では畠山みのり(札幌市南区)議員が8月5日に北海道 子どもの貧困対策推進計画策定に係る基本的な考え方について、9月2日に26年度道 の児童相談所における児童虐待相談対応及び被措置児童等虐待の状況について、10月 1日に北海道子どもの貧困対策推進計画素案での指標及び目標値設置について質疑。 (2)第3回定例会予算特別委員会 第3回定例会予算特別委員会は、9月25日~30日に開かれ、第1分科会で川澄宗之 介(小樽市)議員が生活困窮者自立支援制度および子どもの貧困解消にかかわる施策につ いて、北海道総合計画等北海道の将来像に対する児童生徒への学習・意見表明の機会の必 要性について、グローバル人材育成プログラムについて、泊原発避難計画等について、沖 田清志(苫小牧市)議員が個人情報の管理について、梶谷大志(札幌市清田区)議員が地 域医療構想について、道立病院について、TPPについて、創生総合戦略について、地域 交通ネットワークについて、行財政改革について、消防防災・救急救命について、第2分 科会(市橋修治委員長)で池端英昭(石狩地域)議員が豪雨災害対策について、道民の森 活用方針について、農業生産基盤整備について、小規模企業振興条例について、産業人材 育成事業について、高校配置計画について、公立中学校夜間学級について、松山丈史(札 幌市豊平区)議員が建築基準法に基づく定期報告対象建築物の誤認について、道路の空間 活用について、自転車の通行環境の整備について、木質バイオマスの利用について、AS EAN経済交流支援拠点について、食の輸出拡大戦略について、小岩均(北広島市)議員 が水産物の輸出について、農畜産物の輸出について、農地転用と荒廃農地について、女性 の就労対策について、子どもの学力について質疑した。 総括質疑では、松山議員が行財政改革について、創生総合戦略について、地域交通ネッ トワークについて、消防防災・救急救命について、TPPについて、農業生産基盤整備に ついて、個人情報の管理について、ASEAN経済交流支援拠点について、食の輸出拡大 戦略について、北海道総合計画等北海道の将来像に対する児童生徒への学習・意見表明の 機会の必要性について、グローバル人材育成プログラムについて、生活困窮者自立支援制 度および子どもの貧困解消にかかわる施策について、地域医療構想について質した。 <附帯意見> 1.人口減少問題への対応は、現に本道に住む道民と将来本道に住むことになる人たちに とって、待ったなしの取り組みであり、本道の将来を確実なものとする取り組みである。 -9- 北海道創生総合戦略は、これまでの経済重視の考え方から生活を重視する考え方に転換 を図り、本道の人口減少問題に対して、道が市町村とともに取り組むことによって、誰 もが住みたい、住み続けたいと思える北海道を築くための指針とすべきである・ 1.本道経済の活性化のためには、北海道人気が高く、急速に成長するASEANの成長 力を取り込む必要がある。道が設置するASEAN経済交流拠点については、これまで の取り組みを精査した上で、道内市町村及び企業等が積極的な海外展開に取り組むこと ができるよう、国及び現地法人との密接な連携のもと、迅速かつ正確な情報提供と相談 支援機能の充実に取り組むべきである。 1.関東・東北豪雨では、避難勧告の遅れや自治体間の連携不足があったとされており、 本道において、道民の安全確保に当たって遺漏のないよう、避難対策の万全化が求めら れている。近年、集中豪雨など自然災害が頻発している中、避難対策について総点検を 行い、市町村、国など関係機関との密接な連携のもと、災害時における道民の安全確保 に取り組むべきである。 1.道は、JR北海道に対し、赤字路線の廃止、駅の廃止、有人駅の無人駅化など事業見 直しについて、道民はもとより、沿線自治体や住民の意見を十分に受け止め、安易な路 線廃止などを行わないよう強く求めるべきである。また、JR日高線の早急な運行再開 と、道内の全路線における安全運行体制を早期に構築するよう、JR北海道及び国に対 して強く求めるべきである。 - 10 -
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