BrothMIC MTB 法で「RFP 判定保留」となった M. tuberculosis complex での rpoB 遺伝 子変異:フィノス LiPA・Rif TB との比較解析 ○潮平 知佳 1), Bhusal Yogesi1), 山根 誠久 1), 仲宗根 勇 2) 1)琉球大学医学部臨床検 査医学分野、2)琉球大学医学部附属病院検査部細菌検査室 Mycobacterium tuberculosis complex を検査対象とし, 微量液体希釈法から最小発育阻 止濃度 (minimum inhibitory concentration: MIC) を定量する Broth MIC MTB (極東製薬 工業, 東京) は, 7~10 日間の培養で菌株の感性・耐性を判定する薬剤感受性試験である。 試験対象とする 8 薬剤の内, rifampicin (RFP) は結核治療薬の第一選択薬剤として重要な 位置を占めるが, 多剤耐性結核菌においてその耐性化が問題となっている。これまでに得ら れた成績から, RFP の MIC 分布は, ほとんどの菌株が測定濃度域の下限, 0.03 μg/ml 以 下の感性菌群と, 上限の 32 μg/ml を超える耐性菌群に明確に区分されている。そのため, 0.06~2.0 μg/ml の広い濃度域の MIC 値が「判定保留 (indeterminate)」として残され ている。この「判定保留」に区分される菌株の数は極めて少数に限定されるが, RFP 感受性 に関与する rpoB 遺伝子上の変異の有無については未だ詳細には検討されていない。今回 我々は, この「判定保留」に区分された臨床材料由来の M. tuberculosis complex を収集し, 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子同定検査法として市販された line probe assay を原理 とするフィノス LiPA・Rif TB (Innogenetics N.V., Zwijnaarde, Belgium) での検査結果と 比較検討すると同時に, rpoB の易変異領域の塩基配列を決定し, rpoB 変異の有無を併せて 解析したので報告する。
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