イオン化カルシウム・イオン電極 - 一般社団法人 検査医学標準物質機構

イオン化カルシウム・イオン電極
臨床検査では総カルシウムが測定されていますが、これはイオン化カルシウムと
結合型カルシウムの総和です。 イオン化カルシウムと総カルシウムの濃度をそ
れぞれ求めることにより、結合型とイオン型(遊離型)のバランスに異常がある
か否かがわかります。 これが不均衛になると健康上重大な疾患の兆候とも言
われています。
総カルシウムは、色素法の他に酵素法が開発されており、一方イオン化カル
シウムはイオン電極法により求めることができます。
その正確さについては IFCC の血液ガス・イオン電極標準化委員会で標準化
が行われてきました。 この委員会ではイオン電極からなる標準セルを正確な
値を得る中核に位置付けています。 しかし、それを現在、維持している研究
機関はありません。
ReCCS でも、かつては、この標準セル(reference cell)を保有していました,
が現在は専門技術者がいないため、イオン化カルシウム標準品は長期間欠品
となっていました。
イオン化カルシウム、イオン化マグネシウムの標準品への要望は根強くあり、当
機構では、イオン化カルシウム、干渉イオン、アルブミン等の濃度認知の調合血
清を調製し、そのイオン化カルシウム、イオン化マグネシウムを測定する方法の
開発により、iCa, iMg 標準品の実用化に成功しました。
ica, iMg は種々のパラメータを入力することにより、計算でも求めることが可能
です。しかし、これには極めて難しい計算を踏まねばなりません。 総カルシウム
濃度認知の調合血清をイオン電極を用いて測定することにより標準血清中の
iCa, iMg を数分で求めることができます。 このような原理のもとに、イオン化カ
ルシウム、イオン化マグネシウムの値を記載した電解質標準物質 JCCRM
321-7 の説明書を添付します。