ダウンロード

塩見クリニックニュース
2015 年 7 月
70 号
塩見クリニック
塩見精朗
高知市六泉寺町 87-5
℡088-805-0002
肝臓は栄養分を作って貯めたり、有害物質を分解
したり、消化液(胆汁)を作ったりと、非常に重要
な臓器です。肝臓病の原因としては、ウイルス、ア
ルコール、肥満があり、他に薬剤や自己免疫が原因
のこともあります。肝臓は「沈黙の臓器」といわれ
ることもあり、症状が現れにくく、健診(人間ドッ
グ)などで肝機能の異常を指摘され病院にかかる場
合が多いですが、自覚症状としては、からだがだるい、疲れやすい、食欲がない、む
かむかする、熱っぽいなどの一見ありふれた症状です。なかにはからだが黄色くなる(黄
疸)
、痒い、尿が濃い、便が白いなどの症状で受診される人もいます。
ウイルスによる肝臓病として多いのは、B型肝炎、C型肝炎で、肝がん(肺がん、胃が
んに次いでがん死亡の第 3 位)の原因の約 80%がC型肝炎といわれています。ウイルス性
肝炎は治療が難しくインターフェロン注射などを使いますが、今年飲み薬の新薬が出て患
者さんによっては効果が期待されています。アルコールや肥満
が原因となる肝臓の病気に「脂肪肝」があります。脂肪肝を放
置しておくと、肝硬変から肝がんに進行することがありますの
で気軽に考えてはいけません。アルコール性肝硬変は有名です
が、肥満が原因の「非アルコール性脂肪性肝炎」という病気が
増えています。肝臓の異常が疑われる場合、超音波(エコー)
検査で簡便に検査が可能です。
梅雨が明けると夏本番です。7 月は
熱中症のピークをむかえます。高齢者は屋内で、小児は車内で、屋外労働者や運動
選手は炎天下で発症の危険があります。水分、塩分を適度に摂り、屋内・車内では
換気や、扇風機やエアコンを上手に使用し、体温
が上がらないようにこまめに休息を取ることも
大切です。
特に高齢者が熱中症にかかりやすいので注意
が必要です。発汗による体液の減少に加え、水分
摂取不足による脱水症も危険です。脳梗塞の患者数も増加するといわれて
います。熱中症でなくても、食欲が落ちたり、睡眠不足で体力が低下しや
すい季節で
す。夏風邪で
熱を出した
り、お腹を壊
して嘔吐下
痢になると、
急速な脱水
症になりま
すので点滴
をするなど
の早めの対
策が重要で
す。
7 月 20 日(月)海の日で休診です。8 月 15 日(土)臨時休診させていただきます。