バリューチェーンにおける社会的責任の推進

マツダのCSR
お客さま満足
環境保全
社会貢献
マネジメント
人間尊重
バリューチェーンにおける社会的責任の推進
■ サプライヤー(購買取引先 )への取り組み
購買基本理念
国内・海外のサプライヤーとの共存・共栄を目指し、幅広い取り組みを行っています。
購買基本理念の下に国内・海外のサプライヤーに門戸を開き、
公正・公平な取引に努めています。
また、持続可能な社会づくりのためにサプライヤーと一体となったCSRの推進に取り組んでいま
す。サプライヤーとの取引にあたっては、品質、技術力、価格、納期、経営内容に加えて、
コンプラ
イアンス体制、環境保全への取り組みなどを評価基準に、総合的に判断しています。
購買基本理念に基づいた取り組み
■
国籍・企業規模、取引実績の有無によらず、世界の企業に広く取引の参入機会を提供
■
お取引の申し入れに対して、社内の サプライヤー評価基準に沿った公平・公正な診断
およびビジネスの可否に関する判断
■
サプライヤーに対して、
「マツダサプライヤーCSRガイドライン」および「マツダグリーン
調達ガイドライン」
( P57参照 )
の順守を要請
共存・共栄の精神に則り、相互に研究と創造及び
競争力の強化に努め、
オープンでフェアな取引関
係を構築することにより長期安定的な成長を図り、
もって社会、経済の発展に寄与する
(1994年 )
。
サプライヤー
(2015年3月31日現在 )
自動車部品
533社
資材(素材 )
など
152社
設備・要具
410社
合計
1,095社
購買協力会組織*(2015年3月31日現在 )
部品サプライヤー
<具体的な取り組み例>
資材サプライヤー
(原材料・装置・金型など)
■
サプライヤー全社に対して
「労働関係法令遵守のお願い」
を通知(2005年1月 )
■
経済産業省主導で策定された「自動車産業適正取引ガイドライン」
に基づく説明会を社
洋光会
171社
洋進会
81社
*サプライヤーとの関係強化や共存・共栄を目指して、
マツダと一定
の取引のあるサプライヤーによって構成された自主運営組織。
内およびサプライヤーに対し実施(2008年 )
「購買適正取引の推進マニュアル」
策定による購買取引行動指針の明確化(2008年 )
■
■
サプライヤーの継続的な啓発のため、関連資料をサプライヤー専用アクセスサイトに
掲載(2011年8月〜)
掲載事例 :「購買取引における行動指針」
「 問題取引となる要因とその対応」
「 問題視さ
れやすい取引行為類型ごとの具体的対処方針」
など
■ サプライヤーCSRガイドライン
と
a 「マツダサプライヤーCSRガイドライン」
サプライヤーのCSR活動を促進するため、2010年7月に、
(社 )日本自動車工業会のCSRガイド
「マツダグリーン調達ガイドライン」
http://www2.mazda.com/ja/csr/csr_vision/distributor/
ラインを参考に、
「マツダサプライヤーCSRガイドライン」を作成しました。
「マツダサプライヤー
CSRガイドライン」では、世界中の地域における法令順守と共に児童労働および強制労働の禁
止をはじめとする人間尊重、環境保全、情報開示など6つの分野で要求事項を規定し、全てのサ
プライヤーにガイドラインの順守を要請しています。
2013年7月の改訂では、紛争鉱物※1など、社会的問題の原因となる原材料の不使用について
マツダの考え方を明記しサプライヤーにその順守を要請しました。環境保全領域について
は「マツダグリーン調達ガイドライン」を別途作成し、サプライヤーに対してその順守を要請し
ています。
a
※1「紛争鉱物等、社会的問題の原因となりうる原材料」
:
(例 )米国
金融規制改革法(第1502条 )
で規定された、コンゴ民主共和国
およびその周辺国産の紛争地域において、武装集団の資金源と
される鉱物およびその派生物(タンタル、錫、タングステン、金が
規制対象 )
。
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■ サプライヤーへのアンケート・調査
マネジメント
b 「サプライヤーCSRアンケート」結果
CSR取り組み状況を把握・評価できる体制を目指し、サプライヤーへのアンケートや調査を実施
しています。
CSRアンケート
対象:地場サプライヤー52社
・回答企業の約7割がCSR教育を実施している
2014年度 ことを確認。
・回答企業の約6割が紛争鉱物の対象有無を
「確認済み」
であることを確認。
サプライヤーのCSR取り組みについて網羅的に把握するために実施しています。2013年
度より開始し、
2014年度はマツダへの取引割合が大きい地場サプライヤー52社へアンケー
トを実施しました。
b
紛争鉱物調査
紛争鉱物の利用状況は優先的かつ詳細に状況を把握すべき項目と考え、別途調査を実施し
ています。2014年度はマツダおよびメキシコの生産拠点「マツダデメヒコビークルオペレー
ション」(MMVO)
との取引がある サプライヤー84社を対象に、紛争鉱物調査についての説
明会を開催し使用状況についてパイロット調査を実施しました。
■ サプライヤーの評価体制
サプライヤーの評価項目
新規取引を開始するサプライヤーに対しては、関係部門が連携して製造現場や管理の仕組み、
経営状況、CSR取り組み、技術・開発力などを確認し、マツダグループの調達・選定方針に即し
ているかを評価しています。
継続取引を行うサプライヤーに対して、調達する物品やサービスの品質、価格、納入順守状況を
基準とした評価に加え、
品質管理体制、
開発体制や技術力など取引全体の総合的な評価を実施
しています。特に品質管理体制については、日々納入される製品の品質や自主監査結果の報告
新規取引開始時:
品質管理体制、開発体制や技術力、経営状況、
生産納入能力。
取引継続中の評価:
品質管理体制、開発体制や技術力、経営状況、
生産納入能力、調達する物品・サービスの品質、
価格、納入状況など、マツダサプライヤーCSR
ガイドラインの項目(P113参照 )
。
を受け、改善が必要なサプライヤーには、国内・海外を問わず現場現物で確認する監査を実施す
ることで継続的な把握・評価・改善指導が行える体制をとっています。
また、
より良い取引関係を構築していくため、年1回サプライヤーを品質・価格・納期順守状況
などの基準で総合的に評価し
(2014年 : 235社 )
、
その結果をサプライヤーに伝えると同時に、
優れたサプライヤーを表彰しています。特別賞として環境性能に大きく影響する軽量化につい
て優れた提案を行ったサプライヤーに対する表彰を行うなど、CSR視点による評価も取り入れ
ています。
■ サプライチェーンにおける事業継続(BCP)対応
リスクに備え、
事業の中断が社会に甚大な影響をおよぼすことのないよう事業継続計画(BCP)
の拡充に取り組んでいます。被災した際の対応手順については、
「サプライヤー被害時の危機
管理要領」
としてまとめ、対応体制、初動対応などについてサプライヤーと共有化しています。
大規模な災害を想定し、個々のサプライヤーで代替可能性、立地状況、事業継続の対策有無な
どの視点でリスクの抽出を行いました。そのリスクを共有化し、対応策の検討を始めています。
人命を最優先に置いた上で、
早期復旧を可能とするため、
引き続きBCPの拡充を進めていきます。
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■ サプライヤーとのコミュニケーション
マネジメント
c 購買連絡会での講演「マツダにおけるCSR
共存・共栄と高品質なクルマづくりのために、
マツダグループは全てのサプライヤーを重要なビ
取り組みについて」
(2014年9月 )
ジネスパートナーととらえ、
中長期的な経営戦略や、
販売・生産に関する情報の早期提供に努め、
定期的に情報交換を行っています。
c
※1
また、
サプライヤーによって自主運営されている、購買協力会組織(P113参照 )
とも密に連
携しコミュニケーションを行っています。
一例として、
会員会社同士が相互に会社訪問し、
優れた事例を共有できるよう、
分科会活動を行っ
ています。2014年度は124社が合計で58回の活動を行いました。
サプライヤーとの主なコミュニケーションの機会
参加対象
頻度
目的・内容
経営者懇談会
主要サプライヤーの
経営層
年1回
・マツダの代表取締役社長がマツダの現状・課題・方針を説明、購買本部長が
購買方針を説明し、
マツダへの理解促進と同時に、協力を求めている。
・相互の親睦を深める。
業務連絡会
主要サプライヤーの
実務責任者
年1回
・サプライヤーの実務責任者に経営者懇談会での購買本部長の説明内容に基
づき、具体的な購買方針を説明することで、マツダへの理解促進を図り、
その
内容を業務に役立てている。
購買連絡会
主要サプライヤーの
実務担当者
月1回
・サプライヤーの実務担当者向けに、
日常業務をより円滑に行っていただくため、
サプライヤーとマツダの日常業務に関わるトピックス
(CSRを含む)
、生産・販売
状況、購入品の品質状況、新規開発車種のパイロット工事日程や新車量産化
移行日程などの情報提供を行っている。
随時
・新技術・研究を紹介する
「マツダ技報」を利用してさまざまなコミュニケーショ
ンに努めている。
その他
ー
■ その他サプライヤー支援策
1. ミルクランシステムへの変更:部品の納入方式を、
従来の各サプライヤーが配送する方式から、
マツダが集配する方式(ミルクランシステム)
(P72参照 )
に変更。
このシステムにより、物流に関する業務削減と共に、環境負荷低減にも貢献。
2. PL保険(部品の製造物責任リスクを軽減 )
の共同加入制度の案内。
3. 社外で開催される最新技術やモノづくりについての展示会や大会の案内。
4.物流パレットや容器の適正返却について、物流部門と共同で取り組み。
■ 公正な取引を徹底するための社内教育
公正・公平な取引のため、
マツダの購買調達業務担当者に対して以下のような教育を実施して
います。
(財 )
全国中小企業取引振興協会主催の下請取引改善講習会の受講
■
■
下請法の理解度テストの実施
■
財務統制教育の実施
■
イントラネット内の購買本部ホームページに適正取引に関するガイドやプロセス・ルールを
掲載
※1 洋光会加盟企業:部品系サプライヤー171社、洋進会加盟企
業:資材系サプライヤー81社。
洋光会、洋進会会員企業からの調達額はマツダの全調達額の
約9割を占めます。
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