今回の県学会発表は、PT になって20年以上の私にとって、初めての研究発表でした。 PT になって歳だけは取っていくものの、学会発表や研究と呼ばれるものは全く経験がなく、学会に参加 しても演者の発表している姿を、(すごいなあ。立派だなあ。私にはできないなあ。)と羨ましい思いで見 ていました。 ゆまにて に入ってくる研究・開発支援部会の『リサーチミーティング』の案内をたびた び見ても、(ここに参加すれば、研究の仕方を教えてくれるのかな。でも私には遠い世界だなあ。)と、少 しの 研究してみたい気持ち と沢山の 無理だろうな と思っていました。 1年前までそう思っていた私ですが、昨年の磐田病院で行われた中東遠支部ミーティングで西田先生 と同じグループになりました。先生のことは、研修会で講義を受けたり、学会でお見かけしていたりは しましたが、話をしたことはなく緊張しながらグループワークが始まるのを待っていました。その時の 頭の中は、(あ、西田先生だ。リサーチミーティングのこと、訊いてみようかな。でもな、どうしようか な。)との思いがグルグル回っていました。でも、(ここで同じグループになったのも、何かの縁だ。今声 をかけなかったら、絶対に声をかけられない。)と勝手に思い、恐る恐る「私も参加させていただくこと はできますか。」と声をかけてみました。すると、私のことをまったく知らないにも関わらず、先生から、 思いがけないウエルカムの言葉をいただきました。声をかける前にとても緊張していた分、あまりの返 事の軽調さに(えっ、いいの?)と拍子抜けさえしたほどです。ともあれ、そのような経緯で、リサーチミ ーティングに参加させていただくことにしました。 そこから、私にとって激動の一年が始まりました。 1回めのミーティングで、早くも(私はここにいていいのか?)と不安になりました。 その後も、何がなんだかわからない、わからないところがわからない状態の中で、なんとか次のミーテ ィングまでの課題をこなし、当日沢山の指導を受け、帰りはあまりの難しさにため息をつき、ミーティ ング仲間に愚痴をこぼしながらの車中でした。 そのような私を、担当指導者である重森先生は、本当に親身に根気強く指導してくださいました。漠 然とした質問にも具体的に答えてくださり、大学に伺った際も夜遅くまで指導してくださいました。な によりもいつもにこやかに指導してくださり、質問メールには つでも連絡をください 何かわからないことがありましたらい と必ず一言添えてくださいました。先生の励ましがとても温かく、ここまでこ れた原動力になりました。 当日は、西田先生の あとはもう楽しんでください の言葉を胸に、部屋の後ろで見守ってくださっ ている水池先生・金原先生の温かい視線を感じながら発表していました。思いがけず優秀賞をいただく ことができ、一緒に喜んでくれている仲間が本当にありがたかったです。 今回、リサーチミーティングで指導をしてくださった先生方はじめ、一緒に参加し励ましあった仲間、 アンケートに協力していただいた患者様、そして、忙しい業務の中、手間のかかるアンケートの手配を してくれ、折に触れ意見をくださった同僚のみなさんに、心より感謝しております。 皆様に感謝を述べたいと共に、もし、私のように、 研究したくてもやり方がわからない。 やりたく ても自信がない と思っていらっしゃる方が、この文を読んで、 自分にもできる と思っていただけた ら幸いです。 私自身、今回をゴールにせずスタートにしていきたいと思っています。 森岡リハビリ整形外科 秋山陽子
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