信越化学工業株式会社 セルロース部 15 改正第 1 追補関連 001 2008 年 1 月 第15改正 日本薬局方 第一追補改正内容に関して 「ヒプロメロースフタル酸エステル」 -変更事項に関して- 「ヒプロメロースフタル酸エステル」は、第15改正第一追補日本薬局方において,国際調和案 に従い,規格試験方法の一部が変更となります.以下に変更点を簡略化して一覧表にまとめま した. 表中の記載は簡略化したもので,詳細は各条をご確認下さい. ○ヒプロメロースフタル酸エステル(ポイントとなる変更点を赤字で示しました) 項目 日本名 化学名 JP15 JP15 supplement 1 ヒプロメロースフタル酸エステル注 1 Hydroxypropylmethylcellulose benzene-1,2-dicarboxylate ヒプロメロースフタル酸エステル (削除) 序文 含量規定 表示規定 本品はヒプロメロースのモノフタル酸エステル である. 本品はメトキシ基(-OCH3:31.03),ヒドロキシプ ロポキシ基(-OC3H6OH:75.09)及びカルボキ シ ベ ン ゾ イ ル 基 (-COC6H4COOH:149.12) を 含む. 本品には 200731 及び 220824 の置換度タイ プがあり,それぞれ定量するとき,換算した脱 水物に対して,以下の表に示すカルボキシベ ンゾイル基を含む. 置換度タイプ カルボキシベンゾイル基(%) 下限 上限 200731 27.0 35.0 220824 21.0 27.0 本品はその置換度タイプを表示すると共に, その動粘度を平方ミリメートル毎秒(mm2/s)の 単位で表示する. 本医薬品各条は,三薬局方での調和事項に 基づき規定した医薬品各条である. なお,三薬局方で調和されていない部分は「 ◆ ◆」で囲むことにより示す. 本品はヒプロメロースのモノフタル酸エステル である. 本品はメトキシ基(-OCH3:31.03),ヒドロキシプ ロポキシ基(-OCH2CHOHCH3:75.09)及びカ ルボキシベンゾイル基(-COC6H4COOH: 149.12)を含む. 本品は定量するとき,換算した脱水物に対し て,カルボキシベンゾイル基 21.0~35.0% を 含む. ◆ 本品はその置換度タイプを表示すると共 に,その粘度をミリパスカル秒(mPa·s)の単位 で表示する. 置換度タイプ カルボキシベンゾイル基(%) 下限 上限 200731 27.0 35.0 220824 21.0 27.0 ◆ 性状 確認試験 粘度 純度試験 水分 強熱残分 定量法 貯法 本品は白色の粉末又は粒で,におい及び味 はない. 本品は水,アセトニトリル,エタノール(99.5) 又はヘキサンにほとんど溶けない. 本品はメタノール/ジクロロメタン混液(1 : 1) 又はエタノール(99.5)/アセトン混液(1 : 1)を 加えるとき,粘稠性のある液となる. 本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける. 本品を赤外吸収スペクトル測定法<2.25>の臭 化カリウム錠剤法により試験を行い,本品のス ペクトルと本品の参照スペクトル又はヒプロメ ロースフタル酸エステル標準品のスペクトルを 比較するとき,両者のスペクトルは同一波数 のところに同様の強度の吸収を認める. 粘度測定法第 1 法 10% メタノール/ジクロロメタン混液(1 : 1), 20℃,ウベローデ粘度計 表示粘度の 80~120% ◆ 本品は白色の粉末又は粒である. 本品は水,アセトニトリル,又はエタノール (99.5)にほとんど溶けない. 本品はメタノール/ジクロロメタン混液(1 : 1) 又はエタノール(99.5)/アセトン混液(1 : 1)を 加えるとき,粘稠性のある液となる. 本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける.◆ 注 2 ◆ 本品を赤外吸収スペクトル測定法<2.25>の 臭化カリウム錠剤法により試験を行い,本品 のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較す るとき,両者のスペクトルは同一波数のところ に同様の強度の吸収を認める.◆ 注 2 粘度測定法第 1 法 10% メタノール/ジクロロメタン混液(1 : 1), 20±0.1℃,ウベローデ粘度計 表示粘度の 80~120% (粘度単位の変更に伴い密度を乗する)注 3 (1) 塩化物 (1) 塩化物 ◆ (2) 重金属(第 2 法) <10 ppm 以下> (2) 重金属(第 2 法) <10 ppm以下>◆ (3) フタル酸 (3) フタル酸 液体クロマトグラフィー<2.01> 液体クロマトグラフィー<2.01> 移動相:移動相: 0.1 % mol/L シアン酢酸/ア 移動相: 0.1 % トリフルオロ酢酸/アセトニトリ セトニトリル混液(17:3) ル混液(9:1) システム適合性 ◆ システムの性能: 標準溶液 10 µLにつき, 上記条件で操作するとき,フタル酸のピーク の理論段数及びシンメトリー係数は,それぞ れ 2500 段以上,1.5 以下である.◆ 試験の再現性:上記の条件で標準溶液につ システムの再現性:標準溶液 10 µL につき, き,試験を 6 回繰り返すとき,フタル酸のピー 上記条件で試験を 6 回繰り返すとき,フタ ク面積の相対標準偏差は 1.0 % 以下である. ル酸のピーク面積の相対標準偏差は 1.0 % 以下である. 1 g, 直接滴定: 5.0% 以下 1 g, 直接滴定: 5.0% 以下 1 g, 600℃: 0.2% 以下 1 g, 600℃: 0.2% 以下 滴定法 滴定法 気密容器 気密容器 注 1: JP14 までは,ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート. 注 2: 性状,確認試験は項目自体が非調和事項に該当します. 注 3: 粘度測定に供するヒプロメロースフタル酸エステルの 10%溶液の密度は約 1.02 g/cm3であり,実質上, 単位の変更のみで,ロット毎の密度の測定は省略可能です.(省略する場合には,実績値データが必要で す) 2
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