大古小学校・大柿中学校・柿浦小学校が 合同で研修を進めています。

道徳通信
江田島市立大古小学校
平成 27 年度 10 月号
文責:江川真由美
◆今学期も,大古小学校・大柿中学校・柿浦小学校が
合同で研修を進めています。◆
10月になり,MIKAN マラソン,学習発表会と,盛りだくさんの行事が待っています
が,子どもたちは,毎日がんばっています。
さて,今回の道徳通信「ひだまり」では,大柿中学校区3校が合同で進めている道徳教
育について,ご紹介したいと思います。簡単にまとめると,「全ての児童生徒に“出番”
を与える」授業です。一人ひとりの児童生徒が,自分の考え方,感じ方をもって(自己決
定),それをみんなの前に表す(自己存在感)。そして,児童生徒は互いにそれぞれの相
手を受容していく(共感的人間関係)。これを授業の中でめざしていきます。
大柿中学校では,これに加えて,発問の工夫や話合いの工夫をすることで,様々な考え
や思いを認め,共感し,自己の生き方に照らし合わせる授業づくりを進めています。
9月29日には,大柿中学校2年生のクラスで,尾上教諭の授業研究を通して,大古
小学校・柿浦小学校・大柿中学校3校の教員で研修しました。その道徳の授業の様子を少
しご紹介します。
道徳の時間に用いた資料: 「ドナーカード」
(あかつき)
臓器の機能が低下し移植でしか治らない人と,提供してもよいという人
を結ぶ医療である,臓器移植。脳死の状態ではその人は臓器提供の意思表
示をすることはできないため,生きている間に自分の意志を伝えておく一つの手段として「ドナーカ
ード」があります。この「ドナーカード」によって,臓器を提供する意思,あるいは提供しない意思
を表すことができます。この「ドナーカード」について,「娘をドナーに私は出来ない」という新聞の
投書から,子を思う親の気持ちを考えたり,
「家族の場合に迷う臓器提供」という新聞の投書から,移
植医療の可能性から自分は臓器提供をしたいけれど,家族のこととなると迷う気持ちを考えたり,答
えのない問題として,命について深く考えさせられる資料です。
江戸時代には「江戸しぐさ」と呼ばれる独特の礼儀の形がありました。傘をさしてすれちがう時,
もし自分だったら「ドナーカード」に臓器提供をすると
互いに傘を外側に傾けて通り抜ける「傘かしげ」と呼ばれるしぐさや,「肩引き」
「かに歩き」といっ
サインをするか,しないとサインをするか考え,その理由
て,一方の肩を引き,横歩きをしてお互いすれちがう
を真剣に話し合ったり,資料から考えを深めたりすること
しぐさなどです。このような「江戸しぐさ」の心を考
を通して,命は一つしかない自分のものだけれど,それに
え,今に生きる「現代しぐさ」についても考えたくな
よって病気の人を救えるかもしれない,でも家族のためら
るような資料です。
いも分かると,命について深く考えることができました。
◆今年度も,「大古小学校花さき山」の取組を続けています。◆
昨年度2学期から,子どもたちの自己肯定感を高めていくことを願って取り組み始めた,「大
古小学校花さき山」。全学年で,いいところを見つけてカードに書き合い,書いたカードを多目
的ルーム前の,「花さき山」に掲示していくこの取組を,今年度も継続しています。各学年でも
それぞれに,自己肯定感を高めることをねらった取組はされていますが,
「花さき山」のよさは,
学年の友達同士はもちろん,学年の枠を超えて,低学年から高学年へ,先生から他の学年の子ど
もたちへなど,いいところ見付けができることです。先日は「花さき山を作ってくれたことで友
達になれました」と伝えてくれる児童もいました。これからも,「花さき山」にたくさんの花の
カードが咲くことを通して,大古小学校に,子どもたちの笑顔がたくさんあふれていくことを願
っています。これまでに入っていたカードから,いくつかの内容をご紹介します。
わたしがころげたら,す
しょっきをもってくれて
下校の時,1年生の傘を
ぐにたすけてくれてありが
ありがとう。友だちと力を
拾ってあげたそうですね。
とう。(1年児童から6年
あわすとなんでもできるん
高学年として下の子を助け
児童へ)
だね。(2年児童から2年
てあげて立派です。(先生
児童へ)
から5年児童へ)
わたしが話しかけ
るとあいさつしてく
れてありがとう。うれ
しかったよ。(6年児
いつもやさしくその場の雰囲気を
楽しくしてくれてありがとう。(5
年児童から4年児童へ)
バレーでカットを失
敗した時にハイタッチ
をしてくれてありがと
童からたいよう学級
う。これからも分からな
児童へ)
いことを教えてね。(3
年児童から5年児童へ)
歴史の自主学習で,
学校で習わない美術
放課後靴箱の周りをき
の偉人まで調べてい
れいにはいてくれたの
てすごいと思いまし
で,朝みんなが気持ちよ
た。(6年児童から4
くスタートできました。
年児童へ)
ありがとう。
(先生から6
年児童へ)
友達がもっていくのを忘
いつも大きな声が出せて
れた食器かごを嫌な顔一つ
いるね。この前の発表はと
いつも分かりやすく勉強
しないで進んで片付けるす
くに上手だったよ。(3年
を教えてくれてありがとう
がたがすばらしかったで
児童からたいよう学級児童
ございます。
す。(先生から3年児童へ)
へ)
(児童から先生へ)