KITEC INFORMATION No275 (2015, Summer)

KITEC
INFORMATION
275
No.
2015 SUMMER
巻頭言
・国立研究開発法人 産業技術総合研究所 九州センター
所長 坂本 満
私の研究室
・熊本大学先進マグネシウム国際研究センター
センター長・教授 河村 能人
センターからのお知らせ
お 知らせ
KITEC INFORMATIONはホームページにも掲載しております。
http://www.kitec.or.jp/
・平成 27年度 九州イノベーション創出戦略会議(KICC)
通常総会及び特別講演 開催案内
・平成 27年度 九州地域ものづくり中小企業事業化支援事業
・成功報酬型コーディネータ事業の開始について
KITEC INFORMATION
2015 No.275
●巻頭言 “生れ変る産総研”
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 九州センター 所長 坂本 満. ................................................... 1
●私の研究室
熊本大学先進マグネシウム国際研究センター
センター長・教授 河村 能人.............................................. 2
●センターからのお知らせ
平成 27年度 九州イノベーション創出戦略会議(KICC)
............................................................................. 6
▪ 通常総会及び特別講演 開催案内
平成 27年度九州地域ものづくり中小企業事業化支援事業(ビジネスマッチング・地域間技術交流)を落札....... 7
成功報酬型コーディネータ事業の開始について......................................................................................... 8
●センターの活動報告
理事会及び評議員会を開催....................................................................................................................... 9
九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業
..................................................
▪ 平成 27 年度機械工業振興チャレンジ研究調査(委託)6 件を採択
10
.
▪ 平成 27 年度 第 1回コーディネータ連絡会 開催報告 ......................................................................12
.
▪ 平成 27 年度 第 1回事業化可能性検討分科会 開催報告 .................................................................16
.
▪ 平成 27 年度 第 1回事業推進委員会 開催報告 ...............................................................................17
.
▪ 平成 26 年度委託調査成果報告書(要約).......................................................................................18
九州ヘルスケア産業推進協議会(HAMIQ)
▪ 通常総会、表彰式、戦略セミナー開催報告
. ................................................................................. 24
九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ(K-RIP)
▪ 事業報告と活動計画
................................................................................ 25
●シリーズ
平成 26 年度(後期)国際研究集会参加報告.......................................................................................... 28
●九州経済産業局情報
人事異動................................................................................................................................................ 30
「ものづくり白書」(平成 26 年度ものづくり基盤技術の振興施策)........................................................... 31
平成 27年度版「中小企業施策利用ガイドブック」発行のお知らせ.......................................................... 32
この夏も節電へご協力お願いします........................................................................................................ 33
九経マンスリー....................................................................................................................................... 35
九州地域の鉱工業動向(平成 27年 5月速報)......................................................................................... 36
●産総研九州センター情報
最近の特許情報....................................................................................................................................... 38
一般公開. ................................................................................................................................................ 39
●その他ご案内
技術相談のご案内...................................................................................................................................41
●
巻頭言
●
KITEC 2015 No.275
生れ変る産総研
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 九州センター所長
坂本 満
4月1日付けで佐賀県鳥栖市にあります産業技術
的実施機関として、革新的な技術シーズを事業化に
総合研究所(産総研)九州センター所長に就任致し
繋ぐ「橋渡し」の役割を果たすことを目指します。
ました坂本 満です。途中で4年と少し名古屋の中
このため、技術シーズを目的に応じて骨太にする「橋
部センターでの勤務を除いて、昭和60年入所以来、
渡し」前期の研究、及び実用化や社会での活用のた
九州センターで研究業務に従事してきました。九州
めの「橋渡し」後期の研究に取り組むとともに、
「橋
センターは、取り組む技術分野は時代の流れに伴っ
渡し」研究の中で必要となる基礎研究及び将来の「橋
て変化してきましたが、モットーは常に企業と共に
渡し」の芽を産み出す基礎研究を目的基礎研究とし
あって世の中で使われる実用技術の開発を第一に志
て推進します。特に、地域におけるイノベーション
向してきたということは、自信をもって言えると思っ
の推進に向けて、公設試等とも連携し、全国レベル
ております。
での「橋渡し」を行うことを目指しています。
産総研はこの4月より、第4期中期計画のもとで
その中で九州センターは最先端の研究開発とその
体制を一新し、これまで以上に社会に役立つ研究開
橋渡しによる成果の地域還元を推進するとともに、
発を目指してスタートしました。産業技術のイノベー
地域の産学官各ステークホルダーと密接に連携し、
ションについて、我が国の企業はこれまで世界最高
地域産業活性化のためのイノベーションハブとなる
水準の品質の製品を製造・販売することで世界をリー
ことを目指します。具体的には、つくばに本拠を置
ドしてきましたが、近年、製品が多様になるにつれ
く製造技術研究部門および産総研内の緊密な連携の
て、大企業においても基礎研究から応用研究・開発、
九州拠点として、地元ニーズと産総研技術を結ぶ連
事業化の全てを自前で対応することは難しくなって
携活動を推進します。さらに新たに始めるクロスア
きています。さらに技術の複雑化、高度化、短サイ
ポイント制度の積極的な活用により大学との連携を
クル化が加わるなど、産業技術・イノベーションを
強化し、尖った研究の遂行に邁進します。また、地
取り巻く環境は大きく変化してきています。
域産学官の諸機関と協働や九州各県の公設研との積
イノベーションは、技術シーズが企業や研究機関
極的な人事交流などにより、地域ニーズの把握と産
など様々な主体の取り組みにより、事業化に「橋渡
総研への還流、地域産業界への全産総研の技術シー
し」されることで、初めて生み出されるものです。
ズの紹介を通じて、地域産業界の様々な課題解決に
その意味で、革新的な技術シーズを迅速に事業化に
努めます。
つなげていくための「橋渡し」機能の強化によるイ
九州センターは、産総研の九州地域における窓口
ノベーション・ナショナルシステムの構築が、我が
として、全産総研のネットワークを最大限に活用し
国の産業競争力を決定づける非常に重要な要素と
て、共同研究、受託研究、技術移転等を積極的に推
なっています。産総研は、
「社会ニーズ、産業ニー
進するために必要なサービスを産総研内外に提供し
ズを踏まえた世界最高水準の研究とその成果の“橋
ます。これらにより、研究拠点と連携拠点の九州地
渡し”により、イノベーションの中心となって持続
域に根付いた二つの拠点機能を最大限に発揮するよ
可能な社会の実現に貢献し、社会から信頼される研
う努めてまいります。今後とも宜しくご指導・ご鞭
究所」を目指しております。
撻をお願い致します。
産総研は今後、まず第一に、産業技術政策の中核
1
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私の研究室
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KITEC 2015 No.275
熊本大学先進マグネシウム国際研究センター
河村 能人
センター長・教授
先進マグネシウム国際研究センター
(Magnesium Research Center(MRC))
はじめに
軽くて強い材料の開発は、輸送機器の高速・高性能化、省エネルギー化、CO2排出抑制のために重要です。
その中でもマグネシウムは、その比重が鉄の四分の一、アルミニウムの三分の二で、実用金属の中で最も軽量で
あり、もともと人体に必要なミネラル群の一つであることから、人体、環境に優しいとされています。また、再
溶解して再生できる高いリサイクル性も持つなど、魅力的な素材です。身近なものでは、パソコンや携帯電話に
使われています。このマグネシウムをベースにしたマグネシウム合金は、輸送機器の材料としても期待されてい
ます。しかし、マグネシウム合金は、発火しやすく、現在、航空機などに使われているジェラルミンなどの高強
度アルミニウム合金よりも強度が劣ることなどから、普及はほとんど進んでいませんでした。
先進マグネシウム国際研究センター(Magnesium Research Center、以下 MRC)の目的は、① KUMADAI
マグネシウム合金の開発、製造、加工およびリサイクルまでの一貫した研究、② KUMADAI マグネシウム合金
の研究に関する国際連携、③ KUMADAI マグネシウム合金の開発に関する産学連携として、マグネシウム合金
の研究開発拠点となることを目指します。本稿では、その活動内容について紹介します。
活動内容
1. 熊本大学の Mg 研究グループ、プロジェクトの変遷および沿革
2001 粉末冶金法による LPSO 構造をもつマグネシウム合金の開発
2003 鋳造法による耐熱マグネシウム合金の開発
地域新生コンソーシアム研究開発事業実施(〜2004)
熊本大学高性能 Mg 合金創成加工研究会発足
2005 熊本大学拠点形成研究 B 採択
2006 地域結集型研究開発プログラム“CREATE”実施(〜2011)
2009 科学振興調整経費「国際共同研究」実施(〜2011)
2010 地域イノベーション創出研究開発事業実施
2011 科学研究費補助金「新学術領域研究」実施(〜2015)
2
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私の研究室
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2011 熊本大学先進マグネシウム国際研究センター“MRC”開設
2012 不燃マグネシウム合金の開発
2013 「次世代構造部材創製・加工技術開発」実施( 〜2016)
2014 「戦略的イノベーション創造プログラム」実施(〜2019)
KITEC 2015 No.275
2. KUMADAI マグネシウム合金の開発、製造、加工およびリサイクルまでの一貫した研究
2001年に従来にない、革新的なマグネシウム合金を開発しました。開発した合金は常識を覆すような高強度
と耐熱性を持ち、世界的に注目されています。この合金の特徴は、濃度変調と構造変調が同期した新奇な長周期
積層構造(シンクロ型 LPSO 構造“Synchronized Long-Period Stacking Ordered Structure”
)で強化されて
おり、LPSO 型マグネシウム合金または KUMADAI マグネシウム合金と呼ばれています。
2010年に開発された KUMADAI 耐熱マグネシウム合金と2012年に開発された KUMADAI 不燃マグネシウム
合金は、従来のマグネシウム合金と市販アルミニウム合金よりも高い比強度を持っています。特に、これまでの
マグネシウム合金は、燃えやすいことから、民間航空機への利用は米連邦航空局(FAA)から禁止しています。
しかし、2013年に両方の KUMADAI マグネシウム合金は、FAA の燃焼試験に合格して、航空機に適用が可能な
合金で世界的に注目されています。
マグネシウム合金を実用化するためには、実験室レベルの試験片サイズではなく、大型化技術が必要になりま
す。 MRC では KUMADAI マグネシウム合金の実用化のための大型ビレットの鋳造技術および押出、圧延技術を
開発しました。
3. KUMADAI マグネシウム合金の研究に関する国際連携
MRC は10年前から中国、韓国、台湾などのアジアのネットワークを構築しました。上海交通大学(中国)
、
KITECH(韓国)、中山大学(台湾)に、熊本大学オフィスを設置し、共同研究、技術交流および人的交流に活
用しています。そしてアメリカを初めてカナダ、オーストラリア、ロシア、欧州のネットワークを広げています。
4. KUMADAI マグネシウムの開発に関する産学連携
MRC は、大学で開発された新しい合金を学問的研究に終わるのではなく、産官学連携(学術、政府事業、地
域や産学連携)を介して KUMADAI マグネシウム合金の実用化のために研究を進めています。特に、2014年10月、
熊本大学は米国ボーイング社との間で共同研究に関する協定を締結し、調印式を執り行いました。KUMADAI マ
グネシウム合金の航空機への実装化を加速させるべく、世界最大の航空機メーカーであるボーイング社との連携
協力の強化を目的としています。KUMADAI マグネシウム合金の航空機への応用が世界的規模で大きく進展する
ことが期待されています。
まとめ
MRC に、専用の「実験工場」を整備し、2014年12月には「研究棟」を新しく建てました。そこには、世界
最先端のモノづくり設備や分析・評価装置を揃えています。MRC では、この世界トップクラスの研究環境を活
用して、世界的規模での KUMADAI マグネシウム合金の研究を基礎と応用の両面で進めています。応用研究で
は、KUMADAI マグネシウム合金の実用化を目指して、①大型素材の製造技術の開発、②素材量産化技術の開発、
③応用製品の開発を、産学界と協同しながら進めています。現在、2つの国家プロジェクトと国内外の34企業
3
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私の研究室
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KITEC 2015 No.275
との共同研究を進めています。一方、基礎研究では、LPSO 構造の学理構築を目指して、国内の23大学等と国
家プロジェクトを進めています。研究機関は国内だけでなく、世界にも広がっています。まだまだ大河とは言え
ませんが、これから熊本大学で生まれた KUMADAI マグネシウム合金が世界中で使用される日のために最善を尽
くして努力します。
参考文献
先進マグネシウム国際研究センター(MRC)
http://www.mrc.kumamoto-u.ac.jp/
環境材料学講座(河村研究室)
http://www.msre.kumamoto-u.ac.jp/ 〜 kankyo/index-j.htm
第42回日本ガスタービン学会誌 , Vol.43、No.1、35.
マグネシウムの新時代の到来
Fig. 1 Specific tensile yield strength of commercial Al、Mg and KUMADAI Mg alloys at room temperature
℃℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
℃
Fig. 2 Ignition temperature of KUMADAI Mg alloys
4
℃
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私の研究室
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KITEC 2015 No.275
Fig. 3 KUMADAI Mg billet, extruded rod, plate and pipe
Fig. 4 International hub building of magnesium research center(MRC)
Fig. 5 Domestic bases building of magnesium research center(MRC)
連絡先
熊本大学先進マグネシウム国際研究センター
河村 能人 センター長・教授
TEL:096-342-3721
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センターからのお知らせ
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KITEC 2015 No.275
平成 27年度 九州イノベーション創出戦略会議(KICC)
通常総会及び特別講演 開催案内
平成 27 年度 KICC 通常総会及び特別講演を8 月 3 日(月)にハイアット・リージェンシー・福岡で開催致します。
通常総会において、平成 26 年度事業報告と平成 27 年度事業計画案及び役員等の選任案についてご審議を頂い
た後、引き続き会員以外の方々もご参加頂ける特別講演を開催致します。
今回は、欧米において製造業を中心に革新的な技術開発を推進しており、国の次期科技基本計画にも盛り込ま
れる「インダストリー 4.0」をテーマに、三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社の尾木蔵人様より製造イノベー
ションの国際的な潮流をご紹介頂くと共に、国内で具体的な取り組みを開始されている富士通の取り組みについて、
富士通アドバンストテクノロジ株式会社の宮澤秋彦様よりご紹介を頂く予定です。
技術開発の革新に関する最先端の情報を得られる貴重な機会ですので、皆様のご参加をお待ちしております。
Ⅰ 通常総会(会員のみ)
1 .開催日時:平成 27 年 8 月 3 日(月) 13:30 ~ 14:15
2 .開催場所:ハイアット・リージェンシー・福岡(福岡市博多区博多駅東 2-14-1 )
3 .議案審議
① 第 1 号議案 平成 26 年度事業報告について
② 第 2 号議案 平成 27 年度事業計画(案)について
③ 第 3 号議案 役員等の選任(案)について
Ⅱ 特別講演(一般参加:無料)
1 .開催日時:平成 27 年 8 月 3 日(月) 14:30 ~ 16:50
2 .開催場所:ハイアット・リージェンシー・福岡(福岡市博多区博多駅東 2-14-1 )
3 .講演内容
(1)基調講演
テーマ:
『“世界で進む新産業革命”
ドイツ「第 4の産業革命」とアメリカ「インダストリアル・インターネット」』
講 師: 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社
コンサルティング・国際事業本部 国際本部 国際営業部 副部長
ドイツ連邦共和国ザクセン州経済振興公社 日本代表部 代表
尾木 蔵人 様
(2)特別講演
テーマ:
『 IoT を見据えたものづくり変革 - Smart な開発~製造環境でテクノロジを極める-』
講 師:富士通アドバンストテクノロジ株式会社 代表取締役社長
宮澤 秋彦 様
(3)
プレゼン
テーマ:
『 JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)の紹介』
説明者:国立研究開発法人 科学技術振興機構 イノベーション拠点推進部 部長
白木澤佳子 様
参加申し込みの方は、当財団のホームページ http://www.kitec.or.jp/ をご利用の上、
FAX にてご送付下さい。
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センターからのお知らせ
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KITEC 2015 No.275
平成 27年度九州地域ものづくり中小企業事業化支援事業
(ビジネスマッチング・地域間技術交流)を落札
九州経済産業局より、5 月末から公募されていました標記事業について、7 月 10 日の開札において、当財団が当該
事業の委託を受けて行うこととなりました。
なお、類似の事業について、平成 22 年より競争入札により、継続して委託を受けて実施しています。
(本事業のねらい)
経済産業省では、地域における新事業・新産業を創出し、製造業の競争力強化や地域経済の活性化を図るため、
「戦略的基盤技術高度化支援事業」を始めとした提案公募型研究開発事業により、地域の中小企業が取り組む革
新的でハイリスクな実用化技術研究開発を戦略的・重点的に支援してきた。しかしながら、九州内で産み出される
新たな技術シーズや研究開発成果の事業化や産業化を目指し支援を継続しているものの、事業化率は高いとは言
い難い状況である。
このため、九州経済産業局では、平成 22 年度から、各分野の専門家を活用した事業化支援の効果の検証や、事
業化支援を行うためのノウハウ等を整備するための調査を実施し、加えて、その効果を確認したうえで、継続的な支
援体制構築と支援スキームの高度化を進め、昨年度はビジネスマッチング並びに展示会出展支援等を実施した。
今年度は、以下の概要で事業を行うこととしています。
(事業の概要)
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センターからのお知らせ
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KITEC 2015 No.275
成功報酬型コーディネータ事業の開始について
(1)制度の概要
九州には、優れた技術を保有しながらも、事業化に至っていない企業が多数見受けられます。とりわけ、研究開発
型中小企業においては、ヒト・モノ・カネ等の経営資源が脆弱であることが大きな阻害要因となっています。各支援
機関においては、専門家等が配置され、一定の役割を果たしているものの、そもそも「受付型・呼び込み型」が多く、
また、研究開発から事業化までを見据えた統合的な活動に乏しく、さらには成果が不透明であることも相俟って、そ
の成果は限定的となっています。
このため、主体的に企業に出向き、保有技術の研磨はもとより、埋没している技術の発掘等を行い、中小企業等
の技術革新、新たな市場の創造に資することを目的に、平成27 年 7 月より「企業と利益を共有する成功報酬型コー
ディネータ」制度を導入しました。
成功報酬型コーディネータにより、企業の技術発掘から、事業化の成功まで伴走し、徹底した企業の事業化支援
を目指し、九州において多様なイノベーションを創出していくこととしています。
なお、支援に当たっては、当財団が経費を全て負担し、具体的な成果が発生した場合にのみ、成功報酬として
企業から報酬を徴収し、担当した成功報酬型コーディネータに対して、成果に見合った報酬を支払うものです。
(2)成功報酬型コーディネータの紹介
黒澤 宏 (くろさわ こう)
(経歴)
1975/9
正清 善隆 (まさきよ よしたか)
(経歴)
大阪府立大学 大学院工学研究科博士課程単位
取得退学
1975/10 大阪府立大学 工学部助手
1995/3
宮崎大学 工学部教授
2002/4
宮崎大学 地域共同研究センター長
2003/3
九州工業大学 工学部 応用化学コース 卒業
2003/4
大手企業にて、自動車部品開発、医薬部外品製
品、エラストマー製品の配合設計開発 製品開
発コストダウン等数 多く対応
2011/4
開発未経験地元中小企業へ入社
・初 の新商品の開発を行い、自動車純正部品
として上市
・開発部 及び 知財を担当
・他社からの特許侵害警告に対し、補正書・回
答者・禁反言の法理より、対応し、回避
・ものづくり助成金において、採択を受け、開
発事業計画書の作成及び随行実績報告,監
査 までの全てのマネジメントを行う。
・ト ヨタ自動車九州とタイアップ 福岡モー
ターショーにて、コンセプトカー
(輝匠)
を共
同出展
・自社初の単独特許出願 及び 登録 のち 国際
特許 PCT 出願
2003/4 (株)みやざき TLO 取締役 兼務
2005/9
宮崎大学(株)みやざき TLO 退職
2005/10(独)科学技術振興機構 サテライト宮崎館長
2013/4 (独)科学技術振興機構 産学連携アドバイザー
2013/4 (一財)九州産業技術センター コーディネータ
2015/7
成功報酬型コーディネータ 就任
2015/7
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成功報酬型コーディネータ 就任
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
理事会及び評議員会を開催
〔平成 27 年度第 2 回理事会開催〕
平成27年6月1日(月)、当財団会議室において、理事7名、監事2名全員出席のもと、平成27年度第2回理事会を開
催しました。
当日は、平成26年度事業報告書、決算報告書、公益目的
支出計画実施報告書等についての審議がなされ、いずれ
も原案どおり承認され、評議員会に付議することとなりまし
た。
理事会
〔平成 27 年度定時評議員会開催〕
平成27年6月23日(火)、当財団会議室において、評議員7名中5名出席のもと、平成27年度定時評議員会を開催し
ました。
当日は、平成 26 年度事業報告書、公益目的支出計画実
施報告書についての報告、平成26年度決算報告書につい
ての審議がなされ、原案どおり承認されました。
評議員会
以下の資料については、当財団ホームページに掲載いたします。
◎平成26年度事業報告書
◎平成26年度決算報告書
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業
◎平成 27年度機械工業振興チャレンジ研究調査(委託)6 件を採択
当財団では、平成 27 年度機械工業振興チャレンジ研究調査(九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出
事業の一環)として、九州域内の大学等研究機関、公設試及び産学連携推進機関、研究開発課題を持つ企業から
応募された研究開発テーマについて、外部委員(事業推進委員)から成る事業推進委員会で技術性評価・事業性
評価を受けて 6 件の研究開発テーマを採択しました。
<採択となった研究開発分野 合計 6 件>
①クリーン分野 2 件、②医療・ヘルスケア・コスメティック分野 2 件、③農林水産業・食品分野 2 件
本研究調査は、九州域内の大学等研究機関、公設試及び産学連携推進機関、研究開発課題を持つ企業等に研
究開発の委託を行うものです。この委託は企業との共同研究を行う実用化研究開発テーマについて、産学フォーメー
ションを整え、ブラッシュアップ研究会を開催することにより、国の戦略的基盤技術高度化支援事業等の支援制度を
活用し、九州地域の産業競争力強化へ向けて実用化・事業化を図ることを目的としております。
なお、国の支援制度における管理法人(事業管理機関)を当財団が受託することにより、国への応募申請と事業採
択後の運営管理の支援・協力をさせていただくことになります。
【研究調査の募集〜採択経緯】
(1)募 集 平成 27 年 4月10日(金)
から 平成 27 年 5月8日(金)
・募集先
国立大学・私立大学の理工系学部長、理工系教授(一部)、産学地域連携センター長、総務部研究協力室、
事務課、工業高等専門学校長、産総研九州センター長、県工業技術センター所長・研究員(一部)、公益
財団法人、産業支援センター、県商工部、企業等へ 299 部送付した。
(2)審 査 平成 27 年 6月1日(月)から平成 27 年 6月10日(水)
・書類審査
14 名の外部委員(事業推進委員)が書類により、技術性評価・事業性評価を行った。
・評価ヒアリング及び審査会
13 名の外部委員からなる第 1 回事業推進委員会により応募テーマの評価・ヒアリングを行い、採択テーマ候補
を決定した。
(3)採 択 平成 27 年 6月12日(金)
・当財団で 6 件を採択決定した。
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
【研究調査 採択テーマ一覧】
研究題目
大学等研究機関
役 職
代表研究者
参画企業
大学等
研究分野
水道原水および工場排水の安
全性を担保するため:
九州大学農学研
1 魚の発音を用いた水質自動監
究院
視システム企業化に関する調
査研究
教授
大嶋 雄治 ①クリーン分野
新規酸化触媒を含有する高性
2 能抗菌・防藻・抗アメーバープ 室町ケミカル㈱
ラスチックの研究開発
コンパウンド G
課長
泉田 博志
③農林水産業・食品
ケアフォー㈱
分野
脳性麻痺児への覚醒および鎮
3 静効果を併せ持つ揺動型ベッ アイクォーク㈱
ドの研究調査
代表取締役
立石 憲治
②バイオ・医療・
ヘルスケア分野
教授
②医療・ヘルスケ
㈱ロジカルプロダ
伊藤 高廣 ア・コスメティック
クト
分野
海面・海中での利用を目的と
した電力とデジタルデータの
長崎県工業技術
5 非接触式伝送システムの開発
センター
に発展する非接触式伝送コネ
クタの試作開発
グリーンニュー
ディール技術開
発支援室長
兵頭 竜二 ①クリーン分野
天然石けん成分を用いた安心・
シャボン玉石け
6 安全な環境保全型新規害虫駆
ん㈱
除剤の開発
研究開発部
部長
川原 貴佳
4
九州工業大学 消化管内走行カプセル用超小
大学院情報工学
型駆動機構の研究開発
研究院
JSW ㈱
anno lab
長崎大学大学院医
歯薬学総合研究科
ロボットテクノス
㈱
③農林水産業・食品
九州大学農学部
分野
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
http://ringring-keirin.jp
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
◎平成 27年度 第1回コーディネータ連絡会 開催報告
1.日 時 平成27年4月13日(月)15:00~17:30
2.場 所 (一財)九州産業技術センター 3F 会議室
3.出席者 コーディネータ11名、事務局6名 (詳細別紙)
4.議 題
◎コーディネータ自己紹介
◎平成26年度 JKA 補助事業 事業報告
・コーディネータ活動、ブラッシュアップ研究会(コーディネータ案件) 他
◎平成27年度 JKA 補助事業 事業計画について
・平成27年度九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業
・平成27年度コーディネータ活動概要について
・オープン・イノベーション・ソリューション・サイトについて
◎成功報酬型コーディネータ制度の導入について
◎意見交換
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
http://ringring-keirin.jp
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
コーディネータ紹介
当財団では、九州地域における広域的な産業技術支援機関として期待される役割を果たしていくため、九州経
済連合会、九州地方知事会及び九州経済産業局等が策定した「九州・沖縄地方産業競争力」の実現に向け、その
一翼を担うため、本事業に取り組んでいます。
本事業は、①新産業戦略調査研究、②事業創出調査研究で構成しており、大学・公的研究機関等のシーズ及び
企業ニーズの発掘、マッチングから、産学共同研究開発、実用化・事業化に向けたフォローアップまで一貫した
支援を行っています。
以下12名、平成27年度のコーディネータです。 (五十音順、敬称略) 6 月末現在
氏 名
※ 統括コーディネータ
所 属 ・ 略 歴
やまうち
ひさし
九州大学 学術研究・産学官連携本部研究推進グループ長・准教授
1996/3
熊本大学大学院工学研究科応用化学専攻修了
2003/4新エネルギー・産業技術総合開発機構「産業技術フェローシップ事業」NEDO フェローとして九州大
学知的財産本部のリエゾン業務に従事
2008/3
金沢大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了(工学博士)
2011/9
九州大学 知的財産本部 リエゾングループリーダー 准教授
2012/4
(一財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
2015/4
九州大学学術研究・産学官連携本部 研究推進グループ長 准教授(〜現在)
地場企業の技術的な相談事項に対して、最適な教員を調査・コーディネート、共同研究・受託研究契約等に繋げる
アドバイスを行っている。また、大手製造業を中心に、組織対応型の産学連携を推進している。これまで100社以
上の企業を訪問し、同連携事業の紹介を実施している。同連携は、15年度から本格的に展開され昨年度(26年度)
に至るまで50機関以上と連携契約を締結。・連携企業数40社、年間120件以上の共同研究プロジェクトをマネジ
メント。
いぬかい
よしなり
(国法)産業技術総合研究所 九州センター 福岡サイト イノベーションコーディネータ
1979/3
九州大学大学院 工学研究科 合成化学専攻 博士課程 単位取得満期退学
1981/4
通産省 工業技術院 九州工業技術試験所 研究員、後に 主任研究官
1998/4
九州大学大学院 総合理工学研究科 物質理工学専攻 教授 併任
2001/4
産業技術総合研究所 基礎素材研究部門 総括研究員
2003/10 新エネルギー・産業技術総合開発機構 研究開発推進部プログラムオフィサー
2006/4
産業技術総合研究所 九州センター 所長代理
2008/4
産業技術総括調査官(経産省 九州経済産業局 地域経済部)
2012/4
産業技術総合研究所 九州センター イノベーションコーディネータ(〜現在)
2012/4
(一財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
産業技術総合研究所九州センターのコーディネータとして、九州・沖縄地域における産学官とオール産総研との連
携窓口、産学官の二―ズとシーズのマッチング活動、プロジェクトコーディネート活動
(経産省事業、JST 事業)
、等
の業務を遂行
(2006/2〜現在)
。九州イノベーション創出戦略会議
(KICC)
のコーディネータとしても活動
(2012/4
〜現在)。
経産省「地域新産業創出基盤強化事業」
(2013年度)および「地域オープンイノベーション促進事業」
(2014年度)
の統括専門家。
おお い
としたみ
(公財)大分県産業創造機構 中小企業支援アドバイザー
1964/4
三井化学工業(株)入社 中央研究所 理学博士(早稲田大学)
1980/8
三井東圧化学(株)開発部
1989/4
三井化学(株)知的財産部
2006/5
(財)大分県産業創造機構 中小企業支援アドバイザー(〜現在)
2006/7
大分大学 イノベーション機構 客員教授
2008/5
(財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
特許電子図書館検索アドバイザーとして鹿児島県を担当し、年間数100件のアドバイスをし、数10件の特許出願
を支援。10数件が事業化。特許情報活用支援アドバイザーとして大分県を一年間担当し、数100件のアドバイス
をし、10数件の特許出願を支援。
大分県産業創造機構の中小企業支援アドバイザーに登録し、中小企業の相談に対応。
※ 山内 恒
犬養 吉成
大井 敏民
13
●
氏 名
かつ き
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
所 属 ・ 略 歴
ひろあき
勝木 宏昭
佐賀県窯業技術センター 特別研究顧問
1987/3 工学博士(九州大学)
1987/9 佐賀県窯業試験場 研究員
1994/4 佐賀県窯業技術センター ファインセラミックス部 部長
1995/10 アメリカ ペンシルバニア州立大学材料研究所 客員研究員
2005/4佐賀県窯業技術センター 副所長、経済産業省事業(地域における「ものづくり」の強みに関する調査
委員)
2008/4 同上 所長
2013/4 同上 特別研究顧問
2014/4 (一財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
これまで約25年間、主に佐賀県陶磁器業界の活性化支援、ファインセラミックス関連企業の研究開発支援実施。
九州内の公設研の人的ネットワークによる九州域内の新陶磁器、ファインセラミックス材料、無機系素材の開発、
製品化を支援。
か とう
としあき
(株)ベンチャーラボ マッチングナビゲーター
経営指導、人材育成、販路開拓、資材購買業務指導
1968九州松下電器(株)
(現、パナソニックシステムネットワークス㈱)資材センター所長、副理事、資材購
買(〜2005)
2005
丸文(株) 顧問、半導体販売促進(〜2009)
2006
(株)ベンチャーラボ マッチングナビゲーター
2009
(株)サンチュウ顧問、経営全般(〜2003)
2012
(一財)九州産業技術センター事業化支援プロデューサー
中小企業が自己の専門技術を更に磨き競争力をつけ、会社の経営力をアップするため、特に原価力の向上と販売
力向上面から指導実施。平成24年〜26年度九州地域中小企業事業化支援事業において事業化プロデューサーを
担当。最近まで中小企業の顧問として経営全般に対応。平成26年度新産業集積創出基盤構築支援事業(グローバ
ルニッチトップ企業育成支援事業)の専門家。
くろさわ
こう
(国法)科学技術振興機構 産学連携展開部 シニアアドバイザー
1975/9 大阪府立大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学
1975/10 大阪府立大学工学部 助手
1995/3 宮崎大学工学部 教授
2002/4 宮崎大学地域共同研究センター長(兼務)
(〜2005/9)
2003/3 (株)みやざきTLO 取締役(兼務)
(〜2005/9)
2005/10 (独)科学技術振興機構 JST サテライト宮崎 館長
2013/4 (独)科学技術振興機構 産学連携アドバイザー
2013/4 一般財団法人 九州産業技術センター コーディネーター
地域共同研究センター長に就任以来、宮崎大学の営業部長として、主に九州地域の産学官連携事業に従事。TLO 設
立に積極的に関与し、立ち上げ作業と自立化に向けた事業を構想。さらに、JST では、主に九州地域の産学官連携
事業の支援活動に従事。
2014年度ものづくり中小企業事業化支援事業及びグローバルニッチトップ事業化支援事業のプロデューサーと
して企業支援を実施。
こ やま
かつひこ
小山技術士事務所 所長
1969/3 九州大学工学部機械工学科卒業
1969/4 九州電力(株)入社、新小倉発電所運転課勤務(火力発電所運転業務担当)
1987/7 同上、原子力建設部 建設担当課長
1989/7 同上、玄海原子力発電所建設所技術課長及び発電所次長
1998〜10北九州エル・エヌ・ジー株式会社(代表取締役常務取締役、基地運営)
2013/3 小山技術士事務所開設(技術コンサルタント、技術士・機械部門)
(〜現在)
2014/4 (一財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
九州地域の中堅・中小企業ものづくりに関する企業、大学等機関におけるものづくり技術の研究開発、事業化への
支援において、企業でのものづくり経験の活用・技術士技能の活用・産学連携コーディネータ活動の更なる深化の
3点を基に取組みを実施。
たかし
白井技術士事務所 所長
1970/3
大阪大学 大学院工学研究科 修士課程 修了
1970-97
日新製鋼(株)入社〜(独)理化学研究所〜本社生産技術部生産技術担当部長
1997-2000 中国浙江省 寧波宝新不銹鋼副総工程師(その他、欧州、東ア:延5年余)
2001/5
加納鋼板工業(株)常務取締役(中堅・中小企業技術経営)
2005/11
白井技術士事務所 開業(中堅・中小企業の支援)
2012/4
(一財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
2012/4
中小企業支援ネットワーク強化事業 巡回アドバイザー
2013/4
中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業専門家(〜現在)
企業の経営資源の総合的評価および経営課題への対応と支援、技術の新規性、波及性、市場性等の目利き、知的財
産構築の支援、ものづくり関連技術および製品の開発・改善、および生産現場の生産性向上、原価低減、安全・環境
改善の企画・推進、エネルギーの合理的使用、節電・省エネルギーの構築支援等実施。
加藤 敏明
黒澤 宏
小山 勝彦
しら い
白井 堯
14
●
氏 名
たけした
さとし
ふ
み
●
KITEC 2015 No.275
所 属 ・ 略 歴
竹下 哲史
なかがわ
センターの活動報告
え
中川 普巳重
長崎大学 産学官連携戦略本部 共同研究支援部門 部門長 准教授
1999/4 長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設助手
2000/4 長崎大学地域共同研究センター 助教授
2004/12 長崎大学共同研究交流センター 産学連携部門 助教授
2007/4 長崎大学共同研究交流センター 産学連携部門 副部門長 准教授
2007/5 (財)九州産業技術センター マッチングプロデューサー
2011/4 (財)九州産業技術センター コーディネータ(〜現在)
2012/4 長崎大学 産学連携戦略本部 共同研究支援部門 部門長 准教授(〜現在)
大学の産学連携の窓口業務にたずさわり15目、年間100件超の技術相談・問い合わせ等に対応。技術相談につい
ては、事前面談を実施し、担当可能な教員の紹介・面談のアレンジを実施。学内で対応できない場合は、県内の各大
学、公設試験研究機関、更には全国の国立大学に照会し、教員の紹介を実施。
(公財)京都高度技術研究所 中小企業成長支援部 コーディネータ
1999/8 リテール・プランニング・サポート(株) 代表取締役 コンサルティング業
2002/4 京都リサーチパーク(株) EBS センター 所長
2010/4 中小企業診断士として独立
2012/4 (財)京都高度技術研究所 経営・新事業創出支援本部 コーディネータ
2013/11科学技術振興機構「イノベーションコーディネータ表彰」、イノベーションコーディネータ大賞・文部
科学大臣賞受賞
2014/4 (公財)京都高度技術研究所 新事業創出支援部 コーディネータ(〜現在)
2015/4 福岡大学産学官連携センター 産学官連携コーディネーター 客員教授
経営品質の観点から経営者と共に「見える化」支援プロセスを実践する伴走支援のスタイルを構築。
「企業は人なり」
であり、人材育成、経営者のメンタルフォローを行いながら、経営者と共にビジョンを見据え、目前の事象を客観
的に分析し、目標達成に向けて共に活動。女性起業家・女性経営者の支援を多く経験。
ろくまる
はるちか
六丸技術士事務所 代表
1977/3 山口大学大学院工学研究科生産機械工学(制御)専攻 修士課程修了
1977/4 九州松下電器株式会社 入社
1977/9 宮崎松下電器株式会社 セラミック技術・品質、営業(大阪)、経営企画
1999/7 九州松下電器株式会社 転属 CS(顧客満足)本部、人事本部
2002/5 九州松下電器株式会社 開発プロセス革新本部 技術コンサルティング
2005/3 九州松下電器株式会社 経営品質推進本部 技術・経営コンサルティング
2009/5 パナソニックコミュニケーションズ株式会社(社名変更)退社
2010/1 宮崎県立佐土原高等学校 非常勤職(進路指導部、進路講話講師)
(〜2012/3)
九州域内の中堅・中小企業様の研究開発及び事業化のため、関係機関と密接に連携を図りながら課題設定・解決の
ため部分最適から全体最適、実践・現場現物・コミュニケーションの重視、状況に応じた柔軟な協働支援の観点か
ら支援実施。また、企画・研究開発・設計・生産・品質・営業・管理等のテーマについてコンサルタントティング実施。
まきもと
のりゆき
有限会社エムケイブレーン ITコーディネータ/経営コンサルタント
2002/3 横浜国立大学経営学部国際経営学課 卒業
2002/4 有限会社エムケイブレーン 入社
2012/5 一般社団法人九州地域中小企業支援等専門家連絡協議会(九州志士の会)加入
2013/10平成25年度中小企業・小規模事業者ビジネス創造等支援事業 派遣専門家登録(以降現在まで登録継
続)
2014/4 商店街よろず相談アドバイザー チーフアドバイザー(
(株)
全国商店街支援センター/九州経済産業局)
2014/4平成25年度補正 地域力活用市場獲得等支援事業(補助金申請サポート)派遣登録 (以降現在まで登
録継続)
これまで一貫して中小企業支援に取り組む会社において業務。派遣専門家としても小規模事業者・創業者を対象
に支援実施。事業やプロジェクトの整合性を図りながら、市場や実施能力、経営理念との調整も行い、さらに様々
な可能性や選択肢も掘り起しながら、企業が自分で進むべき道を歩むことを支援。
六丸 治親
槇本 典之
この事業は、競輪の補助を受けて実施しています。
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15
●
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
◎平成 27年度 第1回事業化可能性検討分科会 開催報告
1.日 時
平成27年5月26日(火)15:00~17:00
2.場 所 (一財)九州産業技術センター 3F 会議室
3.出席者
外部委員5名、事務局6名
4.議 題
(1)平成27年度 JKA 補助事業の概要
事務局より、平成27年度の JKA 補助事業について、資料-1に基づき説明を行った。
今年度のポイントは、以下のとおりである。
◎コーディネータ活動に加え、オープンイノベーションサイト及び KICC ネットワーク(九州イノベーショ
ン創出戦略会議ネットワーク、九州地域の大学、公設試験研究機関等合計64機関所属)を活用し、東
アジア圏を含む九州内外の企業とマッチングを進め、企業の新事業創出を図る。(広域連携の促進)
◎企業の技術ニーズ調査から事業化まで、担当コーディネータによる一貫した支援体制を構築するとと
もに、これまでの支援企業の事業化可能性について検討・評価を行い、今後の支援のあり方へ反映を行っ
(コーディ
ていく。また、企業要望に応じたトータルソリューションの提案ができる仕組みを構築する。
ネータによる企業伴走)
◎事業実施プロセスの「見える化、共有化及び協働化」の仕組みを更に発展させ、個別案件の研究開発
から事業化までの進捗状況等を確認できるようにすることにより、九州域内の各支援機関との連携を
密にして効率的な支援体制を構築していく。(見える化ボード)
◎「企業要望に応じたトータルソリューションの提案ができる仕組みの構築」に関しては、成功報酬型コー
ディネータを自費事業として配置することにした。
(2)平成25年度 JKA 補助事業の自己評価(自己評価Ⅱ)
JKA 補助事業評価の手順及び自己評価スコアリングガイドを説明後、平成25年度終了補助事業について
補助事業の成果・波及効果を確認するとともに社会的課題への解決等への貢献、達成状況を評価するため、
平成25年度 JKA 補助事業の自己評価(自己評価Ⅱ)を行った。
◎総合評価 自己評価Ⅱについて
各事業項目について事務局案を提示し、分科会の出席委員から承認された。
◎個別項目評価 事業の成果波及について
各事業項目について事務局案を提示し、分科会の委員からは、5評価で承認された。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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●
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
◎平成 27年度 第1回事業推進委員会 開催報告
1.日 時
13:20~17:30
平成27年 6 月12日(金)
2.場 所 (一財)九州産業技術センター 3F 会議室
3.出席者
外部委員13名、事務局 5 名
4.議 題
(1)平成27年度「九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業」機械工業振興チャレン
ジ研究調査(研究委託)
◎一次審査の報告
◎二次審査選考要領説明
◎二次評価ヒアリング※候補テーマ7件について(20分/ 1テーマ)
◎採択候補テーマの審議
(2)平成25年度「九州の成長戦略に基づく事業創出推進補助事業」自己評価Ⅱ
JKA 補助事業評価の手順及び自己評価スコアリングガイドを説明後、平成25年度終了補助事
業について補助事業の成果・波及効果を確認するとともに社会的課題への解決等への貢献、
達成状況を評価するため、平成25年度 JKA 補助事業の自己評価(自己評価Ⅱ)を行った。
◎自己評価Ⅱについて事務局提案通り承認された。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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●
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
平成 26 年度
——九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業——
委託調査成果報告書(要約)
硬質フィルムの高品位スリッター切断技術の開発 株式会社 ファインテック 技術開発部課長補佐 中村 城
【要約】
近年スマートフォンの爆発的な普及に合せ、構成部品であるタッチパネル等の高機能フィルムの採用が進んで
いる。この様な中これまでのガラス板に代用する為には高機能フィルムの高品位化(高硬度・高透明性・薄型化等)
を進めながら、フィルムの高生産性(自動化する為の徐給材がロールで出来る)を活用し、生産コストを下げロー
コスト化が望まれている。
最終外形成型加工へは既にアプローチを掛けているが、今回はこの素材ロール加工に目を向け、ロール加工で
のクラックレス切断を実現すべく以下の取り組みを協力して実施した。
①、②を株式会社ファインテック担当、③を株式会社ゴードーキコー担当、形状検査・加工運動の荷重計測を長
崎大学担当でそれぞれの取組課題を良く話し合い、目標を明確にして課題解決の取り組みを進めた。
【結果と今後の対応】
ファインテックで、クラックレス切断が実現できている刃先
形状を丸刃に実現すべく同様の加工条件をベースに丸刃を試
作して切断を行ったが、結果的には100μ m 以下のクラック幅
で切断できた切断面は、円周上で60%達成となった。刃先の形
状も最小で R0.6μ m で R0.1μ m を達成できず、同じ円周上で
も R で0.4μ m もばらついている。
これらを解決する為に、非破壊で丸刃の刃先形状を観察しな
がらの加工が不可欠でありこの計測と合わせて刃物の加工条
件出しを引き続き進める。また、フィルムの安定加工に向けた
切断装置の改善をゴドーキコー様にもお願いし、クラックレス
今回到達できた最終刃先写真
の丸刃切断に挑戦していく。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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●
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
平成 26 年度
——九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業——
委託調査成果報告書(要約)
縦型スパイラル式連続真空乾燥技術の開発
株式会社ワコー 代表取締役社長 相浦 正文
1.研究成果の概要
マイクロ波真空乾燥の高品質・省エネ技術はそのままに、ユーザー課題である乾燥ムラと大量乾燥を、真空容
器の小容量化とスパイラル連続搬送によるマイクロ波の高い利用効率で解決し、さらなる省エネを実現できる
スパイラル式連続真空乾燥技術を開発する。
2.研究実施計画と実績の差異
図1に試作装置を示す。図2に試作装置を用いて行った評価
試験の結果を示す。当初目標である消費電力について、現行
マイクロ波真空乾燥に比べて1/2を達成した。
①最大熱効率65.9%、総合熱効率35% を達成したことにより、
サブ目標値の熱効率が、現行マイクロ波真空乾燥機に比べ
て概ね2倍を達成した。
図1 試作装置
②乾燥試験後の被乾燥物の水分量が平均1.1% ±0.6% を達成
したことにより、サブ目標値の乾燥時のバラツキについて、
ほぼゼロを達成した。
乾燥機内のスパイラル連続搬送により、マイクロ波の高い
利用効率を実現した。これにより、現行マイクロ波真空乾燥
では、乾燥処理量300g に対して、乾燥時間150分で消費電力
1kWh 要するのに対して、開発したスパイラル式連続真空乾
燥では、乾燥時間60分で消費電力0.5kWh となり、目標値を
達成した。
図2 研究開発目標値と達成値
3.今後の事業化計画(共同研究の開始、大規模プロジェクトへの申請等も含む)
公益財団法人飯塚研究開発機構の助言を基に、福岡女子大学と西九州大学と実用化に関する共同研究を開始す
る。共同研究に際して、福岡県内の川下企業との連携を図りながら、連続マイクロ波乾燥システムの実用化を完
成させ、川下企業への第1号機の納入を目指す。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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●
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
平成 26 年度
——九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業——
委託調査成果報告書(要約)
低コスト高品質透明導電膜形成用大気圧成膜装置の開発
熊本大学 大学院自然科学研究科 情報電気電子工学科 中村 有水
1.背景・研究目的
透明導電膜は、太陽電池や有機 EL などの創エネ・省エネ素子だけでなく、タッチパネルや液晶ディスプレイなど
の情報機器にも使用されている重要な要素であるが、通常スパッタ等の真空装置で形成されている。最近、我々は
大気圧で高均一成膜が可能な「高速回転式のミスト化学気相成長(ミストCVD)装置」を独自に開発し、次世代透
明導電膜の材料である酸化亜鉛薄膜の単結晶を2インチ基板上に均一に形成することに成功した。これまでミスト
CVD では面積の広い単結晶薄膜の報告は無く、我々が初めて成功し、特許を出願済みである。そこで、本研究では
地元企業と共に、現時点で同装置において実用化の障害となっている箇所を改良し製品化を目指す。具体的には、
同装置で一部、金属部品を使用しているが、酸系溶媒により腐食が生じるため、これを石英・ガラス・塩化ビニール
等の耐腐食性材料に置き換え、装置の耐腐食性を向上させる。また、改良した装置で成膜実験を行い、十分な品質
を有する酸化物薄膜が形成できるかを確認する。
2.
「高速回転式ミストCVD 装置」の概要
従来型のミストCVD 装置では顕著な膜厚分布があるが、我々が開発した高速回転式ミストCVD 装置では、例え
ば1000rpm で基板を高速回転することで、流体力学的な効果により、2インチ基板全面で膜厚・膜質の均一化が達
成され、エピタキシー成長も実現されている。
3.本研究開発による装置の改良
現行の高速回転式ミストCVD 装置では、以下の金属部品が使用されており、これを石英・ガラス・塩化ビニール
等の耐腐食性材料に置き換える。
(1)反応炉から排気流量制御バルブまでの間の配管
(2)排気流量制御バルブ
この部品変更を行った結果、排気側のコンダクタンスが低下したため、改良前と同一の条件では薄膜堆積速度
が低下したが、供給側のガス流量を上げた結果、改良前と同等の堆積速度に戻った。また、X 線回折測定や電子
後方散乱回折法(EBSD)により、2インチ基板全面でのエピタキシャル成長が確認された。
4.装置の製品化に関する今後の方針
装置に関する基盤技術はほぼ完成したので、今後、研究開発用装置として製品化するため、企業と共同で市販で
きる試作機を開発する予定である。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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20
●
センターの活動報告
●
KITEC 2015 No.275
平成 26 年度
——九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業——
委託調査成果報告書(要約)
分散剤を含まない金ナノ粒子分散水溶液を用いる金薄膜形成と
表面増強ラマン散乱分光分析チップへの応用
産総研九州センター 松田 直樹
表面増強ラマン散乱(surface-enhanced Raman scattering : SERS)
は銀(Ag)、金(Au)等の表面に吸着した分子
のラマン散乱光強度が106倍以上も増強される現象であり、主に極微量だけ界面に吸着した分子や生じる反応のその
場観察に用いられているが SERS 基板の準備が困難である事等も SERS の普及を阻んでいる一因でありSERS の専門
家でなくとも簡単に測定可能で安価な SERS 分光分析チップを開発することが本研究開発の目的である。
本研究を開始する前に、我々は高純度 Au 電極を用いる液中プラズマ法(SP)法で過酸化水溶液中に AuNP を直
接合成し濃縮することで、1 %の程度の濃度の AuNP 分散水溶液を調製する技術を世界に先駆けて開発した。この
AuNP 分散水溶液は分散剤を添加しなくても4週間以上は AuNP が分散状態を保っている。また AuとHとOしか含ま
ないため、形成した Au 薄膜も有機分子等が含まれていない高純度な状態であり、極微量成分を対象とした SERS スペ
クトル測定を行う場合に妨害物質からのスペクトルやハロゲン化物イオンの影響が観察されないという点で優れている。
Au 電極から調整した AuNP 分散水溶液を濃縮し、その後基板上で乾燥し形成した Au 薄膜から強い SERS スペクトル
が測定可能な事は既に確認済みであった。本研究では SERS 基板の実用化を目指し以下の検討を行った。
本研究で得られた成果の概要は以下のとおりである。
1)ロータリーエバポレータを用いることで AuNP 分散水溶液の濃縮時間の短縮に成功した。
ガラス基板表面にシランカップリング剤の自己組織化単分子(SAM)膜を形成させ疎水性にすることで綺麗な円
2)
形の Au 薄膜が形成できた。
3)実験を継続しても Au 薄膜で632.8nm だけではなく514.5nm の励起光でも p- アミノチオフェノール(PATP)の
SAM 膜の SERS スペクトル測定を行うことができた。
4)5カ月経過しても強い SERS スペクトル測定が行えた。
5)PATP 以外の分子からも強い SERS スペクトルが観察できた。
当初想定したとおり、AuNP から作成した薄膜が SERS 基板として有効であった。価格が安価であれば十分に販売
可能であるとの感触を得ることができた。現在のラマン分光散乱装置の精度や仕様から見て直径1mm 以下の Au 薄
膜で十分な大きさである。我々の技術ではこの程度の大きさであれば小さくすることは容易で、10~100円程度で製造
できる。
今後の研究でどういうSP 条件で作製した AuNP や Au 薄膜がどの有機分子の SERS スペクトル観察に適しているか
が解明できることを期待している。実用化を考えると想定されるユーザーは大学、独立行政法人、企業等の研究者で、
種々の分子が対象となると思われるため、なるべく多種類の分子で SERS スペクトルが観察可能かどうかを確認したい。
これらの観察データを集約し、平成27年から AuNP 薄膜を「SERS 分光分析チップ」としてサンプル供給するとともに、
ユーザーニーズへの対応を行い実用的な分光分析チップを開発したい。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
http://ringring-keirin.jp
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
平成 26 年度
——九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業——
委託調査成果報告書(要約)
腹腔鏡手術のための体腔内スコープレンズ洗浄装置の開発
長崎大学医歯薬総合研究科 腫瘍外科 助教 高木 克典
【はじめに】
スコープの映像のみで手術する腹腔鏡手術では、温度差や血液、脂肪付着によるレンズの曇りや汚れが手術の妨
げとなる。確実に良好な視野を確保し、安全、迅速に手術を施行するため、スコープを体外に取り出さず、腹腔内でレ
ンズを洗浄できる機器を開発するのが本研究の目的である。
【方法】
我々は、当科所有の3D プリンターで洗浄装置の試作、改良を繰り返し、最高の洗浄能力を発揮できる形状を模索し
た。また、企業に金属での造形を依頼し作成した。同時に安井株式会社の電磁式ピンチバルブの設計を依頼した。
【結果・考察】
洗浄能力は問題ないが、3D プリンターで成型した洗浄装置は、ポートから出し入れするため、肉薄(電機工具による
研磨等を併用)に設計しており、3D プリンターで使用できる最も剛性の強い ABS like 樹脂を使用しても強度不足で破
損する可能性が判明した。強度を高めるためには金属での造形が不可欠と判断し、ステンレスで試作したが、装着に
よる変形が発生する可能性があり、材料をチタンに変更し企業に試作を依頼した。チタン製でもやはり、頻度は少ない
ものの、肉薄の影響で、洗浄装置自体が破損する可能性があり、材料をばねの柔軟性を併せ持つ鋼へ変更した。鋼の
場合は、人体への応用の点で実績あるステンレスやチタンには劣るものの、安価で剛性・柔軟性に問題なく、今後は
同素材で成型していく方針となった。また、実際にポートからの出し入れがストレスなく行える形状をさらに追求してい
く必要性も考えられた。電磁式ピンチバルブの試作で、比較的小型のボックスで送水・送気の瞬時の開閉が可能となっ
ており、洗浄装置のシステムに容易に組み込むことができ、有用であると考えられる。
【結論】
本調査終了時点で、硬性鏡洗浄装置は性能の面から申し分なく、強度の面から金属製が妥当であることが判明した。
また、ポートからの出し入れにいまだ難あり、滑り止め構造などの一工夫が必要である。電磁式ピンチバルブ開閉器
は機能。サイズ共に問題なく、同装置を洗浄システムに組み込むことが可能である。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
平成 26 年度
——九州地域新産業戦略に基づくイノベーション創出事業——
委託調査成果報告書(要約)
FSWによるマグネシウム合金接合技術開発
不二ライトメタル株式会社 研究開発・商品開発部 部長 井上 正士
【要約】
マグネシウム合金は様々な分野において、軽量化材料として注目が高まっている。近年積極的にマグネシウム合金
の採用が進んでいる分野として、スマートフォン、タブレットといった小型情報機器分野が挙げられる。このような小型
情報機器分野に限らず、自動車をはじめ、鉄道などの輸送分野においても、軽量化は省エネに直結する重要な要素で
あり、マグネシウム合金の適用に大きな期待が持たれている。しかし、マグネシウム合金は塑性加工性に劣り、押出加
工による大型展伸部材の製造は難しく、大型の構造物を製作するためには、材料同士の接合が不可欠である。ボルト・
ナット、リベット等による締結は、マグネシウム合金素地との電位差腐食を防止する対策が必要であり、TIG,MIG 溶接
では、接合部の溶融によって、接合部の機械的特性が低下してしまう問題がある。こうしたマグネシウム合金の接合に
は有効な接合方法であり、今後のマグネシウム製
おける問題に対して、摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding : FSW)
品の製造・普及に欠かせない技術である。
このような背景を受け、当社ではこれまでに各種マグネシウム合金の FSW による接合を行ってきた。本調査では、合
金毎の接合性を比較・評価するために、計6種のマグネシウム合金を用いて突合せ接合を行い、各々の接合適正範囲
を求めた。
【本調査により得られた成果】
図1に本調査で得られたすべての合金系の接合適正範
囲図を示す。
( )内の数字は継手効率を示している。 本
調査により、各マグネシウム合金板材の FSW において、
適正に接合が可能な範囲がそれぞれ明らかとなった。
AZ 系合金、難燃性マグネシウム合金では、合金の主
要成分がほとんど同じことから、接合特性や撹拌部の組
織、結晶配向、接合欠陥の形成において、同様の傾向が
示された。一方、KUMADAI 耐熱マグネシウム合金では、
適正接合範囲は狭いものの、試験を実施した合金の中で、
最も高い継手効率を示した。
図1. 各種マグネシウム合金の接合適正範囲図
得られた接合範囲図より、全ての合金系に共通して適正な接合が可能な条件は、ツール回転数1,000 ~ 2,000 rpm
の範囲で接合速度100 mm/ min、またはツール回転数2,000 rpm で接合速度300 mm/ min であった。FSW の適用
事例が最も多いアルミニウム合金の接合適正範囲と比較すると、マグネシウム合金の適正範囲は狭いが、いずれの合
金においても問題なく接合が可能であった。
今回の調査で、現在流通している汎用合金から注目を集めている新規合金まで、計6種の合金系の FSW を実施し、
比較することができた。これにより、合金毎に接合が可能な条件範囲が異なり、特に耐熱強度の高い合金で接合が難
しいことがわかった。得られた知見は、実際に製品の接合を行う際、非常に有益な指標となる。実用化に向けて、品質
評価法の確立や、接合メカニズムの解明など、取り組むべき課題は多くあるが、今後も基礎データの蓄積と評価に努め、
技術開発を進めていきたい。
この事業は、競輪の補助を受けて開催しています。
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センターの活動報告
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九州ヘルスケア産業推進協議会(HAMIQ)
[通常総会、表彰式、戦略セミナー開催報告]
平成27年 7 月 6 日、ハイアット・リージェンシー福岡にて、
「九州ヘルスケア産業推進協議会」通常総会、
第 2 回“ヘルスケア産業づくり”貢献大賞表彰式及びヘルスケア産業戦略セミナーを開催し、企業、大学、
医療機関、自治体等、総勢180名近くの参加がありました。
通常総会では、平成26年度の事業報告、平成27年度事業計画(案)、など 5 つの議案が審議され、いずれも
承認されました。又、表彰式ではヘルスケア産業の自立的な発展に寄与する取り組みを対象として、 6 つの
企業・団体を表彰し、各賞の取り組みが紹介されました。続いて戦略セミナー、その後交流会を実施しました。
1.開催日時 平成27年 7 月 6 日(月)14:00~19:00
2.会 場 ハイアット・リージェンシー福岡
3.議 事
(1)九州ヘルスケア産業推進協議会通常総会 (14:00~14:40)
平成26年度事業報告、平成27年度事業計画、規約改正、役員改選
(2)第2回“ヘルスケア産業づくり”貢献大賞表彰式(14:55~15:35)
①表彰状授与(大賞、九州経済産業局長賞、九州経済連合会長賞、奨励賞、特別賞)
②記念写真撮影
(3)ヘルスケア産業戦略セミナー (15:50~17:40)
①記念講演《60分》
◆講演者:経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課長 江崎 禎英 様
◆演 目:
「次世代ヘルスケア産業の創出にむけて~健康経営と地方創生を見据えて~」
②貢献大賞各賞受賞者による事例発表《10分×4名》
【大賞】
◆講演者:株式会社サンキュードラッグ 経営企画室 植村 陽嗣 様(最優秀賞)
◆取 組:
「かかりつけストア~地域密着型の新形態ドラッグストア」
【九州経済産業局長賞】
◆講演者:九州大学大学院芸術工学研究院 准教授 松隈 浩之 様(優秀賞)
◆取 組:
「リハビリ・ヘルスケアゲームの開発」
【九州経済連合会長賞】
◆講演者:特定医療法人財団 博愛会 理事長 那須 繁 様(優秀賞)
◆取 組:
「
『健康経営』の取組み」
【奨励賞】
◆講演者:株式会社スリーダイン 代表取締役社長 萩平 浩二 様(奨励賞)
◆取 組:
「誤差し感染防止を目的としたペン型注射器針外しキットの開発と商品化の取組」
(4)交流会 (17:45~19:00)
《75分》 ※参加者約85名
受賞された各機関の代表の皆様方に登壇していただき特別賞を受賞された2名の方にご挨拶
をしていただきました。
【特別賞】
株式会社イーピーメディック 田部 公資 様
大分県福祉保健部健康対策課 藤内 修二 様
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
九州地域環境・リサイクル産業交流プラザ(K-RIP)
事業報告と活動計画
(1)近年の都市化・工業化に
K - RIP は平成27年度、地域の企業が有する多様な強みや特徴、潜在力等を活用し、
(2)一次産業等の新分野への進出、
(3)広域連携に
より環境ニーズが急速に高まるASEAN 等の海外市場への進出、
よる全国展開のスピードアップ、を積極的に支援することで、環境分野の先導的地域として国内外における産業競争力
を強化し、地域の牽引役となる企業の創出・育成、地域への波及効果による経済活性化に繋がる取り組みを行います。
1.事業報告
K-RIPプロジェクト協議会の開催
として K - RIP プロジェクト協議会を開
平成27年度の「K - RIP プロジェクト」の選考会(プレゼンテーション)
催し、その結果、4社が採択されました。採択企業は、平成27年7月1日から平成28年2月末まで申請内容に基づき
プロジェクトを実施します。
「2.活動計画(6)」参照
(注)K - RIP プロジェクト・・・
(1)開催日時:平成27年6月3日(水)13:00~16:15
(2)会 場:
(一財)九州産業技術センター 3階会議室
(3)採択企業:
企業名
プロジェクト名
1
㈱環境緑化保全コンサルタント
モンゴル版くりんかロード事業化調査事業
2
㈱エコプラン
子水神
(正多角形状配置別)
の水質改善効果の最適化実証実験
3
㈱ JSV
SOCメーターでフォークリフト鉛蓄電池100%再生器再生時間短縮化
とSOCメーター商品化
4
㈱ユニティクス
弊社特許技術を使った遠隔監視システムの CEMS / HEMS 市場へ
の展開
プレゼンテーション
審査会
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
2.活動計画
(1)ネットワーク体制強化事業
環境ビジネスの創出・事業化プロジェクト組成、新市場開拓支援に関係する国の施策等の有益な情報、成
功事例等について WEB ページ・メルマガ・情報誌等を一体的に運用した情報発信などを通じて環境産業に関
わる企業ネットワークの拡充を図ります。
(2)技術シーズ・企業ニーズ等の把握、環境技術シーズ集の作成
優れた環境技術を持った地域企業や大学等の技術シーズの発掘、企業における技術的課題や海外展開等
のニーズ調査等を行うことで、ビジネスパートナーや新規ユーザーの発掘、新分野進出に繋がる新規プロジェ
クト創出を図ります。
また、農業・水産業等の新分野に展開可能な環境技術をシーズ集としてとりまとめ、新事業創出のためのプ
ロジェクト組成に繋げると共に、広く情報発信することで新分野展開を促進します。
(3)異業種ネットワーク構築・ビジネスマッチング交流会事業
を福岡市内で
企業や研究者による自社製品・技術・サービス・ビジネスモデル等のプレゼン発表会(エコ塾)
定期的に開催します。また、この交流の場を拡大するために、環境エネルギー関連の支援機関、自治体等と協
働して「拡大版エコ塾」を開催します。
さらに、大企業・異業種とのビジネスマッチングの場を創出するため「環境ビジネス交流会」等の各種交流セ
ミナー事業を実施します。
(4)知財・環境ビジネスワークショップ事業 (※新規)
環境・リサイクル産業分野の中小企業・小規模事業の若手経営者等に対し、知財に関する基礎知識、知財活
用による企業価値向上の方策、海外展開を見据えた知財戦略の立て方、留意点等について、情報提供すると
共に、具体的な知財保護戦略及び知財を活用したビジネス戦略を検討するためのグループワークを九州知的
財産活用推進協議会等と連携して実施します。
(5)技術シーズ発信会・環境ビジネスアライアンスマッチング事業
①環境ビジネスアライアンスマッチングセミナー
他地域(近畿地域、沖縄地域等)の支援機関とともに「環境ビジネスアライアンスマッチングセミナー」を企画
調整し実施します。
②技術シーズ発信&個別商談会
九州内外の大型環境見本市等の機会を活用した技術シーズの発信・個別商談会を開催し、ビジネスパート
ナーや新規ユーザーの発掘を目的としたマッチング事業を実施します。
③環境イノベーションフォーラム
「環境・エネルギー関連中小企業と一次産業関係者等とのビジネスマッチングの機会を創出します。
(6)K-RIPプロジェクト
会員に対して、①可能性調査事業、②製品開発事業、③既存製品改良事業、④その他事業、に要する一部資
金の助成や法務・経営・技術など個別の相談に対応できる専門家の派遣による支援を行います。
(7)新分野進出・新事業創出プロジェクト研究会
マネージャーが中心となって実際に製品等を開発する企業や提携先企業、大学等と技術課題、製品開発・事
業化のプロセスやターゲット市場の明確化等について検討を行い、新分野進出、新事業創出を具体化します。
また、九州地域の蓄積された多様なもの作り技術や、エネルギー分野の技術等を取り込み九州ソーラーネッ
トワーク等と連携して、技術融合、企業ネットワーク拡大を図ります。
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センターの活動報告
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KITEC 2015 No.275
(8)専門家派遣事業等による個別支援
技術開発、海外展開、法律、知財、経営、金融、マーケティング等の相談に対応する専門家と提携し、企業の
課題や相談に応じて適切な支援を行う。
(9)アジア環境ビジネスセミナー(仮称)
海外展開を指向する企業等を対象として、ASEAN 諸国のビジネス環境、現地プロジェクトへの参画可能性
等に関する情報提供、進出企業による事例紹介等を行うセミナーを九州経済国際化推進機構等と連携して開
催します。
(10)ASEAN 環境産業交流事業
K - RIP では、ASEAN 地域へ環境分野の企業と支援機関等で構成するミッション団を派遣し、ビジネスベー
スでの受注獲得を目指した海外環境プロジェクトを組成します。
また、近年増加している環境分野における海外からの環境産業視察団の九州訪問に対して、九州地域の技
術力発信と海外ビジネスチャンスの拡大に繋げます。
(11)アジア環境ビジネス・新事業創出プロジェクト研究会
海外展開を指向する企業、専門家等で構成する研究会等の設置を通じて、現地ニーズへの対応方策、案件
組成、企業間の連携方策、現地進出のためのプロセス等について検討を行い、具体的な海外ビジネス組成・
海外市場獲得を図るためのプロジェクトを組成します。
(12)ASEAN 環境プロジェクト組成のための現地調査、官民協議の実施
マネージャー及び海外コーディネーターが現地を訪問し、ASEAN 進出に係る現地情報の収集やプロジェク
ト候補地の訪問調査を行うとともに、現地の政府関係機関や企業等との協議を行い、環境プロジェクトの具体
化や現地進出の支援を行います。
(13)海外展開に関する個別案件フォロー
マネージャーが中心となって不足リソースの補完や海外コーディネーターによる助言・情報提供を行い、各
種支援メニュー(経済産業省海外展開関係補助金、JICA 事業等)の活用や専門家派遣等を行うことで、海外
ビジネス成約に向けた取組を支援します。
《KITEC 会員の皆様へ 》
入会のご案内
K-RIP では環境ビジネスに精通したマネージャーが、会員の皆様のニーズに合ったビジネスプランを
ご提案しています。事業内容や入会方法に関しては、下記連絡先にお気軽にお問い合わせ願います。
福岡市博多区博多駅東2-13-24 一般財団法人九州産業技術センター内
(TEL)092-474-0042 (FAX)092-472-6609 事務局 嶋田、杉迫、中尾
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シリーズ
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KITEC 2015 No.275
平成 26 年度(後期)国際研究集会参加報告
米国真空学会 第 61 回国際シンポジウム & 展示会 参加
九州大学大学院システム情報科学研究院
准教授 板垣 奈穂
1. 会議概要
講演数は1300件以上、企業展示は200社以上とのことで、
九州産業技術センターの国際研究集会派遣支援を受
当該分野における世界最大級の国際会議となりました。
け、平成26年11月7-14日に開催された米国真空学会国
日本人参加者は比較的少なく寂しい気が致しましたが、
際シンポジウム & 展示会にて招待講演を行いました。会
そのため多くの外国人研究者と親交を深めることができ、
場のコンベンションセンターがあるボルチモア市は、ワシ
情報収集の観点からも非常に有意義な学会参加となりま
ントン DCより北西に30マイル離れたメリーランド州の最
した(特に、スパッタリング研究の世界的第一人者であ
大都市で、古くから天然の良港として知られていましたが、
る West Bohemia 大の Vlcek 先生と長時間にわたり議論
現在は再開発が進み、観光地としても人気を集めています。
できたことは大きな収穫であり、共同研究の着手に至りま
本研究集会は毎年米国で開催されており、今回で61回
した。2015年5月には同大学に訪問することになっており
目の開催となります。LSI( 半導体集積回路)や太陽電池
ます)
。
に代表される半導体デバイス形成に関する最先端の研
究討論に加え、環境応用や医療応用といった新しい学術
2. 発表論文概要
分野も含め、最新の研究成果と将来の展望を包括的に討
ZnO は資源が豊富で人体への影響が小さく、絶縁体
議し、半導体ならびに真空プロセスにおける学術・応用
から金属的な伝導まで制御できることから、資源問題と有
研究の進歩発展を図ることを目的としています。最近では、
害性が顕在化した In2 O3 :Sn の代替透明導電膜や、高効
材料・デバイス・プロセス分野において、伝統と権威ある
率・低コストLED 材料等、様々な用途が期待されています。
国際会議として広く認知されるようになり、毎年、米国の
本研究は、反応性スパッタリングによるZnO 膜の新しい
みならず、欧州、アジアなど世界各国から多数の研究者が
結晶成長制御法を確立したものであり、これにより、
(1)
参加しています。ちなみに今年の参加人数は2000名以上、
高格子不整合基板上への単結晶 ZnO 膜の成長、
(2)Al
添加 ZnO(ZnO:Al)透明導電膜での極めて低い抵抗率、
(3)新しい混晶系半導体 ZnInON におけるバンドギャッ
プエンジニアリング、を実現しました。以下にその成果の
概要を記します。
(1)新
規結晶成長法による高格子不整合基板上への単
結晶 ZnO 膜の成長
膜形成時における不純物元素(窒素元素等)の混入が
結晶成長を阻害することに着目し、新しい結晶核発生制
御法(不純物添加結晶化法)
を考案しました。これにより、
従来スパッタリング法では不可能であったサファイア等
の高格子不整合基板(格子不整合率~18%)上への単結
ボルチモア インナーハーバーの夜景
http://commons.wikimedia.org/
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晶 ZnO 膜の形成に成功しました。
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シリーズ
(2)新規結晶成長法による低抵抗 ZnO:Al 透明導電膜
の作製
●
KITEC 2015 No.275
4. 最後に
現在、LED や透明導電膜にはレアメタル材料が用いら
上述の核発生制御法をガラス基板上への多結晶膜形
れていますが、本研究により安価な代替材料(ZnO)にお
成に展開し、ZnO:Al 透明導電膜の低抵抗化を実現しま
ける大幅な性能向上が可能となるため、多くの聴講者に
した。本手法は特に極薄膜において有効であり、20nm
興味を持って頂き、発表後は多数の質問や、また、共同研
-4
の薄膜において約3×10 Ω ·cm の抵抗率(従来手法に
究の打診を受けました。改めて、材料プロセス分野にお
比べ1桁低い)
を得ています。また、膜成長雰囲気への不
ける世界最大規模の国際会議である本学会で発表する
純物添加が、基板表面における吸着原子のマイグレーショ
宣伝効果を実感しました。また本学会には材料研究に係
ンを促進することを明らかにしました。
わる米国、欧州、アジアをはじめとする世界第一線の研究
(3)新しい混晶系半導体 ZnInONの創出
者が集結しており、彼らと国際的な連携を強めることが出
ZnO を ベ ー スとし た 新しい 混 晶 系 半 導 体 材 料
「ZnInON」を創出し、該材料が、i)可視光全域をカバー
2
するバンドギャップ、ii)高いキャリア移動度(>100 cm /
5
-1
来た点は本学会参加の大きな収穫の一つだと考えていま
す。
本学会への参加は今後の研究発展につながる大変有
Vsec @ 室温)、iii)高い光吸収係数(~10 cm )等の優
意義なものであり、このような機会を与えて頂いた国際学
れた物性を有することを示しました。本材料により、従来
会派遣支援プログラムに心より感謝致します。
材料では実現し得ない超高効率太陽電池や、極低消費
電力型・光トランジスタといった次世代グリーンデバイス
が創出されると期待されます。
本研究で開発した結晶成長法は、これまで高コストプ
ロセスでしか形成し得なかった高品質半導体膜を、量産
性に優れたスパッタリング法により低コスト且つ簡便に
形成可能にしたとともに、従来に無い新しい材料系の創
出を可能にしました。これらの成果は、今後、材料科学分
野に革新をもたらすものと期待されます。
3. 聴取者の評価 聴取者との議論
講演では、我々が提案する新しい手法により、従来にな
い高い品質を有するZnO 薄膜を、量産性に優れたスパッ
タリング法により実現したことを紹介しました。今回は招
待講演ということもあり参加者からの注目も高く、産業に
直結する画期的成果との評価を頂きました。欧州や米国
の複数の研究グループと、お互いの技術を組み合わせて
さらなる高性能化が出来ないか、
という検討も始めており
ます。
情報収集の視点からも非常に有意義な学会であり、特
に Sandia National 大のグループから発表された、不純
物がある系における酸化物半導体の結晶成長に関する
考察は、我々の研究を発展させる上で大きなヒントになり
ました。
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九州経済産業局情報
九州経済産業局人事異動
◎平成 27 年 6 月 15 日付発令
(氏 名)
折
あ
ゆ
(新)
田
憲
一
は
しん
いち
阿由葉 信 一
30
(旧)
大臣官房付・辞職
資源エネルギー環境部長
資源エネルギー環境部長
商務情報政策局製品安全課製品事故対策室長
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九州経済産業局情報
「ものづくり白書」
(平成 26 年度ものづくり基盤技術の振興施策)
「ものづくり白書」は、ものづくり基盤技術振興基本法(平成11年法律第2号)第8条に基づく法定白書で、
今回で15回目です。
本報告書は、昨年に引き続き、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省共同で作成作業を行い、6月9日、
閣議決定されました。
<今回のものづくり白書のポイント>
経済産業省が執筆した第1部第1章では、
「我が国製造業が直面する課題と展望」を分析しています。
1.アベノミクスを背景とした企業業績の改善が進み、国内の設備投資も増加しつつあるものの、さらな
る投資の活発化が重要です。
2.GDP の2割を占め、新たなイノベーションや技術を生み出し、他産業への高い波及効果を持つ製造業
は引き続き重要です。国内拠点の役割を見極め、国内・海外でそれぞれ稼ぐ分野を明確化しつつ、国
内の製造業の基盤として様々な担い手を育成していくことが課題です。また、製造業の稼ぎ方が変化
する中、海外収益の国内への利益還元も重要な課題です。
3.IoT(Internet of Things)の進展により、ものづくり産業も大きな変革を遂げている中、製造業の新
たなビジネスモデルへの対応は重要な課題となっています。インダストリー4.0等の各国の動きも見据
え、我が国ものづくり産業の今後の方向性を検討します。
以下のホームページから電子媒体がダウンロードできます。ぜひご利用下さい。
<ものづくり白書の PDF 版はこちらをご覧下さい。>
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2015/honbun_pdf/index.html
本件全般に関する問い合わせ先
九州経済産業局製造産業課(電話:092-482-5442)
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九州経済産業局情報
平成 27年度版「中小企業施策利用ガイドブック」発行のお知らせ
中小企業庁では、毎年、支援策を冊子にとりまとめ、同庁ホームページに掲載しています。
本冊子の平成27年度版が発行されましたので、お知らせします。
中小企業の方が中小企業施策をご利用になる際の手引書として主な施策の概要を紹介しています。
以下のホームページから電子媒体もダウンロードできますし、冊子の申込みもできます。ぜひご利用下
さい。
<中小企業庁ホームページ:中小企業庁出版物>
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/g_book/h27/index.html
【本冊子のご利用の手引き】
本書では、震災対策、経営改善・資金繰り支援対策をはじめとした重点施策を含め、中小企業者の方が
施策をご利用になる際の手引書として、各支援制度の概要を紹介するものです。
【使い方】
巻頭の「インデックス」では、利用者のニーズにあわせて利用できる施策を支援制度別に探すことがで
きます。また、
「目次」では、中小企業施策を以下の項目に分類し、項目毎に利用できる施策が一覧でき
るようになっています。
平成26年度重点施策(震災対策、経営改善・資金繰り支援など)
1.経営サポート:技術力の強化、創業・ベンチャー支援、経営革新支援、新たな事業活動支援、知的財産支援、
再生支援、雇用・人材支援、海外展開支援、取引・官公需支援、経営安定支援、小規模企業支援
2.金融サポート(融資制度、保証制度)
3.財務サポート:税制、会計、事業承継
4.商業・地域サポート:商業・物流支援
5.分野別サポート
6.相談・情報提供:中小企業支援センターなど
【注意点】
1.掲載されている内容(項目、要件、申請時期等)が変更される場合
もありますので、ご注意ください。
2.本書は、平成27年3月現在で編集しています。
本件全般に関する問い合わせ先
九州経済産業局技術企画課(電話:092-482-5461)
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九経マンスリー
平成27年7月9日
九州経済産業局
今月の管内経済動向: 九州地域の経済は、緩やかに持ち直している。
生産は緩やかに持ち直している。輸出は持ち直している。個人消費は持ち直しの動きがみられる。雇用情勢は改善している。
国内需要や海外経済の動向などを引き続き注視する必要がある。
概 況
1.生産動向
5 月の鉱工業生産指数(季節調整済)は、102.9 で前月比▲2.2%と
3 か月ぶりの減少となった。
2.設備投資動向
26 年度の設備投資は、製造業は前年度比 +12.8%、非製造業は同
+11.1%と前年度を上回り、全産業でも同 +11.9%と前年度を上回っ
た。一方、27 年度の設備投資計画は、製造業は同 +11.7%、非製造
業は同▲10.5%で、全産業では同▲0.3%と前年度を下回る見込み。
3.貿易動向
5 月の輸出額は、前年同月比 +6.1%と3 か月連続の増加、輸入額は
同▲7.2%と5 か月連続の減少となった。
4.消費動向
●大型小売店販売額
5 月の大型小売店販売額は1,311 億円で前年同月比 +4.7%と2 か月
連続の増加となった。百貨店は419 億円で同 +1.4%と2 か月連続の増
加、スーパーは891 億円で同 +6.3%と2 か月連続の増加となった。
●コンビニエンス・ストア販売額
5 月のコンビニエンス・ストア販売額は831 億円で、全店では前年同
月比 +6.6%と44 か月連続の増加、既存店では同 +1.5%と9 か月
連続の増加となった。店舗数は4,758 店となった。
●乗用車新車登録・届出台数
5 月の乗用車新車登録・届出台数は、小型車・軽自動車が前年を下回
り、乗用車全体で前年同月比▲14.8%と5 か月連続の減少となった。
●家計調査
5 月の消費支出(二人以上の世帯)は26 万 3,571 円で、前年同月比
+8.3%と2 か月連続の増加となった。可処分所得(勤労者世帯)は、
同 +4.4%と3 か月連続の増加となった。
●家電販売額
5 月の家電販売額は前年同月比 +13.4%の増加。生活家電(エアコ
ン・冷蔵庫・洗濯機・掃除機・扇風機等)が増加した。
●旅行取扱高
5 月の九州の主要旅行業者 3 社の旅行取扱高は、国内旅行は前年同
月比 +0.3%と2 か月連続の増加、海外旅行は同▲22.9%と8 か月
連続の減少、合計では同▲6.3%と5 か月連続の減少となった。
●賃金(現金給与総額)
4 月の賃金(5 人以上の事業所)は、全産業では前年同月比▲0.9
%と2 か月連続の減少、製造業では同▲2.3%と5 か月連続の減少
となった。
5.住宅建設動向
5 月の新設住宅着工戸数は、持家、貸家、分譲住宅が前年を下回り、
全体では前年同月比▲3.2%と4 か月連続の減少となった。
6.物価動向
5 月の消費者物価指数(九州)は、104.2 で前年同月比 +0.9%と24 か
月連続で上昇(前月比は +0.5%)。国内企業物価指数は、103.9 で前
月比 +0.3%と3 か月連続の上昇(前年同月比は▲2.1%)。
7.雇用動向
5 月の新規求人倍率は前月比 +0.05ポイントの 1.53 倍、有効求人
倍率は前月比 +0.02ポイントの 1.03 倍となった。
8.公共投資動向
5 月の公共工事請負金額は、前年と比較して国、県、市町村等が減
少し、全体で前年同月比▲22.9%と10 か月連続の減少となった。
9.企業倒産動向
5 月の倒産件数は前年同月比▲8.8%と2 か月連続の減少、負債金
額は同▲30.8%と3 か月ぶりの減少となった。
九州の主要経済指標(27年5月)
■生産動向【九州経済産業局】 生産指数
102.9
(参考)出荷指数
108.0
在庫指数
124.1
前月比 前年比
▲2.2
0.3
▲0.9
2.6
▲0.4
8.6
(25 年度、26 年見込、27 年度計画 )
■設備投資動向【日本銀行福岡支店】
26 年度
27 年度
全産業
11.9
▲0.3
製造業
12.8
11.7
非製造業
11.1
▲10.5
■貿易動向【財務省】
輸出通関額
467,519 百万円
輸入通関額
459,126 百万円
6.1
▲7.2
■大型小売店販売額【九州経済産業局】
合計
131,052 百万円
百貨店
41,910 百万円
スーパー
89,141 百万円
4.7
1.4
6.3
■コンビニエンス・ストア販売額【九州経済産業局】
商品販売及びサービス売上高
831 億円
全店
既存店
店舗数
4,758 店
6.6
1.5
■乗用車新車登録・届出台数【福岡県自動車販売店協会等】
乗用車計
28,299 台
▲14.8
普通車
7,477 台
4.7
小型車
8,210 台
▲7.8
軽自動車
12,612 台
▲26.5
■家計調査【総務省】
消費支出(二人以上の世帯)263,571 円
可処分所得(勤労者世帯) 310,011 円
平均消費性向(季調値、全国)
74.3%
(実質)
(実質)
■家電販売額【九州経済産業局】
販売額前年同月比
8.3
4.4
3.0
13.4
■旅行取扱高【九州運輸局】
国内旅行
7,981 百万円
海外旅行
2,469 百万円
合計
10,451 百万円
0.3
▲22.9
▲6.3
■賃金【各県】
(27 年 4 月)
全産業
製造業
▲0.9
▲2.3
■住宅建設動向【国土交通省】
住宅着工計
6,570 戸
持家
2,189 戸
貸家
3,156 戸
分譲住宅
1,138 戸
▲3.2
▲2.8
▲3.6
▲7.7
■物価動向【日本銀行・総務省】
消費者物価指数(九州) 104.2
企業物価指数(全国)
103.9
■雇用動向【九州各労働局】
1.53 倍
新規求人倍率(季調値)
月間有効求人倍率(季調値) 1.03 倍
0.5
0.3
0.9
▲2.1
0.05
0.02
0.15
0.13
■公共投資動向[工事請負]
【西日本建設業保証㈱】
請負金額
827 億円
▲22.9
■企業倒産動向【㈱東京商工リサーチ福岡支社】
倒産件数
52 件
負債金額
7,817 百万円
▲8.8
▲30.8
(注)
・
「1. 生産動向」の指数は季調値、ただし前年比は原数値で比較。
・
「3.貿易動向」は、九経マンスリー平成 26 年3月版から、山口・沖縄を含まない。
・
「4. 消費動向」中、消費支出・可処分所得の前年比は、算出にあたって消費者物価指数(総務省)により実質化。また、平均消費性向は前月差、前年差で表記。
35
KITEC 2015 No.275
九州経済産業局情報
九州地域の鉱工業動向(平成 27 年5月速報)
1.
概 況
○ 基調判断
緩やかに持ち直している
平成 27 年5月の鉱工業生産指数 ( 季節調整済 ) は 102.9 となり、前月比が▲2.2
%と3か月ぶりに低下し、前年同月比は+0.3%と3か月連続の上昇となった。
(平成 22 年=100)
原 指 数
季節調整済指数
前年同月比 %
前 月 比 %
九州
全国
生 産
102.9
▲ 2.2
95.7
0.3
出 荷
108.0
▲ 0.9
99.3
2.6
在 庫
124.1
▲ 0.4
122.2
8.6
在庫率
117.9
0.3
121.7
3.7
生 産
97.1
▲ 2.2
90.2
▲ 4.0
出 荷
96.0
▲ 1.9
87.7
▲ 3.2
在 庫
112.9
▲ 0.8
111.7
3.9
在庫率
115.3
1.9
121.3
6.3
▲印は低下を示す。
九州の鉱工業生産指数と前年比の推移
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
-30
-35
-40
-45
前年同月比
九州生産指数
全国生産指数
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
前 年 同 月 比︵ % ︶
生 産 指 数︵ 季 節 調 整 済 ︶
140
135
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
75
70
65
60
平成27年5月
九州
102.9
全国
97.1
(年)
※ 時系列表は当局ホームページからダウンロード出来ます。
(http://www.kyushu.meti.go.jp/stat/index.html)
※ 全国分の鉱工業指数については経済産業省ホームページをご参照下さい。
(http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html)
(本発表資料のお問い合わせ先)
九州経済産業局総務企画部調査課長 田志
担当者:上野、村山
電話:092-482-5418
36
KITEC 2015 No.275
九州経済産業局情報
2.業種別動向
業種別の前月比をみると、鉄鋼業、金属製品工業など 15 業種中4業種が上昇し、
はん用・生産用・業務用機械工業、化学・石油石炭製品工業、輸送機械工業、電子部品・
デバイス工業など 10 業種が低下した。
【 生 産 】全 15 業種中 上昇4業種、低下 10 業種、横ばい1業種
季節調整済指数
前期(月)比 %
前年同期(月)比 %
26 年
4∼6 月
100.1
▲3.4
2.1
7∼9 月 10∼12 月
97.5
100.7
▲2.6
3.3
▲1.9
1.9
前 年
同月比
主な上昇・低下業種/ウェイト
27 年
1∼3 月
104.9
4.2
1.1
27 年
2月
102.8
▲4.3
▲0.9
前 月 比
前月 今月
3月
104.4
1.6
1.9
P
R
4月
105.2
0.8
5.1
5月
102.9
▲2.2
0.3
主な上昇・低下品目
上昇
低下
鉄鋼業
569.3
▲0.2
▲3.2
5.9 フェロアロイ、普通鋼鋼帯 等
金属製品工業
410.8
▲4.9
▲4.8
4.0 管継手、飲料用アルミニウム缶 等
はん用・生産用・業務用機械工業
1,119.2
▲13.9
5.4
化学・石油石炭製品工業
825.9
7.8
2.1
輸送機械工業
2,448.7
2.5
▲5.3
電子部品・デバイス工業
1,229.9
19.4
10.8
反応用機器、ボイラ・蒸気タービンの部
▲11.7 品・付属品 等
▲6.2
ポリアミド系樹脂形成材料、皮膚用化粧
品 等
▲2.4 軽・小型乗用車、普通自動車 等
▲2.4 半導体集積回路(ロジック、マイコン) 等
【 出 荷 】全 15 業種中 上昇8業種、低下7業種、横ばい0業種
季節調整済指数
前期(月)比 %
前年同期(月)比 %
26 年
4∼6 月
101.8
▲4.5
0.3
7∼9 月 10∼12 月
100.2
104.3
▲1.6
4.1
▲2.1
2.8
27 年
1∼3 月
108.9
4.4
2.4
27 年
2月
106.1
▲5.6
0.9
3月
108.1
1.9
1.5
R
4月
109.0
0.8
8.0
【 在 庫 】全 15 業種中 上昇6業種、低下9業種、横ばい0業種
季節調整済指数
前期(月)比 %
前年同期(月)比 %
130
26 年
4∼6 月
113.4
0.8
▲0.4
P
5月
108.0
▲0.9
2.6
R
P
7∼9 月 10∼12 月
27 年
1∼3 月
27 年
2月
3月
4月
5月
115.5
1.9
4.4
122.2
7.1
8.6
119.7
0.7
6.0
122.2
2.1
8.6
124.6
2.0
9.7
124.1
▲0.4
8.6
114.1
▲1.2
3.6
半導体関連
九州の半導体・自動車関連等の生産指数
自動車関連
(平成22年=100)
自動車関連
生産指数=106.1
前月比▲1.1%
除く.半導体・自動車関連
120
除く.半導体・自動車
関連
生産指数=103.5
前月比▲2.4%
110
100
90
半導体関連
生産指数=95.2
前月比▲5.4%
80
70
60
H22
H23
H24
半導体関連
H25
自動車関連
H26
H27
(年)
除く、半導体・自動車関連
《注:半導体関連、自動車関連は以下の品目を合成して指数化》
半導体関連:半導体素子+集積回路+半導体部品+半導体製造装置+半導体・IC 測定器
自動車関連:四輪自動車+自動車部品+乗用車用エアコン+二輪自動車+二輪自動車部品+普通鋼鋼帯+普通鋼冷間仕上鋼材
+特殊鋼鋼材+亜鉛めっき鋼板+アルミニウム二次・二次合金地金+アルミニウムダイカスト+線ばね+金型+PM モーター
+電気照明器具+タイヤコード+プラスチック製機械器具部品+自動車用タイヤ
除.半導体・自動車関連: 鉱工業(全体)−(半導体関連+自動車関連)
37
●
産総研九州センター情報
●
KITEC 2015 No.275
【最近の特許情報】
( 27年 3月〜27年 5月)
特許番号
(登録日)
出願番号
(出願日)
第5713264号 特願2011-541984
(H27.3.20) (H22.11.19)
38
発明の名称
欠陥を検査する方
法、 ウ エ ハ ま た は
半導体素子の品質
管理方法及び欠陥
検査装置
代表発明者
要 約
【要約】光源装置7からの光にポラライザー8により偏光を与えて被
検査体 W に対し斜め方向に入射させ、その散乱光を暗視野に配置さ
れ偏光分離素子12を有する CCD 撮像装置10で撮像し、得られた P
偏光成分画像と S 偏光成分画像とについて偏光成分光強度と、それ
らの比としての偏光方向を求める。被検査体に応力を印加していな
い状態と、被検査体に静荷重を付加して被検査体の光照射側の面に
野中 一洋 おいて引っ張り応力となる静応力を印加した状態とでの撮像により
得られた画像から偏光成分光強度、偏光方向を求め、所定の閾値と
対比することにより欠陥の検出、分類を行う。被検査体における内
部析出物、空洞欠陥、表面の異物ないしスクラッチ、表層のクラッ
クの欠陥を精度よく検出し、欠陥の種類を特定して欠陥を分類する
ことができる。半導体素子作製用ウエハについて欠陥を検査し、品
質管理を行うことにより、不良品を格段に減少させられる。
●
産総研九州センター情報
●
KITEC 2015 No.275
39
●
40
産総研九州センター情報
●
KITEC 2015 No.275
技術相談のご案内
当財団では、これまで九州地域の産業技術振興のため、産・学・官の協力体制を整え、
技術相談及び指導を行ってまいりました。企業の研究開発等にあたって、お悩みになっている
技術問題や課題について相談に応じるため、技術相談を下記の要領で実施いたしております。
また、技術相談を契機として、企業と大学、あるいは国公設試験研究機関等との共同研
究、委託研究へと発展するように関係機関との連携も行っていますので是非ご利用下さい。
なお、相談内容の機密保持については十分注意いたします。
1.技術相談の方法
(1) 電話、E-Mail([email protected])により相談受付をおこなっています。
また、当財団のホームページ(http://www.kitec.or.jp)より技術相談も可能です。
(2) 相談内容に応じて、九州内の産・学・官から相談員を選定し、当財団の担当者が
対応します。
(問い合せ先)
一般財団法人九州産業技術センター
技術振興部
TEL: 092-411-7394、FAX: 092-472-6688
E-Mail:[email protected]
41
一般財団法人 九州産業技術センター
(URL)http://www.kitec.or.jp/
〒812-0013
発行日:2015年 7 月25日
福岡市博多区博多駅東 2丁目13番24号
総 務 部 TEL 092 - 411-7391
(代)
技術振興部 TEL 092 - 411-7394(代)
FAX 092-472-6609
FAX 092-472-6688
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