資料1 宮崎市上下水道事業の現状と課題 平成27年度 第1回 宮崎市上下水道事業経営審議会 (平成27年6月2日) 1.事業概要 1)水道事業 (平成25年度末) ○給水人口 396,830人 (水道普及率 98.8%) ○年間総給水量 50,977,025m3 ○導送配水管延長 約2,479km ○主な施設 ・下北方浄水場(給水能力:100,000m3/日) ・富吉浄水場(給水能力:72,500m3/日) 2)公共下水道事業 (平成25年度末) ○処理区域内人口 344,317人 (下水道普及率 85.1%) ○水洗化人口 317,463人 (水洗化率 92.2%) ○年間総処理水量 48,075,545m3 (汚水:43,603,446m3、雨水:4,472,099m3) ○管きょ延長 約1,821km ○主な施設 ・宮崎処理場(処理能力:94,100m3/日) ・大淀処理場(処理能力:62,900m3/日) 1 2.公営企業会計の仕組み 1)経営の基本原則 ・常に企業の経済性を発揮 ・公共の福祉の増進 ◆地方公営企業法(抜粋)◆ (経営の基本原則) 第三条 地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その 本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければなら ない。 2)独立採算 その経費は、当該企業の経営に伴う収入をもって あてなければならない ◆地方公営企業法(抜粋)◆ (経費の負担の原則) 第十七条の二 (略) 2 地方公営企業の特別会計においては、その経費は、前項の規定によ り地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において負担するものを 除き、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもつて充てなければなら ない。 2 3)料金 ・公正妥当な料金 ・能率的な経営の下における適正な原価を基礎 ・健全な運営を確保できる料金 ◆地方公営企業法(抜粋)◆ (料金) 第二十一条 地方公共団体は、地方公営企業の給付について料金を徴収 することができる。 2 前項の料金は、公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な 経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営 を確保することができるものでなければならない。 3 3.上下水道事業の経営状況 1)水道事業 (1)収益と費用の推移 ※H22~25年度は決算、H26年度は決算見込(最終補正予算) ※端数処理により合計が一致しない箇所がある 4 (2)給水収益の推移 ※H22~25年度は決算、H26年度は決算見込(最終補正予算) ・給水収益は年々減少傾向 5 (3)費用の推移 ※H22~25年度は決算、H26年度は決算見込(最終補正予算) ※端数処理により合計が一致しない箇所がある ・施設更新等に伴う投資の増加により、減価償却費が年々増加している 6 7 2)公共下水道事業 (1)収益と費用の推移 ※H22~25年度は決算、H26年度は決算見込(最終補正予算) ※端数処理により合計が一致しない箇所がある 8 (2)下水道使用料収益と繰入金の推移 ※H22~25年度は決算、H26年度は決算見込(最終補正予算) ・下水道使用料改定により24年度以降下水道使用料収益が増加し ている ・一般会計繰入金は、下水道使用料収益の増加及び経費節減等に より減少している 9 (3)費用の推移 ※H22~25年度は決算、H26年度は決算見込(最終補正予算) ※端数処理により合計が一致しない箇所がある ・費用の約7割を減価償却費と支払利息が占めている ・会計制度の見直しにより26年度より減価償却費が増加しているが、 新たな収益(長期前受金戻入)があるため、経営状況はかわらない 10 11 4.資産の状況 1)水道事業 2013年度(平成25年度)末現在 ・ 1974年度(昭和49年度)以前に布設した管路は、法定耐用年数 (40年)を経過している ・今後も法定耐用年数を迎える管路は増大する見込みであり、その 費用の捻出が課題 12 2)公共下水道事業 2013年度(平成25年度)末現在 ・1964年度(昭和39年度)以前に布設した管路は、法定耐用年数(50 年)を経過している ・急激に整備を進めてきたため、今後法定耐用年数を迎える管路も急 激に増加する見込み ・現在も町域の整備を進めているため、管路の総延長は今後も増加す る見込み 13 5.経営における課題 1)水道事業 データ出典:地方公営企業年鑑(H22~H25) データ出典:地方公営企業年鑑(H22~H25) ・22年度から25年度にかけて供給単価が給水原価を下回っている状況 ※供給単価=水道水1立法メートルを売った金額 ※給水原価=水道水1立法メートルを作るのにかかった金額 ・料金回収率(=供給単価÷給水原価)は、100%を割っており、類似事業体 平均や全国平均を下回っている状況 ※類似事業体=給水人口30万人以上の事業体(東京都や政令市を除く) 25年度現在で47事業体 14 1)水道事業 データ出典:地方公営企業年鑑(H22~H25) ・施設の更新や耐震化等に伴い企業債(借金)の残高は年々増加している ・1人あたりの企業債残高も年々増加している ・有収水量1m3あたりの企業債残高は、類似事業体平均や全国平均に比 べて高い水準にある ・類似事業体平均や全国平均が減少傾向にあるなか、増加傾向にある 15 2)公共下水道事業 ・平成24年10月の使用料改定により使用料単価は上昇しているものの、 当面の目標としている150円/m3の水準には届いていない状況 ※使用料単価=汚水1立法メートルを処理するために得た金額 ※汚水処理原価=汚水1立法メートルを処理するためにかかった金額 ・企業債残高は年々減少しているものの、 25年度末現在の残高は 900億円を超えている状況 16 17 6.経営の方針 みやざき水ビジョン2010 Ⅰ.安全で安定したライフラインの 構築を目指して(上水道) お客様 Ⅱ.安心して快適に暮らせる生活環境 の整備を目指して(下水道) Ⅲ.環境保全及びエネルギー対策の 推進を目指して(上下水道) 企業性 公益性 Ⅳ.安定した事業経営の確立を 目指して(上下水道) Ⅴ.お客様サービスの充実を目指して (上下水道) 18 6.経営の方針 平成31年度までの財政見通しを提示 ○水道事業 資金残高の減少、企業債残高の増 ○公共下水道事業 基準外繰入金の削減が必要 料金(使用料)改定 の必要性あり ※基準外繰入金= 赤字補てん分の繰入金 19 改定した場合の試算 1.水道料金を改定した場合の試算 ケース1:平成24年度に15%改定 ケース2:平成27年度に25%改定 未実施 ※みやざき水ビジョン2010 P53~55 2.下水道使用料を改定した場合の試算 ケース1:平成24年度に25%改定 ケース2:平成24年度に10%、平成28年度に15%改定 ⇒ 平成24年度に10%改定実施済 ※みやざき水ビジョン2010 P57~59 20 21 7.今後の見通し 1)水需要予測のフロー 22 2)将来人口推計 データ出典:『日本の地域別将来推計人口(H25年3月推計)』 人 ・今後人口は減少し、2040年には約355千人(2010年比約5万人減)と なることが予測されている ・少子高齢化の進展により2035年には、市民の3人に1人が65歳以上と なると予測されている 23 3)水需要の推移と今後の見通し (1)1人1日平均給水量 ・平成16年度に378リットルであった一人1日平均給水量は、年々減少 し続け、25年度には352リットルとなった (26リットル、約7%減少) ・今後も減少していくことが見込まれる 24 25 (2)水道事業 ・有収水量は、年々減少すると見込まれている ・給水収益は、年々減少すると見込まれている 26 (3)公共下水道事業 ・有収水量は、水需要が減少するものの旧町域での区域拡大があること から、ほぼ横ばいで推移すると見込まれている ・使用料収益は、有収水量同様ほぼ横ばいで推移すると見込まれている 27 4)今後の財政見通し (1)水道事業 ・収益は、給水収益の減少に伴い減少することが見込まれる ・費用は、減価償却費の増加に伴い増加することが見込まれる 28 (1)水道事業 ・建設改良費は、老朽化した施設の更新や耐震化等に伴い増加すること が見込まれる ・企業債借入額は、建設改良費の増加に伴い増加することが見込まれる ・企業債残高は、借入額の増加に伴い増加することが見込まれる 29 (2)公共下水道事業 ・期間をとおして、収支は均衡して推移すると見込まれている ・平成26年度から収益・費用ともに増加しているのは、会計制度見直しの 影響によるもの 30 (2)公共下水道事業 ・建設改良費は、今後も高い水準で推移することが見込まれる ・企業債償還金は、29年度をピークにその後減少していくことが見込まれる ・企業債残高は、年々減少していくものの依然として高い水準にある 31
© Copyright 2024 ExpyDoc