介護予防ポイント事業 平成 27年 10月から スタート!

元気通信 住之江区 太陽の町地域から
サマーミュージックフェスティバル 世代をつなぐ地域活動者に聞く
都島区 鳥屋 利治さん
∼各区における新たな事業の動向∼
太陽
2
3
4∼5
介護予防ポイント事業
平成 年 月から スタート!
2 施設に活動を申込む…受入
施設に直接申込み、活動日程や
内容の調整をおこないます。
まります。
「介護予防ポイント事業」が始
蓄積したポイントを換金できる
こなうと、ポイントが貯まり、
業所において介護支援活動をお
護保険施設などの登録施設・事
歳以上の方(介
大阪市では
護保険第1号被保険者)が、介
動 で 2 ポ イ ン ト。
(1日の上限
で1ポイント、2時間以上の活
4 ポイントを貯める…活動時
間に応じてポイントが貯まりま
助的な活動です。
員とともにおこなう、簡単で補
拭 き、 配 膳 )、 清 掃 な ど 施 設 職
手、食事介助の補助(テーブル
クリエーションの補助、話し相
3 施設で活動を実施…ポイン
トの対象となる活動は行事・レ
この事業は高齢者の外出の機
会の増加や、社会参加の推進を
分以上2時間未満の活動
図り、高齢者自身が社会的な役
は2ポイント)
す。
割をもつことで生きがいや、介
5 ポイントを換金…蓄積した
ポイントは換金の申請ができま
ポイント
す。1ポイント100円換算。
円)が上限です。
e-mail [email protected]
ポ イ ン ト( 2,0 0 0
80
〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-10
大阪市立社会福祉センター内
大阪市社会福祉協議会
TEL 06-6765-5610
FAX 06-6765-5607
年は
換金の上限は年間
●事業の流れ
(8,
000円)
、ただし、平成
30
1 研修の受講及び参加登録…
登録時研修(3時間程度)を受
しています。
護予防につなげることを目的と
10
講し、登録手続きをおこないま
★問合せ・申込先(管理機関)
す。
※受講を希望される方は、往復はがきに住所・氏
名・生年月日・電話番号・参加希望回①または
②を記載し、次の問合せ・申込先あてにお申し
込みください。
(10月15日消印有効)
※以降、順次開催します。
20
事業参加者を受け入れていただく介護保険施設・
事業所(訪問系のサービスは除きます)を募集し
ています。高齢者の「活動の場」のご提供にご協
力をお願いいたします。
始 発 駅 に 停 車 中 の
電 車 に 駆 け 込 ん で、
ほ っ と 一 息。 前 を 向
く と、 高 齢 の 男 性 が
非常ベルの前で、そわそわし
ていた。小さな赤いボタンを
押そうとしながら、躊躇して
いるのだ▼周囲を見回して
も、電車の発車を止めなけれ
ばならない状況にない。私と
同じように、何人かがその男
性の行動をなんだろうという
目で見ている。電車のドアが
今まさにしまろうとした瞬
間、男性は決心をしたように、
緊急停止ボタンを押した▼車
内にビリビリと緊急通報のベ
ルの音が流れ、電車のドアは
閉まらず、止まったままにな
った。男性はきょときょと不
審な視線を周囲に送る。車掌
が駆けつけてきて「どうしま
し た ? 」「 あ の ー、 あ の ー 」
と言葉を詰まらせながら男性
が 言 っ た。「 こ の 電 車 は I 駅
に停まるのでしょうか」▼周
囲の人も車掌も、まさにずっ
こ け た。「 S O S っ て 書 い て
あったから」と男性は言い訳
をした。「SOS」の理解に、私
たちと彼の間にずれがあった
のだ。問い詰める車掌の言葉
の強さが気になった▼不安を
小さいうちに解消できれば笑
い話で済むのに、どこかにち
ょっとした落とし穴があって
大事になってしまった。(石)
「大阪の社会福祉」は共同募金分配金を活用して発行しています。
大阪の社会福祉 第725号(毎月1回発行)
1
27
65
〈登録時研修を開催します〉
日時:平成27年10月22日(木)
①9:30~12:30
②13:00~16:00
場所:大阪市立社会福祉センター
(大阪市天王寺区東高津町12-10)
27
★受入施設を募集
725
︿特集﹀
事業を通じた地域づくりの推進をめざして
★事業参加者を募集
2015.10
in
こんなことやってます! 私たちの施設から♪
社会福祉法人 みなと寮
8
C O N T E N T S
発行
:社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会 編集・発行人:壺阪 敏幸 [毎月1回発行]
社会福祉
http://www.osaka-sishakyo.jp
法 人 (大阪市立社会福祉センター内) Tel.06-6765-5601
〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-10
Fax.06-6765-5605 http://www.osaka-sishakyo.jp
大阪市社会福祉協議会
る 」な ど、さ ま ざ ま な 側 面 か ら、
あらためて議論する必要があ
て、今後整理する必要性がある
境整備をいかにすすめるか。委
題が多い中で、市レベルでの環
また1区に限らない広域的な課
第
活発な意見が 交 わ さ れ た 。
ことを共有する契機となった。
回大阪市地域
市社協は「第
福祉活動推進委員会」を8月
日に開催した。
各区におい て 区 社 協 が 中 心 と
なって、地域 福 祉 を 推 進 す る た
員会としての役割・機能につい
めの前提状況をいかに整えるか。
現に向けて話し合いを重ね
の森ノ宮医療大学ボランティ
げ区社協への方針検討支援をお
地域福祉活動推進支援プログ
ラムについては、今年度も手あ
大阪府共同 募 金 会 は 、 長 年 に
わたるみなさ ま の あ た た か い ご
金運動がおこ な わ れ ま す 。
今年も 月 1 日 か ら 月 日
までの3ヶ月 間 に わ た り 共 同 募
や社会福祉施設の整備、社会福
みなさまに身近な地域福祉事業
を通しておこなわれる、住民の
府内の市区町村社会福祉協議会
今年の募金目標額は歳末たす
けあいを含めて、
8億5千万円。
にご協力を呼びかけています。
高校、NPO法人イー・ビー
人すみのえ育、大阪府立咲洲
レードセンター㈱、NPO法
コーポレーション、アジアト
( 大 阪 市 音 楽 団 )、 ㈱ ロ ゴ ス
高校など7団体(Shion
化”のプレゼンに地元企業、
子ども会の“子ども会の活性
月)でのこと。太陽の町地域
演奏(=写真)が始まると瞬
暮れる7時からShionの
ンコールの声も。そして陽が
若者らしい演奏に会場からア
吹奏楽部の演奏がスタート。
幅 広 い 世 代 が 集 う 会 場 で
は、まず地域の南港北中学校
サポートしていた。
当、親子での工作を高校生が
マラカスづくりコーナーを担
途中、子どもたちとの手作り
調べに引き込まれていった。
祭となった。
て開催された素晴らしい音楽
O・学校・施設の想いが重なっ
できないか」地 域・企 業・N P
“強み”を合わせて地域に何か
場 を 後 に し た。
「自分たちの
後、参加した誰もが笑顔で会
が り は ピ ー ク に。 演 奏 終 了
入った合同演奏で会場の盛上
ンも。最後の北中吹奏楽部も
のマラカスを用いたセッショ
地 活 協 ・ 地 区 社 協 も 加 わ
共同募金会)
(大阪府
します。
しくお願いいた
力を今年もよろ
まのご参加ご協
も多くのみなさ
動として是非と
ボランティア活
近に取り組める
でもどこでも身
共同募金は、誰もが参加でき
るボランティア活動です。いつ
け府民のみなさまや企業 団
・体
まな機会をつ く り 、 募 金 増 に 向
31
2
2015年(平成27年)10月
り、実行委員会を立ち上げ実
「公園で
オーケスト
た。8月
日の当日は、地元
ラ出来へん
か な 。」 き
加し、炎天下の中、各団体が
力を合わせて会場を設営。夕
アグループ「IRIS」も参
進める企
まち公園が野外コンサート会
方の開始5時には南港太陽の
っかけは、
業・NPO・
住之江区が
学校交流会
こなうことを確認した。あわせ
支援とご協力 に 深 く 感 謝 す る と
イング、南港中央野球場・庭
く間に500人の聴衆がその
場に。出店もあり咲洲高校が
て「区社協や地域の現状も踏ま
ともに、住民 に 最 も 身 近 な 地 域
球場バーベキュー場)が共感
(昨年
えつつ、区からの動きを待つだ
祉団体・ボランティア団体の活
した。
共同募金運動はじまる
けでなく、戦略を持って仕掛け
福祉活動をよ り 一 層 支 援 す る た
動支援などさまざまな福祉事業
などが報告された。
る。先手を打つことが必要であ
を支える大切な資金となります。
祉アクションプランの推進状
22
めに、募金運 動 へ の 参 加 や い つ
われた。
続いて、今後の本委員会のあ
り方について、国レベルの社会
福祉を取り巻く状況変化、各区
における新たな事業展開や、住
民が抱える福祉課題などを踏ま
え て 議 論。「 社 会 福 祉 法 人 に 対
して、地域貢献の取組みが改め
て求められる中、具体的なモデ
ルをつくる、施設間の連携を強
め る こ と が 必 要 」「 区 社 協 が 担
う 事 業 が 拡 大 し、区 ご と の 独 自
性も広がっている中で、指定都
市社協としての市社協の役割を
12
況、地域福祉ビジョン策定状況
住之江区 太陽の町地域から
サマーミュージックフェスティバル
in太陽
でもどこでも 寄 付 で き る さ ま ざ
平成
27年度
10 (第69回)
はじめに経過として、各区で
実施されている新たな事業( =
31
4・5面参照 )や、各区地域福
委員会としての今後の方向性を議論
回 地
域福祉活動推進委員会
27
27
る」と、今後の方向性が話し合
12
市社協
大阪市社会福祉大会
「つながり・支え合うことができる
福祉コミュニティ」をめざして
いて「平成 年度 大阪市社会
福祉大会」
を開催します
(=左記)
。
年 月
市社協では、平成
日、大阪国際交流センターにお
開催します。
変える~】と 題 し た 、 講 演 会 を
2 部 で は 、 鎌 田 實 さ ん の
【「 が ん ば ら な い 」 け ど「 あ き
す。
び感謝状の贈呈をおこないま
1部式典では、市長、市社協
会長から、社会福祉に功労のあ
医師・作家
東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県・
療に尽力する。一方、チェルノブイリ、イ
ラクへの医療支援にも取り組み、東日本大
震災後は、 被災者支援にも力を注いでい
る。
問合せ先 : 大阪市社会福祉協議会 ☎06-6765-5601
らめない」~ 1 % の 力 が 社 会 を
った社会福祉関係者に表彰状及
21
タイトル :「がんばらない」けど「あきらめない」
~1%の力が社会を変える~
諏訪中央病院へ赴任。内科医として地域医
27
障がい者支援のNPO法人
「あるる」の代表であり、地
域に根ざした活動を展開する
鳥屋利治さんにうかがいまし
た。
―まず、鳥屋さん自身のこれ
までのことを教えてください。
私は生まれたときから脳性
まひのために手足を動かすの
に不自由があり、今は電動車
常者中心の世界で生きてきましたが、
ツに参加したことです。それまでは健
インバスケットボール」というスポー
転機は、夜間の大学に通っていた
歳のとき、四肢麻痺の障がい者の「ツ
学校に通いました。
ら高校まで、養護学校ではなく地域の
「 小 さ い と き か ら 、 み ん な と 一 緒
に」という親の思いがあり、小学校か
いすで生活しています。
をつなぐ
頸髄損傷などの障がいがある仲間と出
常者に必死に合わせる生き方をして
いたことに気づきました。少数派で
あってもその人なりの歩みでいいん
だと考えるようになり、障がい当事
者運動の世界に入りました。介助制
度 の 改 善 を 求 め る 活 動 や、
「みんな
で街に出よう」と車いすで外出し、
アクセス調査などをしました。
一方、大学に通いながら、大阪市
職業リハビリテーションセンター
(平野区)でコンピュータプログラ
マーの勉強をして、一般企業(繊維
メーカー)のシステム部に入社。
したのは会社を辞めた平成 年です。
所を構えたのが平成
年。私が合流
年、障がいがある仲間が立
平成
ち上げ、現在の都島区中野町に事務
生きていくことを応援しています。
あるるは、障がいがある人が、地
域で自立生活すること、自分らしく
―「あるる」はどんな団体ですか。
した。
ら、障がい当事者運動も続けてきま
年間、サラリーマンとして勤めなが
18
ながる大切さ」に迫ります。
の中で鳥屋さんが考える「地域とつ
加や、福祉教育の展開といった活動
──次号では、地域イベントへの参
に地域との接点が大きくなりました。
ていただいたりと、
ここ2~3年、
特
ちづくり協議会の活動にも声をかけ
会議で障がいのことを話したり、ま
ちょうど、あるるの3軒隣に中野
地域の福祉会館があります。町会長
21
「大阪の社会福祉」は共同募金分配金を活用して発行しています。
大阪の社会福祉 第725号(毎月1回発行)
3
18
13
10
【講師】 鎌田 實さん
世 代 地域活動者に聞く
会い、自分がこれまで周りの多くの健
NPO法人あるる代表理事。あるるは、自立生
活センター(区障がい者相談支援センター)、ヘ
ルパー派遣、作業所の3事業を中心に展開。中野
まちづくり協議会の構成団体にもなっている。
地域での自分らしい暮らしを
応援したい
都島区 鳥屋利治さん
(47)
27
みのる
かま た
20
や としはる
と
平成27年度
日 時 : 平成27年10月21日(水)午後2時~4時
会 場 : 大阪国際交流センター 大ホール
(大阪市天王寺区上本町8-2-6)
内 容 : 第1部 式典
第2部 講演
生活支援
コーディネーター
配置事業
そうした状況の中、国の福祉制度は大きな
転換期を迎えており、平成 年度は、生活困
祉課題が表面化して い ま す 。
だけでは解決に結びつかない、さまざまな福
る人と人との結びつきは弱まり、既存の制度
少子高齢化の進行や単身世帯の増加、生活
格差が広がる一方で、家族や地域社会におけ
生活困窮者
自立相談支援事業
れ、また、介護保険制度の改正などにより、
多様な生活支援サービスの推進が今後一層重
要となってきます。大阪市においては、孤立
死などの深刻な福祉課題の解決に向けて「地
域における要援護者の見守りネットワーク強
化事業」が開始され ま し た 。
今回は、市内各区で新たな動きを見せてい
る、地域福祉推進に関わる3つの事業を取り
あ げ 、そ の
背 景・事 業
概要と推進
状況につい
て紹介しま
す。
見守りネットワーク強化事業の
事業所向け説明会の様子(上)
と要援護者に向けて発送される
文書(右下:イメージ)
各区における新たな事業の動向
市 民 生 活 に お け る 福 祉 課 題 の 複 雑
化・多様化・深刻化がすすむ中、支援
齢者等の徘徊・行方不明時の対応が大
孤立に伴う孤立死の防止や、認知症高
け、災害時の見守りのあり方、社会的
把 握 し て 支 援 を す す め る か、 と り わ
についても、地域・関係機関と連携し
度や単一機関での対応が困難なケース
的な課題を抱える世帯など、既存の制
精神疾患のある子ども”といった複合
にある世帯、例えば“要介護高齢者と
り状態の人や、いわゆるごみ屋敷状態
また「機能②孤立世帯等への専門的
対応」においては、長期間のひきこも
4
2015年(平成27年)10月
載情報を基本とする)への郵送による
きな課題となっています。
ながら支援をおこなっています。
同意確認も始まっています。
それらを踏まえて、行政と地域が保
有する要援護者情報を活用すること
につながっていない要援護者をいかに
で、地域におけるきめ細やかな見守り
ネットワークの実現をめざす
こ と を 目 的 に、 3 つ の 機 能
年4月
(=下図)を一体的に実施す
る事業として、平成
市避難行動要支援者名簿の掲
簿に基づく要援護者(※大阪
地域の状況に応じて、行政名
協力依頼がおこなわれ、区・
現在、各区において地域団
体・関係機関への事業周知・
す。
た区独自の展開もされていま
マイズや、先行事業を踏まえ
の、区の特性に応じたカスタ
的な事業の標準形はあるもの
なう「調査員」を配置。全市
のための同意確認などをおこ
と、要援護者への見守り活動
守り支援ネットワーカー」
設置して、福祉専門職の「見
事業実施にあたっては、各
区社協が「見守り相談室」を
にスタートしました。
27
地域における
要援護者の見守り
ネットワーク
強化事業
窮者自立支援法に基づく支援策が本格実施さ
27
特集
事業を通じた地域づくりの
推進をめざして
地域における要援護者の見守りネットワーク強化事業
生活困窮者自立相談支援事業
ズに対応した多様なサービスを地域で整備
を継続するためには、多様な生活支援ニー
単身や夫婦のみの高齢者世帯、認知症の
高齢者が増加する中、高齢者が地域で生活
れも公募により、各区社協がその事業を担
コーディネーターがモデル配置され、いず
年8月より、港区、
大阪市では、平成
鶴見区、住之江区の3区において生活支援
に必要な資源の開発する役割を担います
生活支援コーディネーターは地域におけ
る社会資源やニーズを把握し、新たに地域
っています。
険サービスのみならず、市町村事業や民間
が、その際には住民自身で何をしていくか
年
市場、地域の支え合いでおこなわれるサー
していくことが求められており、平成
ビスなども含め、多様なサービスの提供基
話し合い、活動を生み出すことができるよ
いるであろうニーズの掘り起こしのための
地域と協働した仕組み。
度の介護保険制度改正では、従来の介護保
盤の充実を図ることとされたところです。
は、元気なうちはもちろん、要支援や要介
出向くことが困難な場合も多い。埋もれて
生活支援コーディネーターは、多様な主体からなる協議体と
連携して次の役割を担います。
・地域の資源、ニーズの把握
・関係者のネットワーク構築
・生活支援の担い手の養成と資源開発
市 社 協 で は 今 後 も 、 こ れ ら の 事 業 に つ い
て、特徴的な取組みや全市的な動向などの情
重要となります。
的・開発的な実践も視野に入れていくことが
事業所や企業・NPOなどと手を携えた創造
福祉活動との連携・協働や、社会福祉施設・
た課題に対して、これまでの社協活動、地域
完結するものではなく、そこで明らかになっ
と言えます。また各事業は、それぞれ単体で
域づくり”を推進することがその本質にある
ーワードであり、いずれも“事業を通じた地
対応」
「新たな社会資源の開発」 といっ たキ
りの再構築」
「制度の狭間にあるニーズへの
以上の3つの事業を横断的に見ると、共通
して浮かびあがるのは「地域におけるつなが
う、支援していくことが必要です。さらに
そのためには、ボランティア、NPO、
民間企業、社会福祉法人などの多様な主体
な就労の場。
護状態になっても地域で役割を持ち続けら
27
・社会的孤立等の状態にある方は相談窓口に
れる住民主体の活動の機会・場づくりをお
なところで社会参加できる居場所や中間的
による重層的な生活支援・介護予防サービ
に就労に結びつくことが難しい方が、身近
スの提供体制を構築する必要があることか
・緊急的なニーズを解決することで、自立生
「生活困窮者自立支援制度」の本格 実
施にともない、平成 年度からのモデ ル
・長年ひきこもりの状態にある方など、すぐ
こなうことで、いつまでも安心して生活で
どの資源。
ら、全国的に各市区町村に「生活支援コー
活をめざすための一時的な生活費、食料な
きる地域づくりをめざすものです。
社会資源の必要性が見えてきました。
年4月から、各区 役
支援。
ディネーター」と「協議体」が設置される
モデル事業からの取組みの中で次のような
事業を経て、平成
・生活困窮世帯の不登校の中学生を学習支援
こととなりました。
相談窓口から 見えてきたこと
所に「自立相談支援機関」が設置されまし
港区・鶴見区・住之江区でモデル実施
援。
た。本事業は、生活保護にいたる前の 段
・借金の整理のために法テラスと連携した支
階から早期に支援をおこなうことにより、
寧な面接対応を経て中間的な就労につなぐ
「自立の促進」を図ることを目的とし 、
相談支援を中心に
就労や住宅確保に
関する支援をおこ
な い ま す。 ま た、
対 象 者 を「 経 済 的
な問題のみなら
ず、複合的な課題
を抱えている方」
として広く受け止
め、背景にある社
会的孤立の問題も
含めて地域の課題
とし捉え、対応し
・十数年間ひきこもり状態にあった男性を丁
27
報発信をおこなっていきます。
「大阪の社会福祉」は共同募金分配金を活用して発行しています。
大阪の社会福祉 第725号(毎月1回発行)
5
ていくことが求め
られています。
具体的な支援事例
生活支援コーディネーター配置事業(モデル
事業 )
の場につなぐ支援。
25
27
に大切かを述べた。ひがしなり
と話し、住民相互の交流がいか
なる前につながっていれば…」
大変な事態になっている。こう
求められていることについてふ
て、
『サロン活動の広がり』 が
紹 介。 福 祉 的 な 支 え 合 い と し
業や活動に関わっていることを
のです」と話し、さまざまな事
に つ い て 、「 こ の ゆ び と ー ま
第1部では、全国から注目を
集める「富山型デイサービス」
講演会&座談会が開催された。
ンターで「このゆびとーまれ」
ーマに、9月5日、東成区民セ
地域共生は、社会問題を解決
するひとつのカギでは? をテ
所。子育ての 悩 み 、 親 の 介 護 、
サロンとは、 誰 を も 包 み 込 む 場
さ ろ ん を 紹 介。「 私 に と っ て の
づくりとして お 茶 の 間 わ い わ い
一般社団法 人 わ い わ い の 柳 晴
美 代 表 理 事 は、 地 域 の 居 場 所
た。
れの立場から 活 発 に 意 見 を 述 べ
ーに、パネリ ス ト 5 人 が そ れ ぞ
んは、
年間のネットワーク推
活動ボランティアの三枝直美さ
られたことを話した。地域福祉
得てグループホームが立ち上げ
を知ってもらい、地域の協力を
た経緯を紹介。ありのままの姿
めに生活介護事業所を立ち上げ
る人が安心して暮らし続けるた
鈴子理事長は、知的障がいのあ
のもの。地域や行政、専門職な
スではなく住民主体の取組みそ
祉とは、縦割りの制度やサービ
共に活かされ合うこと。地域福
東成区社協の石川洋志事務局
長は「地域で共に生きるのは、
いく取組みを紹介した。
人の魅力を掘り起こし、伝えて
報発信。若者の視点から地域や
を舞台にした区民イベントを情
った。
えさせられる有意義な集いとな
いまの時代を生きる「共生」
について、参加者それぞれも考
いでしょうか」と、畑准教授。
もいい。共に生きることは、ど
るようなサロンがあれば、とて
た。
「自分からつながりたくな
のサロン活動があることを話し
認知症キッズサポーター養成講座
~一人ひとりが地域の主役~
うつながっていくことかではな
て、
「 誰 で も 困 っ て い る 時 は、
自分と一緒に考え、助けてくれ
る人がいると心強く感じる」と
て学ぶことが 求 め ら れ て い る 。
でなく子ども も 、 認 知 症 に つ い
支えていくた め に は 、 大 人 だ け
る。地域で認 知 症 の 人 や 家 族 を
現在、 歳 以 上 の 4 人 に 1 人
が認知症になるといわれてい
ひいたら、鼻水が出たり、咳こ
さつ。認知症について、風邪を
れば、ありがたいです」とあい
手助けになるようなことができ
おじいちゃんやおばあちゃんの
うに学びましょう。これから、
最後には、在宅サービスステ
ーション諏訪荘「ふらっとさろ
った感想が聞かれた。
しく声をかけたいと思う」とい
も不安をとりのぞくため、やさ
か っ た し、 助 け た い 」
「少しで
くてなるわけじゃないことがわ
これからの地域を担う子ども
た ち か ら は、
「認知症になりた
いった話に熱心に聞き入った。
城東区関目東 地 区 で は 、 ア ク シ
んだりとそれぞれ症状が違うよ
講者は小学校 2 年 生 か ら 6 年 生
ーター養成講 座 」 を 開 い た 。 受
憩いの家で「 認 知 症 キ ッ ズ サ ポ
当し、ワークやDVD鑑賞を交
キャラバン・メイト連絡会が担
護師、認知症ケア専門士などの
があることを説明。講義は、看
問 題 に そ れ ぞ れ が 挑 戦。 そ し
など、大人でも考えさせられる
なたならどう声をかけますか?
い」と言うおばあちゃんに、あ
一緒に考えてみようのワーク
で は 食 後 に「 ま だ 食 べ て い な
を笑顔で手にした。
の証となる『オレンジリング』
る作業をし、認知症サポーター
レンジロバ(人形)に目を付け
ん」から提供された手作りのオ
までの
えながら進行した。
ムが主催し、 8 月
うに、さまざまな症状や物忘れ
人ひとりが地域の主役になるよ
30
6
2015年(平成27年)10月
「このゆびとーまれ」第 回講演会&座談会
街道玉手箱運営事務局の企画広
れ、現在、区内では
れ」の惣万佳代子理事長と西村
進員の経験を交えながら「困っ
ヶ所以上
報・藤田ツキトさんは、東成区
和美副理事長が登壇。年齢や障
近所づきあい な ど 、 お 互 い さ ま
どが一緒になって進めていくも
発言。NPO法人SUNの藤原
がいの有無にかかわらず、その
たことが見えてくるころには、
第 2 部 で は、「 地 域 共 生 に つ
いて語り合おう」をテーマに座
談会を開催。四天王寺大学の畑
13
人。 は じ め に 、 関 目 東
26
社協の谷口瑛 会 長 が 「 今 日 は 一
23
柔軟な取組みが紹介された。
が当たり前の 地 域 に し た い 」 と
智惠美准教授 を コ ー デ ィ ネ ー タ
「地域共生について語り合おう」
10
日、関目東
85
ョンプランの プ ロ ジ ェ ク ト チ ー
城東区
人らしい暮らしを支えるための
東成区
よりよい
地域づくりを
めざして
大阪市社会事業施設協議会は
9月 日、大阪市長あて平成
して、住民の多様な生活・福祉
これまでも社会福祉法人・施
設は地域の中核的な社会資源と
とめたもの。
込みを募集 い た し ま す 。
機関の名刺 広 告 掲 載 の 申 し
つきまし て は 、 社 会 福 祉
法人・施設 ・ 団 体 な ど 関 係
広告特集を 掲 載 し ま す 。
が、国における社会福祉法人改
㎜×横12 0 ㎜ 枠 が 1 万 5
1万円(税込)、 B : 縦
集していま す 。
また、各 月 号 ( 毎 号 月 初
発行予定) に 別 途 広 告 を 募
1)までお問合せください。
日、厚生
2015年3月
労働省は障がい者の雇用状況
に改善が見られない8社およ
び行政機関2機関の名前を公
表した。雇用率未達成の企業
・機関は発表されたものにと
どまらない。
就 労 は 日 本 国 憲 法 第 条
(勤労の権利)において保障
されているように、国民が有
する基本的人権の一つであ
る。この権利は障がいの有無
は関係なく、すべての人に保
障されるべきものである。ま
27
風をよむ
た、労働は日常生活を維持す
るための手段であると同時
に、社会参加や自己実現とい
うもう一つの大きな役割を担
っている。したがって、障が
い者にとっても労働や就労は
きわめて重要な意味をもつも
のである。しかし一方で、障
がい者が就労の機会を得るに
は相当の困難が伴うことは否
めず、それは常に解決すべき
課題として残されている。
障 が い 者 の 就 労 に 関 し て
は、 もう一つの大きな課題が
ある。
いわゆる
「福祉的就労形
態 」の 抱 え る 課 題 で あ る。 具
体的には、従事している障が
い者が労働者として位置づけ
られず、労働者としての権利
を持たずに働いていることで
ある。また福祉的就労の場で
の 経 験 は、一般就労への移行
に機能しにくい場合が多い。
このような問題を打開する
ためには、新たな就労支援の
形 態 が 必 要 で あ る。 た と え
ば、障がい者の特性、多様な
能力を十全に活用できるよう
な工夫をおこないながら、外
部の人々と関わる機会を多く
もつことのできる事業を展開
することである。障がい者に
対する同情の念からではな
く、商品などをその完成度で
評価されることによって、利
用者は大きな自信と喜びを得
る こ と が で き る。 こ の こ と
は、就労意欲の向上や従来の
福祉的就労では解消されない
とされてきた劣等感の克服に
つながるものと考えられる。
実際に、こうした実践に取
り組む事業所を一つ紹介しよ
う。 東 大 阪 市 に 拠 点 を 置 く
「パティスリー パルミエ」
は、施設としてではなく「ケ
ーキ店」として活動を展開し
ている。障がい者と呼ばれる
人々への新たな就労支援の形
態をめざすこの事業所では、
事業所内で障がいをオープン
にし、事業所外ではクローズ
にする。当該事業所にも当然
やす よ
恭代
課題はあるものの、従来の施
設や事業所とは異なる就労形
態を提供しようとする試み
は、 事 業 所 関 係 者 に と っ て
も、地域住民にとっても大き
な意味があると考えられる。
今後、それぞれの特性や多
様性に応じたさまざまな就労
形態を提供する施設や事業所
が地域に定着していくことが
求められる。また、私たちに
はそのような地域を創造して
いく責任があるということ
を、一人ひとりが認識する必
要があるのではないだろうか。
大阪市立大学大学院 准教授 野村
―ある事業所の挑戦から―
障がい者の就労支援のあり方を問う
31
替えや耐震工 事 と い っ た 施 設 整
備、人材確保 や 職 員 研 修 な ど の
申入れをおこ な っ た 。
☆募集☆
本誌面に広告を
掲載しませんか?
ニーズに対応するため、住民や
平成 年 新 年 号 ( 1 月 発
行)に新年 の あ い さ つ 名 刺
行政、関係機関とともに福祉推
革では、他の主体では困難なニ
月1日(必着)。
000円(税込)〉。締切り
がますます多様化、複雑化、深
㎜枠が3
刻化する中で、社会福祉施設が
㎜×横
60
ご希望の 方 は 、 総 務 課
(☎ ―6 7 6 5 ― 5 6 0
2:縦
〈最終面の 記 事 下 2 段 1 /
な協議、老朽化による施設の建
政策に関する関係団体との十分
よい運営をめざすため、制度・
を活かした地域貢献など、より
ら、社会福祉法人・施設の強み
果たす役割はさらに重要となる。
40
万円〉
とが求められている。福祉課題
は、
60
ーズへの対応など、地域での公
40
益的な取組みを一層推進するこ
進に重要な役割を果たしてきた
掲 載 ス ペ ー ス は 2 種 類
〈A:縦 ㎜ × 横 ㎜ 枠 が
ら種別ごとの重点項目を取りま
護、地域福祉、障害児・者)か
祉、 保 育、 老 人 福 祉、 生 活 保
( 5 項 目 ) と 6 連 盟( 児 童 福
各施設種別に共通する重点項目
書を提出した。内容については
年度の制度・政策に関する要望
28
そのような中、良質な福祉サ
ービスを継続的に提供しなが
12
40
06
「大阪の社会福祉」は共同募金分配金を活用して発行しています。
大阪の社会福祉 第725号(毎月1回発行)
7
28
28
社会福祉法人 みなと寮
↘した就労支援から施設内の軽作業(廃電
線のリサイクル活動【写真左下】)、関連施
設での清掃、収穫時期の異なる農作業など
多様なプログラムを立てています。
ある日、市から受託している「港区くら
しのサポートコーナー」に相談にきた男性
は、職場の
環境から人
間不信に陥
り、10数年
の引きこも
りの生活を
送っていま
したが、相
す。私たちの願いの一つは、入居・通所者
が地域社会とつながり、働く楽しさや、役
割を見い出し地域とつながるよろこびを感
じ、自立へのステップを歩む
ことです。そのためにも、積
極的に地域活動に関わってい
きたいと思います。
「困って
いる人には、すぐに手を差し
伸べる」という福祉の原点を
心に、常に開かれた施設であ
りたいです。
Tel 06-6576-4315
HP http://www.minatoryo.or.jp/
10
30
学 ぶ
4
社会福祉講演会「福祉の今を
知る!大阪市内の福祉活動の実
30
践報告会」
(金)午後1時
日時・ 月 日
分~ 時▼場所・社会福祉研
修・情報センター▼内容・桜美
林大学大学院の白澤政和教授に
よる基調講演「地域での支え合
善 意 銀 行
い と 地 域 包 括 ケ ア」、 同 心 会 社
会福祉研究努力賞等受賞論文よ
りそれぞれの実践報告▼対象・
市内の社会福祉関係事業所に勤
人(先着順)
80
務する方、市内在住・在勤・在
学の方▼定員・
―
06
▼申し込み、問合せ・社会福祉
ね、右手を前に出す。
http://
両手指先を上に向け、甲を前に向けて重
研修・ 情報センター☎
4392―8201
大会
HP
両こぶしを胸の前で同時に前後させる。
3
住所 〒552-0014 大阪市港区八幡屋4-8-1
www.wel-osaka.jp
【体育大会】
体育
平成27年10月発行(毎月1回発行) 発行/社会福祉法人 大阪市社会福祉協議会 〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-10(大阪市立社会福祉センター内)
Tel.06-6765-5601 Fax.06-6765-5605 http://www.osaka-sishakyo.jp
福祉の原点を心に、
地域交流を育む
私たちの施設から♪
vol
725
談支援員のサポートのもと、法人施設の食
堂の清掃から徐々に仕事の幅を広げ、数ヶ
月後には、
「次はどうしましょうか?」と
自発的に声をかけるほどの変化を遂げてい
ます。
地域公益活動として、港晴地域活動協議
会に参画し、
「みなと区民まつり」での清
掃や片づけボランティア、月2回の地域美
化運動を実施。また、これまで培った専門
的な知識を活かせるよう福祉避難所の登録
をしています。施設行事である「秋祭り」
では、 地域の皆さんをお招きし【写真右
下】、 交流を兼ねた時間を共有していま
こんなこと
やってます!
社会福祉
大阪の
「みなと寮」の名は、大阪港に近く、港
湾労働者の援護施設の役割があったことに
由来します。1950年(昭和25年)、(財)大
阪港湾作業援護協会から更生施設の運営を
継承したのをきっかけに、障がい者や生活
困窮者を対象にしたセーフティネット構築
の取組みを続けています。救護施設は、生
活保護法に基づく福祉施設であり、さまざ
まな問題を抱える人が安心して日常生活が
おくれる場です。なかでも大切にしている
のが、自立相談の支援と中間的就労の場を
つくること。
「その人にあった仕事を見い
出す」ことを原点に、ハローワークを通↙
平成27年6月16日~平成27年9月15日の
預託・払出は次のとおりです
預 託
払 出
<金銭>匿名の方より19万9千
352円
<物品>株式会社大林組社員有
志一同より車いす4台▶住友
生命福祉文化財団より「いず
みホール夢コンサート」鑑賞
券90枚▶株式会社サムライ・
ロック・オーケストラよりミ
ュージカルチケット103枚
<金銭>近畿児童福祉施設スポーツ大会へ20
万円▶帝塚山音楽祭実行委員会へ20万円▶
社会事業施設団体支援助成金として大阪市
社会事業施設協議会6連盟へ172万円▶平
成27年度ありがとう応援資金として大阪市
内3団体へ61万2千15円▶大阪市成年後見
支援センターへ419万336円
<物品>大阪市内12区社会福祉協議会へ「い
ずみホール夢コンサート」鑑賞券90枚
2015年(平成27年)10月
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