証券投資による地域活性化を考える

時の言葉
証券投資による地域活性化を考える
大和証券株式会社 青森支店長 笹岡 利成
青森県には過去 2 度旅行で訪れたことが
で東京都となっている。有価証券は株式、債
あったが、今回は住むことになった。つまり
券、投資信託などであるため日経平均株価の
転勤である。サラリーマンには転勤がつきも
上昇でどの程度恩恵を享受しているかは定か
のであるため、常に覚悟はしているが内示を
ではないが、残念ながら青森県は他県に比べ
受けた時は正直、期待よりも不安の方が大き
て恩恵は少ないと推測される。我々の証券投
かった。
資への啓蒙活動が足りないところを反省させ
不安を抱えたまま青森の地を踏んだが、そ
られる。
の不安は直ぐに消え去っていった。それは地
「貯蓄から投資へ」をより促進するため国
元の人の温かい人柄と美味しい食文化に出会
は「証券優遇税制」を長期にわたり実施(2013
えたからである。そんな出会いを大切にし、
年12月 末 で 廃 止 )、 ま た2014年 1 月 か ら は
第二の故郷と思えるように青森県を大好きに
「NISA」がスタートし、2016年からは「こど
なり、一日でも長く住めるようにしたい。
も版NISA」も開始される予定である。今後
さて、日本経済は円安を背景に立ち直り、
は証券投資がもっと身近になっていくと想定
企業業績は好調を維持し、日経平均株価は15
され、証券会社として今まで以上にお客様目
年ぶりの20,000円台を回復した。2012年秋頃
線での営業活動やクオリティの向上、証券知
の日経平均株価は8,000円台と低迷し、東証
識の普及活動が求められる。1998年の「日本
1 部の時価総額は250兆円まで減少した。日
版ビックバン」の一環として銀行窓口で投資
経平均株価が20,000円台を回復したことで、
信託の販売が解禁されたことにもより、証券
東証 1 部の時価総額は600兆円まで増加する
投資が普及してきていると特に最近は強く感
こととなった。個人の株式保有比率は約17%
じる。我々証券会社よりも多数の店舗チャネ
であることから、実に60兆円ものお金が増え
ルを持つ銀行は、そのメリットを最大限に活
たことになり、この数字は平成27年度の日本
かすことができるのではないかと思う。
国の税収54兆円を上回る水準である。都道府
金融界が力を合わせ、 貯蓄から投資の時
県別にみた貯蓄現在高に占める有価証券の割
代 を切り拓き、日本の成長戦略、青森県の
合では、青森県は3.8%(総務省統計局より)
地域社会に貢献していきたい。
で最も低い。ちなみに割合が高いのは17.1%
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