川 崎 市 議 会 定 例 会 会 議 録 【 速 報 版 】

平成19年(2007年)第2回川崎市議会臨時会会議録
第1日(5月21日)
平成27年2月26日(木)
平成27年(2015年)
第1回
川 崎 市 議 会 定 例 会 会 議 録
【
速
報
版
】
( 第 3 日 )
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
議事日程
第1
平成27年度施政方針
第2
議案第1号
川崎市附属機関設置条例の制定について
議案第2号
附属機関の見直しに伴う関係条例の整備に関する条例の制定について
議案第3号
川崎市情報公開条例の一部を改正する条例の制定について
議案第4号
川崎市個人情報保護条例及び川崎市審議会等の会議の公開に関する条例
の一部を改正する条例の制定について
議案第5号
川崎市行政手続条例の一部を改正する条例の制定について
議案第6号
川崎市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第7号
川崎市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定に
ついて
議案第8号
川崎市手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第9号
川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について
議案第10号
川崎市保育園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第11号
川崎市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例の制定について
議案第12号
川崎市民生委員の定数に関する条例の制定について
議案第13号
川崎市地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係
法 律 の 整 備 等 に 関 す る 法 律 附 則 第 14条 第 1 項 の 条 例 で 定 め る 日 等 を 定
める条例の制定について
議案第14号
川崎市地域包括支援センターの包括的支援事業の人員の基準に関する条
例の制定について
議案第15号
川崎市旅館業法施行条例の一部を改正する条例の制定について
議案第16号
川崎市食品衛生法に基づく営業に係る公衆衛生上講ずべき措置の基準に
関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第17号
川崎市自殺対策の推進に関する条例の一部を改正する条例の制定につい
て
議案第18号
川崎市心身障害者総合リハビリテーションセンター条例の一部を改正す
る条例の制定について
議案第19号
川崎市老人いこいの家条例の一部を改正する条例の制定について
議案第20号
川崎市養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例及び川崎市軽
費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条
例の制定について
議案第21号
川崎市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について
議案第22号
川崎市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について
議案第23号
川崎市建築物における駐車施設の附置等に関する条例の一部を改正する
条例の制定について
議案第24号
川崎市地区計画の区域内における建築物等の形態意匠の制限に関する条
例の一部を改正する条例の制定について
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
議案第25号
第3日(2月26日)
速報版
川崎市地区計画の区域内における建築物に係る制限に関する条例の一部
を改正する条例の制定について
議案第26号
川崎市貸切自動車条例の一部を改正する条例の制定について
議案第27号
川崎市消防団給与条例の一部を改正する条例の制定について
議案第28号
川崎市火災予防条例の一部を改正する条例の制定について
議案第29号
川崎市教育長の職務に専念する義務の特例に関する条例の制定について
議案第30号
川崎市教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の制定に
ついて
議案第31号
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の施行
に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について
議案第32号
包括外部監査契約の締結について
議案第33号
川崎市固定資産評価審査委員会委員の選任について
議案第34号
高石住宅新築第1号工事請負契約の締結について
議案第35号
五反田川放水路放流部函体築造工事請負契約の締結について
議案第37号
仮称溝口駅南口地下駐輪場新築工事及び仮称溝口駅南口地下駐輪場新築
付帯工事請負契約の変更について
議案第38号
川崎市多摩スポーツセンター建設等事業の契約の変更について
議案第39号
中原区における町区域の設定及び変更について
議案第40号
中原区における住居表示の実施区域及び方法について
議案第41号
中央療育センターの指定管理者の指定について
議案第42号
川崎市ヒルズすえながの指定管理者の指定について
議案第43号
川崎市消費者行政推進委員会委員の選任について
議案第44号
王禅寺四ッ田特別緑地保全地区用地の取得について
議案第45号
市道路線の認定及び廃止について
議案第46号
平成27年度川崎市一般会計予算
議案第47号
平成27年度川崎市競輪事業特別会計予算
議案第48号
平成27年度川崎市卸売市場事業特別会計予算
議案第49号
平成27年度川崎市国民健康保険事業特別会計予算
議案第50号
平成27年度川崎市母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算
議案第51号
平成27年度川崎市後期高齢者医療事業特別会計予算
議案第52号
平成27年度川崎市公害健康被害補償事業特別会計予算
議案第53号
平成27年度川崎市介護保険事業特別会計予算
議案第54号
平成27年度川崎市港湾整備事業特別会計予算
議案第55号
平成27年度川崎市勤労者福祉共済事業特別会計予算
議案第56号
平成27年度川崎市墓地整備事業特別会計予算
議案第57号
平成27年度川崎市生田緑地ゴルフ場事業特別会計予算
議案第58号
平成27年度川崎市公共用地先行取得等事業特別会計予算
議案第59号
平成27年度川崎市公債管理特別会計予算
議案第60号
平成27年度川崎市病院事業会計予算
議案第61号
平成27年度川崎市下水道事業会計予算
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
議案第62号
平成27年度川崎市水道事業会計予算
議案第63号
平成27年度川崎市工業用水道事業会計予算
議案第64号
平成27年度川崎市自動車運送事業会計予算
議案第65号
平成26年度川崎市一般会計補正予算
議案第66号
平成26年度川崎市国民健康保険事業特別会計補正予算
議案第67号
平成26年度川崎市港湾整備事業特別会計補正予算
議案第68号
平成26年度川崎市墓地整備事業特別会計補正予算
議案第69号
平成26年度川崎市生田緑地ゴルフ場事業特別会計補正予算
議案第70号
平成26年度川崎市公債管理特別会計補正予算
報告第1号
地方自治法第180条の規定による市長の専決処分の報告について
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付議事件
議事日程のとおり
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
出席議員
速報版
第3日(2月26日)
(58人)
41番
廣
田
健
一
1番
月
本
琢
也
42番
石
田
康
博
2番
小
田
理恵子
43番
浅
野
文
直
3番
竹
田
宣
廣
44番
大
島
4番
粕
谷
葉
子
45番
石
田
和
子
5番
為
谷
義
隆
46番
宮
原
春
夫
6番
三
宅
隆
介
47番
市
古
映
美
7番
猪
股
美
恵
49番
東
正
則
8番
川
島
雅
裕
50番
潮
田
智
信
9番
田
村
伸一郎
51番
飯
塚
正
良
10番
原
典
之
52番
雨
笠
裕
治
11番
青
木
功
雄
53番
花
輪
孝
一
12番
橋
本
勝
54番
菅
原
13番
大
庭
裕
子
55番
後
藤
晶
一
14番
勝
又
光
江
56番
岩
崎
善
幸
15番
添
田
勝
57番
嶋
崎
嘉
夫
16番
松
川
正二郎
58番
鏑
木
茂
哉
17番
小
川
顕
正
59番
矢
澤
博
孝
18番
吉
田
史
子
60番
坂
本
19番
押
本
吉
司
20番
木
庭
理香子
21番
河
野
ゆかり
22番
浜
田
昌
利
23番
かわの
忠
正
24番
林
浩
美
26番
松
原
成
文
27番
吉
沢
章
子
28番
山
崎
直
史
29番
井
口
真
美
30番
佐
野
仁
昭
31番
石
川
建
二
32番
斉
藤
隆
司
33番
露
木
明
美
34番
岩
隈
千
尋
35番
山
田
益
男
36番
織
田
勝
久
37番
吉
岡
俊
祐
38番
山
田
晴
彦
39番
岡
村
テル子
40番
沼
沢
和
明
進
茂
-------------------
明
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
出席議会局職員
出席説明員
市
第3日(2月26日)
長
福
田
紀
彦
局
副 市 長
砂
田
慎
治
副 市 長
三
浦
淳
副 市 長
菊
地
義
雄
病院事業管理者
堀
内
行
雄
上下水道事業管理者
飛
彈
良
一
総務局長
小金井
総合企画局長
瀧
峠
雅
介
財政局長
大
村
研
一
市民・こども局長
加
藤
順
一
こども本部長
成
田
哲
夫
経済労働局長
伊
藤
和
良
環境局長
小
林
哲
喜
健康福祉局長
伊
藤
弘
まちづくり局長
金
子
督
建設緑政局長
金
子
港湾局長
奥
谷
川崎区長
大
谷
雄
二
幸 区 長
上
野
葉
子
中原区長
鈴
木
賢
二
高津区長
土
方
慎
也
宮前区長
野
本
紀
子
多摩区長
池
田
健
児
麻生区長
多
田
昭
彦
会計管理者
豊
本
欽
也
交通局長
川
鍋
雅
裕
病院局長
船
橋
兵
悟
消防局長
南
部
浩
一
野
愼
哉
正
人
邊
直
美
間
二
郎
井
出
長
生
代表監査委員
村
田
恭
輔
監査事務局長
桑
原
賢
治
人事委員会委員長
重
見
憲
明
人事委員会事務局長
石
澤
桂
司
勉
正
教育委員会委員長
峪
教 育 長
渡
清
総務部長
平
誠
議事調査部長
関
庶務課長
鈴
議事課長
野
敏
秀
木
和
恵
石
塚
秀
和
政策調査課長
渡
邉
議事係長
鈴
木
智
晴
議事課担当係長
柴
田
貴
経
議事課担当係長
渡
邉
岳
士
充
-------------------
典
丈
市選挙管理委員会委員長
本
古知屋
外関係職員
市民オンブズマン事務局長
庄
長
選挙管理委員会事務局長
-------------------
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
速報版
午前10時0分開議
〔局長「ただいまの出席議員議長とも58人」と報告〕
○議長
浅野文直
休会前に引き続き、会議を開きます。
-------------------
○議長
浅野文直
本日の議事日程を報告いたします。本日の議事日程は、お手元に配付
してあります議事日程第3号のとおりであります。(資料編*ページ参照)
-------------------
○議長
浅野文直
これより日程に従い、本日の議事を進めたいと思いますが、その前に、
市長から発言を求められております。発言を願います。市長。
〔市長
○市長
福田紀彦登壇〕
福田紀彦
お許しをいただき、一言申し述べさせていただきたいと存じます。
このたび本市の中学校1年生が殺害されるという痛ましい事件について、被害に遭われ
た生徒に対し哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げま
す。市民の皆様には、このような事件が身近に起こり、大いに不安を抱かれているものと
存じます。事件を深く受けとめ、全庁挙げて、このような事件を二度と繰り返さない決意
で、子どもたちの安心・安全な環境づくりに全力で努めてまいります。
○議長
浅野文直
ただいま市長から発言がございましたが、議会といたしましても、こ
こに謹んで哀悼の意を表し、あわせて御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
-------------------
○議長
浅野文直
次に、既に皆様方のお手元に配付し、御報告を申し上げておきました
が、地方公務員法第5条第2項の規定に基づきまして、議案第6号及び議案第7号並びに
議案第29号及び議案第30号のうち、一般職の職員に関する部分につきまして人事委員会の
意見を求めておりましたところ、いずれも異議ない旨の回答が議長宛てにありましたので、
ここに改めてお知らせをいたします。(資料編*ページ参照)
-------------------
○議長
浅野文直
それでは、日程第1及び日程第2の各案件を一括して議題といたしま
す。
直ちに、各会派の代表質問を行います。自民党代表から発言を願います。42番、石田康
博議員。
〔石田康博登壇、拍手〕
○42番
石田康博
私は、自由民主党川崎市議団を代表して、平成27年第1回定例会に提
出されました平成27年度当初予算、施政方針、諸議案並びに市政一般について質問をして
まいります。
質問の前に、去る2月20日、多摩川河川敷において遺体が発見され、本市中学生である
ことが判明されました。故人に対し哀悼の意を表しますとともに、心から御冥福をお祈り
申し上げます。早急な犯人逮捕と原因の究明に向けて、関係機関の連携を求めておきます。
また、同校の生徒も強い衝撃を受けていると推察いたします。スクールカウンセラー等の
配備を充実させ、生徒の心のケアや安全対策を行っていかなくてはなりません。また、長
期不登校者に対するサポート体制の強化に努めていただくよう要望いたします。
さて、昨年12月に行われました第47回衆議院議員総選挙では、安倍政権発足以来2年間
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
の評価が問われた選挙でありました。アベノミクス継続の是非を問う選挙と位置づけ、こ
れまで進めてきた経済政策の信を問うものでありました。結果は、安定した政治を進めて
ほしいとの声でありました。我が会派はこの結果を謙虚に受けとめ、市内経済の好循環の
実現に向けて全力で取り組んでいくことを表明し、以下質問をしてまいります。
第3次安倍内閣は昨年12月27日、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を閣議決定
し、平成26年度補正予算として3兆5,000億円を計上いたしました。また、国の平成27年度
予算案においても、地域経済の再生に向けたローカル・アベノミクスの推進を位置づけ、
景気回復の暖かい風を実感できるよう、消費喚起と生活支援の拡充を優先した予算を盛り
込んでいます。そこで、国におけるこれまでの経済対策に対する福田市長の所感を伺いま
す。
一方、本市においては福田市長就任2年目に入りました。市長の公約の実現に向けた初
めての独自予算ともなります。重点施策をとっても、市長の掲げられた公約が色濃く反映
されている予算案となっています。そこで、1年間の市政運営を経験し、平成27年度予算
案に対してどのような姿勢で臨まれたのか伺います。改めて、公約の実現に向けた考え方
を伺います。
子どもの未来応援予算と命名した上での施政方針では、最優先課題として、安心のふる
さとづくりとして待機児童解消と中学校完全給食の実現にあわせ、小児医療費助成制度の
拡充に着手すると明言いたしました。市長の言われる最幸のまちのシンボルである子ども
たちの笑顔があふれるまちとは、大きな政府を目指すことによって本当にもたらされるの
でしょうか。中長期推計を考慮しつつ、ビジョンを示すべきであります。子育て総合支援
は創業守成であることを進言しておきます。施策全体の方向性を子育て施策全般として捉
えた子育て支援総合計画として、未来に向けたビジョンを示し、施策を遂行していくべき
であります。市長の見解を伺います。
次に、平成27年度当初予算について伺います。本市の財政力は政令市の中ではトップク
ラスとはいえ、政策的な経費の確保は容易ではありません。平成27年度当初予算編成では、
市長も、財政局長も大変苦労されたと推察いたします。予算編成を振り返り、所感を市長
及び財政局長に伺います。
次年度は、全体で54億円の収支不足に対しては減債基金からの新たな借り入れで補いま
した。市債の償還のため積み立てている減債基金の取り崩しは好ましくないと考えますが、
伺います。また、収支不足の解消についてはどのような見通しを立てているのか伺います。
平成27年度予算編成は、収支推計マイナス194億円の収支不足からスタートいたしました。
財政の健全性を維持し市民に必要な施策を推進することは、車の両輪のごとく極めて重要
であると考えます。市長が言われる、全ては市民のためにを基本とし、川崎を一歩先へ進
めるためには、成長への投資も求められているのではないでしょうか。成長に効果的な投
資と次世代に大きな負担を残さないということを両立させることについての見解及び今後
の取り組みについて伺います。
本市では、予算編成過程の透明性を確保するために、予算編成のプロセスが公表されて
おります。予算の調製の基準等があれば伺います。
収支不足を解消し施策を進めていくには、財政局の役割は大変重要であると考えます。
予算編成における市長査定を支えるという観点から、財政局の役割を強化すべきと考えま
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
速報版
すが、伺います。また、これまでの予算編成について課題はないのか伺います。「最幸の
まち
かわさき」であり続けるためには、持続可能な行財政基盤の構築が必要であると考
えます。市長は芽を育てる予算となったと言われておりますが、芽を育てる前に、いつど
こにどのような種をまかれたのか伺います。
本市では、中長期的な財政見通しの中で、市税収入や固定資産税については、いつごろ
をピークとして減少傾向に移ると見ているのか伺います。
また、これらの税収を得るためには生産年齢人口を増加させ、定着させることが重要で
あると考えます。戦略についてはどのような取り組みを考えているのか伺います。
また、財政の健全化を進めつつ、施策の推進を図っていくことについて、市長の決意を
伺います。
次に、新たな総合計画策定作業状況について伺います。新たな総合計画の策定に当たっ
て、市民との対話を基本に現場の声を捉えながら検討を進められてきたとのことで、参加
者は無作為に抽出されました。無作為に抽出した理由について伺います。市民検討会では
10代から80代まで幅広い年代の市民から意見を伺うことができたとの報告がなされていま
すが、高津区では10代と20代の男女の参加者がゼロ名、幸区と多摩区では10代の男女の参
加者がゼロ名でありました。各区で10代から80代の男女が漏れなく参加している区は1つ
もありません。幅広い意見の聴取ができたと言えるのでしょうか、見解を伺います。また 、
市民検討会における障害を持った方々の参加者は各区で何割程度であったのか伺います。
また、区の特色を生かしたまちづくりの目標や取り組みが明示されるとのことですが、こ
れまで各区の特色はどのように推移し、変化したと捉えているのか伺います。あわせて、
市民の目線で見た各区の特色について伺います。また、市長が言われる最幸のまちと市民
が考える最幸のまちは、同じ方向に向かっていると考えるのか伺います。
次に、中学校完全給食実施の延期等について伺います。1月の総務委員会において、平
成28年度から開始を予定されていたものが平成29年度に変更になったと報告されました。
建設需要の逼迫、建設人材、建設資材の不足等の状況から、事業スケジュールの見直しに
ついて意見を伺った結果とありますが、では、計画の見通しが甘かったのではないかとの
指摘も出てきています。今後、工事中に埋設物等が出てきて工期が延びるといったことが
ないように対策は考えているのか伺います。北部、中部を同じ事業スケジュールにし、南
部を1つのスケジュールとし、2つに分けることで市内事業者により多くの仕事をしてい
ただくような配慮をしての考えなのか伺います。センター方式のほかに自校方式、小中合
築校においては計画が進められていますが、構成員の中に廃業する予定の会社があると仄
聞します。それでも計画に変更はないのか伺います。
次に、橘樹官衙遺跡群の国史跡指定について伺います。1月24日、橘樹官衙遺跡群の国
史跡指定プレイベントが橘小学校で行われました。これは昨年11月、国の文化審議会から
国史跡指定の答申を得たことで、本市では初となる国史跡を市民とともに盛り上げていこ
うという目的で行われました。当日は、高津区、宮前区の市民を中心に500名を超える人が
集まり、学識者による講演や小中学生による学習成果発表、演奏が行われて盛り上がりま
した。そこで、プレイベントの成果と市民からどのような要望が寄せられたのか、教育長
に伺います。また、今後の国史跡指定後の取り組みとそのスケジュールを伺います。橘樹
官衙遺跡群は、本市で初の国史跡指定ということです。国史跡となった場合、土地の買い
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
取り補助が8割、史跡の整備費補助が5割です。今後、土地の買い取りや史跡整備、周辺
道路のアクセス状況の改善等、どのような取り組みを考えているのか伺います。ただやみ
くもに整備するのではなく、観光資源としてや、子どもたちに実りのある歴史教育の材料
とすることなど、目的意識をしっかりと持って整備すべきと考えます。見解を伺います。
次に、川 崎市教育振 興基本計画 ―かわさき教育プラ ン第1期実 行計画素案 について 伺
います。本市では平成17年3月、教育に関する初めての総合計画であるかわさき教育プラ
ンが策定されました。第1期は平成17年度から平成19年度、平成20年度から平成22年度を
第2期、平成23年度から平成25年度を第3期とし策定されましたが、平成26年度を延長期
間とし第3期としました。その理由について伺います。第1期から第3期までの取り組み
を振り返り、本市の教育の現状及び課題についてどのように総括されたのか伺います。あ
わせて、新たな教育プランには総括をどのような形で反映されたのか伺います。特に、児
童生徒の学力や学習状況、体力はどのような向上成果が得られたのか伺います。また、い
じめ、不登校、校内暴力はどのような改善が見られたのか伺います。この10年の間、教職
員の資質向上の取り組みと不祥事についての見解を伺います。平成27年度からは、おおむ
ね10年間を計画期間としていますが、内訳は第1期が3年、第2期と第3期はそれぞれ4
年となっています。3年、4年、4年とした理由について伺います。また、本市の総合計
画を初め、総務局、こども本部、市民・こども局、健康福祉局、財政局等、教育プランと
関連する計画との整合性はどのように図るのか伺います。あわせて、次期教育プラン策定
に当たり、児童生徒の意見要望を聞くことも必要であると考えます。見解を伺います。ま
た、児童生徒の意見要望は、プランにはどのような形で反映されるのか伺います。教育プ
ランの中にある特別支援教育については、通常の学級の支援においてサポーターの配置や
質の向上を図るとしていますが、配置内容及び向上策について伺います。通級指導教室で
は、平成20年以降、増加にある児童生徒に対する教員の質の向上が求められています。そ
の対応についての考えを伺います。また、特別支援学級においても、この10年の間、児童
生徒は約2倍と急増しています。障害も重度化、多様化しています。さまざまな教育のニ
ーズにどのように対応するのか伺います。特別支援学校の卒業生の進路についての現況及
び課題、職業教育の推進や就労支援の拡充について伺います。
次に、マイナンバー制度について伺います。本年10月から、住民票を有する全ての方に 、
個人番号 ―マイナンバーが届 けられます 。来年1月 より社会保 障・税、災 害対策等の 行
政手続においてマイナンバーの利用が開始されます。行政運営の効率化や行政分野におけ
る公正な給付と負担に加え、国民の利便性向上に資する形で幅広く活用されることが期待
されます。制度導入に伴い市民の利便性はどのように変わるのか伺います。また、制度導
入に伴う行財政効果についても伺います。
次に、職員の不祥事防止について伺います。昨今、本市職員の不祥事が相次いでおりま
す。連日のように報告があり、逮捕者も出ております。市民の信頼を裏切る行為はまさに
遺憾であります。公僕としての自覚を持って襟を正していただきたいと言わざるを得ませ
ん。まず、多発する本市職員の不祥事について、組織のトップである市長の見解を伺いま
す。
建設緑政局の事案については、入札にかかわる不正で逮捕者を出した経緯について及び
何ゆえこのような事態になったのか、建設緑政局長の見解を伺います。あわせて、再発防
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止についても伺います。
何事にも原因があります。でき得る限り原因を取り除き、改善策を講じなければなりま
せん。総務局長に伺います。直近3年の不祥事の件数と種類及び処分内容について伺いま
す。あわせて、これら不祥事が生じた背景について見解を伺います。また、現在まで再発
防止についてどのような取り組みをしてきたのか伺います。カウンセラーなど専門家を交
えたディスカッションなども必要と考えます。見解と改善策について伺います。あわせて
規範意識の醸成について、現在までと今後の取り組みについて伺います。
次に、入札制度について伺います。品確法第22条に基づき、公共工事の発注者を支援す
るため、発注者共通の取り組み事項を国が定めるものとした発注関係事務の運用に関する
指針が1月30日付で示されました。この概要と本市への影響について伺います。
また、先日、総務委員会において審議された多摩区の多摩建友会による請願は、全市的
な問題として全会一致で採択となりました。入札制度における大きな前進であると受けと
めております。このほど示された運用指針は、この請願の趣旨をさらに後押しするものと
考えます。発注時における地域性重視及び建設工事発注時における図面の無償化、工事単
価の引き上げ及び発注時期の平準化について、それぞれの実現可能性について、時期とあ
わせ見解を伺います。
次に、臨海部における国際戦略拠点の形成の促進について伺います。殿町地区のKING
SKYFRONTでは、これまで実中研を初め、ジョンソン・エンド・ジョンソン、そし
て4月からはナノ医療イノベーションセンターが運用開始となるなど機能集積が進み、引
き続き、ライフサイエンス分野の民間事業者や研究機関などの進出が予定されています。
個々の機能が集積され、今後はそれらの機能の連携などさらなる発展が期待されるところ
であります。KING SKYFRONTをどのように発展させていくのか、本市はどのよ
うな役割を果たしていくのか、市長に伺います。
ライフイノベーションの推進には、例えば臨床を行う病院の必要性や、開発ラグをどう
解消するかなどの課題があります。どのような課題や規制を認識しているのか、国家戦略
特区の特例措置等を活用することにより課題や規制を解消できるのか伺います。KING
SKYFRONTに立地する研究機関や企業を初め、市内企業と連携していくとのことで
すが、どのように連携を図っていくのか、市内企業にとってどのようなメリットがあるの
か伺います。また、この一帯にはATMやWi-Fiと電線の地中化といった社会インフラが
整備されていないのも事実であります。県やURに対して働きかけを行っていくのか伺い
ます。
次に、本市と世田谷区等、他都市との連携協定に関する包括協定について伺います。多
摩川花火大会の合同開催や大山街道や多摩川を介した交流を初め、地域での住民同士のさ
まざまな取り組みが行われています。包括協定により、多摩川によってつながり、鉄道や
街道によって人が往来、交流する連携、連続した地域として捉えた目的が策定されました。
そこで、新たなエネルギー施策等による持続可能なまちづくりに対しての進捗状況と目標
について伺います。
多摩川等、多様な地域資源の活用によるにぎわいのあるまちづくりでは、2020年東京オ
リンピック・パラリンピックまでに仮称等々力大橋を完成するといった目標は掲げている
のか伺います。
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災害対策などの相互連携による安全・安心のまちづくりでは、本市と世田谷区の消防隊、
消防団、自主防災組織等の機関での合同訓練を考えているのか伺います。
一方、宮崎県と川崎市との連携・協力の取組に関する基本協定については、公共建築に
木材を使うことで、温かみと潤いのある小中学校として大変有効な施策と考える一方、コ
スト面での懸念も残されます。国内産と外国産の資材単価はどのくらいの差があるのか伺
います。今後の市内公共建築物に対して、どういった方向性を持って目標を定めていくの
か、神奈川県内産の木材利用とあわせて伺います。こういった事業は、民間事業者に対し
ても進めていくことが大切だと考えます。民間促進に向けたガイドラインを策定していく
のか伺います。
次に、子ども・子育て支援新制度と待機児童対策について伺います。今年度、保育所の
運営経費割合は、平成26年度の予算ベースと比較すると305億円から29億円増の334億円の
見通しとなっています。ただし、市の負担額は前年度196億円から18億円減の178億円です。
これは、新制度がスタートし、県の負担増が要因と考えます。市の負担額は減額となって
いますが、本市は国基準保育料の約25%を減免し27億円を負担していることや、国基準外
で処遇向上の経費を105億円計上していることから、結果として、保育運営経費の市の負担
分は莫大な予算額となっています。市の負担割合と処遇向上経費の継続について市長の見
解を伺います。待機児童は、ことし1月30日の時点では、利用申請者児童数8,565人に対し
て、内定者は5,829人です。2,736人の方が入所保留となっています。市長の公約であるこ
とし4月の待機児童ゼロは達成されるのか伺います。
子ども・子育て支援新制度をスタートするために、本市を初め、各市町村では子ども・
子育て会議が開かれました。神奈川県では、県内の幼児期の教育、保育の需給見込みを集
計し、需給計画を作成しています。県内33の市町村から供給量の見込みが提出されていま
すが、本市から提出されている数値は全てゼロで回答されています。何ゆえこのような回
答になったのか伺います。来年度より新制度に移行する幼稚園、認定こども園の合計は6
園です。今年度の就園奨励費の予算額は、新制度の給付型に移行する園の影響もあり23.8
億円と2.4億円の減となっています。幼稚園が給付型に移行した場合と、現行の私学助成と
就園奨励費を活用した場合では、市の負担額はどの程度違うのか伺います。また、今後、
大規模幼稚園が給付型に移行した場合は、新制度の市の単独加算が大きな負担になると考
えます。制度の継続性についての見解を伺います。国で幼児教育の無償化が、公約に沿っ
た形で制度が拡大しています。就園奨励費の国庫補助金割合は、本市の財政力指数が1を
超えた場合は、現在の3分の1ではなく4分の1になります。本年度の市の財政力指数は
0.995です。今後の見通しでは、平成28年度には不交付団体に移行する見込みもあることか
ら、市の負担増も考えられます。市の財源構成で、本市の子育て環境が振り回されること
がないよう、市が子育てに係る財政フレームをしっかりと指示し、ビジョンをつくる必要
があると考えますが、見解を伺います。
次に、仮称川崎市社会的養護の推進に向けた基本方針案の策定について伺います。やむ
を得ない事情により家庭での生活が困難な子どもを、より家庭に近い環境のもと、社会全
体で養育していくことについて、仮称川崎市社会的養護の推進に向けた基本方針案として
まとめられ、このたびパブリックコメントの手続が完了いたしました。そこで、パブリッ
クコメントに寄せられた主な意見と今後の対応について伺います。次に、放課後児童健全
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育成事業、いわゆる学童保育は本市において、わくわくプラザ事業に包含される形で行わ
れています。市長は自身の公約において、新たな学童保育の仕組みを導入して、わくわく
プラザ事業との併存を図るとうたわれております。そこで、わくわくプラザ事業における
国庫補助の現状と今後の方向性について伺います。また、現在、民間において自主的活動
として行われている事業の中には、サービスが充実していて大変好評なものが存在すると
も聞きます。自主的活動に対する本市の関与と支援のあり方について見解を伺います。
次に、音楽のまちづくりについて伺います。市長は施政方針で、文化芸術としての音楽
のまちづくりについては、世界に誇るミューザ川崎シンフォニーホールがそのランドマー
クとの認識を示し、魅力ある音楽イベントを開催すると述べています。過去の歴史には環
境問題もありましたが、市民の多くはミューザ川崎シンフォニーホールが開館して以来、
この10年で川崎のイメージがよくなったと実感しているところであります。良質な音楽が
聞けるということで東京や横浜よりわざわざ引っ越してきた方がいるなど、まさにランド
マークとして市民が誇りの持てる施設であります。フェスタ サマーミューザは廉価である
上、大変ぜいたくな魅力を放ち、ユニークな催し物として音楽関係者からも評価をいただ
いています。洗足学園や昭和音大はもちろん、東京藝大やその他の音楽大学の質の高いオ
ーケストラにも呼びかけて、まさにフェスティバルにふさわしい、充実したより魅力あふ
れる内容にしていくことを切望しますが、見解を伺います。また、4年にわたって開催し
てきたモントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン・イン・かわさきですが、地域の
活性化に寄与する新たなジャズ・フェスティバルの開催に向けて検討するとのことです。
具体的な方向性を伺います。また、ザルツブルク音楽祭のパブリックビューイングは、そ
の意義やザルツブルクとの友好をより深めることからも、1,000人規模を対象にしたミュー
ザ川崎シンフォニーホールで上映すべきと考えます。見解を伺います。
次 に 、 生 活 困 窮 者 自 立 支 援 事 業 に つ い て 伺 い ま す 。 当 初 予 算 で は 生 活 保 護 扶 助 費 が 597
億円計上されました。本市では、平成20年度の生活保護受給者数が約2万4,000人だったの
が、平成24年度で約3万2,000人へと約7,600人増加しています。また、県内住民1人当た
りの生活保護費比較では、平成24年度で本市が1位となる43万7,000円、2位の横浜市が35
万5,000円と8万2,000円の開きとなっています。このように生活保護扶助費の増嵩は、厳
しい財政状況において、適正実施や効率的な執行体制を確立し、自立生活に向けた取り組
みの推進なくして成り立つものではありません。本市では、生活困窮者の自立促進に向け
た取り組みとして相談支援窓口を設置し、全国的に注目される活動を行っています。2月
9日には、塩崎厚生労働大臣も施設を見学され、生活困窮者の自立促進の取り組みについ
て、市長との意見交換も行われました。大臣とはどのような質疑が行われたのか伺います。
また、自立支援に向けての相談内容や課題点、雇用の現状についても伺います。また、
本市では生活保護受給世帯等の子どもを対象とした学習支援事業も実施していますが、さ
らなる強化策について伺います。
次に、羽田空港新飛行ルート案について伺います。1月21日、第2回首都圏空港機能強
化の具体化に向けた協議会が開催され、本市より三浦副市長が出席しました。会議ではど
のような協議が行われたのか伺います。また、その際に本市はどのような考えを示したの
か、他都市の意見もあわせて伺います。報道では、国土交通省は昨年8月に開催した第1
回協議会で示した今後の進め方にのっとり、既に自治体レベルでの一定の理解を得られた
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との見方を示すとともに、今後は住民の理解に向け注力する考えを表明し、5年後までの
強化策実現を目指す観点から、平成28年度予算要求を見据えたスケジュールで協議を進め
る旨、伝えています。事実なのか伺います。
また、国のスケジュールの進め方に対する市長の見解を伺います。
国土交通省が提示した資料では、南風案2において、離陸直後に本市市街地上空を飛行
する右旋回ルートが記載されていませんが、説明を求めます。あわせて、参考資料では着
陸時における騒音予測が示されていますが、本市に直接影響を及ぼす離陸時の騒音予測は
全く記載されていません。市は説明を求めるべきと考えますが、見解を伺います。
技術検討小委員会の委員である一橋大学大学院教授の山内氏は第1回協議会において、
空港のあり方を変えると受益と負担のバランスが変わるため関係者間での合意が必要であ
り、そのためには正しい情報発信が必要であると発言しています。港区や他の自治体では、
ホームページで丁寧に経緯を掲載するとともに、庁内連絡会議の協議を踏まえた上で、既
に昨年の8月時点で国土交通省に対して数項目にわたる意見や要望を行っています。しか
し、残念なことに、本市のホームページでは、簡単な記載とともに、詳細に関しては国土
交通省のホームページへ外部リンクするだけの対応となっています。臨海部石油コンビナ
ート上空を飛行する案や、市街地上空を低高度で約2分30秒ごとに飛行させる重大な国の
計画に対して、余りにも対応がお粗末であると指摘せざるを得ません。これでは正しい情
報すら市民に全く伝わりませんが、ソーシャルネットワークを重視する市長として、改善
する考えはないのか伺います。
本市でも昨年、庁内連絡会議が設置されましたが、9月の開催以降、何回開催され、ど
のような協議が行われたのか伺います。また、三浦副市長が第2回協議会に本市を代表し
て出席するに際して、事前に庁内で協議したと考えますが、議題についての説明を求めま
す。8月の説明会から既に半年が経過しました。その間、台湾での飛行機墜落事故等も発
生し、事故時の映像が大きく報道される中、石油コンビナート上空を通過する飛行ルート
案に対して心配する市民の声が多数寄せられています。市長は石油コンビナート法に基づ
く現地災害対策本部長として、関係省庁や各機関と当然この半年間に飛行ルート案に係る
協議を重ねていると考えますが、今まで何回開催したのか、また、協議内容について議題
とともに進捗状況を伺います。
あわせて、本計画を立案した首都圏空港機能強化技術検討小委員会に対して、低高度で
の石油コンビナート上空通過を計画したことについての説明を直接求めるべきと考えます
が、市長の見解を伺います。また、こうした一連の協議と庁内会議を踏まえて、市長は今
後どのような考え方で国との協議に臨まれるのか見解を伺います。
2月10日、川崎区大師地区町内会長会議に対して、初めて国の担当者から説明が行われ
たとの報道がありました。国からの説明内容並びに地元町内会長会議の出席者から、どの
ような意見や質問が寄せられたのか伺います。
暮らしに重大な影響を及ぼす本計画に対して、速やかに地元住民を対象とする直接説明
会を開催すべきと考えます。市長の見解を伺います。
次に、川崎市と東日本旅客鉄道株式会社との包括連携協定について伺います。本市と東
日本旅客鉄道株式会社との間で包括連携協定が結ばれました。東日本旅客鉄道株式会社が
自治体と包括協定を結ぶのは、今回が初めてであります。市民の間では、鉄道の利便性の
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向上へ期待が高まっています。包括協定の第1弾として、JR南武支線に、仮称小田栄新
駅設置のプランが発表されました。新駅設置による周辺の交通インフラの影響をどのよう
に予測しているのか伺います。また、本市の総合都市交通計画や道路整備プログラム等、
計画との整合性について伺います。本市は、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議へ要望を提
出しています。新駅設置についてはどのような形で要望し、協議がされてきたのか伺いま
す。新駅設置に優先する課題がJR南武線にはあると考えますが、今回の協定により進捗
が図られるのか伺います。平成27年度予算案には、新駅整備の予算が新たに盛り込まれて
います。JRとの費用負担割合について伺います。
次に、川崎市エネルギー取組方針案の策定について伺います。自治体におけるエネルギ
ーの取り組みの範囲が拡大し、より総合的な取り組みが求められている昨今、技術革新に
よって、エネルギー分野における情報通信技術の活用が進展し、エネルギーの選択や管理
が市民にも可能になるなど新たなエネルギーの取り組みも進展しつつありますが、本市に
おけるエネルギーの取り組みについて伺います。川崎らしいエネルギーの取り組みとあり
ますが、どのような姿を目指すのか伺います。現在パブリックコメントが実施され、2月
27日の締め切りとなっております。現況と市民への周知をどのように考えているのか伺い
ます。
次に、ごみ焼却電力活用によるエネルギー循環型ごみ収集システムの実証試験の検討に
ついて伺います。これは、国内初となる官民連携で低炭素社会の実現を目指す取り組みと
なります。内容と本市のかかわりについて伺います。また、この実証試験を踏まえ、製品
化された際の本市全面導入への考えを伺います。現在、ごみ焼却電力はセンター内電力を
賄った上で、余剰分は電力会社に売電していますが、今後の考え方についても伺います。
次に、等々力水処理センターの高度処理化について伺います。下水の高度処理について
は、水環境問題の課題解決のため、国が示した基本方針のもと、東京湾流域の1都3県が
東京湾流域別下水道整備総合計画を策定しています。本市を含む関係自治体は、計画で定
められた目標水質の達成を目指し、施設の高度処理化を進めている大変重要な取り組みで
あります。等々力水処理センターについては、等々力緑地の限られた地下空間を活用した
特殊な処理方法を採用している下水処理場であり、この特殊な下水処理場に適用できる高
度処理方法について、これまで民間事業者と本市が共同で技術開発をしてきたと伺ってお
ります。これから流量調整池の整備が始まろうとしていますが、今回進める高度処理化の
概要と今後の予定について伺います。また、高度処理化が完了することによって、どのよ
うな効果が期待できるのか伺います。
次に、生田浄水場再構築計画について伺います。再構築計画に当たり、我が党としては 、
財政健全化とあわせて地域貢献を主眼に議論してまいりました。特に希望の多い少年サッ
カー、少年野球等のスポーツ広場や一時避難場所、また消防団の訓練場や浄水場の特質を
生かした市民施設及び駐車場の設置などを提言してまいりました。現在の検討状況につい
て伺います。また、民間活用の方針も示されておりますが、どのような手法をとるのか伺
います。地元の少年サッカーチーム等からは、他の運動場と同じく無料での利用を切望さ
れておりますが、見解を伺います。あわせてスケジュールの見通しについても伺います。
次に、議案第1号、川崎市附属機関設置条例の制定について及び今後の事務・サービス
等のあり方案について伺います。これらは、いずれも聖域なきゼロベースでの全事業棚卸
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しの観点から見直されるものと受けとめます。附属機関等については、275から178に絞る
との検討結果が示されていますが、誰がどのような基準で検討されたのか伺います。あわ
せて、現在の費用と削減後の費用等、削減効果の試算について伺います。今後の事務・サ
ービス等のあり方案は、事務・サービス等を、大きく市民サービス等、内部事務に分け、
必要性、市場性等を総合的に勘案し、抜本的に見直すとされています。さまざまなシステ
ムが制度疲労を起こし、財政の見通しも全く楽観を許さない状況下にあって、このような
ドラスチックな行政改革は必然と考えます。見直しにおける基本的な考え方と手法につい
て伺います。あわせて、誰がどのような基準でいつまでに検討されるのか伺います。及び 、
削減効果はどの程度見込んでいるのか見解を伺います。
次に、議案第9号、川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定についてを
伺います。本議案は現行の小児医療費の助成制度の対象範囲を小学2年生まで拡大を図る
ものであります。その拡充に当たり、対象者には一定の所得制限が課せられています。所
得制限の具体的な中身と制限を課した理由、また、所得制限を課さない場合に本市が負担
する費用想定額と今後における対象年齢の拡大時の所得制限の扱いを伺います。また、対
象年齢については依然として自治体間に大きな差異があり、各自治体が自主財源を投じて
格差是正を図っていますが、不均衡に対して自治体独自の財源を投じて改善が図られてい
る現状に対する見解を伺います。また、医療費の無料化は対象年齢に限らず全ての世代が
求めるものであり、税金を投じて一部の世代の優遇を図ることに不満の声もありますが、
世代間の公平性に関する市長の見解を伺います。
次に、議案第12号、川崎市民生委員の定数に関する条例の制定について伺います。高齢
者単身・夫婦世帯の増加、低所得者層の増加、地域住民のつき合いの希薄化等、社会構造
のどの点を見ても、民生委員・児童委員の果たす役割は重要性を増すばかりであります。
しかし、担い手の方々も高齢化や負担の大きさ等から、近年は欠員が慢性化しています。
過日、健康福祉委員会においても、あり方検討委員会の中間報告がありましたが、現状と
これまでの取り組みを伺います。充足率が政令指定都市の中で最低であります。本市は、
都市化が進んでいても昔からの伝統や芸能もしっかりと継承しているすばらしいまちであ
ります。他の政令市におくれをとっていることは何らかの要因があるわけですが、どのよ
うに分析しているのか伺います。負担軽減にもつながりますが、まず地区担当民生委員の
1人当たりの担当世帯数を国基準以下とする必要性があると考えます。そもそも、本市は
いまだに人口が増加しているわけです。世帯の増加と委員の定員はどのように見直してき
たのか伺います。また、高齢化社会においては年齢要件の見直しは避けて通れないと考え
ます。見解を伺います。また、地域理解の促進も必要と考えますが、広報の強化策はどの
ように検討しているのか伺います。
次に、議案第21号、川崎市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について伺い
ます。見直しの素案としては、平成27年度から賦課方法を所得割と均等割の2方式へ移行
し、応能割60対応益割40に変更する内容となっています。このたびの制度変更により、単
身世帯に影響が大きかった平等割負担の偏りが見直されることや、中間所得層への負担の
偏りも見直されることとなります。しかし、4人世帯でのシミュレーションを見ると、子
どもが20歳を超している場合には、負担が増加するだけでなく、平成24年度から平成26年
度までの軽減措置が廃止になるため、国民健康保険料が高くなってしまいます。負担軽減
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のあり方は、自治体の判断で措置が可能ですが、世帯の高齢化に伴い介護費や医療費の負
担が重くなる現状では、軽減措置の延長に関してどのような議論が行われたのか伺います。
次に、議案第22号、川崎市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について伺います。
議案では、平成27年度から平成29年度までの各年度における保険料率を定めること及び川
崎市地域包括支援センター運営協議会を設置するために条例を制定するとしています。平
成27年度の介護保険料は、現行の標準月額5,014円から5,540円へと改定が予定されていま
すが、実際には介護給付費準備基金から21億円を取り崩した結果であり、基金からの取り
崩しが行われない場合で計算すると標準月額5,734円となります。横浜市では、介護保険料
が5,990円と改定額が示されていますので、結果として市長の公約どおり、県内で一番高い
保険料からの脱却は実現した形となります。実際には、基金を活用しなくても横浜市を下
回る保険料となったわけであり、給付費と保険料の関係で結果が出ただけのことでありま
す。しかし、今回のように基金を活用して保険料を抑制した結果、3年後の保険料改定時
には、保険料が大幅に上昇することが心配されます。介護保険運営協議会では、基金の取
り崩しに対してどのような意見が出たのか伺います。
また、団塊の世代が一斉に後期高齢者となる2025年問題を見据えて、保険料の平準化に
対し、3カ年問題を先送りにしたわけですが、計画的な基金活用を通じて急激な高齢化に
よる保険料の上昇に弾力的に対応すべき方策を失ってしまったことに対する市長の見解を
伺います。確かに、介護保険の抑制を目指した施策展開が功を奏したとの見方もあるかも
しれませんが、高齢化が急激に上昇することが確実な現状では、介護保険料は上昇するの
が当然であり、むしろ現在の行政水準を維持できるのかすら定かではありません。このた
びの基金取り崩しに際して、3年後の介護保険料をどの程度推定した上で政策判断を行っ
たのか、市長の見解を伺います。
次に、議案第35号、五反田川放水路放流部函体築造工事請負契約の締結について伺いま
す。五反田川は、過去に氾濫が起こり、沿川住民に大きな水害をもたらしました。その後、
国の補助事業として安全対策を施す治水事業に着手し、現在に至っております。事業が長
期化していることや、事業費も多額になっていることからも、早期の完成が望まれるとこ
ろであります。昨年、トンネル部分の工事において事故があり、工期内の完了が危ぶまれ
た一面もありましたが、いよいよ放流部分に着手するに至りました。今回の入札は、総合
評価方式の一般競争とのことであります。本来、大規模事業における地元業者の参加機会
を確保すべくJVとすべき案件だと考えますが、JVとならなかった経緯を伺います。ま
た、総合評価方式は価格だけでなく、技術や社会的貢献なども加味されながら総合的に評
価されるものでありますが、結果として、総合評価対象案件は低価格での落札が多くあり、
加えて低入札価格調査委員会にかかるものもありました。今回は予定価格に対し98.72%と
いう金額で落札しています。昨今のほかの総合評価対象案件の落札率を伺います。また、
98.72%という落札率についての見解を伺います。入札参加者が1者のみだったということ
について、公正の観点からどのように考えるのか伺います。
次に、議案第41号、中央療育センターの指定管理者の指定について及び議案第42号、川
崎市ヒルズすえながの指定管理者の指定について伺います。民間でできるものは民間でを
キャッチフレーズにスタートした指定管理者制度も、既に10年以上が経過し、本市におい
ては一部の例外を除き原則5年間の期間が設けられていることから、何度かの更新が図ら
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れる施設も見受けられるようになりました。一般的な競争入札や委託等の案件ではそのた
びに金額の妥当性が検証される反面、指定管理の案件については一定の期間があることか
ら、更新時においてはより入念な審査が求められております。今回の両案件については応
募団体がいずれも1団体であり、学識経験者等により構成される民間活用推進委員会によ
る評価点数が示されていますが、本市としてこれまでの成果をどのように総括されている
のか伺います。また、現状の課題と今後の改善見込み及び委員会における主な意見等があ
れば具体的に伺います。
以上で質問を終わらせていただきますが、答弁によっては再質問をさせていただきます。
(拍手)
○議長
浅野文直
〔市長
○市長
市長。
福田紀彦登壇〕
福田紀彦
それでは、私から、ただいまの自民党を代表されました石田議員の御
質問にお答えいたします。
国の経済対策についての御質問ですが、我が国の経済は、直近の国の経済報告において、
雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、原油価格下落の影響や各種政策の効果もあって緩
やかに回復していくことが期待されております。平成26年12月27日に閣議決定した地方へ
の好循環拡大に向けた緊急経済対策では、地域の実情に配慮した消費喚起や地方の活性化、
災害復旧等の緊急対応などが経済対策の基本的な考え方として示されたところでございま
す。今後の国政における地方創生への取り組みや消費税に関する動向は、市民生活に大き
く影響するものでございますので、地方部の再生とともに、我が国全体を牽引する本市を
含む大都市の役割を踏まえた、安定的で効果的な政策の実行を強く望むところでございま
す。本市といたしましては、今後も国の経済対策とも密接に連携し、成長と成熟の調和に
よる持続可能な「最幸のまち
かわさき」の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと
存じます。
予算への考え方などについての御質問でございますが、平成27年度の予算編成は、昨年
の8月に公表いたしました収支見通しにおける財政状況をベースに進めてきたところでご
ざいます。この収支見通しにおきましては、平成27年度の収支不足は194億円に及び、その
後も多額の収支不足が見込まれていたことから、単年度の議論にとどまることのないよう
並行して今後の収支見通しを作成し、中長期的な財政状況を勘案した予算編成を行ったと
ころでございます。こうした中で、私の公約に掲げた取り組みにつきましては、これまで
最優先で進めてきた待機児童の解消や中学校給食の推進を初めとして、地域の寺子屋事業、
かわさき健幸福寿プロジェクトなどさまざまな事業において具体化を図ってまいりました
が、平成27年度においては、小児医療費助成制度の拡充にも着手できたところでございま
す。今後も、短期的に実現していくものと中長期的に取り組んでいくものを見きわめ、財
政状況を勘案しながら、しっかりと事業を推進してまいりたいと考えております。
子育て総合支援についての御質問でございますが、子育て家庭が安心して子どもを産み
育てることができる環境づくりを進めていくためには、子ども・子育て支援施策を継続的、
一体的に推進するとともに、社会状況が変化する中で、地域の実情に応じた取り組みをき
め細やかに展開していくことが必要であると考えております。本市におきましては、平成
27年度からスタートいたします子ども・子育て支援新制度に的確に対応するために、子ど
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
速報版
第3日(2月26日)
も・子育て支援事業計画を本年3月に策定し、平成31年度までの5年間の取り組みを位置
づけ、質の高い幼児期の学校教育、保育の総合的な提供、保育の量的拡大・確保、地域の
子ども・子育て支援の充実を図ってまいります。今後におきましては、同計画に基づく総
合的な子ども・子育て支援を展開するとともに、現在策定作業を進めております新たな総
合計画との整合を図りながら、成長と成熟の調和による持続可能な「最幸のまち
き」を目指して、「子どもたちの笑顔があふれるまち
かわさ
かわさき」の実現に向けた取り組
みを推進してまいります。
平成27年度予算編成についての御質問でございますが、平成26年度の予算編成は、市長
就任後の限られた時間の中での編成となりましたが、平成27年度予算につきましては、サ
マーレビューやオータムレビューなどの場を通じ、時間をかけてしっかりと議論、検討が
できたものと考えております。この編成過程においては、本市の厳しい財政状況を踏まえ、
切れ目のない行財政改革に取り組むとともに、より効率的・効果的な事業執行となるよう
十分に精査を進めたところでございます。編成に当たっては、限られた財源の配分に最も
頭を悩ませたところでございますが、これまで計画的に進めてきた施策、あるいは将来に
向けての施策について、時期を逸することなくしっかりと取り組むことが大変重要である
と考え、将来の収支見通しを踏まえた上で、減債基金を活用することなどにより必要な施
策を推進できる予算としたものでございます。この減債基金の活用につきましては、平成
26年度の臨時財政対策債の大幅な減などに起因するものでございますが、臨時財政対策債
そのものの減は、将来的に公債費負担の軽減につながるものでございます。今後、市税等
の歳入増と大規模施設整備費の平年度化などにより、平成31年度以降は収支不足が解消さ
れることを見込んでおりますが、「最幸のまち
かわさき」を実現し、さらに、そうあり
続けるために、引き続き不断の改革を進めてまいりたいと考えております。
行財政運営についての御質問でございますが、平成27年度予算においては、安心のふる
さとづくりに向けた施策と力強い産業都市づくりに向けた施策を、成長と成熟の調和によ
る持続可能な「最幸のまち
かわさき」の実現に向けた両輪として位置づけ、必要な予算
を計上いたしました。子育て環境の整備につきましては、喫緊の課題である少子化対策と
して大変重要な取り組みであり、将来の本市の活力を支える人的基盤の形成に有効な投資
であると考えているところでございます。あわせて、成長産業分野におけるイノベーショ
ンを進める取り組みや、臨海部における国際戦略拠点の形成などを通じて産業基盤を強固
なものにすることも、未来につながる貴重な投資でございます。今後につきましても、成
長に資する取り組みを積極的に進め、未来に希望が持てる地域社会の構築を目指してまい
ります。
予算編成の課題などについての御質問でございますけれども、予算編成におきましては、
単年度の予算の検討にとどまらず中長期的な行財政運営の視点が必要であることから、平
成27年度予算におきましても、複数年の財政状況を勘案しながら長期間にわたって検討を
重ねてまいりました。この過程においては、事業所管局の考え方に対して、関係部署から
さまざまな立場を踏まえた意見を徴することにより私が判断を行い、適切に予算編成を行
うことができたものと考えております。次に、私が最優先課題としている待機児童解消と
中学校給食の推進につきましては、就任直後から市役所内部の体制を整備し、取り組みを
進めてまいりました。また、例えば地域の寺子屋事業につきましては、モデル事業として
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速報版
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第3日(2月26日)
まず8校で試行実施するなど、さまざまな事業につきまして平成26年度中からスピード感
を持って取り組みを進めてきたところでございます。そして、就任1年目に種をまいたこ
のような取り組みの芽がしっかりと育つよう必要な対応を図ったのが平成27年度予算でご
ざいますが、こうした芽を今後確実に育てるためには、何よりも持続可能な行財政基盤の
構築が必要でございます。このため、中長期的な視点に立った予算編成を行うことがこれ
からも重要であり、これによって的確な行財政運営を進めていくことに強い決意で取り組
んでまいりたいと考えております。
職員の不祥事についての御質問でございますが、職員の不祥事防止につきましては、あ
らゆる機会を捉え、全庁を挙げてさまざまな対策を講じてきたところでございますが、今
般、職員による不祥事が相次いで発生し、市政に対する市民の信頼を損なう結果につなが
っていることは非常に残念であり、市民の皆様におわびを申し上げたいと思います。また、
現在、市民の皆様との対話により、新たな総合計画や仮称行財政改革に関する計画など、
重要な計画の策定を進めているさなか、このような事態になっていることは、今後の市政
運営にも影響を及ぼしかねないことであり、極めてゆゆしき事態であると考えております。
職員の不祥事を防止するためには、不祥事を生まない土壌が必要であると考えております
ので、管理監督者の適切なリーダーシップのもと、職員間でコミュニケーションをしっか
りととり、お互いの信頼関係を築き、風通しのよい組織を構築するとともに、あわせて意
識啓発や注意喚起を継続的に行い、職員の服務規律を確保し、市民の信頼回復に努めてま
いりたいと存じます。
KING SKYFRONTの今後の方向性についての御質問でございますが、KING
SKYFRONTにつきましては、これまでの本市の取り組みなどにより、ライフサイエ
ンス分野の最先端技術を有する企業や研究機関等の集積が進んでまいりました。今後こう
した集積を生かしながら、ここに立地する企業、研究機関等が中心となって、さらなるイ
ノベーションを生み、革新的な医薬品や医療機器などを次々と開発することにより、超高
齢社会の課題解決に貢献するとともに、我が国の経済成長を牽引するよう、活力ある国際
的なイノベーション拠点の形成を目指してまいりたいと存じます。本市といたしましては、
国際戦略拠点としての機能をさらに高めるため、引き続き最先端技術を有する企業等の誘
致を進めるとともに、革新的な医薬品等が生まれやすい土壌の醸成に向けて、国家戦略特
区制度の活用による規制改革の実現や、オープンイノベーションの促進による企業、研究
者間の連携強化に取り組んでまいりたいと存じます。
子ども・子育て支援新制度と待機児童対策についての御質問でございますが、初めに、
保育所の運営経費と負担割合についてでございますが、市が法定外で児童の処遇向上のた
めに負担している経費につきましては、公営、民営の保育所における職員の加配や民営保
育所における職員の処遇改善等を行うものが主な内容となっておりまして、子ども・子育
て支援新制度における保育の質の改善が重要視される中、その継続と充実は必要なものと
考えております。しかしながら、保育の量的拡充に伴い財政負担も大きくなっている状況
から、引き続き公から民への運営主体の転換を図っていくとともに、平成27年度に保育の
受益と負担のあり方等を含め検討し、平成28年度以降も着実に保育施策を推進していける
方策を講じてまいります。次に、待機児童ゼロの達成についてでございますが、待機児童
の解消につきましては、市長就任後からこれまでの間、本市の最重要課題の一つと位置づ
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け、スピード感を持って取り組んでまいりました。昨年4月の待機児童数につきましては、
区役所窓口における保護者へのきめ細やかな相談、支援等の充実を図り、前年比で376人減
の62人となり、待機児童減少数で全国2位という具体的な成果につながったものでござい
ます。この4月に向けましても、認可保育所や小規模保育等の新設などにより約2,500人を
超える大幅な保育受入枠を確保するとともに、川崎認定保育園の積極活用を図り、助成対
象児童数を3,400人から4,171人まで拡充し対応しているところでございます。現在、各区
役所では、保育所等に入所保留となった方を対象に、丁寧できめ細やかなアフターフォロ
ーを実施しているところであり、2月2日から一定期間、平日の時間外や土曜日におきま
しても相談窓口の体制を拡充しているところでございます。引き続き丁寧な相談対応をし
っかりと行い、最後の最後まで一人一人と向き合い、お子さんの預け先が見つかるよう、
待機児童の解消の実現に向け懸命に努力してまいります。
厚生労働大臣の視察についての御質問でございますが、平成25年末に成立した生活困窮
者自立支援法がこの4月から施行されることを受け、既に生活困窮者の自立支援について、
全国でも先駆的に取り組んでいる自治体として本市が評価されていたことから、このたび
のだいJOBセンター視察に至ったものと伺っております。意見交換の場では、本市から、
生活保護の動向と生活困窮者支援の取り組み状況を御説明し、私からは、生活保護受給世
帯を対象とする学習支援事業に参加した全ての中学3年生が進学を果たしたこと、また、
生活困窮者支援においては、就労支援を行い就職した後に生活保護の受給に至った方は、
昨年秋の時点で2%にとどまったことをお伝えしました。大臣からは、高校就学の定着促
進に向け、文部科学省を初め省庁の枠組みを超えた取り組みの重要性が示されたほか、自
立支援現場に携わる職員の生の声を聞く機会を得たことなどから、非常に有意義な視察で
あったとの感想をいただいたところでございます。限られた時間ではございましたが、大
臣とは課題の共有が図られるとともに、こうした課題解決に向けて国政に反映してまいり
たいというお言葉をいただいたことは大変心強く受けとめており、私といたしましても、
自治体の立場から貧困の連鎖解消に向けて積極的に取り組んでいくとともに、だいJOB
センターを川崎モデルとして全国に発信してまいりたいと存じます。
羽田空港新飛行ルート案についての御質問でございますが、初めに、首都圏空港機能強
化の具体化に向けた協議会における検討スケジュールにつきましては、平成28年度概算要
求を念頭に置きつつ協議を行いたいとのことでございますが、騒音や振動などの生活環境
への影響もあり、また、提示された飛行ルート案が、本市臨海部のコンビナート上空を通
過するものであることから、安全性に対する懸念などさまざまな課題認識を持っておりま
す。これらの課題に対しましては、住民や企業の理解を得ることが重要であると考えてお
りますので、国に対し、よりわかりやすい資料提供や丁寧な説明を早期に行うよう求めて
きたところです。これに対し、国からは、自治体の協力を得ながら対話と情報開示を行い 、
より多くの住民の方々に理解をいただくことに注力していきたいとの対応方針が示されて
います。次に、羽田空港の機能強化に関する市民への情報提供についてでございますが、
現在国が準備を進めているわかりやすい住民向け説明資料の作成等の状況を踏まえた上
で、本市の要望などを含め、ホームページ等を活用し情報提供に努めてまいります。次に 、
首都圏空港機能強化技術検討小委員会が取りまとめた方策案についてでございますが、同
小委員会の中間取りまとめを受け、国が各関係自治体へ提案しておりますことから、具体
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的な内容につきましては国とやりとりを深めてまいりたいと考えております。次に、今後
の国との協議につきましては、住民の生活環境への配慮や安全性の確保などを念頭に置き
ながら、庁内の情報共有や関係自治体との連携を図り、協議調整を進めてまいりたいと考
えております。次に、地元説明会についてでございますが、地元住民に向けた丁寧な説明
が重要であると認識しております。現在、国においても説明の準備等を進めているところ
と聞いておりますので、引き続き、国に対し早期に開催するよう求めてまいります。
小児医療費助成制度についての御質問でございますが、初めに、本制度は子育ての不安
を解消し、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりを進めていく上で大変重
要な施策の一つであることから、所得制限につきましては、制度の安定性、継続性を考慮
し、同様に広く一般家庭を対象とした子育て支援施策である児童手当制度の基準に準拠し
て設けているところでございます。次に、所得制限を現行のまま、制度を小学校2年生ま
で拡大した場合の増加額は約3億3,000万円であるのに対し、設けない場合は約9億8,000
万円となり、その差額は約6億5,000万円でございます。所得制限につきましては、限られ
た財源の中で持続可能な制度として安定的に運営するため、今後の拡充におきましても設
ける必要があると考えております。次に、少子高齢化の急速な進展が避けられない厳しい
時代において、未来への投資となる重要な子育て支援策については、国も自治体も危機感
を持って総ぐるみで取り組むべきであると考えております。そうした中、本制度につきま
しては、現在のところ地方のみが負担を負うばかりか、国においては、地方単独で医療費
助成事業を行った場合に、国民健康保険の国庫負担金を減額するなど、地方の努力に反し
た措置を行っている状況となっております。私は、国に対して新たな財政措置を講じるよ
う要望するとともに、減額措置については廃止するよう、今後も強く国に訴えてまいりた
いと考えております。
次に、世代間の公平性に関する見解についてですが、少子高齢化が進展し、社会経済環
境が大きく変化する中、国においては、全ての世代が安心感と納得感が得られる全世代型
の社会保障への転換が求められており、さまざまな社会保障制度改革の議論がなされてい
るところでございます。今後におきましても、子育て支援の充実を図るとともに、高齢者
が元気で生きがいを持って暮らせるまちづくりを進めることが大変重要な取り組みである
と考えており、子どもから高齢者まで、誰もが川崎で幸せに暮らし続けることができるよ
うな安心のふるさとづくりを進めてまいりたいと存じます。
介護保険料についての御質問でございますが、第6期介護保険事業計画におきましては、
期間中必要とされるサービス量を推計した上で、介護給付費準備基金の活用や保険料段階
の細分化等により、適切に保険料基準額を算定したところでございます。準備基金につき
ましては、将来の不測の事態の発生に備え、中長期的観点から制度設計された県の財政安
定化基金とは異なり、毎年着実に増加が見込まれる給付費に対し、3年間定額で設定され
た保険料の期間内での過不足に対応するため、介護保険法の趣旨に従い設置しているもの
でございます。こうしたことから、期間終了後の余剰分である基金残額につきましては、
保険料を負担した被保険者になるべく早く還元されるべきものとされておりますので、直
近の第6期計画の財源として繰り入れるものでございます。また、次期計画に向けまして
は、高齢者の生きがいや健康づくりの観点から、介護予防の取り組みをより一層充実させ
るとともに、介護が必要になっても、要介護度の維持改善を図ることを目的とするかわさ
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き健幸福寿プロジェクトを推進することなどにより給付費の抑制につなげ、高齢者が住み
なれた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりを推進してまいりたいと存じます。以
上でございます。
○議長
浅野文直
上下水道事業管理者。
〔上下水道事業管理者
○上下水道事業管理者
飛彈良一登壇〕
飛彈良一
上下水道局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、等々力水処理センターの高度処理化についての御質問でございますが、本市の
下水処理水の最終放流先である東京湾では、下水処理水などに含まれる窒素やリンを原因
として富栄養化が進み、赤潮などの被害が依然として発生している状況でございまして、
東京湾流域別下水道整備総合計画に基づき、1都3県が連携し、下水処理場の高度処理化
に取り組んでいるところでございます。初めに、等々力水処理センターで実施する高度処
理化の概要についてでございますが、通常、高度処理は有機物の除去を対象とした従来の
下水処理に加え、窒素やリンも除去するために長い滞留時間が必要となり、大規模な施設
となるものでございます。当水処理センターは、限られた地下空間での処理となることか
ら、民間事業者との共同研究を進め、学識者を含む第三者委員会から技術評価を受け、滞
留時間の縮減と施設のコンパクト化を可能とする計画づくりをしてまいりました。これま
で当水処理センターでは、再生水の利用を目的とした好気性ろ床による高度処理を一部採
用してきましたが、窒素やリンの除去を可能とする高度処理を全施設で実現させるために、
既存施設の北側と東側に、流量調整池と窒素除去を行う脱窒ろ過池を建設するとともに、
窒素除去の前処理とリン除去を目的として既存施設の改造を行うものでございます。事業
の完了年度といたしましては、東京湾流域別下水道整備総合計画の目標年次である平成36
年度を予定しております。次に、高度処理化による効果でございますが、東京湾の富栄養
化対策に加え、当水処理センターを水源とする江川せせらぎ水路の水質向上も期待できる
ところでございます。また、新たな高度処理施設も等々力緑地内の地下に建設されること
から、工事が完了いたしますと、公園として上部利用の拡大が可能となるものでございま
す。
次に、生田浄水場の再構築後の有効利用についての御質問でございますが、初めに、現
在の検討状況についてでございますが、平成25年1月に策定した基本計画に基づき、民間
活力の導入を前提としたスポーツ広場と、市民が自由に憩い利用できる親水空間などにつ
いて、その配置や機能などを検討しております。具体的には、民間へ貸し付けるスポーツ
広場につきましては、スポーツ施設の収益性や民間事業者の採算性のシミュレーションを
実施し、事業者募集の条件等を整理しているところでございます。また、市民が無料で利
用できる空間につきましては、生田浄水場の水源である地下水を活用した親水施設や、災
害時の一時避難場所を想定した応急給水拠点、マンホールトイレなどを検討しているほか、
地元からの要望の強い少年サッカーや少年野球、さらには消防団の訓練など、多目的に利
用できる広場の確保を目指して施設の配置等を検討しているところでございます。なお、
スポーツ広場を運営する事業者に、多目的広場やトイレ、駐車場などの管理を委託するな
ど、有効利用エリア全体で民間活力を効果的に活用し、市民サービスの向上に努めてまい
りたいと考えております。次に、今後のスケジュールについてでございますが、再構築事
業の完了後、平成28年度から既存施設の撤去工事を行い、関係機関との協議や環境影響評
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価などの手続を経た上で、平成29年度以降、整備に着手する予定でございます。以上でご
ざいます。
○議長
浅野文直
〔教育長
○教育長
教育長。
渡邊直美登壇〕
渡邊直美
教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、中学校完全給食についての御質問でございますが、初めに、学校給食センター
整備等事業に係る地中埋設物等への対応についてでございますが、事業実施に当たりまし
ては、事業用地内のくい等の埋設されている状況を事前に把握するとともに、これに対応
するための期間を事業期間に見込んでいるところでございます。また、事業者が契約締結
後、速やかに敷地の事前調査を実施することとしており、想定外の埋設物等の対応につき
ましては、その状況に応じて事業者と協議を行い、できる限り影響がないように対応して
まいりたいと考えております。次に、スケジュールの分散化についてでございますが、市
内事業者を含め、建設需要の逼迫した状況を勘案し、スケジュールを分散化することによ
り、各工事工程における専門工事の発注が集中することを避け、円滑に工事が実施される
よう配慮したものでございます。また、落札者決定基準におきまして、市内経済の活性化
についても評価の視点として設定し、入札説明会等において周知する予定でございますの
で、スケジュールの分散化により、市内事業者のより積極的な参画が期待できるものと考
えております。次に、小中合築校についてでございますが、関係局からは、工事の契約の
相手方が共同企業体である場合、仮にその構成員の1者が脱退したとしても、共同企業体
として引き続き工事が進められ、工事期間に変更はないものと伺っておりますので、中学
校完全給食につきましても計画どおり実施していく予定でございます。
次に、橘樹官衙遺跡群の国史跡指定についての御質問でございますが、初めに、プレイ
ベントについてでございますが、橘樹郡衙跡と影向寺遺跡から成る橘樹官衙遺跡群の地元
であります高津区と宮前区を中心に、500名を超える市民の皆様が参加され、午後からの現
地見学会につきましても約200名の参加がございまして、関心の高さを改めて認識いたしま
すとともに、橘樹官衙遺跡群の歴史的価値について御理解をいただき、国史跡に向けた喜
びを共有することができたものと考えているところでございます。プレイベントの参加者
にアンケートをお願いいたしましたところ、橘樹官衙遺跡群に期待することとして、歴史
学習の場としての御意見が最も多く、次いで、農地や緑の豊かな空間の保全、観光の拠点
としての活用等の御意見がございました。また、遺跡の整備につきましては、詳しい解説
板が欲しいとの御要望が最も多く、そのほか郡衙の建物を復元したり、建物のあった場所
を表示してほしい、CGで当時の様子がわかるようにしてほしい等の歴史学習に関する御
要望や、駐車場やトイレなどの設置の御要望等が寄せられております。
次に、国史跡指定後の取り組みとスケジュールについてでございますが、平成27年度に
は国史跡指定を記念したシンポジウムや出土品の展示、史跡ガイドツアーやスタンプラリ
ー等のイベントを開催するほか、スマートフォンを活用した現地でのリアリティのある解
説なども検討しており、市内外に向けて橘樹官衙遺跡群の歴史的魅力を発信してまいりた
いと考えているところでございます。また、平成25年度に本市土地開発公社で先行取得し
ました土地につきましては、平成27年度に国の補助を得て買い戻す予定でございます。今
後は、隣接するたちばな古代の丘緑地とあわせた総合的な観点からの整備が必要でござい
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ますので、引き続き、学識者の御指導をいただくとともに、市民の皆様の御意見を伺いな
がら、本市の貴重な宝として、国史跡にふさわしい保存管理や整備活用の計画を検討して
まいりたいと考えているところでございます。
次に、かわさき教育プランについての御質問でございますが、初めに、現在の教育プラ
ンの実行計画の期間についてでございますが、計画期間の最終年度に当たる平成26年度に
つきましては、残された課題に引き続き対応しながら次期プランの策定に向けての検討を
行うこととするため、第3期実行計画の延長期間として位置づけたところでございます。
次に、現在のプランの総括と次期プランへの反映についてでございますが、これまでの取
り組みの総括につきましては、確かな学力の育成、いじめ、不登校への対応、地域の教育
力の向上など、分野ごとに可能な限りデータを用いて、プラン策定時と現在とを比較しな
がら現状と課題を整理してまいりました。その結果に基づきまして、次期プランにおける
施策の方向性を次期プラン策定に向けた考え方として取りまとめ、平成26年3月に公表を
行ったところでございます。次期プラン素案でお示ししておりますプランの基本理念及び
基本目標や取り組み内容は、この考え方を基本としながら検討を進めてきた結果を取りま
とめたものでございます。
次に、本市の子どもたちの学力・学習状況についてでございますが、全国学力・学習状
況調査の国語、算数・数学の本市と全国の調査結果を比較いたしますと、活用に関する問
題のほうが知識に関する問題よりも良好な調査結果が得られております。質問紙調査では、
自分にはよいところがある、難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している、物事を最後
までやり遂げてうれしかったことがあるといった自尊意識に関しまして肯定的な回答が
年々増加してきており、学校生活に関しましては、学校に行くのは楽しいと思うか、先生
はあなたのよいところを認めてくれていると思うかという質問に対する回答に良好な状況
が見られるところでございます。また、川崎市学習状況調査の生活や学習についてのアン
ケートの調査結果では、小学校5年生、中学校2年生ともに、学習に対する好感度、理解
度、有用感について、平成17年度からの推移を見ますといずれも肯定的な回答がふえてき
ている傾向が見られております。このような調査結果は、子どもたちの考える力や表現す
る力を育てる言語活動を重視した指導、達成感や成就感など、子どもたちにとって学ぶ喜
びや自己の成長が実感できる指導、子どもたち一人一人を大切にしたきめ細やかな指導な
ど、学力向上に向けた指導改善に取り組んできた成果と考えております。今後も、子ども
たちが生き生きと学習に向かい、確かな学力を確実に身につけていくことができるよう、
これらの取り組みのさらなる充実改善に努めてまいりたいと考えております。次に、体力
についてでございますが、小学校5年生、中学校2年生を対象とした全国体力・運動能力 、
運動習慣等調査における意識調査では、運動部や地域のスポーツクラブの所属率や卒業後
も自主的に運動する時間を持ちたいとの回答が全国平均値を上回っており、将来において
も継続的に運動を行っていきたいと考えている児童生徒が多いことがうかがえます。これ
は、体育科、保健体育科の授業や運動部活動の充実を図っている成果と認識しているとこ
ろでございます。しかしながら、運動能力調査におきましては全国平均を下回る種目もご
ざいますので、今後さらに、スポーツや外遊びを通して、子どもたちの体力向上が図れる
よう努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、いじめについてでございますが、児童生徒指導に関する協議会、研修会やリーフ
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レット等を通して、一人一人の教員のいじめ問題に対する意識の向上を図ってまいりまし
た。また、全ての市立学校において児童生徒指導点検強化月間を設け、教育相談活動を通
じた児童生徒理解の徹底、アンケート等による実態調査の実施、校内研修や指導体制の整
備点検、児童会、生徒会等による校内での啓発活動等により、児童生徒指導の充実を図り 、
いじめの未然防止、早期発見、早期対応の取り組みを進めているところでございます。さ
らに、小学校では平成24年度から児童支援コーディネーターを軸とした児童支援活動を推
進し、より丁寧な取り組みを進めております。次に、不登校対策についてでございますが、
児童生徒の抱える問題を改善、解決する心理の専門家であるスクールカウンセラーの市内
全中学校における活用を推進するとともに、ゆうゆう広場を新たに3カ所開設し、学校生
活への復帰を支援する体制の充実に努めてまいりました。また、中学校における不登校生
徒数は、平成23年度以降は減少に転じており、各中学校区における小中連携教育の取り組
みが進んだ成果と捉えております。次に、暴力行為についてでございますが、ここ10年間
の小中学校における1,000人当たりの暴力行為の発生件数は、平成21年度の9.54件をピーク
に減少を続け、平成25年度は3.73件となっております。平成22年度より市内全校で実施し
ているかわさき共生*共育プログラムによる社会性やコミュニケーション能力等の育成
や、同時に行われている効果測定により、支援が必要な児童生徒への教職員の情報共有を
図る等の取り組みの成果であると捉えております。
次に、教職員の資質向上の取り組みにつきましては、学校教育に対するニーズの多様化
や大量採用による経験の浅い教員の増加等に対応していくため、経験年数に応じた研修や
職責等に応じた研修の内容や方法について見直しを行い、研修の充実を図ってまいりまし
た。経験の浅い教員に対しては、授業力や子どもとのかかわり方等の教員としての基礎的
な資質の育成、中堅やベテラン、新任の総括教諭等に対しては、さまざまな教育活動を牽
引するミドルリーダーとしての力量の向上、学校管理職に対しては、学校経営に係る管理
職としてのマネジメント力等の向上を目指すとともに、規範意識や倫理観、教育公務員と
しての自覚が高められるよう努めてまいりました。そのような中、教職員の非違行為が相
次いだことは大変残念に思いますし、関係者の皆様に多大な御迷惑をおかけしましたこと
を深くおわびいたします。教育公務員は、児童生徒の教育活動に直接携わることから、一
般の公務員よりも一段高い規範意識、倫理観が求められるものと認識しておりますので、
今後も教職員の綱紀粛正、倫理の確立についての指導をこれまで以上に徹底するなど、学
校と教育委員会が全力を挙げて不祥事の再発防止に取り組んでまいります。
次に、次期プランの計画期間及び関連計画との整合性についてでございますが、実施計
画の期間につきましては、現在策定が進められている新たな総合計画の想定されている実
施計画と合わせるため、第1期を3年、2期、3期を4年としたものでございます。見直
しの時期を合わせることで、総合計画と教育プランの検討を同時に進めることが可能とな
り、整合性が図りやすくなるものと考えております。また、策定段階で関係局との連携調
整を行うことで、関連計画相互の整合性を図りながら策定を進めているところでございま
す。次に、策定過程における児童生徒の意見についてでございますが、これまでの策定の
過程におきましては、教育の担い手となる地域の皆様や保護者、教職員などの、いわゆる
教育の当事者の御意見を直接お聞きすることを大切にしながら検討を進めてきたところで
ございます。御意見を直接お伺いする機会を特に大切にしてまいりましたのは、直接耳を
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傾けることで、現場で教育を担っている方々の思いを受けとめ、教育プランをより現場の
思いに即したものにできると考えたためでございます。児童生徒につきましては、私自身、
教育委員とともに訪問した学校での対話のほか、小中学生、高校生との意見交換の場を設
け、子どもたちが今考えていること、将来への夢や希望、行政への要望などを伺ってまい
りました。子どもたちの思いや願いを直接聞くことができ、大変有意義に感じるとともに、
改めて本市の未来を担う子どもたちの思いに応えていくこと、その成長を支えていくこと
への責任を強く感じたところでございます。
次に、特別支援教育についての御質問でございますが、初めに、特別支援教育サポータ
ーにつきましては、小中学校等において支援を必要とする児童生徒に対して、学校の申請
に基づき、教員を目指している学生や退職教員等を配置しております。昨年度は、164校に
延べ478名を配置したところでございます。学校のニーズに応じた適切な配置となるよう努
めるとともに、サポーターの質の向上につきましては、特別支援教育や教育相談、個人情
報保護等にかかわる研修のさらなる充実に取り組んでまいりたいと考えております。次に、
通級指導教室担当教員の専門性の向上につきましては、教室の新設や担当する教員の世代
交代等もあり、喫緊の課題となっております。そのため、研修の体系化や内容の精選とと
もに、担当教員の計画的な養成と配置、言語聴覚士等の専門職との連携について検討して
まいります。次に、特別支援学級の児童生徒数の増加や障害の重度化、多様化に対する対
応につきましては、指導に当たる教員の専門性や学級運営力を高める必要があると考えて
いるところでございます。そのため、特別支援学校のセンター的機能により、特別支援学
校の経験豊かな教員が小中学校の特別支援学級の教員にアドバイスする体制を強化すると
ともに、特別支援学校と小中学校の特別支援学級との間での計画的な人事交流のあり方を
検討してまいります。
次に、特別支援学校の卒業生の進路につきましては、昨年度の市立特別支援学校の卒業
生76名のうち、企業への就労23名、職業訓練機関1名、福祉関係事業所49名、その他3名
となっております。課題といたしましては、企業へ就労した生徒のその後の安定した就労
継続にあると認識しているところでございます。このため在学中の職場実習等を通して、
生徒自身に働くことの喜びや意味を実感させ、達成感を味わわせること、また、教員が生
徒の適性を見きわめて、より適切な職場とのマッチングに努めることが重要であると考え
ているところでございます。就労後の対応といたしましては、教員や企業経験のある就労
支援員による職場訪問等の就労継続に向けた支援の充実に努めてまいります。以上でござ
います。
○議長
浅野文直
〔総務局長
○総務局長
小金井
総務局長。
小金井
勉
勉登壇〕
総務局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、マイナンバー制度についての御質問でございますが、制度導入に伴う市民の利
便性につきましては、平成28年1月にマイナンバーの利用が開始され、希望者には顔写真
つきの身分証明書として利用ができる個人番号カードの無料交付が始まります。この個人
番号カードにより、コンビニエンスストアで住民票の写しや各種証明書の交付が受けられ
るようになるなど、市民生活における利便性の向上が見込まれるところでございます。ま
た、平成29年7月からは他都市等との間で情報のやりとりも始まりますので、各種申請時
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速報版
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に必要な課税証明書等の添付資料が省略できるなど、市民の負担軽減にもつながるものと
考えております。次に、本市行財政への効果についてでございますが、マイナンバーによ
る情報連携が実現されることで、市民の申請に係る情報の照合、転記など窓口の負担が軽
減されるとともに、所得や他の行政サービスの受給状況等を把渥しやすくなるため、より
一層、公平公正で適正な制度の運用が図られるものと考えているところでございます。
次に、職員の不祥事についての御質問でございますが、初めに、過去3年間の懲戒処分
件数及び処分内容等についてでございますが、平成24年度は、免職2件、停職6件、減給
7件、戒告4件の計19件、平成25年度は、停職5件、減給5件、戒告5件の計15件、平成
26年度は、2月19日現在で、免職1件、停職10件、減給2件、戒告1件の計14件でござい
まして、処分の理由として多いものといたしましては、公務上のものでは不適切な事務執
行、公務外のものではわいせつ行為や暴行、傷害などによるものでございます。また、背
景につきましては、それぞれの事案により状況等が異なることから一概には申し上げられ
ませんが、総じて高い倫理規範を求められる公務員としての自覚が不足していると言わざ
るを得ないと認識しているところでございます。次に、不祥事防止の取り組みについてで
ございますが、規範意識の醸成も含め、これまでも依命通達の発出や不祥事防止委員会の
開催、職員研修や予防的監察の実施などの取り組みを継続的に行っており、今年度からは、
新たな取り組みとして、職員が基本的な規範やルールを再認識する服務チェックシートを
活用するなどの取り組みも進めてきたところでございます。しかしながら、今般、職員の
不祥事が相次いだことから、急遽開催した不祥事防止対策会議において、市長から全ての
局区長に対し、不祥事防止対策に当たっては十二分にそのリーダーシップを発揮するよう
指示があったところでございます。次に、カウンセラーなどを交えた取り組みについてで
ございますが、現在、不祥事防止に向け、職場単位で職員全員が討議する行政考査を行っ
ているところでございますが、不祥事防止をより徹底するため、専門家の活用などを含め、
効果的な手法について検討してまいりたいと存じます。いずれにいたしましても、引き続
き、あらゆる機会を通じて職員の服務規律の確保と公務員倫理の確立を図り、市民の信頼
回復に努めてまいりたいと存じます。
次に、世田谷区との合同訓練についての御質問でございますが、本市では、東京消防庁
との消防相互応援協定に基づき、日ごろから災害応援を行うとともに、これまでも多摩川
河川敷において世田谷区と合同で水防訓練を実施するなどの連携を図ってきたところでご
ざいます。このたび世田谷区と包括協定を締結いたしましたことから、それぞれが実施す
る各種防災訓練への相互参加や帰宅困難者対策についての情報交換など、災害時相互協力
体制の構築に向けて、さらなる連携の強化を図ってまいります。
次に、附属機関等の見直しについての御質問でございますが、初めに、今回の見直しに
ついてでございますが、裁判所の判決や他都市の動向などを踏まえ、地方自治法に基づき
法律または条例により設置する附属機関と、専門家等から意見聴取を行う懇談会の基準を
定め、改革の一環として、全ての附属機関等を対象に全庁的な整理統合等を行ったもので
ございます。次に、附属機関等に係る費用についてでございますが、平成25年度決算で総
額約3億9,300万円となっておりますが、今回の見直しに伴い整理統合等を行うものの中に
は他の附属機関の部会とするものなどもあり、現段階ではその削減効果額を算出すること
が難しいことから、引き続き検証してまいりたいと考えております。今後とも、今回の見
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直しを踏まえながら、効率的・効果的な附属機関等の運用に努めてまいりたいと存じます。
次に、今後の事務・サービス等のあり方案についての御質問でございますが、今後も必
要な市民サービスを安定的かつ確実に提供していくためには、当初目的の薄れた市民サー
ビスの見直しや世代間の受益と負担を考慮した再構築が必要不可欠であり、今後の事務・
サービス等のあり方案はその考え方を取りまとめたものでございます。これに基づき、見
直しの対象とする個別具体的な事務・サービス等につきましては、全庁的な調整を行いな
がら調査検討を進め、平成27年度末に策定を予定している仮称行財政改革に関する計画の
中で明らかにしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、「最幸のまち
かわさき」を実現し、持続していくため、事務・サービス等の再構築とともに、従来か
ら進めている市役所内部改革等の行財政改革に取り組んでまいります。以上でございます。
○議長
浅野文直
総合企画局長。
〔総合企画局長
○総合企画局長
瀧峠雅介登壇〕
瀧峠雅介
総合企画局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、生産年齢人口についての御質問でございますが、本市は、国や多くの地方自治
体が既に人口減少に転ずる中で、引き続き人口が増加するなど、利便性の高い生活都市と
して発展を続けているところでございます。このような中におきましても、生産年齢人口
の維持増加につきましては、都市の活力を維持していくために重要な視点の一つであると
認識しているところでございまして、子育て支援の充実や産業の振興、利便性が高く、魅
力とにぎわいにあふれたまちづくりなどについて、新たな総合計画の策定作業の中で多面
的に検討を進めているところでございます。
次に、総合計画についての御質問でございますが、初めに、無作為抽出方式による市民
検討会の開催についてでございますが、これまで市政に参加するきっかけがなかった、あ
るいは少なかった市民の皆様も含めて、性別や年代、居住地などの面からも偏りが少ない
参加者構成により、バランスのよい議論が行われることを期待して導入したものでござい
ます。参加者の状況につきましては、参加意向の確認段階で希望者のなかった年代もあっ
たことや、検討会当日の欠席等により区によっては参加者のいない年代も若干ございまし
たが、各区とも若い世代から高齢者まで幅広い年代の方に御参加をいただき、バランスよ
く御意見を伺うことができたものと考えております。次に、障害のある方の御参加につき
ましては、あらかじめ手話通訳や要約筆記等の御案内をしたところでございますが、利用
を希望された方はいらっしゃらなかった状況でございます。次に、各区の特色についてで
ございますが、産業の集積、豊かな自然環境や文化資源など各区それぞれに魅力や特色が
ございますが、駅周辺の開発等により新たな住民が増加している地域や、周辺と比較して
高齢化が進んでいる地域など、一定の変化が見られる状況でございます。また、市民検討
会におきましては、各区の魅力や地域の特色について、交通や買い物の利便性がよい、魅
力的な施設が多い、坂道が多いなど、それぞれの地域における日常生活の視点から御意見
をいただいたところでございます。このような市民の皆様からの御意見も踏まえまして、
区計画では、各区のまちづくりの目標や地域の課題解決に向けた主要な取り組みの検討を
進めているところでございます。
次に、最幸のまちについてでございますが、計画の策定段階から多くの方々の御意見を
伺うため、策定に向けた基本的な考え方や狙い等を明らかにした新たな総合計画策定方針
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を取りまとめ、昨年8月に公表したところでございます。策定方針におきましては、成長
と成熟の調和による持続可能な「最幸のまち
かわさき」を実現することを策定の狙いと
し、そのために必要な基本認識や計画の構成、重点検討テーマにおける課題や取り組みの
方向性等をお示ししたところでございます。市民検討会に引き続いて開催しております市
民検討会議等におきましては、こうした策定方針の内容を丁寧に御説明し、御意見を伺い
ながら、最幸のまちの実現に向けた課題や方向性の共有を図ってきたところでございます。
今後もこうした取り組みを通じまして、新たな総合計画の策定に向けてさらに検討を深め
てまいりたいと考えております。
次に、ライフイノベーションの推進についての御質問でございますが、革新的な医薬品、
医療機器などを早期に患者に届けるためには、安全性や有効性を確保しながら、効率的・
効果的に開発を進めることが必要であり、そのためには大胆な規制改革による開発期間や
コストの縮減を初め、薬事承認機関との迅速、優先的な相談の実施、高度な臨床研究拠点
との連携の確保などの課題があるものと認識しております。こうした課題に対応するため
には、特区制度は重要で有効な手段と考えておりまして、本市は関係事業者と連携を図り
ながら、国家戦略特区に関する規制改革等の提案を行い、特例措置の活用を図っていると
ころでございます。昨年12月の国家戦略特区の区域計画には、KING SKYFRONT
に立地するCYBERDYNEが東京大学医学部附属病院と連携する保険外併用療養に関
する特例が位置づけられ、この特例を活用することによりロボットスーツ「HAL」を用
いた脊髄疾患の機能回復の早期実施が可能となり、実用化の促進につながる取り組みであ
ると考えております。また、医薬品等の開発促進に向けましては、規制改革の一層の充実
が必要でございますので、本市といたしましては、企業等のニーズを踏まえ、保険外併用
療養に関する特例のさらなる拡充や薬事承認の迅速化を図る制度の導入など、新たな規制
改革の提案を行い、関係機関と協議を行っているところでございます。今後とも特区制度
を活用し、さらなる規制改革の実現を図るとともに、国や関係機関と十分に連携すること
により、企業等の研究開発環境の整備に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、市内企業との連携についての御質問でございますが、ライフサイエンス分野の産
業は、今後、日本のみならず、アジアにおいても超高齢社会が進展することで大きな成長
が見込まれております。こうした中、KING SKYFRONTに集積するさまざまな先
端技術を持った企業や大学等との新たなビジネスマッチングや技術の高度化、新規分野へ
の参入などを活発化させることで、市内企業による高付加価値製品の実用化等につながる
取り組みを進めてまいりたいと存じます。具体的には、産学連携や医工連携に取り組んで
いる川崎市産業振興財団によるナノ医療イノベーションセンターにおけるオープンイノベ
ーションの取り組みや、KING SKYFRONTに立地する企業、研究機関が、他の企
業等との連携強化を図り事業推進につなげることを目的としているライフサイエンス共同
研究補助金の活用などを通じて、KING SKYFRONTにおける取り組みの成果を波
及させてまいりたいと考えております。
次に、KING SKYFRONTのインフラ整備についての御質問でございます
が 、KING SKYFRONTにつきましては、殿町3丁目地区地区計画区域において、
UR都市機構と本市を施行者とした土地区画整理事業により、道路や下水道などの都市基
盤を整備してきたところでございます。同地区では、ライフサイエンス・環境分野の研究
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開発から新産業を創出する拠点形成が進んでいることから、本市といたしましては、拠点
の価値を高めるための諸機能の充実が必要であると考えているところでございますので、
立地企業等の御意見を十分に伺いながら、施設整備の進捗状況なども踏まえ、インフラに
係る事業者等と協議してまいりたいと考えております。
次に、世田谷区との包括協定の取り組みについての御質問でございますが、世田谷区と
の包括協定につきましては、新たなエネルギー施策などによる持続可能なまちづくり、多
摩川など多様な地域資源の活用によるにぎわいのあるまちづくり、災害対策などの相互連
携による安全・安心のまちづくりの3つの取り組み内容を柱として、昨年12月に包括的な
協定を締結したところでございます。そのうち、新たなエネルギー施策等についての取り
組みにつきましては、昨年12月に世田谷区で開催された、世田谷区民が省エネ、創エネの
最新技術を知り、触れる機会を提供することを目的としたイベント「エネフェスせたがや
2014」にブース出展し、川崎のすぐれた省エネ・創エネ技術等を紹介いたしました。さら
に、本年2月に本市で開催した川崎国際環境技術展2015では、世田谷区にブース出展をい
ただき、世田谷区の産業や環境技術、世田谷区みうら太陽光発電所などを御紹介いただく
とともに、世田谷区長にも御来場をいただいたところでございます。引き続き、エネルギ
ー関連イベントなどでの連携を行うことで、持続可能なエネルギーの効率的な利用や自然
エネルギーの活用促進、環境産業の振興に向けて取り組みを進めてまいります。
こうした中、水素エネルギーの普及活用につきましては、世田谷区、区民団体、エネル
ギー事業者等で構成される世田谷区自然エネルギー活用促進地域フォーラムのもとに、水
素活用促進部会が今月10日に設置され、本市も部会に参加し意見交換を行うなど、検討に
着手したところでございます。現在、本市におきましては、川崎臨海部における水素ネッ
トワークの構築や再生可能エネルギーと水素を用いた自立型エネルギー供給システムの実
証などさまざまな取り組みを進めておりますが、まずはこうした取り組みにおける連携方
策や、双方の特徴、強みを生かした新たな水素エネルギーの普及活用方策等を検討し、協
力して水素社会の実現を目指してまいりたいと考えております。今後につきましても、互
いの持つ資源や特徴を生かしながら連携協力して、新たなエネルギー施策などによる持続
可能なまちづくりの取り組みを進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○議長
浅野文直
〔財政局長
○財政局長
財政局長。
大村研一登壇〕
大村研一
財政局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、平成27年度予算についての御質問でございますが、平成26年度の普通交付税大
綱により、臨時財政対策債が大幅な減となり、平成26年度予算の執行への影響、さらには 、
それ以降の予算編成への影響が大きな懸念材料となったところでございます。特に平成27
年度予算につきましては、昨年8月に公表いたしました収支見通しにおいて、194億円の収
支不足が見込まれておりましたことから、予算編成方針に基づき、危機感を持って編成作
業に当たりました。結果的に、その後の市税収入の増や、全庁を挙げての行財政改革の取
り組みなどにより、収支不足は54億円にまで圧縮されたところでございますが、健全な財
政構造を構築し、できる限り早く収支均衡を図ることが大変重要な課題でございますので、
今後とも気を引き締めて対応してまいりたいと考えております。
次に、予算編成過程についての御質問でございますが、予算編成に当たりましては、施
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策の着実な推進と、社会経済状況などの環境変化への的確な対応、財政健全化と持続可能
な財政構造の構築の3つの考え方を基本に取り組むことといたしました。具体的には、事
業の意義、必要性を再検証するとともに、歳入確保策やコスト削減努力を継続して進める
ことを前提に、管理的経費や維持補修費については枠配分経費として、また、恒常的に一
定規模が必要となる政策的経費と投資的経費につきましては要求基準対象経費として設定
し、配分額、基準額の範囲内で各局区が主体的に調整を行ったところでございます。また 、
最重点課題や、大幅な制度変更が想定される事業、大規模な投資的事業など、施策の方向
性の確認や将来負担の見通しなどを踏まえた財源調整、財政負担の平準化などを行う必要
がある事業につきましては、オータムレビューを通じて全庁的な調整を図ったところでご
ざいます。
次に、中長期的な財政見通しにおける市税収入についての御質問でございますが、昨年
8月に公表した収支見通しにおきましては、本市の市税収入を、将来人口推計、国が公表
した経済見通し、税制改正の影響等を勘案して試算し、平成36年度までは緩やかに増加す
るものと見込んだところでございます。本市の将来人口推計における生産年齢人口が平成
37年をピークとして減少していく見込みであることなどを踏まえますと、それ以降の市税
収入の伸び率は、この減少の影響を一定程度受けて推移するものと考えております。
次に、入札契約制度の取り組みについての御質問でございますが、初めに、発注時にお
ける地域性重視につきましては、これまでも契約条例におきまして、予算の適正な使用に
留意しつつ、市内の中小企業の受注機会の増大を図ることとし、市内中小企業優先発注を
原則としてきたところでございまして、指名競争入札におきましては、当該工事の履行場
所と同一区内に本社を有する事業者をできる限り選定するよう配慮しているところでござ
います。今後につきましては、本市と災害協定を締結し、地域に貢献している事業者に対
するインセンティブ発注を、これまでの一般競争入札に加え、指名競争入札においても競
争性や地域性に配慮しながら、平成27年度から取り入れてまいりたいと考えております。
次に、建設工事発注時における図面の無償化につきましては、これまでは一般競争入札の
一部の案件のみ無償で配付していたところでございます。現在、庁内関係部署と無償化に
向けた調整を行っておりまして、平成27年度から大幅な拡大を予定しているところでござ
います。次に、工事単価の引き上げについてでございますが、本市で公表している資材等
単価表のうち、市販の物価資料を用いて設定している資材につきましては、最も一般的と
みなされる大口の取引数量の価格を採用しておりますが、比較的設計数量が少量であり、
かつ小口で取引する頻度が高い資材の単価の設定に当たりましては、神奈川県及び県内の
政令市と小口単価の設定に関する課題等を調整した後、一部小口による単価を採用してま
いりたいと存じます。次に、発注時期の平準化についてでございますが、平成21年度から
市内経済の活性化等を図るため、従来、下半期に集中しがちであった公共工事の発注を上
半期に前倒ししてまいりました。今後につきましては、債務負担行為の積極的な活用や、
年度当初の契約事務に係る事務処理をより効率的に行うなど、可能な限り発注時期の平準
化に努めてまいります。
次に、五反田川放水路放流部函体築造工事請負契約についての御質問でございますが、
当該工事請負契約につきましては、当初、平成26年7月28日に総合評価方式一般競争入札
で公告を行い、入札参加資格として、2者による共同企業体を結成し、その構成員が川崎
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市内に本社を有する市内業者であることを参加条件としたところでございますが、入札参
加を希望する共同企業体からの申し込みがなかったため入札が不調となった経緯がござい
ます。再度公告を実施するに当たりましては、共同企業体と単体企業のどちらでも参加申
込みが可能となる混合入札を採用し、平成26年10月14日に総合評価方式一般競争入札で公
告を行ったところでございますが、結果として、応札者は単体企業1者のみでございまし
た。次に、市長部局における総合評価方式一般競争入札の落札率につきましては、直接工
事費を100%とするなど算出基礎割合を引き上げた平成26年6月以降の案件では、平均落札
率が95.09%、最も高い落札率が99.89%、最も低い落札率が81.57%となっておりますが、
おのおのの落札率は、工事規模やその内容によって差が出るものと考えております。次に、
入札参加者が少数であった場合における入札の公正性についてでございますが、当該入札
案件は、2度にわたる公告を通じて競争入札参加資格を有する者を広く募集し、公正な競
争をする機会を設けていることから、入札は適正に執行されたものと考えているところで
ございます。以上でございます。
○議長
浅野文直
石田議員に申し上げます。ここで休憩をお諮りいたしたいと思います
ので、御了承願います。
お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長
浅野文直
御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。再開は午後1時と
いたします。
午後0時4分休憩
-------------------
午後0時59分再開
〔局長「ただいまの出席議員副議長とも54人」と報告〕
○副議長
飯塚正良
会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、自民党の代表質問に対する答弁を願います。市民・こども局長。
○副議長
飯塚正良
市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
加藤順一登壇〕
加藤順一
市民・こども局関係の御質問にお答え申し上げます。
音楽のまちづくりなどについての御質問でございますが、初めに、フェスタ サマーミュ
ーザは、ミューザ川崎シンフォニーホールのシンボル事業として、フランチャイズオーケ
ストラの東京交響楽団によるオープニングコンサートに始まり、市内の音楽大学である洗
足学園音楽大学、昭和音楽大学を含めた首都圏のオーケストラが短期間に集中して出演す
ることが大きな特色となっており、それぞれが特徴や魅力を生かした演奏を行ってまいり
ました。今後とも、来場される皆様の御意見等を踏まえながら、より魅力的なプログラム
としていく必要があると考えておりますので、新たな音楽大学のオーケストラの出演につ
きましては、プログラム構成や日程などさまざまな調整が必要でございますが、指定管理
者等と協議しながら可能性について検討してまいります。次に、ジャズ・フェスティバル
についてでございますが、来年度の方向性につきましては、モントルー・ジャズ・フェス
ティバル・ジャパン・イン・かわさきのこれまでの4年間の成果を踏まえまして、モント
ルー・ジャズ・フェスティバルの理念である人材育成やまちのにぎわいの創出に向け、モ
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ントルー・ジャズ・フェスティバルとの連携を引き続き図りながら、地域の資源を最大限
に生かして、川崎らしい新たなジャズ・フェスティバルを開催してまいりたいと考えてお
ります。こうした新たな方向性を基本に関係者の皆様と協議させていただき、実施してま
いりたいと存じます。
次に、ザルツブルク音楽祭パブリックビューイングについてでございますが、今年度は、
市制90周年記念事業として、パブリックビューイングのほか、オーストリア物産展や無声
映画上映会など関連イベントを拡充し、多くの皆様にお楽しみいただいたところでござい
ます。今後のパブリックビューイングについてでございますが、当初、ザルツブルク音楽
祭側からはリアルタイムでの上映の提案がございましたが、時差、予算などの面から録画
上映となっており、また、録画映像の確保にも課題がありますことから、実施について再
検討してまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔こども本部長
○こども本部長
こども本部長。
成田哲夫登壇〕
成田哲夫
こども本部関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、子ども・子育て支援新制度に係る幼児期の教育、保育の需給見込みについての
御質問でございますが、子ども・子育て支援新制度におきましては、教育・保育施設及び
地域型保育事業について、子ども・子育て支援事業計画の計画期間である平成27年度から
平成31年度までの5年間の利用に関するニーズ量を量の見込みとして算出し、対応する供
給量である確保方策を算定して計画に位置づけることが義務づけられております。本市の
計画におきましては、ニーズ量である量の見込みに対し、さまざまな確保方策により対応
することからその差がゼロとなるものでございまして、当該数値を神奈川県宛て、幼児期
の教育、保育の需給計画として提出したものでございます。
次に、幼稚園についての御質問でございますが、平成26年度における全幼稚園について
の市の負担額は、就園奨励費補助金と私立幼稚園事業補助金を合わせ約22億6,000万円、平
成27年度においては、新制度に移行する幼稚園及び認定こども園に係る市の負担額は、施
設型給付と市の単独加算等を合わせ約2億2,000万円、私学助成を継続する幼稚園に係る市
の負担額は約20億5,000万円で、合計約22億7,000万円となり、新制度への移行園が少ない
こともあり、平成26年度とほぼ同額となっております。新制度に移行した場合の影響額は、
幼稚園の定員規模等により一概に比較はできませんが、県の負担となる私学助成に対し施
設型給付は約4割を本市が負担するため、移行園が大幅にふえた際の影響は少なからずあ
るものと考えております。次に、新制度における市の単独加算についてでございますが、
園児数の多い幼稚園が将来新制度に移行することを想定し、制度の継続性を考慮しながら
設定したところでございます。今後も国の動向を踏まえ、市の単独加算のあり方を検討し、
幼児教育の質の向上を図ってまいりたいと存じます。次に、幼児教育の無償化についてで
ございますが、就園奨励費補助金は、自治体の過去3年間の財政力指数の平均により国庫
補助割合が決定する制度でございます。本市におきましても、財政力指数により、これま
でも補助率が変わることで市の負担が増加する場合もございましたが、関係局とも調整を
図りながら、幼児教育の振興と保護者負担の軽減のために国の単価による補助を着実に実
施してまいりました。今後におきましても、就園奨励費補助金や新制度における施設型給
付等による幼児教育の充実を図りながら、本年3月に策定を予定している川崎市子ども・
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子育て支援事業計画に基づき、事業を確実に推進してまいりたいと存じます。
次に、仮称川崎市社会的養護の推進に向けた基本方針案についての御質問でございます
が、本基本方針のパブリックコメントにつきましては、本年1月21日から2月20日までの
31日間実施したところでございます。主な御意見といたしましては、乳幼児の施設入所措
置について、施設定員を減少させるべきといった内容や、里親登録者数の増加により一層
力を入れていただきたいといった趣旨の御意見をいただいております。今後、内容を精査
し、基本方針に反映するものについては盛り込みながら、結果の公表とあわせ、年度内に
基本方針を策定してまいります。
次に、わくわくプラザ事業についての御質問でございますが、本市では、市内の全ての
公立小学校において、全児童を対象に放課後児童健全育成事業を包含したわくわくプラザ
事業を実施しているところでございます。現行の放課後児童健全育成事業の国庫補助につ
いては、放課後児童のための専用の部屋またはスペースの確保が要件とされ、平成26年度
におきましては、113カ所のうち、間仕切りを設けて専用のスペースを確保することに制約
がある16カ所を除いた97カ所が国庫補助の対象となっているものでございます。これまで
も、プラザ室の改修による専用スペースの確保を進めてきたところですが、利用児童が年々
増加してきている状況があり、狭隘化や多様なニーズ等への対応について、各わくわくプ
ラザの状況に応じて多目的室等の活用や施設の改修など、学校や指定管理者と調整を行っ
てきたところでございます。今後とも学校施設等の活用を進めることを前提とした専用ス
ペースの確保の考え方等について国との調整を行うなど、国庫補助の対象を拡大し、わく
わくプラザ事業の充実を図ってまいりたいと存じます。
次に、民間の放課後児童健全育成事業者への支援等についてでございますが、本年4月
の川崎市放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の施行に際し、適切
なサービスの提供に向け条例を遵守するよう指導助言を行ってまいります。また、民間の
事業者による放課後児童健全育成事業については、地域においてさまざまな運営形態によ
り、英会話や学習塾など多様なサービスが提供されている状況がございます。さらに、本
市における放課後児童健全育成事業につきましては、全小学校におけるわくわくプラザ事
業により、子ども・子育て支援事業計画における量の見込みに対し対応が可能であること
などから、民間の事業者が行う放課後児童健全育成事業への新たな助成は行わず、引き続
き、下水道使用料及びごみ処理手数料の減免措置等の従来の支援を継続してまいります。
なお、地域の子育てが希薄化している中で、地域と連携した小学生の健全育成のための民
間の活動を後押ししていくことは重要であると考えており、平成27年度より、地域子ども・
子育て活動支援助成モデル事業を新たに行ってまいりたいと存じます。これにより、非営
利の民間の放課後児童健全育成事業者が利用児童を分け隔てなく対象とし、地域とのつな
がりを持って継続的かつ日常的に活動する等の諸条件を満たした自主的な活動を行う場合
に、モデル的に助成を行うものでございます。
次に、指定管理施設についての御質問でございますが、中央療育センターにつきまして
は、地域療育センターである通所部門と、市内で唯一の福祉型障害児入所施設の合築施設
で、施設の老朽化に伴う建てかえにあわせ、平成23年度に指定管理者制度を導入したとこ
ろでございます。利用実績につきましては、通所部門では、常勤医の配置や各職種の人員
増 に よ り 、 平 成 25年 度 に お け る 相 談 件 数 は 、 指 定 管 理 者 制 度 導 入 前 の 平 成 22年 度 の 約 1.2
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倍の増、通園利用児童数は約4倍の増でございまして、入所部門におきましても、ショー
トステイや地域移行支援等、積極的に行っており、障害児支援の向上が図られているもの
と考えております。現状の課題といたしましては、利用者の増加や、複雑多様化する相談
内容に対し、職員数の増加やスキルの向上がより必要となっており、民間活用推進委員会
の委員からもそうした御意見をいただいているところでございます。今後におきましては、
ケースワーカーの増員や資質の向上を計画的に実施していくとの指定管理予定者からの提
案を踏まえ、連携を図りながら、障害児支援の強化を図ってまいります。
次に、川崎市ヒルズすえながについてでございますが、市内で唯一の母子生活支援施設
でございまして、さまざまな生活上の課題に直面した母子に対して、自立に向けた支援を
行う施設でございます。平成17年度より指定管理者制度を導入しており、特に近年はDV
を原因とした保護が増加している中、母子が安心して生活できる環境の確保に努めながら、
自立に向けホームヘルパー等の資格取得を進めるなど支援の充実が図られているものと考
えております。現状の課題といたしましては、保護者間のDVにかかわった子どもは夜間
に不安を訴える状況もあることから、こうした子どもに対する夜間における支援の強化が
必要であるとの御意見を民間活用推進委員会の委員からいただいたところでございます。
今後におきましては、宿直体制の整備など夜間における支援の充実に関する指定管理予定
者からの提案を踏まえ、運営法人や関係機関と連携を図りながら、日中におけるケアも含
め支援の強化を図ってまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔環境局長
○環境局長
環境局長。
小林哲喜登壇〕
小林哲喜
環境局関係の御質問にお答え申し上げます。
川崎市エネルギー取組方針案についての御質問でございますが、初めに、本市における
エネルギー の取り組み についてで ございます が、本市で は、CCか わさき―カーボン ・
チャレンジ川崎エコ戦略や地球温暖化対策推進基本計画に基づき、市民、事業者、行政な
ど多様な主体の協働や、本市のすぐれた環境技術を生かした国際貢献により、環境と経済
の調和と好循環による低炭素社会の構築を目指した取り組みを進めてきております。さら
に、東日本大震災を機に電力需給対策の重要性が高まったことから、低炭素社会の構築だ
けでなく、非常時における自立分散型電源の確保などの視点も踏まえ、創エネ、省エネ、
蓄エネの総合的な取り組みを推進しているところでございます。一方、年末開催予定の
COP21に向けた国におけるエネルギーミックスの検討、平成28年に予定される小売部門
の電力自由化など、エネルギーを取り巻く社会状況がさらに変化することが見込まれてお
ります。こうした変化に川崎市として適切に対応し、産業振興、災害対策、次世代エネル
ギーの活用、エネルギーの最適利用等の取り組みを連携させ、総合的に推進することがで
きるよう川崎市エネルギー取組方針の策定を進めているところでございます。この方針に
よる川崎の目指す姿といたしましては、本市の特徴や強みであるすぐれた環境技術、環境
産業の集積などを生かし、最先端の技術を取り入れた創エネ、省エネ、蓄エネの総合的な
取り組みを推進する都市、また、環境意識の高い市民等との協働の取り組みなどを生かし、
多様な主体がエネルギーの利用についてみずから考え、行動する都市を掲げております。
次に、市民への周知についてでございますが、本方針案につきましては、現在、パブリッ
クコメント手続により市民の方々から御意見を募集しており、市政だよりやホームページ
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に掲載するほか、環境分野などで活動されている方々への説明会を開催するなど広報に努
めているところでございます。今後はパブリックコメントによる御意見等を踏まえながら、
年度末を目途に川崎市エネルギー取組方針を策定してまいりたいと考えております。
次に、エネルギー循環型ごみ収集システムの実証試験の検討についての御質問でござい
ますが、初めに、実証試験の検討内容と本市の役割についてでございますが、エネルギー
循環型ごみ収集システムは、ごみを焼却することで得られた電力で交換式の電池を充電し、
その電池を搭載したEVごみ収集車によるごみ収集を行うとともに、災害時にはこの交換
式電池を非常用電源として活用するシステムとなっております。このシステムの開発に向
けた実証試験の検討を行うため、今月10日にJFEエンジニアリング株式会社と覚書を締
結したところであり、本市の役割といたしましては、処理センターで発電した電気の提供
やEVごみ収集車によるごみの収集の実施など、実証試験におけるフィールドの提供を考
えております。次に、本市への導入についてでございますが、今後の実証試験の検証結果
を踏まえ、総合的に判断してまいりたいと考えております。次に、ごみ発電についてでご
ざいますが、本市におきましては、ごみ焼却によって得られた熱エネルギーの有効活用を
図るため、発電や、市の関連施設へ蒸気の供給を行うとともに、余剰電力については売電
を行っているところでございます。平成25年度につきましては、処理センター合計で約10
万メガワットアワー発電しており、そのうち約6万6,000メガワットアワーを売電し、その
総額は約10億円となっております。今後につきましても、引き続き、ごみ焼却処理施設か
ら発生したエネルギーのさらなる有効活用に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えて
おります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
伊藤
健康福祉局長。
伊藤
弘
弘登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、生活困窮者自立支援事業についての御質問でございますが、相談内容につきま
しては、失業、家賃滞納、生活費、健康、債務、人間関係等、多岐にわたっており、相談
者1人当たり平均3つ程度の課題を抱えている状況が見られます。支援における課題とい
たしましては、支援対象者が支援を受けている間の当面の生活費の確保や、多様な関係機
関との連携体制の構築などが挙げられます。また、雇用の状況につきましては、平成25年
12月の開設以来、本年1月末までに1,159人の相談者に対し357人に就労支援を行い、主に
清掃、マンション管理、倉庫作業、警備などの職種に238人の方が就職につながったところ
でございます。次に、学習支援事業についてでございますが、本事業は貧困の連鎖の解消
を目指し、生活保護受給世帯の子どもたちの高校進学を支援するため、公共施設などを活
用し、平成24年10月から川崎区で始めたものでございまして、その後、順次開設し、昨年
10月に全区での実施体制が整い、現在では144人の中学生が登録しております。平成27年度
からは、生活困窮者自立支援法の施行に伴い、学習支援事業の対象者が生活保護受給世帯
から生活困窮者世帯の子どもたちにまで拡大されますので、本市といたしましても、法の
趣旨を踏まえた対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、民生委員・児童委員についての御質問でございますが、初めに、本市の現状につ
いてでございますが、平成25年度に実施いたしました一斉改選では、欠員数が122人で、充
足率は92.4%でございました。この状況に対応するため、平成26年4月から新任民生委員・
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児童委員の年齢要件の上限を70歳未満から72歳未満に緩和するとともに、随時の推薦会を
年2回から年4回に拡大した結果、直近の本年2月現在では、欠員数が77人で、充足率は
95.2%まで改善してきたところでございます。次に、欠員の要因についてでございますが、
昨年3月に実施いたしました民生委員児童委員推薦に関するアンケート調査によります
と、欠員または人選が難航した地区の理由といたしまして、平日に時間的余裕のある人が
少ない、候補者がいても業務量が多く断られてしまう、年齢要件に合致する人材がいない、
民生委員活動の認知度不足といった回答が上位を占めておりまして、さらに地域の特性等、
複合的な要因があるものと分析しているところでございます。これらの課題に対する取り
組みとして、今年度、新たに民生委員児童委員あり方検討委員会を設置し、検討を進めて
おります。
次に、担当世帯数についてでございますが、現在、本市では民生委員・児童委員1人当
たり、国の参酌基準の上限である440世帯を超えている状況でございますので、負担軽減の
ためにも、国基準以下となるよう適正に配置してまいりたいと考えております。次に、こ
れまでの委員定数の見直しについてでございますが、民生委員・児童委員の担当する区域
は、民生委員法第24条に基づき、民生委員児童委員協議会が定めることとなっておりまし
て、これまでは、世帯数の増加などにより担当する区域を見直す場合には、地域の特性に
応じて、同協議会からの申し出により随時行ってきたところでございます。次に、年齢要
件の見直しについてでございますが、4年以上の長期間にわたり欠員が続いている地区の
状況を調査したところ、民生委員・児童委員の候補者として適任の方がいても、年齢要件
が合致していないため推薦できないことが1つの要因として挙げられました。充足率が高
い都市では新任の民生委員・児童委員の年齢要件を75歳未満としていることから、本市に
おいて現在72歳未満としている年齢要件を緩和することにつきまして、あり方検討委員会
において検討を進めているところでございます。次に、広報の強化についてでございます
が、地域における見守り活動や地域包括ケアシステムの推進など、ますます民生委員・児
童委員活動の必要性が高まっており、地域理解の促進に向けた取り組みは大変重要である
と受けとめておりますので、昨年8月の市政だよりに特集記事を掲載するなど、広報に努
めているところでございます。また、民生委員制度は平成29年度に創設100周年を迎えるこ
とから、記念式典の開催等も含め、民生委員児童委員協議会と緊密に連携を図りながら、
効果的な広報活動について取り組みを進めてまいります。
次に、国民健康保険条例についての御質問でございますが、平成27年度からの保険料に
係る賦課方式等の変更につきまして、昨年11月に国民健康保険運営協議会に対して諮問い
たしました。同協議会におきましては、現行の軽減措置について、保険料の算定方式の変
更に伴う段階的な負担の移行を目的としていること、3年程度の実施を基本としつつ、医
療保険制度改革が実施されるまでの経過措置であること等を委員の皆様に説明し、受益と
負担の公平性や他都市の保険料水準、医療保険制度改革の実施状況等の観点から、新たに
負担の緩和を図るべき対象世帯について御審議いただいたところでございます。なお、同
協議会からは、答申の附帯事項として、保険料負担が増加する世帯に対しては配慮が必要
である旨の御意見もいただいておりますので、法定の軽減措置及び本市の減免制度につい
て、全ての国民健康保険加入世帯に広報するとともに、保険料の納付が困難な旨の申し出
があった世帯に対しましては、現況の収入状況等を踏まえ、保険料の軽減や減免制度の適
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用を判断するなど、実情に即したきめ細やかな納付相談に努めてまいります。
次に、介護保険料の改定についての御質問でございますが、保険料の算定に当たりまし
ては、介護保険事業の運営について専門的な見地から調査及び審議をいただく介護保険運
営協議会におきまして、国から示された標準的な手順による介護サービスの見込みやそれ
に基づく保険料の算定過程とあわせて、介護給付費準備基金の活用や第1号被保険者の負
担能力に応じた保険料の段階の細分化などについて説明し、委員の皆様から御承諾をいた
だいたところでございます。今後につきましては、第6期介護保険事業計画に従い、適切
な制度運営を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
まちづくり局長。
〔まちづくり局長
○まちづくり局長
金子
金子
督
督登壇〕
まちづくり局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、木材利用についての御質問でございますが、初めに、国産材と外国産材の資材
単価についてでございますが、これまでは流通システムの整った外国産材の価格のほうが
安い状況が続いてまいりましたが、国産材の価格は、外国産材との競合等により長期的に
は下落の傾向にあり、近年では、木の種類や流通量の状況により異なりますが、流通量の
多いものについては国産材のほうが安いものも出てきております。また、外国産材の価格
は為替レートや生産国等の動向により変動いたしますが、現在は円安傾向にあることや中
国における需要が増加していることなどから、国産材の価格がより有利になる状況にござ
います。次に、公共建築物における木材利用の取り組みについてでございますが、昨年10
月に川崎市公共建築物等における木材の利用促進に関する方針を策定したところでござい
ます。この中で目標値として、例えば学校につきましては、温かみと潤いのある子どもた
ちの学習生活環境づくりに向け、木材使用量を1平方メートル当たり0.01立方メートルと
するなど、施設用途に応じた目標値を定めたところでございます。今後の公共建築物等の
整備に当たりましては、本方針に基づき、コスト等を踏まえながら、神奈川県産材を初め
とした国産材の積極的な使用に努めてまいります。次に、民間事業者への対応についてで
ございますが、木材利用を促進するためには、住宅などの民間の建築物等における取り組
みの強化が極めて有効であると考えております。そのため来年度から、学識者を初め関係
事業者等で構成する協議会を設置し、その中で木材の流通情報、耐震性能等の先進技術の
把握や課題等の整理を行うほか、低コスト化に向けた検討を進めるなど、こうした取り組
みを通じて本市の特性に合ったガイドラインを策定することにより、民間の建築物等への
木材利用の普及促進につなげてまいりたいと考えております。
次に、羽田空港新飛行ルート案についての御質問でございますが、初めに、第2回首都
圏空港機能強化の具体化に向けた協議会における協議につきましては、各関係自治体から
国の提案に対する意見要望が出されました。次に、当協議会に出席した三浦副市長の発言
についてでございますが、B滑走路から川崎側に離陸する案について、住宅や学校、研究
開発拠点がある殿町地区を飛行するものとなっていることから、地元に対して具体的な説
明を早期に行うこと、また、飛行制限区域である石油コンビナート上空を飛行する考え方
について、丁寧な説明を行うことなどを国に対して申し入れいたしました。これに先立ち
まして、神奈川県側を代表して黒川副知事からは、コンビナート上空を飛行することへの
考え方、具体的な騒音、振動への対応や、落下物などに対する安全対策、殿町地区の研究
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機関への騒音、振動に関する詳細なデータや対策の提示及び住民や企業、研究機関への説
明などを求める意見がありましたので、三浦副市長からも重ねて対応を申し入れたところ
でございます。他都市からも、騒音対策など同様の課題について国に対し丁寧な説明を求
める意見が述べられるとともに、各自治体とも羽田空港の機能強化については一定の理解
を示したところでございます。国からは、これらの関係自治体の意見要望を踏まえ、今後 、
住民理解の促進に注力するとともに、騒音や安全への懸念に対し不安払拭のための丁寧な
説明と必要な方策を講じていくとの方針が示されたところでございます。
次に、今後の進め方についてでございますが、国からは、第1回の協議会において、平
成28年度の概算要求を念頭に置きつつ協議を進めていきたい旨、伺っているところでござ
います。次に、国の提示資料につきましては、首都圏空港機能強化技術検討小委員会にお
ける滑走路運用パターンの検討内容を示した模式図がございます。この中では、B滑走路
を川崎側へ離陸した後、左旋回する案と右旋回する案の両方が示されておりますが、一部
資料では、陸域での騒音影響の軽減に、より配慮した場合の代表的な方策といたしまして、
前者の、左旋回して可能な限り速く東京湾に出る案のみが記載されていると伺っておりま
す。次に、離陸時の騒音予測につきましては、現在、飛行経路付近のデータは示されてお
りますが、住民への丁寧な説明にはさらなる詳細なデータの提示も必要と考えております。
国に対しては、これらを含めまして、住民への丁寧かつわかりやすい説明を求めていると
ころでございます。
次に、庁内連絡会等の協議についてでございますが、庁内連絡会につきましては12月25
日に開催し、国の提案における課題について情報共有を図りました。また、第2回の協議
会に向け、地元に対してより具体的な説明を求めることなどについて、関係局と協議を行
いました。そのほか騒音の影響や石油コンビナート上空の飛行等の課題について、神奈川
県や横浜市と8回にわたり意見交換会等を開催いたしまして情報の共有を図るとともに、
国への要望など今後の進め方について協議を行っているところでございます。次に、2月
10日に開催された大師地区町内会長会議についてでございますが、本市による状況説明に
際し国も臨席し、挨拶の中で現在の検討状況及び今後の地元説明の進め方などに関する報
告がありました。出席者からは、飛行ルートや騒音について、早期に広く説明を行うこと
を求める意見などが寄せられました。
次に、JR東日本との包括連携協定についての御質問でございますが、初めに、仮称小
田栄新駅による周辺の交通インフラへの影響についてでございますが、新駅開設により、
乗用車、自転車、路線バスなどの利用者が鉄道利用にシフトすることが予想されますため、
乗用車や自転車の減少による道路環境の改善や、路線バスや川崎駅東口駅前広場の混雑改
善などが期待されるところでございます。一方で、踏切遮断時間の延長などの影響が考え
られることから、今後、同社と連携し検証してまいりたいと考えております。次に、新駅
設置についての本市計画との整合性についてでございますが、川崎市総合都市交通計画に
おきましては、臨海部の交通機能の強化を重点施策の一つとして掲げるとともに、その中
で、南武支線の機能強化を短中期に取り組む施策として位置づけておりまして、道路整備
プログラムなどの計画との整合性につきましては、庁内会議等により調整を図っておりま
す。なお、今回の新駅につきましては、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議におきまして、
川崎アプローチ線や南武支線の輸送力増強の一環として要望や協議を行ってきたところで
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ございます。
次に、南武線に関するその他の取り組みについてでございますが、本市といたしまして
は、現在6両編成で運行している南武線の長編成化による混雑緩和や、駅へのアクセス性
の向上、ホームドア等による利用者の安全確保、その他の安心強化の取り組みなどさまざ
まな施策につきまして、本協定に基づき、連携・協働により取り組みを進めてまいりたい
と考えております。次に、新駅に関する費用負担割合についてでございますが、今回の新
駅は、いわゆる請願駅という形ではなく、同社と本市が連携により具体化を図る戦略的新
駅として協働により取り組むこととしており、本市といたしましては、両者においておお
むね同額の負担を想定して予算計上しておりますが、今後、調査や検討を進め協議を行っ
てまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔建設緑政局長
○建設緑政局長
建設緑政局長。
金子正典登壇〕
金子正典
建設緑政局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、職員の不祥事についての御質問でございますが、本市におきましては、公平公
正な入札制度改革に取り組んでいる中、2月8日に私どもの職員が、本市の入札に関して
秘密事項を教示した容疑で逮捕される事件がございました。このような不祥事は公務員と
してあるまじきことであり、本市の信用を著しく失墜させるもので、市民の皆様の信頼を
裏切ったことにつきまして心から深くおわび申し上げます。
初めに、事件の経緯などについてでございますが、警察の発表によりますと、平成25年
7月ごろ、公園工事に関する入札において秘密事項を教示したとして、入札談合等関与行
為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反
及び公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕されたものでございます。現段階では、捜査機
関において捜査が行われておりまして、事件の概要や動機等は判明しておりません。次に、
再発防止についてでございますが、2月9日に本事件の原因究明と再発防止を図るため建
設緑政局情報管理特別対策委員会を設置し、2月18日に第1回委員会を開催いたしました。
委員会では、今回の不祥事の原因を調査究明する原因究明部会と、不祥事防止策を検討す
る改革検討部会を設置し、職員のコンプライアンス意識の徹底や不祥事を起こさない職場
環境づくりなどの検討に着手したところでございまして、一日も早く市民の皆様の信頼を
回復できるよう、局職員が一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。
次に、発注関係事務の運用に関する指針についての御質問でございますが、初めに、運
用指針の概要についてでございますが、この指針は、ダンピング受注の防止、入札不調・
不落への対応、社会資本の維持管理、中長期的な担い手の育成及び確保等に対して、各発
注者における発注関係事務の適切な運用を図ることを目的としております。内容といたし
ましては、発注関係事務の各段階で取り組むべき事項や多様な入札契約方式の選択、活用
について体系的にまとめられており、平成27年4月1日からの運用開始となっております。
次に、運用指針の本市への影響についてでございますが、最低制限価格の設定、活用や歩
切りの根絶、最新の積算基準の適用など指針に記載されているほとんどの項目につきまし
ては既に実施しているところでございますが、一方で、現在検討を進めております総合評
価における評価項目の見直しのほか、地域の実情等に応じた多様な入札契約方式や社会保
険の未加入対策などの実施について、本指針を踏まえ取り組みを進めてまいります。いず
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れにいたしましても、この運用指針の内容を踏まえた発注関係事務の運用に努めることで、
改正品確法の基本理念である現在及び将来の公共工事の品質確保や、中長期的な担い手の
育成及び確保などができるものと考えております。
次に、仮称等々力大橋についての御質問でございますが、仮称等々力大橋は、本市中原
区と東京都世田谷区を結ぶ、多摩川にかかる新たな橋梁で、今年度は橋梁の詳細設計を実
施しているほか、河川区域を占用している使用者と工作物等の移設に向けた調整を行って
おりまして、事業主体である東京都と連携を図りながら事業を推進しているところでござ
います。来年度からは橋梁工事に着手する予定でございまして、この橋梁が完成いたしま
すと、本市と東京都を結ぶ新たな交通ネットワークが形成されることにより、交通の円滑
化、利便性の向上が期待されております。現在、整備効果の早期発現に向け、東京都と事
業スケジュール等の協議調整を行っているところでございまして、平成27年度のできるだ
け早い時期に、完成時期につきましてお示ししてまいりたいと考えております。以上でご
ざいます。
○副議長
○42番
飯塚正良
石田康博
石田議員。
意見要望でございます。中学校完全給食にあっては、平成25年12月10
日の市議会本会議で、平成28年度中に全校導入を目指すと明示し、実施方針にも定めてい
ました。スケジュールの分散化とはいえ、計画の遅延は当初を上回る事業費の支出につな
がりかねません。社会経済情勢を的確に捉えた上でスケジュールを公表すべきであり、行
政計画の見通しが甘かったことを指摘しておきます。
次に、等々力水処理センターの高度処理化については、10年という長い年月を要すると
のことですが、総合的な見地からは、オリンピック・パラリンピックの招致が決定したこ
とや、仮称等々力大橋の建設事業や等々力緑地の再編整備と完成時期を合わせることがで
きれば、効率的な地域の活性化にもつながるものと考えております。工程的に難しいとは
伺っておりますが、可能な限り工期を短縮させることを要望いたします。
次に、職員の不祥事について再質問をいたします。これまでさまざまな防止対策を講じ
てきたにもかかわらず不祥事が相次ぎ、市民からの信頼は大きく損なわれております。こ
の際、弁護士などの外部有識者から成る対策会議を立ち上げ、点検いただき、改善を図る
取り組みが必要と考えますが、伺います。また、不祥事を起こした職員の実名の公表基準
についての本市の考えは今後も変わらないのか伺います。特に昨今の不祥事に鑑み緊急対
策が求められておりますが、改善すべき現行対策等について伺います。あわせて、短期的
対策、中長期的な対策についての考え方を伺います。
次に、子ども・子育て支援新制度と待機児童対策について、再度伺います。市長は、待
機児童ゼロの達成について前向きな答弁でしたが、現在の入所保留数はゼロにはなってお
らず、待機児童は解消しておりません。市長は選挙時の公約で、待機児童ゼロを1年と期
限を区切って市民と約束しています。公約達成はできるのか伺います。また、できない場
合はどのように責任をとるのか伺います。
こども本部長の答弁では、神奈川県宛ての子ども・子育て支援新制度に係る需給計画が
ゼロになるのは、本市の確保方策で対応するためとしています。待機児童対策は新たな保
育の需要を掘り起こすことは、再三、我が党の代表質問で指摘をしてきました。今後5年
間の需要予測について見解を伺います。以上です。
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○副議長
○市長
飯塚正良
福田紀彦
第3日(2月26日)
速報版
市長。
待機児童解消についての御質問でございますけれども、現在、各区役
所では保育所等に入所保留となった方を対象に、最後の一人までお子さんの預け先が見つ
かるよう職員一丸となって相談体制を強化し、アフターフォローを実施しているところで
ございます。国におきましても、今後、子ども・子育て支援新制度の実施と待機児童の解
消に向けた取り組みを着実に推進していくことが重要であると位置づけており、各自治体
におきましては、その実施主体として大きな責務を果たしていく必要がございます。待機
児童の解消につきましては、市民からの要望も非常に高く、その期待に応えなければなら
ないと私自身強く感じておりますので、まずは4月の解消に向け懸命に努力しているとこ
ろでございます。以上です。
○副議長
○総務局長
飯塚正良
小金井
総務局長。
勉
職員の不祥事についての御質問でございますが、初めに、外部
有識者の活用についてでございますが、これまでも常設機関として各局区の人事担当課長
等を構成員とする不祥事防止委員会において、不祥事防止対策の検討やその推進、さらに
未然防止のための意見交換等を行ってきたところでございます。今般の職員による不祥事
が相次いだ事態を踏まえ、まずはしっかりと庁内においてその原因等を明らかにし、改善
を図っていくことが重要であると考えておりますが、不祥事防止をより徹底するため、外
部有識者の活用などを含め、効果的な手法について検討してまいりたいと存じます。
次に、懲戒処分に係る氏名の公表についてでございますが、本市では、平成14年12月に
公表の指針を定め、人事管理に関する透明性や市民の信頼を確保するため、懲戒処分を行
った際に、処分の内容や理由などの公表を行ってきたところでございます。処分を受けた
職員の氏名につきましては、個人情報保護の観点から原則公表しておりませんが、指針の
運用において、故意または重大な過失による事件等で社会的影響が極めて大きい場合には
職員の氏名についても公表することとしておりまして、個々の事案ごとの社会的影響や職
員の職責等を勘案し、適切に運用してまいりたいと存じます。次に、不祥事防止の対策に
ついてでございますが、職員の不祥事防止には、効果的な意識啓発や注意喚起を継続的に
行うことが重要であると考えておりますので、今後、現行の取り組みを検証するとともに、
再発防止の観点から懲戒処分を受けた職員に対するフォロー面談の実施や、不祥事の事例
や影響等を改めて職員に認識させるための服務ハンドブックの改訂など新たな対策を講
じ、不祥事防止に取り組んでまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
○こども本部長
こども本部長。
成田哲夫
子ども・子育て支援新制度における幼児期の教育、保育の需
給予測についての御質問でございますが、子ども・子育て支援事業計画に位置づける量の
見込みにつきましては、幼児期の教育、保育の利用希望状況等を把握し、計画期間におけ
る推計児童数に乗じて見込むものとされております。本市におきましては、平成26年9月
から10月に、川崎市子ども・子育て支援に関する調査を実施し、調査結果をもとに、本市
児童の人口推計や施設の利用実態等を踏まえ、平成27年度から5年間の数値を見込んだも
のでございます。今後5年間の需要予測につきましては、制度の対象となります児童数は
減少が見込まれるものの、女性の活躍や男女の働き方の改革等、社会的背景を勘案し、利
用者数の伸びが予想されることから、計画期間内の量の見込みは増加傾向が続くと予測し、
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速報版
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量の見込みに対応した確保方策を算定したところでございます。なお、計画につきまして
は、中間評価を行い、内容の見直しを含め、必要に応じて対応を図ってまいります。以上
でございます。
○副議長
○42番
飯塚正良
石田康博
石田議員。
職員不祥事について、意見要望を申し上げます。職員の公務員倫理の
確立及び綱紀粛正については、これまで事案が生じた際に、その都度、職員への通知、事
務の見直し、再発防止に努めてきましたが、依然として不祥事がなくなりません。特に不
祥事防止に関する研修等については、その成果についての検証がなされていない感があり
ます。すなわち、その内容、程度が資料の配付など形式的なものであったり、時間が不十
分であったり、各現場に任せ切りになっています。答弁では、外部有識者の活用について
は検討するとのことですので、早急な対応を求めます。また、現状を一刻も早く打開する
ためにコンプライアンス対策本部を立ち上げることを要望いたします。全ての職員が不祥
事の根絶と信頼回復に向けた効果的で具体的な取り組みを実施されるよう、切に要望いた
します。
次に、待機児童解消についてであります。福田市長の公約、2013新しい川崎をつくる会
通信「「市民市長」にチェンジ!」では、待機児童を1年で解消させますと期限を切って
約束をしていました。待機児童ゼロの実現をただす答弁では、入所保留があることを認め、
努力中とのことでありました。多くの子育て中の市民の期待を裏切ることのないように、
その取り組みを要望いたします。また、待機児童対策は、さらなる保育需要を掘り起こす
可能性があります。本市も、長期的な視点に立てば少子化の傾向にあることから、新しい
保育園を増設するだけではなく、既存の民間施設や教育施設をうまく活用するために、基
準の見直しを含めて柔軟に対応すべきであることを提案いたします。あとは委員会に譲り、
質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長
飯塚正良
55番、後藤晶一議員。
〔後藤晶一登壇、拍手〕
○55番
後藤晶一
私は、公明党川崎市議団を代表して、平成27年第1回定例会に提案さ
れました施政方針、予算案、諸議案、市政一般について質問をいたします。
初めに、このたび川崎区の中学校1年生が亡くなられました。大変痛ましい事件で、心
から御冥福をお祈り申し上げますとともに、一日も早い事件の解明を望みます。
本年は、国際連合が創設され、70年目を迎えました。戦争の惨害の終結を公約とした国
連憲章は、戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値を前文に
掲げています。国際テロ集団「アルカイダ」やISILなどの卑劣なテロ行為は基本的人
権と人間の尊厳を踏みにじる蛮行であり、邦人2名が殺害されたことは断じて許すことが
できません 。世界市民 ―人間への挑戦と言 っても過言 ではありま せん。改め て、国連 憲
章にうたわれている将来の世代のため、誰もが平和で幸福に生きる権利を守ることが政治
の果たす使命と考えます。公明党の議員は、大衆とともにの立党精神を胸に、これまで50
年、現場第一主義の行動を貫いてきました。地域に根を張って生活者や社会的弱者に寄り
添い、その声を政策に反映し、新たな50年へ向けて川崎市政に全力で取り組むことをお誓
いし、以下、質問してまいります。
初めに、平成27年度予算案について伺います。市長が就任して2年目を迎え、実質的に
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初めての予算編成となりました。市民に約束された、保育園の待機児童ゼロ、中学校完全
給食実施、小児医療費助成制度拡充などの取り組みが始まりましたが、課題も多々ありま
す。厳しい財政状況の中で、事業の拡充に加え、それぞれ成果が問われ、結果が評価され
ます。改めて、新年度予算案に対する市長の決意を伺います。予算案についてですが、一
般会計ベースで対前年度比0.3%増の6,189億円で、前年度に引き続き過去最高額となり、
市税収入40億円、地方消費税交付金92億円の収入増はあるものの、普通交付税、臨時財政
対策債の大幅な減少により、新たに減債基金から54億円の借り入れで収支均衡を図る編成
となりました。減債基金の取り崩しなく当初予算を編成すべきですが、市長に伺います。
新年度予算案では、扶助費の一般会計に占める割合が初めて25%を超え、今後さらに財
政の硬直化が懸念されます。対応を伺います。
行財政改革ですが、施政方針の中で、新年度は行財政運営に関する改革プログラム及び
策定予定の今後の事務・サービス等のあり方をまとめ、市政運営の方針にされるとのこと
ですが、新たな受益者負担を市民に求める前に、中長期の行財政改革計画を示すべきです。
市長に伺います。総合計画ですが、市民検討会議による議論や、有識者、企業、団体の意
見、提案をいただき検討をされるとのことですが、まず市長の考えを示すべきです。見解
と取り組みを伺います。
次に、防災・減災対策について伺います。初めに、昨年12月に公表された川崎市防災都
市づくり基本計画案についてですが、本計画策定の目的と特徴、今後の取り組みを伺いま
す。国土強靱化地域計画や地域防災計画との関連について伺います。
本計画案では、災害本部となる本庁舎周辺は地震による液状化や建物倒壊のリスクが高
いとされています。BCPの観点からも災害本部の代替機能の強化が必要と考えますが、
現状と今後の取り組みを伺います。あわせて、各区の防災機能強化についても今後の取り
組みを伺います。災害時要援護者対策について伺います。現在、各自主防災組織に御協力
をいただき、その取り組みが進められていますが、個人情報の取り扱い方法やボランティ
アの協力体制、情報の共有方法や資金不足による防災資器材の不足など課題も見受けられ
ます。きめ細かい支援が必要と考えますが、今後の取り組みを伺います。
避難所の防災機能強化について伺います。これまで避難所への水道管の耐震化を求めて
まいりましたが、現状と今後の取り組みを伺います。関連して、病院施設への水道管の耐
震化も進められていますが、施設へ引き込む給水管の耐震化も同時に進めるべきです。現
状と今後の取り組みを伺います。ゲリラ豪雨対策について伺います。昨年も台風の影響に
よる集中豪雨やゲリラ豪雨で、本市においても浸水被害が発生しています。市長の施政方
針の中でも、浸水リスクの高い地区を抽出するためのシミュレーションを実施するなど、
効果的な浸水対策を進めるとありましたが、中長期的な取り組みと浸水実績図に示される
地域への即効性ある短期的な取り組みについて伺います。
次に、子育て支援策について伺います。市長は、施政方針で最優先課題を待機児童の解
消に向けた取り組みとし、市民の皆様とお約束した平成27年4月の待機児童ゼロを実現す
ると語られました。保育園の新年度の申し込みについて過去最高の8,565名の利用申請があ
り、このたび、認可保育所入所保留の通知が発送されました。1月30日現在、入所保留者
は2,736人とのことです。待機児童ゼロの実現に向けた市長の対応を伺います。
子ども・子育て支援新制度における幼稚園への対応等について伺います。まず、幼児教
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育無償化ですが、平成26年度、国の幼稚園就園奨励費補助支給額が大幅に改善され、本市
も独自の上乗せ補助を実施し、保護者負担が軽減されました。新年度の取り組みを伺いま
す。新制度へ移行する6園への対応ですが、本市が実施主体となる幼稚園での一時預かり
事業について、進捗状況と広報について伺います。あわせて、民間の保育所職員の処遇改
善の具体的な取り組みと今後の対応を伺います。
子育て支援へのICT活用についてです。このたび、富士通株式会社との包括協定によ
り、オープンデータの仕組みを活用した子育て支援アプリの実証実験を麻生区で実施しま
した。大変に好評と聞いていますが、実施状況と今後の取り組みを伺います。
次に、教育施策について伺います。これまで我が党が推進してきた奨学金制度の充実に
ついてです。大学生向けの奨学金制度は、成績要件を事実上なくしたことで、希望者のほ
ぼ全員に貸与が可能となりました。今年度は141万人に拡充され、無利子奨学金の対象枠も
広がりました。また、高校生のいる低所得世帯に向け、返済の要らない給付型奨学金が創
設され、喜ばれており、評価をしたいと思います。そこで、本市の川崎市高等学校奨学金
の制度ですが、第1回目となる平成26年度募集結果及び利用状況と新年度に向けての取り
組みについて伺います。本人や保護者が奨学金について詳しい知識や制度を周知されてい
ないこともあり、とりわけ低所得層で問題になっています。高校や中学の段階で、本人や
保護者に教育費負担や学資ローンの返済方法の情報提供やガイダンスを十分に行うべきと
考えますが、今後の取り組みについて伺います。
学校司書についてです。新年度より学校図書館の充実に向け、小学校の学校図書館、各
区1校でモデル的に学校司書配置に315万円計上されました。しかし、今回、本市が示した
学校司書の内容、趣旨は、勤務形態は専任、常駐ではなく、資格要件も必要なく、勤務時
間、賃金、また、任用も学校長の推薦ということで、これまで求めてきました学校司書の
内容とは余りにもかけ離れ、相違する点が多くあります。これでは有償とした図書ボラン
ティアと何ら変わらず、読書のまち・かわさきを標榜する川崎の取り組みとは言えません。
配置した理由、方向性について伺います。本来の目的であるかわさき教育プランの学校司
書の定義 ―学校図書館の運営 の改善及び 向上を図り 、児童また は生徒及び 教員による 学
校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員と規定
されていることを今回の学校司書配置に反映し、しっかり検証しながら取り組むべきです。
見解と今後の取り組みについて伺います。
通学路安全対策についてです。平成24年4月以降、登下校中の児童等の列に自動車が突
入し、死傷者が多数発生する痛ましい事故が全国で相次いで起きました。このような状況
を踏まえ、本市も緊急合同点検の実施など、通学路における交通安全を早期に確保する取
り組みを行うよう要望してまいりました。学校からの対策要望数205の危険箇所について、
平成26年度川崎市通学路安全対策の進捗状況を伺います。早期に解決すべき箇所について、
どのように優先度を設け改善していくのか、具体的な取り組みと成果及び今後のスケジュ
ールについて伺います。あわせて、改善不要、改善困難箇所についての対応策を伺います 。
橘樹官衙遺跡群国史跡指定についてです。高津区の千年伊勢山台北遺跡の橘樹郡衙と隣
接する影向寺遺跡を一体とした橘樹官衙遺跡が本市で初めて国の史跡として指定されるこ
とが明らかになりました。橘樹郡衙の正倉跡は7世紀後半から8世紀初頭にかけ造営され
たと言われ、日本の中央集権的な国家の成立過程における地方行政の中心、現在で言えば
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市役所が置かれていた地域とも言え、隣接する影向寺遺跡とあわせて、本市の歴史、文化
や当時の市民生活を知る上で大変貴重な遺跡群と言えます。そこでまず、このたびの国史
跡指定に対して市長の率直な見解を伺います。
また、隣接する影向寺遺跡調査開始から40年にわたる発掘調査となるわけですが、最新
の調査により明らかになった内容と国指定によるメリットについて端的に伺います。現在、
千年伊勢山台遺跡官衙跡は埋め戻され、単なる広場となっていますが、市民へ広報し、当
時の郡衙の展示など広くアピールすべきと思いますが、取り組みを伺います。また、橘樹
官衙遺跡は子母口貝塚や橘神社、橘ふれあいの森など、多摩丘陵の古道をめぐるハイキン
グルートとして市民に親しまれています。国史跡指定を受け、改めて古道の整備をすべき
と思いますが、伺います。
夜間中学 についてで す。市内唯 一の夜間学 級―市立西中原中学 校夜間学級 は、市民 の
熱い要望から昭和57年に開設され、現在は28人が在籍しています。入学資格は、本市在住
者もしくは在勤者、中学を卒業せずに義務教育年齢を超えた人となっています。また、不
登校等により出席日数が少なく、教育が受け切れていなく、学び直しを望む人への支援も
必要です。希望者は受け入れるべきです。見解を市長に伺います。
次に、高齢者施策について伺います。住みなれた地域で暮らし続けられる施策として、
小規模多機能型居宅介護の充実が求められています。第6期計画では平成37年度までに90
カ所の設置目標としていますが、根拠をお示しください。現状では大幅な前倒しが必要で
すが、対応を伺います。施設設置は半径およそ1キロに1カ所となっていますが、今後の
高齢化や人口密度等を想定すると、さらなる拡充が必要です。見解を伺います。認知症対
策ですが、介護と医療の連携に加え、認知症サポーター制度のさらなる拡充と地域連携が
求められます。対応を伺います。あわせて、認知症高齢者のグループホームについても拡
充が必要です。計画ではユニット数が示されるのみです。しっかりとした全体計画を策定
すべきです。見解を伺います。施設入所ですが、早期に高齢障害者の受け入れ、施設の拡
充をすべきと考えますが、伺います。
次に、障害者支援策について伺います。平成24年12月議会において障害者優先調達推進
法への本市の対応を取り上げ、その後、障害者雇用・就労促進行動計画が策定され、今年
度実施されました。障害者の方が、支援を受ける側から、就労し自立することは、本人の
働く意欲を実現できる効果に加え、財政が厳しい状況の中、重要な取り組みです。財政面
から見た本市の見解を伺います。行動計画では、相談、短期チャレンジ事業、ステップア
ップ事業、就労前実習、就労、定着支援が設定されました。新年度は今年度の推進状況を
踏まえた展開とされていますが、進捗状況と新年度の取り組みを伺います。特に就労、定
着支援は効果が最大に出る重要なステップです。今年度の効果を新年度以降も継続、向上
させる取り組みを明らかにしてください。障害者の定着には、障害者を採用、訓練、育成
している企業努力に対し、本市の委託事業を活用したさらなる採用、定着支援、職域の拡
大に一層の取り組みが求められます。本市の対応を伺います。本市発注の業務も、発注方
法に一段の配慮が必要です。見解と対応を伺います。
障害者入所施設の川崎南部への整備についてです。当該施設の整備については、一昨年
末から市長にも積極的に動いていただき、県知事と交渉を重ね、一定の理解をいただきま
した。その間、市議会として県知事へ意見書を提出、本市も県との間で協議を重ね、施設
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整備に向けスタートを切れば同意することに理解をいただきました。今回、川崎市福祉セ
ンター跡地活用施設整備の一時延期に伴い、障害者入所施設の併設に向けた検討を行うこ
とが明らかになりました。我が党の同僚議員も議会質問で福祉センター跡地にこそ入所機
能を持たせるべきと主張してきたことから、大いに評価するところですが、整備スケジュ
ールを総合的に勘案すると困難としてきたことが、一転してこのような改定計画になった
要因と今後の整備スケジュールを伺います。また、改定の主な内容と障害者入所施設の定
員数や規模など、概要も伺います。障害者に対する差別解消策についてです。障害者差別
解消法が平成28年4月に施行となります。精神障害者に対する差別、偏見をなくすための
啓発活動が求められます。本市の取り組みを伺います。
次に、女性施策について伺います。産後ケア事業が昨年10月にスタートし、新年度予算
に産後ケア事業費として2,120万円が計上されています。この事業は、助産所で助産師さん
が産後の母親と赤ちゃんをケアする宿泊型と訪問してケアをする訪問型があり、この3カ
月間で宿泊型の利用が8件、訪問型は38件ありました。利用者のアンケートを実施しまし
たが、アンケート結果と助産師さんの声などについて伺います。我が党が推進してきまし
たこの制度が十分周知されていません。年老いた両親の介護や仕事が大変で、産後の世話
はできないと母親から言われ、困っているなど、妊産婦さんからの相談が寄せられていま
す。同様の例は今後さらにふえ、需要が高まると思われます。制度の周知を図るべきと考
えますが、見解を伺います。さらに産後ケア事業の拡充、特に宿泊型より訪問型をふやし 、
上の子も預かれるようにすることや利用者の負担軽減などを図るべきですが、伺います。
女性応援サイトについてです。12月の代表質問で、これまで各局ごとだった女性向けの
情報を1つにまとめたサイトを新たにつくるべきと提案しました。その後の進捗状況を伺
います。あわせて、わかりやすいネーミングも必要と考えますが、見解を伺います。
次に、動物愛護センター整備について伺います。動物愛護センター整備基本計画に基づ
き、平間配水所隣接地における施設の基本設計等に1,500万円余が計上されました。動物愛
護に対する関心が高まる中、さきの議会で提案しました動物愛護基金の創設が有効です。
本市の獣医師会からも賛同の声が上がっています。設置すべきですが、市長の見解を伺い
ます。
次に、まちづくりについて伺います。国は二酸化炭素総排出量の約4割が市街地区域か
ら排出されていることなどを踏まえ、都市部の低炭素化促進のため、平成24年に都市の低
炭素化の促進に関する法律を施行し、本市も低炭素都市づくり・都市の成長への誘導ガイ
ドライン案をまとめました。本ガイドライン案を導入した場合、あらかじめ指定されてい
るエリアで、現行と比較し、どのような効果、メリットが期待されるのか伺います。また、
容積率の緩和について、評価基準を明確にしていない理由と選定内容の透明性の確保が求
められますが、見解を伺います。
交通施策についてです。少子高齢化や環境負荷軽減を目指し、本市においても主要駅を
中心としたコンパクトシティの構築が進められています。しかし、高齢化が進む中、市民
からは、地域を今以上に細かくフォローする交通手段として、ミニバスの導入や、医療、
介護、行政サービス、商業施設を結ぶ環状型の交通網を求める声が日増しに強くなってお
ります。市長の見解と今後の取り組みを伺います。
鉄道交通についてですが、人口増加に伴い、JR、私鉄ともに混雑ぶりが顕著です。特
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に南武線の輸送力強化、また、JR、私鉄各駅のホームドア設置を初めとした安全対策に
ついて今後の取り組みを伺います。
次に、中小企業対策について伺います。入札制度の改善についてです。国は、平成26年
6月の品確法改正、異例とも言える年度内2回の労務単価の引き上げ、国土交通大臣によ
る大手企業への賃上げ直談判等で中小企業支援の後押しをしています。これを受けて、本
市も入札契約制度の見直しが図られました。主な見直しとして、総合評価一般競争入札の
項目追加や評価方法の見直し、最低制限価格の端数調整が平成27年度から実施されますが、
主な内容について伺います。横浜市では地域貢献企業認定制度を導入し、市内企業に絞っ
た入札制度が導入されておりますが、同様の制度導入について見解を伺います。総合評価
落札方式でのインセンティブについて、災害時協定や貢献度、市内に本社を置くなどの要
件に対してさらなる項目の追加と評価ポイントの大幅加算が必要と考えますが、取り組み
を伺います。
商店街支援策についてです。電気代や修繕費等の維持管理費に充てることを条件に規制
緩和されたことを受けて、街路灯フラッグ広告掲出事業に市商店街連合会が積極的に紹介
サイトを立ち上げ、本格実施に乗り出したとの報道がありました。これまで4年間で12社、
29件のフラッグが掲出されました。商店街支援として掲出可能箇所42カ所の本市の取り組
みを伺います。
中小企業の海外進出支援についてです。昨年11月、市長は、川崎商工会議所と共催のミ
ッションでタイ、ラオスを歴訪されましたが、その成果とビジネスマッチングの可能性に
ついて率直な見解を伺います。
次に、環境施策について伺います。本市は平成25年9月より、プラスチック製容器包装
の分別収集と普通ごみの週2回収集体制への変更を行いました。これまでのごみの減量化
及び資源化の成果を伺います。また、現行のままでは焼却灰の埋立地の対応年数は約40年
と聞いていましたが、今回の変更によりどの程度延長されるのか、見解を伺います。今回
の事業計画により、老朽化した橘処理センターは解体され、今後は3処理体制での運用と
なります。本市はこれによる効果を40年間で約720億円、年間約18億円と試算していますが、
初年度に当たる平成27年度の効果について伺います。また、橘処理センター閉鎖後、収集
したごみの輸送体制とそれに対する影響、対応について見解を伺います。今後、高齢化の
進展やペットを飼育している人の増加により、介護用おむつやペット用シート等の臭気問
題が大きな課題となりますが、対応を伺います。あわせて、普通ごみの効率的・効果的収
集のため、生ごみ減量対策についても見解と取り組みを伺います。
地球温暖化対策についてです。昨年、我が党は第2回定例会の代表質問において、3月
に開催されたIPCC総会での地球温暖化の影響や適応策について取り上げ、本市の対応
をただしました。市長は施政方針の中で、仮称適応策基本方針の平成27年度中の策定に向
け、検討すると表明されましたが、概要と取り組みを伺います。
次に、雇用対策について伺います。福岡県からスタートした70歳現役社会の取り組みは
九州全域と山口県に広がり、1月に都内で開かれた報告会では、福岡県が平成25年からコ
ンビニエンスストアと包括協定を結んで高齢者雇用を進めていることが報告されました。
本市はより早い平成21年9月からコンビニエンスストアと包括協定を結び、安心して暮ら
していくためのまちづくりなどを進めています。包括協定の内容に高齢者雇用を追加する
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ことも含め、70歳現役社会に取り組むべきと思いますが、見解を伺います。
高齢者雇用を生活相談とともに進めてきただいJOBセンターが、平成25年12月の開設
から1年を経過しました。さらなる充実を期待しますが、これまでの成果と新年度の取り
組みを伺います。この項目の答弁は結構です。
40歳未満の若年求職者の正社員化を進めてきたかわさき就職チャレンジ事業など若年者
就業支援事業、並びに生活保護世帯の就労支援を進めてきたアイエスエフネットグループ
との連携など、雇用創出事業についても着実な継続を期待しますが、それぞれの平成26年
度の成果と新年度の取り組みを伺います。
次に、臨海部の活性化について伺います。昨年、殿町国際戦略拠点「KING
SKYFRONT」は東京圏国家戦略特別区域に指定されました。その取り組みを推進す
るため、先月下旬、神奈川県健康・医療分科会が設置され、第1回の会合が開催されまし
た。この分科会の位置づけと規制改革実現へのスケジュール、また、分科会ではどのよう
な提案が協議されたのか伺います。
特に本年4月から最先端医療分野として、スマートナノマシンによる抗がん剤開発やそ
の成果を用いてスマートライフケア社会の実現を目的とするナノ医療イノベーションセン
ターが本格的に始動することもあり、医薬品等を開発しやすい環境づくりが早期に求めら
れています。本市の具体的な提案内容と提案に対する率直な思いを市長に伺います。
本年3月から4月にかけて国立医薬品食品衛生研究所、ライフイノベーションセンターが
相次いで着工されます。県が主導するライフイノベーションセンターは再生・細胞医療分野
の研究開発センターと位置づけられていますが、具体的な機能とKING SKYFRONT
に与える効果を伺います。
昨年9月、羽田空港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会が発足、まちづくり分科会と
地域産業活性化分科会が設置されました。さきの議会では、連絡道路の整備計画は推進委
員会での論議を経て取りまとめられるとされました。既に各分科会は開催されていると聞
きましたが、本市の要望どおり進んでいるのか、羽田連絡道路の取り組み状況と大田区と
の産業活性化の推進状況について、おのおの新年度の取り組みも含め伺います。
KING SKYFRONTは、川崎市内の中小企業者にとっても期待が大きいものがあ
ります。すぐれた中小企業の技術を生かす医療型の産業形成を大田区とともに推進すべき
と考えます。相談窓口の設置やホームページの開設など具体的に推進すべきですが、取り
組みを伺います。
また、数年先には国立医薬品食品衛生研究所を初め、多くの研究開発機関や進出企業が本
格的に稼働を開始することから、研究開発の相乗効果や実用化の促進のため、各機関・企業
の相互連携の必要性が高まっています。革新的医療産業の形成をKING SKYFRONT
から発信することが市内経済にもよい影響を与えるものと考えます。本市ではライフサイエ
ンス共同研究補助金制度を導入し、共同研究を促進していますが、現在までの成果と課題
を伺います。また、複数対複数のオープンイノベーションを促進するため、行政支援とし
て、連携強化を支える情報収集や相談窓口機能を設置すべきと考えますが、見解を伺いま
す。
1月末、本市と東日本旅客鉄道株式会社との間で自治体間初の包括連携協定が締結され
ました。協定では、鉄道とまちをともに発展させるため、連携・協働して取り組みを進め
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るとありますが、市民にとってどのような効果が期待できるのか伺います。公明党は以前
より川崎アプローチ線の推進を掲げ、小田栄新駅の開設と貨客併用化による臨海部、東京、
横浜へのアクセスを主張してきました。今回、協定に基づき小田栄新駅設置に向けた取り
組みが始まったことは大いに歓迎するところです。新駅開業時期と開設場所、増発の有無、
上下線ともプラットホームが設置されるのかなどの概要と本市の具体的な取り組み内容を
伺います。
また、KING SKYFRONTには鉄軌道系の乗り入れが必要です。この協定を機に、
南武支線と直結した東海道貨物支線の貨客併用化の実現と仮称キングスカイフロント駅 設
置を推進すべきですが、見解と取り組みを伺います。
水素社会の実現に向けた川崎水素戦略の策定が終盤を迎えていると伺いました。今後、こ
の水素戦略に基づき、水素エネルギーの積極的な導入と利活用による未来型環境・産業都市
の実現を目指すとしていますが、柱となる川崎臨海部の水素ネットワーク構築の具体策につ
いて、水素混焼発電の推進状況も含め伺います。また、水素を用いた世界初の自立型エネル
ギー供給システムの共同実証事業をスタートさせますが、概要と市民への効果を伺います。
あわせて、グリーンイノベーションも視野に入れているKING SKYFRONTは水素
エネルギーを積極的に活用すべきです。具体的な取り組みを伺います。
川崎港港湾振興策についてです。コンテナターミナルの利用促進と活性化策としてポー
トセールスを推進していますが、これまでの成果と課題、新年度の取り組みを伺います。
川崎港は昨年1月、国土交通省から川崎臨港倉庫埠頭株式会社を特例港湾運営会社に指定
され、4月から指定管理者とする運営に移行しました。特例港湾運営会社は、行政財産の
貸し付け、無利子貸付制度の拡充、税制優遇措置のメリットが得られますが、おのおのの
具体的な取り組み状況を伺います。民間経営の視点を取り入れ、京浜3港の経営統合を目
指していますが、現在までの協議状況を伺います。臨港道路東扇島水江町線整備は国の直
轄事業として実施されますが、事業の概要とそれに伴う周辺関連事業の概要、各事業の経
費内訳を伺います。また、整備による効果も伺います。
次に、医療施策について伺います。がん対策ですが、我が党はがん対策基本法の制定に
主導的な役割を果たすなど、がん対策を積極的に推進してきました。本市でも新年度予算
の重点項目の一つとしてがん検診事業の推進が掲げられ、がん検診受診率の向上への取り
組みを強化するとしています。平成25年第4回定例会の我が党の代表質問で、受診率向上
に効果があると確認されている積極的な個別受診勧奨や新たな啓発物による広報など、よ
り効果的な手法を検討されるとしています。市長に今後の具体策を伺います。あわせて、
がん登録の現状と今後の具体的な取り組みについて市長に伺います。
また、がんによる死亡者の減少と全てのがん患者と家族の苦痛の軽減という観点から、
市立3病院における現状と今後の取り組みを伺います。
井田病院の再編整備についてです。川崎市立井田病院再編整備基本計画に基づいた2期
工事も間もなく完了することになります。ここで改めて、この病院が超高齢社会における
地域や患者ニーズにどのように対応されようとしているのか、基本的な見解を病院事業管
理者に伺います。
また、大きな特色の一つである市民との協働について、今後の取り組みを伺います。利
用者の声として、交通アクセスが悪い、駐車場が混雑する、予約時間に行ってもかなりの
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時間待たされる等の課題が指摘されていますが、今後の対応を伺います。従前より我が党
が主張してきたターミナルケアの拡充について、現状と今後の取り組みを伺います。
次に、議案第9号、川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について伺
います。この条例の内容は、通院医療費の助成対象を満7歳に達する日以降の最初の3月
31日までとなっていたものを改正し、満8歳まで拡大するもので、平成27年4月1日から
施行し、新年度予算にも対象9万8,397人として、38億円余計上されています。我が党とし
ても、小児医療費の助成拡充についてはかねてより強く主張してきたところで、一定評価
しますが、他の政令指定市と比較して大変におくれていると指摘せざるを得ません。行財
政改革を断行して財源を捻出し、通院医療費助成を中学校3年生まで拡大すべきと考えま
すが、改めて市長の見解と対応を伺います。あわせて、所得制限撤廃についての見解を伺
います。
次に、議案第21号、川崎市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について伺い
ます。平成27年度から国民健康保険料の課税限度額の見直し及び低所得者に係る軽減判定
の見直し変更が示されました。国民健康保険に加入する全世帯に対し丁寧な周知が必要で
す。取り組みを伺います。保険料の負担ですが、本市独自の軽減の見直しとして、子育て
世帯の負担緩和と特別事情に対する負担緩和が示されました。特に大きな負担増となる収
入 状 況 200万 円 台 の 世 帯 や 保 険 料 の 納 付 が 困 難 な 世 帯 等 に 対 し て の 丁 寧 な 対 応 と 今 後 の 取
り組みを伺います。
以上で質問を終わりますが、答弁によっては再度質問を行います。(拍手)
○副議長
飯塚正良
〔市長
○市長
市長。
福田紀彦登壇〕
福田紀彦
それでは、私から、ただいまの公明党を代表されました後藤議員の御
質問にお答えいたします。
平成27年度予算案についての御質問でございますが、平成27年度の予算編成につきまし
ては、昨年8月に公表いたしました収支見通しにおきまして、194億円の収支不足が見込ま
れ、その後も多額の収支不足が想定されていたことから、単年度の議論にとどまることの
ないよう、今後の収支見通しを作成し、中長期的な財政状況を勘案した予算編成を行った
ところでございます。こうした中で、私の公約に掲げた取り組みにつきましては、これま
で最優先で進めてきた待機児童の解消や中学校給食の推進に向けた取り組みに加え、平成
27年度においては小児医療費助成制度の拡充に着手できたところでございますが、今後も
短期的に実現していくものと中長期的に取り組んでいくものを分け、財政状況を勘案しな
がら、しっかりと推進してまいります。また、極めて厳しい財政状況においても、これま
で計画的に進めてきた施策や、あるいは将来に向けて必要となる施策については、時期を
逸することなく、しっかりと取り組む必要があるため、平成27年度予算案におきましては、
将来の収支見通しを踏まえた上で、減債基金を活用することにより、収支不足に対応する
こととしております。平成28年度以降につきましても収支不足が続くことが見込まれてお
りますが、市税等の歳入増と大規模施設整備費の平年度化などにより、平成31年度以降は
解消が見込める状況でございますので、引き続き不断の改革を進め、持続可能な行財政基
盤を構築してまいりたいと考えております。
行財政改革についての御質問でございますが、少子高齢化のさらなる進展に伴い、社会
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保障関連経費の増大が見込まれる中、今後も必要な市民サービスを安定的かつ確実に提供
し、最幸のまちを実現していくためには、当初目的の薄れた市民サービスの見直しや世代
間の受益と負担を考慮した再構築などを行い、真に必要とする方により質の高いサービス
を提供していく質的改革に取り組んでいく必要があると考えております。そうした改革を
進めるためには、その必要性を市民の皆様に納得していただけるよう、わかりやすくお示
しし、課題を共有していくことが大変重要と考えておりまして、さまざまな機会を捉えて、
改革の目的や取り組みの方向性などについて、市民の皆様の意見を取り入れながら、平成
27年度末の仮称行財政改革に関する計画策定に向けて取り組みを進めてまいります。
総合計画についての御質問でございますが、新たな総合計画の策定に当たりましては、
市政運営の基本姿勢である対話と現場主義に基づきまして、計画の策定段階から多くの
方々の御意見を伺うため、策定に向けた基本的な考え方や狙い等を明らかにした新たな総
合計画策定方針を取りまとめ、昨年8月に公表したところでございます。策定方針におき
ましては、成長と成熟の調和による持続可能な「最幸のまち
かわさき」の実現に向けて 、
少子高齢化の急速な進展など乗り越えなければならない課題に対して、交通の利便性や先
端産業の集積など本市のポテンシャルを最大限に活用し、東京オリンピック・パラリンピ
ックなどの飛躍のチャンスを的確に捉えて取り組みを進めていくといった基本認識をお示
ししております。さらに、災害から命を守る取り組みなど、重点検討テーマにおける課題
や取り組みの方向性等も明らかにし、これらをもとに、有識者や市民など多くの皆様とと
もに意見交換を重ねているところでございます。今後、本年7月をめどに基本構想・基本
計画の素案を公表し、12月議会には議案として提出してまいりたいと考えておりまして、
節目節目で、議員の皆様を初め、さらにさまざまな形で対話を重ねながら、平成27年度中
に策定する予定の実施計画とあわせ、新たな総合計画を取りまとめてまいりたいと考えて
おります。
待機児童ゼロの実現についての御質問でございますが、待機児童の解消につきましては、
市長就任後からこれまでの間、本市の最重要課題の一つと位置づけ、スピード感を持って
取り組んでまいりました。昨年4月の待機児童数につきましては、区役所窓口における保
護者へのきめ細やかな相談、支援等の充実を図り、前年比で376人減の62人となり、待機児
童減少数で全国2位という具体的な成果につながったところでございます。この4月に向
けましても、認可保育所や小規模保育等の新設などにより、約2,500人を超える大幅な保育
受 入 枠 を 確 保 す る と と も に 、 川 崎 認 定 保 育 園 の 積 極 活 用 を 図 り 、 助 成 対 象 児 童 数 を 3,400
人から4,171人まで拡充し、対応しているところでございます。現在、各区役所では、保育
所等に入所保留となった方を対象に、丁寧できめ細やかなアフターフォローを実施してい
るところであり、2月2日からの一定期間、平日の時間外や土曜日におきましても、相談
窓口の体制を拡充しているところでございます。引き続き丁寧な相談対応をしっかりと行
い、最後の最後まで一人一人と向き合い、お子さんの預け先が見つかるよう、待機児童解
消の実現に向け、懸命に努力してまいります。
橘樹官衙遺跡群についての御質問でございますが、橘樹郡衙跡や影向寺遺跡が今日まで
残っていたということは、土地所有者や影向寺の関係者の皆様、そして地域の方々が大切
に守ってきていただいたことによるものでございまして、まずは心から敬意を表し、感謝
を申し上げる次第でございます。国の史跡に指定されるということは大変名誉なことであ
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りますとともに、史跡の価値を高めていくための取り組みや努力をしていく使命を担うと
いうことでもあります。今後は市民の皆様とともに、この宝を守り、活用してまいりたい
と考えているところでございます。
中学校夜間学級についての御質問でございますが、中学校夜間学級は義務教育未修了の
まま学齢を超過した方々の学習ニーズに応えるために設置しているものでございます。不
登校等で出席日数が少ないまま義務教育を卒業された方に対する学習機会の確保の課題に
つきましては、今後の国の動向等を踏まえながら対応していくものと考えております。な
お、学び直しの意欲のある方々への対応につきましては、今後、本市としての取り組みを
検討していく必要があるものと考えております。
動物愛護基金についての御質問でございますが、動物愛護施策の推進に当たりましては、
多くの愛護団体やボランティアの方から支援をいただいているところでございますが、そ
のほかにも寄附という形を通じて参画したいという声を数多くいただいていることから、
今年度、そうした思いの受け皿となる新たな寄附制度の創設を行ったところでございます。
さらに、平成27年度からは川崎市ふるさと応援寄附金に動物愛護のメニューを加えるとと
もに、川崎市獣医師会やペットショップと連携した広報活動の実施など、さらなる充実を
図ってまいりたいと考えており、基金の設置につきましては、これらの動向を踏まえた検
討を行ってまいります。私といたしましては、今後ともより多くの御支援をいただきなが
ら、人と動物の共生する社会の実現に向け、動物愛護施策を推進してまいりたいと存じま
す。
交通施策についての御質問ですが、これからの高齢化や少子化のさらなる進行を踏まえ
ますと、バス等の公共交通の充実は、地域の交通課題の解決や高齢者の外出支援など、市
民生活を支える身近な移動手段として、ますます重要性が高まるものと認識しております。
今後も地域の御要望を受けとめながら、地域特性やニーズを踏まえ、路線バスサービスの
向上や地域におけるコミュニティ交通の取り組みを支援することなどにより、身近な地域
交通環境の充実を図ってまいります。
国家戦略特区規制改革提案についての御質問でございますが、本市は日本発の革新的な
医薬品等を早期に実用化し、超高齢社会における課題の解決に貢献するとともに、我が国
の成長を牽引することが重要であると考えており、医薬品等の開発促進に向けた特例とし
て薬事承認の迅速化を図る制度の導入などを提案してまいりました。提案の概要といたし
ましては、がんやアルツハイマー、脊髄損傷など、有効な治療法がない重篤な疾患を対象
とした革新的な医薬品等の薬事承認を迅速化するための仕組みを特例とするもので、既に
国との協議を実施しているところでございます。こうした特例を実現し、例えばナノ医療
イノベーションセンター等で開発を進める、患者の身体的、経済的負担を軽減する抗がん
剤の早期実用化につなげてまいりたいと考えております。今後とも、さらなる規制改革の
実現と活用により、我が国において医薬品等が開発しやすい環境の整備に積極的に取り組
んでまいりたいと存じます。
東海道貨物支線貨客併用化についての御質問でございますが、本市ではKING
SKYFRONT直近に仮称塩浜駅の構想を持つ東海道貨物支線貨客併用化の実現を目指
して関係自治体とともに取り組みを推進しておりますが、採算性の確保や貨物列車との運
行調整など多くの課題を整理することが必要であるとの認識が関係者で共有されていると
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ころでございます。こうした中、KING SKYFRONTにおける国際戦略拠点形成の
着実な推進や、このたびの本市とJR東日本との包括連携協定の締結など、周辺環境も変
化してきておりますので、こうした状況も踏まえながら、引き続き、東海道貨物支線貨客
併用化の実現を目指し、関係自治体などと連携した取り組みを進めてまいります。
がん対策についての御質問ですが、初めに、がん検診についてでございますが、今後の
具体策といたしましては、受診率向上に効果が高いと言われる個々の対象者に応じた個別
勧奨、再勧奨の拡充に向けて、がん検診・特定健診等コールセンターを開設するとともに 、
対象者の個別管理が可能となる成人検診業務管理システムを導入してまいります。さらに、
企業や協会けんぽとの協定に基づく顧客や加入者を対象とした重点的かつきめ細やかな働
きかけなど、民間ならではの取り組みも加え、着実な受診率の向上を図ってまいりたいと
存じます。
次に、がん登録についてでございますが、がんと診断された方全てのデータを国におい
て一元的に集計、分析、管理する全国がん登録が平成28年1月から開始され、ここで得ら
れた統計情報は一般に公開されるとともに、国や都道府県の対策を初め、検診や治療体制
整備、研究などにも役立てられることになっております。本市といたしましては、がん登
録につきまして、その意義を広く市民の方々に周知するとともに、行政と関係団体が連携
し、地域性を踏まえた対策の実現に向け、取り組んでまいりたいと存じます。今や国民の
2人に1人がかかる国民病とも言うべきがんは、早期発見、早期治療を行うことが大変効
果的であるとされておりますことから、私といたしましては、政令市トップレベルの検診
受診率を目指した取り組みにより、市民の健康寿命の延伸につなげ、「最幸のまち
かわ
さき」を実現してまいりたいと考えております。
小児医療費助成制度についての御質問でございますが、初めに、通院助成対象年齢につ
いてですが、本制度につきましては、子育ての不安を解消し、安心して子どもを産み育て
ることができる環境づくりを進めていく上で、大変重要な子育て施策の一つであると考え
ております。本制度の拡充につきましては、子どもの受療率や医療費の負担感の高い小学
校3年生までを優先し、通院医療費の助成対象年齢を拡大してまいりたいと考えておりま
す。そのため、平成28年度には小学校3年生まで拡大することを目指し、現在の小学校1
年生が切れ目なく助成を受けられるよう、平成27年4月から小学校2年生まで拡大するこ
とにいたしたところでございます。さらに、私が公約として挙げました小学校6年生まで
の拡大につきましては、引き続き早期の実現を目指してまいりたいと考えております。今
後におきましては、行財政改革の取り組み等により、拡充に向けた財源の確保に努めると
ともに、小学校6年生まで拡大した場合の財政面への影響等を勘案しながら、受益と負担
の考え方等、さまざまな観点から幅広く検討を進めてまいります。次に、所得制限につき
ましては、限られた財源の中で持続可能な制度として安定的に運営するため、今後も設け
る必要があると考えております。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
病院事業管理者。
〔病院事業管理者
○病院事業管理者
堀内行雄登壇〕
堀内行雄
井田病院再編整備についての御質問でございますが、再編
整備事業につきましては、今後、さらなる増大が見込まれる救急医療需要に対応した救急
医療体制の充実や、地域がん診療連携拠点病院として、がんなどの高度、特殊な医療を初
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めとした医療機能の強化を図ることを目的に、平成21年7月に本体工事に着手し、平成24
年5月の一部開院を経まして、駐車場などの外構工事は残りますが、病院棟は本年4月1
日に全面開院することになりました。超高齢社会の進展は、長期の治療や経過観察が必要
となるがんや生活習慣病などの医療需要を大きく増加させることになり、今まで以上に医
療機関相互の機能分担と連携を進め、地域の医療水準を高めていくことが大変重要なこと
であります。したがいまして、井田病院においては、例えばがんの終末期医療を中心とし
た在宅患者さんに、これまでどおり、地域の医療機関などと連携し、適宜適切に対応する
など切れ目のない医療及び介護の提供体制を確保し、地域包括ケアシステムの構築にも寄
与してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
上下水道事業管理者。
〔上下水道事業管理者
○上下水道事業管理者
飛彈良一登壇〕
飛彈良一
上下水道局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、避難所等への水道管の耐震化についての御質問でございますが、初めに、水道
管路の耐震化につきましては、地域防災拠点である市立中学校52校と、ベッド数が200床以
上の病院や休日急患診療所等、重要な医療機関77施設への供給ルートの耐震化をこれまで
優先的に進め、昨年度完了させたところでございます。また、地域の避難所となる小学校
への供給ルートの耐震化につきましても順次進めている状況でございます。こうした中、
小中学校の水飲み場を活用した開設不要型の応急給水拠点の整備を今年度より開始し、計
画的に整備を進めることとしております。次に、医療機関への耐震管路の引き込みについ
てでございますが、供給ルートの耐震化工事を実施した際に、医療機関敷地内の第1バル
ブまで、本市の責任において耐震性のある給水管を引き込んできております。第1バルブ
から先の給水管につきましては、医療機関の責任において耐震性を確認していただき、必
要であれば地震に強い設備に更新されるものと考えております。
次に、ゲリラ豪雨対策についての御質問でございますが、現在、市内5地区を重点地区
と位置づけ、貯留管や雨水幹線などの整備を進めてきておりまして、これらの地区につき
ましては、平成30年度までを目途に完了を目指しているところでございます。そのため、
今年度から、全市的に浸水シミュレーションを実施し、被害の影響などに着目し、浸水リ
スクの高い地区をさらに抽出する作業を進めているところでございます。今後、抽出され
た地区の浸水被害軽減に向けた効果的・効率的な対策手法について検討を進めた上で、国
の下水道浸水被害軽減総合事業に位置づけるなど、引き続き重点化を図り、浸水対策に取
り組んでまいります。また、即効性のある取り組みといたしましては、これまで各地に整
備してきております雨水滞水池や貯留管等について、広域レーダー雨量情報等を活用し、
貯留量を的確にコントロールしながら雨水排水ポンプの運転を行うなど、運用面での工夫
に取り組んでまいります。また、関係局区と連携し、街渠ますの増設や既存施設の適切な
維持管理による雨水排水機能の確保、豪雨が予想される場合の重点的なパトロールなど、
予防保全的な取り組みも進めてまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔教育長
○教育長
教育長。
渡邊直美登壇〕
渡邊直美
教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、奨学金制度についての御質問でございますが、初めに、本市の高等学校奨学金
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制度についてでございますが、平成26年度からは申請の基準を設けて募集したところ、入
学支度金については138人、学年資金については597人を奨学生として採用いたしました。
新年度に向けての取り組みにつきましては、国や県等による経済的負担の軽減施策の動向
を踏まえながら、引き続き修学支援を行ってまいります。次に、制度の情報提供における
取り組みについてでございますが、中学生に対しては神奈川県から支援制度の概要につい
て細かく記載された冊子が配付されており、高校生に対しても本市や神奈川県の奨学金制
度を案内しているところでございますが、今後も引き続き支援制度の周知に努めてまいり
ます。
次に、学校司書についての御質問でございますが、初めに、本市における学校司書を配
置した理由及び方向性についてでございますが、学校図書館法の一部改正に基づき、常に
学校図書館に人がいる環境づくりを図るため、同一校において年間150回以内の配置を想定
した学校司書を市内7校にモデル的に配置することといたしました。その人材につきまし
ては、これまで学校図書館で熱心に活動され、その実態をよく把握されている地域の方、
図書ボランティア、退職教員等の方々からふさわしい方を学校長が推薦する方法をとりた
いと考えております。次に、今後の取り組みについてでございますが、児童の読書量や図
書の貸出冊数、授業での利活用の状況等を調査し、学校司書配置の効果を検証してまいり
たいと考えております。学校図書館に常に人がいる環境は、子どもたちの読書活動の充実
や学習での図書館の利活用において大切であると認識しておりますので、今後とも学校図
書館のさらなる充実に向け、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、通学路の安全対策についての御質問でございますが、平成24年4月に京都府で発
生した痛ましい事故を受け、本市におきましては、教育委員会が中心となり、市民・こど
も局、建設緑政局、各区役所、小学校長会、各警察署による通学路安全対策会議及び各区
部会を設置いたしました。平成26年度の進捗状況につきましては、対策要望箇所数205カ所
のうち83カ所の対策が完了いたしまして、その後の対策予定箇所は39カ所でございます。
次に、各学校やPTAなどから寄せられた通学路の改善要望につきましては、各区部会に
おいて、関係局区、関係機関が連携を図り、現地を確認しながら検討を重ね、改善ができ
るところから順次対応を行っているところでございます。具体的には、グリーンベルトの
設置、電柱幕や巻きつけ標示によるドライバーへの注意喚起、横断歩道の補修等、子ども
たちが安全に安心して登下校できる交通環境の整備を図っているところでございます。今
後のスケジュールにつきましては、現在、各学校に通学路の安全点検及び危険箇所の調査
を依頼しておりますので、年度末までに取りまとめをし、今年度の対策未定箇所とあわせ
て、来年度以降の安全対策会議各区部会で検討をしてまいります。また、改善不要及び改
善困難箇所につきましては、当該箇所の交通事情を初め、幅員や設置場所等、物理的な課
題がございますが、ハード面での整備が難しい箇所につきましては、マンパワーによる見
守り活動など手段を変えて対応できるか、学校と検討しながら、今後も子どもたちの安全
確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、橘樹官衙遺跡群についての御質問でございますが、初めに、橘樹官衙遺跡群の最
新の調査成果についてでございますが、橘樹郡衙跡につきましては、平成10年度から高津
区千年の台地上を広範囲にわたって確認調査をしてまいりまして、郡庁は明確にできなか
ったものの、橘樹郡衙の正倉や郡衙に関連する多くの掘立柱建物群が確認されております。
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また、影向寺遺跡につきましては、奈良時代の8世紀中ごろには、金堂に加えて塔などの
伽藍が整備されて、南関東地方の拠点的寺院になっていたことが明らかになってまいりま
した。また、国史跡指定のメリットといたしましては、橘樹官衙遺跡群の歴史的価値や魅
力を全国に向けて発信することができるようになるとともに、史跡の土地買い上げ等に要
する経費の80%、史跡の保存整備及び活用事業経費の50%が国から補助されることになり
ますので、今後の保存活用に取り組みやすくなると考えているところでございます。
次に、市民への広報についてでございますが、平成25年度に本市土地開発公社で先行取
得しました土地につきまして、平成27年度に国の補助を得て買い戻す予定でございますの
で、今後は、隣接するたちばな古代の丘緑地とあわせた総合的な観点からの整備につきま
して、学識者の御指導をいただくとともに、市民の皆様の御意見を伺いながら検討し、そ
の内容を広く周知してまいりたいと考えているところでございます。次に、古道の整備に
ついてでございますが、教育委員会では橘樹官衙遺跡群を中心に、県史跡の子母口貝塚、
西福寺古墳、馬絹古墳など周辺の文化財も含め、利用者の利便性の向上に向けた標識、案
内板、文化財解説板等の整備について、文化財保護活用計画推進の取り組みの中で、橘樹
官衙遺跡群の保存管理、整備活用等を関係局区とも協議しながら検討してまいりたいと考
えております。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔総務局長
○総務局長
小金井
総務局長。
小金井
勉
勉登壇〕
総務局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、防災・減災対策についての御質問でございますが、災害対策本部の代替機能に
つきましては、市役所第3庁舎の防災センターが使用不能となった際の代替施設といたし
まして、多摩区総合庁舎内に多摩防災センターを設置しております。多摩防災センターに
おきましては、情報の収集伝達や災害対策を検討、指示する機能を備えるとともに、これ
まで、無線機器の増強、インターネット環境の整備、総合防災情報システム端末の配備な
ど、機能強化を図ってきたところでございます。今後も設備の更新などを適切に行い、災
害対策本部の代替機能の確保に努めてまいりたいと存じます。次に、各区の防災機能の強
化についてでございますが、平成24年度から副区長のもとに危機管理担当を配置し、区に
おける危機管理及び安全・安心に関する業務の一元化と総合的な危機管理体制の強化を図
ってきたところでございます。各区におきましては、防災に関するネットワークの構築や
防災訓練の実施、自主防災組織への活動支援など、地域の防災力の向上に向け取り組みを
行っておりまして、今後も市民の身近な防災拠点として、各区の特性や地域の実情に応じ
た取り組みを推進してまいります。
次に、災害時要援護者対策についてでございますが、災害時における円滑な避難支援に
向けて、自主防災組織などの方々へ、支援活動の内容や個人情報の取り扱い等を記載した
支援ガイドを配付しているところでございます。また、市内の先進的な活動事例を市ホー
ムページで広報するとともに、川崎市自主防災組織連絡協議会総会で紹介するなど、具体
的な取り組みに役立てていただけるよう啓発活動に努めているところでございます。いず
れにいたしましても、災害時には地域における共助の取り組みが大変重要と考えておりま
すので、支援組織の皆様方からの御意見を参考にさせていただきながら、自主防災組織へ
の活動支援の充実に取り組んでまいりたいと存じます。
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次に、子育て支援へのICT活用についての御質問でございますが、本市と富士通株式
会社との包括協定に基づき、オープンデータを活用して市民生活の向上及び情報発信手法
の検証を図る目的で、麻生区においてスマートフォン向けアプリケーションを活用した子
育て情報発信の実証実験を本年1月6日から開始したところでございます。この実証実験
に際しまして、子育て中の麻生区民を中心に368人の方にモニターとして実際にアプリを利
用していただき、その評価についてアンケート調査を行ったところでございます。アンケ
ート結果につきましては現在集計中でございますが、イベント情報の入手機会がふえた、
アプリを活用した情報取得や検索が簡単になったなどの御意見をいただいているところで
ございます。今後、アンケート調査結果やアクセスログ等による利用形態の分析を行い、
オープンデータを活用した情報発信について検証し、さまざまな分野での取り組みに活用
してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
後藤議員に申し上げます。ここで休憩をお諮りいたしたいと思いま
すので、御了承願います。
お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長
飯塚正良
御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。
午後2時57分休憩
-------------------
午後3時25分再開
〔局長「ただいまの出席議員副議長とも53人」と報告〕
○副議長
飯塚正良
休憩前に引き続き、ただいまから会議を開きます。
ここであらかじめ、会議時間の延長についてお諮りしておきたいと思います。
お諮りいたします。本日の会議時間につきましては、ただいまのところ午後5時を過ぎ
ることが予想されますので、その場合には会議時間を延長することにいたしたいと思いま
すが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長
飯塚正良
御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
-------------------
○副議長
飯塚正良
それでは引き続き、公明党の代表質問に対する答弁を願います。総
合企画局長。
〔総合企画局長
○総合企画局長
瀧峠雅介登壇〕
瀧峠雅介
総合企画局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、国家戦略特区についての御質問でございますが、神奈川県健康・医療分科会は 、
県内における健康・医療関連産業の創出に向けた新たな規制・制度改革の検討を行うとと
もに、区域計画に認定された事業の着実な実施を図ることを目的として、東京圏国家戦略
特別区域会議のもとに設置された会議でございます。本年1月に開催された本分科会にお
いて、本市は、既に区域計画に位置づけられた事業の取り組み状況や関係府省等と協議中
である保険外併用療養に関する特例の拡充及び薬事承認の迅速化を図る制度の導入につい
て協議の状況を報告したところでございます。また、神奈川県からは個人別保険料率の差
別化による健康行動の促進など、新たな規制改革が提案され、協議が行われたところでご
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
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ざいます。今後、新たな規制改革提案につきましては、国家戦略特区ワーキンググループ
や関係府省等と協議し、その結果を踏まえて東京圏国家戦略特別区域会議に提案をし、区
域計画に位置づけていくこととなるものでございます。
次に、仮称ライフイノベーションセンターについての御質問でございますが、同センタ
ーは、研究開発機能、試作開発・生産機能、臨床機能などを設ける再生・細胞医療の実用
化を促進していく拠点として、平成28年3月末の竣工を目指し、来月から本格的に工事を
進める予定となっております。また、県は、整備に当たり、こうした機能を担う国内外の
有望な企業やベンチャー企業、研究機関などの誘致に積極的に取り組んでいるところと伺
っております。同センターの機能はKING SKYFRONTに立地する企業、研究機関
等との親和性が高く、連携を図ることで相乗効果が期待できるとともに、ライフサイエン
ス分野における最先端の研究開発から新産業を創出する国際戦略拠点としての価値向上に
もつながるものと考えております。
次に、羽田連絡道路などについての御質問でございますが、昨年9月に発足した羽田空
港周辺・京浜臨海部連携強化推進委員会のもとに、まちづくり分科会と地域産業活性化分
科会が設置されたところでございます。まず、まちづくり分科会では、既に本市において
進めております交通量推計などの調査を踏まえ、本分科会に参画する国等の関係機関とと
もに、ルート、構造、事業手法等について検討を進めているところでございまして、今後、
早期に具体化を図れるよう、引き続き関係機関との協議調整に取り組んでまいります。ま
た、地域産業活性化分科会における取り組みにつきましては、世界的な戦略拠点の形成を
目指した羽田空港周辺と川崎臨海部との機能分担や、KING SKYFRONTに集積す
る研究機関を生かした医工連携などの産業連携の実現に向けて、大田区を初めとした関係
機関と検討を進めているところでございまして、今後、具体的な施策の検討などを行って
いくこととしているところでございます。
次に、ライフサイエンス共同研究補助金についての御質問でございますが、今年度は神
奈川科学技術アカデミーと民間企業による感染症の迅速な診断技術の確立を目指す共同研
究事業などを採択しており、本補助金をきっかけに、特区エリア外の研究者が特区内の研
究機関において共同研究を行うなど、連携強化を図る取り組みが促進されているところで
ございます。今後は、本補助金による研究成果を実用化、製品化につなげられるよう取り
組んでまいりたいと考えております。次 に 、オ ー プ ン イ ノ ベ ー シ ョ ン の 促 進 に つ い て の
御 質 問 で ご ざ い ま す が 、K I N G SKYFRONTにつきましては、すぐれた技術を有
する企業、研究機関等々の集積が進んできたところでございますが、本市といたしまして
は、革新的な医薬品や医療機器などが生まれるためには、オープンイノベーションの促進
が重要であると認識をしております。本年4月に運営を開始する予定のナノ医療イノベー
ションセンターにおいて、産学官が連携する革新的オープンイノベーションの本格的な取
り組みが開始されるところでございますので、こうした取り組みを踏まえるとともに、立
地する企業等の意向も十分に伺いながら、オープンイノベーションを促進する仕組みにつ
いて検討してまいりたいと存じます。
次に、水素ネットワークの構築などについての御質問でございますが、現在、策定作業
を進めております水素社会の実現に向けた川崎水素戦略におきましては、水素社会を実現
する3つの基本戦略として、入り口となる水素供給システムの構築、出口サイドの多分野
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速報版
にわたる水素利用の拡大、ブランド戦略による社会認知度の向上を掲げており、あわせて、
多様な主体と連携したリーディングプロジェクトを推進することとしております。このう
ち、水素供給システムの構築につきましては、水素の供給体制の構築と新たな水素関連技
術の創出を目指すものでございまして、リーディングプロジェクトの一つとして、川崎臨
海部における水素ネットワークの構築に向けた取り組みを進めております。この取り組み
につきましては、現在、千代田化工建設がネットワークの構築と発電施設の整備に向けて、
水素の効率的な供給や既存インフラの有効活用などを考慮しながら、事業用地の選定等、
事業スキームの検討を行っているところでございます。こうした中、国におきましては、
平成27年度予算案に、未利用エネルギー由来水素サプライチェーン構築実証事業として約
20億円が新規に計上されたところでございますので、本市といたしましても、事業者と連
携して国の支援が得られるよう働きかけを行うとともに、その実現に向けて取り組みを進
めてまいりたいと考えております。
次に、水素を用いた世界初の自立型エネルギー供給システムの共同実証についてでござ
いますが、本システムは、太陽光発電設備から得られた電気を使用して水電解により水素
を製造、貯蔵し、燃料電池から電気と温水を供給する自立型のエネルギーシステムの実証
を行うものでございます。平常時は川崎マリエンへの電力供給によるピークシフトと隣接
するバーベキュー場等への温水の供給を行いますが、災害発生時には避難者300名分の電力
と温水を約1週間分供給することが可能なことから、施設利用者の利便性向上のみならず、
市民の安全・安心の確保にも資するものでございます。実証期間につきましては本年4月
から2020年までを予定してございますので、世界最先端の水素利活用技術を多くの市民の
方々にごらんいただくことで、水素・燃料電池の普及啓発にも活用してまいりたいと考え
ております。
次に、KING SKYFRONTでの水素エネルギーの活用についてでございますが、
KING SKYFRONTは、ライフサイエンス・環境分野における最先端の研究開発か
ら新産業を創出する国際戦略拠点であり、当該エリアにおいて水素エネルギーを利活用す
ることは、世界に貢献するライフイノベーションとグリーンイノベーションの拠点形成と
いうコンセプトにも合致いたしますことから、水素エネルギーの利活用方策などについて、
国や民間事業者等と連携を図りながら検討を進めてまいりたいと考えております。以上で
ございます。
○副議長
飯塚正良
〔財政局長
○財政局長
財政局長。
大村研一登壇〕
大村研一
財政局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、財政状況についての御質問でございますが、少子高齢化の進展等に伴い、社会
保障に関する経費が年々増加を続けているところでございまして、本市におきましても、
平成27年度予算における扶助費の割合が25.5%となり、予算規模の4分の1を超えたとこ
ろでございます。今後も扶助費につきましては増加傾向が続くことが想定されますので、
自立支援の取り組みや介護予防、健康づくりなどの取り組みをしっかりと進めるとともに、
環境変化に合わせたより効率的・効果的な事業手法への転換などを行うことが重要である
と考えております。また、本市の特徴と強みを生かした国際戦略拠点の形成を初めとした
力強い産業都市づくりを推進することも重要でございます。これらの取り組みにより、必
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
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要なサービスを安定的に提供することができる持続可能な財政構造の構築に努めてまいり
たいと考えております。
次に、入札契約制度の見直しについての御質問でございますが、昨年6月に公共工事の
品質確保の促進に関する法律が改正され、本年1月末には発注関係事務の運用に関する指
針が示されたところでございます。本市入札契約制度においては、同運用指針骨子案の段
階から、地元に貢献する企業に対するインセンティブの付与等について検討を進め、昨年
12月末に改正を行ったところでございます。その主な内容は、総合評価落札方式における
新たな評価項目として、中長期的な担い手の確保を図るため、若手技術者配置への加点、
建設機械保有状況に対する加点、市内中小事業者を共同企業体の代表者、構成員とした際
の加点をそれぞれ追加したところでございます。また、総合評価落札方式簡易型におきま
しては、課題設定と課題解決のための独自の工夫を提案させることで、より適切な評価が
できるよう見直しを行うとともに、工事の最低制限価格の端数処理につきましては、低入
札価格調査制度の失格基準との整合性を図るため、1万円未満を切り捨てることといたし
ました。
次に、地域貢献企業への発注についてでございますが、本市におきましては、災害協定
を締結し、地域に貢献している事業者に対するインセンティブ発注をこれまで一般競争入
札において導入しておりましたが、平成27年度からは、指名競争入札においても競争性や
地域性に配慮しながら取り入れてまいりたいと考えているところでございます。次に、総
合評価落札方式についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、建設機械保有状
況に対する加点を地域貢献企業に対するインセンティブの一つとして導入したところでご
ざいますが、今後につきましても、他都市の評価項目、加点状況や他項目との配点バラン
スを勘案し、継続して検討してまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
加藤順一登壇〕
加藤順一
市民・こども局関係の御質問にお答え申し上げます。
女性の活躍応援についての御質問でございますが、女性の活躍を支援するために、ホー
ムページを活用した利便性の高い情報を発信することは大変重要なことと認識しておりま
す。現在、女性起業家支援や再就職応援等の女性の活躍に関するさまざまな情報を各局区
へ事業照会を行い、ホームページに集約する内容の整理、確認等を行っているところでご
ざいまして、平成27年度の早い時期に掲載する予定でございます。また、ネーミングにつ
きましては、必要な方に必要な情報を的確に提供することはもとより、より多くの方に御
利用いただけるよう、検索しやすさに配慮するとともに、わかりやすいものとなるよう検
討してまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔こども本部長
○こども本部長
こども本部長。
成田哲夫登壇〕
成田哲夫
こども本部関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、幼稚園についての御質問でございますが、本市におきましては、本年4月の子
ども・子育て支援新制度施行と同時に移行する私立幼稚園が4園、認定こども園が2園の
合わせて6園でございますが、これまで川崎市幼稚園協会と連携を図りながら、新制度に
ついての説明会の実施や各園への個別相談等の対応を行い、確実な移行に向けた支援を実
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速報版
施してまいりました。本年1月には新制度における特定教育・保育施設となるための確認
に向けた具体的な手続についての説明会を実施し、さらに、施設型給付の支給に向けた実
務的な手続等についての説明会を年度内に実施する予定であり、円滑な新制度への移行に
向け、引き続き丁寧な支援を行ってまいります。
次に、幼稚園就園奨励費についてでございますが、国は、幼児期の教育は生涯にわたる
人格形成の基礎となることから、質の高い幼児教育を保障するため、保護者負担を軽減す
る幼児教育無償化に段階的に取り組んでおり、平成27年度におきましては、新たに市民税
非課税世帯の第1子、第2子について、保護者負担の軽減が図られることとなりました。
本市におきましても、国の補助基準を着実に実施するとともに、さらに無償化を目指す国
の動向を踏まえながら、引き続き市独自の上乗せ補助を行い、保護者負担の軽減を図って
まいります。
次に、幼稚園における一時預かり事業についてでございますが、新制度の施行に際し、
地域子ども・子育て支援事業のメニューの一つとして、本市が実施主体となる幼稚園型一
時預かり事業が創設されるものでございます。本事業は、新制度に移行する幼稚園だけで
はなく、私学助成を継続する幼稚園も保育室の面積や職員の配置等の基準を満たすことに
より実施が可能となることから、本年2月に説明会を実施し、47園が参加したところでご
ざいまして、現在、幼稚園からの申請を受け付けている状況でございます。今後につきま
しては、引き続き幼稚園への丁寧な説明等の支援を行い、実施園が決定次第、区役所と連
携しながら、市ホームページや子育てガイドブックにより、市民の皆様に広報してまいり
たいと存じます。
次に、民間保育所職員の処遇改善についての御質問でございますが、民間保育所の職員
に対しましては、従前から職員の平均勤続年数に応じて民間施設給与等改善費の支給を行
ってきておりまして、平成25年度からは、さらに国の保育士等処遇改善臨時特例事業補助
金を活用し、給与改善の取り組み強化を図ってきたところでございます。平成27年度から
は、子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、国の公定価格において処遇改善等加算の充
実が図られることとあわせ、本市といたしましても、市が定める加配職員分の処遇改善等
加算を独自に創設したことにより、平成26年度に職員1人当たり月額約9,600円の処遇改善
額を月額約1万7,100円に増額したところでございます。
次に、産後ケア事業についての御質問でございますが、本事業は、国の妊娠・出産包括
支援モデル事業を活用した新たな取り組みとして、川崎市助産師会に委託して昨年10月よ
り実施しております。利用者アンケートからは、実際の育児の仕方や母体の回復について、
専門職による助言で安心できたなど、多くの利用者から高い評価をいただいております。
また、助産師会からは、出産直後の悩みや不安が多い時期に、育児について必要な助言や
適切な支援が提供できたなど、子育て家庭の現状を踏まえた上で、事業の重要性を実感す
る声が寄せられております。本事業につきましては、現在、市政だよりや市ホームページ
へ掲載するとともに、区役所や産科医療機関などを通じて案内チラシを配付しております
ので、さらに広報の機会を拡大し、周知を図ってまいります。今後につきましては、現在、
平成27年度からの本格実施に向け、モデル事業の検証や事業内容について検討を行ってお
り、助産師会などの関係団体と連携しながら事業内容の充実を図り、妊娠期から出産後の
切れ目ない支援の強化に努めてまいります。以上でございます。
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速報版
○副議長
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
飯塚正良
〔経済労働局長
○経済労働局長
第3日(2月26日)
経済労働局長。
伊藤和良登壇〕
伊藤和良
経済労働局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、商店街支援策についての御質問でございますが、商店街街路灯広告の掲出につ
きましては、街路灯の維持管理費に充てることを目的として平成23年10月から実施してお
りまして、これまでにかしまだ駅前通商店街振興組合や溝ノ口駅前商店街振興組合、さぎ
沼 商 店 会 な ど 16商 店 街 で 29件 の 広 告 が 掲 出 さ れ 、 合 計 で 1,000万 円 を 超 え る 広 告 収 入 が あ
り、各商店街からは経営基盤の強化に役立ったと伺っております。本市といたしましては、
市のホームページによる紹介や本市の補助制度の説明会などを通じて、街路灯広告の活用
に関する情報を発信しているところでございます。また、川崎市商店街連合会におきまし
ては、昨年採用いたしました組織強化推進マネージャーが中心となって街路灯広告の専用
サイトを開設し、広告掲出を希望する商店街の一覧を掲載するほか、新たに広告代理店と
契約を行い、広告主の募集や警察署への申請手続のサポートなど、積極的な営業を始めた
ところでございます。今後とも、川崎市商店街連合会と連携を図りながら、街路灯広告の
掲出による商店街の自主財源の獲得に向けまして積極的に支援してまいりたいと存じま
す。
次に、川崎タイ・ラオス経済ミッションについての御質問でございますが、初めに、昨
年11月に本市及び川崎商工会議所との共催でタイ、ラオスに派遣されたミッションの成果
といたしましては、タイでは工業省、ラオスでは計画投資省といった現地政府機関との間
で、タイ、ラオスへの進出サポートに係る覚書を締結したほか、現地工業団地の関係者か
ら進出条件等の具体的なヒアリングや進出済みの日系企業から操業状況を確認するなど、
市内企業のタイ、ラオスへの進出に向けた環境整備を行ってきたところでございます。次
に、ビジネスマッチングについてでございますが、タイでは、来年度バンコクで開催され
るMfairバンコク2015ものづくり商談会などにおいて、川崎中小企業バンコク合同事務所
を市内中小企業の活動拠点として活用し、現地企業とのビジネスマッチングを強力にサポ
ートしてまいります。また、ラオスについても、ラオス商工会議所などと連携しながら、
ビジネスマッチング会の開催を検討してまいります。
次に、若年者就業支援事業についての御質問でございますが、今年度は、国の交付金を
活用したかわさき就職チャレンジ事業と若者就業支援プログラム事業の2事業を実施して
おります。かわさき就職チャレンジ事業につきましては、本市が委託する人材派遣会社が
新卒未就職者等を雇用し、スキルアップ研修や企業への派遣研修を行い、正規雇用へつな
がるよう支援するものでございます。第1期、第2期合わせて133名が参加し、現在、第2
期の研修中でございますが、第1期につきましては9割以上が正規雇用として就職が決定
しているところでございます。次に、若者就業支援プログラム事業につきましては、この
春卒業見込みの方も含め、委託事業者が10日間の研修、その後に就業マッチングを実施す
るもので、募集人数は60名以上とし、現在研修中でございます。平成27年度につきまして
は、若者就業支援プログラム事業を今年度と同様の事業内容で実施する予定でございます。
また、若年者就業支援事業といたしましては、かわさき若者サポートステーションと一体
的に学校内で企業説明会を行うなど、学校連携を強化し、事業の拡充を図ってまいりたい
と考えております。今後につきましても、一人でも多くの若者が正規雇用へと結びつくよ
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
速報版
う、効果的な事業実施に努めてまいりたいと存じます。
次に、大田区との連携についての御質問でございますが、本市にはすぐれたものづくり
技術を有する市内企業が集積しており、今後の成長産業と期待される医療分野への市内企
業の進出を支援することが必要であると考えております。これまでに大田区とは、国内外
の医療機器メーカーが多数来場する国内最大級の医療機器製造・設計に関する展示会であ
るMEDTEC Japanへの共同出展を初め、川崎市産業振興財団が主催する医工連携研究
会や大田区が主催する医工連携に関するセミナーに両地域の企業等が参加するなど、相互
の交流、情報交換を行っているほか、市内の大学病院に協力いただき、医師のニーズヒア
リングや施設見学を実施するなど、市内企業の医療分野への進出に向けた取り組みを連携
して行っているところでございます。今後も、KING SKYFRONT地区で集積が進
んでいるライフサイエンス分野の企業とすぐれた技術を持つ市内中小企業とのマッチング
等を大田区やナノ医療イノベーションセンターを運営する産業振興財団と連携して進める
など、双方の支援機能やコーディネート機能を活用した取り組みを行うほか、同財団と連
携して相談機能やホームページの充実について検討を進め、医療分野への進出につながる
支援を行ってまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔環境局長
○環境局長
環境局長。
小林哲喜登壇〕
小林哲喜
環境局関係の御質問にお答え申し上げます。
環境施策についての御質問でございますが、初めに、ごみの収集体制の変更に伴う成果
についてでございますが、平成25年9月の収集体制変更前及び変更後の1年間の収集量を
比較しますと、プラスチック製容器包装とミックスペーパーが約1万2,000トン増加してお
ります。一方で、普通ごみについては、この増加分を上回る約2万7,000トンが減量してお
り、全体で約1万5,000トンの排出抑制効果があったもので、市民の皆様の御協力により、
大幅なごみの減量と資源化が進んだものと考えております。次に、埋立処分場の延命につ
いてでございますが、詳細な計算は行っておりませんが、普通ごみの減量により、おおむ
ね3年程度延長できるものと考えております。次に、3処理センター体制による平成27年
度の効果につきましては、橘処理センターの維持管理費用、補修工事等の削減分として、
平成26年度予算額と比べて約6億9,000万円の経費縮減となり、中継輸送等の費用増加分を
加味しますと約4億1,000万円の効果を見込んでいるところでございます。次に、橘処理セ
ンター閉鎖後の輸送体制及び対応についてでございますが、橘処理センターで処理してお
りました高津区及び宮前区のごみを北部、南部の処理センターに輸送する必要がございま
すので、ごみ収集車両を増車するなど体制を強化し、市民生活に影響がないよう取り組ん
でまいります。
次に、使用済みおむつ等の臭気問題についてでございますが、袋や容器に入れて密封す
るなど各御家庭で保管や排出方法に工夫をしていただいているところでございますが、そ
の有効な取り組み方策につきまして、他都市の状況などの情報収集に努めてまいりたいと
考えております。次に、生ごみ減量対策についてでございますが、普通ごみに占める生ご
みの割合は約3割となっており、生ごみの減量対策は重要と考えているところでございま
す。生ごみの約8割は水分となっておりますことから、水切りの徹底について、小冊子や
チラシの配布等によりお願いしているところでございます。また、生ごみリサイクル講習
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
会の開催や生ごみ処理機購入費助成など、リサイクルの取り組みについても行っており、
今後とも生ごみの減量に向けて努めてまいります。
次に、気候変動適応策についての御質問でございますが、地球温暖化対策につきまして
は、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出そのものを抑制する緩和策とともに、温暖化に
よる気候変動の影響を少なくするための取り組みである適応策について検討していくこと
も重要でございます。そのため、国においては、平成27年夏を目指して適応計画の策定を
進めているところでございますが、本市におきましても、地域特性等を反映した気候変動
適応策の基本的な考え方や取り組みの方向性等を取りまとめた仮称適応策基本方針を策定
するため、昨年の11月に全庁的な検討組織を設置いたしました。検討に当たりましては、
気温上昇による健康被害や豪雨による浸水被害など、市民生活に影響のある事象を中心に、
適応策に関連する既存施策や計画等の整理などを行ってきたところでございます。今後、
国の適応計画の動向を踏まえながら、新たな総合計画の策定と連動し、平成27年度末を目
途に基本方針を策定してまいります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
伊藤
健康福祉局長。
伊藤
弘
弘登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、小規模多機能型居宅介護についての御質問でございますが、整備計画数の算出
につきましては、小規模多機能型居宅介護は、通い、訪問、泊まりを組み合わせたサービ
スでございますので、現在、デイサービスやショートステイを利用されている方の利用状
況等を勘案しながら、今後の要介護認定者の増加等を踏まえ、必要なサービス量を推計し
たところでございます。次に、今後の整備計画につきましては、第6期計画期間だけでな
く、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、高齢化が一段と進む2025年を見
据え、中長期的な視点に立った計画として位置づけていることから、計画達成に向けた整
備を着実に進めてまいりたいと存じます。また、整備に当たっては、地域バランスを考慮
しながら進めるとともに、多くの高齢者の方が、介護が必要となっても、住みなれた地域
で安心して暮らし続けたいと望まれていることを踏まえ、小規模多機能型居宅介護を初め
とした地域密着型サービスの整備拡充を図ってまいります。
次に、認知症サポーターについての御質問でございますが、サポーターにつきましては、
養成講座修了者に対するさまざまな情報提供やフォローアップ研修など、スキルアップを
図る取り組みに加えまして、金融機関やスーパーマーケットなどの地元企業や小中学生を
対象とした養成講座を実施している事例がございますので、今後、地域の声をお聞きしな
がらこうした取り組みを拡大してまいりたいと考えております。また、平成21年度から開
催してまいりました市職員を対象としたサポーター養成につきましては、市民と接する機
会の多い区役所を初め、全庁に広がるよう引き続き取り組んでまいります。今後につきま
しては、第 6期計画 ―かわさきいきいき 長寿プラン に基づき、 これまでの 地域におけ る
認知症の理解者から一歩踏み込んで、知識の定着やそれぞれの意欲に応じた役割を果たせ
るよう、サポーターに対して情報や活動の場を提供するなど、環境整備を図ってまいりた
いと存じます。
次に、高齢者施設についての御質問でございますが、初めに、認知症高齢者グループホ
ームにつきましては、認知症高齢者に対して、共同生活室、いわゆるユニットにおいてサ
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
速報版
ービス提供 が行われる 施設でござ いまして、 第6期計画 ―かわさきいきいき 長寿プラ ン
におきましては、地域バランスを考慮し、小規模多機能型居宅介護等の併設や空きベッド
を活用したショートステイの実施を条件とするなど、地域の在宅介護サービスの拠点とし
ての機能を付加し、3カ年で42ユニット、最大378人の整備を進めてまいります。次に、特
別養護老人ホームにおける高齢障害者の受け入れについてでございますが、障害者の高齢
化に対する取り組みの一つとして、川崎区境町地区の県有地を活用した施設整備におきま
して、市内の障害者支援施設の入所者で、特別養護老人ホームでの支援がふさわしい方を
一定程度受け入れることを条件とした整備を進めているところでございます。
次に、障害者就労支援についての御質問でございますが、初めに、障害福祉サービス事
業を利用している障害者が一般就労へ移行することは、障害者本人の経済的自立に資する
ほか、障害福祉サービス事業利用に伴う経費の伸びの抑制にもつながり、本市の財政面で
も一定の効果があるものと考えております。次に、障害者雇用・就労促進行動計画に基づ
く1月末現在の進捗状況についてでございますが、障害者雇用短期チャレンジ事業では21
名が市内10社の企業内雇用を体験しており、既に3名の方が一般就労に結びつくなど、想
定以上の効果を上げている状況にございます。また、就労支援ステップアップ事業におい
ては42名の方に対して実習を行っており、的確な就労マッチングに向けた支援を展開して
いるところでございます。さらに、NPO法人ピープルデザイン研究所との協働による就
労体験事業では、カワサキハロウィンの運営スタッフ補助業務など就労体験に延べ94名の
障害者が参加し、一般就労に向けた意欲喚起を図っているところでございます。今後につ
きましては、より効果的な取り組みを進めるため、企業の雇用体験や障害者の就労体験の
場を拡大するとともに、これらの実施結果をもとに生き生きと働くことのできる環境づく
りに努めてまいります。
次に、就労後の定着支援についてでございますが、的確なフォローアップ体制に向けて、
今年度から市内3カ所の就労援助センターの機能を強化したところでございまして、今後
も障害者のさらなる一般就労の拡大に対して、地域の関係機関と連携した持続可能な制度
設計を図っていく必要があると考えております。そのため、今年度から新たに、地域の相
談支援事業所や就労支援機関、医療機関などを対象に、教育や精神障害など課題別に地域
性を踏まえた事例検討会を7回開催したほか、就労支援スキルアップセミナーを5回開催
するなど、関係機関の連携による支援体制づくりや支援スキルの向上を図ってきたところ
でございます。今後につきましては、これまでの取り組みについて検証を行うとともに、
就労後の職場定着が課題となっている精神障害者が企業で働き続ける力が身につくよう、
モデル事業として地域の支援機関との協働により、新たな職場定着の仕組みづくりを進め
てまいりたいと存じます。次に、本市の委託事業を活用した支援策につきましては、障害
者雇用短期チャレンジ事業や就労支援ステップアップ事業を通じて、障害者雇用への意欲
や雇用管理能力の向上に向けて取り組むことが重要であると考えており、他の委託業務へ
の展開については、企業における障害者雇用の状況を踏まえ検討してまいりたいと存じま
す。次に、障害者施策に係る発注に際しましては、障害者雇用を民間領域で積極的に進め、
職場定着や実習の受け入れに実績を残している企業が評価される仕組みを導入していると
ころでございます。今後、さらなる展開が図られるよう、関係部局と連携しながらこうし
た取り組みを推進し、民間企業の障害者雇用意欲を高めていくことが重要であると考えて
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
おります。
次に、福祉センター跡地活用施設整備についての御質問でございますが、福祉センター
跡地活用につきましては、昨年3月に基本計画を策定し、事業者募集等の整備に向けた準
備を進めてきたところでございます。一方で、これまで地域や市議会の皆様から御要望を
いただいておりました南部地域における障害者入所施設につきまして、昨年9月に市長が
県知事に対しまして本市の状況と整備の必要性を説明し、知事の理解が得られたことによ
り、公有財産の有効活用や計画の実効性といった観点から、福祉センター跡地活用施設に
おける障害者入所施設併設の可能性を検討する必要性が生じたため、スケジュールを変更
したものでございます。今後の整備スケジュールにつきましては、来年度に基本計画の改
定を行うとともに市の総合計画へ位置づけ、平成28年度以降に施設の整備や運営を行う事
業者を決定し、基本・実施設計、建設工事を経て、平成32年度の開所を目指してまいりま
す。また、障害者入所施設に係る定員及びその他の併設機能や規模などにつきましては、
障害者施策に係る国の動向や第4次ノーマライゼーションプラン等を踏まえ、検討を進め
てまいりたいと存じます。
次に、障害者差別解消法についての御質問でございますが、同法では、全ての国民が、
障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生
する社会の実現に資することを目的とし、障害者を取り巻くあらゆる政策領域においてそ
の取り組みを進めることとされております。本市におきましては、国の基本方針と今後こ
れに即して示される対応要領、対応指針等を踏まえて、関係部局による全庁的な検討を行
うとともに、差別解消に向けた広報、周知や相談等に係る協議などを行うサービス事業者、
当事者団体、教育関係者、行政等で構成される障害者差別解消支援地域協議会の設置を検
討してまいります。中でも、精神障害を含む障害者への差別や偏見が生ずることの根底に
は障害への理解不足があると認識しておりますことから、関係機関・団体との連携協働に
より、市民へ一層の啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、高齢者の雇用に係る民間企業との連携についての御質問でございますが、高齢者
の雇用につきましては、神奈川県が川崎市を含む県下全域を対象とした株式会社セブン-
イレブン・ジャパンとの包括協定を平成23年7月に締結し、今年度から高齢者の雇用対策
に取り組んでおります。具体的には、高齢者の雇用機会の拡大を目指し、県の就業支援施
設「シニア・ジョブスタイル・かながわ」におきまして、60歳以上の方を対象としたコン
ビニエンスストア業界説明会を開催したところでございます。今後におきましても、県と
連携し、情報交換を行いながら、高齢者の就労支援の取り組みを促進してまいりたいと存
じます。
次に、雇用創出事業についての御質問でございますが、初めに、平成26年度の成果につ
きましては、本年1月末までに18人を採用し、正社員16人、アルバイト30人、研修中18人
の合計64人がアイエスエフネットグループに在籍しております。また、就労困難者の就職
を市内企業にも広める目的で、雇用創出をテーマに企業の担当者向けセミナーを3回実施
し、延べ約180人、100社の参加をいただいております。次に、平成27年度につきましては、
犯罪歴のある方やひきこもりなどで採用されにくい就職困難者や短期間に離就職を繰り返
す就労困難者の能力等を分析し、安定した雇用や就労を可能とした支援スキームに基づき、
市内企業にも同様の雇用が可能となるような事業実施を進めてまいりたいと考えておりま
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
速報版
す。
次に、国民健康保険条例の改正についての御質問でございますが、初めに、賦課制度の
見直しに伴う周知についてでございますが、全ての国民健康保険加入世帯に対しまして、
3月末に制度の見直しについてのお知らせを送付するほか、4月及び5月には、国におけ
る制度改正や法定の軽減措置などにつきましても御案内する予定でございます。次に、保
険料の負担が増加する世帯や納付が困難な世帯に対しての対応と取り組みについてでござ
いますが、シミュレーション上、負担が増加する世帯も対象といたしまして、保険料の軽
減・減免制度や納付相談を御案内する専用のリーフレットを作成し、窓口に来所した際の
御案内や各種送付物に同封するなど、積極的に納付相談を勧奨するとともに、納付困難な
旨の申し出があった場合には、現況の収入状況等を踏まえ、保険料の軽減や減免制度の適
用を判断するなど、実情に即したきめ細やかな納付相談に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
○副議長
飯塚正良
まちづくり局長。
〔まちづくり局長
○まちづくり局長
金子
金子
督
督登壇〕
まちづくり局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、防災都市づくり基本計画案についての御質問でございますが、初めに、策定の
目的についてでございますが、本計画では、効果的な予防対策を定めるとともに、復興都
市づくりのプロセスを事前に明示することにより、今後目指すべきまちづくりの方向性を
市民等と共有しながら、いつ発生してもおかしくない大規模災害に備えることを目的とし
ております。次に、本計画案の特徴につきましては、近年多発する豪雨や巨大地震などの
さまざまな災害リスクを対象としていること、過去の災害を踏まえた教訓から地域防災力
を支える自助、共助の重要性を柱に据えていること、予防と復興の両面を兼ね備えた総合
的な計画であることなどが挙げられます。次に、今後の取り組みについてでございますが、
策定時においては、周知啓発用のパンフレット等を作成の上、幅広いPR活動を進め、地
域からの要請があった場合には出前説明会などの実施も検討しております。また、市民に
地域の災害リスクを正しく理解していただき、自助、共助の促進へのきっかけとなるよう、
多岐にわたる災害リスク情報をインターネット上で一元化した災害リスクマップを作成す
るとともに、防災上の課題を有する地域においては、地域防災力の向上に向けた住民活動
の初動期を行政が支援する、地域住民との協働による防災まちづくりに取り組んでまいり
たいと考えております。
次に、国土強靱化地域計画や地域防災計画との関連についてでございますが、地域防災
計画は本市の防災分野の全般を網羅した総合的な計画であり、本計画案はこれに基づき、
まちづくり分野で取り組むべき予防施策や都市復興の策定プロセス等を取りまとめたもの
でございます。また、国土強靱化地域計画につきましては、地域の強靱化に関する事項に
ついて、地域防災計画はもとより、行政全般に係る既存の総合的な計画の指針となるもの
として、本市でも策定に向けた検討が進められているところでございます。本計画案につ
きましては、今後の策定が予定される同地域計画における住宅・都市分野等への反映を想
定し、関係部局との連携を図りながら取りまとめてきたところでございます。
次に、低炭素都市づくり・都市の成長への誘導ガイドライン案についての御質問でござ
いますが、初めに、本ガイドライン案を導入した場合に期待される効果、メリットについ
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
てでございますが、これまで容積率の割り増しについては、計画地内に創出する空地のみ
を評価の対象としておりましたが、この案は、高度利用を図るべき拠点地区等において、
民間開発における地球環境への配慮や都市の成長に資するさまざまな都市機能、防災機能
等の導入への積極的な取り組みについて、容積率を割り増す対象として評価するものでご
ざいます。このガイドライン案を導入することにより、地球環境や地域のエネルギー効率
化に貢献する先進的なシステムの導入や人口減少社会に対応した都市機能、大規模災害に
備える施設の整備などを促進、誘導することが可能となりますので、都市の低炭素化や持
続的な成長、地域の安全・安心のまちづくり等が促進できるものと考えております。
次に、評価基準の明確化についてでございますが、このガイドライン案において評価の
対象とする環境配慮については、その技術が日進月歩であり、その時々における先進的な
取り組みを適切に評価するためには固定的な基準を示すべきではないと考えております。
また、都市機能や都市防災、都市空間については、開発計画地周辺の特性や地域のニーズ
に対応した整備が必要であることから、あらかじめ基準を明確にすることは困難であると
考えております。そのため、この案においては、その時々における先進的な取り組み、ま
たは地域特性などに応じた適切な機能等の導入がなされているかを適正に評価できるよう
に、学識者により構成する仮称評価委員会において審査することとしております。この委
員会の審査では、環境配慮の取り組みの先進性とあわせて、計画におけるエネルギー効率
やCO2削減値、さらには、その他の取り組みの地域における効果等が評価の過程におい
て明らかになると考えております。次に、選定内容の透明性についてでございますが、こ
の委員会により評価いただいた結果については、評価の対象とした取り組み及び評価の理
由等を都市計画審議会に報告するとともに、一般に公表する予定でございますので、透明
性は確保できるものと考えております。
次に、鉄道交通についての御質問でございますが、初めに、南武線の輸送力強化につき
ましては、昨年10月から、従来の車両より定員が約1割増加する新型車両が順次導入され
ているところでございますが、さらなる輸送力の強化に向けて、現在6両編成で運行して
いる列車の長編成化や運転本数の増加等について、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議のほ
か、今回締結した包括協定による協議の場などにおいても、JR東日本に対し要望を行っ
ているところでございます。次に、安全対策についてでございますが、ホームドアの設置
につきましては、今年度より1日当たりの駅乗降者数が10万人以上の駅を対象とした補助
制度を創設し、今年度は東横線武蔵小杉駅、来年度は大井町線溝の口駅への設置に対して
補助を行い、ホームドア設置を促進してまいります。また、東急電鉄につきましては、2020
年を目標に市内の全駅にホームドアを設置することが公表されましたが、その他の鉄道事
業者に対しましてもホームドア設置を初めとした安全対策が行われるよう、同会議を通じ
て要望しているところでございます。
次に、JR東日本との包括連携協定についての御質問でございますが、初めに、市民の
皆様にとっての主な効果についてでございますが、新駅の設置等による南武線、南武支線
の利便性、快適性向上や子育て支援施設の整備による子育て環境の充実、踏切の改善、解
消等による暮らしの安全・安心の向上などのさまざまな効果が期待されるところでござい
ます。次に、仮称小田栄新駅の設置についてでございますが、平成27年度末の開業を目標
といたしまして、位置や構造等の調査検討を進めているところでございます。本市といた
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しましては、利便性、快適性の向上のために南武支線の増発も大変重要と考えております
ので、今後、同社と連携し、検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございま
す。
○副議長
飯塚正良
〔港湾局長
○港湾局長
奥谷
港湾局長。
奥谷
丈
丈登壇〕
港湾局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、ポートセールスについての御質問でございますが、平成23年に川崎港戦略港湾
推進協議会を設置し、官民一体で積極的に展開しております。その成果としましては、平
成24年度には3つの航路が開設され、さらに、平成26年度においても川崎港と煙台、大連
等を結ぶ新規コンテナ定期航路が開設されたところでございます。加えて、平成26年4月
から東南アジア航路では船舶が大型化し、川崎港コンテナターミナルでは過去最大のコン
テナ船が定期寄港するようになりました。また、コンテナ貨物取扱量も毎年順調に伸びて
おり、利用者からの聞き取りによりますと、平成26年はコンテナ1号岸壁向けに約700隻が
入港し、取扱量は6万5,000TEUを超えて、過去10年で最高となる見込みであります。ち
なみに、平成25年の取扱実績をもとに、本市への経済波及効果を試算したところ、総額約
35億円と算出しているところでございます。一方、課題としましては、利用者や取扱量が
急増している中で、川崎港のセールスポイントの一つであります荷主などへのきめ細やか
な応対や円滑なターミナルオペレーションを引き続き確保できるように取り組む必要があ
ると認識しております。新年度の取り組みにつきましては、ハード、ソフト両面で川崎港
の魅力を高め、東南アジア方面との新規航路の開設など、さらなる航路の拡充に向けて取
り組んでまいります。
次に、港湾運営会社についての御質問でございますが、初めに、特例港湾運営会社が得
られるメリットについての取り組み状況でございますが、現在、川崎臨港倉庫埠頭株式会
社が川崎コンテナ1号岸壁を国から直接借り受け、本市の指定管理施設と一体的に運営し、
川崎港の特徴を生かした民の視点での営業活動を展開しております。また、無利子貸付制
度や税制優遇措置につきましては、現段階において川崎臨港倉庫埠頭株式会社には対象と
なる施設の整備計画がないと伺っております。次に、経営統合についての協議状況でござ
いますが、既存の埠頭会社を活用するなど、地域性を尊重した京浜港にふさわしい統合形
態を3港で検討しており、本市としましては、平成27年度中の統合を目指し、協議を進め
てまいりたいと考えているところでございます。
次に、臨港道路東扇島水江町線事業についての御質問でございますが、初めに、整備概
要につきましては、東扇島と水江町を結ぶ延長約3キロメートルの往復4車線で片側に歩
道を設置した道路でございます。主な構造としては、全長約700メートルの斜張橋となって
おります。なお、現在、国において、現地工事に向けた契約手続が進められていると伺っ
ております。次に、周辺関連事業としましては、東扇島において臨港道路幹線5号道路、
外貿9号道路の拡幅や埋設管移設等があり、水江町側においては、臨港警察署前交差点、
池上町交差点、塩浜交差点の改良を行うこととしております。関連事業費の概算額としま
して約12.5億円を見込んでおり、うち平成27年度は約3.3億円を計上しております。また、
整備効果につきましては、災害時には緊急物資の輸送路となり、平時においては臨海部の
物流機能を強化する交通基盤となり、現在、課題となっている臨海部における交通ネット
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
ワークの充実及び島内の交通混雑への欠かせない解決策の一つと考えております。以上で
ございます。
○副議長
飯塚正良
〔病院局長
○病院局長
病院局長。
船橋兵悟登壇〕
船橋兵悟
病院局関係の御質問にお答え申し上げます。
がん対策についての御質問でございますが、初めに、がんによる死亡者減少への取り組
みについてでございますが、市立3病院では、現在、川崎市がん検診の登録医療機関とし
て、年間で合計約1万3,000件の各種がん検診を行っております。また、他の医療機関での
検診受診者も含め、がんの疑いがあると判定された方の精密検査や治療についても積極的
に受け入れているところであり、引き続き、早期発見、早期治療に取り組んでまいります 。
次に、がん患者と家族の苦痛の軽減への取り組みについてでございますが、医師、看護師 、
栄養士など、がんの専門知識を有する多職種から成る緩和ケアチームを設置し、主治医と
連携して患者及び家族の身体的、精神的なケアに努めているところでございます。また、
地域がん診療連携拠点病院である井田病院におきましては、がんに関する相談支援を行う
がん相談支援センターや患者同士が語り合う場としてがんサロンの設置を行うなど、患者
及びその家族のケアに積極的に取り組んでおります。今後の取り組みにつきましては、来
年度に次期の病院事業経営健全化計画を策定する中で、高齢化に伴うがん患者の増加によ
る医療需要を踏まえ、それぞれの病院の特色を生かしたがん対策のさらなる推進について
検討してまいります。
次に、井田病院についての御質問でございますが、初めに、市民との協働についてでご
ざいますが、現在86名のボランティアが在籍し、患者案内、園芸、介護などさまざまな領
域で力を発揮していただいておりまして、井田病院の運営にはなくてはならない存在とな
っております。今後につきましても、新棟全面開院に伴い病床が拡充し、患者数も増加し
てまいりますので、引き続き積極的に推進してまいります。次に、交通アクセスについて
でございますが、病院利用者の利便性の向上を図るため、武蔵小杉駅から無料シャトルバ
スを運行しており、再編整備終了までは試行運転を継続することとしております。また、
駐車場の混雑についてでございますが、今後整備する立体駐車場が完成することにより状
況は緩和されるものと考えておりますが、交通アクセスとあわせ、本年度、院内にプロジ
ェクトを設置し、関係局との協議も含め検討を行っているところでございます。次に、待
ち時間対策についてでございますが、これまでも外来待ち状況を表示する端末の導入や有
人の外来会計窓口の新設など対策を行ってまいりましたが、1日当たりの外来患者数は再
編整備前と比べ約200人増加し、現在700人を超えている状況でございます。このため、軽
症や症状安定後の患者さんにつきましてはかかりつけ医へ逆紹介を行うなど、地域医療連
携の取り組みにより対策を進めているところでございます。次に、ターミナルケアの拡充
についてでございますが、高齢化が進む中、今後さらに重要性が増してくるものと認識し
ておりまして、平成26年5月には20床だった緩和ケア病床を23床に拡充するとともに、緩
和ケアを担う医師の育成を行うなど、機能強化に努めているところでございます。また、
既存の緩和ケア病棟につきましても今年度に内装工事を行うなど、利用者がより快適に過
ごせるよう取り組んでおります。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
後藤議員。
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
○55番
後藤晶一
第3日(2月26日)
速報版
それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは、再質問の前に、
1点要望を申し上げます。学校の司書配置についてですけれども、司書配置の目的は、図
書館を整備充実し、子どもたちの読書環境を整え、本に親しみながら読む力を育み、学校
図書館を活用した教員の授業を支援することで、21世紀を生きるための情報活用能力を育
てることです。今後は学校図書館の職務に従事する専門職員として、また、待遇について
は現コーディネーター等と同等にし、資格要件には、司書、司書教諭などを配置すべきと
考えます。かわさき教育プランの学校司書の定義に反映し、取り組むよう要望をいたしま
す。
それでは、再質問に移ります。初めに、予算編成について伺います。答弁では、昨年は
194億円の収支不足が見込まれ、本年も多額の収支不足が想定をされたので、中長期の財政
状況を勘案し予算編成を行ったということでありますけれども、2年連続して収支不足と
なり、大変厳しい財政状況と指摘せざるを得ません。再度市長の見解を伺います。また、
減債基金からの借り入れが常態化しておりますけれども、借り入れなく収支均衡を図るべ
きですが、再度見解を伺います。
次は、子育て支援策について再度伺います。保育所待機児童ゼロの実現ですが、市長は 、
待機児童の解消の実現へ向け、懸命に努力してまいりますとの答弁ですが、女性の社会進
出や経済情勢の変化による共働き世帯の増加、就労形態の多様化や核家族化が進む中、本
市の保育ニーズは過去最高となっています。特に、1歳児、2歳児の受け入れに対する小
規模保育の拡充や子育て世代等の多い地域ニーズに対する課題解消が求められます。具体
的な取り組みを市長に伺います。
関連して、わくわくプラザ事業について伺います。本市では全ての小学生を対象に、保
護者の就労のいかんにかかわらず、放課後の児童の安全な居場所の確保を目的に、厚生労
働省の放課後児童健全育成事業を包含した事業としてわくわくプラザ事業を実施していま
すが、さらにこの事業を拡充する必要があると考えます。従前より我が党が主張している
障害児対応を含むスタッフの拡充、学習支援の強化、開設時間の拡大、十分な遊び場の確
保等に向けた取り組みを伺います。また、新規事業である地域子ども・子育て活動支援助
成モデル事業との関連性についても伺います。
次に、障害者施策について再度伺います。就労支援ですが、答弁では、障害者が一般就
労へ移行することについて、障害者本人の経済的自立に資するほか、障害福祉サービス事
業利用に伴う経費の伸びの抑制にもつながり、本市の財政面でも一定の効果があるとの見
解が示されました。今後のさらなる障害者の就労、定着支援に向けた市長の決意を伺いま
す。関連して、障害者スポーツ振興ですが、市長は施政方針の中で、東京オリンピック・
パラリンピックに向けて、とりわけパラリンピックについてはしっかり取り組んでいく、
このように示されました。また、さきの市内のスポーツ人の集いの挨拶で、ポストパラリ
ンピックを見据え、障害者のスポーツ振興にしっかりと取り組んでいくと大変力強い決意
を述べられました。そこで、これまで我が党が要望をしてまいりました障害者専用のスポ
ーツセンターの整備を総合計画にしっかりと位置づけ、取り組むべきと考えますが、見解
を伺います。あわせて、国も新年度、各自治体と連携し、モデル地域で小中学校の総合学
習を活用しての障害者との体験交流や各障害者団体との政令市単位の交流などを進めてい
ます。本市もモデル地域に手を挙げて進めるべきと考えますが、見解を伺います。
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
次は、水素社会の実現についてです。燃料電池自動車の販売も始まり、国や県の助成と
ともに、横浜市や相模原市など他政令市では1台50万円の助成制度も創設いたしました。
本市の燃料電池自動車導入の概要と助成制度創設の取り組みを再度伺います。
交通施策について再度伺います。市長の答弁では、バス等の公共交通の充実は、地域の
交通課題の解決や高齢者の外出支援など、市民生活を支える身近な移動手段として、ます
ます重要性が高まるものと認識しているとの見解を示したものの、具体的な取り組みにつ
いては旧態依然としたものでした。高齢化が進む中、日常生活で必要とされる施設等を循
環するミニバスの導入を求める市民の声は日増しに強くなっています。現在、策定を進め
る総合計画に自治体主導のミニバス導入を位置づけるべきです。また、市民アンケートを
実施し、総合計画に反映させるべきですが、市長の見解と取り組みを伺います。以上です 。
○副議長
○市長
飯塚正良
福田紀彦
市長。
まず、財政状況等についての御質問でございますけれども、平成26年
度の普通交付税大綱により臨時財政対策債が大幅な減となりましたことが、平成26年度の
執行にとどまらず、平成27年度以降の収支にも大きな影響を及ぼしたところでございます。
それへの対応といたしまして、平成26年度には全庁を挙げて執行抑制措置を行い、また、
平成27年度予算編成におきましても、債権確保策の強化や事業手法の転換など、歳入歳出
両面におけるさまざまな取り組みを強力に進めたところでございますが、これによっても
収支不足の解消には至らず、過渡的な対応として、平成26・27年度ともに減債基金を活用
することといたしました。平成28・29年度につきましては、これまで計画的に進めてきた
施設整備等のため、財政需要がさらに増加をいたします。その後、平成30年度には収支不
足が大幅に圧縮される見込みでございますが、できる限り早い段階でこの状況から脱却す
ることが不可欠であると考えております。したがいまして、臨時財政対策債の発行がない
中でも、減債基金の活用に頼らずに収支が均衡するような財務体質を目指し、引き続き行
財政改革の取り組みを着実に進めるとともに、計画的に事業を推進し、また、成長分野に
もしっかりと投資を行うこと等により、市税を初めとした収入の確保に努めることを通じ
て、持続可能な行財政基盤を構築してまいりたいと考えております。
次に、待機児童の解消についての御質問でございますが、本市におきましては、ゼロ歳
児から2歳児までの入所保留者が非常に多くなっているとともに、中原区、高津区などの
特定の地区において保育需要が急増している状況がございます。つきましては、地域ごと
の保育需要を勘案し、本年3月に策定を予定しております子ども・子育て支援事業計画の
中の教育、保育の量の見込みと確保方策に基づきまして、引き続き小規模保育事業の拡充
や認可保育所の整備等を図り、必要となる地域にしっかりと保育の受入枠を確保し、効果
的な待機児童の解消に努めてまいりたいと考えております。
次に、障害者施策についての御質問でございますが、初めに、就労支援についてでござ
いますが、障害者の働く意欲を実現できる自立と共生の地域社会を目指し、30の行動にチ
ャレンジする川崎市障害者雇用・就労促進行動計画を昨年3月に策定したところでござい
まして、この間、障害者雇用短期チャレンジ事業やNPO法人ピープルデザイン研究所と
の協働による就労体験事業など、就労体験の場を拡大し、障害者本人と企業の双方が障害
者雇用への意欲向上に資する川崎発の新たな取り組みを進めてきたところでございます。
今後につきましても、障害者がその人らしく働くことを通じた笑顔あふれるまちづくりに
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平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
速報版
向けて、市民、企業、事業者など、あらゆる主体の皆様の協働のもと、さらなる障害者雇
用・就労の促進に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、障害者専用のスポーツ施設につきましては、既存のスポーツ施設を有効活用し、
障害のある人も、ない人も、ともに利用しやすい環境整備を進めていくことが基本である
と認識しているところでございます。次に、障害者スポーツの普及啓発についてでござい
ますが、本市では、東京オリンピック・パラリンピックに向けては、特にパラリンピック
に重点を置き、かわさきパラムーブメントを基本方向として、障害者スポーツの普及発展
に取り組んでいるところでございます。そのためには、障害者はもとより、広く市民の方々
の理解を深めていくことが重要でございますので、国のモデル事業なども活用しながら、
関係団体と連携し、多様な方々が自然にまじり合って、誰もが生き生きと暮らせる社会を
目指し、取り組んでまいります。
地域の交通施策についての御質問でございますが、市内の狭隘道路地区におきましては、
今後、高齢化が進む中、きめ細やかな路線バスサービスの一環として小型バスを導入する
ことは、有効な手段の一つであると考えております。一方で、公共交通として持続可能な
運行の確保が重要であり、コストや需要などがバス事業者にとって大きな課題であると伺
っておりますことから、小型バスの導入につきましては、事業者を初め、関係各機関との
十分な協議など、検討が必要になるものと考えております。いずれにいたしましても、身
近な地域交通環境の充実に向けた施策につきましては、新たな総合計画へ適切に位置づけ
てまいりたいと考えております。以上です。
○副議長
飯塚正良
○こども本部長
こども本部長。
成田哲夫
わくわくプラザ事業についての御質問でございますが、同事
業につきましては、国の放課後子ども総合プランの趣旨と方向性が一致していることや、
子ども・子育て支援事業計画における量の見込みに対し対応が可能であることなどから、
今後におきましても、事業の充実拡大を図りながら、着実に推進してまいります。なお、
民間の放課後児童健全育成事業につきましては、さまざまな運営形態により、英会話や学
習塾など多様なサービスが提供されている状況などを勘案し、新たな助成は行わず、下水
道使用料及びごみ処理手数料の減免措置等の従来の支援を継続してまいります。次に、わ
くわくプラザ事業の充実拡大に向けた取り組みについてでございますが、初めに、スタッ
フにつきましては、1カ所当たり4名を基本としながら、利用人数や障害児の利用状況に
応じ必要なスタッフを配置するなど、指定管理者と調整を図ってまいります。2つ目に、
学習支援につきましては、宿題、自習等に取り組む時間を設けるほか、学習アドバイザー
を配置するなど、学習活動を自主的に行う環境を整えてきたところでございまして、今後
も充実に努めてまいります。3つ目に、開設時間の拡大につきましては、平成20年度から 、
子育て支援・わくわくプラザ事業を18時から19時まで実施しております。長期休業期間中
における朝の開所時間を早めることについて要望が多くあることから、学校や指定管理者
と学校施設の利用方法やスタッフの配置等の課題について協議検討を進めてまいります。
4つ目に、遊びの場の確保につきましては、学校との調整により、校庭や体育館、多目的
室などを活用しているところでございます。今後につきましても、年齢やニーズに応じた
遊びや活動の充実を図るため、学校や指定管理者と運営について協議調整を進めてまいり
ます。
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速報版
平成27年(2015年)第1回川崎市議会定例会会議録
第3日(2月26日)
次に、地域子ども・子育て活動支援助成モデル事業についてでございますが、地域の子
育てが希薄化している中で、地域と連携した小学生の健全育成のための民間の活動を後押
ししていくことは重要であると考えており、平成27年度よりモデル事業を新たに行ってま
いりたいと存じます。これにより、非営利の民間の放課後児童健全育成事業者が、保護者
の就労のいかんにかかわらず、利用児童を分け隔てなく対象とし、地域とのつながりを持
って、継続的かつ日常的に活動する等の諸条件を満たした自主的な活動を行う場合に、モ
デル的に助成を行うものでございます。以上でございます。
○副議長
飯塚正良
○環境局長
環境局長。
小林哲喜
燃料電池自動車についての御質問でございますが、本市におきま
しては、水素エネルギーの積極的な導入と利活用による未来型環境・産業都市の実現を目
指しているところでございます。燃料電池自動車は水素エネルギーを活用し、走行時に水
しか排出しない究極のエコカーと言われており、平成27年度におきましては、啓発活動で
活用するために導入を予定しております。次に、燃料電池自動車の助成制度につきまして
は、国が202万円、神奈川県が101万円を設けており、これら両方を受けることにより、1
台420万円程度で購入することが可能となっております。また、自動車メーカーによります
と、生産可能台数を大きく上回る注文があるとのことでございまして、本市におきまして
は国や県の助成制度の周知に努めることとしておりますが、未来型環境・産業都市の実現
を目指すためには、燃料電池自動車を普及させることも重要でございます。今後、燃料電
池自動車の普及状況や水素ステーションの整備状況等を踏まえながら、燃料電池自動車の
普及策について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長
○55番
飯塚正良
後藤晶一
後藤議員。
それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは、要望を申し上げ
て終わりたいと思いますけれども、障害者のスポーツ施設ですけれども、既存施設を活用
するということの答弁でした。とどろきアリーナの障害者のトイレは、市長さん御存じか
どうかわかりませんけれども、男女それぞれ1カ所ずつ、そしてサブアリーナには各階に
1カ所ずつしかないんですね。これでは各団体等の障害者スポーツの普及振興にはほど遠
いと言わざるを得ません。既存施設の環境整備の認識はされているとのことですので、東
京オリンピック・パラリンピックを見据え、早期に障害者のスポーツ環境を整備すること
を指摘、要望して、私の質問を終わります。以上です。
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○副議長
飯塚正良
お諮りいたします。本日はこの程度にとどめ延会することとし、次
回の本会議は明日27日の午前10時より再開し、本日に引き続き代表質問等を行いたいと思
いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長
飯塚正良
御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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○副議長
飯塚正良
本日はこれをもちまして延会いたします。
午後4時43分延会
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第3日(2月26日)
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