情 報 活 用 能 力 育 成 の ため に

2 1 世 紀を 生き抜く児 童 生 徒 の
情 報 活用 能 力
育 成 のため に
「 情 報 活 用 能 力 調 査 」の結 果から見る
指 導 改 善のポイント
平成27年3月
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情 報 活 用 能 力 調査の概要
調査目的
調査の目的は、児童生徒の情報活用能力育成に向けた施策の展開、学習指導の改善、教育課程の検討のための基礎資料を得ることです。
調査対象
国公私立の小学校第5学年児童
(116校3,343人)
・中学校第2学年生徒
(104校3,338人)
を対象としました。
調査実施時期
調査の実施時期は、平成25年10月∼平成26年1月です。
調査内容
情報活用能力を構成する次の3つの観点から出題しました。
①情報活用の実践力 ②情報の科学的な理解 ③情報社会に参画する態度
調査方法
調査は、コンピュータに問題を提示し、コンピュータ操作で解答する形式で実施しました。
児童生徒は、キーボードを使った文字入力問題と4つの小問からなる大問を4問解答しました。
(小学校60分、中学校68分で小問16問に解答)
また、学校や家庭におけるICT機器の使用などに関するコンピュータによる質問調査も実施しました。
○ 子供たちの情報活用能力の育成
教育の情報化の推進
○ ICTを効果的に活用した分かりやすく深まる授業の実現
○ 校務の情報化の推進
本調査は、
「子供たちの情報活用能力」の状況を調査したものです。
情報活用能力とは
情報活用能力とは、情報及び情報手段を主体的に選択し、活用していくための個人の基礎的資質で、
次の3観点8要素に整理されています。
情報活用 能力の3 観点8要素
:8要素
:3観点
情報の
科学的な理解
自らの情報活用を
評価・改善するための
理論や方法の理解
情報手段の特性の理解
情報活用の
実践力
必要な情報の主体的な
収集・判断・
表現・処理・創造
受け手の状況などを
踏まえた発信・伝達
課題や目的に応じた
情報手段の適切な活用
情報社会に
参画する態度
情報や情報技術の
役割や影響の理解
情報モラルの必要性
情報に対する責任
望ましい情報社会の
創造への参画
2
情報活用能力育成のために
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1 | 学習課題を設定し、学習の見通しをもつ。
情報活用能力を
育成する
学習活動例
動画をみて、
自然保護について
考えてみましょう。
「課題に応じて必要な情報を集め意見文を書く
(国語)」
一連の学習活動の中で
情報活用能力を育成しましょう。
皆で意見を
交流したいな。
解決の方法は
ないのかな。
「自然保護」について、必要な情報を集めて意見文を書く
という見通しをもつ。
2 | 教科書の教材文(意見文)を読むとともに、情報を集め、考えを深める。
この図鑑の説明
だけだと
分からないことも
あるね。
意見文の
構成の仕方を
確認しましょう。
他のメディア
でもっと
詳しく調べて
みようよ。
本文は、
問題提起から
始まっているね。
教科書の教材文(意見文)を読み、意見文の構成や書き方の
工夫を学ぶ。
自 分で 選んだ 本 や 資 料などから必 要な情 報を収 集し、
意見文を書くために必要な事柄を整理する。
3 | コンピュータを活用して意見文を書き、交流して、推敲し、清書する。
私が撮影した
この写真の方が意図が
よく伝わるのでは
ないかな。
文の構成は、
コンピュータを
使って考えると
便利だね。
自分の考えの根拠を
もっとはっきり書き
表した方がいいですね。
コンピュータで文字、グラフ、表、静止画等を統合的に扱い、根拠と
なるデータや異なる意見なども取り上げて、意見文をまとめる。
4 | 学習を振り返り、まとめる。
様々な情報を上手
に使って、説得力の
ある意 見が 書け
ましたね。
守ろう私たちの地球
データの
出典を
明記しない
とね。
お互いの意見文について、文章の書き方やデータの扱い方など
についてアドバイスし合い、修正し、意見文を完成させる。
情報活用能力を育成するとは
データをうまく使って、
根拠がしっかりある
意見文が書けたね。
情報活用能力を育むことは、必要な情報を主体的
に収集・判断・処理・編集・創造・表現し、発信・
伝達できる能力等を育むことです。また、基礎的・
基本的な知識・技能の確実な定着とともに、知識・
「自然保護」の
まとめページを
学校SNSで
共有しよう。
集めた情報やメディアを、適切に活用できたかも振り返る。
技能を活用して行う言語活動の基盤となるもので
あり、
「生きる力」
に資するものです。
〈平成23年 教育の情報化ビジョンより〉
3
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調査の結果から分かった情報活用能力の課題
課題一覧
01
情 報 活 用 能 力の育成を意識した授業の実 践
P.6 で事例を紹介
情 報 活 用 能 力 の 育 成を意 識した授 業 の 実 施 状 況 が 低 いことが 分かりました。
02
キーボードでの文 字入力
P.7 で指導事例を紹介
濁 音・半 濁 音・促 音 の 入 力 や、アルファベットやカタカナの 入 力 切り替えが
苦 手なことが 分かりました。
03
複 数データからの情報収集
P.8 で指導事例を紹介
複 数 のウェブサイトを行き来しながら情 報を比 較し、
目 的に応じて情 報を集めることが 苦 手なことが 分かりました。
04
情 報の適 切な分 類
P.9 で指導事例を紹介
複 数 の 収 集した情 報をいくつか のグループ に分 類 することが 苦 手なことが 分かりました。
05
表やグラフの比較による分 析
P.10 で指導事例を紹介
表 やグラフから読 み取 れる情 報を説 明・分 析 することが 苦 手なことが 分かりました。
06
適 切なグラフの作 成
P.11 で指導事例を紹介
数 値 情 報をグラフで 伝える際 、適 切なグラフの 種 類 の 選 択 や
目 盛 の 値 等 の 読 み取りが 苦 手なことが 分かりました。
07
受け手を意識した資料作成や 発 表
P.12 で指導事例を紹介
見 出しの 作 成 や 貼り付ける写 真を選 択 する際 、受け手をあまり意 識できていないことが 分かりました。
08
情 報に基づ いた課題解決の提 案
P.13 で指導事例を紹介
課題解決の提案をする際、その根拠となる情報を説明することが苦手なことが分かりました。
09
インターネット上での情報発信の特 性の理解
P.14 で指導事例を紹介
ウェブサイトの 信 頼 性 の 判 断 基 準 や、情 報 発 信 者として注 意 する点に関 する知 識 が
不 足していることが 分かりました。
10
インターネット上でのトラブル 遭遇時の対 応
P.15 で指導事例を紹介
インターネット上でのトラブル の 兆 候に気 づくことや、トラブル の 適 切な対 応 方 法に
関 する知 識 が 不 足していることが 分かりました。
調査の詳細及び調査結果の詳細な分析は、
ht tp: // jouhouka.mex t .go.jp/
4
をご覧ください。
情報活用能力育成のために
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指導事例の見方
1
情 報 活 用 能 力 調 査 の 結 果 から
分かった改 善 のポイントで す。
2
情 報 活 用 能 力 調 査 の 結 果を
示しています。
1
2
3
4
5
6
3
4
調 査 結 果 から分 かった 課 題を
踏 まえて、情 報 活 用 能 力 育 成
のために必要とされる指導の例
を示しています。
指導事例の基本情報
(校種・学年・
教科等・単元名)
と単元全体の
学習活動例を示しています。
5
指導事例における主な学習活動例
と指導のポイントを示しています。
6
他学年や 他教科等での
指導事例を示しています。
※ここで例示している学習活動は
単元 全体における1単位時間
の中のある特定の場面です。
※ 情 報 活 用 能 力 の 育 成 に は、
この事例にある指導だけでは
なく単元間のつながりを意識し、
単元全体を貫いた 学習指導を
構成することが大切です。
5
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調査の結果
改善
ポイント
情報活用能力の育成を意識した授業の実施状況が低いことが
分かりました。
01
必要とされる取組
情報活用能力の
育成を意識した
授業の実践
Case Study
事例
○ 校長がリーダーシップを発揮し、情報活用能力の育成
に関する校内研修や模擬授業の実施を工夫すること。
○ 日常の授業で指導している内容や場面を、情報活用能力
の視点から振り返ること。
○ ICT支援員等の外部人材の活用をすること。
情 報 活 用 能 力を育てる具 体 的な内 容と
場 面につ いての 理 解を深める
ポイント
校内でのスポット研修を繰り返し行う。
● 校内での現職研修の中に、
情報活用能力の育成に
関する授業研究を位置付ける。
● 日常の授業で取り上げている内容を、
情報活用能力
の視点から見直す。
●
取組例
1
校内でのスポット研修
スポット研修
職員室でのスポット研修のイメージ
年間を通して、会議後などに15分程度の研修時間を
作る。本指導資料の1項目ごとや教育の情報化に
関する手引き(P80-97)の1節ごとに内容を取りあげる
など、短時間の研修を実施する。
● 校内の職員が講師となり、
ICTにつ いての詳しい
知識がなくとも、資料の輪読、感想の交流の進行を
務めるだけでも良い。ICT支援員が講師となることも
考えられる。
● 現在担任している学年での指導につなげる視点と
して、教育の情報化に関する手引き(P17-26)を参考
にする。
● 本指導資料の事例を学校のICT環境の場合の実際
の指導として取り上げ、指導場面を体験する。
●
取組例
2
情報活用能力の
育成に関する授業実践
授業研究
校内研究のテーマとは別に、現職研修の一つとして
授業実践を行う。その際、基礎資料として、本指導
資料の指導事例や、教育委員会や関連団体等が作成
している情報活用能力の育成に関する指導資料を
用いて、研修をすすめる。
● 校内研究のテーマに沿って実施された授業を、
情報
活用能力育成の視点から検討する。日常の授業の
中で、情報活用能力の育成に結び付く学習活動が
行われていることを確認する。
●
その他の取組例
教育委員会単位で、情報活用能力育成に関する
授業公開と参観、研究会の機会を作る。
6
校長が中心となって、教職員向けに教育の情報
化 に 関 連した 話 題 や 情 報 活 用 能 力 の 育 成 に
関する便りを発行する。
校内でのICT活用研修の内容を、ICT機器の操作
方法の研修から、児童生徒がICTを用いて主体
的・協働的に情報を活用するための指導内容の
研修へと移行する。
情報活用能力育成のために
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調査の結果
改善
ポイント
濁音・半濁音・促音の入力、アルファベットや
カタカナの入力切り替えが苦手なことが分かりました。
02
必要とされる指導の例
キーボードでの
文字入力
Case Study
単元
小学校事例
活動例
○インターネットによる検索だけでなく、コンピュータを
使って文章を書く学習活動を取り入れること。
○ 社 会 科 見 学 や 理 科 の 観 察・実 験レポートを書く際、
コンピュータを使って作成する学習活動を取り入れること。
「文字入力名人になろう」
( 3∼4年各教科等)
文 字 入 力の 学 習をモジュール 化して複 数の 活 動で 展 開 する
コンピュータを活用する際に、キーボードでの文字入力に関する
小ステップの内容を各教科等の活動の中に取り入れる。
①[backspace][delete][カーソル]のキーの場所と意味を知り、それぞれのキーを用途に応じて使い分ける。
②母音の位置を知り、決められた指で押下する。その際、ホームポジションを意識する。
シールの工夫
R
r
らりるれろ
③母音と子音の関係を理解し、両手の指を使って文字
入力する。
▶特に母音を押す指が理解できるようになると、子音
のアルファベットを自分で探しながら入力すること
ができる。そのために、キートップに子音が分かる
ようなシールを貼るのも良い。
R
「れ」はラ行の と
「え」の だ。
E
④長音、撥音、拗音などのローマ字入力を理解し、
短文を入力する。
▶長音などに見られるローマ字特有の表記がある
ことや、
キーボードの表示が大文字であることなど
により、子供の混乱が生じやすいので、ローマ字
表記を一覧整理したワークシート等を活用する。
⑤漢字変換の仕方や適切な文節区切り、次候補の選択
の仕方を理解し、短文を入力する。
⑥半角と全角との見分け方やアルファベット変換やカタ
カナ変換、半角変換などを理解し、短文を入力する。
キートップに貼るシールのイメージ
上記①∼⑥の内容をチェックリストにし、自己評価に活用させ、
文字入力の学習を進める際の目安とする。
また、グループ内でチェックリストを確認し合い、お互いに教え合う
活動も考えられる。
その他の取組例
−小学校− 5年・国語
−中学校− 全学年・理科
報告書、提案書や意見文を作成する場面で、分かったり、考えたりしたことを
箇条書きに入力させてから、文につなげたり、順序を入れ替えたりする。
観察や実験の結果をまとめる場面で、写真、表やグラフを挿入したレポート
を作成する。
7
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調査の結果
改善
ポイント
複数のウェブサイトを行き来しながら情報を比較し、
目的に応じて情報を集めることが苦手なことが分かりました。
03
必要とされる指導の例
複数データからの
情報収集
単元
○ 情 報 収 集 の 手 段 が 複 数 あることを意 識させ、目 的 に
合った手段を選択すること。
○インターネットでの検索ワードの選び 方によって検索
結果が異なることを意識すること。
○ 情報発信者の意図や誰に向けた情報であるかを意識すること。
○ 異なる情報手段や複数のウェブページで収集した情報
を比較させ、目的の情報を見つけ出すこと。
「青色LED開発者はなぜノーベル賞を受賞したのかを説明しよう」
( 1年国語)
Case Study
中学校事例
読む
●
青 色 L E Dに関して、調 べて分かった事 実 や 自 分 の 考えが
明 確に伝 わるように、構 成を工 夫してレポートを書く
青色LED開発者ノーベル賞受賞に関する文章を4種類読む。
ウェブページの情報が確かな情報であるかどうかを
判断する手立てを示す。
●
全員共通に印刷した4種類の資料のうち、
3つは受賞
●
信頼できること
理由が含まれているもの、1つは受賞者の個人情報
等が書いてあるものを用意し、それらを識別させる。
●
受賞の理由として必要だと思う情報にラインを引く
ようにする。
書き出す
●
著者の表示や連絡先が明らかであり、所属機関が
●
参考文献・引用が政府発表や研究データなどであること
●
適度に更新されており、最終更新日が明らかであること
●
製品などをすすめるような広告ではないこと など。
共通して記載されている情報を捉え、
付箋紙に書き出す。
ラインを引いた中から、各資料に共通して記載されて
いる受賞の理由を選択させ、付箋紙に書き出させる。
受賞理由の表現からも、発信者の意図を読み取れる
ことに気づかせたい。
●
共通していない情報や、受賞者の個人情報等の受賞
理由は、別の付箋紙に書くようにする。
優先順位
を考える
●
集めた情報を整理し、レポート作成の
ための優先順位を考える。
白色光源の実現、高品質・高性能化等の視点により
情報を整理し、優先順位を考え、重要だと考えたこと
から順に3つに絞らせたい。
必要な情報や共通して記載されている情報を探しているイメージ
この後、ワードを限定したインターネット検索(「青色LED ノーベル
賞 理由」のAND検索)
で情報を収集選択し、整理する。また、他
の情報メディアでの情報収集も行い、整理分析し、構成を工夫
して自分の考えの根拠を明らかにしたレポートを書く。
その他の指導場面
8
−小学校− 6年・国語
−中学校− 3年・社会 公民的分野
話 題 になっているニュースにつ いて情 報を集める場 面で、ニュース番 組を
見たり、複数の新聞記事を読み比べたりして、書き手の意図や工夫に気付く。
地域の人口問題やゴミ問題について情報を収集する場面で、自分の主張の
根拠となるデータを複数選択し、より相手に伝わるように処理加工する。
情報活用能力育成のために
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調査の結果
改善
ポイント
複数の収集した情報等をいくつかのグループに分類することが
苦手なことが分かりました。
04
必要とされる指導の例
情報の適切な分類
○ 集めた情報の共通点や相違点を意識すること。
○情報を可視化するために、表や図に整理すること。
○整理する観点そのものを児童生徒が考えるようにすること。
○児童生徒自身の経験と資料の中にある情報を区別すること。
単元
「くらしと絵文字」
( 3年国語)
Case Study
小学校事例
全体で
分類する
段落と段落のつながりに気をつけて説明文を読んだり、
分かりやすい説明の仕方を考えてマークを紹介する説明文を書く
身の回りで見つけたマークをXチャート(4つに分類するための思考ツール)を使い、
クラス全体で観点をもとに分類する。
分類するには、観点が必要であることを意識させ、形や色などの見た目や、調べた体験を通して見えたこと、
マークの目的や主張などの抽象的なものなど、様々な観点があることを理解できるようにする。
● 観点ごとに集めたカードに名前をつけ、
Xチャートへのカードの置き方、名前の記入場所などを全員で確認
しながら、全体で一緒に進める。
● 観点をもとに分類し、
まとまりごとに名前をつけるようにする。
●
個人で
分類する
観点をもとに個人で分類する。
観点ごとに新しいXチャートを使うようにする。
分類の視点によっては、Yチャート
(3分類)やWチャート
(5分類)
を使うこともできることを伝える。
●
●
説明する
●
最も気に入った分類の観点を選び、
選んだ理由を説明する。
(全体、グループ)
選んだ理由を説明させる活動から、分類したこと
がどう役立つのかについての言葉やフレーズを導き
出し、板書する。多様な分類の仕方があることに興味
を持たせたい。
この後、友達の分類の観点の中で行ってみたい方法を見つけ、
分類する
(ペア)。また、教科書の教材文にある説明文の構成
や書き方の工夫を活用して説明文を書く。
マークを見 つけた場 所、マークの 意 味などで構 成されたカードを
Xチャートを使って分類するイメージ
その他の指導場面
−小学校− 5年・社会
−中学校− 1年・国語
社会科見学のまとめをする場面で、見たことや聞いたことを付箋やカードに
書き出し、それを多様な観点から整理する。
説明文を書く場面で、集めた情報を観点別に整理しながら構成を考える。
9
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調査の結果
改善
ポイント
表やグラフから読み取れる情報を説明、分析することが
苦手なことが分かりました。
05
必要とされる指導の例
表やグラフの
比較による分析
○ 表やグラフの単位に目を向けるなど比較の視点を複数
示し、様々な読み取り方ができることを実感すること。
○ 統計資料や実験結果の表やグラフを読み取る際、そこから
分かったことや予想できることを説明すること。
○ 複数の統計資料を比較して、共通点や相違点を説明する
こと。
単元
「日本で女性がより良く働く環境について考えよう」
( 3年社会 公民的分野)
Case Study
中学校事例
整理する
女 性 が 社 会で 活 躍している現 状を踏まえ、これからの
社 会における男 女の 協 力につ いて考え、説 明 する
テーマに関する資料として配布された
グラフから読み取ったことを整理する。
配布資料には出典を明記しておき、情報の分析に
あたっては、データの出所を明確にすることを理解
できるようにする。
● 少人数のグループごとに、
以下の選択テーマに取り
組み、グラフの傾向から考えられる理由について
話し合わせる。
テーマ①日本の労働力率
(15歳以上人口に占める
労働力人口の割合)
の経年変化
・労働力率の全体減少傾向
・男女別の傾向
●
テーマ②日 本 の 年 齢 階 級 別(5歳 階 級 )
・男 女 別
労働力率とその経年変化
・女性のグラフにある「M字型」と呼ばれる特徴
・男性と女性とで異なる経年変化
テーマ③女性の年齢別労働力率の推移(国際比較)
・諸外国の女性の年齢別労働力との比較
による日本の特徴
・国別の経年による年齢別労働率の推移
日本の男女別労働力グラフのイメージ
意見交換
をする
●
グループで整理した内容をもとに
共通する傾向について意見交換する。
複数のグラフから事象の特徴を客観的に捉えられる
よう、各グループの意見を分類整理できるようにする。
他のテーマとして、
「日本の雇用形態別・年齢階級別女性の就業
者割合の推移」、
「日本の結婚・出産前後の妻の就業継続割合」、
「日本の年齢階級別就業率及び潜在的労働力率」、
「女性管理職
の割合、各分野における指導的地位に女性が占める割合、研究者
に占める女性の割合の国際比較」などが考えられる。
その他の指導場面
10
−小学校− 4年・社会
−中学校− 2年・数学
交 通 事 故 件 数 の 経 年 変 化 のグラフを読 み取る場 面で、長 いスパンで見 た
場合と短いスパンで見た場合を比較して、見え方が異なることを理解する。
携帯電話の複数の料金プランが書かれた表を分析する場面で、数値をもと
に一次関数のグラフを作成して、自分の使用状況に応じた料金プランを選択
する。
情報活用能力育成のために
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調査の結果
改善
ポイント
数値情報をグラフで伝える際、適切なグラフの種類や目盛の値等の
選択が苦手なことが分かりました。
06
必要とされる指導の例
○ 同じデータを複数の種類のグラフ(棒グラフ・円グラフ・折れ線
グラフ・ヒストグラム等)にして、情報の伝わり方を比較すること。
適切なグラフの作成
○ 同じ種類のグラフでも目盛の値や階級の幅、階級の初期値を
変えることによって、情報の伝わり方が違うことを意識すること。
○ 伝えたい 結 果 が 素 早く正 確 に他 者 にも分かるように
なっているか実感すること。
○ 表計算ソフト等を用いて、大量のデータのグラフ描画
も瞬時にできることを意識すること。
単元
「資料の活用 ヒストグラムや代表値を利用すること・一緒に出るならどっち?」
( 1年数学)
Case Study
中学校事例
目的に応じて資料を収集し、それらを表やグラフに整理し、
代表値や資料の散らばりに着目してその資料の傾向を読み取り説明する
ペアで2ゲームの 合 計 得 点を競うボウリング
大会に参加することになり、ペアの相手をAさん
またはBさんから選ぶ。その際、右表のスコア
(点)から選ぶことを告げる。
代表値で
比較する
Aさん: 89
129
113
118
108
81
114
123
138
118
104
109
114
123
124
109
118
124
139
137
Bさん:118
120
130
121
115
116
105
111
105
118
126
111
120
118
115
106
112
126
118
121
コンピュータを活用して平均値、中央値、
最頻値などの代表値を求め、
比較する。
ペア候補のスコアを見比べ、気付くことがあるか
尋ね、最大値や最小値、範囲にも目を向けるように
したい。
● 代表値を求め、
ペア候補の特徴を読み取るようにする。
●
ヒストグラム
で比較する
コンピュータを活用してヒストグラムを
作成し、比較する。
階級の幅を変えたヒストグラムの作成方法を確認
する。
● 階級の幅を変えたヒストグラムを複数作成させ、
自分
のペアに選んだ候補とその理由を説明するには、何点
の幅のヒストグラムがよいかを考えるようにする。
ヒストグラム
(階級の幅30点と5点)
の比較
●
話し合う
●
グループをつくり、ペアの相手に
選んだ人とその理由を発表し、話し合う。
発表の際に、ヒストグラムから読み取った特徴を根拠
として述べるようにする。
この後、他教科でのグラフを活用する学習活動に結びつける。
その他の指導場面
−小学校− 4年・理科
−中学校− 全学年・技術/家庭 家庭分野
1日の気温の変化を学習する場面で、計測した値を表に整理し、適切な目盛
の大きさを考えながら、そのグラフも作成する。
消費生活が環境に与える影響を考える場面で、電気や水道の使用量など自分
が集めてきたデータをもとに作成したグラフを挿入したレポートを作成する。
11
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調査の結果
改善
ポイント
見出しの作成や貼り付ける写真の選択をする際、受け手をあまり
意識できていないことが分かりました。
07
必要とされる指導の例
○ 資料の枚数や発表時間の制約の中で、受け手の状況を踏ま
えた、発表資料の構成を考えること。
受け手を意識した
資料作成や発表
○ 見出しには、内容の端的な要約の側面と、相手に印象付ける
という表現の側面があることを理解すること。
○ 写真やイラストを入れ替えることで、情報の受け手に与える
印象が変わることを意識すること。
○ 互いの発表や発表資料について評価し合い、良い点を共有すること。
単元
「近隣の小学校との交流学習で、学校の自慢を紹介しよう」
( 4年国語)
Case Study
小学校事例
タイトル
を決める
「 学 校の自 慢 」につ いて取 材して得られた情 報を整 理し、
写 真を使って相 手にわかりや すくスピーチをする
取材で集めた情報を整理し、伝えたいことの中心を明確にして、
スピーチのタイトルを決める。
聞き手にとって魅力的な「見出し」に当たる短い言葉
にする。
● そのタイトルをつけた理由も文章で表現できるように
する。
●
スピーチメモ
をつくる
話の構成を考え、
スピーチメモをつくる。
自分が最も伝えたいことを中心に、事例や理由を挙げ
ながら、
コンピュータを使ってメモし、
話の構成を考える
ようにする。
● 取材時に撮影した写真から、
自分の思いを伝えるため
に有効なものを選択させる。
●
スピーチ
をする
●
メモに書いたことをもとに
スピーチをする。
少人数のグループで聞き合い、伝えたいことがわかり
やすく表現できているか、写真と話の内容が合っているか
などを評価しながら聞くようにする。そして、話の順番を
入れ替えたり、資料として提示する写真を変えたり
することについて考えられるようにする。
私が自慢に思うのは
花壇いっぱいに
花が咲くことだわ。
タイトルを
もっと短くした方が
良いよ。
こちらの写真の方が
意図が伝わると
思うよ。
自分の思いを伝えるのに有効な写真を選択しているイメージ
写真の撮り方の工夫によって伝えたいことが効果的に伝わる写真
になることを体験する活動も行う。この活動を通して、写真を使った
情報には様々な表現の仕方があることに気づかせるとともに、情報
は送り手の意図によって作られていることを理解させたい。
この後、
スピーチメモや話し方などを修正し、近隣の小学校との交流
(スピーチ)
を行う。
その他の指導場面
12
−小学校− 6年・総合的な学習の時間
−中学校− 2年・技術/家庭 技術分野
自分たちが住む町の良さを伝えるパンフレットを作成する場面で、見る人たち
にとってわかりやすいレイアウトや印象的な見出しを工夫する。
ウェブページを設計・制作・公開する場面で、不特定多数の人が見ることを
意 識して、操 作しや す い 画 面 構 成・階 層 構 造を考えたり、情 報 の 正 確さや
著作権・肖像権の侵害が無いかを確認したりする。
情報活用能力育成のために
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調査の結果
改善
ポイント
課題解決の提案をする際、その根拠となる情報を説明することが
苦手なことが分かりました。
08
必要とされる指導の例
○ 課題設定や課題解決に必要なプロセスを理解し、不足している
情報を発見すること。
情報に基づいた
課題解決の提案
○ 課題の解決策を考えて発表し合い、互いの解決策の長所や
短所、相手の思いや願いを理解すること。
○ 対立する意見の間で合意形成するために、工夫や新しい視点
が必要であることを意識すること。
○グループで目的を達成させるための計画を立てさせ、実行後
にも計画を評価すること。
単元
「わたしたちの生活と食料生産 米づくりのさかんな庄内平野」
( 5年社会)
Case Study
小学校事例
箇条書き
する
米 作りにつ いての 工 夫 や 課 題を調 べたり表 現したりし、
今 後の 米 作りにつ いて提 案 する
米作りに対する農家の工夫や課題をもと
にした提案をノートに箇条書きする。
工夫をさらに発展させたり、課題を克服したりする
ためにどのような改善策があるかという視点で考える
ようにする。
● 実現可能な提案から順に番号をつけさせる。一番
良い提案について付箋や短冊に書き込むようにする。
今後の米作りについて提案しよう。
提案 1 (付せん、短ざくをはる)
提案 2
プラス面
プラス面
●
マイナス面
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提案に対しての評価
5
4
提案に対し
3
2
1
5
4
提案に対する改善案
交流する
個人で考えた提案をグループ内で交流する。
(「提案まとめ」ワークシートを活用)
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提案のプラス面とマイナス面をグループで考えさせ、
根拠をもとに、自分の考えを相手に主張したり、相手
の考えを理解したりすることができるようにする。
● 各自の考えをワークシート上に整理し、
グループの
立場を決めるようにし、さらに具体的な改善策を考え
ていくようにする。
●
提案を
作り出す
●
グループで一つの提案を作り出す。
それぞれの提案の類似する点をまとめたり、マイナス
面が多い提案を削除したりするなど、互いの意見の
良さを生かし、折り合いをつけながら、一つの提案を
作ることができるようにする。
提案をまとめたワークシートのイメージ
この後、学校全体で話し合い、提案書としてまとめ、地域の方に
提案する。提案書については学校SNSなども活用し発信する。
その他の指導場面
−小学校− 5年・体育(保健)
−中学校− 1年・技術/家庭 家庭分野
生活習慣病など、生活行動が主な原因となる病気の予防について学習する
場面で、資料をもとに望ましい生活習慣について話し合い、提案する。
課題学習として、商品につ いてその値段や 大きさ、性能など複数の情報を
比較する場面で、どの商品を買えば良いのかを根拠を挙げて提案する。
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調査の結果
改善
ポイント
ウェブサイトの信頼性の判断基準や、情報発信者として注意する点に
関する知識が不足していることが分かりました。
09
必要とされる指導の例
○ 情報社会の特性を理解すること。
インターネット上での
情報発信の特性の理解
○ウェブサイトの信頼性について自分で判断するために
気をつけることを理解すること。
○ 伝達手段によって伝えることができる情報の種類(テキ
スト、音声、映像など)が異なることを理解すること。
○ 文字だけでは誤解が生じる場合があるため、メッセージ
を受け取った相手の立場になって考えること。
題材
「調べたことを紹介するウェブページをつくろう」
( 2年技術・家庭 技術分野)
Case Study
中学校事例
話し合う
●
調べたことや考えたことを広報するウェブページを作成し、インターネット技術が
もつプラス面とマイナス面を比較しながら、自分たちのウェブページを評価する
インターネットが生活の利便性を向上していることについて話し合う。
自分たちのウェブページなどの文字、音声、静止画、動画を複合した制作活動について振り返る。
評価する
インターネットの技術の特徴を踏まえ、
その影響を評価する。
インターネットの技術がもつプラス面とマイナス面を
自分なりに考えるようにする。
● 情報のディジタル化や情報通信ネットワークの仕組み
等の不理解で起きた影響と、コミュニケーション能力
等の未熟さによる影響とは混同しやすいので、明確
に 区 別し、技 術 の 評 価 が 適 切 なもの になるよう
働きかける。
●
議論する
●
グループで議論する。
受信者と発信者等の立場の違いにより、感じ方や
考え方が違うことに気づき、技術の評価を窓口とした
多様な視点で価値判断をできるようにする。
インターネットの技術の特徴、プラス面、マイナス面を記載したイメージ
この後、インターネットの技術の活用の仕方について、自分なりに
考え、根拠をもとに述べるまとめの活動を行う。また、自分たちの
ウェブページへの取組について評価する。
その他の指導場面
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−小学校− 5年・特別活動
−中学校− 全学年・総合的な学習の時間
メール、チャット、仮想SNSを体験する場面で、言葉だけの情報が、対面や電話
での会話に比べ、相手に正確に伝わりづらいことを体験する。
課題の解決に向けて情報収集する中で、ウェブ 上にある同じ事象に対する
異なる主張とその中で示されている根拠を比較し、情報の信頼性を自分で
判断する体験をする。
情報活用能力育成のために
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調査の結果
改善
ポイント
インターネット上でのトラブルの兆候に気づくことや、トラブルの
適切な対応方法に関する知識が不足していることが分かりました。
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必要とされる指導の例
○ケーススタディ形式でインターネット上のトラブルの種類や危険性、
予防法や対処方法を身につけること。
インターネット上での
トラブル遭遇時の対応
○ 相手の許可を得ずに写真を撮ったり使ったりすることで起こる
問題について考えること。
○インターネット上に個人情報を登録する前に、運営企業の信頼性
の判断基準などを理解すること。
○ 学校のウェブサイトなどを利用し、情報発信者としての責任を自覚
させる機会を与えること。
題材
「一枚の写真が持つ情報から考えよう」
( 全学年・特別活動)
Case Study
中学校事例
振り返る
考える
情 報 社 会の 危 険から身を守るとともに、不 適 切な情 報に
対 応 する
インターネット上に個人情報が
流出した場合の影響について振り返る。
①友人Aさんの全身写真:場所はAさんの学校の教室。
Aさんは名札の着いた制服を着ている。
②友人Bさんのペット
(イヌ)の写真:場所はBくんの家
の部屋。Bさんのペット以外は映っていない。
● 写真から直接見える情報
(顔、名札、背景の教室など)
で個人情報が特定できることを話し合う。
● 写真には撮影した位置情報
(GPS情報)が記録される
場合があり、個人情報が特定できることを伝える。
● 写真を撮影する際、
位置情報を記録しない設定に
ついて理解できるようにする。
話し合う
インターネット
でのトラブル
ウェブページにある2種類の写真から
得られる情報について考える。
友人が個人情報を特定できるような
写真を載せていた場合、
どのような対応をとるか話し合う。
当事者の立場で考えるとともに、根拠を明らかに
して意見を述べることができるようにする。
● 一人で抱え込まず、
友人、保護者、教員、サイト運営
会社などに相談するように促す。
●
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ウェブページに掲載されている写真の説明イメージ
この後、
ウェブページなどで写真を掲載するときの留意点について
整理する。
情報セキュリティを含んだ情報モラルに関するニュースは定期的
に朝の会などで取り上げたい。
その他の指導場面
−小学校− 3年・総合的な学習の時間
−中学校− 全学年・技術/家庭 技術分野
設 定した課 題を解 決 するために、コンピュータ教 室 の パソコンを使 用 する
場面で、IDとパスワードの必要性について知る。
携帯電話・スマートフォンの使い方について話し合う場面で、どのような書き
込みがトラブルに発展する可能性があるか考える。また、トラブルの兆候に
気付いたときに取るべき行動について考える。
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情報活用能力の育成に向けて
○ 各 教 科 等 の 指 導には、情 報 活 用 能 力 の
育成につながるねらいや内容が含まれて
いることを意識しましょう。
○ 課題を設定する、情報を収集する、整理・
分析する、まとめ・表現するなど、一連の
学習活動を計画しましょう。
〈例〉
短時間での校内でのスポット
研修などにおいて、
日常の
授業を、情報活用能力の
育成の観点から見直して
みましょう。
教科等及び各学年相互間の関連を図り、系統的な
情報活用能力の育成に関する学習活動を計画する
ことも大切です。
〈例〉
一 連 の 学 習 活 動 と は、
課題に応じた情報の収集
-整理・分析-まとめ・表現
など の サイクル をうまく
つくることです。
このサイクルを大切にした単元を貫く課題解決の
過程の構築も検討してみましょう。
○ 課題解決の過程において、より深みのある
主体的な解決に向けたICT活用もできる
ようにしましょう。
○ ICTの特長を生かした学習活動を行う際
には、情 報 や 情 報 手 段 の 特 性 の 理 解 や
情報モラルなどの学習も進めましょう。
〈例〉
伝える相手や目的を意識
しながら、ICTを適切に活用
することを含めて、
・文章や資料を読んだ上で、
根拠に基づいて考えを
まとめたこと
・自然事象や社会事象に関する情報を調べて分析
したこと
などを交流し、自分の考えを広めたり深めたりする
授業づくりをすすめましょう。
〈例〉
ICTは、以下のような特長があります。
①時間や空間を問わずに、音声・画像・データ等を
蓄積・送受信できるという、時間的・空間的制約
を超えること
学校間や保護者・地域の方々との双方向の情報
共 有 や 意 見 交 流 にお いてICTを活 用 することも
効果的です。
②距離に関わりなく相互に情報の発信・受信のやり
とりができるという、双方向性を有すること
③多様で大量の情報を収集・編集・共有・分析・表示
することなどができ、カスタマイズが容易であること
こうしたICTの特長を生かした主体的な情報収集・
表現・創作・交流などの過程において、情報の科学的
な理解や情報モラルに関する学習活動も行うことに
より、情報社会で適正な活動を行うための基になる
考えと態度を実践的に育成することができます。
文科省では、情報モラルに関する学習活動をする際に役立つ児童生徒向けのビデオ教材と手引き書を作成しています。
「教育の情報化」
ホームページ
(http://jouhouka.mexct.go.jp/)
にも掲載しています。
※児童生徒の日常的・持続的なICT活用を支える環境の整備も大切です。
作 成に協力していただいた方々(敬称略 、五 十 音 順 )
主 査
堀 田 龍 也 東北大学大学院情報科学研究科教授
木 村 明 憲 京都教育大学附属桃山小学校教諭
小 暮 敦 子 三鷹市立第六小学校主幹教諭
小学校担当
塩 谷 京 子 関西大学初等部専任教諭
中 川 斉 史 三好市立下名小学校教頭
西 田 光 昭 柏市立中原小学校校長
中学校担当
楠本 誠
松阪市立三雲中学校教諭
金 隆子
米沢市立第二中学校教諭
實 松 勇 太 岡崎市立葵中学校教諭
田 中 清 治 駒ヶ根市立赤穂中学校教諭
渡 邊 茂 一 相模原市教育委員会総合学習センター指導主事
所属は平成27年3月31日現在
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調査の詳細及び調査結果の詳細な分析は、
ht tp: // jouhouka.mex t .go.jp/
をご覧ください。
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