資料 - 全国手話通訳問題研究会

「障害者差別解消法における
自治体手話通訳者のしごと」
2015年10月16日
一般社団法人全国手話通訳問題研究会
米野 規子
「聞
「聞こえない人の暮らしから学ぶ」が基本
な
暮ら から学ぶ が基本
(1974年設立)
会員数:10,307人(2014年度)
全都道府県に支部があり 手話 学 や 究
全都道府県に支部があり、手話の学習や研究、
地域での活動を行っている。
【目的】手話及び手話通訳、ならびに聴覚障害者
問題についての学習・研究活動を行い、手話に関
織
、財
わる人々の組織化を図るとともに、財団法人全日
本ろうあ連盟の運動をはじめとする聴覚障害者運 研究誌「手話通訳問題研究」
動と連帯し、もって聴覚障害者福祉と手話通訳者
の社会的地位の向上を目指すことを目的とする。
障害者差別解消法の考え方
障害者から何らかの配慮を求める意思の表明があれば、負担に
なり過ぎない範囲で 社会的障壁を取り除くために必要で合理的
なり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要で合理的
な配慮を行うことが求められる。
→配慮がなく、障害者の権利利益が侵害される場合も
差別にあたる。
手話でコミュニケーションをとれない、情報が保障されないのは、
聴覚障害者には大きな社会的障壁となる。
手話通訳制度の現状
手話通訳制度
現状(
(H27年主管課長会議資料より)
年主管課長会議資料 り)
雇用されている手話通訳者
「専門的な手話通訳者の雇用状況に関する調査研究事業」
9割が非正規職員、平均給与月額は17万円以下
安心して利用できる制度とは
どんな情報や内容も
分かりやすく伝えて
ほしい
正規職員なら必要な施策の
提案や緊急時 災害時の対
提案や緊急時、災害時の対
応もできるわ
必要なときには手話
通訳をきちんと保障
してほしい
手話通訳や相談支援は個人
ではなくチームで検証する
ことが必要ね
困ったときは相談で
きる場所があり、
必要な支援が受けら
れれば安心
手話通訳だけじゃなく、聴
覚障害者の生活全体を関係
機関と連携して支援できれ
ばなぁ
聴覚障害者
手話通訳者
豊かなコミュニケ ションができる環境に
豊かなコミュニケーションができる環境に
【現行制度の課題】
①制度の基盤が弱い
→財源の裏付けを
②担い手の身分保障が不十分
→継続して働ける環境を
③事業内容が不十分
→生活支援も含めた内容に
④利用者が少ない
→利用者のニ ズに応じた制度に
→利用者のニーズに応じた制度に
⑤利用者負担の考え方
→制度利用者は聴覚障害者と
健聴者(コミュニケーションは双方向)
★社会資源整備の
★社会資源整備の一つとして手話通訳者の正規職員化を提起
として手話通訳者の正規職員化を提起
自治体手話通訳者の果たす役割
①市民のコミュニケーション支援、情報保障
→ 手話通訳、要約筆記、その他のツールを活用
手話通訳 要約筆記 その他のツ ルを活用
②聴覚障害者の暮らしの課題の抽出
→ 医療、教育、労働等のあらゆる生活場面から見えるもの
③地域の社会資源と連携した制度運用
→ 相談支援から社会資源の活用につなげる
④自治体職員 地域全体
④自治体職員、地域全体のコミュニケーション力を高める
ミ
ケ シ ン力 高める
→ お互いに伝え合う、理解しあう環境作り
⑤障害者に関わる地域課題を施策立案 運用につなげる
⑤障害者に関わる地域課題を施策立案、運用につなげる
自治体手話通訳者採用の広がり
①京都府長岡京市で手話通訳者3名を採用(平成25年)
②大阪府四条畷市で手話通訳者2名を採用(平成27年)
③大阪府富田林市で手話通訳者2名を採用(平成27年)
④和歌山県紀の川市で手話通訳者採用試験実施
(平成28年採用予定)
紀の川市:地域自立支援協議会の防災部会に手話通訳ができる職
員が構成員として出席。聴覚障害者の特性に応じた介護
サービスを受けられる施設づくりを検討する会もある。
会津若松市:地域自立支援協議会の権利啓発部会に地元の聴覚
障害者協会役員がメンバーに。差別の事例収集等も。
制度改革の動きと全通研
障害者権利条約の理念を大切に
★「障害のない市民との平等の実現」
→ 障害者の暮らしが
障害者の暮らしが、どうすれば今よりも
どうすれば今よりも
良く変わっていくかを基本に考える
【今後の全通研の取り組み】
憲法
条約
法律
条例
・自治体職員の正規職員化に
自治体職員の正規職員化に
むけた取り組み
・合理的配慮の具体的な事例
合理的配慮の具体的な事例
の収集、検証
・障害者総合支援法3年見直しを
実態のあるものに
障害者権利条約の理念を大切に
「障害者権利条約が大切にされればされるほど、街の中
障害者権利条約が大切
ば
街 中
で障害のある人を多く見かけるはずです。障害のある
人にも明るさや笑顔が増えるはずです。
それは、だれにとっても住みやすい社会となるでしょう。
赤ちゃんにも、子どもにも、お年寄りにも、
おなかに赤ちゃんがいる人にも、外国の
人
人にも、けがや病気の人にも、それば
病気 人
かりではなく、疲れた人や大きな荷物を
持
持った人にも。」
人
〜えほん「障害者権利条約」より〜