授業プリント[No.15]

コⅡ15-1
[ コンピュータ実習Ⅱ (No.15) ]
[1]テンプレートの利用
テンプレート(template)という言葉は型紙や型板・雛型のことで、よく使う決まった形のものがあると
きに、その型を取って使うものです。Word にもテンプレートと呼ばれるものがあり、ビジネス文書などのよ
うに、形式が決まっていてよく使う文書(定型文書)を作成するときにこれを利用すると便利です。
(1-1) 組み込みテンプレートの利用
Word にはよく使う文書の雛型(テンプレート)が、標準でも多数用意されています。これを利用すると、
自動的に作成された文書中の必要な場所に言葉を入力するだけで、文書を完成させることができます。
 組み込まれているテンプレートを使うには、
①
リボンの[ファイル]タブを選び、[BackStage]ビューを開く。
②
「新規作成」で、「使用できるテンプレート」>「サンプルテンプレート」を選ぶと、組み込みのテンプ
レート一覧が表示される。
 「Office.com テンプレート」からは、さらにネットワーク上から探して選ぶことができる。
③
作成したい文書に合わせたテンプレートを選択する。右側に、そのテンプレートのプレビュー
も表示されるので参考にできる。
④
[作成]ボタンをクリックすると、その雛型の文書が新規作成される。
「Office.com テンプレート」でうまく見つ
からないときは、キーワードを入力して
検索してみるとよい。
(例)履歴書、賞状
 テンプレート文書は、スタイル機能・
フィールド機能・コンテンツコントロ
ール機能などを使って書式が設定さ
れていることが多い。
 ウィザードを使うと、指定中にさらに
詳しい設定や文章を尋ねてくるので、
それに答えることで、かなり完成した
文書を作成させることができる。
 ウィザードで作成した文書や Office.com のテンプレートの中には、以前のバージョンの Word のフ
ァイル形式になっていることがある。タイトルバーに「互換モード」と表示される。
それを Word2010 形式に変換するには、
[ファイル]タブ>「情報」>「変換」をクリックして、上書き保存し直すとよい。
 Word の起動時に開かれる新規文書は[白紙の文書]テンプレートをもとにして作られている。
コⅡ15-2
(1-2) オリジナルなテンプレートの作成と利用
Word に組み込まれているテンプレートだけでなく、自分でオリジナルのテンプレートも作成できます。自
分の仕事やオフィスの仕事でよく使う文書の形式をテンプレートとして保存しておけば、それをもとに新規文
書をいくつも作成できるので便利です。
 オリジナルのテンプレートを作成するには、
①
テンプレートにしたい文書を、通常の文書作成と同様にして作成する。
いつも使う共通の部分だけを入力しておくとよい。
② [ファイル]タブ>「名前を付けて保存」で「ファイルの種類」を「Word テンプレート」にする。
③ 必要に応じて保存先フォルダーを指定
する。
左側のフォルダー一覧で「Templates」を
選ぶと、保存先がテンプレート専用のフ
ォルダー
(Templates フォルダー)
になる。
 Templates フォルダーに保存しておくと、
(1-1)の方法でテンプレートを利用する
際に「マイテンプレート」を選択すると、こ
こで作成したテンプレート一覧が表示
される。
 一般に Templates フォルダーの場所は分
かりにくいので、保存したテンプレート
の保存場所をしっかり知っておきたい
ときは、自分のドキュメントなどのフォ
ルダーに保存しておく方がよい。
 自分専用の PC などでは Templates フォルダーでも構わないが、学校の PC ではそれはあとで削
除されてしまうので、やはり、ドキュメントなどのフォルダーに保存しておく方がよい。
④
[保存]ボタンをクリックすると、テンプレートファイルとして保存される。
 テンプレート文書ファイルは、拡張子が 「.dotx」 になる。(Word2003 までは「.dot」。
)
また、アイコンも変わるので、通常の文書ファイルとは区別できる。
 作成したテンプレートを利用するには、そのテンプレートファイル(拡張子 .dotx)をダブルクリックす
る。すると、中身を持った新規の Word 文書ファイル(拡張子 .docx)として開かれる。
 作成したテンプレートをテンプレートとして修正するには、
[ファイル]タブ>「開く」から、「ファイルの種類」を「Word テンプレート」にして
ファイルを捜して開く。
 通常の新規文書で使われる[白紙の文書]テンプレートのファイル名は「Normal.dotm」である。
コⅡ15-3
[2]差し込み印刷
ビジネスの業務では、ダイレクトメールや案内状などのように、宛先の名前や住所などが変わるだけで、他
の文章部分は変わらない文書を多数作成・印刷しなければいけないことがあります。こういうときに使うと便
利なのが、差し込み印刷機能です。個人でも年賀状などで使うと便利です。
差し込み印刷の準備
差し込み印刷をするには、差し込むデータ(名前や住所など内容が変わる部分)と、そのデータを差
し込む文書(手紙などの変わらない共通部分)を別々に作成します。
文書(メイン文書、マスター文書)
データ(データファイル)
名前
○○○
◎◎◎
:
住所
××××
□□□□
:
品名
△△△
▽▽▽
:
・・
・・
宛先:
《住所》
《名前》様
差し込み
宛先:××××
○○○様
宛先:□□》
宛先:
《住所》
◎◎◎様
宛先:
《住所》 ・・・・・・・・・
《名前》様
△△△をお買い上げいた
《名前》様
・・・・・・・・・
だきありがとうございま
・・・・・・・・・
▽▽▽をお買い上げいた
・・・・・・・・・
した。
《品名》をお買い上げい
だきありがとうございま
《品名》をお買い上げい
・・・・・・・・
ただきありがとうござい
した。
ただきありがとうござい
・・・・・・・・・
ました。
・・・・・・・・
ました。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
《品名》をお買い上げい
ただきありがとうござい
ました。
・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
印刷
 データは、Excel のワークシート、Word の表、Access のデータなどで作り、ファイルとして保存し
ておく。 ⇒ データファイル
 Excel のワークシートや Word の表では、そのデータだけを入力しておく。
 表の 1 行目はタイトル行として、データの項目を区別する名前(項目名)を付けておく。
 データ部分は特に書式で飾っておく必要はない。
 データは同じ項目が縦に並ぶように作る(リスト形式)
。1 件(1 行)分のデータをレコードと
呼ぶ。
 データを差し込む文書は、通常の文書と同様に Word で作成して保存する。 ⇒ メイン文書
 差し込むデータ部分以外の文章を入力し、データ部分は空けておく。
 あとでデータを差し込む部分も書式で飾っておくと、できあがりがその書式になる。
 練 習 (Lesson 37) 演習問題13
差し込み印刷を練習してみよう。Excel の表で作ったデータを利用する例である。
 メイン文書とデータファイルはあらかじめ用意してある。
ckc-kyouzai (K:)」ドライブ >「コンピュータ実習2」>「教材」 の
Lesson37.docx と Lesson37 受講生.xlsx を自分のドキュメントにコピーする。
 データファイル(Lesson37 受講生.xlsx)を開き、データを追加してみる。
 提出しなくてよい。
コⅡ15-4
データファイルの指定
まず、メイン文書に差し込むデータファイルを指定します。
① メイン文書ファイルを開き、リボンの[差し込み文書]タブ>[差し込み印刷の
開始]グループ>「差し込み印刷の開始」から、種類を指定する。
 文書を印刷して配布する場合は「レター」を選ぶ。通常はこれを指定する。
 「電子メールメッセージ」は HTML 形式の電子メールメッセージとして送
る場合のもの、「封筒」・「ラベル」は封筒やラベルの専用用紙に印刷する
場合のもの、「名簿」は一覧表作成の場合のものである。
 差し込みを解除して通常の Word 文書に戻したい場合は、
「標準の Word 文書」を選ぶとよい。
② [差し込み文書]タブ>[差し込み印刷の開始]グループ>「宛先の選択」から
「既存のリストを使用」を指定する
③ [データファイルの選択]ダイアログボックスが現れるので、データを入力して
おいたファイルを指定する。Excel ファイルの場合は、さらにシートを指
定する。
差し込み位置の指定
メイン文書内にデータを差し込む位置を、各項目ごとに指定します。
④ 文書内のデータを差し込みたい位置をクリックして、カーソルを移動しておく。
⑤ [差し込み文書]タブ>[文章入力とフィールドの挿入]グループ>「差し込みフィール
ドの挿入」をクリックし、その場所に差し込みたい項目を指定する。
 「差し込みフィールドの挿入」ボタンの下半分をクリックすると、項目名
のメニューが出るのでそこから選択する。上半分をクリックすると、
[差し込みフィールドの挿入]ダイアログボックスが現れるので、そこから
選択してもよい。
 ②で指定したデータファイルの 1 行目から項目名が自動的に取られて
いることがわかる。
 データを挿入した箇所には、«項目名» が表示される。これはフィー
ルドになっていて、クリックすると灰色で網かけ表示される。
 «項目名» の箇所に書式設定すると、差し込んだ結果の文字を飾ることができる。
 [差し込み文書]タブ>[文章入力とフィールドの挿入]グループ>「差し込みフィールドの強調表示」をクリ
ックすると、差し込んだ場所が灰色で強調表示されて確認できる。
差し込み結果の確認
印刷する前に、データを差し込んだ結果を確認できます。
⑥ [差し込み文書]タブ>[結果のプレビュー]グループ>「結果のプレビュー」をクリックすると、差し込
みフィールドにデータを差し込んだ結果が表示される。
 プレビューされているデータの番号(レコード番号)が横に表示されている。  などのボタ
ンでデータを進めたり、
戻したりできる。また、レコード番号を直接入力しても移動できる。
 プレビューで表示している文書は、そのまま通常どおり印刷プレビューや印刷を実行できる。
1 枚ずつ確認しながら印刷したいときは、そうすればよい。
差し込み印刷の実行
データを差し込んだ結果をまとめて印刷できます。
⑦ [差し込み文書]タブ>[完了]グループ>「完了と差し込み」から「文書の印刷」
を選ぶ。
⑧ [プリンターに差し込み]ダイアログボックスが現れるので、印刷したいデ
ータの番号(レコード番号)を指定して[OK]ボタンをクリックする。
 印刷したいレコードの番号が連続していないときは、
次の差し込みデータの抽出を使うとよい。
コⅡ15-5
差し込みデータの抽出
差し込むデータを抽出して、一部のデータだけ印刷することができます。
 [差し込み文書]タブ>[差し込み印刷の開始]グループ>「アドレス帳の編集」をクリッ
クすると、[差し込み印刷の宛先]ダイアログボックスが現れる。
 チェックボックスにチェック()が付いてい
るレコードが印刷される。印刷したくないレコ
ードは、チェックボックスからチェック()
をはずすとよい。
 各項目のをクリックすると、その項目内のデ
ータから抽出操作ができる。
差し込み結果の保存
データを差し込んだ結果の文書(差し込み印刷文書)を、ファイルとして保存
することができます。
 [差し込み文書]タブ>[完了]グループ>「完了と差し込み」から「個々のドキュメン
トの編集」を選ぶと、[新規文書への差し込み]ダイアログボックスが現れるので、
作成したいデータの番号(レコード番号)を指定して[OK]ボタンをクリック
する。
 指定した範囲のデータを差し込んだ文書が新しく作成
される。
 文書内には、指定したレコードの数だけの文書(ペー
ジ)が入ることになるので、レコード数(データ数)
が多いときには注意する。
 作成された文書は、個々のデータ(レコード)ごとに編集・印刷することができる。
 異なるデータ(レコード)の文書の間には、セクション区切りが自動的に挿入されていることに注意
する。
(たとえば、以下の注意を参照)
 この文書の特定のページを印刷する際は、セクション番号も指定しなければいけない。ページ
番号だけを指定すると、特定のページを印刷するつもりでも常に全ページが印刷されてしまう
ので注意する。
(例) 2 番目から 5 番目の文書だけを印刷したいときは、
ページ指定に 2-5 とするのではなく、s2-s5 と指定する。
 あるページのセクション番号を知るには No.8-3 8-6 を参照。
 セクションがある場合の印刷指定の詳細については No.12-6 を参照。
 練 習 (Lesson 38) 演習問題14
テンプレートも使った例である。データファイルとして、Word のファイルを使ってみよう
 データファイルはあらかじめ用意してある。
ckc-kyouzai (K:)」ドライブ >「コンピュータ実習2」>「教材」 の
Lesson38 社員.docx を自分のドキュメントにコピーする。
 データファイルを開き、データを追加してみよう。
 メイン文書はテンプレートから作る。Office.com の中にすぐに見当たらないときは、キー
ワードに「賞状」と入力して、検索するとよい。
 ダウンロードしたテンプレートで作成した文書が、以前のバージョンの形式であるときは、
Word2010 形式に変換して保存し直す。
 提出しなくてよい。
コⅡ15-6
[3]Windows の便利な機能
(3-1) 画面表示の拡大(拡大鏡機能)
Windows の拡大鏡機能を使うと、画面全体を拡大して表示できます。拡大したまま、アイコンのクリック
やキーボード入力などもできるので、自分で使っていて画面表示が見づらいときや他人にプレゼン中に画面を
詳しく見せたいときなどに使うと便利です。
 起動するには、[すべてのプログラム]>「アクセサリ」>「コンピューターの簡単操作」>「拡大鏡
(Magnify)」を選ぶ。または、++ キーでもよい。
 表示形式を「全画面表示」・「レンズ」・「固定」の 3 種類から選ぶことができる。
+ ・○
- ボタン、または ++・+-キーを使う。
 拡大率を変更するには、○
 他の画面を操作していると、拡大鏡のアイコンが
設定を変更したいときはそれをクリックする。
に変わっているので、
 レンズ表示では、
からレンズ部分のサイズを設定変更できる。
固定表示では、レンズ部分をドラッグするとレンズのサイズや位置を変更できる。
 終了は、+ Esc キーでもできる。
(3-2) ショートカットキー
Windows ではマウスを使って操作することが多いのですが、入力の途中でキーボードから手を離すのが面
倒だと感じたときや、ノート PC でマウスをつけずに使っていたりするときなど、キーボードだけで操作がで
きると便利です。またトラブルでマウスが不調になったときも、キーボードによる操作を知っておくと助かる
ことがあるでしょう。実は、マウス操作のかなりの部分をキーボードでも代用できます。ショートカットキー
(shortcut key)と呼ばれる、ある組み合わせのキーを打つと、特別な働きをさせることができます。
 アイコンやボタン、オプション項目などが複数あるときは、今選ばれているものには破線(-----)
がついていたり、少し立体的に表示されていたり、色が反転していたりする。
ウィンドウの場合は、アクティブウィンドウは最前面に表示されている。
今、何が選択されている状態かに注意しておきましょう。
 アプリケーション内でメニューを選ぶには、
Alt
キーを押しながらメニュー横に書いてあるアルフ
ァベット(小文字でよい)を入力する。メニュー内では矢印キー(↑↓←→)で移動する。
( Alt キーを押してしばらく待つと、ショートカットの文字が表示される場合がある。)
 メニュー内のコマンドやボタンにショートカットキーが表示されている場合は、それも利用できる。
移動とクリック
 (ウィンドウズ・キー) ......... [スタート]メニュー表示
 (アプリケーション・キー) .... 右クリック
Tab ......................... ウィンドウ項目の移動
Shift+Tab ............. ウィンドウ項目の移動(逆順)
+Tab ................. タスクバーからの選択
↑↓←→ ................. 項目内での移動
space ...................... 選択(シングルクリック)
Enter...................... 実行(ダブルクリック)
ファイル削除
Delete .................... ファイルをごみ箱へ
Shift+Delete......... ファイルを完全に削除
編集(選択・コピー・貼り付けなど)操作
ウィンドウ操作
Alt+space ........ コントロールメニュー(移動やサ
イズ変更ができる)
Alt+Tab ........... アクティブウィンドウの切り替え
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ションの終了。
Alt+F ............... [ファイル]タブ
Alt+H .............. [ホーム]タブ
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