ひと土岐の たくみ 土岐市駄知町 【巧】 使い手と作り手を一つにする、巧みの器づくり 土岐市駄知町 秀峰は、山神温泉湯乃元館(P14)をはじめ、東京吉兆など和食のプロが だ ち 使う、美濃焼の器をつくる窯元だ。駄知町の小高い丘にある工房には、 トラディショナルな意匠で上品な印象の鉢、向付、皿などがずらりと 並ぶ。 「料理人からの高度な要望を聞きながら作る場合が多く、試作に は手間をかけます。満足がいく形、色を出すまではかなりの時間がかか ります」 と語るのは2代目の中垣連次さ ん。工房では、8人いるという職人が 黙々と器づくりに取り組むなか、絵付け をする巧みな筆さばきに目が釘付けに なった。20年目という八木真司さんによれば「昔の絵柄にインスパイア されながらも、 それを自分なりに噛み砕いて雰囲気を出すようにしてい ます。突き詰めていけば終わりがなく、何度やって も満足することはありません」。併設するギャラリー では、端麗な織部や志野の器が並ぶ一方、帽子掛 けや引き戸の取手など、従来のやきものにはない 大胆なアレンジに驚く。中垣さんは 「使う人と一体 でないと、 ものづくりはうまくいかない。 〝土〟 でいろ いろな挑戦をしていきたいですね」 と微笑んだ。 N Note 暮らしに取り入れたい、 モダン美濃焼 秀峰 岐阜県土岐市駄知町1781-2 ☎0572-59-8489 営業時間/9:00∼17:00 定休日/日曜 http://shuhoe.com/ ※ギャラリー、工房見学は事前予約が必要 中央道 土岐ICより約15分/東海環状道 土岐南多治見ICより約15分 「スーパーのお惣菜やレトルトで作ったパスタだって、 ちょっといい器に盛るだ けで印象が変わります。 お気に入りの器で食事を楽しくしてもらえれば」 と中垣 さん。 ギャラリーでは、今の暮らしにマッチした美濃焼の使い方を様々に提案。 敷居が高そうと思っていた和の器も意外に使いやすいことを発見できる。 32
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