2015 US-SOXサーベイ エグゼクティブサマリー

プロティビティ 2015 US-SOXサーベイ エグゼクティブサマリー
∼SOX法対応─安定的かつ長期的な価値を求めて大きな変化∼
サーベンスオクスリー(SOX)法が施行されて13年目となりま
監査が強化されたと回答し、
半数以上の企業で、
前期は外
す。今では殆どの企業が法対応を完了し、粛々と一定の業務
部監査費用が増加したと報告している。外部監査費用以
を進めている(または筈)
と考えたいところです。しかし、残念
外のSOX 対応コスト全体では、大規模会社の58%が、前
ながら、現実はそうはなっていません。主な理由は、
SOX対応
期に100 万ドル以上を支出しており、一方、小規模会社の
は興味深いことにダイナミックな性質をもつからです。
95%は50 万ドル以下の支出となっている。つまり、
会社の規
模が大きいほど、
SOX対応コストは増加していると言えます。
SOX 対応は如何にあるべきか、
その統治、
遂行、
監査、
規制は
如何にあるべきかについて、
直接的
(COSOによる内部統制の
• 大多数の企業が、COSOの新しい内部統制フレーム
統合的枠組み)
、間接的(PCAOBによる外部監査人検査報
ワーク
(COSO2013)
を使用している。その適用は、財
告)
な影響力を持つ外部規制が存在しています。最も効率的
務諸表に係る内部統制の再構築ではなく、
その改良で十
かつ自信を持って、少なくない変更に対応できる企業は、個別
分だった。─ ほとんどの組織が速やかに新しいCOSOフ
の対応活動を完璧に行うことに焦点をあてていません。むし
レームワークに移行した。これらの組織では、内部統制を
ろ、
ターゲットは、財務報告に影響を与える上流のビジネスプロ
一から構築しなおすのではなく、既存の仕組みの手直し
セスを改善促進することであり、規制対応全体の成熟度を向
で対応しているという調査結果となった。
上させることです。
• SOX 対応の諸プログラム、特に高リスクプロセス、ITコ
プロティビティでは2015 年にUS-SOX サーベイを実施し、450
ントロール、組織レベルコントロールについては、大きく変
人を超える経営者と専門家の方々が参加しました。このサー
わりつつある。─ サーベイによると、SOX 対応プログラム
ベイによると、多くの企業が、SOX 法の諸要件に対応する能力
の多くの面で、大きな修正が行われており、昨年のサーベ
の強化に注力し、財務報告プロセスとそれ以外のビジネスプロ
イに比較し、大幅に強化されている分野がある。外部監
セスとを改善していることがわかりました。そして、
これらの取り
査人は、重要なSOX活動にさらに焦点を当てており、具体
組みの中で、広範な組織の効率性と向上を達成しようとしてい
的には、
システムから出力されるレポート、会社が作成する
ます。しかし、これらの目標は常に動き続けています。新たな
情報 (IPE)の正確性をテストすること、
レビューコントロール
障害が出現し、
コストと時間は増大し続けています。
の妥当性をテストし、
IT化へ対応することがあげられる。レ
ビューコントロールは、マネジメントレビューコントロール(MR
サーベイ結果の主なポイント:
C)
とも呼ばれ、
日本でも事件が発生し、その妥当性が話題
となっているため、
今後注目すべき領域の1つだと言える。
• SOX 対応コストは、外部監査費用が増加し続けている。
─ 外部監査人による内部統制に対する監査は強化され
また、大規模組織では、昨年と比較して、
ITプロセスとコント
続け、
その結果、外部監査費用は増加し続けている。約4
ロールの大幅なまたは一定程度の自動化の計画が、著しく進
分の3の企業が、財務報告に係る内部統制に対する外部
んでいる。
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プロティビティ 2015 US-SOXサーベイ エグゼクティブサマリー
外部監査人に対するPCAOB 検査が、
会社の SOX 対応コストに与えた影響
LARGE ACCELERATED FILER*
重大な影響
少なからざる影響
会社が作成したシステムから出力されるレポートやその他の情報(IPE)に対するテスト
45%
34%
IT 評価への対応
34%
34%
レビューコントロールのテスト
33%
40%
発見されたコントロール不備の評価
23%
37%
リスクの評価および評価範囲の決定
20%
34%
テスト対象コントロール選定
18%
37%
期中からのロールフォワードテスト
18%
35%
他者の実施結果の依拠
13%
39%
* 直近の第 2 四半期の時価総額が 7 億米ドル以上の企業
• 多くの対応は、その効果がわかりにくい状態にとどまっ
今年のレポートでは、会社の規模や状況に応じた、多くの発見
ているが、SOX 対応から価値を生み出そうとする企
事項を詳細に解説しています。ご要望により、特定のグループ
業が増えている。 ─ 新しい COSOフレームワークや、
のサーベイ結果に特化した分析の特別レポートもご報告しま
PCAOBレポートにより増加した外部監査人の監査の結
す。特別レポートや、
より詳しい情報につきましては、弊社にお
果による財務報告に係る内部統制に対する諸指摘を、組
問い合わせください。このサーベイやテーマに関するご意見
織全体の財務報告に関連するビジネスプロセスに対する
ご要望もお待ちしております。
プロティビティ
継続的改善に役立てようとする企業が増えている。
2015 年 5月
プロティビティについて
プロティビティ
(Protiviti)は、
リスクコンサルティングサービスと内部監査サービスを提供するグローバルコン
サルティングファームです。北米、日本を含むアジア太平洋、ヨーロッパ、中南米、中近東、アフリカにおいて、
ガバナンス・リスク・コントロール・モニタリング、オペレーション、テクノロジ、経理・財務におけるクライアントの
皆様の課題解決を支援します。プロティビティのプロフェッショナルは、経験に裏付けられた高いコンピ
テンシーを有し、企業が抱えるさまざまな経営課題に対して、独自のアプローチとソリューションを提供します。
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