落石防護工の設計上の課題

発生源
落石防護工の設計上の課題
国道11号鳴門市北灘 1990年10月
µ ⎞
0.35 ⎞
⎛
⎛
E = mgH ⎜1 −
⎟(1 + β ) = 1.0 × 9.8 × 63 × ⎜1 −
⎟ × 1.1 = 352kJ
⎝ tan θ ⎠
⎝ tan 36 ⎠
5m
•等価摩擦係数は過小に,落石の運動エネルギーは過大に評価し
観光バス乗客乗員49名,
3名死亡,14名負傷
•ストンガードは構造的に問題。金網の吸収エネルギーは25kJより小
柵のエネルギー吸収 を50kJと仮定
E=97kJ
7.7m
63m
•落石防護ネットの可能吸収エネルギー算定式は改善すべき。
落石m=1.4t
V0=8.2m/s
土砂
3.0
2.1
国道11号
斜面勾配 36゚∼40゚
3.00
ロープ留め金具破断
(株)第一コンサルタンツ 右城 猛, 加賀山 肇
田中工業(株) 田中登志夫 第一
T. USHIRO 愛媛大学大学院理工学研究科 矢田部龍一
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
1.60
3.00
索端金具破損
1
国道317号芸予地震による落石2001年
T. USHIRO
第一
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
2
ストンガードの重錘衝突実験(H15)
松山市玉谷町
落石発生源
m=1t
金網破断
8,300
四国地方整備局四国技術事務所
重錘吊り上げ装置
V
27m
離脱装置
跳躍
落石対策便覧(μ=0.35)
離脱装置
3m
国道317号
µ ⎞
⎛
E = mgH ⎜1 −
⎟(1 + β )
⎝ tan θ ⎠
0.35 ⎞
⎛
= 1.0 × 9.8 × 27 × ⎜1 −
⎟ × 1.1 = 151kJ
⎝ tan 36 ⎠
重錘
0.47t
推定質量 m=1t
8,900
窪み
600
光電スイッチ
防護柵の可能吸収エネルギー50kJ<151kJ
●落石の速度,エネルギーを過大評価?
●等価摩擦係数0.35は適切?
T. USHIRO
第一
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
1,000 1,500
36゜
供試体
10,200
3
T. USHIRO
第一
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
4
土居町での落石実験(H15) 四国地方整備局四国技術事務所
実験結果
速度(m/s)
15
20
重錘の衝突エネルギー (kJ)
落石対策便覧
5
10
15
20
25
35
0
0
25
30
衝突前
衝突後
10
23.0kJ
ロープが破損
18.4kJ
15
落石対策便覧
μ=0.05∼0.35
20
25
μ=0.9
金網が破損
(穴が開く)
13.8kJ
ウェブプレート
に亀裂
30
35
11.5kJ
40
μ=0.8
(防護柵L=3m)
4.6kJ
45
第一
T. USHIRO
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5
v
m
ネットの変形
m
v
v1 m
横ロープ
衝突後
m
衝突期間
時間t
0
反発速度v2
1
M
mv12
2
m+M
M
t=t2
t=t1
E=Ek1
エネルギー
運動エネルギー
Ek1 =
v1’=v2’
v1’=v2’となるのは落石の接触点だけ
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v2
v=0
横ロープER
EL =
6
残留変形
停止
v=0
m
v1
エネルギーロス
EL
衝突前
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衝突速度v1
金網EN
m+M
第一
第一
落石の速度
h
横ロープ
μ=0.6μ=0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0
ET = E N + E R
エネルギーロス
横ロープ
ロープの吸収エネルギー
h /4
ネットの吸収エネルギー
ET = E N + E R + E L
μ=0.7
T. USHIRO
最大変形
落石防護ネットの可能吸収エネルギー
T. USHIRO
10
5
5
金網の吸収エネルギー ロープ 31.7kJ
ロープと
金網が破断
ウェブプレートが
局部変形して
ナットが緩む
30
落下高 H (m)
0
7
1
mv12
2
E=ER+EN
E=EL+Ek2
Ek 2 =
EN
金網
ER
ロープ
0
T. USHIRO
第一
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1
mv2 2
2
EL
時間t
8
ロングスパンの重錘衝突実験
ロングスパンの構造
重錘の落差H=20m
衝突速度V=17.1m/s
H19.12.20
H20.4.16
H20.5.27
0.5t,0.7t,1.0t
ワイヤーロープφ18mm
菱形金網3.2mm
T. USHIRO
第一
(社)地盤工学会四国支部
愛媛大学防災情報研究センター
落石対策技術研究会
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9
緩衝金具(エネルギー吸収装置)
T. USHIRO
第一
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10
ロングスパンの変形 (重錘質量0.7t)
力
P=ma
速度
加速
減速
緩衝金具
t
v
P
t
変位
s
吸収エネルギー(E)=力(P)×変位(s)
t
T. USHIRO
第一
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11
T. USHIRO
第一
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
12
ロングスパンの吸収エネルギー
m=0.7t
E=102kJ
140
140
120
120
100
80
13.1 緩衝金具
10.7 ロープ
ロス
60
40
54.3
78.1
3.5 ロープ
21.8 金網
0
10.7 ロープ
100
• ポケット式落石防護ネットの可能吸収エネルギー
算定式は改善すべき。
80
60
110.9
67.2
ロス
0
4.5
ロープ
金網
20
26.1 金網
0
実験
T. USHIRO
• 等価摩擦係数は過小に,落石の運動エネルギー
は過大に評価している。
• ストンガードは構造的に問題がある。金網の吸
収エネルギーは25kJより小さい。
23.9 緩衝金具
40
金網
20
m=1.0t
E=146kJ
160
エネルギー(kJ)
エネルギー(kJ)
160
まとめ
便覧式
第一
実験
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
便覧式
13
T. USHIRO
第一
DAIICHI-CONSULTANTS CO.,LTD
14