Jヴィレッジ復興・再整備事業基本設計要件書

Jヴィレッジ復興・再整備基本設計要件書
Ⅰ 主旨説明
Jヴィレッジは、平成9年に日本初のサッカー・ナショナルトレーニングセンターとして開設
して以来、東日本大震災が発生するまで年間約50万人、累計およそ680万人が来場し、W杯サッ
カー日本代表をはじめ大会や合宿等で、のべ12,800を超えるチームに利用されてきた。
特に、平成18年度に開校したJFAアカデミー福島では、Jヴィレッジを練習拠点として世界
水準のアスリートの育成に取り組み、これまでに日本代表やJリーガーを輩出するなど、日本サ
ッカー界の発展に貢献してきた。
また、地元楢葉町、広野町をはじめとする相双地域の活性化に大きな役割を果たすなど、まさ
に本県の宝ともいうべき施設である。
しかしながら、2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所
の事故により、
事故収束の対応拠点として政府及び東京電力(株)に使用されることとなり、現在、
全ての業務を停止している。
このような状況の中、福島県復興計画において、本県復興のシンボルとしてJヴィレッジの早
期再開が位置付けられたこと、また、2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定
したことを踏まえ、新たな価値を持った「新生Jヴィレッジ」として再生させるため、この事業
を策定するものである。
Ⅱ 敷地・計画の概要
Jヴィレッジ復興・再整備事業敷地概要
【敷地位置図】
J ヴィレッジ(計画敷地)
1
1. 計画場所:
福島県双葉郡楢葉町山田岡字美シ森 8
福島県双葉郡広野町大字下北迫字岩沢 1-1
2. 敷地概要:
敷地面積
用途地域
都市計画区域
防火地域
建蔽率
容積率
日影規制
その他
J ヴィレッジ区域全体:約 413,194 ㎡
(内訳:楢葉町側 約 342,657 ㎡、広野町側 約 70,537 ㎡)
指定なし
都市計画区域内(区域区分非設定)
指定なし
60%
200%
なし
法第 22 条区域
注)今回の工事は開発行為には該当しないものとする。
3. 既存建物概要 (※建設予定位置図を参照)
記号
建物名称
構造
建築面積
(㎡)
延床面積
(㎡)
最高高さ
(m)
確認
年月日
①
センター棟
RC 造
4,447.64
10,545.54
18.10
H9.6.3
②
フィットネス・メディカル棟 RC 造
2,533.58
3,202.90
12.40
H9.6.3
③
雨天練習場
S造
4,333.50
3,937.50
17.70
H9.6.3
④
工水ポンプ室
S造
12.39
12.39
2.78
H9.6.3
別敷地
グラウンド管理棟
RC 造
534.62
525.62
6.85
H9.6.3
別敷地
グラウンド付属トイレ棟 1
S造
23.10
23.10
3.06
H9.6.3
別敷地
グラウンド付属トイレ棟 2
S造
23.10
23.10
3.06
H9.6.3
別敷地
散水ポンプ室
S造
34.10
34.10
4.06
H9.6.3
別敷地
キュービクル及び用具庫棟
S造
73.92
73.92
3.76
H9.6.3
別敷地
メンテナンス機械・砂保管庫
S造
107.39
107.39
3.349
H9.6.3
別敷地
休憩所キャノピー
(8 ヶ所)
S造
48.00
48.00
3.20
H9.6.3
12,171.34
18,533.56
計
2
Ⅱ 計画諸条件
(1) 計画概要と基本方針
本事業の設計業務対象は以下の 2 施設とする。
A 全天候型サッカー練習場新営工事
B 新宿泊棟新営工事
【 建設予定位置図 】
A
④
B
N棟
①
③
センターハウス
②
S棟
3
Ⅲ 施設の設計要件
A
全天候型サッカー練習場新営工事
・天候、昼夜にかかわらず利用できるサッカーのトレーニング施設として計画する。
・サッカーの非公式な試合のほかラグビーの練習にも利用する。
・関係者や一般者が見学できる 250 席程度の観覧席を設ける。
・施設運営費を抑えるため、自然光の利用と自然通風を考慮する。
・雨天時はセンター棟と全天候型サッカー練習場の間は、バスでの移動を想定する。
・敷地環境、自然災害(地震、集中豪雨、塩害、風害等)に配慮した計画とする。
・設備インフラは、既存施設及び敷地内インフラ状況を理解し、最適な供給方式を計画する。
・エネルギーコストの圧縮を考慮した最適な設備計画を行う。
エリア名称
必要規模
設計要件
9,700 ㎡程度
・ピッチサイズ(人工芝範囲): 121mx74m
(人工芝・路床は別途発注工事 ※1)
・梁下有効高さは、コート中央部:20m程度、サイドライン部:
10m程度
・自然換気による換気システム
サッカー練習場
・ピッチ整備用車両の動線確保
・天井設置照明器具などの防球・メンテナンスに考慮する
・防球ネット(サッカー用)外周部及びコート 2 分割用
・トレーニングの撮影用移動カメラ、モニター、音響設備(別途
※2)の設置
40 ㎡程度
・Jヴィレッジスタッフの詰所として利用
管理室
・事務机、応急手当ができるベッド等を設置
・防災盤など
100 ㎡程度
・ミーティング、選手控室、トレーニング室として利用
ミーティング
・可動間仕切りにて 2 分割可能とする
ルーム
・空調した休憩室としての利用
・ピッチより直接出入り可能とする
100 ㎡程度
・サッカーゴール、脱着式ラグビーゴール、スコアボードなどを
器具倉庫
収納
・人工芝管理用機材及び資材は、別途計画の管理倉庫に収容予定
400 ㎡程度
・ベンチシート:250 席程度
観覧席
・少年チームの更衣スペース利用
用途、必要に応 ・エントランス、廊下(自販機、製氷機設置)
じた面積の確保 ・階段、EV(バリアフリー対応)
共用スペース
・男女トイレ、多目的トイレ
・構内道路との接続経路の確保
・バス乗場、バス転回スペースを考慮
・駐車場 50 台程度
外構計画
・車椅子利用者用駐車場を含む
・メンテナンス通路
床面積合計
(10,600 ㎡程度)
4
B 新宿泊棟新営工事
・新宿泊棟は、S 棟・N棟・センターハウスからなるセンター棟(既存の宿泊棟)と一体の運営とす
る。(チェックインはセンターハウスのフロントで行う)
・センター棟を含む宿泊機能の客室構成は下記とする。
S 棟:
ツインルーム(現状のとおり)
<ユーザー設定:社会人・プロ選手>
N 棟:
4 ベッドルーム(現状のとおり)
<ユーザー設定:学生の合宿>
新宿泊棟:シングルルーム(+エキストラベッド) <ユーザー設定:ビジネス>
・新宿泊棟とセンター棟は渡り廊下で接続する。
・既存センター棟の搬出入サービスヤードが使えなくなるため、代替の搬出入経路を確保する。
・既存建物との全体の調和に配慮した計画とする。
・敷地環境、自然災害(地震、集中豪雨、塩害、風害等)に配慮した計画とする。
・設備インフラは既存施設及び敷地内インフラ状況を理解し、最適な供給方式を計画する。
・エネルギーコストの圧縮を考慮した最適な設備計画を行う。
エリア名称
必要規模
設計要件
20 ㎡程度/室
・120 室程度
・通常時はシングルルーム(繁忙期はツイン対応)
・ベッドサイズ:1200×2200 +エキストラベッド
客室
・ユニットシャワー+トイレ・洗面
・ハイクラスビジネスホテル仕様
・グラウンド側(海側)の眺望に配慮
280 ㎡程度
・浴室
・脱衣室
・便所
大浴場
・ラウンジ(自販機コーナー設置)
・ランドリー
・機械室(温泉利用なし)
・他
650 ㎡程度
・利用形態:会議・研修、イベント、結婚披露宴など
・ホワイエと一体的な利用を可能とする
・移動間仕切にて 3 分割可能とする
コンベンション
・円卓 MAX500 席収容
ホール
・天井高さ 6m程度
・AV 設備
・舞台機構(バトン関連装置)(別途※2)
280 ㎡程度
・わかりやすく開かれた空間
・コンベンションホールと一体的な利用を可能とする
ホワイエ
・自販機コーナー
・他
40 ㎡程度
・クローク
コンベンション
・控室
ホール付属諸室
・他
70 ㎡程度
・N棟厨房にて調理したものをパントリーで配膳する。
・搬出入経路の確保
パントリー
・厨房機器(食器庫、配膳台、冷蔵庫、食器洗浄設備など)
(別途
※2)
・他
5
適宜
共用スペース
適宜
サービスその他
床面積合計
※1
※2
・客室エントランス、ロビー
・コンベンションホールエントランス
・廊下、階段、EV
・トイレ、多目的トイレ
・他
・リネン室
・倉庫
・機械室
・サービスヤード
・他
(5,500 ㎡程度)
東京電力株式会社により行われるため、基本設計業務の対象外。
(概算工事費には含まない。
)
完成後に別途整備する設備及び備品の設計検討(概算工事費には含まない。)
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