地域の伝統文化を受け継ぐ

市町村職員のための社会教育実践研修モデルプログラム
地域の伝統文化を受け継ぐ
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プログラムの概要
近年、地域の伝統的な郷土芸能・行事や郷土料理など、日本古来の文化が失われつつ
ある。さらに、社会情勢の影響を受けた日本では少子高齢化や核家族化、ライフスタイ
ルの変化などにより、地域の人間関係の希薄化も懸念される。そこで、地域の郷土芸能・
行事や郷土料理などを次世代に受け継ぐ中で、高齢者と子ども・若者世代の交流をしな
がら、地域の伝統文化の継承と地域の活性化を図るプログラムとする。
2 地域課題と課題解決のための方策
(1)
地域課題
①地域の歴史や文化などを知らない人が多い。
②退職した人をはじめ、地域のために貢献したい、協力したいと思う人は多い。
③地域行事(地区のお祭りなど)をはじめ、伝統行事の減少や簡素化が進んでいる。
④郷土芸能・行事や郷土料理を知らない人が多い。
⑤人口の減少(生産年齢人口)により、継承者が不足している。
⑥核家族化などにより、郷土料理を実践している家庭が減少している。
⑦ライフスタイルの変化などにより近所付き合いが減少している。
(2)課題解決のための方策(特色)
①地域の歴史や文化を知ってもらうための勉強会や現地見学を行う。
②広報誌や新聞などのマスメディアを利用し、地域貢献をしたい人を募集する。
③行政区の区長さんや地域の長老を中心に地域の伝統行事や郷土料理などを全行政区
で調査する。
④文化財保護調査委員や地区の長老など、地域の中で郷土芸能や伝統行事、郷土料理
に詳しい人を確保する。
⑤郷土愛を育む内容の講座(郷土芸能・伝統行事・郷土料理)を開催する。
⑥郷土芸能や伝統行事の発表会を開催する。
⑦郷土芸能・伝統行事、郷土料理をまとめた冊子(レシピ含む)を刊行する。
⑧郷土料理コンテストや学校給食のメニューに郷土料理を採用する。
⑨組織の体制づくり(文化財保護調査員、郷土史研究家、郷土芸能継承者、生活研究
グループなど)
3 プログラムの構成
(1)開催場所
○○中央公民館、各地区の公民館、集会所等
(2)開催時期・期間・時間帯等
平成27年7月~平成28年1月 全8回
※郷土料理コンテストや発表会などは別途開催
午前の部:午前10時~正午
午後の部:午後 2時~4時
上記以外:内容に応じて随時
1
(3)対象
①地域貢献をしたい人
②郷土芸能や伝統行事、郷土料理に関心のある人
(4)講師・指導協力者
①文化財保護調査員
②郷土史研究家
③郷土芸能継承者
④料理研究家(生活研究グループ・農産物加工施設)
(5)受講費等の費用
保険代100円
材料費実費負担
(6)定員
定員は設けないが内容によっては上限を決める
4
回
1
プログラム展開
テーマ
地域の歴史を学ぶ
2
講座の内容・学習形態等
[講義]2時間
地域の歴史(成り立ちや地名含む)を学ぶ
講師等
文化財保護調査員
地域の歴史に触れる
[見学]4時間
地域の歴史や文化財などを巡る
文化財保護調査員
3
地域の文化を学ぶ
文化財保護調査員
4
郷土芸能を見て学ぶ
[講義]2時間
地域の文化(伝統行事など)を学ぶ
[講義]2時間
※講義の最後に実演
地域に伝わる郷土芸能を見て学ぶ
5
郷土芸能・伝統行事
の発表会
出演者・
地域の皆さん
6
郷土料理を学ぶ
7
郷土料理を作る
8
郷土料理コンテスト
[発表]4時間
お祭りや文化祭などで郷土芸能・伝統行事
を発表する
郷土芸能はステージで、伝統行事はブース
や部屋で作品や写真、資料などを展示する
[講義]2時間
地域に伝わる郷土料理を学ぶ
[実習]3時間
地域に伝わる郷土料理を作って食べる
[実習]4時間
地元の食材を使って伝承料理をアレンジし
たコンテストを開催する
応募者がかなり多いと見込まれる場合は、
決勝の前に予選を行う
※コンテスト優勝者のレシピを、農産物加
工施設や道の駅等で販売する。他に優秀作
品を地元の食堂などで販売してもらい、地
元の食材と郷土料理の伝承の両立を狙う。
また、出品作品を学校給食のメニューにす
る。
2
郷土史研究家・
郷土芸能継承者
郷土史研究家・
料理研究家
料理研究家
料理研究家・
郷土史研究家・
文化財保護調査員
(審査員)
5
成果の活用
①地域の郷土芸能や伝統行事、郷土料理が次世代に継承される。
②郷土料理を実践する家庭が増えることで、食生活の大切さを再認識できる。
③地域の歴史や文化を知り、見て、触れ、味わい、体験することで郷土愛が生まれる。
④伝統行事の復活や継承がされる過程で、家庭や地域でのコミュニケーションが増え、
近所付き合いも活発になり、地域全体の活性化につながる。
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事業予算の積算
○講師謝金
①文化財保護調査員
②郷土史研究家
③料理研究家
●事業費合計
6,000 円×4 回× 1 人=24,000 円
6,000 円×3 回× 1 人=18,000 円
6,000 円×3 回× 3 人=54,000 円
96,000 円
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