第8号 2015年 1月 発行

燕歯科医師会保健通信
つばめ
よ坊さんだより
「リラックスしよう!
~口を閉じて歯を離す~」
皆さん、こんにちは! 勉強・部活と充実した日々を過ごしていることと思
います。毎日、楽しい事ばかりではなく、辛い事、苦しい事もあるよね。そん
な時、歯をグッと噛みしめたり、ギリギリすり合わせたりしていることはない
ですか?
「歯を食いしばる」ということわざがあるように、人は辛い時、苦しさに耐え
る時、自然と歯を食いしばります。これは96%の人が行っていると言われ、
誰にでもある無意識の癖です。
しかし、この癖が続くと歯に長い時間力が加わって、最悪歯がボロボロにな
ってしまうことがあります。そんなことになったら大変!でも、そこまでひど
くなる前にいくつかの症状が現れます。それは、
○歯と歯ぐきの境目に強い力が集まるため、歯がたわみ表面のエナメル質が破
壊されV字状にえぐれて、むし歯ではないのに歯が冷みてくる(知覚過敏)。 進
行すると歯の神経まで痛んでくる。
○歯だけではなく、歯ぐきが下がったり(退縮)歯を支えている骨が溶けて(吸
収)歯周病を悪化させてしまう。
○顎の関節や筋肉に負担が掛かって、口を開けたり閉じたりした時や顎の付近
が痛くなったりして顎関節症になることもある。
他にも口の中だけでなく、肩こり、頭痛等々、もし気になるような症状があれ
ば歯医者さんを受診してみましょう。
さて、以上のような歯に悪影響を与える食いしばりや歯ぎしりの原因の多く
は「ストレス」と言われています。人は、日常生活を送る上で抱え込んでしま
うストレスを発散するために、食いしばりや歯ぎしりという行動を無意識のう
ちにとってしまいます。
では、どうしたら防げるか、自分でできるケアとしては以下のようなことが
考えられます。
1.生活習慣を見直す
・運動や休息などでストレスを発散し、ため込まない。
・色々な問題は悩まないで相談。
・頬づえや猫背、うつぶせでの読書といった歯や顎に負担をかけるような
姿勢をしない。
・食事はゆっくりと丁寧に噛む。
2.気付き、意識する
・人はリラックスしている時、唇を閉じて上顎と下顎の前歯は2~3ミリ
離れた状態にあります。「今、食いしばっているな」と気付くあるいは
食いしばらないように常に意識することが大切。
・「食いしばりに注意」や「歯を離そう」といったメモを机や目に付く所に
貼っておくのも効果的。
3.睡眠時
・寝る前に悩み事は考えず、布団に入ったらあれこれ考えずリラックスした
状態で、できるだけ仰向けに寝るように心がける。
・高めの枕を使っている人は、低めのものにして首の付け根近くに置くよう
にする。
4.筋肉をほぐす
・こめかみや頬の付近をマッサージし、固くなった筋肉をほぐそう。
(両手で左右のこめかみや頬に触れ、奥歯をぐっと噛みしめた時に動く部分
を、指で小さな円を描くように1回1分以内、1日10回程度グルグルと
マッサージ)
もし、食いしばりや歯ぎしりの状態をなかなか食い止められなかったり、改
善できない時は、歯医者さんに相談してみて下さい。
症状が強い場合は、マウスピース(食いしばりや歯ぎしりした時に上下の歯
が物理的に接触することを防ぐ)を作成し、歯にかかる力を緩和、軽減するよ
うにしてストレスが掛からないようにします。
いずれにしても、ストレスを上手に発散して明るく元気に伸び伸びとこれか
らも学校生活を楽しく過ごして行って下さい。
今号の執筆担当
燕歯科医師会
佐藤和之