第1回 業務研修会 「民法大改正について」レジュメ 2015.7.25. 金沢大学 Ⅰ 総論 1 民法典の歴史 舟橋 秀明 (1)日 本 に お け る 民 法 典 編 纂 の 契 機 ・明治維新を契機とした資本主義経済の導入・法整備 ・江戸時代末期に締結された不平等条約の撤廃・改正 (2)民 法 典 の 編 纂 作 業 ・フランス民法典の翻訳作業 * フ ラ ン ス 民 法 典 ( 1804 年 ) * ド イ ツ 民 法 典 ( 1900 年 ) ・ ボ ア ソ ナ ー ド に よ る 草 案 作 成 ( 旧 民 法 ): 1890 年 公 布 ・ 93 年 施 行 予 定 ・日本人学者 3 人(梅・富井・穂積)を中心に旧民法の改正(現行民法典) 「 財 産 法 ( 総 則 ・ 物 権 ・ 債 権 )」 1896 年 ( 明 29)・「 家 族 法 ( 親 族 ・ 相 続 )」 1898 年 ( 明 31) 公 布 (3)民 法 典 改 正 の 経 緯 ・ 1947 年 ( 昭 22) 家 族 法 の 全 面 改 正 ・ 2005 年 ( 平 17) 民 法 現 代 語 化 ・ 2006 年 ( 平 18) 民 法 ( 債 権 法 ) 改 正 検 討 委 員 会 の 発 足 ・ 2009 年 ( 平 21) 法 務 大 臣 か ら 法 制 審 議 会 に 民 法 (債 権 関 係 )改 正 を 諮 問 ( 第 88 号 ) 「民事基本法典である民法のうち債権関係の規定について 、同法制定以来の社会・経済 の変化への対応を図り、国民一般に分かりやすいものとする等の観点から 、国民の日常生 活や経済活動にかかわりの深い契約に関する規定を中心に見直しを行う必要があると思わ れ る の で 、 そ の 要 綱 を 示 さ れ た い 。」 ・ 2015 年 ( 平 27)「 民 法 ( 債 権 関 係 ) の 改 正 に 関 す る 要 綱 」 の 成 立 ・ 答 申 ⇒ 同 年 3 月 31 日 、第 189 回 国 会 に「 民 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 案 」 「民法の一部を改正す る法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」提出 2 民法(債権関係)改正の趣旨・目的 ・国民に分かりやすい民法 ・社会・経済の変化への対応 ・民法の空洞化の回避 ・国際的潮流への対応 -1- 3 民法(債権関係)改正の対象 民法のうち債権関係の規定について、契約に関する規定を中心に見直し。具体的には、 民 法 第 3 編「 債 権 」の 規 定 の ほ か 、同 法 第 1 編「 総 則 」の う ち 第 5 章( 法 律 行 為 )、第 6 章 (期間の計算)及び第7章(時効)の規定が検討対象。このうち事務管理、不当利得及び 不法行為(法定債権関係)の規定は、原則として改正対象から除外されるが、契約関係の 規定の見直しに伴って必要となる範囲に限定して見直す。 ・消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備 ・法定利率を変動させる規定の新設 ・保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備 ・定型約款に関する規定の新設 Ⅱ 各論 1 新設の制度・条文 (1) 意 思 能 力 ( 3 条 の 2) 法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為 は、無効とする。 (2) 代 理 権 の 濫 用 ( 107 条 ) 代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の 行為をした場合において、 相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない 者がした行為とみなす。 (3) 原 状 回 復 の 義 務 ( 121 条 の 2) 無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務 を負う。 ② 前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、無 効 な 無 償 行 為 に 基 づ く 債 務 の 履 行 と し て 給 付 を 受 け た 者 は 、 給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めか ら無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消す ことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって 現に利益を受け ている限度において、返還の義務を負う。 ③ 第 一 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、行 為 の 時 に 意 思 能 力 を 有 し な か っ た 者 は 、そ の 行 為 に よ っ て現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。行為の時に制限行為能力者で あった者についても、同様とする。 -2- (4) 履 行 不 能 ( 412 条 の 2) 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能である ときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。 ② 契 約 に 基 づ く 債 務 の 履 行 が そ の 契 約 の 成 立 の 時 に 不 能 で あ っ た こ と は 、 第 415 条 の 規 定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。 (5) 中 間 利 息 の 控 除 ( 417 条 の 2) 将来において取得すべき利益についての損害賠償の額を定める場合において、その利益 を取得すべき時までの利息相当額を控除するときは、その損害賠償の請求権が生じた時点 における法定利率により、これをする。 ② 将 来 に お い て 負 担 す べ き 費 用 に つ い て の 損 害 賠 償 の 額 を 定 め る 場 合 に お い て 、そ の 費 用 を負担すべき時までの利息相当額を控除するときも、前項と同様とする。 (6) 代 償 請 求 権 ( 422 条 の 2) 債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償で ある権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債 務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる。 (7) 連 帯 債 権 ( 432 条 ~ 435 条 の 2) ・数人が連帯して債権を有する場合 ・相対的効力の原則 (8) 連 帯 保 証 人 に 対 す る 債 権 者 の 情 報 提 供 義 務 ( 458 条 の 2~ 458 条 の 3) ・受 託 保 証 人 に つ き 、債 権 者 は 、元 本・利 息 そ の 他 の 債 務 に つ い て の 不 履 行 の 有 無 、残 額 、 弁済期到来の額に関する情報の提供義務を負う ・主 債務が 期限 の利益 を喪失 した場 合 、債権 者は 、利益 喪失 を知っ た時か ら 2 が 月以 内に その旨を通知する義務を負う (9) 債 務 の 引 受 け ⅰ )併 存 的 債 務 引 受 ( 470 条 ・ 471 条 ) ⅱ )免 責 的 債 務 引 受 ( 472 条 ~ 472 条 の 4) (10) 有 価 証 券 ( 520 の 2~ 520 の 20) ・指図証券 ・記名式所持人払証券 -3- ・その他の記名証券 ・無記名証券 (11) 契 約 の 締 結 及 び 内 容 の 自 由 ( 521 条 ) 何人も、法令の特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定するこ とができる。 ② 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。 (12) 契 約 の 成 立 と 方 式 ( 522 条 ) 契 約 は 、 契 約 の 内 容 を 示 し て そ の 締 結 を 申 し 入 れ る 意 思 表 示 ( 以 下 「 申 込 み 」 と い う 。) に対して相手方が承諾をしたときに成立する。 ② 契 約 の 成 立 に は 、法 令 に 特 別 の 定 め が あ る 場 合 を 除 き 、書 面 の 作 成 そ の 他 の 方 式 を 具 備 することを要しない。 (13) 契 約 上 の 地 位 の 移 転 ( 539 条 の 2) 契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合にお いて、その契約の相手方がその譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、その第三者に移 転する。 (14) 定 型 約 款 ( 548 条 の 2~ 548 条 の 4) ・定型取引:ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容 の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。 ・定型約款:定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により 準備された条項の総体をいう。 ・相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態 様 及 び そ の 実 情 並 び に 取 引 上 の 社 会 通 念 に 照 ら し て 第 1 項 第 2 項 に 規 定 す る 基 本 原 則( 信 義則)に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしな かったものとみなす。 (15) 不 動 産 の 賃 貸 人 た る 地 位 の 移 転 ( 605 条 の 2~ 605 条 の 3) ・ 605 条 、借 地 借 家 法 10 条 又 は 31 条 そ の 他 の 法 令 の 規 定 に よ る 賃 借 権 の 対 抗 要 件 を 備 え た場合に、その不動産が譲渡されたときは、賃貸人たる地位も譲受人に移転する。 ・賃貸人たる地位の移転は、不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃貸人に 対抗できない。 ・ 賃 貸 人 た る 地 位 が 移 転 し た 場 合 、 費 用 償 還 の 債 務 ( 608 条 ) 及 び 敷 金 の 返 還 債 務 ( 622 条 の 2) は 、 譲 受 人 が 承 継 す る 。 -4- (16) 不 動 産 の 賃 借 人 に よ る 妨 害 の 停 止 の 請 求 等 ( 605 条 の 4) 不動産の賃借人は、第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた場合において、 次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。 一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき その第三者に対する妨害の停止の 請求 二 その不動産を第三者が占有しているとき その第三者に対する返還の請求 (17) 敷 金 ( 622 条 の 2) 賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて 生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借 人が賃 貸 人 に 交 付 す る 金 銭 を い う 。 以 下 こ の 条 に お い て 同 じ 。) を 受 け 取 っ て い る 場 合 に お い て 、 次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた 賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなけれ ばならない。 一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。 二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。 ② 賃 貸 人 は 、賃 借 人 が 賃 貸 借 に 基 づ い て 生 じ た 金 銭 の 給 付 を 目 的 と す る 債 務 を 履 行 し な い ときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、 賃借人は、賃 貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。 2 修正される制度(追加を含む) (1) 心 裡 留 保 ( 93 条 ) 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのために その効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを 知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。 ② 前 項 の た だ し 書 の 規 定 に よ る 意 思 表 示 の 無 効 は 、善 意 の 第 三 者 に 対 抗 す る こ と が で き な い。 (2) 錯 誤 ( 95 条 ) 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取 引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。 一 意思表示に対応する意思を欠く錯誤 二 表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤 ② 前 項 第 二 号 の 規 定 に よ る 意 思 表 示 の 取 消 し は 、そ の 事 情 が 法 律 行 為 の 基 礎 と さ れ て い る ことが表示されていたときに限り、することができる。 ③ 錯 誤 が 表 意 者 の 重 大 な 過 失 に よ る も の で あ っ た 場 合 に は 、次 に 掲 げ る 場 合 を 除 き 、第 一 -5- 項の規定による意思表示の取消しをすることができない。 一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったと き。 二 相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。 ④ 第 一 項 の 規 定 に よ る 意 思 表 示 の 取 消 し は 、善 意 で か つ 過 失 が な い 第 三 者 に 対 抗 す る こ と ができない。 (3) 詐 欺 又 は 強 迫 ( 96 条 ) 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。 ② 相 手 方 に 対 す る 意 思 表 示 に つ い て 第 三 者 が 詐 欺 を 行 っ た 場 合 に お い て は 、相 手 方 が そ の 事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。 ③ 前 二 項 の 規 定 に よ る 詐 欺 に よ る 意 思 表 示 の 取 消 し は 、善 意 で か つ 過 失 が な い 第 三 者 に 対 抗することができない。 (4) 代 理 行 為 の 瑕 疵 ( 101 条 ) 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はあ る事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響 を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。 ② 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っ ていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合 には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。 ③ 省略 (5) 代 理 人 の 行 為 能 力 ( 102 条 ) 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことが できない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為に ついてはこの限りでない。 (6) 自 己 契 約 及 び 双 方 代 理 等 ( 108 条 ) 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした 行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらか じめ許諾した行為については、この限りでない。 ② 前 項 本 文 に 規 定 す る も の の ほ か 、代 理 人 と 本 人 と の 利 益 が 相 反 す る 行 為 に つ い て は 、代 理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為について は、この限りでない。 -6- (7) 裁 判 上 の 請 求 等 に よ る 時 効 の 完 成 猶 予 及 び 更 新 ( 147 条 ) 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の 効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、 その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。 一 裁判上の請求 二 支払督促 三 民事訴訟法第二七五条第一項の和解又は民事調停法若しくは家事事件手続法による 調停 四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加 (8) 協 議 を 行 う 旨 の 合 意 に よ る 時 効 の 完 成 猶 予 ( 151 条 ) 権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早 いときまでの間は、時効は、完成しない。 一 その合意があった時から一年を経過した時 二 そ の 合 意 に お い て 当 事 者 が 協 議 を 行 う 期 間( 一 年 に 満 た な い も の に 限 る 。)を 定 め た ときは、その期間を経過した時 三 当事者の一方から相手方に対して協議の続行を拒絶する旨の通知が書面でされたと きは、その通知の時から六箇月を経過した時 ② 前 項 の 規 定 に よ り 時 効 の 完 成 が 猶 予 さ れ て い る 間 に さ れ た 再 度 の 同 項 の 合 意 は 、同 項 の 規定による時効の完成猶予の効力を有する。ただし、その効力は、時効の完 成が猶予され なかったとすれば時効が完成すべき時から通じて五年を超えることができない。 ③~⑤ 省略 (9) 債 権 等 の 消 滅 時 効 ( 166 条 ) 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。 ②③ 省略 (10) 人 の 生 命 又 は 身 体 の 侵 害 に よ る 損 害 賠 償 請 求 権 の 消 滅 時 効 ( 167 条 ) 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一 項第二号 の 規 定 の 適 用 に つ い て は 、 同 号 中 「 十 年 間 」 と あ る の は 、「 二 十 年 間 」 と す る 。 (11) 170 条 か ら 174 条 ま で 削 除 ・1~3年の短期消滅時効の規定の削除 -7- (12)法 定 利 率 ( 404 条 ) 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生 じた最初の時点における法定利率による。 ② 法定利率は、年三パーセントとする。 ③ 前 項 の 規 定 に か か わ ら ず 、法 定 利 率 は 、法 務 省 令 で 定 め る と こ ろ に よ り 、三 年 を 一 期 と し、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。 ④⑤ 省略 (13) 受 領 遅 滞 ( 413 条 ) ・保存における注意義務の軽減(自己の財産に対するのと同一の注意) ・増加費用の債権者負担 ・履行遅滞中または受領遅滞中の履行不能 (14) 債 権 者 代 位 権 ( 423 条 ~ 423 条 の 7) ・債権者への金銭支払い、動産の引渡しが請求できる ・債務者に対する訴訟告知の義務化 ・登記請求権の代位(転用事例) (15) 詐 害 行 為 取 消 権 ( 424 条 ~ 426 条 ) ・相当対価を得てした財産処分の特則 ・特定の債権者に対する担保供与・弁済の特則 ・過大な代物弁済等の特則 ・受益者又は転得者が被告、債務者は訴訟告知 ・債権者への金銭支払い又は動産引渡しが請求できる ・債務者 が債権 者を 害 するこ とを知 って 行為 したこ とを債 権者 が知 った時 から 2 年、詐 害 行 為 の 時 か ら 10 年 で 提 訴 時 効 (16) 個 人 根 保 証 契 約 ・ 事 業 に 係 る 債 務 に つ い て の 保 証 契 約 の 特 則 ( 465 条 の 2~ 10) ・個人の保証人の利益保護 ・契約締結時の情報提供義務 (17) 債 権 譲 渡 ( 466 条 ~ 469 条 ) ・譲渡禁止特約の債権的効力 ・譲渡制限付き金銭債権の譲渡につき供託可能(供託の通知) ・将来債権の譲渡の許容 ・ 債 権 譲 渡 と 相 殺 に つ き 無 制 限 説 (相 殺 優 先 ) -8- (18) 534 条 ・ 535 条 削 除 ・危険負担債権者主義の規定の削除 (19) 売 買 の 売 主 の 担 保 責 任 ( 561 条 ~ 572 条 ) ・権利移転義務(対抗要件を具備させる義務を含む) ・契約不適合に際し、買主による履行の追完請求(目的物の修補、代替物の引渡し、不足 分の引渡し) ・契約不適合に際し、買主の代金減額請求権(相当期間・追完の催告、追完ない場合) ・ 契 約 不 適 合 に 際 し 、 買 主 の 損 害 賠 償 請 求 及 び 契 約 解 除 ( 415 条 、 541・ 542 条 ) ・買主に帰責事由がないこと ・買主が不適合を知った時から 1 年内に売主にその旨を通知 (20) 書 面 で す る 消 費 貸 借 等 ( 587 条 の 2) 前条の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引 き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返 還することを約することによって、その効力を生ずる。 ② 書 面 で す る 消 費 貸 借 の 借 主 は 、貸 主 か ら 金 銭 そ の 他 の 物 を 受 け 取 る ま で 、契 約 の 解 除 を することができる。この場合において、貸主は、その契約の解除によって損害を受けたと きは、借主に対し、その賠償を請求することができる。 ③④ 省略 (21) 使 用 貸 借 ( 593 条 ) 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物 について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することに よって、その効力を生ずる。 (22) 寄 託 ( 657 条 ) 寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾 することによって、その効力を生ずる。 (23) 不 法 行 為 に よ る 損 害 賠 償 請 求 権 の 消 滅 時 効 ( 724 条 ) 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき 。 二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。 -9- (24) 人 の 生 命 又 は 身 体 を 害 す る 不 法 行 為 に よ る 損 害 賠 償 請 求 権 の 消 滅 時 効 ( 724 条 の 2) 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第 一 号 の 規 定 の 適 用 に つ い て は 、 同 号 中 「 三 年 間 」 と あ る の は 、「 五 年 間 」 と す る 。 - 10 -
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