PARC Audio 2-way system 2015年 年バージョン DCU-131A 13cmアルミコーンウーファー DCU-T115S 25mmソフトドームツィータ 8Lバスレフ型エンクロージャ By Iridium17 設計目標 ■ 2014年モデルの反省点 ・ クロスオーバーポイントの設定が2.2kHzと低過ぎた。またTWのインピーダンスピークを 放置していたため、fo付近の減衰が甘くなった。これらの結果、TWの歪みを誘発した。 ■ 2015年モデルの改善点 (何はさておき、TWのfo付近の減衰量を改善すべし) ・ クロスオーバーポイントの変更(2.2kHz → 3.0kHz) ・ TWのfo付近インピーダンスピークの補正 ・ KEF風のTノッチフィルターのトライ ・ エンクロージャは特に手を加えず 言うは易し 行うは難し! ■ 基本仕様 ・ 減衰特性(Acoustic slope)は4次のLinkwitz-Riley(24dB/oct) ・ バッフルステップ補正 ・ クロスオーバーポイントでの位相合わせ(Reverse nullの出現) ・ 周波数特性:100 – 10kHz +/-2.5dB以内 クロスオーバーネットワークの設計フロー ドライバの裸特性測定 ドライバの裸特性測定 (ARTAによるインパルス応答測定) (ARTAによるインパルス応答測定) Speaker Speaker workshopに workshopに データをエクスポート データをエクスポート LPFのシミュレーション LPFのシミュレーション HPFのシミュレーション HPFのシミュレーション 合成特性の確認 合成特性の確認 OK OK NG NG 最終特性測定 最終特性測定 (ARTAによるインパルス応答測定) (ARTAによるインパルス応答測定) 自宅におけるインパルス応答測定風景 クロスオーバーネットワーク ・ Acoustic slopeは4th-order Linkwitz-Riley(LR4) 24dB/oct @3kHz ・ LPF、HPFともに3次のフィルター回路+ノッチフィルター ・ LPFには8kHzと13kHzにノッチフィルターを挿入 ・ HPFはfoのインピーダンス補正と、1070HzにTノッチフィルター(オプション) KEF風Tノッチフィルター @1070Hz(オプション) インダクタ:5個 キャパシタ:6個 抵抗:5個 ノッチフィルター @13kHz ノッチフィルター @8kHz インピーダンス補正回路 LPFのシミュレーション ・ DCU-131Aにはアルミコーン特有のピークがあるので8kHzのノッチフィルターは必須です。 さらに高次のピークが残るため、13kHzにもノッチフィルターを入れた方が聴感上良好でした。 DCU-131A 裸特性 バッフルステップ補正 メタルコーン特有のピーク (Break-up) 8kHzノッチフィルターなし 8kHzノッチフィルターあり 2015年度作例 8kHzノッチフィルターあり 13kHzノッチフィルターあり [email protected] 理論カーブ LPFの 伝達関数 HPFのシミュレーション(1) ・ fo付近の減衰を改善するためにクロスオーバー周波数を2.2kHzから3kHzに変更しています。 ・ インピーダンス補正をしない場合はfo付近でLR4からの乖離が見られます。(次項参照) DCU-T115S 裸特性 2014年度作例 ([email protected]) 2015年度作例 (LR4@3kHz) インピーダンス補正なし 2015年度作例 インピーダンス補正あり DCU-T115Sのfo (1070Hz) [email protected] 理論カーブ TWのインピーダンス補正 ・ DCU-T115Sは磁性流体を用いないタイプなのでfoに高いインピーダンスピークがあり、 HPFの減衰スロープに影響を与えるため、インピーダンス補正回路を挿入しました。 インピーダンス補正なし インピーダンス補正あり HPFのシミュレーション(2) ・ TWのfo付近の減衰量をさらにUPするため、KEF風のTノッチフィルターを挿入してみました。 LR4の理論カーブからは乖離しますが、fo付近の減衰量が20dB向上します。 DCU-T115S 裸特性 2015年度作例 インピーダンス補正なし 2015年度作例 インピーダンス補正あり 2015年度作例 Tノッチフィルターあり [email protected] 理論カーブ DCU-T115Sのfo (1070Hz) 総合特性(ARTAによる疑似無響室特性) ・ 最終的な周波数特性は100Hz~10kHzの範囲で±2.0dB以内に収まりました。 バスレフのNear field特性とWF特性を300HzでSplice Tノッチフィルターなし 位相合わせの確認(ARTAによる実測) ・ 4次のLinkiwitz-Rileyは理論的にはクロスオーバーポイントで位相が360度回転するため、WFとTWは同相接続で フラットなレスポンスが得られます。また位相が合っていれば逆相接続でディップ(Reverse null)が生じます。 ・ ウーファーとツィータのAcoustic centerを揃えるため、エンクロージャを5度後ろに傾けました。この状態で ツィータ軸上1mにおいてWF-TW逆相接続時にReverse nullを確認しました。 ツィータ軸上1m WF-TW同相接続 ツィータ軸上1m WF-TW逆相接続 Reverse null 設計環境と参考文献 【ソフトウェア】 : Baffle Diffraction and Boundary Simulator 1.20 インパルス応答測定 : ARTA Version 1.83 インピーダンス測定 : LIMP Version 1.83 高調波歪み測定 : STEPS Version 1.83 設計環境 : Speaker Workshop 1.61 バッフル回折計算 【ハードウェア】 オーディオI/F パワーアンプ マイクロフォン : M-Audio Firewire410 : GUANZO LM3886 : Dayton audio EMM-6 (校正データ付き) 【参考文献】 “Loudspeaker Design Cookbook” “Testing Loudspeakers” “Loudspeaker Recipe”
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