76 当院における長時間脳波検査取り組みについて ◎柴田 綾 1)、立澤 有香 1)、二木 亜希子 1)、脇本 美保 1)、岩渕 恭子 1)、齊川 祐子 1)、塚越 美恵子 1)、日髙 恵以子 1) 地方独立行政法人 長野県立病院機構 長野県立こども病院 1) 【はじめに】 マークと同時に音声で様子を残してもらう。 てんかんの診断・治療には発作時の脳波をいかに記録す 【結果】 るかが大切である。発作を捕捉するために長時間にわたり 2012 年 10 月から 2015 年 5 月までの検査件数のべ 311 件 脳波を記録することが必要となり、発作様の動きが脳波異 (男 180 人・女 131 人)年齢 0~21 歳(平均 5.5 歳) 常を伴うてんかん発作なのかの鑑別には、脳波と同時に発 内訳 脳炎・脳症例、West 症候群、各種てんかん 作時の動画を記録することが必要である。 トラブル例:電極はずれ、電極のずれ(固定不十分・付き 当院では、2012 年 10 月より長時間脳波検査を開始し、 添い者の協力不足)、皮膚トラブル(水泡ができてしまっ 2015 年 5 月までに 311 件の検査を行った。今回、当院にお た)、被験者の不快感・眠れなかった、ビデオのアングル ける長時間脳波検査の実施状況と有用性について検討した が悪かった、記録中に発作が捕捉できなかった(発作がで ので報告する。 なかった) 【対象および測定方法】 【まとめ】 検査目的はてんかんの診断・治療方針決定、治療開始後 長時間脳波は有用な検査であるが、様々なトラブル例が の治療効果判定、脳炎・脳症および疑いの患者の脳波のモ あった。本院では対象に低年齢者が多く、覚醒時に行う電 ニタリングなど 極装着の大変さや電極が外れないための固定及び付き添い 測定装置およびシステムは脳波計 EEG1214(ビデオ付) 者の協力をいかに得るかが大切である。今後も工夫や検査 脳神経システムCNN(日本光電社製) の振り返りを繰り返し行うことで、患者や臨床にとってよ 電極装着は 10/20 法電極インピーダンスは 10㏀以下とす り有意義な検査を行えるようにしていきたい。 る。ビデオ記録と同時に終夜脳波記録を行い、発作時には 長野県立こども病院 臨床検査科 0263-73-6700(1413)
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