報告書 - 東京都市町村職員研修所

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目
次
刊行にあたって
自治体経営研修「立法法務」を担当して ・・・・・・・・・・・・・・・
特別講師
中村
正美
特別講師
高田
明彦
特別講師
水越
寿彦
1
研修報告書
第1グループ
○○町空家等の発生の予防、適正管理及び利活用に関する条例
・・・・・・・・・・・
9
第2グループ
○○市空家等対策の推進に関する条例 ・・・・・・・・・・・
105
研修資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
181
刊行にあたって
自治体経営研修「立法法務」は、自治体を巡る政策課題の理解を深め、政策
形成能力の向上を図るとともに、政策の条例化を中心とした法務能力を高める
ことを目標とした研修です。現状分析から導かれる課題を把握し、それに対し
立法目的・立法事実を明確にした上で条例の内容検討へと移り、整合性・適法
性等の確認を済ませ、そして条文化へと移る、といった政策形成・条例作成の
過程をひととおり経験します。
本書は、平成 26 年 10 月から翌年2月にかけて実施した同研修の成果をまと
め、報告書として刊行するものです。
例年、時宜に適った事柄を研修テーマとして取り上げています。平成 26 年度
は「空き家問題への対策」をテーマとしました。多摩・島しょ地域のさまざま
な市町村、所属部署から研修生が集まり、テーマに対して広い視野から検討し、
必要な情報について粘り強く調べ、研修生間で協力しながら条文をまとめ上げ
ていきました。
また、研修最終日に設けた発表会は、研究成果を活かし、内容の濃い充実し
たものとなりました。研修生の努力の結晶を、この度報告書という形で多くの
方に知っていただけるようにいたしました。
本書は、研修内容の記録という役割にとどまらず、さまざまに活躍される自
治体職員の方々の実務上の参考としてもご活用いただけるよう心がけて編集い
たしました。組織市町村はもとより、関係各位それぞれにお役立ていただけま
したら幸いです。
最後になりましたが、研修生の努力と熱意に敬意を表するとともに、ご協力
いただいた各自治体の方々、そして長期間にわたって研修生を派遣してくださ
った職場の皆さまのご理解とご支援に感謝申し上げます。
平成 27 年3月
東京都市町村職員研修所
平成26年度
自治体経営研修「立法法務」
自治体経営研修
「立法法務」を担当して
-1-
-2-
自治体経営研修「立法法務」を担当して
担当講師
法務指導
1
特別講師
中村正美
特別講師
高田明彦
特別講師
水越寿彦
テーマについて
平 成 26 年 度 の 研 修 テ ー マ は「 空 き 家 問 題 へ の 対 策 」と し ま し た 。
空 き 家 が 多 く 発 生 す る よ う な 時 代 が 来 る こ と は 、以 前 か ら 指 摘 さ れ
て い ま し た が 、空 き 家 に つ い て 行 政 が 関 与 し な け れ ば な ら な い 状 況
になるという認識はごく限られた人のみが持っていたにすぎませ
んでした。とりわけ、東京においては、戦後の荒廃したまちでの住
宅建設、高度成長期の東京への人口集中による住宅の需要、さらに
は バ ブ ル 期 で の 個 人 住 宅 取 得 の 困 難 性 な ど の 理 由 か ら 、家 と い う も
の に あ こ が れ を 抱 き 、住 宅 は 大 切 に 管 理 を し て き た 時 代 が 続 い て い
ました。しかしながら、超高齢・少子時代に突入した現在、様々な
事情により十分な管理ができていない住宅が目につくようになっ
てきました。
総 務 省 の 統 計 で は 、空 き 家 は 年 々 増 加 の 傾 向 に あ り 、全 国 の 空 き
家 の 数 は 800 万 件 を 超 す 状 況 に な っ て い ま す 。空 き 家 が 増 え て い る
一 方 で 、新 築 の 住 宅 は 年 間 90 万 戸 程 度 の 供 給 が さ れ 続 け て い ま す 。
人 口 減 少 時 代 に 入 っ た 現 在 、ま す ま す 空 き 家 は 増 え て い く こ と が 予
想 さ れ ま す 。空 き 家 と な っ て い く 住 宅 は 戦 後 に 建 て た 住 宅 が 圧 倒 的
に 多 く な っ て い ま す が 、そ の 時 代 の 住 宅 は 住 宅 の 質 よ り 量 を 優 先 し
た 傾 向 に あ り ま し た の で 、中 古 住 宅 と し て の 価 値 が 評 価 さ れ な い と
い う 側 面 も 持 ち 合 わ せ て い ま す 。適 正 に 管 理 さ れ て い な い 空 き 家 は 、
ニ ュ ー ヨ ー ク で の「 割 れ 窓 理 論 」に も み ら れ る よ う に 、犯 罪 の 発 生 、
さらには都市景観、震災時の被害、生活環境などの視点から考える
と 、そ の 地 域 を よ り 悪 い 方 に 向 け て し ま う と い う 危 険 を は ら ん で い
ます。
-3-
政 策 課 題 は 、一 般 的 に 都 市 部 の 課 題 と 山 村 部 の 課 題 と い っ た よ う
に 地 域 特 性 に よ っ て 区 分 さ れ る 場 合 が 多 く な っ て い ま す が 、空 き 家
対 策 は 、人 口 の 多 い 地 域 で も 過 疎 化 が 進 む 山 村 部 で も 発 生 し て い る
政策課題であることが特徴です。そういう意味では、東京都全市町
村 共 通 の テ ー マ で あ り 、適 切 な テ ー マ 設 定 で あ っ た と 考 え て い ま す 。
空 き 家 に 関 係 す る 条 例 は 、「 景 観 条 例 」「 ま ち づ く り 条 例 」「 空 き
地対策条例」などで一部扱われてきましたが、空き家対策を主体に
し た 条 例 は 、 平 成 22 年 に 埼 玉 県 所 沢 市 で の 制 定 が 最 初 と い わ れ て
い ま す 。 そ の 後 、 数 年 の 間 に 400 以 上 の 自 治 体 が 空 き 家 対 策 条 例 を
制定しています。国主導で条例を制定する条例とは異なり、自治体
独自の判断で制定する条例でこのように急激に増えていく現象は
他 に あ り ま せ ん 。そ れ だ け 、喫 緊 の 全 国 的 な 課 題 で あ る と 言 え ま す 。
こ の よ う な 状 況 の 中 、国 は 、空 家 対 策 計 画 の 策 定 、空 家 に 関 す る
デ ー タ ベ ー ス の 整 備 、適 正 な 空 家 の 管 理 が で き て い な い 家 屋 に 対 し
ての指導・勧告、さらにはその除去の代執行ができる内容を含んだ
「 空 家 等 対 策 の 推 進 に 関 す る 特 別 措 置 法 」を 平 成 26 年 11 月 に 制 定
しました。特別措置法の制定に伴い、条例化を見直す自治体も出て
いるようですが、特別措置法を補完し、その自治体特有の課題を解
決するための手段として条例化という意思表示をすることは重要
であろうと考えています。
研 修 の テ ー マ を 設 定 し た 時 点 で は 、特 別 措 置 法 は 制 定 さ れ て い な
い 状 況 で し た が 、研 究 を 進 め て い く 段 階 に お い て 徐 々 に そ の 概 要 が
明らかになり、研修のまとめに入る時点では、法律が制定され、そ
の内容を踏まえて条例を制定するという特異な研修期間となりま
した。研修生も後戻り等があり混乱したところもありましたが、貴
重な経験になったのではないかと考えています。
ま た 、テ ー マ 設 定 に あ た っ て は 、従 来 は 、今 日 的 課 題 で は あ る が 、
今 ま で 各 自 治 体 が 扱 っ た こ と の 少 な い よ う な 事 例 を 選 び 、研 修 生 が
条 例 案 を 考 え て い く と い う よ う な 手 法 を 採 用 し て い ま し た が 、今 回
の 研 修 の 特 徴 と し て は 、先 進 条 例 が た く さ ん あ る テ ー マ を 選 ん だ と
ころにあります。先進事例があると、その内容を参考にして自分た
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ち で 考 え ず 、先 進 事 例 の 真 似 を し て し ま う と い う 弊 害 に 陥 り や す く
なります。一方、あまり取扱い事例がない場合は、なるべく斬新な
考え方を盛り込もうとする意識が働き、議論が上滑りして、現実的
でない条例案が出来上がる危険性を含んでいます。
今 回 の 研 修 に お い て は 、特 別 措 置 法 や 他 の 自 治 体 の 条 例 を 参 考 に
し て 、さ ら に 自 分 た ち の 研 究 で 見 え て き た 内 容 を 反 映 す る 手 法 を 試
みました。
他 の 自 治 体 の 条 例 等 を 参 考 に す る 場 合 、注 意 し な け れ ば な ら な い
ことは、徒に真似ることではなく、なぜその自治体でそのような誘
導 や 規 制 を し な け れ ば な ら な か っ た の か 、そ の 地 域 特 性 を 理 解 す る
ことが大変重要となってきます。
2
政策形成の進め方について
自 治 体 経 営 研 修「 立 法 法 務 」は 、政 策 形 成 能 力 を 高 め る と と も に 、
政策の条例化を中心とした法務能力の向上を図るという二つの能
力向上を狙いとしています。今回の研修では、従来のギャップアプ
ローチ的手法から離れて、まず、現状分析に重点を置いて、そこか
ら見えてくる課題を見据えた条例づくりを心掛けました。
空 き 家 と い う テ ー マ に 対 し て 、ど の よ う な 問 題 が 発 生 し て い る の
か、このまま放置するとどのようなことになってしまうのか、空き
家 が ま ち づ く り に ど の よ う な 影 響 を 及 ぼ し て い る の か 、空 き 家 の 利
活 用 は ど の よ う に し た ら 良 い の か 、な ど を 考 え な が ら 現 状 分 析 を 行
いました。また、基礎的なデータとして、空き家戸数の推移、全国
での空き家対策条例の制定状況なども整理して研修に臨みました。
条 例 は 、そ の 自 治 体 で 課 題 と な っ て い る も の を 解 決 す る た め の 手
段となっています。今回の研修にあたっては、研修生を都市部と山
村部の視点で、二つのグループに分けて研究することとしました。
空 き 家 対 策 は 全 国 的 課 題 で あ る と し て も 、そ の 持 っ て い る 意 味 合 い
や 利 活 用 の 面 で は 、都 市 部 と 山 村 部 で は 違 う 側 面 が あ る よ う に 思 わ
れます。そこで、今回の研修では、漠然と都市部の空き家、山村部
-5-
の 空 き 家 を 考 え る の で は な く 、そ れ ぞ れ 具 体 的 自 治 体 を 想 定 し て 研
究 を 進 め 、そ の 自 治 体 に あ っ た 条 例 と す る こ と に 力 点 を 置 い た 研 修
としました。
3
研修の進め方について
研 修 生 は 、空 き 家 を 担 当 す る 部 門 の 職 員 、法 務 を 担 当 す る 職 員 を
はじめとして幅広い分野の職員が参加してくれました。研修では、
それぞれ職員の持っている能力をグループとして活かしながら進
め る と い う プ ロ ジ ェ ク ト 方 式 の 研 修 に 重 点 を 置 き 、自 主 性 を 尊 重 し
た研修としました。自ら考え、自らの力でまとめていくという能力
は、一朝一夕につきませんが、研修生は、四苦八苦しながらも発表
にこぎつけることができました。
こ の 研 修 を 通 し て 自 学 の 大 切 さ を 理 解 し て い た だ け れ ば 、講 師 と
してうれしい限りです。
-6-
平成26年度
自治体経営研修「立法法務」
研 修 報 告 書
空き家問題への対策
-7-
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平成26年度
自治体経営研修「立法法務」
1グループ研修報告書
○○町空家等の発生の予防、適正管理
及び利活用に関する条例
-9-
八王子市
大澤
吉隆
立川市
林
良樹
府中市
矢野東
寛恭
町田市
福田
淳
日野市
櫻井
芳樹
東村山市
田中
幹仁
国立市
大西
瑞穂
国立市
島﨑
健司
多摩市
五十嵐
奥多摩町
加藤
光
貴代美
- 10 -
○○町空家等の発生の予防、適正管理
及び利活用に関する条例
前文
わが○○町は、広大で美しい自然とワサビ・シイタケ等の特産物を
有する、人と自然が調和したやすらぎに溢れたまちです。
私たちは、先人たちが守ってきた豊かな環境や培ってきた文化、地
場産業などのかけがえのない財産を大切に次世代に引継いでいかなけ
ればなりません。
他方、少子超高齢・人口減少の波は、わがまちにも着実に押し寄せ
てきており、中でも全国的な課題となっている空家問題は、年を追う
ごとに深刻の度を増し、行政及び町民等が一体となって解決を図らな
ければならない課題となりつつあります。
私たちは、この課題に取組、活力ある地域社会を維持し創出するた
め、この条例を定めます。
(目的)
第1条
この条例は、空家等の発生の予防、適正管理及び利活用につ
いて必要な事項を定めることにより、町の生活環境を保全し、町民
等の安全で安心な暮らしの実現に寄与し、もって地域の活性化を推
進することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞ
れ当該各号に定めるところによる。
(1)空家等
町の区域内の建築物又はこれに附属する工作物であっ
て居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及び
そ の 敷 地( 立 木 そ の 他 の 土 地 に 定 着 す る 物 を 含 む 。)を い う 。た だ
し、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2)不適正管理空家等
長期にわたり明らかに適正管理がなされて
おらず、利活用ができないおそれのある状態にあると町長が認め
る空家等をいう。
(3)特定空家等
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険とな
- 11 -
るおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状
態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっ
ている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置するこ
とが不適切である状態にあると町長が認める空家等をいう。
(4)所有者等
(5)事業者
空家等の所有者又は管理者をいう。
町の区域内において不動産業、建設業その他の空家等
の利活用に関連する事業を営む者をいう。
(6)町民等
町内に居住し、滞在し、勤務し、又は在学する者及び
町内に所在する法人その他の団体をいう。
(7)自治組織等
自治会、町内会その他の地域住民が組織する団体
をいう。
(8)空家等バンク
空家等の情報の登録を通じて、当該空家等の適
正管理を促進するとともに、空家等の利活用を希望する所有者等
からの報告を受けて登録した情報を、町内への滞在若しくは定住
等を目的として空家等の紹介を希望する者(以下「紹介希望者」
と い う 。) に 対 し 、 提 供 す る 制 度 を い う 。
(基本理念)
第3条
空 家 等 は 、そ の 利 活 用 に よ り 町 の 魅 力 向 上 を 図 る こ と が で き 、
またその効果として交流人口の増加が期待できる等、地域活性化を
図 る た め の 町 の 貴 重 な 資 源 で あ る と い う 認 識 の 下 に 、町 、所 有 者 等 、
事業者、町民等及び自治組織等がそれぞれの責務と役割を果たすこ
とを基本理念とする。
(町の責務)
第4条
町は、基本理念にのっとり、空家等の発生の予防、適正管理
及び利活用に関し、必要な施策を総合的に講じなければならない。
2
町は、基本理念にのっとり、所有者等、事業者、町民等及び自治
組織等の参加及び協力について、広報活動、啓発活動その他必要な
措置等を講じ、促進しなければならない。
(所有者等の責務)
第5条
所有者等は、基本理念にのっとり、空家等の適正管理及び利
活用に努めなければならない。
- 12 -
(事業者の責務)
第6条
事業者は、基本理念にのっとり、町の施策及び空家等の利活
用に協力するよう努めなければならない。
(町民等の責務)
第7条
町民等は、基本理念にのっとり、町の施策に協力するととも
に、空家等の発生の予防に努めなければならない。
(自治組織等の役割)
第8条
自治組織等は、空家等に関する情報の把握及びその他空家等
の適正管理の推進に積極的な役割を果たすものとする。
(協議会)
第9条
空家等の発生の予防、適正管理及び利活用に係る協議を行う
た め 、 ○ ○ 町 空 家 等 対 策 協 議 会 ( 以 下 「 協 議 会 」 と い う 。) を 置 く 。
2
協 議 会 は 、次 に 掲 げ る 事 項 を 協 議 し 、そ の 結 果 を 町 長 に 報 告 す る 。
(1)空家等対策計画の作成に関すること
(2)不適正管理空家等の認定に関すること
(3)特定空家等の認定に関すること
(4)前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項に関する
こと
3
協 議 会 は 、町 民 等 、○ ○ 町 議 会 議 員 、法 務 、不 動 産 、建 築 、福 祉 、
文化等に関する学識経験者その他の町長が必要と認める者10名以
内をもって構成する。
4
前3項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、
町長が別に定める。
(空家等バンク)
第10条
町長は、本条例の目的を達成するため、空家等バンクを実
施する。
2
所有者等は、空家等の情報を町長へ報告しなければならない。
3
空家等の利活用を希望する所有者等は、町長に申請するものとす
る。
4
町長は、前2項の規定による報告又は申請に基づき、情報を登録
しなければならない。
- 13 -
(空家等の利活用)
第11条
町長は、前条第4項の規定による登録を受けた所有者等が
空家等の利活用を希望するときは、紹介希望者に対して当該空家等
の情報を提供するものとする。
2
紹介希望者は、前項の規定による提供を受けて空家等の利活用を
希望するときは、町長に申請するものとする。
3
町長は、所有者等又は自治組織等からの空家等の利活用に関する
相談に応じるとともに、情報の提供、助言その他必要な措置を講じ
なければならない。
4
事業者は、前3項の取組に協力するよう努めなければならない。
5
前各項に掲げるもののほか、空家等の利活用に必要な事項は、町
長が別に定める。
(空家等の適正管理)
第12条
空家等バンクに登録した所有者等は、自ら空家等の適正管
理をすることが困難なときは、管理に必要な支援を町長に求めるこ
とができる。
2
町長は、前項の規定による求めに応じ、空家等の適正管理に必要
な支援を行うことができる。
(不適正管理空家等に対する措置)
第13条
町長は、特定空家等の発生を防止するため、不適正管理空
家等の所有者等に対し、助言を行うことができる。
2
不適正管理空家等の所有者等は、前項の助言を受けたときは、当
該空家等の適正管理に向けた計画等を策定し、町長に報告しなけれ
ばならない。
(特定空家等に対する措置)
第14条
町長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に
関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図
るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険
となるおそれのある常態又は著しく衛生上有害となるおそれのある
常態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項にお
い て 同 じ 。) を と る よ う 助 言 又 は 指 導 を 行 う こ と が で き る 。
- 14 -
2
町長は、前項の助言又は指導をした場合において、なお当該特定
空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を
受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の
伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるこ
とを勧告することができる。
3
町長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくて
その勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要がある
と認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧
告に係る措置をとることを命ずることができる。
4
町長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじ
め、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置
及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書
を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書
及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
5
前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日
以内に、町長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取
を行うことを請求することができる。
6
町長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合におい
ては、第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求
めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
7
町長は、前項の意見の聴取を行う場合においては、第3項の規定
によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、
期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これ
を公告しなければならない。
8
第6項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、
かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
9
町長は、第3項の規定により必要な措置を命じた場合において、
その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても
十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みが
ないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めると
ころに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこ
- 15 -
れをさせることができる。
10
第3項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、
過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができな
いとき(過失がなくて第1項の助言若しくは指導又は第2項の規定
による勧告が行われるべき者を確知することができないため第3項
に 定 め る 手 続 に よ り 命 令 を 行 う こ と が で き な い と き を 含 む 。)は 、町
長は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じ
た者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合におい
ては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限ま
でにその措置を行わないときは、町長又はその命じた者若しくは委
任した者がその措置を行うべき者をあらかじめ公告しなければなら
ない。
11
町長は、第3項の規定による命令をした場合においては、標識
の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨
を公示しなければならない。
12
前項の標識は、第3項の規定による命令に係る特定空家等に設
置することができる。この場合においては、当該特定空家等の所有
者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
13
第3項の規定による命令については、行政手続条例(平成○年
条例第○号)の規定は、適用しない。
(立入調査等)
第15条
町長は、空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握す
るための調査その他空家等に関し、この条例の施行のために必要な
調査を行うことができる。
2
町長は、第14条第1項から第3項までの規定の施行に必要な限
度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる
場所に立ち入って調査をさせることができる。
3
町長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等
と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前まで
に、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。た
だし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この
- 16 -
限りでない。
4
第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする
者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったとき
は、これを提示しなければならない。
5
第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認めら
れたものと解釈してはならない。
(空家等の所有者等に関する情報の利用等)
第16条
町長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する
目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関す
るものについては、この条例の施行のために必要な限度において、
その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のための内部
で利用することができる。
2
町長は、この条例の施行のために必要があるときは、関係する地
方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関
し必要な情報の提供を求めることができる。
(相続財産管理人の選任)
第17条
町長は、空家等の相続人があることが明らかでない場合で
あって、この条例の目的を達成するために必要があると認めるとき
は、当該空家等について、民法(明治29年法律第89号)第95
2条第1項に規定する相続財産の管理人の選任に必要な手続きを行
うことができる。
2
町長は、空家等の相続人の全部又は一部が民法第25条第1項に
規定する不在者である場合であって、この条例の目的を達成するた
めに必要があると認めるときは、当該空家等について、同項に規定
する財産の管理人の選任に必要な手続きを行うことができる。
(協力要請)
第18条
町長は、この条例の目的を達成するために必要と認めると
きは、警察署、消防署、その他の関係機関に助言若しくは指導、勧
告又は命令に関する情報を提供し、必要な協力を求めることができ
る。
(規則への委任)
- 17 -
第19条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要
な事項は、規則で定める。
附
則
この条例は、平成27年○月○日から施行する。
- 18 -
○○町空家等の発生の予防、適正管理
及び利活用に関する条例
逐条解説
前文
わが○○町は、広大で美しい自然とワサビ・シイタケ等の特産物を
有する、人と自然が調和したやすらぎに溢れたまちです。
私たちは、先人たちが守ってきた豊かな環境や培ってきた文化、地
場産業などのかけがえのない財産を大切に次世代に引継いでいかなけ
ればなりません。
他方、少子超高齢・人口減少の波は、わがまちにも着実に押し寄せ
てきており、中でも全国的な課題となっている空家問題は、年を追う
ごとに深刻の度を増し、行政及び町民等が一体となって解決を図らな
ければならない課題となりつつあります。
私たちは、この課題に取組、活力ある地域社会を維持し創出するた
め、この条例を定めます。
(目的)
第1条
この条例は、空家等の発生の予防、適正管理及び利活用につ
いて必要な事項を定めることにより、町の生活環境を保全し、町民
等の安全で安心な暮らしの実現に寄与し、もって地域の活性化を推
進することを目的とする。
【解説】
本条は、条例の目的を定めたものです。
近年問題となっている空家対策に関し、空家を適正に管理し、か
つ空家の発生や管理不全な状態になることを予防し、防犯・防災面
で町民が安全で安心して暮らせる町づくりを目指すこと、また、空
家を利活用することで人口減少を食い止め、町の観光産業等の活性
化を図ることを目的とします。
- 19 -
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞ
れ当該各号に定めるところによる。
(1)空家等
町の区域内の建築物又はこれに附属する工作物であっ
て居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及び
そ の 敷 地( 立 木 そ の 他 の 土 地 に 定 着 す る 物 を 含 む 。)を い う 。た だ
し、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2)不適正管理空家等
長期にわたり明らかに適正管理がなされて
おらず、利活用ができないおそれのある状態にあると町長が認め
る空家等をいう。
(3)特定空家等
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険とな
るおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状
態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっ
ている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置するこ
とが不適切である状態にあると町長が認める空家等をいう。
(4)所有者等
(5)事業者
空家等の所有者又は管理者をいう。
町の区域内において不動産業、建設業その他の空家等
の利活用に関連する事業を営む者をいう。
(6)町民等
町内に居住し、滞在し、勤務し、又は在学する者及び
町内に所在する法人その他の団体をいう。
(7)自治組織等
自治会、町内会その他の地域住民が組織する団体
をいう。
(8)空家等バンク
空家等の情報の登録を通じて、当該空家等の適
正管理を促進するとともに、空家等の利活用を希望する所有者等
からの報告を受けて登録した情報を、町内への滞在若しくは定住
等を目的として空家等の紹介を希望する者(以下「紹介希望者」
と い う 。) に 対 し 、 提 供 す る 制 度 を い う 。
【解説】
本条は、本条例で使用されている用語の意義を定めたものです。
第1号の「空家等」とは、人の居住や出入りが無い状態で、現に
- 20 -
使用されていない又はこれに類する状態にある建築物及びこれに附
属する工作物をいいます。建築物及びこれに附属する工作物とは、
屋 根 及 び 柱 若 し く は 壁 を 有 す る も の で 、実 際 に は 住 宅 、物 置 、車 庫 、
門扉、塀、作業場などが想定されます。また当該建築物が存する敷
地及び立木なども含むものとし、特措法の空家等の定義と同一とな
っています。ただし、共同住宅のような同じ建物に数戸が居住する
マンション、アパートなどについては、全戸の居住が無くなった場
合にここで定める定義に含まれることになります。
第2号では、長期にわたり明らかに管理されておらず、利活用が
できなくなるおそれのある状態で、そのまま放置されると第3号の
特定空家等となってしまう空家であって、第9条に規定する協議会
で協議され、町長が認めた空家を定義しています。この用語を定義
した意図として、特定空家等が及ぼす近隣住民等への迷惑や行政の
多大な負担等は著しいものがあり、行政としても特定空家化は防止
しなければならず、その防止策として特定空家等の予備軍と言える
この用語を定め、対策を講じています。
第3号では、
「 空 家 等 対 策 の 推 進 に 関 す る 特 別 措 置 法 」に 定 め ら れ
ている特定空家等であり、そのまま放置すると町の景観を損ない、
生活環境を悪化させるおそれのあるもので、第2号と同様に協議会
で協議され、町長が認めた空家を定義しています。
第4号の「所有者等」とは、空家やそれに付属する工作物の所有
者、所有者の相続人、又は管理責任のある者をいいます。
第5号の「事業者」とは、町の区域内において不動産業、その他
利活用と関連する事業を営む者と定義しており、主に第8号に定義
している「空家等バンク」に登録した所有者等と、利活用を希望し
た者(紹介希望者)との間で行う物件の交渉等仲介業務や、空家等
の情報の発信を協力してもらうこととしています。
第6号の「町民等」で定めている「その他の団体」とは、ボラン
ティア団体など任意の団体も含まれます。
第7号の「自治組織等」では、町内の自治会や、NPO等の地域
で活動するため自主的に結成した団体も含みます。
- 21 -
第8号の「空家等バンク」に定めている「空家等の情報の登録」
とは、空家の所有者は、必ず町にその情報を報告するものとし、町
は報告された情報をもとにデータベース化するものです。または、
空家等と思われる物件を確認した場合隣住民その他当該空家等の所
有者以外の者から情報提供を受けたものをもとに所有者等に空家等
の報告を促すものです。
登録された情報を基に、当該空家等が適正に管理がされていない
場合には、当該所有者等へ適正な管理をするように指導を行うこと
とします。また、空家等の賃貸・売買等利活用を希望する所有者等
から受けた情報を、観光目的や農園体験等の滞在、町内への定住等
を目的として空家等の利活用を希望する者(紹介希望者)に、登録
された情報を提供(紹介)する制度です。
(基本理念)
第3条
空 家 等 は 、そ の 利 活 用 に よ り 町 の 魅 力 向 上 を 図 る こ と が で き 、
またその効果として交流人口の増加が期待できる等、地域活性化を
図 る た め の 町 の 貴 重 な 資 源 で あ る と い う 認 識 の 下 に 、町 、所 有 者 等 、
事業者、町民等及び自治組織等がそれぞれの責務と役割を果たすこ
とを基本理念とする。
【解説】
本条は、基本理念として、空家等の利活用を通して、地域住民と
都市住民の交流拡大及び定住促進のために、町や町民等、自治組織
が果たすべきそれぞれの責任と役割を明らかにし、相互に協力して
町の活性化を図ることを推進することと規定しました。
- 22 -
(町の責務)
第4条
町は、基本理念にのっとり、空家等の発生の予防、適正管理
及び利活用に関し、必要な施策を総合的に講じなければならない。
2
町は、基本理念にのっとり、所有者等、事業者、町民等及び自治
組織等の参加及び協力について、広報活動、啓発活動その他必要な
措置等を講じ、促進しなければならない。
【解説】
本条は、町内の空家対策に関する町の責務について定めたもので
す。
町は所有者等の適正管理を促すとともに、空家の発生の抑制や利活
用に係る対策を総合的に行うことを規定しています。
第2項では、空家等の適正管理や利活用に関し、所有者等、事業
者、町民等及び自治組織等が自主的に取り組まなければならない対
策 に 対 し 、広 報 活 動 や 啓 発 活 動 そ の 他 必 要 な 措 置 を 講 じ る こ と と し 、
「必要な措置」には適正な維持管理に係る支援として、住宅改修の
補助や相談、草刈り、管理業者の斡旋などを想定しています。
(所有者等の責務)
第5条
所有者等は、基本理念にのっとり、空家等の適正管理及び利
活用に努めなければならない。
【解説】
本条は、所有者等に対して、空家等を適正に管理することを定め
ています。空家等は所有者である個人又は法人の所有物であり、原
則としては当該所有者が自ら適正に管理する義務と社会的責任を負
うことを義務付けています。
- 23 -
(事業者の責務)
第6条
事業者は、基本理念にのっとり、町の施策及び空家等の利活
用に協力するよう努めなければならない。
【解説】
本条は、事業者に対して、空家等の利活用に係る協力について定
めています。所有者等と利活用を希望する者との仲介業務を行うこ
と な ど 、利 活 用 が 円 滑 に 行 わ れ る よ う 協 力 す る こ と を 定 め て い ま す 。
(町民等の責務)
第7条
町民等は、基本理念にのっとり、町の施策に協力するととも
に、空家等の発生の予防に努めなければならない。
【解説】
本条は、町民等に対して、町が実施する空家対策に協力するとと
もに、現在住んでいる家屋が空家等とならないように努めることと
定めています。
(自治組織等の役割)
第8条
自治組織等は、空家等に関する情報の把握及びその他空家等
の適正管理の推進に積極的な役割を果たすものとする。
【解説】
本条は、地域のことを十分に把握している自治組織等に対して、
適正に管理されていない空家等の情報を、町に提供してもらうこと
及び空家対策について積極的に協力することを定めています。
- 24 -
(協議会)
第9条
空家等の発生の予防、適正管理及び利活用に係る協議を行う
た め 、 ○ ○ 町 空 家 等 対 策 協 議 会 ( 以 下 「 協 議 会 」 と い う 。) を 置 く 。
2
協 議 会 は 、次 に 掲 げ る 事 項 を 協 議 し 、そ の 結 果 を 町 長 に 報 告 す る 。
(1)空家等対策計画の作成に関すること
(2)不適正管理空家等の認定に関すること
(3)特定空家等の認定に関すること
(4)前3号に掲げるもののほか、町長が必要と認める事項に関する
こと
3
協 議 会 は 、町 民 等 、○ ○ 町 議 会 議 員 、法 務 、不 動 産 、建 築 、福 祉 、
文化等に関する学識経験者その他の町長が必要と認める者10名以
内をもって構成する。
4
前3項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、
町長が別に定める。
【解説】
本条は、空家等の発生の予防、利活用及び適正管理に係る協議を
行う協議会について定めたものです。
協議会は、この条例の適正な運用を図るため、○○町における空
家等対策計画の作成、不適正管理空家等の認定及び特定空家等の認
定に関すること、について協議することとしています。
当該協議会は、町民等、○○町議会議員、法務、不動産、建築、
福祉、文化等に関する学識経験者等の委員10名以内によって構成
するものとし、かつ、第2項各号に規定する事項について意見を集
約し、町長に報告することとしています。
なお、当該協議会は、地方自治法第138条の4第3項に規定す
る附属機関に該当すると考えますが、第4項の規定により詳細な事
項については、町長に委任する形式を取っています。
- 25 -
(空家等バンク)
第10条
町長は、本条例の目的を達成するため、空家等バンクを実
施する。
2
所有者等は、空家等の情報を町長へ報告しなければならない。
3
空家等の利活用を希望する所有者等は、町長に申請するものとす
る。
4
町長は、前2項の規定による報告又は申請に基づき、情報を登録
しなければならない。
【解説】
本条は、本条例の目的を達成する有効な手段と考える「空家等バ
ンク」の運用について、町長、所有者等、紹介希望者の役割を定め
たものです。
第 1 項 で は 、町 長 は「 空 家 等 バ ン ク 」を 実 施 す る こ と と し ま し た 。
第2項では、所有者等の報告義務を定め、町内に存在する空家等
の情報を的確に町が把握する体制を整備しました。
第3項では、所有者等が、空家等の利活用を希望するにあたって
は、申請に基づくものとしました。
第4項では、活発な運用を図るため、町は「空家等バンク」に登
録された情報をデータベース化するものとしました。
(空家等の利活用)
第11条
町長は、前条第4項の規定による登録を受けた所有者等が
空家等の利活用を希望するときは、紹介希望者に対して当該空家等
の情報を提供するものとする。
2
紹介希望者は、前項の規定による提供を受けて空家等の利活用を
希望するときは、町長に申請するものとする。
3
町長は、所有者等又は自治組織等からの空家等の利活用に関する
相談に応じるとともに、情報の提供、助言その他必要な措置を講じ
- 26 -
なければならない。
4
事業者は、前3項の取組に協力するよう努めなければならない。
5
前各項に掲げるもののほか、空家等の利活用に必要な事項は、町
長が別に定める。
【解説】
本条は、空家等の利活用を活発化するため、町長は「空家等バン
ク」に登録された情報について、所有者等が利活用を希望する空家
等の情報を、町外から町内へ定住等を目的として空家等の利活用を
希望する者(紹介希望者)へ情報提供し、空家等の所有者等と紹介
希望者のマッチングを図ることと定めたものです。
第2項では、第10条第3項、4項で申請及び登録された紹介希
望者が、前項の規定による空家等の情報の提供を受けて、利活用し
たい空家等があった場合に、申請することとしました。
第3項では、所有者等及び自治組織等からの利活用に関する相談
に応じること、また、その際における情報の提供、助言その他必要
な措置を講ずることとしました。
第4項では、町内において事業を行っている事業者に対して、所
有者等と利活用を希望する者との仲介業務を行うことなど、利活用
が円滑に行われるよう協力することを努力義務として課すものとし
ました。
第5項では、前3項に掲げるもののほか、住宅改修の補助や相談
など、空家等の利活用に必要な事項は、町長が別に定め、円滑な空
家等の利活用を推進することとしました。
(空家等の適正管理)
第12条
空家等バンクに登録した所有者等は、自ら空家等の適正管
理をすることが困難なときは、管理に必要な支援を町長に求めるこ
とができる。
- 27 -
2
町長は、前項の規定による求めに応じ、空家等の適正管理に必要
な支援を行うことができる。
【解説】
本条は、
「 空 家 等 バ ン ク 」に 登 録 し た 所 有 者 等 は 、適 正 管 理 を 行 う
のは、原則、所有者等自身でありますが、それが困難な場合で、か
つ支援を求める場合は、町に必要な支援を求めることができるもの
と定めたものです。
第 2 項 は 、町 長 は 、前 項 の 規 定 に よ る 求 め が あ っ た 場 合 に お い て 、
草刈り、管理業者の斡旋など、空家等の適正管理に必要な支援を行
うことができるものとしました。
(不適正管理空家等に対する措置)
第13条
町長は、特定空家等の発生を防止するため、不適正管理空
家等の所有者等に対し、助言を行うことができる。
2
不適正管理空家等の所有者等は、前項の助言を受けたときは、当
該空家等の適正管理に向けた計画等を策定し、町長に報告しなけれ
ばならない。
【解説】
本条は、特定空家等の発生の防止を図るため、不適正管理空家等
の所有者等に対し、助言を行うことができると定めたものです。
第2項は、前項の助言を受けた不適正管理空家等の所有者等は、
助 言 を 真 摯 に 受 け 止 め 、空 家 等 の 適 正 管 理 に 向 け た 取 り 組 み 計 画 等 、
必要な報告を町にしなければならないものとし、不適正管理空家等
の 今 後 の 管 理 に つ い て 、町 が 情 報 を 把 握 で き る 体 制 を 整 備 し ま し た 。
- 28 -
(特定空家等に対する措置)
第14条
町長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に
関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図
るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険
となるおそれのある常態又は著しく衛生上有害となるおそれのある
常態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項にお
い て 同 じ 。) を と る よ う 助 言 又 は 指 導 を 行 う こ と が で き る 。
2
町長は、前項の助言又は指導をした場合において、なお当該特定
空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を
受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の
伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるこ
とを勧告することができる。
3
町長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくて
その勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要がある
と認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧
告に係る措置をとることを命ずることができる。
4
町長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじ
め、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置
及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書
を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書
及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
5
前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日
以内に、町長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取
を行うことを請求することができる。
6
町長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合におい
ては、第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求
めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
7
町長は、前項の意見の聴取を行う場合においては、第3項の規定
によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、
期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これ
- 29 -
を公告しなければならない。
8
第6項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、
かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
9
町長は、第3項の規定により必要な措置を命じた場合において、
その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても
十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みが
ないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めると
ころに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこ
れをさせることができる。
10
第3項の規定により必要な措置を命じようとする場合におい
て、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することがで
きないとき(過失がなくて第1項の助言若しくは指導又は第2項の
規定による勧告が行われるべき者を確知することができないため第
3 項 に 定 め る 手 続 に よ り 命 令 を 行 う こ と が で き な い と き を 含 む 。)
は、町長は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はそ
の命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合
においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその
期限までにその措置を行わないときは、町長又はその命じた者若し
くは委任した者がその措置を行うべき者をあらかじめ公告しなけれ
ばならない。
11
町長は、第3項の規定による命令をした場合においては、標識
の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨
を公示しなければならない。
12
前項の標識は、第3項の規定による命令に係る特定空家等に設
置することができる。この場合においては、当該特定空家等の所有
者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
13
第3項の規定による命令については、行政手続条例(平成○年
条例第○号)の規定は、適用しない。
【解説】
本条は、特定空家等に対する措置について定めたものです。
- 30 -
第1項では、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等の除
却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために
必要な措置をとるよう助言又は指導を行うことができることを規定
しています。
第2項では、前項の助言又は指導を行ったにもかかわらず、当該
特定空家等の状態が改善されないときには、当該特定空家等の所有
者等に対し、必要な措置をとるよう勧告を行うことができることを
規定しています。
第3項では、前項の勧告を行ったにもかかわらず、当該勧告に基
づく措置を履行しない当該特定空家等の所有者等に対し、期限を定
めて、必要な措置をとるよう命ずることができることを規定してい
ます。なお、期限については、個々の案件の状況によって異なるた
め、第9条の協議会で協議することを想定しています。
第4項から第8項までは、前項の命令をする際に、当該特定空家
等の所有者等に対し、当該命令に係る措置及びその理由等を記載し
た通知書を交付して意見の聴取行う等、これに係る事項を規定して
います。
第9項では、第3項の規定による命令を受けた当該特定空家等の
所有者等が、これを履行しない場合において、他の方法で命令に従
わせることが困難であり、かつ、そのままでは周辺の生活環境に深
刻な影響を与えるなど、著しく公益に反する場合に、行政代執行法
に定められた手続により、代執行を行うことができることを規定し
ています。
第10項では、第3項の規定による命令をしようとする場合、当
該命令を受ける当該特定空家等の所有者等に確知することができな
いときは、町長は、当該命令に係る必要な措置を行う旨を公告しな
ければならないことを規定しています。
第11項では、第3項の規定による命令をした場合、その旨を公
示しなければならないことを規定しています。
第12項では、第3項の規定による命令に係る標識の設置を行う
ことができるとし、当該特定空家等の所有者等は当該標識の設置を
- 31 -
拒み、又は妨げてはならないことを規定しています。
第13項では、第3項の規定による命令については、○○町の行
政手続条例(平成○年条例第○号)の規定を適用しないことを規定
しています。
(立入調査等)
第15条
町長は、空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握す
るための調査その他空家等に関し、この条例の施行のために必要な
調査を行うことができる。
2
町長は、第14条第1項から第3項までの規定の施行に必要な限
度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる
場所に立ち入って調査をさせることができる。
3
町長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等
と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前まで
に、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。た
だし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この
限りでない。
4
第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする
者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったとき
は、これを提示しなければならない。
5
第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認めら
れたものと解釈してはならない。
【解説】
本条は、町長が空家等の発生の予防、利活用及び適正管理のため
に必要となる立入調査等を行うことができることを定めたものです。
第1項は、町長は、空家等の所在や所有者等を把握するための調
査など、この条例の施行のために必要な調査を行うことができるこ
ととしたものです。具体的な調査方法には、登記簿の調査、市が保
有する関係書類の調査のほか、空家等の所在地における現地調査等
- 32 -
を想定しています。
第2項は、特定空き家等の所有者等に対して助言又は指導、若し
くは勧告又は命令を行う際に、必要な限度において、特定空家等と
認められる場所に立ち入って調査することができることを規定した
ものです。
第3項は、立入調査に際しては、立入調査の趣旨及び内容の説明
をするために、その5日前までに、当該空き家等の所有者等に対し
て立入調査を行う旨を通知しなければならないことを規定したもの
です。
第3項ただし書きは、当該空家等の所有者等が判明しないなどの
理由で、通知することが困難な場合は、通知をせずに、立入調査を
行うことができることを規定したものです。
第4項は、立入調査をする職員等は、必ず身分証明書を携帯する
とともに、所有者等の求めに応じて身分証明書を提示しなければな
らないことを義務付けたものです。
第5項は、本立入調査が任意の調査であり、犯罪捜査のために認
められたものではないことを明らかにしています。
(空家等の所有者等に関する情報の利用等)
第16条
町長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する
目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関す
るものについては、この条例の施行のために必要な限度において、
その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のための内部
で利用することができる。
2
町長は、この条例の施行のために必要があるときは、関係する地
方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関
し必要な情報の提供を求めることができる。
【解説】
本 条 は 、個 人 情 報 の 目 的 外 利 用 及 び 収 集 に 関 し て 定 め た も の で す 。
- 33 -
第1項は、固定資産税課税台帳等に記載されている、町が保有す
るその他の事務のために利用する目的で収集された情報であっても、
本条例の施行のために必要と認められる範囲において、個人情報の
目的外利用を認めています。
第2項は、空家等の適正管理に必要な情報を得るため、関係する
地方公共団体に対して必要な情報の提供を求めることができること
を示したものです。
(相続財産管理人等の選任)
第17条
町長は、空家等の相続人があることが明らかでない場合で
あって、この条例の目的を達成するために必要があると認めるとき
は、当該空家等について、民法(明治29年法律第89号)第95
2条第1項に規定する相続財産の管理人の選任に必要な手続きを行
うことができる。
2
町長は、空家等の相続人の全部又は一部が民法第25条第1項に
規定する不在者である場合であって、この条例の目的を達成するた
めに必要があると認めるときは、当該空家等について、同項に規定
する財産の管理人の選任に必要な手続きを行うことができる。
【解説】
本条は、空家等の相続人が不明で、本条例の目的を達成するため
に必要な場合に相続財産管理人等の選任ができることについて定め
たものです。具体的には、特定空家等により、周辺の住民や財産に
深刻な影響を及ぼすおそれがあるときに、町長が財産管理人等の選
任を行うことを規定しています。
第1項では、民法第952条第1項の規定に基づき進める相続財
産管理人の選任の申立て手続きについて規定しています。
第2項では、民法第25条第1項の規定に基づき進める不在者財
産管理人の選任手続きについて規定しています。
実 質 的 に は 、利 害 関 係 者 で な い 限 り 選 任 の 申 立 て が で き な い た め 、
- 34 -
○○町の場合は、家屋等の所有者に対して固定資産税等の滞納等に
より、債権が存在する場合等が利害関係人に該当し、財産管理人等
の専任に必要な手続きを行うことを想定しています。
(協力要請)
第18条
町長は、この条例の目的を達成するために必要と認めると
きは、警察署、消防署、その他の関係機関に助言若しくは指導、勧
告又は命令に関する情報を提供し、必要な協力を求めることができ
る。
【解説】
本条は、警察や消防等の関係機関等が空き家等の情報を有してい
る場合があることから、必要に応じ、それらの関係機関等と情報を
共有し、必要な措置について協議するなど、緊密な連携を図る旨を
定めたものです。
(規則への委任)
第19条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要
な事項は、規則で定める。
【解説】
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項
及び様式等については、規則へ委任する旨を定めたものです。
附
則
この条例は、平成27年○月○日から施行する。
- 35 -
1G 発表
○○町空家等の発生の予防、
適正管理及び利活用に関する条例
平成27年2月26日
1
1G メンバー 紹介
大澤 吉隆(八王子市)
田中
幹仁(東村山市)
林 良樹(立川市)
大西
瑞穂(国立市)
矢野東
島崎
健司(国立市)
寛恭(府中市)
福田
淳(町田市)
五十嵐
櫻井
芳樹(日野市)
加藤
光(多摩市)
貴代美(奥多摩町)
2
- 36 -
本研修のテーマ
仮想都市
○○町
※奥多摩町がモデル
地域課題
空家対策
新たな空家条例の制定
3
本研修のテーマ
新たな空家条例の制定
適正管理
発生予防
空家条例
空家等バンク
利活用
制度
4
- 37 -
本日の内容
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
空家とは?
空家条例に関する全国的な流れ
○○町の基礎情報
○○町の未来に対する課題、取組み
○○町の課題解決に向けた空家対策
空家対策と本条例の位置付け
本条例の内容
5
空家の全国的状況
空家率は
平成25年に13.5%
およそ50年間で
5倍以上に増加
7~8戸に1戸は
空家
出典:総務省統計局 平成25年住宅・土地統計調査
6
- 38 -
空家の将来予想
出典:(公財)東京市町村自治調査会 平成25年度調査報告書自治体の空家対策に関する調査研究報告書
空家率は平成37年にはおよそ25%になる予測
4戸に1戸が空家に
7
空家とは?
出典:(公財)東京市町村自治調査会 平成25年度調査報告書自治体の空家対策に関する調査研究報告書
- 39 -
8
空家発生の原因
少子化
• 人口減少
超高齢社会
• 施設へ移住
住宅供給過多
• 新築住宅増加
• 古い家はそのままに
都市への移住
• 古い家はそのままに
相続
• 相続人間のトラブル等で放置
解体費用
• 高額の解体費用を出せない
(出したくない)
固定資産税の特 • 税金が高くなるから家を解体
したくない
例措置
9
空家による問題
•
老朽化による倒壊のおそれ
•
ごみの不法投棄の誘発
•
放火の危険性
•
不審者の隠れ場、犯行現場に利用
•
治安の悪化
•
景観を損ねる
•
外部不経済
10
- 40 -
空家条例に関する全国的な流れ
◆355の自治体で制定(平成26年4月1日現在)
・平成22年7月所沢市の空家条例以降、制定
・この昨年度の半年で100以上が条例化
◆これまでの空家条例の性格
・ほとんどが適正管理に関する内容
・有効活用を規定した条例も徐々に増加
・行政が撤去する(代執行)には、法的根拠や費用の
面からも難しい
11
空家等対策の推進に関する
特別措置法案(特措法)の成立
・平成26年11月19日に衆議院本会議で成立
・主な内容
①自治体の責務の明確化(第4条)
②協議会の組織(第7条)
③立入調査権(第9条)
④税情報の利用(第10条)
⑤空家等に関するデータベースの整備等(第11条)
⑥特定空家等に対する措置【代執行等】(第14条~)
⑦50万円以下の過料(第16条)
・特措法以降の条例化:平成27年1月現在なし
12
- 41 -
○○町の基礎情報(立地)
特産品は
13
○○町の基礎情報(立地、人口等)
○
○
町
東京駅から電車で約2時間を要する
14
- 42 -
○○町の基礎情報
人口
世帯数
年少人口 生産年齢人口 老年人口
(0~14歳) (15~64歳)
(65歳以
上)
昭和 11,733 2,715 2,919
45年
平成 6,045 2,209 422
22年
平成 4,076 1,478 223
36年
7,888
926
3,125
2,498
1,834
2,019
15
○○町の未来に対する課題
少子化
人口減少
高齢化
生産年齢
人口の減少
16
- 43 -
課題解決のために
1
• 10年後生産人口は激減する
• 高齢者人口の推移は緩やか
2
• 生産年齢人口を増やすことが大事
• 若者の定住化支援
3
• 定住総合相談
• 子ども・子育てがしやすいまちへ
若い世代が増える=まちに活気が生まれる
17
○○町の施策
○○町創造プロジェクト
①人口減少や過疎化対策とし
て少子化、定住化に特化。
②生活環境を整え、町外から
の定住者を増やすことで、人
口構成比を健全にする。
18
- 44 -
少子化対策
少
子
化
対
策
①婚活総合相談
②出会いの場創造事業
③子ども子育て支援
④子ども・子育て支援推進
⑤保育園のPR
⑥手厚い教育
⑦教育支援
19
定住化支援施策
定
住
化
支
援
①分譲地の整備
②賃貸借住宅の整備
③建築・リフォームの補助
④空家の活用
⑤定住化を促進する生活道の整備建築・リ
フォームの補助
20
- 45 -
○○町の施策の効果
○○町の少子化・定住化対策の一定の効果は認められる
しかし人口減少は解消していない
新規の施策と既存の施策の手厚い対応
21
つまり
○○町の課題=
生産人口の減少と産業の衰退
各種の支援施策の展開
→さらなる施策が求められる
社会問題化している空家を資源として捉える
→○○町の現状に合った条例を制定する
必要性
22
- 46 -
○○町の空家の状況と特性
◆空家の状況
居住戸数 約2,800戸(約92%)
空家戸数
約220戸(約 8%)
空家
約8%
◆空家の特性
主に戸建て
総戸数
居住
92%
23
○○町の空家の状況と特性②
◆相続
◆都市移住
24
- 47 -
このまま空家が増えると・・・
空家増加
昼間・夜間
人口減少
まちの
活力低下
景観不良
25
○○町の空家対策
空家発生の負のスパイラルを
断ち切る
空家を資源としてとらえる
→どのようにして資源化する?
「○○町空家等の発生の予防、
適正管理及び利活用に関する条例」の制定
→空家等バンクについて規定
- 48 -
条例化の必要性
①空家情報の登録を義務化
②適正管理のため権利を制限
・法になかった町民の義務の発生
・町民の権利の制限
27
条例化の必要性
空家等バンク制度運用成功の秘訣
町だけではダメ
町・町民・所有者・事業者・自治組織
条例化
28
- 49 -
条例化の必要性
<空家対策を実行するための本条例の役割>
・空家に対する町の姿勢を明示
・空家等バンクへの登録を義務化
・不適正管理空家を位置付け、特定空家化の
予防、早期の対応
・協議会を位置付け、特定空家・不適正管理空家
の認定や利活用に必要な支援の助言を得る
29
本条例の内容(その1)
◆条例の目的
生活環境の保全
発生の予防
利活用
適正管理
まちの地域活性化
(定住促進、観光滞在)
30
- 50 -
本条例の内容(その2)
◆条例の構成
・前文 ・目的 ・定義 ・基本理念 ・各主体の責務
・協議会
・空家等バンク
・空家等の利活用
・空家等の適正管理
・不適正管理空家等に対する措置
・特定空家等に対する措置
・立入調査等
・所有者等に関する情報の利用等
・相続財産管理人制度 ・協力要請 ・規則への委任
31
本条例の内容(その3)
◆本条例の特徴
①空家等バンクの機能を規定
→(空家の利活用推進)
②不適正管理空家について規定
→(特定空家化の予防)
32
- 51 -
本条例の内容(その4)
◆各主体の責務、役割(第4~8条)
町の責務
空家の施策を総合的に講じる
所有者等の責務
利活用、適正管理に努める
事業者等の責務
利活用に協力する
町民の責務
空家の発生の予防に努める
自治組織等
の役割
空家情報の把握、適正管理
33
本条例の内容(その5)
◆空家等対策協議会の役割(第9条)
設置
町
協議結果の報告
協議会へ諮問
協議会
協議
空家等対策計画の作成
不適正管理空家等の認定
特定空家等の認定
発生の予防
利活用
適正管理
34
- 52 -
本条例の内容(その6)
◆空家等バンク(第10条)
<各主体の登録に係る役割を規定>
・町
➔ 空家等バンクを実施
・所有者等 ➔ 空家等の情報を町に報告
(報告の義務)
➔ 町に申請
・町
➔ 空家等バンクに登録
35
本条例の内容(その7)
◆空家等の利活用(第11条)
町 ➔ 利活用希望された空家等の情報を
定住で空家等を利活用したい者に対し、
紹介(マッチング)
町 ➔ 空家等の利活用に関する相談に応じ、
情報の提供、助言、必要な措置を講じる
36
- 53 -
本条例の内容(その8)
◆空家等の適正管理(第12条)
・所有者等 ➔ 自ら維持管理することが困難な
時は、管理に必要な支援を町に
求めることができる
・町 ➔ 適正な維持管理に係る支援を行う
(草刈りや管理業者の斡旋等)
37
○○町空家等バンク制度とは
空家等バンク
登録
町長
(○○町) 管理
報
告
支
援
相
談
空家等
所有者等
登
録
マッチング
利活用
- 54 -
紹介希望者
空家等バンク制度
○○町空家等バンクの特徴①(第10条3項「報告義務」 4項 「登録義務」
第7条「町民等の責務」8条「自治組織等の責務」
空家等の
所有者等
空家等バンク
報告義務
町長
(○○町)
・町民等
・自治組
織等
登録義務
報告
39
○○町の空家対策
○○町における空家等バンクの特徴(条例第10~12条)
①空家になった時点での登録義務
②町は報告に基づき登録を行う
③空家の適正管理に情報を活用
④空家の利活用希望者とマッチング
40
- 55 -
他事例の空家等バンクとの違い
空家等バンク
自分で
利用(別
荘等)
空家活用
する所有者
希望者との
マッチング
↑
必要に応じて
改修費を助成
紹介希望者
考え特になし
特定空家、報告のない空家
←町民等から未登録の
空家情報を収集、
所有者等に働きかける
41
○○町の空家対策
他事例の空家等バンクとの違い(メリット)
①すべての空家が登録対象
②町内の空家全体の把握が可能
③特定空家化の予防につながる
42
- 56 -
○○町の空家対策
他事例の空家等バンクとの違い(デメリット)
①行政の事務量の増加
②財政的な負担増
人口規模の小さい
山間地域だからこそ可能
43
○○町の空家対策
空家等バンクによるマッチングの効果
①郊外型生活ニーズ
②農業等への従事(クラインガルテン)
定住化の促進
44
- 57 -
○○町の空家対策
空家等バンクによるマッチングの効果
③空家の増加に歯止めをかける
景観の維持・改善
交流人口の増加
地域の活性化
45
本条例の内容(その9)
◆不適正管理空家等に対する措置(第13条)
不適正管理空家等
このままでは利活用できない
町
所有者
所有者に対し助言
適正管理に向け必要な報告
46
- 58 -
不適正管理空家等のイメージ
特定空家
利活用できる空家
放っておくと・・・
放置すると特定空家化する
可能性のある空家
47
本条例の内容(その10)
◆特定空家等に対する措置(第14条)
<特措法の規定内容を反映>
・町 ➔ 特定空家等の所有者に対し、除却・
町
修繕・立木竹の伐採等の措置について
助言、指導 → 勧告 → 命令
町
・ ➔ 措置に応じないときは、行政代執行が
可能
48
- 59 -
本条例の内容(その11)
◆立入調査、情報の利用(第15、16条)
<特措法の規定内容を反映>
立入調査
空家等に立ち入って調査が可能
情報利用
税情報を目的外の内部利用が可能
49
本条例の内容(その12)
◆相続財産管理人等制度(第17条)
相続人がいるかどうかわからない場合
(民法952条1項)
不在者が、財産管理人を置かない場合
(民法25条1項)
メリット
所有者不明のため、放置されてい
た空家が適正に処理される。
代執行と比べ、売却されれば費用
等の回収の見込みがある。
町長
(利害関係
人)
管理人の選任手続き
家
庭
裁
判
所
デメリット
諸手続き費用は、申請者持ち(相
続財産に価値があれば相殺可
能)
50
- 60 -
本条例の内容(その13)
◆その他条例規定事項
・警察・消防等への協力要請(第18条)
・施行に関し必要な事項や様式等について規
則へ委任する(第19条)
51
おわり
ご清聴ありがとうございました
52
- 61 -
「○○町空家等の発生の予防、適正管理及び利活用に関する条例」
グループ演習記録
1日目
平成26年10月23日(木)
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、矢野東(府中)、福田(町田)、櫻井(日
野)、田中(東村山)
、大西(国立)、島﨑(国立)
、五十嵐(多摩)
、加藤(奥多
摩)
1グループ:郊外・山村型(※奥多摩町を想定して条例作成)
・奥多摩町
調査実施(H20・23)
)→空き家の戸数は減少
空き家バンク制度
※定住促進の目的→居住希望者には補助金支出
借主・貸主の問題も生じる
長期計画において、総合的な窓口の設置検討
【各市の状況】
・H25に調査実施
・空き家の定義づけが難しい
・空き家→管理適正
→管理不適正→市として対策を講じる必要あり
・空き家を把握するための手法の整備の必要
・取りまとめ課がないのが問題
・空き家条例→防犯課
・個々の案件により担当課が異なる
・横断的に対応を行う部署が必要
・問い合わせ内容により対応課は異なる
- 62 -
・空き家活用のためのセミナーを開催
・調査→していない
・共同住宅についても対策を講じるべきか
→包括的な担当課が必要
・調査実施→対応が必要な案件は 78 件
・条例設置⇒設置目的を明確にしないとね
・空き家の予防力を入れる必要あり
・空き家の原因となっている部分を考察する必要あり
→住宅施策、高齢化、税制面の優遇措置
・条例設置の予定なし
・調査⇒H27に実施予定
・条例設置するなら空き家の活用についても盛り込むべきか
山間地域を想定した条例案⇒奥多摩町をモデルに
【奥多摩町のことを知る】
条例設置に向けての課題抽出
その前提として
原因の調査・背景分析・今後の予測
市町村で対応できること・できないことの仕分け
施策の費用対効果の分析
空き家の性質も様々なので、行政として対応しなければいけない空き家は何な
のか考える⇒戸建て住宅
空き家の数の把握が難しい
空き家の活用が難しい
民間・自治体との連携
将来的な住宅・人口動向についても調べておく必要がある
【奥多摩町の問題】
⇒今後、奥多摩町だけの問題に限らない
- 63 -
持続可能な(=メリットの続く)施策でなければならない
社会構造・ライフスタイルの変化を見据えた施策展開
活用してもその後、持続可能??
【その上で・・・】
抽出された課題
↓
条例として整備するべき内容の精査(ex、予防、活用のどの方面でアプローチ
するか)
↓
条例案の作成へ
事例:東京都文京区
区が所有者の同意を得て取り壊し、その後所有者から無償で借り受ける。
所有者は無償で取り壊せる&固定資産税がかからないというメリット。区は空
き家の適正管理が推進できる。
★空き家問題そのものの背景
【なぜ空き家になってしまうのか】
・人口増加、土地もあった、国が住宅を建てることを推奨した
・新築を好む国民性(税制面もそれを後押ししている)
・少子高齢化、核家族化など世帯構造の変化
・産業構造の変化⇒都市部への人口集中(都会の方が便利)
・インフラの整備
・家を他者に貸すことへの抵抗感
・所有者が適正管理をするという意識が低い
・空き家バンク制度の問題点
・働く場がない
⇒活用するにしても対象をある程度限定するべきか
・民の所有物を行政が扱うことのリスク
・耐震関連事業で除却まだは現状やっていない
⇒真面目に自費で取り壊しをしている人が馬鹿をみる制度にはできない
- 64 -
・地域コミュニティが弱体化している
・代執行を可能にしても、行政側にリスクは残る(金銭面でも)
・空き家化することのリスク意識が低い
【将来を考えれば・・・】
・少子化が進む現状において、あえてインフラを整備する費用対効果が望める
のか
・コンパクトシティ
・代執行を行なえる必要がある
・未来は明るいのか?暗いのか?
・香川県高松市の商店街⇒活性化の事例
・古きに還る(昔の施策を見直す)
・財産ストックとして活用が難しくなるかも
(ex、寄付をされても行政としてもいらない)
・利活用をするとしてもスピーディな対応を求められる
⇒古くなれば活用も難しい
【条例設置の意義】
・条例を設置するメリット
・効果がないなら制定する意味がない
・関係法令等で条例設置の意義を誘導する
・行政と所有者双方にメリットのある形にしなければならない
☆他市の条例を読み込む
八王子市と埼玉県秩父市(違いはあまりない)
- 65 -
2日目
平成26年11月4日(火)
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、矢野東(府中)、福田(町田)、櫻井(日
野)、田中(東村山)、島﨑(国立)、五十嵐(多摩)、加藤(奥多摩)
【冊子を読んでの感想】
条例制定のメリット
尾道市の空家バンクについて
単身の移住が多い、リタイヤ組ではないようなので調べたい
除却補助金を出している
【空家条例の必要性】
【奥多摩町観光のイメージ】
特色活かすので活用観光に結び付ける(島根県松江市が参考になる)
外国人向け田舎暮らし→空家の活用、採算性は不明
【条例化の目的を明確化する】
・何に主眼を置くのか、利活用?コミュニティ施設→費用発生
・観光にスポット?→学校を宿泊施設に、空家をリフォームして宿泊施設に(収
益ある))
・空家の発生抑止→難しい。空家になるのが判っているのであれば手を打つこ
とも可能では。
・少子化?対策が大切だと思う。
・使用されていなかったところを宿泊施設にしている
・若者に来てほしいが就労施設がない。
・奥多摩町=人口が減っている
・空家予防が大切では
・強く所有者に言える命令必要では、代執行までは難しいかも
・立法法務→条例作る→権利の制限は考えないといけない
・条例化の根拠は?
- 66 -
・違反した建築物への行政指導できるか否か
・特定行政庁であるかどうか?
→奥多摩はそうでないため、東京都と連携した指導をすることとなるので、そ
の視点を入れること。
代執行を定めるといっても、機能しない、できない現状がある。
予防が大切
現状ある空家への対策
今後発生したものをどうするか。
近隣に住民がいないととくに問題にはならない。
【奥多摩町の現状】
奥多摩町の現状について報告
固定資産税調書
町営住宅の状況
第4期長期総合計画の取り組み
(奥多摩創造プロジェクト)
町営住宅の整備
分譲地事業
空家バンク
若者定住応援補助金
定住に関する総合窓口の設置
観光・・・冬は観光客減、キャンプ場多い、登山、ハイキング、ハイシーズン
は夏~秋
就労・・・金融機関、社会福祉協議会、小中学校の用務員、半分くらいのひと
は町外?青梅市が最多。
若者向け住宅・・・町内で結婚したひとが住んでいる。若者の流入には結びつ
いていない。
・空家所有者の把握
・地縁等で把握しやすいのか?→他の自治体と一緒でわかりづらい。
- 67 -
・空家問題で一番困っていることは?
・困っていることへの対策
・空家バンクの貸側、借側のミスマッチが困りごと
① 命令
② 人の流れをつくる
この2つをゴールと考えてはどうか?
人を住まわせるルールづくりが空家を減らす方法の一つとなるのでは
特色だすなら予防で空家対策につなげては
(短いスパンと長いスパンで考えた方がよい。
奥多摩町の観光振興
上下水道の整備、インフラメンテナンスできない、これ以上整備しない方向で
は。)
短いスパン・・・今あるもの
長いスパン・・・これから発生するもの
条例の目的とビジョンのすり合わせ必要では?
・現状では奥多摩町は利活用に重きを置いている。
・マッチングしやすい環境づくりのための条例化もありか。
・借りたい人は多い。(農業、自然が多いところで生活したい)
・借りたい人は高齢者が多い。
・自然等の魅力を感じて移住する高齢者。
・魅力に特化するこが大切。魅力を作ってもいいのでは。
・空家を宿泊施設に
・町全体で空家を資源として外から人を呼び込む
問題点の把握(空家に限らず)
- 68 -
問題
現状の問題
将来の問題
・倒壊の危険
倒壊しているものもあるが
件数少なく周辺住民への影
響は少ない
ただし、自然災害による倒
壊(△)
今後倒壊の危険が増
えると市街地におい
ても倒壊する家屋が
増える。となると、
観光の観点からもよ
ろしくない。(○)
・火災・放火
現在件数少ない。(△)
増えると問題発生
(○)
・治安の悪化
空家が増え地域住民が減少 さらに住民が減りコ
すると治安の悪化につなが ミュニティが希薄化
る(△)
するとさらに問題化
(○)
・景観を損ねる
景観維持への取り組みはし 今後も観光の側面か
ており、空家も同様(△) らは対策を講じる必
要がある(○)
・外部不経済
適切に利用されていない。 適切に利用されてい
もったいない。(△)
ない家屋がさらに増
加する。もったいな
い。(○)
・不適正管理の改善
現状不適正管理の情報を把 今後増えると適正管
握していない(△)
理の必要性(○)
・地域活動の担い手の減少
空家問題ではなく若年層現 人口減少への対策が
象での対応になる(○)
必要なので(○)
・相続
所有者がわからない
空家になった家の相続人が
追えない(○)相続人が家
屋を放置してしまう。
・減免措置
(固定資産税の評価)
老朽家屋が固定視線税の減 さらに増加する(○)
免措置をうけることが家屋
の放置に繋がる。(○)
・行政指導の難しさ
根拠法令がないため、行政 行政指導の根拠にな
指導が難しい。(○)
る条例の制定が必要
(○)
・代執行
根拠法令がないため、実施 根 拠 法 令 が な い た
が難しい。(○)
め、実施が難しい。
(○)
・不良のたまり場
(不審者の出入り)
さほど目立つようなことに
はならない(×)
- 69 -
将来増えて、さらに
相続人が追えない案
件が増える。(○)
相続人が家屋を放置
してしまう。
・事件現場
さほど目立つようなことに
はならない(×)
・老朽化
倒壊の危険とセットで考え
る
・自然災害
倒壊の危険とセットで考え
る
・壊すための補助金
除却補助金なし(×)
・くさい
空家との因果関係不明(×)行政としては対応し
ない(×)
・虫
空家との因果関係不明(×)増える可能性はある
が対応しない(×)
・土地価格の低下
空家との因果関係不明(×)行政としては介入し
ないだろう(×)
・家の数が多すぎる
人口減とマッチしていない 家の数が多いことに
(×)
は介入しない(×)
・住宅の供給過多
人口減とマッチしていない
(×)
・野良猫
野生動物等は空家問題とは 野生動物等は空家問
無関係(×)
題とは無関係(×)
・利活用
・地域コミュニティの場
・子供の居場所
・空家バンク制度
・商業利用
・リフォーム
・人口減少
・空家バンクのマッチングが
進まない
・通勤難
・雇用の機会が少ない
・家屋をいじられたくない
・マッチング業者(不動産屋)
にその気がない
・生産年齢人口の激減
- 70 -
今後も増えた場合補
助金での対応には向
かわない(×)
空き家はどうあるべきか?(O町を想定して)イメージ図
中目標
大目標
地域振興
所有者の管理を促す
空き家
過疎対策
別の個別計画
をご覧ください
住居利用
適正管理
・助言
・勧告
空き家を発生させない
〃
活用する
(資源として)
・指導
- 71 -
活
用
観光資源
3日目
平成26年11月19日(木)
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、矢野東(府中)、櫻井(日野)、田中(東
村山)、大西(国立)、島崎(国立)五十嵐(多摩)
、加藤(奥多摩)福田(町田)、
1.1G&2G意見交換会
司会:2G
9:00~
311教室
防災担当で条例等作成
・11/18特措法が衆議院通過
・特措法に関係のないような条例策定を進めている
○検討進行状況について(2G)
・調査会の報告書にすべて書かれていると思う
・予防策と活用が必要
・具体的なものは出ていない
・課題の設定を行う
<1Gからの質問>
・時間を決めて意見交換をしたい
・本日のはじめと終わりに意見交換会はどうでしょう?
・前回までのおさらいをしたい
・進め方を聞いておきたい
<講師より>
・13:30~から改めて意見交換
・現状分析について
・特色について
・こういったことを検討した
・情報の整理・分析→どういったことに取り組むか
・新たな仕組みについて
・行政だけでなく空き家を活用するNPO等が沢山出てきている
・条例は義務を課すだけでなく、誘導することも考えられる
・条例ではそのシステムについて
- 72 -
●司会:矢野東、書記:大西
〇前回までのおさらい
・条例制定しているか
・空家の定義づけ
・背景(行政と所有者について)
・空家問題の今後
・条例制定の意義
・奥多摩町の現状
・奥多摩町の空家の現状
・あるべき姿(理想像)
〇条例化に向けてどうしていくべきか、課題について
いかに適正管理を促すか
活用していくか
〇宿題1適正管理の方法
(Q代執行について)
→入れておいいて、実際はやらない方法もあると思う
(Q意識啓発策を入れるかどうか)
→下に
(Qグループの進め方について)
・富山の事例について、そもそも固定資産税を払っているのか?
→将来のことを考えると、厳しくするのであればありではないか
・空家の定義づけが難しくて、代執行等の手続きに踏み込めない。
・審議会等を設立して空家の認定等を行う必要がある
・特定行政庁になっているかどうかについても代執行入れるかどうか
・所有者の意識感の問題。抑止力で効果があるかどうか所有者の意識が問題
- 73 -
(QO町にはどういったものが合うのか)
・適正管理とは:代執行もあるが、意識啓発も大事。適正管理を促すためにイ
ンセンティブをいれる。所有者にたまに窓を開けてもらうこと等やってもらえ
れば、固定資産税の減免で効果があるかどうかわからないが、そういったは方
策どうか
(Q意識啓発について)
・高齢者の独居について、情報提供を行うのが行政の役割
・
「マッチングがうまくいかない」について意識を変えていくことと、貸したく
ない人には適正管理を促す
・貸したくない人に強制するのは違うため、適正管理の簡単な方法を提示
→そのための窓口を設けることも方策の一つ。情報提供を
・意識啓発にもチャンネルがいくつかある。メニュー提示について話し合うこ
ともよい
・貸したくない人にとって、おいしいことがあることがいいかもしれない。
→ただ借り手は自由に使っていきたい
・定住を求めるのか、一時滞在となるのか。短期でもいいかもしれない
→クラインガルデンの利用者は満員。日帰りの方多い。
・ひとつのものに特化させた空家活用
・一時滞在型
・観光、農業
・冬季の観光が落ち込むため、宿泊補助を出している
・一時滞在の先に定住
・「短期滞在で奥多摩へ」
・ビジョンを
・貸し手に対しても受け入れについての意識醸成
〇奥多摩町の見どころ
・おくてん
・森林セラピー
・特産品のわさびとジャガイモ
- 74 -
<まとめ>
・観光→利用者と借り手→意識啓発につながる。ニーズを絞る。
・空家を何でもって活性化させる
・観光の手法としては、定住・一時滞在・商業どうするか
・資源(アート、わさび、森林トレイル、温泉)
〇条例化に向けて
<代執行について>
・抑止と利用、両方検討をしていくべき
・代執行しやすいものとは
→不特定は難しい。田舎は特に難しいのでは
・奥多摩町では代執行難しい
・代執行にならないような条例をつくる
(Qグループの進め方について)
<2Gさんへの質問事項>
・代執行について。権限をどこまで持つような条例を想定しているか?
・抑止と利用についてどう考えているか
・緊急措置は一時的な措置(飛びそうなので、ブルーシートをかける)
①条例の適正管理をどうするのか
②空家にプラスアルファの要素を入れるか
③視察等行くのか
<代執行の理由について>
・行政のとれる選択肢は多い方がよい
・選択肢としてはあるけれども、なるべくそうならないように条例をつくる
・住民の安全を守るため。ただ特定行政庁でないと難しい
・手立てがないのは困る
- 75 -
<代執行ない理由について>
・代執行後に訴訟になった場合のリスクが高い
→訴訟は相手もリスクを負う(先生から)
・条例に組み込むことで、住民の声が大きくなり代執行の件数が増える可能性
がある
・O町の設定では、危険性がないため
<代執行のとらえ方について>
宿題として、今後進む方向性をみて検討
<勧告、命令>あり
<公表について>あり
・田舎だと抑止力ありそう
・相続などでその場にいない人にとっては、抑止力にならない
・奥多摩町だとみんな顔を知っているため、公表しなくともわかっている
<罰則>なし
・事務だけ増えて、抑止力になりにくい
(先生から)
・民民で解決できないことなので問題となっている。
<背景>
・観光資源を生かすための一時利用の人を呼び込む施策
・体験農業
・条例の目的に「観光資源として利用する」と書くか、もっと具体的な書き込
みをするか
<現状の施策に合うもの、もりこむもの>
・活用できないものは、行政指導を
・観光資源となるような空家に対する条例
- 76 -
家→空き家じゃない→空き家にならないように、予防策が必要。
例)条例、チラシ、相談(相続、改修、売却、除却)
→空き家
→廃屋
→所有者へ適正管理を求める(助言・指導)
→利活用→・観光資源
→どういった制限・補助?
・空き家バンク
家→居住世帯のある住宅→空き家にならないように予防策が必要
(条例、チラシ、相続、改修、除却)
→居住世帯のない住宅―
一時現在者のみの住宅
―
建築中の住宅
―
空き家―
二次的住宅―
別荘
その他
賃貸用住宅
売却用住宅
その他住宅―
適正管理がされている
適正管理がされていない―
<有効となる規制>
・所有者に相続の際に報告義務化
・条例をつくるために必要なことは
→骨子案をつくって、そこに施策を乗せる
- 77 -
4日目
平成26年12月2日(火)
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、矢野東(府中)、櫻井(日野)、田中(東
村山)、大西(国立)、五十嵐(多摩)
・特措法ありきの条例にする?
・特措法⇒矢野東さんの資料をみて進める
防犯についての規定がない。この研修ではどうするか
空き家等と特定空き家等
市町村の責務(大事)
空き家等対策計画(大事)※研修では細かくは決められないが、実務上大事。
協議会(大事)
立ち入り調査(大事)
特措法で認められた
税情報の所有者情報の利用(大事)
特措法で認められた
データベースの整備(大事)
適切な管理の促進(大事)
跡地の利活用(大事)
代執行規定(大事)
過料(大事)
・空き家の定義について
特定空き家等
不適正管理空き家
適正管理空き家
バック登録空き家
居住家屋
特措法の内容
メイン⇒特定空き家の措置
- 78 -
サブ⇒空き家の適正管理、活用
※細かい規定なし
不適正⇒適正⇒バンクへの誘導・規制を条例化
特措法でない居住家屋への適正管理に向けた誘導・規制を条例化
・状態の良い家屋(適正管理空き家等)も放っておくと状態の悪い空き家に(特
定空き家)
・クラインガルテン制度
バンク(規定)・定住と別荘
クラインガルテン用
外国人向け(長期滞在)
観光向け(短期滞在)
研修で作る条例
法律+αのものを目指す
空き家のステータスごとの考えうる施策について
① 状態の良い空き家
ⅰ貸したい・有効活用してほしい
・空き家バンクの活用(地域と連携)
・適正管理を指導
・インセンティブ少なくてよい
・居住以外の用途にも使用(建築基準法の関係でできないものも)
・予防(啓発)
・補助金
・空き家バンクの多角化(用途を広げる)
地域住民活動の拠点に、集いの場、デイサービス事業所、芸術家の活
動拠点、博物館、資料館等(賃料)
- 79 -
・相談窓口の利用
・町に寄付(買収)による町営住宅化が可能か検討
ⅱ使う予定なし・人に貸したくない
・NPO法人の紹介・意識啓発
・なんで人に貸したくないか調査(仏壇を置いておきたい⇒ここを解除)
鑑定団利用
意識を変化させる
・固定資産税の減免
・適正管理の意識啓発
・補助金
・広報、チラシにより空き家の危険性について普及家初を行う。
・防犯などの対応
・相談窓口の利用
・空き家バンク契約成立時に補助金の交付(檜原村、奥多摩町でも第 5 期
長期計画で予定している)
ⅲ予定なし
・啓蒙活動
・補助金
・空き家バンク制度の紹介
② 改修がかなり必要な空き家
ⅰ貸したい・有効活用してほしい
・改築費の補助
・改築費の補助はあまり実用的ではない(予防重視)
ⅱ使う予定なし・人に貸したくない
・改築費の補助
- 80 -
ⅲ予定なし
・改築費の補助
③ 廃屋
※賃貸借
ⅰ貸したい・有効活用してほしい
・解体費の補助
・個々の部分は通常発生が考えづらい
・古民家移築(所有者売却益を所有者へ)
・固定資産税の減免
・壊すしかない⇒所有者の義務と権利を明確に
ⅱ使う予定なし・人に貸したくない
・解体費の補助
・個々の部分は通常発生が考えづらい
・古民家移築(所有者売却益を所有者へ)
・固定資産税の減免
・壊すしかない
・更地にすると固定資産税が減額
ⅲ予定なし
・解体費の補助
・個々の部分は通常発生が考えづらい
・古民家移築(所有者売却益を所有者へ)
・固定資産税の減免
・壊すしかない
・危険性の普及啓発
・状態の良い空き家に補助金を渡すのはいいが、状態の悪い空き家は、どんど
ん悪くなる一方で、空き家問題の解決にはならない。
- 81 -
・将来的に、空き家がどうなるか(増える)を考えていかないといけない
・特定空き家にならないにはどうすべきか考えていく
・状態が悪い空き家は、良い方にも悪い方にも行く可能性があるので、ここを
重要視して対応していくことが大事。
どんな政策を行うか
大枠では、①適正管理を促す意識啓発、②補助金
⇒
細かい内容については、プレゼンに盛り込む(プレゼンを作る人が考
えればいい)
条例に盛り込む内容
空き家の適正管理(特措法・秩父市条例を参考に)
除却(補助金)、予防(報告義務、補助金)、規制(命令、罰金、公表)
プレゼンに盛り込む内容
※次回以降プレゼン、条例作成のグループに分かれる?
※講師より
家財道具の処分について
⇒
相手が判明しない場合、建物は壊せても、中
の家財道具をどうするかが問題になる。
今までの話し合い
条例化をする目的(狙い)
・空き家の適正管理&地域活性化・観光
⇒
定住人口増
・所有者・自治体の責務
① 適正管理(所有者)を助ける(自治体)
② 地域活性化(所有者&自治体)
- 82 -
観光を盛り上げて交流人口増
⇒
条例で規制・誘導
規制⇒別紙参照
誘導⇒補助金、情報提供、意識啓発、報告義務、空き家バンクへの誘導
特措法:データベース
権力的事項
法令に書かれていること(代執行、罰金、公表)
今後の役割分担
・プレゼン資料作成(パワーポイント作成):林さん
・条例骨子案作成:矢野東さん、福田さん
・全体を管理する人:櫻井さん
・O町(奥多摩町)の状況(数値等):加藤さん
(・条例解説作成:
)
・今までの議論を繋げる作業:五十嵐
(・条例に盛り込むこと、プレゼンに盛り込むことを考える:今後決めてい
く)
・プレゼンのストーリーを考える:その他の人
- 83 -
5日目
平成26年12月16日(火)
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、福田(町田)、櫻井(日野)、田中(東村
山)、大西(国立)、島﨑(国立)、五十嵐(多摩)、加藤(奥多摩)
・多摩市五十嵐さんの資料説明
P2 代執行、P5 民法第 697 条「事務管理」今
回必要なくなる、特措法主な内容⑦50 万以下の過料、P7 条例化をする目的、
P8 条例で規制する必要のあるもの
他
・12 月 12 日条例第 2 案について、福田さんより説明
特措法をベースにしていた
第6条
できる規定でなくて良いのではないか
第9条
情報の利用について入れていく
協議会の中でどういった情報が使えるか。規定すれば良いのではな
いか
・条例のなかで協議会についてどういった情報が使えるか規定する?
・意識啓発、観光、空き家、どれを重視するか?重視するものを書いていった
方が良いのではないか。
・条例の中にストーリーがないのでは。ここにストーリーがあった方が良いの
では。
・特措法は載せなくて良いのではないか。内容によって入れなくてはならない
もの、責務等は必要。
・第 6 条に適正管理空き家について、あげていく。第 6 条を独自に載せていく。
あとは特措法にそって作成して行けばよいのではないか。
・五十嵐さんの P8 を確認
○協議会とはどういうものなのか
○空き家バンクについて、地域活性化、どういうものに使用するか
○特色
○京都市空き家の活用、適正管理等に関する条例を参考にする→確認
●補助金、意識啓発、利活用について深く掘り下げて考え、その後決定事項を
条例に作っていく。その後条例骨子案を作成。
- 84 -
●補助金について
不適正空き家が良い・悪い方に導くので、そこをどうするか
適正に管理している方にうまみを
☆O町の現状、空き家バンクがうまく回っていない。不動産屋さんが顔見知り。
空き家バンクをひとつの組織として設けたらどうか
補助金の活用も、空き家バンク、修繕等に使用できるようにする。
・政策の話で、空き家バンクに登録しているものに補助金を出しているところ
もある。
・活用の部分で何か考える
・解体の費用・・空き家バンクに登録後に解体?改修するもの費用補助。
・登録ありきの補助金
・適正管理している方も重視する?
・不適正管理している方にプラスとなるようにした方が良いのではないか。
・補助金は誰にだす。
・空き家バンクの登録物件はどんなものか。賃貸。購入。
・使えない状態の場合、借主へ補助金をだすか?
・管理されていない空き家の登録はどうか
・広い意味での空き家バンク登録
・登録のうまみ→その後利用
・登録する段階での家の状況を決めておく
・登録→その後どう使用できるか分ける→改修又は利活用できる場合に補助金
をだすとか。協議会でどうするか決める。
●空き家バンク(住宅管理のデータベースとして)に全件登録(情報の一元化)
→振り分け→京都市のように作成する?
・住宅情報
- 85 -
〇空き家バンクについて・・空き家についての定義
・全ての住宅を管理するのか(データバンク化):義務とする・・全員 OK、
★(1)町民から登録、
(2)町民が引っ越しするときに書いてもらう(転出届
出時とか)、(3)町民等から通報
の 3 つとする・・決定
・人が住んでいない家を管理する(市の責務)
・登録することを義務にする?違反した場合罰金制度
★ひとつメインとなるものを考えてプレゼン
登録バンクについて
今のバンク
・登録したい人だけ
・空き家の程度や管理状態は問わない
・マッチングがはかどらない(課題)
↓
①◆空き家となる時点でバンクへ
(全ての空き家をデータベース化)
・登録時に所有者の意向を聞く
意向の想定・・自分で管理したい
・誰かに使ってもらいたい
・特に考えていない
・意向に合わせたメニューを伝える
↓
②◆誰かに使ってもらいたい人へアメを!
・基準に合った改修補助とか
・不適正管理している方への改修費用補助
必要性ない・・その他案
★条例の空き家等対策計画に何を盛り込むかを考える(2 時半ころまでに)
- 86 -
整理
主体
誰をあげるか:長、町、町民、所有者、協議会、利用者、自治体、自治
組織、
市民活動団体(NPO)、管理者(※特措法には集合住宅は入ら
ない)
・集合住宅はそんなに掘り下げなくてよいのではないか。
協議会について
特定空き家だけでなく、不適正空き家について協議会が介入する?(町にす
る?)
・協議会は要綱でよい。どの程度盛り込むか。
・個人情報を活用するとなると協議会が必要・・市におく
・今の空き家バンクだとどれが適正・不適正かを判断できていないので、その
判断をする事項(基準を決める会)。
・特定空き家を判断する。
・構成メンバーをのせる・・O町に合った人材をいれる
特措法で定められた
人以外に農業従事者、アーティスト、観光関係者
条例作成
題名:O町
(前文)この条例はこういうものだというとき、特色をだすとき入れるもの。
福田さん、矢野東さん
作成後→メールにて確認し、すぐに回答する
(目的)いくつか案をみていく。今あるものにオシャレ心を追加する?
(定義)後程・・・
(基本理念)は不要:(前文)でスタイリッシュにする。ここは省くこと。
(空家等の所有者等の資格)「するものとする」、「協力するものとする」「し
なければならない」
第 3 項:なぜ適正管理だけなのか。登録するのが基本とする。
「登録するこ
ととする」と断定するようにする。空家バンクは定義に規定する。
(町の責務)第 5 条
(空家等対策計画)→(空家バンクのことに変える)第 6 条
- 87 -
空家バンクを主として作成する
・適正管理、意識啓発、補助関係、草刈
その後マッチングを考える
・条例でうたうことは活用を主とした方が良いのではないか
・規定したのをプレゼンで説明していく(条例を具体化して説明する)
・利活用について、
「空家バンク」の見出しの中に補助他を入れると特色が
あるものになるのでは。
・最初に空家バンク登録について、次に利活用を盛り込む
利活用:わさび、
・空家バンクに登録されている方に補助する旨をいれる。
・観光的なこと入れる?
クラインガルデン
・観光については後からいれるか?各担当で説明するとき観光のことを入
れた上で説明する。
◎プレゼンのモデルは 25 年度のマナティを参考にする。
まず「演習テーマ」を決める
1 グループのコンセプトをどこに置くか・・・③
0
条例化の目的
五十嵐さん資料の P7「課題の設定」参照し、特措法、そ
の他自治体の空家条例がある中でこのグループで特色のあるものを作る
人口減
観光
①
空家の定義
用語等基本的な部分
②
O 町の基本データ
③
O 町の空家の状況=現状の空家バンク設立目的と利用状況
④
今後の展望 ・問題点・・人口減、空家増(どうして空家ができるのか)
・取組み・・具体的な施策
⑤
逐条解説・・条例作成中にいれるのみ
条文と逐条解説
パワーポイン
ト化しない
・特措法とかの関係性を言って、この部分は入れたとかこの部分は省いたと
かそのあたりを説明した方が良いのではないか。
・こういう目的であってこの部分を入れたと説明するか
・全文はのせないけどピックアップした説明
- 88 -
6日目
平成27年1月14日
出席者:林(立川)、櫻井(日野)、矢野東(府中)、五十嵐(多摩)、
田中(東村山)、加藤(奥多摩)
本日の目的
○条例案の完成
・政策目的(実体的規定)をどのようにして、条例案に盛り込むか
→条例上に記載する必要性を明確にしていく必要がある
基本計画等に盛り込まれていないのであれば、条例上に根拠を示すことによっ
て政策実現(=予算措置)の根拠にもなる。
・相続財産管理人制度の活用について
→自治体はこの管理人の選任に必要な手続きを行うことができる
・空き家バンクを中心に据える
空き家の活用として空き家バンク制度について条例上に規定する
- 89 -
追加日程
平成27年1月26日(月)
出席者:林(立川)、櫻井(日野)、田中(東村山)、五十嵐(多摩)、矢野東(府
中)午前中まで、大西(国立)14時半まで、
☆条例案第5に基づき、
・法制上の問題
・枠組みの問題
を話をしながら解決していく。
○検討
・目次
条例がわかりやすくするため目次を作成。条例が長い場合に作るもの。
必要ないのではないか。
・前文
自治体で決めること。あってもなくてもよい。言葉の精査が必要。
法令の句読点ルールなどをチェック。
・第1条
目的規定
「~することにより、~を図り、もって~とする。」など通常のパター
ンに変更した方が良いのでは?
1Gは地域活性を目的としている。法を出さなくてもいいのでは?
・第2条
各自治体のローカルルールの範囲で決めればよい。このままでよい
が
1号:町内の区域内⇒町の区域内
2号:付属⇒附属
3号:特定空家の定義として法を引用しなくてもいいのでは?
第8条の規定による⇒(資料参考に)第8条の
特定空家の認定は、協議会ではできない。執行機関である長が決定
する。
5号:利活用等の等とは?⇒1条の適正管理等との関係
- 90 -
6号:2行目「情報を、⇒句読点とる」、「紹介を行なう⇒行う」、「システ
ムをいう⇒
」
8号:「町民活動団体とその他の団体」だとあらゆる団体が入ってしまう。
具体的な団体がなければ、削除してもいいのでは?
・第3条
作り方が気になる。
2行目:
「町」
「町民等」
「事業者」と規定しているが、第4条から第7条ま
でに「町」
「所有者等」
「町民等」責務、
「自治組織の役割」を規定
している。不整合ではないか?
・第4条 「~しなければならない」の表現をした場合に、その思いをしっかり
説明できるように。
・第5、6条
そっくり同じ言葉でないか?求めているものは、違うので、表
現を変えなければならないのでは?
5条2号:「とともに、⇒句読点必要ない」、「第10条の空家等バンク」
*先行自治体をまねるのは構わないが、規定されているものの思いをきち
んと理解して、まねなければならない。
・第7条
第2条の定義をどう変更するかが関係してくるので、定義が決まっ
てから。
3行目:利活用等
・第8条
「町は」「町長は」の区別をしっかりしているか?
1項:「町は~を設置する」の表現確認。
「~を設置する」⇒「~を置く」
2項:
「協議会」の説明は、特措法の表現を使った方がわかりやすいので
は?
「地域住民」⇒「町民」?
3項:「協議会は次に掲げる事項を協議する」
2号:「かかる」⇒「係る」
- 91 -
3号:「前2号に掲げるもののほか」を追加
*ここで利活用の内容を規定してもよいのでは
4項:「(長は)協議会の運営に関し必要な事項は、別に定める」
・第9条
「基本的事項」が分からない。
2項:及びを使用
「前項の施策に協力する」
・第10条
これだけだと分かりにくい。
条例に入れるのであれば、もう少し要綱で実施するようなことを
盛り込んでいく必要がある。
・第11、12、13条
何をしたいのか、もう少し整理。読み手に伝わらない。
第11条第1項:空家バンクへ登録した所有者は、空家の利活用をする場
合必要な支援を求めることができる。
2項:「次の各号に掲げる支援」⇒「次に掲げる支援」
1号:改修基準
「補助する」⇒「補助」
・第14条
2項:1行目「前項の助言又は指導」
4項:4行目「代理人に」
7項:1行目「前項の意見の聴取」
9項:1行目「第3項の規定により」
10項:3行目「第2項の規定による勧告」
・第15条
1項:「町内にある」トル
- 92 -
名詞で終わる
・第16条
2項:法第10条2項において、都知事の規定があるが、23区以外にはこ
の規定は関係ない。
・第17条
2項:市長⇒町長
2行目「必要である」⇒「必要がある」
・第18条
1項:「町長」トル
1項2項:「法の規定に基づき」トル
・第19条
ex「この条例の目的を達成するために必要と認めるときは」
「町の区域を管轄する」はない方がいいのではないか?
「調査」?どこから
「内容に関する情報を提供し」
「及び」⇒「又は」
ex「助言若しくは指導、勧告又は命令に関する情報を提供し」
・第20条
委任規定
罰則規定は一番最後
- 93 -
7日目
平成27年2月5日
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、矢野東(府中)、福田(町田)、櫻井(日
野)、田中(東村山)
、大西(国立)
、島﨑(国立)
、五十嵐(多摩)
、加藤(奥多
摩)
1
条例作成班とパワーポイント作成案に分かれて作業
●条例作成班(櫻井・福田・矢野東・加藤)
●パワーポイント作成班(林・田中・大澤・大西・国崎・五十嵐)
2
条例班条例作成作業
3
パワーポイント作成班作業状況
1)プレゼンの大まかの流れの確認
・前半は、全国的な空家に関する問題の説明
・後半は、O町の紹介や空家の現状、条例化に至った経緯
プレゼン流れ案
①空き家の全国的な状況
②空き家はなぜ増え続けるのか(原因)
③空き家の問題
全国的な状況
④空き家条例に関する全国的な流れ
⑤これまでの空き家条例の性格
⑥特措法の成立
⑦O町の紹介
人口、立地
~
⑧O町の魅力
山、わさび
⑨O町の課題
人口少ない、産業少ない
O町の状況
⑩課題解決する施策
⑪O町の空き家の現状
⑫空き家の現状・将来の憂いを打破するための施策(条例化)
⑬条例逐条解説
- 94 -
8日目
平成27年2月26日(木)
出席者:大澤(八王子)、林(立川)、矢野東(府中)、福田(町田)、櫻井(日
野)、田中(東村山)
、大西(国立)
、島﨑(国立)
、五十嵐(多摩)
、加藤(奥多
摩)
【午前】発表リハーサル
【午後】報告書の作成
- 95 -
研修を終えて
研修受講のきっかけは、介護保険制度改正で全国一律の基準によるサービス
ではなく、地域の社会資源を活用した市町村の実情に応じたサービス提供が始
まることとなり、そのサービスの一形態として、空き家等を活用した地域住民
の運営による簡易なデイサービスが例示されていたからです。
「これは実務を行
ううえで今後の参考になるし、条例など作った経験もないので一石二鳥だ。」と
思ってこの研修に飛びついたのでした。
しかし、見込が甘かったというか、考えが浅はかであったことは早くも研修
初日に露呈しました。私が考えていた空き家のデイサービス利用が、ダイレク
トに1グループの条例策定のテーマとなることはなかったのです。しかも都市
部でのサービスを想定して参加していた私は、町村部での空き家条例を担当す
る1グループへの配置となっていました。
「都市部または町村部での条例策定を
希望する方はグループ間の移動が可能ですので手を挙げてください。」との研修
担当者の声に反応する勇気もなく、1グループに留まることとなったのです。
ところが、この消極的な決断が功を奏し、1グループに留まったことで、結
果としては、実務に活用できる条例策定のプロセスをとても有意義に、とても
楽しく勉強することができたのでした。それはひとえに、1グループのメンバ
ーとして参加していた9人のおかげだと思っています。
1グループでは、とにかく議論に議論を重ねて、政策の立案、特に「空き家
バンク」の部分と条例策定に時間を費やしました。研修日程を追加したこと、
120通を超えるメールで意見交換したこと、条例案を21案まで作成したこ
とがそれを如実に物語っていると思います。空き家バンク制度は、簡易なデイ
サービスを開設したいと考える地域住民や町会を「紹介希望者」に当てはめる
ことで、当初の受講動機を満たすこともできるものとなりました。1グループ
のメンバー皆さんのおかげで、私はいま、言い知れぬ充足感を感じています。
本当にありがとうございました。
また、この場をお借りして、特別講師の中村講師、高田講師、条例担当講師
の水越講師、そして、1グループのメンバーが漂流しないように、研修全般に
わたって水先案内をしていただいた研修担当の砂田さんに深謝いたします。
八王子市
- 96 -
大澤
吉隆
この研修の受講にあたり、空き家に関する部署でもなければ、法制部門の担
当でもなく、空き家を所有しているわけでもなかったので、本当に足を引っ張
らずにやっていけるのだろうかと不安に思っていました。
しかし、そのおかげ(?)で空き家対策についても、条例作成のプロセスに
ついてもゼロから学ぶことができたのは大変勉強になりました。
毎回の議論が白熱しすぎて条例案の作成にてこずり、条例案のアウトライン
が出来てからは再考に次ぐ再考で、いったいあと何案作成するのだろうと不安
に駆られもしましたが、発表会に間に合うことができたのもひとえにグループ
の中で目的を共有してゴールに向かうことができたからだと思っています。
正規の研修日程だけでは足りず一回研修を追加した上、発表会直前には本来
業務かそれ以上のペースでメールや電話でやり取りするというとてもハードな
研修ではありましたが最後までやりきることができたのは、超が付くほど個性
的なグループのみなさまとそれを支えてくれた方のおかげだと思っております。
多くのことを学ばせていただき、ありがとうございました。
立川市
林
良樹
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
かねてから興味があった立法法務に係る研修、さらには、研修テーマが現在
担当している「空き家問題への対策」ということで、この研修は毎回が実にな
るものであったと思います。研修生の自主性にほぼ任せていただいた研修であ
り、戸惑いや議論の進捗の遅れ等に苦労しましたが、なんとか発表までたどり
着くことができ安心しました。
研修メンバーの区分けの結果、私は山村型の空き家問題について取り組む第
1グループに所属しました。このグループは、一つの話をするとどんどん話が
膨らみ、ときには脱線して本論の議論が進まないというグループでしたが、こ
れはひとえに、皆が言いたいことを言い合えるという良好な関係性を一貫して
保てたことのあらわれであると思い、メンバーの方々へは感謝の気持ちでいっ
ぱいです。
また、実際の空き家対策に係る検討については、研修の回を重ねる過程で、
検討に大きく影響する「空家等対策の推進に関する特別措置法」が成立するな
ど、机上だけでなく実際に社会の動向を注視しながらのものでした。このよう
に、研修でありながら、より実践的な検討ができたことは、今後の業務に生か
- 97 -
したい貴重な経験です。
最後になりましたが、研修生に一番近い位置で見守って下さった砂田さん、
また、多くのアドバイスをいただいた中村講師、高田講師、水越講師、そして
グループメンバーの方々には大変お世話になりました。また別の機会等でお会
いした際もよろしくお願いいたします。
府中市
矢野東
寛恭
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
テレビ・新聞などのメディアでも取り上げられている「空き家問題」につい
て、自治体はどのような政策を立案し、またそれをどのように立法化すべきか、
今回の研修でその一連の過程を実際に経験してみて、改めてその難しさを痛感
しました。
政策立案については比較的スムーズに考えがまとまったものの、いざそれを
条例化(文言化)しようすると、本来要綱等で規定すべき事業レベルの内容に
留まってしまっていることに気付くなど、問題が多々生じ、遂にはそもそもな
ぜ条例化する必要があるのか、何を条例化すべきなのかという根本的な問題に
最後の最後まで悩まされましたが、法制執務担当 1 年目の未熟な自分をグルー
プの皆様が支えて下さったおかげで、無事条例案を作成することができました。
中々大変な研修でしたが、冗談を言い合えるメンバーに囲まれ、本当に楽し
い研修でした。この報告書の冊子とは別に、個人的にメンバーそれぞれに感謝
の思いを記した別冊子を時間と余力があれば作りたいところですが、残念なが
らどちらも全くないので、以上をお礼の言葉に代えさせていただきます。
そして、講師の先生方、研修所の方々、研修中は多くのご助言、ご指導いた
だき本当にありがとうございました。
町田市
福田
淳
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回の立法法務研修のテーマが「空き家問題」ということで、研修に参加さ
せていただきました。
テーマの「空き家問題」が非常に重い内容であったためか、1グループのメ
ンバーが真面目な方が多かったためか、これまで私が経験したことのない研修
内容で、多大な議論や資料作成を体験させていただきました。空き家問題の担
当としては、研修報告書には収まりきらない深い議論ができたこと、とても有
- 98 -
難かったと感じています。
また、このグループ皆さんの人柄やユーモアがあったため、苦しいながらも
楽しくできたこと、非常に感謝しております。また違うテーマでご一緒に議論
して、自分の150%を見つけましょう!
最後に、講師の皆様、研修所ご担当者様には大変お世話になりました、あり
がとうございました。
日野市
桜井
芳樹
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実務では条例を作成した経験のない私でしたが、立法研修のテーマと担当業
務が「空き家」ということで参加させていただきました。
空き家条例は実際に事例が多数あったので、すぐにまとめることができると
思っていましたが、日程を1日追加しなければならなくなるほど大変でした。
年齢や所属の異なる1グループのみなさんと意見交換することで、自分では
思いつかない考えが提案されたり、自分の中で整理できずになっていた考えが
まとまったりと、様々な刺激を受けることができました。
今回の研修で得た知識や経験を、担当業務に生かしていきたいと思います。
ご指導をいただきました中村講師・高田講師・水越講師、研修担当の砂田さ
ん大変お世話になりました。
最後に1グループのみなさま。約4ヶ月間という長期にわたった研修を、楽
しく無事に終えることができたのも、1グループのみなさまと雰囲気よい時間
を過ごすことができたからだと思っています。本当にありがとうございました。
東村山市
田中
幹仁
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
この研修に対して「全日程8回だけれども、空家に関する議論は各方面で進
んでいることだし、特別措置法の話も持ち上がっているので、無難に研修を終
えることができるかな?」と安易にとらえていたところです。がしかし、始ま
ってみると、郊外型の空家対策というお題とグループメンバーみんなの議論好
きという素質の相乗効果により、条例やそれに付随する事業内容がとてもとて
も深まるものになり、気が付けば時間があっ!という間に過ぎ、空家対策に壮
大な夢を描いていたのも昨日のことのように思い出します。
- 99 -
議論の中心としては、空き家を活用し郊外都市の過疎化の阻止、まちの活性
化をどう実現できるか、その具体策として事業を提案していきました。また当
初は、特別措置法をそのまま条例化すればいいと思っていましたが、郊外型ら
しさをどう表現していくかという視点で、このグループで提案された事業を条
例に盛り込んでいきました。
あっ!という間の時間には、グループメンバーの思いや知識がたくさん詰ま
っていると思っています。この研修に参加し、私自身が議論を広げてしまう傾
向があることに気づかされ、皆さまにはご苦労をかけてしまいました。この場
を借りて心から感謝いたします。ありがとうございます。
また、条例の作り方、政策と事業の関係などの指導や議論の方向性を導いて
くださった研修所講師の方々、こういった機会を作っていただいた研修所職員
の方々に感謝申し上げます。グループメンバーの所属する自治体の抱えている
問題や自治体としての特性も様々あるなか、知識を持ち寄りひとつの条例案を
生み出せたことは非常に勉強になり、これからの自治体職員人生に役立つこと
と思います。これからもこういった刺激を受けつつ、今後も自治体の職員とし
て頑張っていきたいと思います。
国立市
大西
瑞穂
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回の立法法務研修では、グループのメンバーと様々なアイデアを出しなが
ら、空き家問題を題材に政策立案から条例作成までの一連の流れを学びました。
私の担当している業務内容では携わらない内容であり、プレゼンテーション
の案を作る担当の一員として、条例案を作成する担当と相談しながら郊外タイ
プの空き家問題の条例案を考えました。既存の空き家条例を参考にしながら、
郊外の空き家問題の原因とも言える人口減少問題を視野に入れ、条例を考える
ことが新鮮で興味深かったです。研修を進めるにあたって、困難に感じること
もありましたが、グループのメンバーに恵まれ、有意義な研修に参加すること
ができました。
最後に、10月から長期にわたりお世話になった中村講師、高田講師、水越
講師、研修担当の方々、グループのメンバーの皆さん、大変お世話になりまし
た。本当にありがとうございました。
国立市
- 100 -
島崎
健司
立法法務研修ということで、
「空き家」問題を条例という手法を用いて、どの
ように行政がアプローチできるのかという点について、この約4ヶ月間研修メ
ンバーと様々な意見交換をしてきました。
空き家問題は、少子・超高齢化や人口減少問題とも深く関わってくるため、
単に空き家を減らすという問題に止まらない難しさがありました。また、10
名もいる研修メンバーと一つのものを作り上げていく難しさも感じました。
そのような状況の中で、発表ができるまで内容を作り込んでいくことは、他
の研修とは比べ物にならないほど大変でしたが、講師や研修所担当職員の方々
の助言を参考にしながら、メンバーと頻繁にメール等のやり取りを交え、なん
とか空き家条例を完成させることができました。本当に発表直前まで、試行錯
誤を繰り返してできたため、発表が終わったときは、
「ようやく終わった」とい
う安心感と達成感でいっぱいでした。
最後に、講師や研修所担当職員の方々、メンバーの皆様、大変お世話になり
ました。この経験を活かし、これからも自治体職員として頑張っていきます。
本当にありがとうございました。
多摩市
五十嵐
光
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
例規担当だから・・と当町の研修担当者に受講を勧められ、安易な気持ちで
受けてしまった「立法法務」の研修でしたが、研修の回を重ねていくうちに大
変な研修であることを実感させられました。
「空き家問題への対策」というテーマで、グループごとに都市型と山村型そ
れぞれ異なる地域での空き家対策について、政策立案から条例化するというも
ので、今まで経験したことのない研修でした。
研修の始めに、政策を作っていくうえでモデル地区を定めた方が対策などを
考えやすいと講師の助言があり、当町が標的!?にされてしまった時にはどう
町を知ってもらうか最初は戸惑いもありましたが、各種資料集めから始まり、
メンバーの皆さんにも各種調査書やインターネットなどから町の資料を探して
いただき、大変助かりました。また、グループで検討しているとメンバーそれ
ぞれの意見があり、グループで一つの条例を作る難しさと、なかなか前に進め
ないことで時間だけが過ぎて行き、本当に完成するのか不安もありましたが、
最後には条例作成、発表につなげていくことができました。
この研修で学んだことを、今後の業務に生かしていきたいと思います。
- 101 -
最後になりましたが、ご指導いただいた講師の先生方、研修所の方々、そし
てグループのメンバーの皆さん、大変お世話になりました。ありがとうござい
ました。
奥多摩町
- 102 -
加藤
貴代美
- 103 -
- 104 -
平成26年度
自治体経営研修「立法法務」
2グループ研修報告書
○○市空家等対策の推進に関する条例
- 105 -
八王子市
大西
増夫
調布市
小林
建大
小金井市
信岡
宏明
国立市
児玉
俊平
国立市
田中
朋香
武蔵村山市
告
拓実
稲城市
古川
直広
羽村市
清水
彩登美
瑞穂町
小倉
有仁
- 106 -
○○市空家等対策の推進に関する条例
(目的)
第1条
この条例は、適切な管理が行われていない空家等が防災、防犯、衛生、
景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、空家
等に関する対策の推進について必要な事項を定めることにより地域住民の生
命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全に寄与すること
を目的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定め
るところによる。
(1)空家等
〇〇市の区域内(以下この条において「市内」という。)の建
築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていな
いことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を
含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するもの
を除く。
(2)特定空家等
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれ
のある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が
行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生
活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認め
られる空家等をいう。
(3)所有者等
(4)市民等
空家等の所有者又は管理者をいう。
市内に居住し、若しくは滞在し、又は通勤し、若しく
は通学する者をいう。
(5)事業者等
市内で事業を行う法人その他の団体又は個人をいう。
(空家等の所有者等の責務)
第3条
所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適
切な管理に努めるものとする。
(市の責務)
第4条
市は、空家等に関する対策の実施、体制の整備、財政上の処置その他
の空家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努めるものとする。
- 107 -
2
市は、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に
対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
(市民等の責務)
第5条
市民等は、空家等があると認めるときは、市にその情報を提供するよ
う努めるものとする。
(空家等対策計画)
第6条
市長は、空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、〇
〇市空家等対策計画(以下「空家等対策計画」という。)を定めるものとする。
2
市長は、空家等対策計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、
これを公表しなければならない。
3
市長は、東京都等の関係機関に対し、空家等対策計画の作成及び変更並び
に実施に関し、情報の提供、技術的な助言その他必要な援助を求めることが
できる。
(空家等対策協議会)
第7条
市長は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する協議及び
調査を行うため、〇〇市空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2
協議会の運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
(情報の収集)
第8条
市長は、空家等の所有者等の特定に資する情報を有すると思われる者
からの報告の聴取、実地調査、登記簿に関する調査、近隣住民への協力要請、
市の保有する各種情報の利用その他の空家等の所有者等を把握するために必
要な措置を講ずるものとする。
2
市長は、前項の場合において、固定資産税の課税その他の事務のために利
用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関する
ものについては、この条例の施行のために必要な限度において、その保有に
当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することがで
きる。
(立入調査)
第9条
市長は、第13条から第15条までの規定の施行に必要な限度におい
て、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って
調査をさせることができる。
- 108 -
2
市長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等と認めら
れる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の
所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し
通知することが困難であるときは、この限りでない。
3
第1項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、そ
の身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示し
なければならない。
4
第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたもの
と解釈してはならない。
(空家等に関するデータベースの整備等)
第10条
市長は、空家等に関するデータベースの整備その他空家等に関する
正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるものとする。
(空家等の活用)
第11条
市長は、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事
業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)
について、市民等、事業者等と連携し、所有者等への情報の提供、これらの
活用のために必要な支援又は対策その他の活用に関する措置を講ずるよう努
めるものとする。
(特定空家等の未然防止)
第12条
市長は、特定空家等の発生を未然に防止するため、次に掲げる必要
な措置を講ずるよう努めるものとする。
(1)空家等の早期発見及び把握
(2)空家等の所有者等への働きかけ
(3)前2号に掲げるもののほか、特定空家等の発生を未然に防止するために
必要と認める措置
(助言又は指導)
第13条
市長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除
却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措
置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又
は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、
建築物の除却を除く。次条において同じ。)をとるよう助言又は指導をする
- 109 -
ことができる。
(勧告)
第14条
市長は、前条の助言又は指導をした場合において、なお当該特定空
家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に
対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生
活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
(命令)
第15条
市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてそ
の勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めると
きは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとる
ことを命ずること(以下「命令」という。)ができる。
2
市長は、〇〇市行政手続条例(平成〇年条例第〇〇号。以下この条におい
て「行政手続条例」という。)第○○条第〇項の規定により、命令に関する基
準を定め、かつ、これを公にしなければならない。
3
市長は、命令を行う場合においては、あらかじめ、協議会の意見を聴かな
ければならない。
4
前項の命令については、行政手続条例第○章(第○○条及び第○○条を除
く。)の規定は、適用しない。
(意見の聴取)
第16条
市長は、命令しようとする場合においては、あらかじめ、その対象
者に対し、命令しようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提
出期限を記載した通知書を交付して、当該者又はその代理人に意見書及び自
己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
2
前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、
市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求
することができる。
3
市長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、命
令をしようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取
を行わなければならない。
4
市長は、前項の意見の聴取を行う場合においては、命令しようとする措置
並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する
- 110 -
者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
5
第3項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自
己に有利な証拠を提出することができる。
(公示)
第17条
市長は、命令をした場合においては、標識の設置その他の適切な方
法により、その旨を公示しなければならない。
2
前項の標識は、命令に係る特定空家等に設置することができる。この場合
において、当該特定空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げ
てはならない。
(代執行)
第18条
市長は、命令をした場合において、その命令を受けた者がその命じ
た措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行してもその
命令の猶予期限までに完了する見込みがないときは、協議会の議を経て行政
代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、自ら義務者の
なすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
2
市長は命令をしようとする場合において、過失がなくてその命令の対象者
を確知することができないとき(過失がなくて第13条の助言若しくは指導
又は第14条の規定による勧告の対象者を確知することができないため命令
を行うことができないときを含む。)は、市長は、その者の負担において、そ
の命じた措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせる
ことができる。この場合において、相当の期限を定めて、その命令を行うべ
き旨及びその期限までにその命令を行わないときは、市長又はその命令の対
象者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなけれ
ばならない。
(応急措置)
第19条
市長は、特定空家等について、人の生命、身体又は財産に危険な状
態が急迫した場合において、必要な措置をとる暇がないと認めるときは、危
険な状態を避けるため必要最低限の措置を行うことができる。
2
市長は、前項の措置を講じたときは、当該措置に要した費用を当該特定空
家等の所有者等から徴収することができる。
(特定空家等認定基準の策定)
- 111 -
第20条
市長は、特定空家等の認定について、特定空家等認定基準を定める
ものとする。
2
市長は、特定空家等認定基準を定め、又はこれを改定したときは、これを
公表しなければならない。
(当事者による解決との関係)
第21条
この条例の規定は、特定空家等の所有者等及び当該特定空家等が管
理不全な状態であることにより被害を受けるおそれのある者(以下この条に
おいて「当事者」という。)との間で、当事者同士の合意、訴訟その他の当事
者による当該紛争の解決を図ることを妨げるものではない。
(委任)
第22条
附
この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
則
(施行期日)
1
この条例は、平成27年〇月〇日から施行する。
(検討)
2
市長は、この条例の施行後、適当な時期において、この条例の施行の状況
を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、
その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
- 112 -
○○市空家等対策の推進に関する条例
逐条解説
【概要】
・端的にこの条例の内容を表現した。
・仮想の自治体であるため〇〇市とした。
(目的)
第1条
この条例は、適切な管理が行われていない空家等が防災、
防犯、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼし
ていることに鑑み、空家等に関する対策の推進について必要な事
項を定めることにより地域住民の生命、身体又は財産を保護する
とともに、その生活環境の保全に寄与することを目的とする。
【解説】
この条例の目的について規定したもので、解釈、運用の指針を
示すもの。
近年、少子超高齢化や都市化の進行に伴い空家等が増加してい
る 。都 市 部 に お け る 空 家 等 の 発 生 は 、近 隣 住 民 に 対 し 防 災 、防 犯 、
衛生、景観等の面で悪影響を及ぼすため、空家等に対する対策を
推進し、生活環境の保全に寄与するために定めたものである。
【概要】
・特定空家等については、現に防災、衛生、景観等の面で地域住
民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、
「影響を及ぼしてい
る」と進行形の表現とした。
・「 対 策 の 推 進 」 に は 、 空 家 等 の 利 活 用 に つ い て も 含 ま れ て い る 。
・特定空家等は、建築物の劣化に伴う落下物等により、地域住民
の生命、身体に悪影響を及ぼすだけでなく、特定空家等の存在
によって地価等の周辺の資産価値が下がり、財産上にも悪影響
を及ぼすため、保護すべきものを「生命、身体または財産」と
した。
・都市型の空家等は、家同士の距離が非常に近く、隣地に建築物
- 113 -
の劣化に伴う落下物等による被害をもたらす可能性が高いのが
特徴と言える。特定空家等が隣地にあることによる悪影響の度
合いは生命≒身体>財産であるため、この順番としている。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該
各号に定めるところによる。
(1)空家等
〇〇市の区域内(以下この条において「市内」とい
う。)の建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他
の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地
( 立 木 そ の 他 の 土 地 に 定 着 す る 物 を 含 む 。)を い う 。た だ し 、国
又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
(2)特定空家等
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険と
なるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのあ
る状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を
損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放
置することが不適切である状態にあると認められる空家等をい
う。
(3)所有者等
(4)市民等
空家等の所有者又は管理者をいう。
市内に居住し、若しくは滞在し、又は通勤し、若し
くは通学する者をいう。
(5)事業者等
市内で事業を行う法人その他の団体又は個人をい
う。
【解説】
条例で使用する単語の意義を定義するもの。
【概要】
・
( 第 2 条 第 1 号 た だ し 書 に つ い て )国 や 地 方 公 共 団 体 に つ い て は 、
地方自治法等の法令で施設の管理責任が定められていることか
ら、本条例の対象からは外す。
- 114 -
(空家等の所有者等の責務)
第3条
所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、
空家等の適切な管理に努めるものとする。
【解説】
当 条 か ら 第 5 条 ま で は 、空 家 等 に 対 す る 責 務 を 明 確 に し た も の 。
搭載順は、空家等の問題に対する責務の重い順としている。
【概要】
・あくまでも、空家等は空家等の所有者等が適切に管理すべきで
あり、空家等に係る問題は、本来は空家等の所有者と被害者の
当事者間で対応すべきことであるため、空家等に係る問題の所
有者等の責務が一番重いと考えた。
(市の責務)
第4条
市は、空家等に関する対策の実施、体制の整備、財政上の
処置その他の空家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努め
るものとする。
2
市は、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、こ
れらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう
努めるものとする。
【解説】
市の責務を明確にし、空家等に対する努力目標を定めるもの。
【概要】
・空家等の所有者等が、経済的事情などにより空家等の管理を十
分に行うことができなくなってしまったとき、市が空家等に関
する必要な措置を講ずる必要が出てくるため、市は所有者等に
次ぐ責務がある、としている。
・この条の規定に基づき、空家等についての施策を講ずるととも
に、これらの施策の情報提供などに努めるものとする。
- 115 -
(市民等の責務)
第5条
市民等は、空家等があると認めるときは、市にその情報を
提供するよう努めるものとする。
【解説】
空家等の対策には、市民等を含め、市全体で取り組む必要があ
るため、市民等の責務を明確にしたもの。
【概要】
・市で得られる情報は限界があるため、市民等に対し空家等に関
する情報を積極的に提供するよう促す規定である。
・市民等は、空家等の対策について直接的な立場ではないため、
所有者等、市に次ぐ位置としている。
・「 特 定 空 家 等 」で は な く「 空 家 等 」と し た の は 、特 定 空 家 等 の 危
険を避けるためだけではなく、特定空家等予備軍となりうる空
家等の情報を事前に得ることで、利活用を視野に入れた特定空
家等の発生を未然に防止するための活動を行うため。
(空家等対策計画)
第6条
市長は、空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施す
る た め 、〇 〇 市 空 家 等 対 策 計 画( 以 下「 空 家 等 対 策 計 画 」と い う 。)
を定めるものとする。
2
市長は、空家等対策計画を定め、又はこれを変更したときは、
遅滞なく、これを公表しなければならない。
3
市長は、東京都等の関係機関に対し、空家等対策計画の作成及
び変更並びに実施に関し、情報の提供、技術的な助言その他必要
な援助を求めることができる。
【解説】
市の空家等に関する対策について、空家等対策計画を策定し総
合的かつ計画的に実施すること、及び策定等の手続について規定
したもの。
- 116 -
【概要】
・空家等対策計画の作成変更並びに実施に際して援助を求める機
関は、一義的には東京都となる。しかし、案件によっては、複
数の行政区域にまたがるもの(※例
多摩ニュータウン、多摩
川住宅)もある。このような案件については、自治体間での調
整 を 図 る 必 要 が あ る た め 、「 東 京 都 等 の 関 係 機 関 」 と し て い る 。
(空家等対策協議会)
第7条
市長は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関す
る協議及び調査を行うため、〇〇市空家等対策協議会(以下「協
議 会 」 と い う 。) を 置 く 。
2
協議会の運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
【解説】
空家等対策協議会を設置し、空家等対策計画の作成、運用を進
めることを規定したもの。
【概要】
・協議会の所掌事務、委員構成などの詳細は、規則等で定める。
・協議会の位置付けは附属機関(地方自治法第138条の4)
・空家等対策を進めていくに当たり、市内の特定空家等、活用で
きる空家等などの状況を把握する必要がある。そのため、協議
会の役割として、協議だけでなく、空家等の調査を想定し、明
確に条文中に言及することとした。
(情報の収集)
第8条
市長は、空家等の所有者等の特定に資する情報を有すると
思われる者からの報告の聴取、実地調査、登記簿に関する調査、
近隣住民への協力要請、市の保有する各種情報の利用その他の空
家等の所有者等を把握するために必要な措置を講ずるものとす
- 117 -
る。
2
市長は、前項の場合において、固定資産税の課税その他の事務
のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家
等の所有者等に関するものについては、この条例の施行のために
必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的
以外の目的のために内部で利用することができる。
【解説】
空家等の所有者等を特定するため、固定資産税の課税情報、住
民基本台帳上の情報、登記簿情報など、空家等関連の事務以外で
取得した情報などを利用することを規定したもの。
【概要】
・空家等の所有者等の特定する目的以外での情報の利用について
規定しているが、あくまでも条例の施行のため、空家等対策に
資する範囲に情報の利用は限られる。
・特に固定資産税の課税情報は、物件の所有者に対するものであ
り、空家等に関する情報の中でも代表的なものであるため、頭
出ししている。
(立入調査)
第9条
市長は、第13条から第15条までの規定の施行に必要な
限度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認めら
れる場所に立ち入って調査をさせることができる。
2
市長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家
等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前
までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならな
い。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるとき
は、この限りでない。
3
第1項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとす
る者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があった
- 118 -
ときは、これを提示しなければならない。
4
第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認め
られたものと解釈してはならない。
【解説】
空家等の敷地内に入り調査する権限について規定したもの。
【概要】
・空家等が特定空家等かを判断するには、電気・水道などの空家
等の使用状況や、空家等の倒壊の危険性などを確認する必要が
あるが、敷地内に立ち入らないと判断できないため、立入調査
の規定を定めている。
・身分証については、規則で定める。
(空家等に関するデータベースの整備等)
第10条
市長は、空家等に関するデータベースの整備その他空家
等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるもの
とする。
【解説】
第8条に規定する情報の収集や、前条の立入調査により得た情
報をデータベース化し、空家等対策に資することを目的として規
定したもの。
【概要】
・空家等の利活用も視野に入れる必要があるため、特定空家等の
情報だけでなく、空家等の情報も含めてデータベース化するこ
とを規定している。
- 119 -
(空家等の活用)
第11条
市長は、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は
賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又
は 管 理 す る も の を 除 く 。)に つ い て 、市 民 等 、事 業 者 等 と 連 携 し 、
所有者等への情報の提供、これらの活用のために必要な支援又は
対策その他の活用に関する措置を講ずるよう努めるものとする。
【解説】
空家等の活用について市民等、事業者等と連携し、利活用を図
ることの努力義務を規定したもの。
【概要】
・不動産業者等が所有・管理する物件については、空家等であっ
ても不動産業者等による活用の見込みがすでにあるため、この
条の対象から外している。
・市民等、事業者との連携例…空き家バンク、JTI(一般社団
法人移住・住み替え支援機構)
(特定空家等の未然防止)
第12条
市長は、特定空家等の発生を未然に防止するため、次に
掲げる必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(1)空家等の早期発見及び把握
(2)空家等の所有者等への働きかけ
(3)前2号に掲げるもののほか、特定空家等の発生を未然に防止
するために必要と認める措置
【解説】
特定空家等の未然防止についての具体的な努力目標を規定する
もの。
【概要】
・特定空家等の未然防止には、特定空家等になる前の段階での対
- 120 -
応が求められるため、特定空家等ではなく空家等を対象として
必要な措置を講ずるよう定めている。
(助言又は指導)
第13条
市長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等
に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全
を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安
上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそ
れ の あ る 状 態 に な い 特 定 空 家 等 に つ い て は 、建 築 物 の 除 却 を 除 く 。
次条において同じ。)をとるよう助言又は指導をすることができ
る。
【解説】
様々な調査などにより特定空家等と認定し、所有者等も判明し
たものについて、まず助言・指導を通して問題解決を図ることを
規定したもの。
【概要】
・当条から第18条までは、行政代執行までのプロセスを規定し
ている。
・当条の助言又は指導と次条の勧告は、いずれも法的拘束力を有
するものではない。
(勧告)
第14条
市長は、前条の助言又は指導をした場合において、な
お当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該
助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除
却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るた
めに必要な措置をとることを勧告することができる。
- 121 -
【解説】
前 条 の 助 言・指 導 を し て も 問 題 の 解 決 が な さ れ な か っ た 場 合 に 、
命令の前段階として行う勧告について規定したもの。
【概要】
・勧告をしても問題の解決がなされなかった場合は、法的拘束力
を有する命令に至るため、必要な措置をとるまでの「相当の猶
予期限」を規定上設けている。
・勧告書は、規則で定める。
(命令)
第15条
市長は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由
がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に
必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付
け て 、そ の 勧 告 に 係 る 措 置 を と る こ と を 命 ず る こ と( 以 下「 命 令 」
と い う 。) が で き る 。
2
市長は、〇〇市行政手続条例(平成〇年条例第〇〇号。以下こ
の 条 に お い て「 行 政 手 続 条 例 」と い う 。)第 ○ ○ 条 第 〇 項 の 規 定 に
より、命令に関する基準を定め、かつ、これを公にしなければな
らない。
3
市長は、命令を行う場合においては、あらかじめ、協議会の意
見を聴かなければならない。
4
前項の命令については、行政手続条例第○章(第○○条及び第
○ ○ 条 を 除 く 。) の 規 定 は 、 適 用 し な い 。
【解説】
前条の勧告を行っても問題の解決がなされなかった場合の措置
を規定したもので、所有者に対する不利益処分を行う直前の規定
である。
【概要】
・命令書は、規則で定める。
- 122 -
・勧 告 時 と 同 様 、命 令 に 従 わ な い 場 合 に は 不 利 益 処 分 と な る 公 示 、
代 執 行 に 至 る た め 、必 要 な 措 置 を 取 る ま で の「 相 当 の 猶 予 期 限 」
を規定上設けている。
(意見の聴取)
第16条
市 長 は 、命 令 し よ う と す る 場 合 に お い て は 、あ ら か じ め 、
その対象者に対し、命令しようとする措置及びその事由並びに意
見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、当該者
又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を
与えなければならない。
2
前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5
日以内に、市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の
聴取を行うことを請求することができる。
3
市長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合にお
いては、命令をしようとする者又はその代理人の出頭を求めて、
公開による意見の聴取を行わなければならない。
4
市長は、前項の意見の聴取を行う場合においては、命令しよう
とする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前ま
でに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなけ
ればならない。
5
第 3 項 に 規 定 す る 者 は 、意 見 の 聴 取 に 際 し て 、証 人 を 出 席 さ せ 、
かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
【解説】
前条の命令を行う前に相手方に反論の機会を付与し、それに係
る一連の手続を定めたもの。
【概要】
・意見聴取の請求書その他の意見の聴取に係る詳細な規定は、規
則で定める。
- 123 -
(公示)
第17条
市長は、命令をした場合においては、標識の設置その
他の適切な方法により、その旨を公示しなければならない。
2
前項の標識は、命令に係る特定空家等に設置することができ
る。この場合において、当該特定空家等の所有者等は、当該標
識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
【解説】
前条の命令を行ったあとは、公示の手続へと移行するが、それ
に係る一連の手続を定めたもの。
【概要】
・公示は、所有者等に対する不利益処分として、所有者に対し心
理的な効果を与えることにより命令の実効性を担保するほか、
特定空き家等の所在地等を公表することにより、周辺住民に当
該特定空家の危険性を明示して、注意を喚起する目的も含む。
(代執行)
第18条
市長は、命令をした場合において、その命令を受けた者
が そ の 命 じ た 措 置 を 履 行 し な い と き 、履 行 し て も 十 分 で な い と き 、
又は履行してもその命令の猶予期限までに完了する見込みがない
ときは、協議会の議を経て行政代執行法(昭和23年法律第43
号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又
は第三者をしてこれをさせることができる。
2
市長は命令をしようとする場合において、過失がなくてその命
令の対象者を確知することができないとき(過失がなくて第13
条の助言若しくは指導又は第14条の規定による勧告の対象者を
確知することができないため命令を行うことができないときを含
む 。)は 、市 長 は 、そ の 者 の 負 担 に お い て 、そ の 命 じ た 措 置 を 自 ら
行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることがで
きる。この場合において、相当の期限を定めて、その命令を行う
- 124 -
べき旨及びその期限までにその命令を行わないときは、市長又は
その命令の対象者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨を
あらかじめ公告しなければならない。
【解説】
命令までの手続きを踏んでもなお問題解決が図られなかった場
合、その最終解決方法として行う代執行について規定したもの。
第2項については、所有者が不明な場合であっても略式代執行
を行うことのできる規定である。
【概要】
・第2項の略式代執行の規定は、次条の応急措置とは違い、協議
会での意見を聴くまでの手続を踏んでいるもののみに該当する
規定である。
(応急措置)
第19条
市長は、特定空家等について、人の生命、身体又は財産
に危険な状態が急迫した場合において、必要な措置をとる暇がな
いと認めるときは、危険な状態を避けるため必要最低限の措置を
行うことができる。
2
市長は、前項の措置を講じたときは、当該措置に要した費用を
当該特定空家等の所有者等から徴収することができる。
【解説】
前条の代執行までの手続きを踏んでいては、生命、身体又は財
産に危険が及んでしまうと判断した場合に採る応急措置について
規定したもの。
【概要】
・前条の代執行とは違い、協議会で意見を聴くことなく行うこと
ができる。
・当 条 の 応 急 措 置 は 、あ く ま で も 生 命 、身 体 、財 産 を 守 る た め の 、
- 125 -
必要最低限の措置にとどまる。
・第2項は、費用負担の所在を明確にした。
(特定空家等認定基準の策定)
第20条
市長は、特定空家等の認定について、特定空家等認定基
準を定めるものとする。
2
市長は、特定空家等認定基準を定め、又はこれを改定したとき
は、これを公表しなければならない。
【解説】
不利益処分を行うに当たり、行政処分の公平性を期するため、
基準を定めて公表を行うことを定めたもの。
【概要】
・認定基準は、規則で定めて、規則の公布をもって公表すること
とする。
・ 特 定 空 家 の 「 保 安 上 危 険 」、「 衛 生 上 有 害 」、「 適 切 な 管 理 が 行 わ
れていないことにより著しく景観を損なっている」の判断基準
についてである。
(当事者による解決との関係)
第21条
この条例の規定は、特定空家等の所有者等及び当該特定
空家等が管理不全な状態であることにより被害を受けるおそれの
あ る 者( 以 下 こ の 条 に お い て「 当 事 者 」と い う 。)と の 間 で 、当 事
者同士の合意、訴訟その他の当事者による当該紛争の解決を図る
ことを妨げるものではない。
【解説】
空家等の問題は、基本的には所有者等と近隣住民との間の民-
民の問題である。したがって、当事者同士での解決が図れればよ
いので、この条例によって全ての特定空家等の問題解決を図るも
- 126 -
のではない、という確認規定を盛り込んだものである。
(委任)
第22条
こ の 条 例 の 施 行 に 関 し 必 要 な 事 項 は 、市 長 が 別 に 定 め る 。
【解説】
この条例の細かい部分については規則、要綱等で規定すること
を想定した、委任規定である。
附
則
(施行期日)
1
この条例は、平成27年〇月〇日から施行する。
2
市長は、この条例の施行後、適当な時期において、この条例の
施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規
定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる
ものとする。
【概要】
・
( 第 1 項 )こ の 条 例 に は 所 有 者 等 に 対 す る 不 利 益 処 分 の 規 定
が
あり、条例の施行前に市民に知らしめる一定の期間が必要とな
るため、〇月〇日と規定した。
・
( 第 2 項 )空 家 等 に 対 す る 検 討 を 義 務 付 け る こ と で 、市 の 空 家 等
に対する対応の停滞を防ぎ、状況に応じた空家等対策を採るこ
とを目的とした規定。
- 127 -
平成26年度自治体経営研修
「立法法務」2グループ発表
「空き家問題への対策」
(都市型)
平成27年2月26日
1
2グループメンバー









八王子市
調布市
小金井市
国立市
国立市
武蔵村山市
稲城市
羽村市
瑞穂町
大西 増夫
小林 建大
信岡 宏明
児玉 俊平
田中 朋香
告 拓実
古川 直広
清水 彩登美
小倉 有仁
2
- 128 -
演習テーマ
 空き家問題への対策(都市型)
 1.空き家の実態
 2.空き家の実害
 3.空き家発生の背景
 4.都市型条例の構想
 5.条例案
3
1.空き家の実態・現状分析

全国の推移(平成25年住宅土地統計調査)
◦ 空き家数
820万戸
 5年前に比べ,63万戸(8.3%)増加
◦ 空き家率
13.5%
※空き家率=空き家数÷総住宅数
 5年前に比べ、0.4ポイント上昇

全国的に空き家数、空き家率は上昇傾向にある。
平成25年時点で、住宅7戸につき1戸が空き家。
出典:総務省統計局HP
「平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約」より抜粋して引用
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/10_1.htm
4
- 129 -
出典:総務省統計局HP
「平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約」より抜粋して引用
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/10_1.htm
5
1.空き家の実態・現状分析

多摩地域における実態
◦ 26市の空き家率(平成20年)
 26市中19市で10%超(市部平均10.7%)
出典:公益財団法人
東京市町村自治調査会
「自治体の空き家対策に関する調査研究報告書」より数値、グラフを抜粋して引用
6
- 130 -
1.空き家の実態・現状分析
◦ 26市の「その他の住宅」空き家率(平成20年)
 「その他の住宅」一時居住用や販売用等を除いた住宅
◦ 全ての自治体で5%を下回る(市部平均2.4%)
出典:公益財団法人
東京市町村自治調査会
「自治体の空き家対策に関する調査研究報告書」より数値、グラフを抜粋して引用
7
1.空き家の実態・将来予測

将来予測
出典:野村総合研究所資料より抜粋
8
- 131 -
1.空き家の実態・将来予測
出典:野村総合研究所資料より抜粋
9
1.空き家の実態・将来予測

多摩地域の現状の推察
◦ 空き家の割合は全国と比較して多摩地域では少
ない。そのため、老朽化している空き家戸数は
多摩地域ではまだあまり多くないと推察される。
◦ 一方、少子超高齢化、都市化の進行、人口減少、
複数の要因により将来的な空き家の戸数が、増
大する分析もある。
10
- 132 -
2.空き家の実害(1)

空き家の実害(外部不経済)
◦
◦
◦
◦
生命・身体への被害
衛生環境悪化
治安の悪化
その他
各種調査・検討メンバーの各自治体での実例でも、
上記の外部不経済の発生の意見が多く出ている
11
2.空き家の実害(2)

生命・身体への被害の恐れ
◦ 倒壊、飛散の危険性
◦ 放火等の火災発生、自己防災能力低下

衛生環境悪化
◦ 樹木の繁茂
◦ 害虫の発生

治安の悪化
◦ 不法侵入・占有
◦ 不法投棄
12
- 133 -
2.空き家の実害(3)

その他の外部不経済
◦ 都市景観の悪化
◦ 街のイメージ低下
◦ 経済的損失(不十分な土地の利用)
生活環境の悪化、市街地整備の遅れ
居住者の減少、発展阻害、税収減…
13
3.空き家発生の背景(1)

空き家発生の原因
◦
◦
◦
◦
少子超高齢化
都市化の進行
制度問題
その他
様々な要因が考えられる。
行政も横断的に対応する必要性
14
- 134 -
3.空き家発生の背景(2)

少子超高齢化
◦ 人口減少に関わらず、住宅供給過多
◦ 高齢化による経済力の低下
◦ 所有者の死亡・老人ホームへ転居

都市化の進行
◦ 単位世帯人数の減少による変化
◦ 地域コミュニティの希薄化
15
3.空き家発生の背景(3)

制度問題
◦ 相続制度
 遺産分割協議
 相続手続き
◦ 税制問題
 固定資産税が最大で6倍!
◦ 建築基準法の制約
 接道規制等の既存不適格
16
- 135 -
4.都市型条例の構想(1)

条例の目的
◦ 外部不経済対策を主要な保護法益とする。




防災
防犯
生活環境
都市景観の悪化
市民の生命・身体
財産を守る!
◦ また、副次的に以下の対策を想定
 空き家の利活用
 流動性の向上
 財政面の対処など、政策レベルの事業
17
4.都市型条例の構想(2)

既存法令の限界
◦
◦
◦
◦
◦
◦

建築基準法
消防法
空き家対策の
道路法
解決が難しい
廃棄物処理法
密集市街地整備法
民法697条(事務管理)
行政介入の理由
◦ 潜在的危険性の排除
◦ 空き家発生の抑止
18
- 136 -
4.都市型条例の構想(3)

政策レベルでの不足
◦ 都市計画マスタープラン等
 空き家に対してのアプローチの優先度は低い
 具体的な取り組みに言及していない

組織レベルでの不足
◦ 防災、防犯、環境、住宅対策等、統一的
な対応が難しい。
◦ 税情報の取り扱いが難しい。
19
4.都市型条例の構想(4)

条例で網羅したいこと
◦ 生命・身体・財産を守る緊急性・重要性
から、代執行まで視野に入れる。
◦ 政策レベル、組織レベル、既存法令から
見て、一元的に取り扱う計画を作る。
◦ 副次的な目標を、政策・事業レベルで取
り扱いが出来るような条例を。
20
- 137 -
4.都市型条例の構想(5)

空き家条例の骨子
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
協議会
助言・指導・勧告
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
21
条例案
○○市空家等対策の
推進に関する条例
22
- 138 -
第1条(目的)
地域住民の生命、身体又は財産を保護
 「対策の推進」には空き家等の利活用
も含まれている。

空き家
外部
不経済
対策
利活用による
対策
防災
防犯
衛生
景観
23
第2条(定義)

「空家等」と「特定空家等」
◦ 空家等
⇒使用がなされていないことが常態
◦ 特定空家等
⇒空家等のうち、管理不全にあるもの

「所有者等」
◦ 所有者又は管理者をいう。
24
- 139 -
第2条(定義)

市民等
◦ 市内に居住、滞在、通勤、通学する者

事業者等
◦ 市内で事業を行う法人
◦ その他の団体
◦ 個人
幅広い範囲の
条例参加
25
第3条(空家等の所有者等の責務)

空き家の管理を誰がするか?
◦ 第一に所有者・管理者が行う
◦ 市は空き家について対処を行う
◦ しかし、モラルハザードを招く危険性も
存在するため、条例において最初に
「所有者等の責務」を掲げる。
26
- 140 -
第4条(市の責務)

対策の実施
◦ 計画・指導・勧告・代執行・応急措置等

体制の整備
◦ 窓口の一本化・協議会の設置等

財政上の処置
◦ 固定資産税の優遇措置・補助金の創設等

情報の提供、助言
◦ 各種事例に対する情報提供
◦ 必要な措置を助言
27
第5条(市民等の責務)

市民等からの情報の提供
◦ 空き家等の対策を市全体で取り組む
◦ 空き家問題は当事者間や、行政の介入だ
けでなく、周囲の人の協力も必要
◦
◦
◦
◦
空き家の早期発見
過去の経緯
所有者の特定
外部性の確認etc…
28
- 141 -
第6条(空家等対策計画)

市が空き家対策を主体的に行う
東京都等
○○市
○○市空家等対策計画

空き家対策
東京都等関係機関に対して
◦ 情報の提供、技術的な助言、援助等
29
第7条(空家等対策協議会)

計画策定のための諮問機関
東京都等
○○市
○○市空家等対策計画

空家等対策
協議会
空き家対策
協議会の役割
◦ 計画の策定・協議・空家等の調査認定
30
- 142 -
第7条(空家等対策協議会)

協議会の想定
◦ 学識経験者・関係行政機関の職員のうち
から市長が委嘱・任命
◦ 任期は2年
◦ 臨時委員として地域住民、学識経験者又
は市長が特に認める者のうちから、調査
審議事項を明示して市長が委嘱。
◦ 計画の審議だけでなく、特定空家の認定
についても協議を行う。
31
第8条(情報の収集)

空き家対策のための情報収集
◦
◦
◦
◦
◦

関係者からの聴取
実地調査
登記簿に関する調査
近隣住民への協力要請
各種情報の利用
税情報の活用
◦ 固定資産税の課税等の情報も内部利用
32
- 143 -
第9条(立入調査)
第13条(助言または指導)
 第14条(勧告)
 第15条(命令)


上記の施行に必要な限り、5日前までに
通知を行ったうえで立入調査を認める

犯罪捜査のために認められたものと解
釈してはならない
33
第10条
(空家等に関するデータベースの整備等)
空家等の正確な情報を把握する
 市民からの情報提供の蓄積
 事業として利活用も視野に入れる

空き家対策
実地調査
関係者聴取
近隣住民
情報をストック
空き家の賃貸物件への転化
未然予防への活用
計画策定・変更への貢献
34
- 144 -
第11条(空家等の活用)

市民等、事業者等と連携の例
◦ 空き家バンク(宗像市)
◦ JTI一般社団法人移住・住み替え支援機構
(武蔵野市開発公社HPより抜粋)
35
第12条(特定空家等の未然防止)

未然防止
◦ 対症療法だけでなく、抑制も図る
◦ 広報での空き家整備の呼びかけ
◦ 固定資産税の納税通知書へ、空き家等の
管理や空き家対策事業への呼びかけ
◦ 市民に対する情報提供依頼
所有者等
空き家対策
市
市民等
36
- 145 -
第13条(助言または指導)
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
協議会
助言・指導・勧告
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
37
第13条(助言または指導)

特定空家等について行政指導を行う

指導内容
◦
◦
◦
◦
◦
除却
修繕
立木竹の伐採
その他生活環境の保全
除却は除く場合がある
38
- 146 -
第14条(勧告)
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
協議会
助言・指導・勧告
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
39
第14条(勧告)
第13条「助言・指導」に従わない・
改善されない場合は「勧告」を行う。
 勧告内容

◦
◦
◦
◦
◦
◦
除却
修繕
立木竹の伐採
その他生活環境の保全
相当の猶予期限をつける
措置勧告書により行う
40
- 147 -
第15条(命令)
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
協議会
助言・指導・勧告
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
41
第15条(命令)

勧告を受けた者が、正当な理由無く
措置を取らなかった場合
協議会の意見を聴いた上で、勧告にか
かる措置を取ることを命ずる
 命令は基準を定め、かつ公にする
 措置命令書により行う
 この命令以降は不利益処分を行う…が

42
- 148 -
第16条(意見の聴取)
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
協議会
助言・指導・勧告
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
43
第16条(意見の聴取)

命令の前に
◦ 対象者に文書で、弁明の機会を付与
◦ 通知を受けた者は5日以内に、公開によ
る意見の聴取の請求を行うことが出来る
◦ 市長は命令対象者又は代理人の出頭を求
めることが出来る
◦ 市長は意見の聴取の期日、場所を期日の
3日前までに公告
◦ 命令対象者又は代理人は証人の出席、証
拠の提出が可能
44
- 149 -
第17条(公示)
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
協議会
助言・指導・勧告
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
45
第17条(公示)
第16条に定める命令をした場合、標
識その他の適切な方法により公示
 命令に係る特定空家等に設置する


公示の効果
◦ 近隣へ当該物件の危険性を明示して説明
◦ 所有者に対する心理的効果
46
- 150 -
第18条(代執行)
情報収集
実態調査
助言・指導・勧告
協議会
・計画
・活用
・防止
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
47
第18条(代執行)

代執行の要件
◦ 命令を受けたものが措置を履行しない
◦ 履行しても十分でない
◦ 猶予期限までに完了する見込みが無い

上記の要件に当てはまる場合
◦ 協議会の協議の上、市長は自ら、または
第三者をしてこれをさせることが出来る
◦ 所有者が不明である場合でも略式代執行
を行うことが出来る(第2項)
48
- 151 -
第19条(応急措置)
情報収集
・計画
・活用
・防止
実態調査
助言・指導・勧告
協議会
命令(弁明)
公示
代執行
応急措置
49
第19条(応急措置)

措置を取る暇が無い場合
◦ 人の生命・身体・財産に危険な状態が急
迫した場合、必要最低限の措置が可能
◦ 費用の徴収を所有者等から行う
◦ 条例の主旨は生命・身体・財産を守るこ
とにある。緊急事態は最低限の保全を。
50
- 152 -
第20条(特定空家等認定基準の策定)
不利益処分を行うにあたり、行政処分
の公平性を期するため、基準を定めて
公表する。
 策定にあたり協議会の意見も聴取する。

51
第21条(当事者による解決との関係)
行政の介入もあり得るが、基本は当事
者間同士での解決を。
 モラルハザードの問題

第22条(委任)
条例では概念を策定する。
 具体的な取り扱いは規則・政策レベル
へ落とし込んで運用を行う。

52
- 153 -
ご清聴ありがとうございました
53
- 154 -
「○○市空家等対策の推進に関する条例」
グループ演習記録
1日目
10月23日(木)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、信岡(小金井)、児玉(国立)、
田中(国立)、告(武蔵村山)
、古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.空き家に関する事前課題の発表(各市の状況把握)
・空き家対策を横断的に取り扱う部署がない
・税情報は開示できず、空き家の所有者把握が難しい
・民事問題にどこまで踏み込むか、踏み込めるかの基準が必要
・空き家をどの視点から考え、利活用を含めたアプローチをしていくか(費用
対効果)
2.今後の進め方の確認と下記テーマに関する意見について
(空き家に対する認識のすり合わせ)
(1)空き家が生じる背景
・少子高齢化による人口減少
・高齢化に伴い、所有者が老人ホームへ
・核家族化
・住宅の供給過剰
・相続制度
・税制問題(更地にすると、固定資産税が最大 6 倍になる可能性がある)
・地域コミュニティの希薄化
・マンション・アパートの老朽化
(2)現状の把握(どのような障害があるか)
・樹木の繁茂
・不審者侵入
・不法投棄
・火災・放火
・害虫
・倒壊の恐れ
- 155 -
・土地所有者の特定が困難
・景観を損ねる
・近隣地域のイメージの低下
・経済的な損失
(3)理由の考察(なぜ空き家ができてしまうのか)
・相続問題(遺産分割協議をしない。相続手続きが複雑。)
・建築基準法上の制約(接道義務)
・所有者を特定できない
・所有者の意識格差(都市と郊外)
・所有者の財政的問題
(4)将来予測
・集合住宅の空き家化
⇒建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の課題
(5)そうさせないための解決案
(6)次回までの宿題
・配布物を読み込み、都市型の空き地について各自再考察
2日目
11月4日(火)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、信岡(小金井)、児玉(国立)、
告(武蔵村山)、古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.方向性の確認
・複数課にまたがることで、実効性のないものにならないように。
⇒何を目的に作るのか?どこまで入れ込むか?どこに焦点をあてるか?
・都市計画…景観によって制限を加えることなし。実質空き家に対してのアプ
ローチの優先度は低い。
・市民にとって受け入れやすいのは、防犯・防災
・都市型の空き家ということで、利活用も考えるべきか。
・孤独死の問題は郊外よりも都市にありがち。地域のつながりが希薄化。
・八王子市では現実的に問題になっているのは、環境と防災。
- 156 -
・各市で策定している都市計画マスタープラン…具体的な取組みに言及してい
ない。
・地区計画も周辺住民の同意が必要。
・防犯・防災・環境問題は都市型に限った問題ではない。
・代執行をする場合は、協議会に諮ってからの方が実行性がある。
・倒壊の恐れのある家屋については、除却を盛り込みたい。
・除却の費用面の説明としては、大仙市のように近くに小学校があったため、
将来の 1,000 万円(市に対する賠償)より今の 100 万円(除却)
。
・目的があっての条例→できる範囲を考えると、当たり障りのない条例になっ
てしまう。
・将来的に空き家に対してどういう風にする街にしたいか?
・長期的な観点…誘導すべき内容は?
→使える空き家。都市型でいうとビルなど。どう使ってもらうか?
・短期的な観点…防災・防犯・環境
・早め早めに打てる手があれば!
・集合住宅が難しさに輪をかけている。区分所有法
・罰則の規定についてどうするか?秩序罰と執行罰
・是正命令に従わなかったときは⇒執行罰
・科料(とがりょう)…刑罰、過料(あやまちりょう)…秩序罰
・
「○市・人口○人・駅前に空き家が増大」など、設定があった方が作りやすい。
・空家等対策の推進に関する特別措置法(特措法)を前提とすると作りやすい。
2.都市型空き家の利活用についての意見・アイディア
・DV被害にあっている人の一時的な避難場所
・会議室(駅の近く)・コミュニティの場
・空き家バンク⇒行政がマーケットをつくる手助け(マッチング)
・固定資産税の納税通知書の封筒に「空き家があったら教えて」の記述(空き
家除却の促進・利活用のPR)
・駅前の土地利用について、都市計画法上制限があるので、用途変更など建物
に対する制限の緩和が必要
・コンパクトシティ、機能を集約の流れ…駅前の空き家の利活用へ
- 157 -
3.どこの自治体の条例を参考にするか
・京都市、足立区、所沢市、さいたま市
4.課題設定
【条例の目的】
・防災・防犯(景観?)・生活環境(樹木・草木・ごみ・病害虫)
→京都全部盛り
・人の生命・財産に関わる(防災・防犯・生活環境)
・都市型では建物が隣接している場合が多く、防災上影響が大きい(防災)
・主体的に整備する法律があるので、景観については副次的目標。
【理想の実現】
・空き家の適正管理・有効活用、空き家予防、生活環境の確保
【条例化の必要性】
・措置として何をしたいか?
①調査
②助言・指導・勧告(適正な管理・修繕・除却)
緊急安全措置
③命令
④代執行・公表・罰則
→条例化して法的根拠を作る?判断基準設定のための条例。市がすぐに対応で
きるための条例。所有者に対する意識付け。
・既存の法令で何が対応できて何が対応できないか?
・建築基準法、消防法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
…代執行「できる」規定(But!基準がない)
・密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備法)
・民法 717 条(工作物責任)、697 条(事務管理)
・道路交通法(私道に関知しない)
5.利活用の部分はどうする?
・条例の文中に入れてもよいのではないか。
・活用することで、未来に向かって長期的に空き家をなくす条例を!
・実際には事業レベルでの話になってくるので、条例で細かく明記しない。
- 158 -
・市の責務だけでなく、市民・事業者にも責務(努力)を負わせる。
6.モデルとなる市は?
・小金井市(仮)
7.次回11月19日(水)
・午前9時から1時間程度、1・2班で現状報告・意見交換を行う予定
3日目
11月19日(水)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、信岡(小金井)、児玉(国立)、
田中(国立)、告(武蔵村山)
、古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.本日の予定
・午後1時30分に1グループ及び2グループで雑談形式の会議を行う。
・代表者を1人決める。
2.前回のおさらい
・基本の防犯・防災に加え、利活用も入れる。
→景観は副次的目標
3.方向性の確認
・モデル市を決めよう!→やっぱり小金井市でしょう!
小金井市ってどんな市?
・東京のほぼ中央に位置し、都心から約 25 ㌔西方に位置しています。
・面積は 11.33 平方㌔
・人口は 117,424 人(H26.11.1 現在:男 58,239 人、女 59,185 人、
世帯数 57,380)
・武蔵小金井駅南口の再開発により、にぎわいのあるまちなみが整備されました。
・大学施設・研究施設が設置され、住宅都市、文教都市の性格が強いまちです。
- 159 -
・条例に利活用はなじまない?条例の中でいろいろやることができてしまうと
方向性にゆがみがでる?
・「今、対策をしなければいけない」がぶれないようにした方が良いのでは?
・利活用については、条例自体にさらっと入れるレベルにして、実効性のある
規定は入れない方が良いのでは?
・景観を除却の理由にするのは難しい。
・特措法ベース→名古屋市の条例はバランスがよいので参考にして、小金井市
をモデルに落とし込む。
・世田谷区は環境に重きを置いている。ごみ屋敷も入っており、空き家に限ら
ない。(対応フロー図参照)
・想定する定義→「空き家等」「特定空き家等」→居住形態が無い物件を対象
・保護法益→市民の防犯・防災・環境
・都市型と郊外型で条文に差が出ないのでは?
・参照する条例等→名古屋市、世田谷区(居住している場合は除く)、特措法
・その中で都市型としての特徴がでるようなものを盛り込む。
(利活用・税軽減
措置など)→長期的な視点で空き家を減らしていく
・条例でやりたいこと→総合的な利用(除却・再利用)
、関係情報の収集、除却
までの権限、所有者等の責務について定めて周知効果を高める。
4.条例骨子
・目的(特措法ベースの場合は「趣旨」)
・定義
・所有者の責務
・市の責務
・関係機関との連携(調査権)
・立入調査権
・措置(助言・指導・勧告・命令・公表)
・代執行?
・審査会?
・緊急・応急措置
・有効活用
・未然防止(市の責務に入れてもOK)
- 160 -
市・所有者の責務って?
空き家が発生した!
→調査(現地調査・所有者特定)…戸籍・固定資産台帳
→改善要請(継続的)
→助言・指導・勧告・命令
(↑弁明↓)
→公表
→代執行
5.意見交換(午後1時30分~2時10分)
【1班から2班へ】
(1)1班の現状
事前課題を基に班内で情報共有。山村型のモデルは奥多摩町で進めることとし
た。空き家が今後増えていくという前提のもと、奥多摩町はどうか?というこ
とで議論。
→①「観光」という資源になりうるもの、②現状の空き家を増やさない抑止力
という2つの柱で進めている。
(2)質問
・何を議題としてとらえて議論しているか?
→実効性のある条例として、代執行は入れていく予定。まずは骨子を作ってか
ら、「利活用・抑止」の話を詰めていく。
・都市型の特徴から空き家以外の観点で何か見ているか?
→都市型に特化したものとしては議論していない。小金井市がモデルとなって
いる。
・グループの中で分業をしているか?
→何もしていない。今後の進捗状況による。
・今日の作業としては何をしているか?
→方向性としては、あくまで正攻法で環境や防災に着目した条例を作り、その
中で利活用などの都市型としての特徴を盛り込む予定。ただし、利活用につ
いては、通常条例で細かく規定しない。
・視察は?
→予定していない。
- 161 -
【2班から1班へ】
(1)質問
・山村型の空き家活用(観光)としてどんなアイディアがあるか?
→いきなり長期滞在というのは難しい。まずは一時的滞在から。ただし、地域
コミュニティが強いので、受け入れる土壌づくりも必要となる。
・参考にしている自治体は?
→新潟県津南町などいくつかの町村で3年に1度行っている「大地の芸術祭」
…空き家ミュージアム
・山村の空き家の特徴は?
→点在している中の空き家なので、都市型と違い、空き家だから苦情というの
があまりない。
6.講師から
・モデル市の特徴・現状からその自治体の首長ならどこまでやるか、を考える。
・自分がその自治体のトップだったら、を考える。
7.特措法案が参議院で可決・成立!
・特措法は一般法と手続きや位置づけが異なる。条例案をつくる際にその辺を
考慮して作るのか?
・名古屋市の条例は市町村がやるべきことが入っている。
「弁明」…特措法に基
づいている。
・市町村がやるべきことを措置法から抜いて、特措法をベースに世田谷区のフ
ロー図に当てはめていく。規定してくれているから条例を作りやすい?
・今は各市町村独自に「市長が○○する」という規定。法律のうしろだてがで
きたので、
「法○条に基づき、○○する」とできる。特措法を入れて考えた方
が良いのでは?特措法をベースに作る方が、逆に新しいものを作ることがで
きる。
・名古屋市ベースで特措法を組み込んでいく。各市町村の参考になるものに!
→全員賛成!
8.検討
・八王子市の民事上の解決を入れるか?
・条例案を作った後に、班の中から出たアイディアを施策に入れる。
- 162 -
・特措法ベースで考える中で、「都市型」として何ができるか?
9.to do list…
・名古屋市条例を基に、特措法を組み込んで考えてくる。原案は、瑞穂町小倉
さんが作成(すべて盛り込む。可能性を残した形で作成)→班のメンバーに
メールで配布→各メンバー検討
→法律に規定してあるものを条例に規定しなくてもよい。
(省きすぎると歯抜け
になるので二重に書いても良いが…)
・小金井市のスタンス・政策を理解し、原案に対して検討・取捨選択をする。
10.講師から
・発表には3R(リユース・リデュース・リサイクル)の視点で。
・次回は、法律のオーソドックスなことについてパワーポイントで講義あり。
4日目
12月2日(火)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、児玉(国立)、田中(国立)、
告(武蔵村山)、古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.本日の予定
・
「特措法・条例素案・条例施行規則素案の対照表(名古屋市条例、条例施行規
則、審議会条例、特定空家認定基準をもとに、特措法の並び順に直して作成)
」
をもとに検討
・作り方について、法を引用し作成するか、オリジナル条例するか
→班の個性を出したオリジナル条例を作れれば良い。
第1条(目的)
★題名と目的は、ほかの条が固まってから再検討
・「空家対策の推進・・」→「空家等対策の推進・・」に
・「(平成27年法律第○○号)→平成26年法律第127号に
- 163 -
第2条(定義)
法律を引用し、認定基準をオリジナルに(規則で具体的なところを規定)
第3条(民事による解決との関係)
八王子市参考。基本スタンスを明記。民事解決の項目を、条例のどこに入れる
か。後ろの方にある場合が多いが、所有者の責務との関係でここに入れている。
見せ方の問題。
第4条(空家等の所有者等の責務)
名古屋市条例のとおり
第5条(市の責務)
「市」部分について、「市長」にすべきか「市」にすべきか
第6条(小金井市空家等対策計画)
特措法に既定のある計画内容については、後の協議会の項目でもでてくるので、
ここでは省略。第3項は、名古屋市条例にはない部分。特措法に基づいて入れ
ているが、国の指針が出たら不要になる部分かもしれない。
第7条(小金井市空家等対策協議会)
必要事項など詳細は、規則に委任する
第8条(立入調査等)
第2項「市長は、第9条」→第13条に修正
「立ち入って調査」→あとで検討
第4項「身分を示す証明書」→様式は、規則に委任
第9条(情報の収集)
・データベースをイメージ
・具体的なものは、特措法第10条
・「措置を講じるものとする」→「内部で利用することができる」に変更
特措法が「内部で利用することができる」と規定しているとおり、目的外利
用を可能とする規定に変更していたほうが、動きやすくなるのではないかと
- 164 -
いう意見から。
第10条(市民等による情報の提供)
八王子市でも、市民による情報提供を条例化してから情報提供数が多くなった
ため、規定すべき。ただ、第5条(市民の責務)のところに持って行ってもい
いかもしれない。
第11条(空家等の活用)
「法第13条に基づき」→削除
次条への+αの項目
第12条(特定空家等の未然防止)
条例外での手法にもっていけるように、ここでは簡単に表現
第13条(特定空家等に対する措置)
「措置」の表現を「指導等」にして、勧告・命令を別条例にするか
現状は・・・
1.助言または指導
2.勧告
3~13.命令…3.命令
4.基準
5~10.意見の聴取
11~12.公示
13.適用除外
↓
?
第14条(特定空家等認定基準の策定)
規則に委任
第15条(応急措置)
あとで検討
- 165 -
第16条(関係機関との連携)
P4,第6条第3項(計画に関する助言を求めることができる)と重複するか?
ここの規定のほうが、
(条例の施行に必要な助言を求めることができる)ので広
い。削るか残すか。→残していいのではないか。
第17条(体制の整備)、第18条(財政上の措置)
→第5条(市の責務)に含めてまとめて良いのではないか。
「過料」を入れるかどうか
第19条(市議会への報告及び公表)
名古屋市が規定した目的は、財産権の侵害に関し、適切に管理しているところ
を公表するためか?事務報告書等で対応可能ではないか。→削除することに。
第20条(委任)
2.条例施行規則・素案の検討
第3条(協議会の所掌事務)
「調査審議し、」→言い回しはこれでいいか
第5条第2項
「ただし、~」以降の言い回しについて。
あまり見ない表現だが、削除していいかどうか。
別表(第20条関係)
小金井市特定空家等認定基準について
・2班としては、「保安上危険」「衛生上有害」「その他」を検討していくか。
・基準の項目にある①②を、一般的な(1)(2)の形に修正するか。
→文書管理規定などを参考にすることに。
3.演習意見のまとめから
「3.条例でやりたいこと」を、条例との関連付けやひも付けという視点で検討
・空き家が増えないための利活用部分を条例化できないか。
・空き家対策が利活用につながれば。
- 166 -
・建築基準法の制約について、緩和することは可能か。
→建築基準法の規定があるので、緩和を条例規定するのは難しい。
4.まとめにあたり(講師より)
・今回は、テーマ、課題、問題、ギャップなどの過程を考えずに、テーマの背
景(都市型の空家対策について)を分析して、条例化すればOK
・12/16 までに条例案をおおよそ固め、1/14 に講師より法制執務面からのチェ
ックを受けられるよう素案をまとめる。
5.ホワイトボードに書いた課題など
・代執行
・応急措置
・総合的な取組み
・立入調査権
・未然防止規定のバックボーン
・代執行
・相続財産管理人
6.宿題
「都市型利活用」について、各自したいこと、考えている取組み等のアイディ
アを今週中に大西さんへメールすること。箇条書きでもOK!
それを基に、小倉さん、告さんで集約等を行い、15日位には再度全員へメー
ルし確認することになった。
5日目
12月16日(火)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、信岡(小金井)、児玉(国立)、
田中(国立)、告(武蔵村山)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.本日の予定
小倉さん・告さんに集約してもらった条例案を基に再度条例案について再検討。
- 167 -
→12月16日修正【空家】特措法・条例・規則対比表参照。
6日目
1月14日(水)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、信岡(小金井)、田中(国立)、
告(武蔵村山)、古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.本日の予定
水越講師(法制執務担当)より条例の基本形式の講義をうけたのち、前回提出
した条例案について指導があった。
午後は、その指導を基に条例案を修正し、再度水越講師の確認を得たのち、
完成させる。
【訂正前】
第1条
この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律
第127号。以下「法」という。
)の趣旨にのっとり、適切な管理が行われてい
ない空家等が防災、防犯、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を
及ぼしていることに鑑み、空家等に関する対策の推進について必要な事項を定
め、もって地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境
の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進することを目的とする。
↓
【講師訂正案】
第1条
この条例は、適切な管理が行われていない空家等が防災、防犯、衛生、
景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、空家等
に関する対策の推進について必要な事項を定めることにより、空家等の活用の
促進を図り、もって地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その
生活環境の保全に寄与することを目的とする。
⇒条例案は除却部分に焦点を当てており、利活用についてはあまりうたってな
いため、「活用の促進」の部分に違和感あり。
↓
【2班再修正後】
- 168 -
第1条
この条例は、適切な管理が行われていない空家等が防災、防犯、衛生、
景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、空家等
に関する対策の推進について必要な事項を定めることにより地域住民の生命、
身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全に寄与することを目的
とする。
第2条について
①定義について、法律を引用すると対象が限定されていないので、解釈が広が
りすぎて適切ではない。
例えば、2班の1号にある空家等は、
「法第2条第一項に規定する空家等をい
う。」としているが、法律は日本全国の空家を指しているため、ここでも全国の
空家と解釈されうる。そうなると、第5条の市民等の責務は、日本全国の空家
について情報提供に努めなくてはならなくなる。
②事業者について規定が必要なのではないか。⇒規定することに。
第3条~5条
責務規定について
所有者、市、市民の順番について、意味はあるのか。
⇒2班は、責任の重さの順ということであえてその順にしたが、市が制定する
ものなので、市が先に来ているものが多いとのこと。修正の指示はなかった。
実際、所有者、市としている市もあるので、このままでいくことに。
第6条(小金井市空家等対策計画)→(空家等対策計画)に。
第7条(小金井市空家等対策協議会)→(空家等対策協議会)に。
第6条について
①2班案では、3項で国、東京都等・・と、国についても定めたが、法では「都
道府県知事」までしか規定していないので、国まで入れるのは問題ではないか。
⇒名古屋市を参考に入れたが、実務上国に直接聞くことはないと思われるので、
法の規定通り国については削除することに。
②4項で、協議会の意見を聴くものとするとあるが、条例化する必要があるか。
⇒重複しているので、削除することに。
- 169 -
③東京都等の関係機関について、どこを想定しているのか考えておくこと。
第7条について
「調査審議」という用語について、法では「協議」としているが、調査審議と
した理由はあるのか。
⇒単なる協議機関としてではなく、空家について調査審議のために機能するこ
とを想定していたが、審議会と誤認する可能性も考え、
「調査及び協議」に修正。
前項や前条を引用し、規定する場合の用語の使い方について
本日配布のあった「第三節
用語」の資料P586~589参照。
例えば、第15条第一項「前条の勧告(←名詞)」は、第14条「必要な措置
をとることを勧告する(←動詞)ことができる。」を受けているので、「前条の
規定による勧告・・」と訂正しなければいけない。
また、第15条第4項「前項の規定による命令(←名詞)
」は、3項「命令(←
名詞)を行う場合は、」を受けているので、「前項の規定による命令」と訂正し
なければいけない。
その他、第16条第4項、第18条第2項が同様に訂正が必要。
第15条2項の2行目「規定に基づき」を、「規定により」と修正。
配布資料「第三節
第19条
用語」資料P585参照。
市長は、前条の規定に関わらず、
・・・について、入れなくても通じ
るが、入れる必要があるかどうか。
⇒なくても意味が通じるが、
「特定空家等について」を追加し、何に対して応急
措置をするのか明記した。
⇒講師より、空家の不適正管理の問題について、何らかの手立てなり方向性な
りを示しておく必要があると指摘を受けていたので、求償規定を追加。
第21条
民事による解決・・・民事とは何を指すか。
⇒宇都宮市の条例第7条を参考に、当事者間という言葉を使用し、修正。
付則
「交付の日から施行する」について
通常、市民に義務や罰則を科すような条例は、市民に広く知らしめてから施
- 170 -
行すべきなので、公布日と施行日を同一日にすべきではない。
⇒平成27年○月○日に修正。
⇒一般的な「附則」という漢字に修正。
・中村講師より、都市部と郊外部の違いの考え方について
2班は、特措法をベースに条例案を作成しているので、条例はあくまで骨格。
第11条(空家等の活用)があるので、具体的な対策については、例えば規則
に委任する方法など、条例以外の講じ方を考えておくことで、整理すればいい
だろうとのこと。
・郊外部は、地域振興に重点を置いているものが多いとのこと。都市部は土地
の価値そのものが高いので、駐車場にするとか色々できる。
(ある講演会での情
報)
7日目
2月5日(木)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、信岡(小金井)、児玉(国立)、
田中(国立)、古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
1.本日の予定
古川さんが作成した発表資料(パワーポイント)を基に、意見を出し合い修正
し、完成させる。
2.発表資料修正内容
別添ファイル「プレゼンテーション H27.2.5ver」参照
3.条例の修正
第6条3項
「記述的」→「技術的」
第18条2項
「この場合においては」→「この場合において」
- 171 -
8日目
2月26日(木)
出席者:大西(八王子)、小林(調布)、田中(国立)、告(武蔵村山市)、
古川(稲城)、清水(羽村)、小倉(瑞穂)
【午前】
資料の微修正、発表リハーサル
【午後】
発表、報告書の作成
- 172 -
研修を終えて
研修に参加する直前まで「立法法務?空家の条例を作るんですか?そんな知
識ないです、不安だぁ。」と逃げ出したい気持ちでしたが、研修を終えた今、こ
の8日間の研修で経験したことの全てが自分の貴重な宝物になったと思ってい
ます。
本人もビックリしている気持ちです。「あぁ、研修に参加して良かった」と。
実際にやってみて初めてわかることがあるのだ、と改めて実感しました。
複数の人間が一つの事象に向かったとき、そこにはまず人と人の関わりが存
在しますが、2グループにはお互いを認め、理解し、尊重するセンサーが皆さ
んに備わっていたおかげで、議論だけでなく時にはおしゃべりもしたり、大笑
いしたりとコミュニケーションは楽しいひとときでもあり、そして、それが原
動力となって前進して行く後押しをしてくれました。
また、各人がそれぞれの分野で培った専門知識を極めて有効に発揮すること
ができたため、限られた期間の中で効率良く成果を出すことが可能となりまし
た。年度末が近づくにつれて忙しくなる環境の中、自ら進んで課題に向かう姿
勢と、それを支える精神が生んだ結果であると考えております。
報告会を終えて大きな達成感を2グループの皆さんと共有できました。
この研修を通じて出会えた皆さんに心から感謝しております。
まったく条例とか法律の話題になりませんでした、申し訳ありません。
苦労を共にした皆さんともうお会いできないのがちょっと残念ですが、皆さ
んこれからも研修のときと同じように、それぞれの職場でご活躍ください。
それでは、失礼します。
八王子市
大西
増夫
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回の立法法務研修のテーマは「空き家問題への対策」でしたが、すでに多
くの自治体で空き家対策条例が策定されていたことに加え、研修期間中に空家
等対策の推進に関する特別措置法が制定されたなかで、空き家対策に資する独
自性のある規定を盛りこんだ条例案を策定するのは、なかなか難しい作業でし
た。しかし、グループのメンバーが様々な情報、アイデアなどを持ち寄って議
論を深めることで、ある程度形になったのではないかと思います。
- 173 -
これまで政策立案から条例制定に至るまでの一連の流れを経験したことがな
かったので、今回の研修でそれを経験し、法制執務の知識を得ることができ、
自分にとって非常に有意義な研修となりました。
また、今回の立法法務研修のテーマが「空き家問題への対策」だったことも
あり、研修を通してグループのメンバーから各自治体における最新の空き家対
策の状況を聞くことができ、自分の所属する部署の業務に直結する生きた情報
として大変参考になりました。
今回の研修では、2グループのメンバーにはひたすら助けられっぱなしでし
た。空き家問題の論点の整理、法制執務面からの条例の精査、諸々の資料の作
成など、項目を挙げればキリがありません。他のメンバーには感謝の言葉しか
ありません。
また、中村講師、高田講師、水越講師、そして今回の研修を担当された砂田
さん、研修所の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。
調布市
小林
建大
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
研修に参加された皆さん、本当にお疲れさまでした。
今回の研修テーマは、自分の業務に係わる「空家問題への対策」ということ
から参加させていただきました。
研修では、政策形成の過程から問題解決を図るための条例化まで一連の作業
を行いましたが、途中、空家等対策の推進に関する特別措置法が可決してしま
うという、ちょっとしたハプニング(考え方にもよりますが)もあり、悩まし
いと感じるところもありましたが、参加したメンバー全員が良く勉強してきて
おり、また、役割分担も積極的に引き受けてくれたおかげで、無事に研修を終
えることができました。
4ヶ月の間に全8回と長期にわたるものでしたが、講師や研修担当の方々の
適切なアドバイスもあり、また、メンバーにも恵まれ、楽しく過ごすことがで
きました。ありがとうございました。
ただ残念なことに、業務の都合で発表会を含み2日間参加できず、メンバー
に負担をかけたことが心残りです。
小金井市
- 174 -
信岡
宏明
今回の「立法法務研修」は、全8回という長期に渡る研修であり、また、講
義を受けるだけでなく、グループごとに話し合いをし、発表するというこれま
でに経験したことのない大規模で濃密な内容の研修でした。
「立法法務」というこれまでにあまり経験したことのないことに挑戦できた
ということもさることながら、今回の研修の一番の収穫は、グループ内で意見
を交わし、一つのものを作り上げていくということを経験できたことだと思い
ます。他自治体・他部署のメンバーと話し合いをする中で、自分自身では全く
気づかなかった新しい視点に気付けたり、メンバーの意見を取り込みながら一
つのものが形作られていく充実感を感じられたりなど個人で行う日常業務では
得られないものを勉強できたと思います。この経験は自身の業務を進めていく
上でもきっと役に立つ経験になるはずです。
また、今回の「空き家問題への対策」というテーマも良かったと思います。
空き家は現在進行形で増加しており、非常にタイムリーで、今後ますますクロ
ーズアップされてくる問題です。防犯、防災、環境、都市景観など様々な要素
を含んでおり、かつ、差し迫った問題である「空き家問題」を議論できたとい
うことは自治体職員としての自分の糧となったと思います。
「立法法務」研修は
終了しましたが、研修が終わった後も「空き家問題」をどのように解消してい
くかを考えていく所存です。
最後になりましたが、お世話になった講師の方々、研修所の方々、第2グル
ープのメンバーにこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ありがとう
ございました。
国立市
児玉
俊平
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回の研修は、
「空き家問題への対策」という政策課題に対し、グループで条
例案を作り上げるというものでした。全国的に話題になっているテーマという
ことで、情報量は多かったのですが、空き家問題には様々な法律が関係してい
て、普段法律を深く考えたことのない私にとって、どの法律をどのように解釈
して条例化すればいいのか、正直グループの話し合いについていくのが精いっ
ぱいでした。そうして試行錯誤しているうちに「空家等対策の推進に関する特
別措置法」が成立。今まで壁になっていた問題が一気に解消できる法律の成立
だっただけに、その後どのように条例を作ればいいのか、作る必要があるのか
- 175 -
という疑問が頭の片隅に生じましたが、講師の「条例はその自治体の意思表示
でもある」という言葉が印象的でした。
この研修を通して、条例制定には、現状から背景を読み解き、その状況を解
消するための政策まで考えるという過程が必要であり、その自治体の思いが表
現されたものだということがよくわかりました。全8回という長い研修ではあ
りましたが、講師の先生方、研修所の方々、グループの皆さんのおかげで、多
くのことを学ぶことができ、無事修了することが出来ました。本当にありがと
うございました。
国立市
田中
朋香
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
チームワーク。今回の研修は、この言葉の意味を非常に意識した研修でした。
研修のテーマである空き家問題については、今まで問題意識を持つことも、業
務で取り扱ったこともありませんでしたが、この研修は自分の力になると思い
受講しました。
研修の作業は、家づくりに似ていたと思います。家を建てるには多くの職人
が必要となりますが、作業は、正にそれでした。成果物全体を家とすれば、条
例案は、柱といったところでしょう。私は、主にその柱の作成に携わりました。
柱は家を支えるものであるため、その作業は、グループの仲間の協力を借りな
がら行いました。初めは脆かった柱が研修日程を重ねる度に強固なものとなり、
皆様の前に御呈示できたのは、仲間たちのお陰でした。それは、日頃から行っ
ている業務によって培われた知識、経験により生まれた多様な考え方によるも
のであったのだと思います。
このような経験をさせて頂き、研修を通して学んだチームワークと立法法務
のノウハウは、日頃の業務でも必ず役に立つと考えております。
最後となりましたが、研修中お世話になった研修所の講師及び担当者の皆様
に、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
武蔵村山市
告
拓実
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
皆様長期の研修お疲れ様でした。
10月から始まった研修も、2月26日に発表ということで、全8回に渡る
- 176 -
研修は貴重な経験となりました。今年のテーマは「空き家問題」について条例
案を作り、さらに各市町村の方の前でプレゼンまで行うということでしたが、
始まりは手探りからでした。
条例を作る!と意気込んで、法制面のテクニックの話をイメージしていまし
たが、やはり条例を作るに当たっては課題を十分に掘り下げないといけないわ
けで、初期のグループワークは「空き家ってどういうモノなんだろうね?」
「そ
う言えばこんな資料あったなぁ」
「そういうのもあるのか…」という、やや拍子
抜けしつつも、ゆっくりとした発進を見せました。
…ただし、このプロセスが重要であると後で気づかされます。
ゆっくりとしたペースは全員の下地が出来た後も進み続け、
「気がついたらこ
こまで来てたよ」といつのまにかグループの知識として蓄積されていました。
中盤からは意見の集約、条例案の作成などで段々と加速していくわけですが、
グループワークの魅力と難しさについて改めて認識した研修でした。
立法法務と言いつつ、実は集団の合意形成の研修ではないかと思い始めた頃、
実務でも同じことであると気がつきました。問題を認識し、調査してまとめて、
説得力を持たせて関係者に対して説明や合意形成を行うことは、実際の条例作
成時にも必要と思われますし、日々の業務でも求められます。
この研修を通して、条例を作ること以外にも、その前段として通らなければ
ならない大切な多くのことを学べました。
最後に、研修中多くの助言とご指導を頂いた中村講師、高田講師、水越講師、
また事務局としてご尽力いただいた研修所の砂田さん、また、力を合わせて最
後のプレゼンまで頑張った2グループの皆様、本当にありがとうございました。
稲城市
古川
直広
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回の研修は、4ヶ月・全8回の長期にわたる研修ということで、最初は非
常に気が重かったのを覚えています。「空き家対策って何?」「問題になってい
るの?」という所からのスタートでした。最初はグループ内でもかなり知識の
ある方、まったく知識のない方がいて、私の場合はもちろん後者だったので、
いただいた資料を読んで、背景や問題点について少しずつ理解していきました。
今回のテーマ「空き家対策に関する条例」は、特措法成立の動きがあったの
で、どうしてもそちらとの関係をにらみながら進めていかなければならず、研
- 177 -
修途中では話しあいが行ったり来たりを繰り返す時間もありました。しかし、2
グループは、皆それぞれに得意分野があり、自然に役割分担が決まっていった
ので非常に効率的に良い形で研修を進めることができました。一つの条例を作
るのに、背景・原因・問題点・立法の目的・対応策・条例の整合性や適法性な
どについて、いろいろな場合を想定し様々な場面に対応できるように作られて
いるのだということがわかりました。
この研修では、研修時間以外でもグループのメンバーでたくさん会話をしま
した。その中で解決の糸が見えたり、気分転換になったりして、良い切替えが
できたと思います。発表会を終え、今、達成感の中に一部喪失感も生まれてい
ます。この貴重な経験を今後の職務に活かせるように励んでいきたいと思いま
す。ありがとうございました。
羽村市
清水
彩登美
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回の研修を通じて、政策立案から条例作成までの一連の流れや考え方を具
体的に学ぶことができました。
私は、法制執務の担当を経た後に、墓地、埋葬等に関する法律に関する事務
について条例を作成した経験があるのですが、今回の研修テーマである「空き
家」については、関係部署、関係法令等が多岐にわたるため、グループ内で様々
な角度から条例案を検討していくという作業になりました。
議論を重ねていく中で、現在進行形で空き家問題に取り組んでいる方、税関
係に精通している方など、いろいろな知識、経験をお持ちの方から、色々な視
点、考え方を学ぶことができ、自身の見識を広げることができたと思います。
全8回という研修でしたので、最初は非常に億劫に感じておりましたが、終
わってみればあっという間という印象で、それも2グループの皆様の人柄、包
容力、決断力によるところが大きいと感じています。お陰様で、最後まで楽し
く研修に参加することができ、大変感謝しております。また、講師、研修担当
の皆様には、色々とご指導いただきましてありがとうございました。
今回の研修を通じて学んだことを、これからの業務に活かしていきたいと思
います。
瑞穂町
- 178 -
小倉 有仁
- 179 -
- 180 -
平成26年度
自治体経営研修「立法法務」
研 修 資 料
・ 研修時間割表
・ 研修概要
- 181 -
- 182 -
研 修 時 間 割 表
平 成 26 年 度 自 治 体 経 営 研 修 「 立 法 法 務 」
研修室 : 【グループ演習】 311研修室ほか 【成果発表会】 階段研修室
ー
9:00 9:15
12:15
【自治立法概論】
テ
オ
昼
10月23日
リ 研修所特別講師 中村 正美
シ
休
エ
(木)
み
ン
ン
ョ
1日目
9:00
2日目
12:15
12:15
12:15
12:15
13:15
16:30
昼
休
み
12:15
昼
休
み
(水)
9:00
12:15
13:15
16:30
【グループ演習】
研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
研修所特別講師 水越 寿彦
13:15
16:30
同左
【グループ演習】
1月26日 研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
(月)
研修所特別講師 水越 寿彦
昼
休
み
9:00
8日目
16:30
同左
【法制執務面からの条例案チェック】
1月14日 研修所特別講師 水越 寿彦
12:15
13:15
16:30
同左
【グループ演習】
研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
研修所特別講師 水越 寿彦
9:00
13:15
昼
休
み
9:00
2月5日
(木)
16:30
同左
【グループ演習】
12月2日 研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
(火)
【グループ演習】
12月16日 研修所特別講師 中村 正美
5日目
研修所特別講師 高田 明彦
(火)
7日目
13:15
昼
休
み
9:00
(1グループ
のみ実施)
16:30
同左
9:00
追加
日程
13:15
昼
休
み
【グループ演習】
11月19日 研修所特別講師 中村 正美
3日目
研修所特別講師 高田 明彦
(水)
6日目
16:30
【グループ演習】
研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
同左
【グループ演習】
11月4日 研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
(火)
9:00
4日目
13:15
昼
休
み
12:00
【リハーサル】
2月26日 研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
(木)
- 183 -
昼
休
み
13:00
【成果発表会】
研修所特別講師 中村 正美
研修所特別講師 高田 明彦
研修所特別講師 水越 寿彦
16:30
研 修 概 要
自治体経営研修 政策法務部門
立法法務
目標
自治体をめぐる政策課題の理解を深め、政策形成能力を高めるとともに、政策の条例化を中心とし
た法務能力の向上を図る。
対象
原則として採用後5年以上の職員
研修日程
10/23(木)、11/4(火)、11/19(水)、12/2(火)、12/16(火)、1/14(水)、
日数
8日
2/5(木)、2/26(木)
時間
52:00
科 目 名
科 目 内 容
時間数
自治立法概論
3:15
政策法務演習
48:45
方 法
・自治立法概論
・政策形成過程と条例
講 義
・政策課題の研究
・条例化の演習
・報告書の作成
・研修成果の発表
演 習
発 表
実施科目
講師
テーマ
【自治立法概論・政策法務演習】
研修所特別講師 中村正美
研修所特別講師 高田明彦
【法制】
研修所特別講師 水越寿彦
空き家問題への対策
テーマ趣旨
人口減少社会に突入した日本において、空き家対策は地域社会において重要な政策課題となってきている。
総務省が5年ごとに行っている住宅統計では、平成25年10月時点で、全国の住宅戸数6,063万戸に対して
空き家の数は820万戸に上り、空き家の割合は13.5%となっている。
このような状況の中で、空き家を放置すると景観をそこねるだけではなく、治安の低下など住民の安全にも
支障を及ぼしかねない。この現象は、過疎化が進んだ山村部から始まったが、現在では都市部で戸建て住宅の
空き家も目立つようになってきている。
そこで、それぞれ特性が異なる2つの地域での特性を踏まえ、有効な空き家対策を検討し、具体化するため
の条例づくりに取り組んでいく。
研修所メッセージ
この研修は、当研修所が力を入れているゼミナール型研修の一つで、テーマをもとに、実際に条例を作成す
る過程を体験できます。
研修では、立法目的・立法事実を明確にした上で条例の内容検討へと進み、整合性・適法性等の確認を行
い、条文を作り上げていきます。
毎年、様々な自治体から、テーマと担当業務が直接関わりのある方・ない方に関わらず参加する研修ですの
で、多様なアイディアが出され充実した演習となります。グループでの作業を通じ、多くの研修生と交流が持て
ることもこの研修の大きな魅力です。
全8回に及ぶ長期の研修となりますが、それぞれが条例を作り上げていくうえでの貴重な機会となります。全
回出席すれば、条例作成に関する知識はもちろん、実務でいかせる貴重な経験を得ること請け合いです。積極
的なご参加お待ちしています。
- 184 -
あとがき
今年度のテーマは「空き家問題への対策」としました。空き家問題は「空き
家」が自宅の近所など身近になければ、あまり気にならないのかもしれません
し、自治体職員にとっても、それに関連する業務に携わっていなければ、あま
りなじみのない問題かもしれません。
今回ご参加いただいた研修生もその多くが、空き家問題に触れたことのない、
予備知識のほとんどないという状況で、研修はスタートしました。すでに多く
の自治体で空き家対策条例が制定され、国会でも研修期間中に対策法案が成立
しました。関連して、新聞等多くのメディアでも空き家に関する特集が組まれ、
空き家に関する著作も数多く出版されています。こういった状況や、空き家問
題に関する情報量の膨大さは、研修にあたって、研修生にとっては逆に困難や
苦労に繋がったのではないでしょうか。4ヶ月間もの長きにわたり、研修生た
ちはあまりに多くのことを調べ、学び、迷い、議論に議論を重ね、それぞれが
これまで培ってきた経験や知識や個性を生かしながら、その結果として一つの
条例案をまとめ上げました。その過程で発揮された、現実や課題を捉え解決に
繋げるための集中力や創造力、そして、それらを支える積極性や自己の向上意
欲といったものには、深い感銘を受けました。
研修生のみなさまには、是非この研修で得たものや経験したもの、そしてな
により研修生間の交流やネットワークも、普段の業務の中ではなかなか得るこ
とのできない貴重な財産として、今後の業務に生かし、更なる飛躍を遂げてい
ただきたいと願っております。
また、今回の成果発表会では、各自治体の研修担当者だけでなく、空き家問
題に関わる業務に携われている方やこのテーマに興味のある方等、数多くの参
加者にお越しいただきました。緊張感と共に迎えた条例発表が、研修生にとっ
ても、お越しいただいた皆さまにとっても、実りの多いものとなったのであれ
ば幸いです。
最後になりましたが、研修担当として行き届かないところも多々あったかと
は思いますが、長丁場の研修をやり遂げた研修生、担当講師に、この場を借り
て厚く御礼申し上げます。
平成 27 年3月
東京都市町村職員研修所
研修第一係
- 185 -
教務課
砂田
陽生
- 186 -
平成 26 年度
自治体経営研修
立法法務
研修報告書
平成 27 年3月発行
東京都市町村職員研修所
〒183-0052
東京都府中市新町2-77-1
TEL
東京自治会館内
042-384-6444
この報告書は、下記ウェブサイトでもご覧いただけます。
URL
http://www.tskweb.jp