SSFは栄養素を開放する 天然のソリューション 自然界において、シロアリは繊維 からエネルギーを得るためにカビ の力を利用します。 その自然現象を真似ることにより、 ふすまを用いて培養した麹菌発酵 物であるSSF(エスエスエフ)は飼 料中の原料を分解し、通常では利 用できない栄養素を動物に供給 することができます。 (写真:シロアリの塚) ビーカー試験 対照区 EPをSSFの含まない海水(対照区) とSSFを含んだ海水(SSF区)に投入。 (水温:20℃) SSF区 対照区 SSF区 まとめ 12時間後、対照区のペレットは形を変えず膨張した。SSF区のペレットは部分的に分解され SSFの効果がはっきりと分かった。 消化試験 1トンあたり500gのSSFをコーティングしたSSF区と、無添加の対照区のEPを給餌したブリ500gの 胃内容物を1時間後、6時間後、24時間後ごとに調査した。 (水温:20℃) 1H 6H 飼料1:対照区 飼料2:SSF区 まとめ 1時間後、対照区とSSF区のペレットの消化状態に大きな違いは見られなかった。 しかし6時 間後には、SSF区のほとんどのペレットが崩れているのがはっきりと分かり、一方で対照区は まだ原型が残っていた。 で、 より多くの栄養を モジャコ 平均魚体重(g) 高知大学とオルテックの研究提携 試験場所: 高知大学の水槽 試験期間: 2ヶ月 総尾数: 160(40尾/区) 対照区: 魚粉70%のEP飼料 試験区: 対照区+SSF(飼料1トンあたり500g) 体重の度数分布図 対照区2 SSF区1 SSF区2 平均体重:124g 標準偏差:12.5g 変動係数: 10.1% 度数 度数 平均体重:112g 標準偏差:17.0g 変動係数: 15.2% 対照区1 増肉係数 対照区2 - 10% SSF区2 まとめ モジャコに与える、高魚粉のスターター飼料にSSFを加 えると、10%の成長および増肉係数が10%下がった。 さらに重要なのは、SSF区では魚の成長がより均質に なったことだ。弱い魚でも良いスタートが切れるように SSFが作用していることが考えられる。 対照区1 対照区2 SSF区1 SSF区2 四国、宿毛湾での試験結果 モジャコの試験(200g) 総尾数: 小割りイケス当たり250尾 試験設定: 高魚粉飼料、30%魚粉飼料、30%魚粉飼料+0.125% SSF、30%魚粉飼料+0.25%SSF 増肉係数 増体率(%) 生存率(%) FM50- 30%FM 30%FM 30%FM + + 60% 0.125% 0.25% SSF SSF まとめ FM5060% 30%FM 30%FM + 0.125% SSF 30%FM + 0.25% SSF FM5060% 30%FM 30%FM + 0.125% SSF 30%FM + 0.25% SSF 高魚粉飼料が最高の成長率と生存率、 また最低の増肉係数を示した。本試験で使用した低魚粉の成 績は低かった。SSFを加えた低魚粉はわずかに成長し、増肉係数が2から1.8ポイントに改善。 また、高 魚粉飼料と同じ生存率を得た。 マダイ 魚体重 (g) 宇和島 試験1 マダイの稚魚のコマーシャル試験 試験場所: 愛媛県宇和島市 試験期間: 1.5ヶ月 対照区: モイストペレット 試験区: モイストペレット+SSF(モイストペレット1トン あたり400g) 対照区 SSF区 増肉係数 まとめ 対照区での日間成長率が0.55%に比べてSSFを加えた試 験区は0.7%とより高い結果となった。試験開始ではSSF区 の魚の体重のほうがより軽かったが、試験終了後は対照 区よりも増えていた。増肉係数は、SSF区が20%低かった。 対照区 宇和島 試験2 増肉係数 700 10 600 8 500 6 400 対照区 300 200 3月17日 5月6日 6月25日 8月14日 マダイの稚魚の試験 - 25% 4 2 0 対照区 SSF区 試験場所: 愛媛県宇和島市 試験期間: 3カ月 (5月~9月) 総尾数: 32,000 対照区: モイストペレット 試験区: モイストペレット+SSF (モイストペレット1トンあたり400g) SSF区 まとめ 対照区の成長率が0.39%に対してSSF区は0.49%と高かった。増肉係数はSSF 区がマイナス25%とはるかに低い結果となった。 マダイに与えるSSF低魚粉飼料 魚体重 (g) 試験 11月27日 11月17日 11月7日 10月28日 - 20% 10月18日 試験場所: 本州 試験期間: 1.5ヶ月 (10月~11月) 対照区: 低魚粉EP飼料(魚粉40%) 試験区: 低魚粉EP飼料(魚粉40%) +SSF(飼料1トンあたり500g) 増肉係数 まとめ SSFリキッドを加えた低魚粉飼料は成長率が改善され増肉係数が20%以上大幅に改善した。 で、 より多くの栄養を 九州南部での試験結果 モジャコの試験結果 試験期間: 2ヶ月 (8月~9月) 総尾数: 88,000(イケス一つあたり11,000) 試験開始時の体重: 約400g 試験設定: イケス2つで実施 増体率(%) • • • • 対照区1: 対照区2: 試験区1: 試験区2: 高魚粉飼料(54%)EP 低魚粉飼料(35-40%)EP 対照区1+SSF(500g/t) 対照区2+ SSF(500g/t) 増肉係数 - 5% 高魚粉(54%) 高魚粉(54%) +SSF 増体率(%) 高魚粉(54%) +SSF 高魚粉(54%) 増肉係数 - 5% 低魚粉 (35-40%) 低魚粉(35-40%) +SSF 低魚粉 (35-40%) 低魚粉(35-40%) +SSF まとめ 1 高魚粉飼料にSSFを加えたことで増体率が改善し増肉係数がわずかに減少した。 まとめ 2 低魚粉飼料の増肉係数が2.15に対して、高魚粉飼料は2.06と低くなった。モジャコの低魚粉飼料に SSFを加えると増体率は改善し、増肉係数は高魚粉と同じレベルまで減少した。 モジャコ: 高魚粉および低魚粉のEPにおけるSSFの影響 九州西部での試験結果 試験期間: 2ヶ月 (7月-8月) 総尾数: 3,200 試験開始時の体重: 100g 試験設定: イケス2つで実施 • • • • 対照区1: 対照区2: 試験区1: 試験区2: 高魚粉飼料 低魚粉飼料(40%) 対照区1+SSF(500g/t) 対照区2+ SSF(500g/t) 増体率(%) 増肉係数 高魚粉+SSF 高魚粉 増体率(%) 低魚粉 低魚粉+SSF 高魚粉+SSF 高魚粉 増肉係数 低魚粉 低魚粉+SSF まとめ 1 高魚粉飼料にSSFを加えたことで増体率と死亡率が改善し、増肉係数がわずかに減少した。 まとめ 2 低魚粉飼料の増肉係数が1.99に対して、高魚粉飼料は1.66と低くなった。モジャコの低魚粉飼料に SSFを加えると増体率は改善し、増肉係数は高魚粉と同じレベルまで減少した。配合飼料にSSFを加 えた場合は生存率も高くなった。 で、 より多くの栄養を カンパチ 四国、宿毛湾での試験結果 試験期間: 水温: 試験設定: 対照区: 試験区: 3ヶ月 (4月半ば-7月半ば) 18-24℃ イケス2つで実施 モイストペレット モイストペレット+SSF(400g/t) 魚体重(kg) まとめ 対照区1 SSF区 4月12日 4月26日 5月10日 5月24日 6月7日 6月21日 高魚粉飼料(40%)のモイストペレットにSSFを加 えると、増体率が改善し増肉係数が減少した。同 様に低魚粉飼料(30%)に加えた場合は、成績が 改善した。 しかしながら、ネガティブコントロール の不足によりSSFの効果が十分に証明されなか った。 7月5日 九州、宮崎県での試験結果 カンパチの稚魚の試験結果 試験期間: 2.5ヶ月 (10月-11月) 総尾数: 60,000(イケス1つ当たり10,000) 試験開始時の体重: 350g 試験設定 • 対照区: モイストペレット (魚粉40%) • 試験区1: モイストペレット (魚粉40%)+ SSF(400g/t) • 試験区2: モイストペレット (魚粉30%)+ SSF(400g/t) 増体率(%) 100 90 80 70 60 50 高魚粉 高魚粉 +SSF 低魚粉 +SSF 増肉係数 まとめ SSFを加えたモイストペレットは、水温が最適ではなかっ たもののカンパチの成長が増加した。 高魚粉 高魚粉 +SSF 低魚粉 +SSF 肉食性魚類に対し、 SSFで配合飼料から魚粉を減らす マダイ 東京海洋大学での試験 佐藤研究室(佐藤秀一教授等)の試験 試験期間: 3ヶ月 試験区: 2 小割タンク 水温: 19-23℃ タンク当たりの総尾数: 25 原料 FM50 FM20 タウリン タウリン+ フィターゼ SSF 0.05 SSF 0.1 魚粉 50 20 20 20 20 20 大豆油かす - 18 18 18 18 18 コーングルテンミール 5 23 23 23 23 23 魚油 5 5 5 5 5 5 大豆油 5 7.4 7.4 7.4 7.4 7.4 リン酸二水素カルシウム 1 1 1 1 1 1 タウリン - - 0.2 0.2 0.2 0.2 フィターゼ - - - 1000 - - エスエスエフ - - - - 0.05 0.01 ビタミンプレミックス * 3 3 3 3 3 3 ミネラルプレミックス ** 1 1 1 1 1 1 30 21.6 21.4 21.38 21.35 21.3 タウリン 0.31 0.14 0.31 0.31 0.32 0.31 粗たんぱく質 41.3 41.7 41.3 41.1 41.1 41.2 粗脂肪 14.4 16 15.8 16.1 15.7 16.4 粗灰分 8.9 6 5.8 5.4 5.2 6 水分 5.3 5 6.4 5 4.5 5 その他 *** 成分量(%) * ビタミンのプレミックス配合割合(単位.kg-1): vitamin A: 2,420,000 IU, vitamin E: 1,000 mg, vitamin D3 タウリン、 フィターゼ、SSFを含まない低魚粉飼料と 高魚粉飼料(魚粉50%)を給餌した時のマダイの成長 増肉係数 FM50 魚体重(g) FM20 タウリン タウリン+ フィターゼ (FTP) SSF 0.05 SSF 0.1 FM50 FM20 タウリン FTP SSF 0.05 SSF 0.1 まとめ 魚粉を高レベルの大豆油かすとコーングルテンミールに置きかえることができると証明され、 タウリン とSSFの追加により成長率と増肉係数においては高魚粉飼料に等しい成績が得られたことが初めて分 かった。 参考文献: Effects of taurine, phytase and enzyme complex supplementation to low fish meal diets on growth of juvenile red sea bream Pagrus major Imen Hanini 1, Md. Shah Alam Sarker 1, Shuichi Satoh* 1, Yutaka Haga 1, Serge Corneillie 2, Tsuguaki Ohkuma 3, Hiroshi Nakayama 3 Magazinze: Aquaculture Sci. 61(4), 367-375 (2013) 肉食性魚類に対し、 SSFで配合飼料から魚粉を減らす マダイ 長崎県総合水産試験場の松倉一樹氏が行った研究によると、重要な栄養素バランスよく配合されて いればマダイは0%魚粉飼料を与えても良く成長すると分かった。 4ヶ月の期間で5種類の飼料をマダイに給餌した。 • 飼料1: 50%魚粉飼料(対照区) • 飼料2: 20%魚粉飼料 700 • 飼料3: 20%魚粉飼料+SSF 600 • 飼料4: 0%魚粉飼料 • 飼料5: 0%魚粉飼料+SSF 500 FM 0% まとめ FM 0% + SSF 20%魚粉飼料、SSFを加えた20%およ び 0 % 魚 粉 飼 料 を 給 餌した 魚 の ほう が、50%魚粉飼料を給餌した魚より成 長率が高かった。 400 FM 20% FM 20% + SSF FM 50% 300 5月 6月 7月 8月 9月 10月 平成25年度日本水産学会春季大会 要旨913: 松倉一樹(長崎水試) ・飯野翔太・芳賀穣(東京海洋大) ・Serge Corneillie(ALLTECH JAPAN) ・ 船木緑・中尾貴尋(中部飼料) ・佐藤秀一(東京海洋大) (2013).低・無魚粉飼料によるマダイの飼育と麹菌発酵物の添加効果 ブリ 2013年に行われた研究にて、若いブリで50%魚粉飼料と0%魚粉飼料を給餌した場合 も同じ成長率であると示された。 無魚粉EP飼料を用いたブリの海水生簀飼育試験 第25年度日本水産学会 要旨912 津崎龍雄、堀田卓朗、吉田一範、中川雅弘(水研セ西海水研)、輿石友彦(日清丸紅飼料)、山田真之、佐藤秀一(東京海洋大)、石田典子(水研セ中央水研) 4種類の試験飼料: • 対照区: 50%魚粉飼料 • 飼料1: 濃縮大豆たんぱくとカツオエキスを含んだ無魚粉EP飼料 • 飼料2: ポークミールとカツオエキスを含んだ無魚粉EP飼料 • 飼料3: ポークミールと液化魚腸を含んだEP飼料 当歳魚のブリ (平均体重753g)が4ケージに振り分けられ異なる飼料を6カ月給餌。 結果:6ヶ月後の体重 対照区:2,242g、飼料1:2,178g、飼料2:2,205g、飼料3:2,234g まとめ 無魚粉飼料を当歳魚ブリに与えていた際、魚粉入りのEP飼料と成績の差はなかった。 オルテックの研究提携 高知大学 オルテックと国立大学法人高知大学はブリとカンパチの栄養に関する5年間の研究提携契約を結びま した。 (2013年6月) この5 年間に渡る応用研究提携は日本の養殖セクターにおける価値を創出し発展を主導する共同プロ ジェクトとして大変価値があります。高知大学は高知県香南市と連携事業協定を結んでおり、高知大学 は香南市が所有する大型水産養殖施設を借り受けています。その水産養殖施設は、疾病の原因となる バクテリア、 ウイルス、寄生虫を含まない地下海水(水温16-28 度)を利用しており、18 の水槽(各30 m3) と、多くの幼魚用小型水槽(0.25m3, 0.5 m3, 0.8 m3 および1m3)を備えています。 オルテックは、創業以来34年以上に渡る他畜種の肉質改善に関する最高レベルの研究の成果をブリ、 カンパチといった海水魚の肉質改善に貢献できる特別な飼料の開発に生かそうとしています。国立大 学法人東京海洋大学の佐藤秀一教授の助言を得ながら、オルテックと高知大学は麹菌発酵物を使って ブリ、 カンパチ用飼料に含まれる魚粉量を減らす研究をさらに進めていきます。 左上写真(30㎥水槽前にて撮影、左より) :Keith Filer(オルテック・インク リサーチマネージャー)、深田陽久准教授(高知大学)、 セルジュ・コーネイリ (オルテック・ジャパン ジェネラル・マネージャー)、矢吹洋氏(高知大学 非常勤職員) Nofima (ノルウェー政府設立の食品・農林水産業研究団体) オルテックは、2012年よりノルウェー政府設立の食品・農林水産業研究 団体であるNofimaと3 年間の共同研究提携契約を交わしています。現在 は微細藻類の飼料への利用、およびそれが魚の健康、成績、肉質に与え る影響について研究を進めています。オルテックの藻類製造設備(アメリ カ、ケンタッキー州ウィンチェスター)は世界最大規模であり、オルテック は畜産・水産養殖における微細藻類の利用について探究しています。 写真(2012年研究提携を締結、右より) : Patric Charlton(オルテック・ヨーロッパ ディレクター) Karl Dawson(オルテック・インク 最高技術責任者) Dr. Oyvind Fylling-Jensen(Nofima プレジデント) 添加方法 - 飼料1トン当たり、SSF500g、 もしくは、SSFリキッド 500mlを1.25リットル( 乾物重量換算) - モイストペレット1トン当たり、SSF400g、 もしくは、SSFリキッド 500mlを1リ ットル(乾物重量で1トン当たり、SSF500g、 もしくは、SSFリキッド1.25リット ルとなるよに換算) - モイストペレット (解凍前)は、魚に給餌する直前にSSFを混ぜ込む オルテック・ジャパン合同会社 TEL: 03-6450-1216 FAX: 03-6450-1274 [email protected] Alltech.com AlltechAP @AlltechAP
© Copyright 2024 ExpyDoc