災害対策ソリューション「Azure Site Recovery」

◇MYNOS-2015 年 1 月号
災害対策ソリューション「Azure Site Recovery」
---Hyper-V 上の仮想マシンの災害対策を簡単にクラウドで--Azure Site Recovery は Hyper-V レプリケーション機能と連携し、2 つの拠点間でのフェールオーバー
などを提供するサービスです。2014 年 10 月に Hyper-V 上の仮想マシンをクラウド上へフェールオーバ
ーさせる事が可能となり、さらに 12 月にサービスが拡張されました。
今回は、Hyper-V と Microsoft 社の提供するクラウドサービスの Azure を利用した災害対策について
ご紹介させていただきたいと思います。
■Azure Site Recovery による災害対策
Windows Server 2012 Hyper-V によりサーバの
Azure で提供されている「Azure Site Recovery」
仮想化が実現されている環境であれば、その標準
のサービスとオンプレミスで構築された Hyper-V の
機能である「Hyper-V レプリケーション」により別拠
「Hyper-V レプリケーション」を組み合わせることで
点へのレプリケーション及び切り替えが可能です。
災害対策を簡単に構築することができます。
ただ災害対策のためにデータセンターや災害対
策サイト側の機器の構築、維持にはコスト負担が大
きく、そのことが導入を拒む要因になっています。
そこで Microsoft 社が提供するクラウドサービスで
ある「Azure」を利用することでデータセンターや機
器の購入、構築、維持に対するコストを抑えながら
災害対策の導入が可能になるかと思います。
◆Azure Site Recovery による災害対策
■デスクトップ仮想化
デスクトップ仮想化は仮想化の技術を用いて、ユ■
■Azure Site Recovery の概要
【2 つのシナリオ】
Azure Site Recovery には大きく分けて 2 つのシ
ナリオが用意されています。
【Microsoft Azure 災害対策サイト】
2 つ目の Microsoft Azure を災害対策サイトとして
利用する際には以下の要件があります。
1 つ目はオンプレミスの 2 つの拠点の災害対策
のコントロールをする機能と、2 つ目は Microsoft
-オンプレミスサイト-
Azure を災害対策サイトと利用する機能がありま
・Hyper-V :Windows Server 2012 R2 以上
す。
1 つ目の機能はすでに Hyper-V レプリケーション
-Azure サイト-
を拠点間で構築している環境やクラウド利用に抵
・仮想マシン :Windows Server 2008 R2 以降、主要
抗がある場合などで、Hyper-V レプリケーションで
な 64 ビ ッ ト 版 Linux(Linux,Centos, openSUSE,
自動フェールオーバーなどの拡張された機能を利
SUSE, Ubuntu)
用されたいお客様にご検討いただければと思いま
す。
2 つ目は既存の Hyper-V 環境の災害対策サイト
構築をコストを抑えて実現したい場合にご検討くだ
さい。
◆ 2 つのシナリオを利用可能
以下 URL で詳細を確認ください。
http://msdn.microsoft.com/en-us/library/azure/
dn469078.aspx#BKMK_E2A
■Azure Site Recovery のコスト
Azure Site Recovery で Microsoft Azure 上のレ
プリカを作成した場合、通常時はデータが格納され
るストレージ領域利用のみとなり、仮想マシンなど
の利用は発生しないため、その分コストを抑えるこ
とができます。災害発生時に Microsoft Azure へフ
ェールオーバーを実施した場合のみ仮想マシン利
用等の料金が発生します。
通常時
・Azure Site Recovery 利用料
・Azure Storage 利用料
■2014 年 12 月のサービス拡張
2014 年 12 月に Azure Site Recovery のサービス
が拡張されました。今までは Microsoft Azure を災
害対策サイトと利用する場合、オンプレミス側で
System Center 2012 R2 Virtual Machine Manager(
SCVMM)の構築が必須でしたが、今回のサービ
ス拡張で SCVMM は必須ではなくなりました。
SCVMM が 必 須 で な く な っ た た め 、 Active
Directory 環境も必須ではなくなり、Hyper-V サー
バが Microsoft Azure とネットワーク接続さえ出来て
いれば Microsoft Azure を災害対策サイトと利用す
ることができるようになり、より簡単に災害対策サイト
を構築できるようになりました。
フェールオーバー時
・Azure Site Recovery 利用料
・Azure Storage 利用料
・仮想マシン利用料
・Virtual Network 利用料
詳細は以下の URL で確認下さい。
http://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/
site-recovery/
http://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/
◆Azure Site Recovery のサービス拡張
2014 年 12 月以前
2014 年 12 月以降
Microsoft Azure
Site Recovery
メイン
サイト
Windows
Server
■おわりに
Azure Site Recovery は Hyper-V 環境に対して簡
単に災害対策サイトを構築できるソリューションで
す。12 月から SCVMM が不要になり、より導入に対
する障壁が低くなったのではないかと思います。
Azure Site Recovery は VMware への対応など幅
広くその内容を拡張しているサービスであり今後の
より進化していくサービスだと思いますので災害対
策サイトの構築を検討されているお客様には検討
候補のひとつに加えて頂ければと思います。
また、弊社は Microsoft 社とパートナーとして、お
客様へ最適なサービスをご提供するために密に協
業しています。
Hyper-V での仮想化や Azure Site Recovery に
ついてご検討頂く際には是非とも弊社にご連絡い
ただければと思います。
(解説:システムエンジニアリング事業カンパニ
IT プロフェッショナルサービス部 中道 聡)
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