教心寺寺報 サーサナとはパーリ語で「教え」の意味です サーサナ 第30号 仏暦2558(西暦2015)年3月1日 愛と慈悲 「愛」という言葉から皆さんは何をイメージされるでしょうか。おそらく 「いつくしみ」とか「大切にする心」とか、肯定的な感じ方が多いのではな いかと思われます。しかし、実は仏教では「愛」とは「貪愛」(とんあ�い) 「渇愛」(かつあ�い)あ�るいは「愛欲」というように、自分の欲望に根ざし た執着心のことだと見なします。「愛より愛は生じ、愛より憎しみは生じ る」と経典には説かれています。人間誰しも、自分がいちばん可愛いので す。「わが子を愛する」というとき、それは自我の延長線上にあ�るから愛し く思うのであ�って、他人の子と分け隔てなく愛しく思うわけではあ�りませ ん。わが子が出来が良いと嬉しいが隣の子の出来が悪いともっと嬉しい、わ が子が自分の意に染まないと「可愛さ余って憎さ百倍」、あ�りていにいえば 私たちの「愛」はその程度のものです。だから、愛が深いほど憎しみも深く なります。 ただし、キリスト教でいう「愛」(アガペー)は、神の人間に対する無条 件の愛を意味し、そこから更に人間同士の友愛をも意味します。これは仏教 では慈悲に相当します。「慈」とは他者の幸福を願う心、「悲」とは他者の 苦しみを除こうとする心です。アガペーも慈悲も、自分の利益を考えない無 私無償の愛として、常に他者に向けられるものです。これに対して、自分や 自分に親しい人、あ�るいは自分の続する集団を大切にしたい気持ちは自然な ものだとしても、それだけでは煩悩に過ぎません。 「復讐してはならない。あ�なたの隣人をあ�なた自身のように愛しなさい」 とイエス・キリストは語りました。その550000年前に釈尊も語っています。 「怨みを棄ててこそ怨みは止む」「おのれの愛しいことを知るものは、他の 者を害してはならならない」 こうしてみると、仏教もキリスト教も、人類普遍の価値観を共有している ことがわかります。暴力は後を絶たないのが現実ですが、それでも昔と比べ れば少しずつでも減ってきているのはすばらしいことだと思います。 -1 - 法要行事のご案内 各法要・行事に必要な勤行本は、お持ちでない場合は当寺より進呈または貸与いたします。 念珠は必ずご持参ください。また肩衣の着用を推奨します。肩衣とは浄土真宗の仏事におけ る正装で、本山また当寺でも授与することができます。 三月 春彼岸会 彼岸(ひがん)は此岸(しがん)に対することばで、悟りの世界のこと、 すなわち浄土の別名です。経典に「西方極楽浄土」とあ�ることから、太陽が 真東から昇り真西に沈む春分・秋分の日に、沈む太陽を見ながら浄土に思い をはせたのが由来です。 33月1188日(水)午後22時〜44時 受付開始は午後11時半 勤行(観無量寿経訓読、 正信偈)、法話(住職) ❖持ち物 勤行本『真宗法要聖典』 『正信偈同朋�奉讃』 ❖記念施本 『 老 病 死 の 生 に 学 ぶ 』 (東本願寺出版部) ❖日時 ❖内容 四月 花祭りコンサート 花祭りは、お釈迦様の生誕をお祝いする行事で、甘茶を誕生仏に注ぎま す。これを潅仏(かんぶつ)といいます。 「花祭りコンサート」も好評をいただき、今年で第33回となります。 ❖日時 44月88日(水)午後22時〜44時 午後22時より受付開始と潅仏 ❖内容 第一部(22時半〜)法要(嘆仏偈・念仏和讃) 第二部(33時〜) コンサート(ピアニスト 小島千加子さん) 11.. 仏教讃歌「いのち」 22.. ピアノソロ:ベートーベン作曲「月光ソナタ」全楽章 33.. みんなで歌おう(曲目未定) 44.. ピアノ弾き歌い(曲目未定) ❖持ち物 勤行本『大谷派勤行集』 -2 - 五月 永代経 子々孫々、永代にわたって、浄土三部経が読誦され、仏法が伝えられるこ とを願いとする法要。御懇志を頂いたお方の法名を記した掛け軸をお掛けし ます。(「永代経」という名前のお経があ�るわけではあ�りません。) ❖日時 55月2255日(月)午前1100時〜午後33時 受付開始は午前99時半より ❖内容 勤行(無量寿経・阿弥陀経訓読、正信偈)、法話(石原和久師) ❖持ち物 勤行本『正信偈同朋�奉讃』 『真宗法要聖典』 ❖記念品 砂糖華束 ❖お斎(昼食)接待があります 仏法を後世に 清掃・おみがき奉仕 皆様方のご奉仕をお願いしております。終了後はお茶とお菓子でおくつろぎ 下さい。 ❖44月1122日(日) 午前88時〜99時 境内草取り(雨天中止) ❖55月1122日(火) 午前99時〜1111時 仏具磨き ユニセフ募金 22月1133日、皆様からお預かりした浄財2211,,888833円を公益財団法人・日本ユニセ フ協会へ振り込みました。累計では221100,,441144円になりました。あ�りがとうご ざいました。 東別院(東本願寺名古屋別院)の法要行事 ❏ 春期彼岸会法要 ✴ 33月1188日(水)、2211日(土)、2244日(火)の午前99時〜 本堂にて ❏ 戦後70年 全戦争犠牲者追弔法要・記念行事 33月1122日(木)午前1100時〜 本堂にて 33月2211日(土)午後11時半〜66時 別院会館ホールにて ドキュメンタリー映画とシンポジウム「戦争ってなに?」など ✴ ✴ -3 - 真宗大谷派名古屋教区・名古屋別院 宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要 概要とご懇志のお願い 御遠忌テーマ「ともに生きる —いのちのつながり—」 22001166年44月2222日〜44月2244日・44月2266日〜55月11日 御遠忌(ごえんき)法要とは、5500年ごとにお勤めされる宗祖・列祖の法要 のことです。名古屋別院では、これまでにも宗祖親鸞聖人、そして近年に は、中興の祖であ�る第88代蓮如上人と名古屋別院の開基であ�る一如上人の御遠 忌法要をお勤めしてまいりました。 御遠忌法要をとおし、いま一度自らの生き方、生活の有様を見つめ直し、 あ�らためて親鸞聖人が明らかにされた本願念仏の教えに出遇っていただくこ とを願いに、お勤めさせていただきます。 御遠忌法要ご懇志のお願い この御遠忌法要にあ�たり、法要諸経費ならびに記念事業や名古屋別院の修 復整備のため、およそ88億円の予算が計上されています。 今般の経済事情の厳しき折、まことに恐縮ではございますが、何とぞ皆様 の深いご理解をいただき、御遠忌円成と整備事業完遂に向けて、格別なるお 力添えとご懇志を賜りたくお願い申し上げます。 ご懇志の額は任意でございますが、55000000円以上のご懇志については、金額 に応じて賞典(記念品�)を差し上げることになっています。 直接お手渡し、または同封の郵便振込用紙をご利用ください。 振込用紙をご利用の場合、門徒会費との混同を避けるため、通信欄に「御 遠忌寄付」と明記をお願いします。明記がない場合には、門徒会費として受 領することになります。 御遠忌法要お待ち受け大会 御遠忌法要のプレイベントとして「お待ち受け大会」が開催されます。 日時:22001155年33月2288日(土) 場所:東別院・西別院およびその周辺一帯 内容:朝市、ライブパフォーマンス、パレード、講演会、奉仕研修など 真宗大谷派 教心寺(名古屋教区第30組) 編集発行人 釋眞弌 (山口眞一) 468-0026 名古屋市天白区土原3丁目205番地 電話:801-1381 FAX:807-1198 電子メール:[email protected] URL http://www.nagoya30.net/temple/kyosin/ -4 -
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