2015年7月15日 「知の知の知の知 」第2539号

い~な
診療所
あまみ
中
中 央
事務局
研究所
しらさぎ
つなぐの
さくら
大阪+知的障害+地域+おもろい=創造
知の知の知の知
社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 2539 号 2015.7.15 発行
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福祉サービス削減、自己負担も増額 障害者に「65歳の壁」
北海道新聞 2015 年 7 月 14 日
Aさんは介護保険証(左)と障害福祉サービス受給者証を
持つが、自己負担が少ない障害福祉サービスに一本化され
ることを願っている
障害のある人が65歳を迎えたときに、障害福祉
サービスが減ったり、自己負担額が増えたりするケ
ースが相次いでいる。サービスを提供する制度が、
障害者総合支援法によるものから、介護保険による
ものに、原則切り替わるためだ。影響を受ける可能
性がある人は全国で数万人に及び、障害者は「もと
の障害福祉サービスに戻して」と訴えている。
二つの制度は何が違うのか。総合支援法は所得が
低い人への配慮措置が盛り込まれていて、障害福祉
サービスを利用する障害者の9割が無料だ。対して
介護保険はサービス利用料の1割が原則、自己負担
となる。これを前提に、制度の切り替えの影響をみ
ると―。
札幌市に住み、緑内障で視覚障害1級の認定を受
けているAさん(80)
。通院や散歩などの外出に
は妻の介助が欠かせない。
両目の視力を失ったのは約10年前。当時65歳
を超えていたため、総合支援法による障害福祉サー
ビスではなく、介護保険が適用された。現在、要介
護度2。週2回、施設に出向いて体操や入浴、食事
したりするデイサービスを受けている。
ただ、月に1万2千~1万3千円を支払わなければならない。Aさんは「負担が少ない
障害福祉サービスを適用してほしい。私の問題は『障害』なのに、介護保険で処理される
のはおかしい」として、札幌市に要望文を送っている。
同じ札幌市内に住むBさん(62)は、ほかの障害者よりも10年ほど早く「65歳の
壁」に直面した。
04年に脳梗塞で高次脳機能障害を負った。高次脳機能障害は国が指定する「特定疾病」
の一つ。40歳以上で外傷が原因ではなく、生活上の支えが必要な人に限って、介護保険
が適用されることになっている。
Bさんは左半身にしびれがあり、物覚えが悪くなって、感情を抑えきれないなどの後遺
症が残る。妻も足が不自由で、
「食事や入浴など家事援助を受けたい」。夫婦でそう思って
いる。
しかし制度上、障害福祉サービスを受けたくても受けられない。かといって、介護保険
の家事援助を受けると、負担が増えてしまうため諦めたという。
Bさんは「特別な病気で特別な対応をしてくれるはずなのに、なぜ本人の希望を聞いて
くれないのか」と憤る。
■「支援法」に規定
65歳以上の障害者について、障害福祉よりも介護保険のサービスが優先的に適用され
るのは、障害者総合支援法にそう明記されているからだ。障害者団体はこれまでも障害福
祉サービスの継続を求めていたが、厚労省は介護保険を優先させる立場を崩していない。
ただ、厚労省は一律の適用を求めておらず、不都合が生じないよう、各自治体に障害者
の要望にも配慮するよう通知している。介護保険だけではサービスが不十分な場合や、介
護保険になく障害者独自のサービスが必要な場合などを想定しているという。
■選択権を認めて
しかし、その通知が自治体に浸透しているとは言えないのが実態だ。
全国の障害者の作業所などでつくる「きょうされん」
(東京、西村直理事長)は昨年9月、
介護保険に切り替わったときの影響について調査結果を発表した。
それによると、家事や介護などの訪問支援を受けた65歳以上の障害者の8割がこれま
での無料から自己負担を強いられた。2割はサービスを打ち切られた。
きょうされんは「65歳で制度を切り替えるのを改めてもらいたい。障害者が双方のサ
ービスから選べるようにし、どの自治体でも同じサービスを受けられるようにしてほしい」
と話す。
13年4月に施行された障害者総合支援法には、3年をめどに内容を見直すとの付則が
ある。
厚労省は、障害者団体の意向を踏まえ、制度切り替えに伴う自己負担額や介護保険に移
行した障害者の人数などの実態調査を行う考えで、今秋にも中間報告を出す。その結果を
総合支援法の見直し議論に反映させる考えだ。
(佐藤一)
「虐待に憤りと恥ずかしさ感じる」 日本知的障害者福祉協会の会長が言及
福祉新聞 2015 年 07 月 14 日 福祉新聞編集部
橘文也会長
日本知的障害者福祉協会(橘文也会長)は6月
29・30 両日、都内で2015年度全国知的障害関係
施設長等会議を開き、約2300人が参加した。
初日の開会式で橘会長は、協会会員施設がサービ
ス利用者を虐待する事件が相次いでいることに触
れ「憤りと恥ずかしさを感じる。虐待が起こる施設
の一番の問題は管理者の姿勢だ。会員施設はこれまで以上にご努力頂きたい」と話した。
国会議員2人を含む5人が登壇したフォーラムは、厚生労働省が法改正に向けて審議会
で議論している「障害者総合支援法の見直し」が議題となった。
田口道治・同協会副会長はその論点の一つ「常時介護を要する障害者の範囲とサービス
のあり方」について、
「知的障害者の場合、身体的な介護に限らず見守りを必要とする人も
いるので『常時支援』に改めるべき」とした。
久保厚子・全国手をつなぐ育成会連合会長もこの点に賛同。就労支援については「現在
はさまざまなサービスがごちゃごちゃだ」として全面的に改めるよう求めた。
小澤温・筑波大大学院教授は、障害者の意思決定支援について「意思形成支援と表現す
るのが妥当であり、それには手間ひまがかかる。プロセスを支える職員の養成も必要だ」
とした。
高木美智代・衆議院議員(公明党)は、議員立法で成年後見制度利用促進法案を準備し
ていることを紹介。家族もお金もない人をどう支えるかが喫緊の課題だとした。
衛藤晟一・参議院議員(自民党)は、3年後の報酬改定はさらに厳しくなるとし、「障害
者の重度化・高齢化への対応に決着をつけなければならない」と話した。
お年寄りのシェアハウス
「夢の家」を空堀に計画
大阪日日新聞
2015 年 7 月 14 日
「夢の家」の完成イメージ図を見ながら、実現に向けて語る永井さん=大阪
市中央区の高齢者外出介助の会
「最期まで自分らしく暮らしたい」-。誰もが考える夢を実現し
ようと、大阪市内で高齢者の支援に取り組むNPO法人が立ち上が
った。その名も「夢の家」プロジェクト。2年後の着工を目指し、
賛同者を募っている。
「NPO法人高齢者外出介助の会」(大阪市中央区、永井佳子理
事長)が企画。同会は、高齢者の外出支援のほか、空堀商店街西端
にある事務所を「からほりさろん」として開放し、食事会や童謡唱
歌を歌う会などを行っている。
戦前からの長屋が多く残る空堀地域は、独居高齢者が多い。地域
のつながりが強い一方で、一人暮らしを心配した家族との同居や入
院、高齢者施設への入居で住み慣れた地域を離れる人も多い。
「大阪に帰りたい」と泣きながら電話をかけてくる人、「あんたのところでは見てくれへ
んやろ」とあきらめ顔で移っていく人。永井理事長は高齢者を見送っては、「最期まで暮ら
せるような場所を空堀につくることができないか」と構想を温めてきた。
計画では、宿泊機能とサロン機能を併設。職員が常駐する福祉施設ではなく、
「お年寄り
のシェアハウス」のイメージだ。また、永井理事長は「世代の違う人と交流するのもいい」
と、学生に部屋を貸し出すプランも考える。
土地の取得、建設費用は寄付と補助金を充てたい考え。寄付金の目標額は2千万円。し
かし、都心の空堀地域は地価が高騰し、建物は老朽化していても土地が売り出されること
さえまれだ。
「夢のような話だと思う」と永井理事長。しかし「空堀にこだわりたい。日常の声を聞
ける関係で、一人一人を大切にしていける場所をつくりたい」と意欲は衰えない。本当の
夢は「別の場所でも“夢の家”ができること」だ。
問い合わせは電話06(6764)4002、同会へ。
日ハム・石井投手、聴覚障害の子を激励
帯広聾学校で交流会
北海道新聞 2015 年 7 月 14 日
石井投手(右)とキャッチボールを楽しむ子供たち(金
田翔撮影)
【帯広】帯広の森野球場で14、15の両日
午後1時半から行われるプロ野球北海道日本ハ
ムファイターズ対福岡ソフトバンクホークス戦
に合わせ、聴覚障害がある日本ハムの石井裕也
投手が13日、帯広聾学校を訪れ、生徒や十勝
管内の聴覚障害児を励ました。子供たちは石井
投手とキャッチボールなどで交流を深めた。
石井投手が同校の生徒と交流するのは2013年8月以来、2回目。前回に続き、幕別
町の障害者支援団体「青鳥舎」の小川洋輝代表が球団に働きかけて実現した。
交流会には生徒や父母ら約80人が参加。子供たちは「アイラブユー」を表す手話で出
迎えた。石井投手は「どうしたらストライクが取れるか」「集中力を高めるために意識して
いることは」など事前に募った質問に一つ一つ答え、一緒にキャッチボールを楽しんだ。
その後、子供たちは似顔絵と「日ハムファイト!」と記した寄せ書きなどをプレゼント
し、今月4日に34歳の誕生日を迎えた石井投手をケーキで祝福。代表して中学2年の藤
井太陽君(13)が「活躍する姿を見て勇気をもらっています。僕たちも夢を目指して努
力します」と述べ、石井投手は「これからも応援よろしくお願いします」と答えた。
小川代表は「同じ境遇の人と接して、自分もいろんなことに挑戦してみようと思っても
らえれば」
。熊谷英雄校長は「どんどん勝利して、われわれの期待の星として石井投手には
輝き続けてほしい」と話していた。
(池田大地)
田中がパラ出場枠獲得 障害者の競泳世界選手権
スポニチ 2015 年 7 月 14 日
来年のリオデジャネイロ・パラリンピック出場枠が懸かる障害者による競泳の世界選手
権は13日、英国のグラスゴーで開幕し、男子100メートル平泳ぎ(知的障害)決勝で、
2012年ロンドン・パラリンピック金メダルの田中康大(あかね園)が1分7秒99で
同着2位となり、日本は同種目での出場枠を獲得した。
日本知的障害者水泳連盟は出場枠を獲得した種目について、今後の大会結果などを考慮
した上で、来年3月以降に代表選手を決める予定。
(共同)
福祉の仕事、高校生にPR 18日と8月、神戸女子大
神戸新聞 2015 年 7 月 14 日
神戸女子大学社会福祉学科の卒業生らが、高校生に福祉の仕事の魅力を語るトークセッ
ションが18日と8月1~2日、神戸市中央区港島中町4の同大ポートアイランドキャン
パスD館104教室である。近年、福祉関係の就職を希望する若者が減っているといい、
関心を高めるのが目的。女子高校生と保護者の参加を募っている。
同大のオープンキャンパスに合わせて開催する。テーマは「期待される若者たち-福祉
社会の担い手」
。
18日は社会福祉分野、1日は精神保健福祉分野、2日は介護福祉分野でそれぞれ活躍
する卒業生が登場。各仕事を紹介し、高校生からの質問も受ける。
無料。いずれも午後1時開会。予約不要。同学科実習指導室TEL078・303・4
841(平日午前9時~午後5時)
(上田勇紀)
問われる“犯罪手記”の是非
HKキャッチ!インサイト 2015 年 7 月 13 日
今、日本で1冊の本が波紋を広げています。18年前
に世間を震かんさせた、神戸の児童連続殺傷事件。加害
者の元少年による手記です。初版の10万部は売り切れ
間近。増刷も予定されており、元少年の手元には多額の
印税が入るものと見られています。しかし、被害者とそ
の家族を再び傷つけて、利益を得てもよいのか?との批
判の声が上がっています。
アメリカではすでに、加害者が利益を得ることを規制
する法律が制定されています。特集・キャッチ!インサ
イト。今朝は、“犯罪手記”をめぐる加害者の権利と被
害者保護の問題について考えます。
連続児童殺傷犯 手記出版の波紋
山澤「特集・キャッチ!インサイトです。平成9年に神
戸市で起きた児童連続殺傷事件。加害者である元少年A
の手記が出版され、今、論議を巻き起こしています。被害者家族は、無断で出版したとし
て出版社に回収を求めているのに対し、出版社側は、少年犯罪発生の背景を理解すること
に役立つとして出版継続の意向を示しています。事件
から18年がたった今、再び傷つけられた遺族ら、被
害者の感情。そして、言論活動としての出版の自由。
この相反する事柄に、私たちはどのように向き合って
いけばいいのでしょうか。今朝はアメリカの事例を基
に考えていきます。」
佐野「今朝のゲストは、犯罪被害者の問題についてお
詳しい、常磐大学大学院教授・諸澤英道(もろさわ・
ひでみち)さんにお越しいただきました。」
山澤「まず諸澤さん、今回の出版について、私はかな
り衝撃的ではあったんですけれども、諸澤さんご自身
はどのように受け止めましたか?」
常磐大学大学院 諸澤英道教授「この種のものを、私
たちは“犯罪者物”と言っているんですけれども、
“犯
罪者物”っていうのは、ほとんどが自分を誇張して自
己弁明するものなんですね。真実をそのまま伝えてな
い。基本的にこういうものは出すべきじゃないし、私も読む気がなかったんですけども、
たまたまある新聞社から届けられたので読むことになったんですね。読んでみて驚いたの
は、その事件当時のことがすごく詳細に書かれている。それから、逮捕されて警察で取り
調べられる様子、あるいは刑務所の中の様子、ここに非常に力点を置いている。というの
はつまり、読者の興味をそそるような部分が重点的になっていて、内容的にはしょく罪の
気持ちはほとんど書かれていないということなんですよね。この種のものを果たして世の
中に出していいんだろうか、被害者をただ傷つけるだけじゃないかということから、表現
の自由を議論するようなレベルの問題じゃないなという印象なんですね。
」
佐野「では、その『犯罪手記の出版によって加害者が
利益を得てよいのか』
、この議論についてアメリカの
ある法律が再び注目を集めています。
『サムの息子法』
と呼ばれる法律です。どのような法律なのか、こちら
をご覧下さい。
」
犯罪被害者救済 “サムの息子法”
1976年7月、ニューヨーク州ブロンクスで18
歳の少女が銃で撃たれ、死亡する事件が発生。その後
も同様の殺人事件は続き、捜査当局をあざ笑うかのように、ある犯行声明が発表された。
差出人の名は「サムの息子」
。声明の内容も支離滅裂で、捜査を混乱させる原因となった。
最初の犯行から1年、犯人がようやく逮捕された。郵便局員のバーコウィッツ容疑者、当
時24歳。若い女性を中心に6人を殺害、8人に重軽傷を負わせたとして、懲役365年
が言い渡された。しかし、事件の衝撃はこれだけでは終わらなかった。ある出版社がバー
コウィッツ容疑者に多額の報酬を提示し、犯罪手記の出版を持ちかけていたというのだ。
“被害者を再び傷つけ、金儲けをするのか?!”このよ
うな批判が全米に広がった。
これを受け、ニューヨーク州は当時の犯罪被害者救済法
を改正。加害者がみずからの犯行を題材として利益を得
ることを禁じた。これが、世に言う「サムの息子法」で
ある。
1977年 制定 “サムの息子法”とは
山澤「犯罪者が利益を得ていいのかということをきっか
けにニューヨークで導入された、1977年当時の『サムの息子法』、どういったものだっ
たのでしょうか?」
常磐大学大学院
諸澤英道教授「7
0年代というのは
すごく意味があり
まして、アメリカ
で被害者運動が起
こるんですよね。
そういう中で今言われたようなことで、こういう法律が
できたんですね。これってそれ以前は、被害者が加害者に対して損害賠償訴訟を起こした
りしなければならない、非常に面倒なものだったんですが、この法律ができたことによっ
て、それを『犯罪被害者補償委員会』というボードがあって、そこに強制的に(お金を)
入れさせて、そこに対して被害者が請求をするという形になったんですね。これは、手記
そのものの出版を禁止するということよりも、むしろそういうふうにして収益を抑えるこ
とによって規制していくというものでした。」
米42州に拡大 “サムの息子法”
山澤「この、ニューヨークで始まった『サムの息子法』。これはアメリカ全体にはどのよう
な影響を与えたのでしょうか?」
常磐大学大学院 諸澤英道教授「70年代に世論がものすごく広がって、被害者運動が活
発になって、各州に次々広がっていって、だいたい90年代までに42の州が整備する、
連邦も法律をつくるというようなことをやりました。それが91年に、連邦最高裁判所で
もって一部違憲の判決が出た。特に表現の自由に関する部分については、憲法に違反する
ということになったんですね。ただ、この“サムの息子法”そのものが違憲だということ
にはならなかったので、賠償させるという部分は残ってるんですね。最近になって、この
出版の自由、表現の自由を主張する人たちが、リアクションというか反動が多く起こって
きて、カリフォルニア州などでは昔の事件を掘り起こして、友だち同士で起こした事件を
手記として出そうとした。これは規制すべきだ、いやすべきじゃないという、非常に大き
な議論が起こってますよね。
」
佐野「そのカリフォルニア州では去年(2014年)の9月、29年前に起こった親友同
士による殺人事件について、加害者が当時の様子を詳しく描いた手記を発表して、議論が
再燃しました。加害者側、被害者側の双方がみずからの思いを語っています。アメリカA
BCのリポートです。
」
是か?非か? “犯罪手記”論争
被害者の母親 ア
イリーン・アビラさ
ん「29年経ったけ
ど、忘れられませ
ん。」
彼女の娘・ミシーさんは、2人の友人によって殺さ
れました。そのうちの1人、シーバーソンさんは刑務
所を仮出所した後に事件についての手記を発表しました。
元被告 カレン・シーバーソンさん「私の人生は、私に
しか語れません。」
被害者の母親 アイリーン・アビラさん「彼女は罪から
逃げるつもりよ。」
彼女たちは親友同士でしたが、恋人をめぐっての口論
が原因だといいます。事件を基に制作されたテレビ番組
です。2人は、森林公園の小川でミシーさんを溺死させました。
元被告 カレン・シーバーソンさん「おぼれる彼女の
姿は、今も私の目に焼き付いています。最悪の光景で
す。」
捜査が始まって
も、被害者家族はシ
ー バー ソン さん を
疑いませんでした。
被 害者 の母 親 ア
イリーン・アビラさん「想像もしませんでした。だって、
娘の親友ですもの。」
事件から3年後、シーバーソンさんたちが犯人だとする目撃者が現れ、アイリーンさん
は衝撃を受けました。
被害者の母親 アイリーン・アビラさん「彼女が殺した
って、なぜ気付かなかったのかしら?」
1990年、シーバーソンさんは第2級殺人で有罪とな
りましたが、21年の刑期を終え仮釈放されます。
その後、電話オペレー
ターとして働く彼女
は、給料や出版で得た収益をいじめ防止団体に寄付した
いと言っています。
「全額ですか?」
元被告 カレン・シーバーソンさん「全部とは言ってな
いわ。私にも生活があるから。」
「稼ぐ方法は、他にもあるでしょう?」
元被告 カレン・シーバーソンさん「体を売れと?」
しかし、ミシーさんの家族は激怒しています。
被害者の親族 シャボーン・アビラさん「本を見つけた
時は、おなかを殴られたようでした。
」
彼女は、事件を題材に加害者が収入を得ることをカリフ
ォルニア州が禁じることを望んでいます。
「娘が殺されて、その犯人が本を書いて金をもうけてい
るとしたら、あなただったらどう思いますか?」
元被告 カレン・シーバーソンさん「ミシーの家族を傷
つけるつもりはありません。ミシーを追悼するためなん
です。
」
被害者の母親 アイリーン・アビラさん「地獄に落ちろ
と伝えて。
」
“犯罪手記”規制 アメリカの現状は
山澤「規制の緩和が進んだことで、このカリフォルニア州のようなことが起きて、再び強
化を求める声が上がっているということですが、現在は
どのような状況なんでしょうか?」
常磐大学大学院 諸澤英道教授「この問題というのは、
わたくしは3つの論点があると思ってるんですね。1つ
は犯罪者の自慢話みたいなものをそもそも規制すべき
じゃないかということなんですけども、これはやっぱり
表現の自由との関係でなかなか議論が煮詰まらないと
いうか、反対意見も非常に強い。2つ目が、被害者遺族
を傷つけるようなこういう本を出すというのは道義的に問題だと。今の日本ではこの辺り
が盛り上がっていると思うんですね。道義的には批判されるけども、規制というところに
はいかない。3つ目、これが実は非常に大きい問題で、そもそも犯罪者は賠償していない。
この神戸の事件でも僅かしかしていないんですね。賠償していないというのは世界共通の
問題で、それを国が埋め合わせて補償制度をつくっていたんですけども、やっぱり本来、
犯罪者は自分の得た収入で賠償すべきだと。そういう形でもって規制するのはいいんじゃ
ないかということです。1960年代から各国は補償制度をつくって、アメリカもすごく
力を入れている、日本円にすると100億円くらい支出していたんですけども、90年代
以降どんどん増額していって、今や日本円にして400億円を超えるだけのことを、被害
者のためにいろいろやっているんですよね。そうすると財政をかなり圧迫しますので、こ
ういう形でもってそもそも犯罪者に払わせるべきだという、この部分は非常に説得力があ
る。
」
犯罪被害者補償 世界の現状は?
常磐大学大学院 諸澤英道教授「私は今回オーストラリアに行ってまして、この問題につ
いていろんな各国の専門家と議論してきました。やっぱり、確実に賠償させるという部分
については各国共通に悩んでいる。オーストラリアもそういうものの仕組みを実際につく
って、法律で規制するのではなくて、結果的には犯罪者が(利益を)手に入れられないよ
うな制度をいろいろつくってきてるんですね。
」
犯罪被害者問題 日本の課題は
山澤「アメリカやオーストラリアで法整備が行われているということですが、日本での法
整備については今後どのように進めたらいいでしょうか?」
常磐大学大学院 諸澤英道教授「私は、これは抜本的な問題があると思うんですけども、
特に殺人事件などで犯罪者が遺族に賠償していないというのは、決定的な問題です。私も
過去に何度か調査したことがあるんですけども、僅かな人しか払っていないんですよね。
それをまず払わせるための制度がぜひ必要。仮に今回のケースも、収益を得ているとすれ
ば、それは優先的に遺族に払われるべきお金であろうと思うんですよね。それを本人が自
分の手元に持っているということは極めて反道義的、反社会的なんじゃないかなと思うん
です。これについて、制度をつくろうと思っています。例えばオーストラリアなどから始
まって世界に広がっていんですけども、
『メディエーション・ユニット』と言っているんで
すが、犯罪者と被害者が和解しあうような場所をつくるんですね。従来は仲直りというこ
とを目指してたんですが、最近はやはり賠償という問題が非常に大きくて、とにかく賠償
させるための動きをしていく。これは被害者にとってもメリットがありますので、テーブ
ルにつくことになる。そしてその犯罪者がどうやって収入を得て賠償していくかという形
で法整備をしていく。ですからこの“サムの息子法”というのは、賠償を確実にしていく
という仕組みとして今、世界的には動き出している。“サムの息子法”の定義を、仮にそう
いうふうに定義すれば、類似の法律を今つくる動きが、特に欧米を中心に活発に起きてい
るということがいえますね。
」
山澤「そうしますと今回の本の出版は、日本の法整備に向けたきっかけになると言えるん
でしょうか?」
常磐大学大学院 諸澤英道教授「議論のきっかけにすべきです。これ、
表現の自由のところに留まっていてはいけないのであって、出版の是か
非かはもちろん大事ですが、それ以上に現実に被害者が立ち直るために
どういう制度をつくるかという方に議論を持っていきたいと思います
ね。
」
月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も
大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行