男女平等参画を推進するための交流会報告 男女平等参画 ざっくばらんとーく パートⅡ 《本音で語ろう 働く現場の男女平等参画》 ~生協で働き続けるために~ ● 生協の第一線で働く職員が集まり 本音で語り合いました 2 月 17 日(土)、東京都生協連会館ホールに おいて、男女平等参画を視点に、“生協で働き 続けるために”をテーマに、交流会が開催され ました。 育児休暇を取得した男性職員、これから取得 する男性職員、子育てを通して得たものを生協 の商品企画に活かす女性職員、大学生協で大き な店舗を運営する女性店長、共同購入センター でセンター長として働く男性職員、同じく共同 購入センターで供給担当の入協 1 年目の女性 職員が、それこそざっくばらんに話し合いまし た。 パネラーの皆さんとコーディネーターの 阿南コープとうきょう理事(左) ● 家事 特に料理をこなすことが 男性職員の課題です 育児休暇取得にかかわらず、男女が平等に生 活し家庭を営んでいくためには家事を分担す ることです。育児休暇を取得しようとする男性 職員にとり、食事をつくることが大きな課題で あることがトークの中から浮かび上がってき ました。「おふくろの味」への郷愁から、その 味を再現するための試みから料理をすること の楽しみを見出していきたい、男性職員は楽し そうにそう語っていました。 会場風景 会場には入協が決まり、3月の入協式を待つ 東都生協の2名の女性新人も参加していました。 ●入協1年目の女性職員の不安と期待 ●男性職員のみなさん 知っています か? とっていますか? 育児休暇制度 女性が働き続けるためのハードルのひとつ に育児があることは誰もが認識していても、育 児の大部分を女性が受け持つ家庭が多いのが 現状です。女性パネラーからは、育児の楽しさ 喜び、育児を通して成長する自分、そしてそこ で得たものの大きさについて話があり、その中 で今の仕事につなげていく充実した体験が語 られました。配偶者の理解も大切なことです。 しかし理解だけでいいのでしょうか? 「男性 も女性も平等に生き、同等の責任を担って生活 することがお互いの人権を守ること」。コーデ ィネーターの阿南さんはこう指摘しています。 さあ、若いパパさん、積極的に育児休暇を取得 しましょう。 東都生協から参加したのは06年入協した 女性職員です。国立センターで供給業務を担当 しています。今の仕事は組合員と直接に接触で き、楽しいと彼女は言います。現在、各生協と も積極的に女性職員を採用しています。目標値 を設定している生協もあります。しかし定時職 員を除くと圧倒的に男性職員が多いのが現状 です。生協の仕事はやりがいのある仕事とパネ ラーとして参加した女性職員は一様に言いま す。しかし東都生協の女性職員は、センターに は女性職員は一人で、相談したり学んだりする ことができず不安と語っていました。同じよう な職場環境はどこの生協にもあり、男女を問わ ず職員が「生協で働き続けるために」は性差を 認め、受け止め、同じ仲間として互いを補い合 い、生協の本来的なあり方をまず職場内で作り 上げることが求められています。 ● 女性職員のために、ロールモデルの 確立が急がれています 東都生協の女性職員は、今後、自分にはどの ようなジョブローテーションが待っているの か、期待を持っています。企業とは違う生協と いう事業体の中で、女性職員がキャリアをアッ プし、中枢の仕事を担うようになるためには、 それぞれの生協の人事政策の中で実現されて いくでしょうが、女性職員のキャリアアップの 方策とともに、幹部職員登用のシステム作りが 必要と思われます。 共同購入の業務では、センター長という明確 なロールモデルがあり、男性職員にはわかりや すい目標があります。日常の業務の中で、なか にはキャリアアップを望まず、現在の職務のス キルアップを望んでいる女性職員が多いと、あ る生協の調査でわかりました。 そのロールモデルである大学生協の店長は、 将来への期待と不安を語るパネラーに対し、店 長としての責任のなかで、どのように仕事を組 み立て、それぞれの職員の多様な能力を引き出 し、目標について話し合い合意を得ながら仕事 を進めていることを伝え、励ましていました。 女性職員が生協で働き続けるためには、現状 に妥協せず、自らの手でキャリアをつかむ意欲 も求められています。 ●残業問題 それは職場や家庭、そして地域 社会の中で男女平等参画を実現するため のもうひとつのキーワードです ざ っくばらんとーくにおいて最も熱心に話 し合われたのが残業問題です。それぞれの生協 によって異なりますが、残業時間の削減は大き な課題となっています。特に夫と妻が仕事を持 っている場合、保育園や学童保育へのこどもの 出迎えを夫妻どちらがするのかで悩んでいる のは妻の側が多いはずです。 男女がともに仕事と家庭を両立させ、同等の 立場で社会的存在として生活していくために は、分担が必要です。過大な残業はそのどちら にも負担を強います。話し合いのなかで見えて きたことは、夫と妻がお互いの仕事を理解し、 そのうえで偏らない分担を担うということで した。また、若い子育て世代の職員層に対する 職場内の理解と協力も大切なことだというこ とが改めて認識されました。さあ、もう一度自 分の仕事を整理し、時間内での業務処理を日常 化しましょう。そして遅くまで職場にいること が「安心」「安全」というふうな職場風土を改 めましょう。同等な時間の共有は男女平等の基 本的な有様なのですから。 ● 職場・家庭そして地域社会で男女が 共に平等であることは日本の社会を 変革します 「ざっくばらんとーく」は上述のような課題 を明確に共有化することができました。 コーディネーターの阿南さんはまとめ とし て、育児休暇や介護休暇を取得しやすいように、 さらなる職場環境の整備が必要であること、ま た回りの職員の理解を深める取り組みが必要 であると指摘し、残業問題や女性職員のキャリ アアップについても東京の生協は目標達成に 協力して取り組んでいく、そのためにも東京都 生協連の場で地域や職域、医療、大学の各生協 が集い交流することの大切さを強調されまし た。 そして最後に、「職場・家庭、地域社会にお いて男女が真に平等に働き生活することは、私 たちの社会をさらによりよい方向に変える極 めて重要なことであり、そのことを強く認識し、 さまざまな課題に取り組んでいきましょう」と 結ばれました。 参加者からは「それぞれの生協で、それぞれ の部署、立場での悩みや考え、問題点などを聞 くことができ、大変参考になりました。自分自 身としても男女平等参画について考え直すき っかけとなりました」など、交流会が意義深い ものであったと多数の感想が寄せられました。 ●交流会では、このほかに三つの報告 がありました パネルディスカッションに先立ち、3 件の報 告がありました。 冒頭、東京都生協連男女平等参 画 推進委員会のこれまでの取り 組みと、06 年に策定した「男女 平等参画推進のための第二次行 動計画について、河野委員長(コ ープとうきょう理事・東京都生協 連理事)より報告、またお招きし た東京都の男女平等参画室赤羽 係長より「男女平等参画のための 東京都行動計画改定に向けて」と 題してご報告をいただきました。 そして基調報告として、推進委員 会委員である佐藤東京マイコー プ常務理事より、東京マイコープ の取り組みについて報告があり ました。 東京の生協の男女平等参画が着実に推進さ れていることを実証できた交流会でした。
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