ONE G Rescue Owner`s Manual

ONE G Rescue Owner’s Manual
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はじめに
この度は、ONE Gレスキューパラシュートをお買い上げいただきありがとう
ございます。本マニュアルはONE Gレスキューパラシュートのリパック、開傘、
メンテナンス等、全ての必要な情報が掲載されております。
装備に関する理解を深めることはあなたのフライトの可能性を最大限に引
き出し、安全なフライトにも繋がります。
本製品を転売する場合は、当マニュアルも一緒に新しいオーナーにお渡し
下さい。
では、楽しいフライトと安全なランディングを!
The GIN Team
安全上の注意:
ONE Gは認定を受けたパイロット向けのレスキューパラシュートであり、怪
我や死亡事故等に関する全責任はご購入者様の責任となります。本製品の誤
った取り扱いやフライトは事故の発生率を高めます。製造者および代理店は
全ての状況下においての事故・障害の責任を負いかねますのでご了承くださ
い(本製品を第三者に譲渡したケースも含む。)
また本製品のご使用にあたりご不明な点や ご質問 がありましたらインス
トラクター、ご購入された販売店、輸入代 理店な どにご連絡ください。
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目次
はじめに
安全上の注意
1.ONE Gについて、テクニカルデータ
2.パッキング
乾燥、準備、用意するもの、広げる
畳む
パネルを左右に分ける
インナーバッグに収納する
ハーネスに取り付ける
3.フライト
4.保管、手入れ、修理
5.リパックカード
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P20
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1. ONE G について
ONE Gは最高の安全基準を求めるパイロットのためにGINの研究開発チーム
が開発したレスキューパラシュートです。新しいグライダー開発のためのテ
スト飛行の時、GINのテストパイロットはONE Gを使用します。
ONE Gはプルダウン・アペックス(傘頂引き込み)式のパラシュートで、こ
のデザインは速い開傘と低い沈下率そして小型で軽量なのが特徴です。
ONE Gはパラグライダーの緊急時専用パラシュートで、自由落下用パラシュ
ートではありません。
認証
ONE G(38 m²),(42 m²)はENの認証を受けています。
詳細
面積
プルダウンアペックスレスキューパラ
シュート
38m2
42m2
ゴア数
18
20
ライン長
5,93 m
6,60 m
重量
2,1 Kg
2,4 Kg
沈下率
(最大荷重時)
4,3 m/sec.
4,5 m/sec.
最大荷重
100 Kg
130 Kg
EN STANDARD
PS 043.1003
PS 044.1003
(センターライン)
4
2. パッキングマ ニュアル
ONE G は工場で点検・パッキングが行われています。ハーネスに取り付け
る前にリガーに一度リパックをしてもらうことをお勧めします。レスキュー
パラシュートが貴方の命を守れるか否かは正しいパッキングにかかっていま
す。何か不明な点があれば、インストラクターまたは代理店にお問い合わせ
ください。
乾燥
パッキングする前に、キャノピーを乾燥させます。湿気のない涼しい部屋
でアペックスを天井から吊るして24時間乾燥させます。
準備
パッキングする場所は広くて、清潔で、乾燥していなければなりません。
パッキングには表面が滑らかなテーブルを使用します。
用意するもの
パッキングする前に、次に示す道具を用意します。
・ラバーバンド(リパック毎に交換)
・ハーネスのクロージングループを引き上げるためのライン(2本)(ケ
ブラーラインは使用禁止。ラインの末端はヒートカットしないこと)
・表面がきれいな2-2.5kgの重り(サンドバック)を2つ
・仮止めのためのテンポラリーピン(2本)
・ラインセパレーター
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広げる
まずはトップパネルに記載されているシリアルナンバーとリパックカード
(このマニュアルの最後にあります)に書かれているシリアルナンバーが同
じか確認します。リパックカードはハーネスに保管します。
ブライダルコードのもとを、カラビナなどでパッキングテーブルの端に固
定します。
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ラインチェック
レスキューパラシュートをすべて伸ばします。ライン、キャノピーに損傷
がないか点検します。その後、「4ラインチェック」でラインの絡みがない
か、トップパネルが上にあるかを確認します。
4ラインチェックは下図に示すとおり、センターラインに一番近い左右の
ラインと一番遠い左右のラインを引き上げます。その他のすべてのラインが
内側にあれば正常です。
パネルを畳む
アペックスを引き出し、すべてのラインの長さが同じかどうか確認します。
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サスペンションラインを半々に分け、図のようにラインセパレーターにセ
ットします。センターラインはどちらかの上にのせます。ラインセパレータ
ーの上に重りを乗せ、スカートを固定します。
自分に一番近いラインを取り出します。このラインに取り付けてあるパネ
ルから畳み始めます。18ゴアであれば10番目のパネル。
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パネルを分ける
一枚ずつパネルを引き出し畳みます。まずは全て片側に重ねます。また、
この際、キャノピーに損傷がないか点検します。
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図のように一枚ずつ折り返し半々に分けます。その際、内側のパネルも確
認し、各パネルのセンターの縫い目が真ん中で揃うようにします。また、パ
ネルはセンターがずれないよう、しわがないように畳みます。
スカートのすべてのループは同じ向きになるようにし、一枚ずつ積み重ね
ます。
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左半分が終わったら同じ要領で右半分を行います。まずは図のように右半
分を左側にすべて移動させ、一番下になるパネルから一枚ずつ畳みます。い
ずれの場面でも、センターがずれない、しわがない、センターを中心に均等
であるということが大切です。
すべてのパネルが畳み終わったら、再度、センターがずれていない、セン
ターを中心に均等、スカートのループが同じ向きで絡みがないということを
確認します。
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畳む
図のように、センターを中心に左右1/3ずつ折り畳みます。折り畳む際、ス
カートからトップにかけて先細りにならないよう、同じ幅になるようにして
ください。
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さらに、センターがずれないように1/2にします。1/2にした際、インナー
バッグと同じ幅になっていなければなりません。
スカートがずれないように、ラインを入れるスペースを若干残しSの字に
折り畳みます。図のように同じ長さになるようにしますが、スカートは厚い
ためやや短めに、トップは薄いためやや長めにします。ONE G38であれば8
つ折りになるはずです。
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インナーバッグへの収納
スカートが上になるように、図と同じようにインナーバッグに収納します。
絶対に向きを間違えないようにしてください。
ラインの収納
すべてのラインのテンションが同じことを確認してからラインを収納しま
す。まずはインナーバッグとキャノピーの間(図の○,1 と○,4 のコーナー辺
り)にラインを2-3cm差し込みます。その次に、横のパネル(○,1と○,2 )を
閉めてバンジーコードでラインをとめます。その際、ラインのループの内径
が3cmぐらいになるようにします。常にラインのテンションに気を配ります。
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次にラインがねじれないように、8の字でラインを収納します。ラインは
1束もしくは2束ずつラバーバンドでとめます。ここでも常にすべてのライ
ンのテンションが同じことを確認しながら作業を進めます。
ラバーバンドでとめたラインは○,4 のフラップとキャノピーの間に積み重ね
ます。最後に○,3と○,4 のフラップを閉めて、バンジーコードでラインをとめ
ます。
30-50cmラインが残るようにします。残すラインの長さはハーネスのアウタ
ーコンテナの位置によって違います。
テスト
ブライダルコードを引き上げて、バンジーコードからラインが自発的に外
れるようであればO.K.です。外れなければ、バンジーコードの長さを調整し
ます。
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ハーネスに取り付ける
ONE GはGINのハーネス用に製造されていますが、ほとんどの他のメーカ
ーのハーネスで使用できます。しかし全てのハーネスに使用できるとは限り
ませんので、必ずインストラクターまたは代理店にお問い合わせ下さい。
ハーネスのブライダルコードに接続する
接続にはネジで開閉できるコネクターを使用します。たとえ
ば、7mmの四角いステンレス製のラピッドリングです。いずれ
にしても、搭載重量の9倍の荷重に耐えられる強度がなければ
なりません。
ラピッドリングにブライダルコードを取り付けたら、ラバー
バンドやテープなどで動かないように固定します。
ブライダルコード同士を直接取り付けることはお勧めしませ
ん。強度に問題が生じる可能性があります。
インナーバッグにレスキューグリップを取り付ける
ほとんどのハーネスには純正のレスキューグリップがあります。このレス
キューグリップにあるストラップをインナーバッグに接続します。もしハー
ネス純正のレスキューグリップがなければ、そのハーネスメーカーにお問い
合わせください。
ONE Gは4箇所、レスキューグリップの取り付けポイントがあります。ハ
ーネスのアウターコンテナの構造にあわせて、取り付けポイントを選んでく
ださい。通常、フロントとバックコンテナの場合、インナーバッグのセンタ
ーにレスキューグリップを取り付けます。サイドコンテナの場合はインナー
バックのトップに取り付けます。アンダーコンテナの場合はインナーバッグ
のサイドに取り付けます。取 り 付 け ポ イ ン ト は ハ ー ネ ス の 構 造 に よ り 違
います。わからない場合は、リガーにお尋 ねくだ さい。
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プレフライトチェック
フライトの前には必ずプレフライトチェックを行ってください。安全の
ために常に完全で一貫したプレフライトチェックを行ってください。
プレフライトチェックでは、特に以下の点に気をつけてください:
*耐空性に影響を与えるような目に見える損傷がないか
*アウターコンテナは正しくピンで閉められているか
*レスキューグリップはベルクロできちんと固定されているか。ベルクロ
は良い状態にあるか。
長時間、ベルクロをつけたままにしておくとレスキューグリップは外しに
くくなります。
レスキューパラシュートの開傘
緊急時に無意識にレスキューグリップに手が伸びるように、普段のフライ
トで時々レスキューグリップの位置を確認してください。これは非常に重要
なことです。
緊急時に陥ったら、まず自分の高度と事態の深刻さを瞬時に判断し、レス
キューパラシュートを使用するか否かを素早く決めます。十分な高度が無い
のにレスキューの使用をためらうと、その一瞬のためらいが命取りになる場
合があります。レスキューパラシュートが開傘した後にパラグライダーが回
復すると、怪我をする可能性が増します。もし十分な高度があって、パラグ
ライダーがフラットスピンをしているなら、お互いが絡む危険性を考えると
スピンをフルストールなどさせて止めたほうがいいでしょう。ただし、もし
十分な高さがない場合はそれを考えていることが命取りになる場合がありま
す。
開傘の手順
もしレスキューパラシュートを使用するのであれば、下記の手順に従って
ください。
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まずレスキューグリップを片手でしっかり握り、上方向または横方向に
強く引っ張ります。ピンがクロージングループから抜けます。これにより
インナーバッグがハーネスのアウターコンテナから引き出されます。
何も無い空域に向かってなるべく遠くへ勢い良くレスキューパラシュート
を投げてください(グリップを手から放します)。風下に投げることができ
れば、速い開傘が可能となります。また、スピンの回転の反対方向に投げる
とレスキューパラシュートがパラグライダーに絡まるのを防げます。
開傘後は絡みや揺れを防ぐため、パラグライダーのB,C,Dラインまた
はブレークコードを引っ張ってグライダーを引き込みましょう。
安全のため、5接地転倒法を用いてランディングします。ランディング
後はすぐにセンターラインなどを引っ張り、レスキューパラシュートをす
ぼめます。
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5. 保管、手入れ 、修理
ONE Gはパッキングマニュアルにしたがって6ヶ月ごとにリパックを行わ
なければなりません。リパックはリガーなどの専門家に任せることをお勧め
します。損傷や擦り切れた箇所がある疑いがある場合は更なる点検が必要で
す。 レスキューパラシュートを開傘した後は必ずメーカーか代理店に検査を
依頼してください。何か不明な点がある場合は専門家に相談してください。
ONE Gは最高の耐久性を保つため、厳選された素材のみを使用しています。
しかし下記のガイドラインに従った手入れを行うことで、その寿命を更に延
ばすことが出来ます。ただし、たとえ一度も使用されていないレスキューパ
ラシュートでも、10年経過したものは買い換えることをお勧めします。
手入れ、修理
常にできるだけ紫外線、熱、湿気を避けてください。ハーネスとレスキュ
ーパラシュートはザックに入れてください。全てのパラグライダー用品は涼
しい乾燥した場所に保管し、薬品、油脂、ペンキ等の近くには保管しないで
下さい。
湿ったまま、または濡れたままの状態でレスキューパラシュートを決して
保管しないで下さい。ウォーターランディングや雪のせいでレスキューパラ
シュートが濡れてしまった場合は、まずレスキューパラシュートをハーネス
から取り出し、完全に自然乾燥させてからリパックしてください。
汚れたキャノピーおよびインナーバッグ、ハーネスはぬるま湯で洗ってく
ださい。薄めた中性洗剤を使用しても構いませんが、生地をこすり洗いしな
いで下さい。その後、よくすすぎ洗いをし、自然乾燥させてください。もし
キャノピーにカビが発生した場合は製品の強度が変わっている可能性がある
ので、代理店および製造会社に点検・修理を依頼してください。
レスキューを長期間保管する場合は、キャノピーを一度開いてから緩めに
巻いて(リガーロール)保管してください。d.
修理
常に正しい材料・技術で修理が行われるよう、修理はメーカーまたは認可
された代理店のみで行うことが出来ます。
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リパックカード
パイロット名:
シリアルナンバー:
製造年月日:
リパック日
実施者
実施者サイン
――――――――――――――切り取り――――――――――――――――
当マニュアルは正しい内容を 掲載すべく最善の 努 力を尽くし作成され
ておりますが、あくまでも手 引書であり、掲載情 報は突然に変更される
場合もあります。ONE GおよびGIN GLIDERS製品の最新情報を得るため
には、どうぞ弊社のホ ームページ(www.gingliders.com)をご確認くだ
さい。
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