-1- 進め!ホバークラフト 栃木市立栃木第四小学校5年 1 研究の動機

進め!ホバークラフト
栃木市立栃木第四小学校5年
1 研究の動機
水陸両用車として、空気の力で浮かび上がり推進していくホバークラフト。わたしたちは身近な
材料を使ってその仕組みを調べ、実際に作ってみようと思いこの研究を始めた。
2 研究の目当て
なめらかに進むホバークラフトを作ろう!
3 研究の流れ
ホバークラフトってどんな仕組み・とにかく作ってみよう
補助実験1
うまく浮かない?原因は何だろう ・うまくいかない原因を推測してみよう
予想1 プロペラがうまく風を送らないのかもしれない
補助実験2
・どんなプロペラがいいかの確かめる
予想2 重さやつりあいが関係しているのかもしれない
補助実験3
・カップ・モーターや電池の軽量化について
・電池の位置について
予想3 本体の風を送る仕組みが関係しているのではないか
追究1・どんなカップがいいか(上手に風の力を利用できるカップの形)
追究2・空気孔はどうするか(上手に風を取り込む空気孔の形)
追究3・プロペラカバー、スカート、プロペラの位置(プロペラカバーの役割)
4 研究の実際
補助実験1 実際に作ってみよう
資料をもとに、カップラーメンの容器でホバークラフトを作ってみることにした。
(理科教育ニュース512号「カップめん容器でホバークラフトを作ろう」参照)
《方法》はじめに試した物
準 備
・かき氷の容器(発ぽうスチロール)・カップメンの容器 (ラーメン(平・深)うどん) ・既製のカ
ップ、モーター、単3乾電池2個、リード線1本 カッターナイフ
説 明
① カップ麺の容器の中心に穴を開ける。
② 穴にモーターの軸を外側から入れ、カッターナイフでモーターが入る穴を切り抜く。
③ モーターを入れる穴の近くに、カッターナイフで空気穴を開ける。
④ モーターを外側からカップ麺の容器に差し込み、内側からプロペラを取り付ける。
⑤ 全体の重さのバランスがとれるように、カップ麺の容器の底に電池をテープで取り付ける。
⑥ モーターと乾電池を直列回路になるようにリード線でつなぐ。プロペラが作る風が下に行
くようにつなぐ。
⑦ プロペラカバーをプロペラにあわせて取り付ける。
⑧ モーターを回転させてみて全体が浮いたらモーターをテープで固定する。
《結果》説明のような作り方では、うまく進まない物がほとんどだった。
進むために考えられる条件を予想しよう 予想1 プロペラがうまく風を送らないのかもしれない
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補助実験2
どんなプロペラがいいかの確かめる。
まず、進まない第一の条件に「プロペラ」が関係するのではないかと考え、
自分たちでプロペラを作りプロペラの風を送る力を調べた。
《方法》1.5V単三電池一本、マブチモーターで行う。
小さなヨットのような船に風を当て、実験テーブルの上をすべらせる
・2枚ばねからはじめて、3枚4枚と羽の数を増やした
・大きなプロペラと小さなプロペラを比べた。
・おもりをつけたり、羽の面積を増やして比べた。
大きいもの羽の面積を増やしたものなど、もっとよい結果が出ると思いましたが、重さも増えてしま
うなど、単3電池一個の力では模型屋さんのプロペラが一番推進力がありました。
《結果1》模型屋さんで買った3枚羽根のプロペラを使うと一番風を送れる
→今後の課題1 ?どうして3枚羽根がいいのだろう
予想2 重さやつりあいが関係しているのかもしれない
補助実験3 カップ・モーターや電池の軽量化やつりあいを確かめる
ここで考えた重さとつり合いは次の3点。
・カップが重すぎるかもしれない→追究1へ
(かき氷のカップ・4つの空気孔で実験)
・電池やモーターが重すぎるかもしれない
・電池をつける位置が関係するかもしれない
※カップの種類については、
「重さ」だけではなく「形」も関係してくると予想されたので追究1で実
験することにする。
電池について(軽量化)
夏休みの実験では《結果2》単三の乾電池2本を単四の乾電池にした。今まで引きずるように振
動だけしていたいくつかの車体が少しずつ回転しながらも進むようになった。
(できるだけ、電池
を軽くした方がなめらかに進むようになる)
電池をつける位置について(つりあい)
さらに、カップ麺の容器のそこの両端に何気なくつけていた電
池を、3通りの付け方から、一番上の《結果2》中心部、モー
ターに近い位置に平行に固定した物がもっとも安定していることが わかった。
→今後の課題2 ?どうして横だとだめなのだろう
これらの補助実験から、3枚羽のプロペラ・単四電池2本・電池はできるだけ底の中心近く平行に
固定した条件で、予想3の3つの追究を進めることにした。
予想3 本体の風を送る仕組みが関係しているのではないか
追究1・どんなカップがいいか(上手に風の力を利用できるカップの形)
追究2・空気孔はどうするか (上手に風を取り込む空気孔の形)
追究3・プロペラカバー、スカート、プロペラの位置(プロペラカバーの役割)
《方法》
・3種類のカップを使用する。
(カップうどん・カップラーメン平たい物・既製のカップ)
・プロペラカバーは、カップを利用するのでなく、高さを調節しやすいように工作用紙で作る。
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・追究1∼3のそれぞれを、それぞれの独立した条件でなく3種類のカップそれぞれで実験した。
※走りやすさは、観察と、浮上した具合を、机と本体の間に紙を入れて確かめた。
《結果》
・プロペラカバーを4㎝に固定
予想:3種類のカップの中で一番平た
いので、浮きやすいのではないか
4番のホバーが少し浮いただけ
カバーがない5番は振動しただけ
●ラーメンカップは適していない
●プロペラカバーは必要
・プロペラカバーを4㎝に固定・
予想 : 一 番穴 の 大
きい 2 ( ①) が よ
く進むのでは
●大きすぎてもだめ?
●1㎝×12個が一番スムーズ
空気孔を調べよう
・プロペラカバーを4㎝に固定
予想:3cmのものがいいのではな
いか
●空気孔は大きすぎても、小さすぎ
ても風がうまく下に噴射できない
どうして大きいだけではだめなのか?
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・ 空 気孔 を
1 ㎝ ×1 2
に固定
予想:長いと脇に風が流れず
いいのでは
●短くても長くてもだめ。
これらの結果から、既製のカップで、空気孔は底の外苑に1㎝らいのものをぐるりとあけたもの、そ
してプロペラカバーが4㎝のホバークラフトが一番なめらかに進んだ。
これを私たちがはじめに一番スムーズに浮いたホバーだったので「⑨ちゃん」とよんで何度も走ら
せた。それと、ほぼ同じ動きをしたのが空気孔1.5㎝を4つあけた物だった。
5 研究のまとめ
《考察》なぜ「⑨ちゃん」なのか?を追究し理想のホバークラフトへ・・・
◎「軽い」という条件は単3から単4へ電池を乗せ変えたことでも重量は大切。
◎同じ重量で進みに差が出たのは、
「風の流れ方」がやはり大切な条件
たくさんの風が流れれば進むはず・・・×空気孔は大きいだけではだめだった
【既製カップ結果3から、
「1.5㎝の空気孔が4個」がもっともよい結果だったのはなぜか】
穴が大きすぎると上にもどる風があり、下に噴射する風の量が減ってしまうのではないか
「⑨ちゃん」は1㎝の穴がぐるりと、カップのモーターの周りを囲むように並び、むだに風が逃げ
ないようになっているのではないか
??どうして、既製のカップの形がよかったのだろう・・・
5 今後の課題
・プロペラの羽の仕組みを調べたい。←今後の課題1 ?どうして3枚羽根がいいのだろう
・風の流れをもっとくわしく実験したい。← どうして、既製のカップの形がよかったのだろう
・電池のバランスについてもっと知りたい←今後の課題2 ?どうして横だとだめなのだろう
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