石州総合防災ウルトラ3S瓦 53B判

 目 次
項 目
ウルトラ3S瓦の愛用のしおり
1.安全上のご注意
2.安全施工のために
3.安全作業
4.施工後の保守管理
5.粘土瓦の特性について
6.製品概要
6-1)ウルトラ3S瓦スーパー Bタイプ
6-2)ウルトラ3S瓦スーパー Aタイプ
6-3)ウルトラ3S瓦 Zタイプ
6-4)ウルトラ3S瓦スーパーモランJ(ジェイ)
6-5)ウルトラ3S瓦 幅小(調整)・幅広(調整)瓦
6-6)ウルトラ3S瓦 足長(調整)瓦
7.瓦の形状と種類
7-1)地瓦類 Ⅰ 桟瓦
7-2)地瓦類 Ⅱ 軒・袖瓦類
7-3)地瓦類 Ⅲ コマ・スリ類
7-4)棟もの類 Ⅰ 冠瓦類
7-5)棟もの類 Ⅱ 熨斗瓦類
7-6)棟もの類 Ⅲ 鬼瓦類
7-7)棟もの類 Ⅳ 巴類
8.副資材一覧
屋根下葺き材の施工法
雨漏れ注意箇所
屋根の形いろいろ
9.桟木施工
10.板金施工
11.J形53B(坪53枚判)瓦の割付図 桁行き方向・流れ方向
12.小判瓦(坪90枚判)の割付図 万十・一文字
13.瓦施工詳細図
13-1)軒先の納まり図
13-2)袖瓦左右の納まり図
13-3)雪止瓦の施工図
13-4)壁際(流れ方向・水平方向)の納まり図
13-5)谷の納まり図
13-6)片流れ屋根の納まり図プレス型(4寸・5寸勾配)
13-7)垂付桟瓦 中樋施工図
14.合体のし棟施工
15.合体のし壁際施工
16.箕の甲施工
17.鬼瓦の施工
17-1)陸棟及び隅棟の納まり図(海津鬼)
17-2)陸棟及び隅棟の納まり図(鬢付鬼)
18.工事点検チェックリスト
(参考) 鬼瓦等の配置 1
鬼瓦等の配置 2
19.ガイドライン(全瓦連)抜粋
かわら工事関係法規法令
屋根葺き材に関する関連法令・告示
法令の適用
構造計算規定
基準風速
県別基準風速一覧表
地震力
瓦のガイドライン工法
耐震性
Memo.
頁
3
4
5
6
7
8
9
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53
石州総合防災瓦「ウルトラ3S瓦スーパー 」愛用のしおり
瓦屋根工事の前に、この「安全上のご注意」をよくお読みの上、正しく工事してください。
1.安全上
1.安全上のご
安全上のご注意
のご注意 (必ずお守
ずお守りください)
りください)
●ここに示した注意事項は、守らないと人身事故や家財の損害に結びつくものです。安全に関する重
要な事項ですので、必ず守ってください。
●お読みになった後は、お使いになる方がいつでも見られる場所に必ず保管してください。
●表示内容を無視して誤った使い方をしたときに生じる危害や損害の程度を、次の表示で
説明しています。
●工事終了後、本書巻末のチェックリストにしたがって各部の点検を行い、異常のないことを確かめてください。
この欄は「死亡または重傷などを負う可能性が想定される」
内容です。
●屋根工事に際しては、屋根からの転落の危険があります。施工要領書通りに正しい作業を
行ってください。
※安全対策を怠ると、落下してケガをする恐れがあります
●屋根工事に際しては、必ず転落防止のための防護ネットや足場を設置してください。
※設置を怠ると、落下してケガをする恐れがあります。
●屋根面から器物が落下しないようにしてください。瓦の積み上げ、破材処理については、
施工要領書どおり正しい作業を行ってください。
※器物が落下すると、ケガ及び器物破損のおそれがあります。
●屋根の瓦が濡れているときは絶対に屋根に上がって作業しないでください。滑って落下する危険
があり、重大な事故に繋がります。(特に、降雨時、降雨直後、早朝の露など)
この欄は「負傷を負う可能性または物的損害のみが発生
する可能性が想定される」内容です。
●瓦は施工要領書通り必ず緊結してください。
※緊結不良により瓦のズレ、落下のおそれがあります。
●瓦の取り扱いの時は、必ず手袋を着用してください。
※瓦のバリなどによりケガをするおそれがあります。
●結束された瓦の取り扱い時には結束バンドの強度を確認してください。
※結束バンドの接着不良、劣化等により、結束バンドが切れることがあります。
●瓦屋根の上に物を乗せると荷重により瓦の破損、器物の落下の恐れと雨漏れの原因になること
があります。アンテナ、ソーラーパネル、太陽熱温水器など設置する場合は、必ず 専門の工事業
者に依頼してください。 (施工の不備で雨漏れが発生することがあります。)
3
2.安全施工のために
安全施工のために
2-1)作業開始前の点検・確認
①屋根工事施工者は、正しい服装で
安全作業をしてください。
②保護帽はきちんとかぶり、あごひもは確実にしめ、
安全帯(命綱)、作業靴(すべりにく
いもの)を必ず着装してください。
③健康状態に注意して作業してください。
④グラインダー・サンダーでの切断時には
防塵メガネ・防塵マスクを着装してください。
※屋根の上での切断作業は、粉末で滑ること
があって危険です。足元には十二分に注意
してください。できれば下へ降りての切断作業
をお勧めします。
2-2)作業における点検・確認
①屋根勾配・流れ長さ・地域等に適した設計基準になっているか確認してください。
②屋根下地の施工が安全に行われているか確認してください。
③整理・整頓に心がけてください。
④転落防止の足場を確保してください。
⑤機械工具類の安全運転の確認をしてください。
2-3)施工後についても養生・保守管理を徹底してください。
①本工事における、現場での廃棄物(葺き土など)は適正に処理をしてください。
2-4)その他
①この施工要領書は、瓦屋根工事技士、瓦葺一級技能士、二級技能士、又これらと同等の
施工能力を持った専門業者を対象としています。
4
3.安全作業
3-1.安全管理(高所作業の安全)
①墜落防止のために高所作業には足場、瓦揚げ機、脚立等の設備を使って
適当な広さの手すりを設けた作業床を設けてください。
②墜落防止のため、防護ネットを設けてください。
3-2.現場での瓦の取り扱い方法
①現場へ瓦を置く時は、置く場所が水平かどうか確認してください。
②パレット積み商品の重ね置きは禁止します。
③瓦のバラ置きの場合は荷崩れしないようにしてください。
④瓦を建屋にたてかけないでください。
⑤瓦を運ぶときは、結束バンドを持たないで瓦自体をお持ちください。
(結束バンドの接着不良、劣化等により、結束バンドが切れることがあります。)
ウルトラ3S瓦
ウル ト ラ3 S 瓦
重ね置き禁止
瓦自体をしっかり持つ
3-3.瓦揚げ
①瓦揚げの場合、瓦揚げ機、クレーン等で行ってください。
手渡し等は絶対しないでください。
②クレーン使用の場合は、必ず有資格者が行ってください。
屋根の上で水平となるような台を設置してから作業してください。
③瓦揚げ機の台車には瓦が落下しないような積み方をしてください。
④瓦揚げ機を使用の際には、瓦揚げ機の仕様書に従ってください。 ⑤作業現場の状況に適した機械のかけ方をしてください。
⑥地上で作業する者は常に頭上に注意し落下物に対する身の処置を
考えておいてください。また、屋根の上で作業する者は、台車を止め
る位置と合図を明確に指示し、上下の連絡を密にしてください。
⑦瓦揚げ機の台車には絶対に乗らないでください。
3-4.梱包の解き方
①屋根上での瓦は一束以上は積み上げないでください。
②屋根上で結束バンドを解くときは、カッターで結束バンドを切断し、包装紙・結束バンドが
飛散しないようにしてください。
5
4.施工後の
施工後の保守管理
葺き上げた瓦屋根を完全な状態でお渡しし、お施主様に満足していただくため屋根施工後、
施工事業者の方に次の点を十分にご注意いただくよう指示徹底してください。
4-1) 工事終了後は、必ずゴミやクズなどをきれいに掃除してください。
4-2) 足場を組む場合は、屋根面に必ず養生板を敷くようにしてください。また、屋根面を足場
にして作業等する場合は、必ず養生板を敷きこんでください。
足場設置
4-3) 作業中、足場から屋根面へ飛び降りたり、物を落としたりするとひび割れ、破損を生じ、
雨漏り等のクレームの原因となりますので注意してください。
とぶな
4-4) はしごをかける場合には、当て木を使ってください。
4-5) 壁面、その他モルタル塗り、外壁塗装などの吹き付け作業に際しては、屋根面の
シート養生を徹底するよう指示してください。
※瓦に付着したモルタル、塗料の汚れは、補修できませんのでご注意ください。
4-6) アンテナ、ソーラーパネル・太陽熱温水器等の設置止め付け時は、瓦の破損、ズレが
生じやすくなりますので、ご注意ください。
※重量物を設置する場合、荷重が一点にかからないようにしてください。
6
5.粘土瓦の
粘土瓦の特性について
特性について
瓦は天然原料である自然の粘土を原料とした大型厚物焼成品です。粘土は採取場所により、その成分・
性質は微妙に異なり、また同一場所の採取でも全く均一ではありません。このように瓦は原料自体が均
質化された工業原料でなく、自然から生まれた生きた粘土を使うため、それ自体が機械化に向くようにで
きていない。科学的な管理が難しい焼成品です。
日本の瓦技術は、西暦588年(崇峻天皇元年)百済から渡来した4人の瓦博士【麻奈文奴(まなもんぬ)・
陽貴文(ようきもん)・陵貴文(りょうきもん)・昔麻帝弥(しゃくまたいみ)】によって伝えられ、今日に至った
と言われています。日本の瓦は約1400年前から製造が始まり、途中改良されながら今日に至っています。
製造技術・焼成技術が飛躍的に進歩し、大量生産できるようになった現在でも『瓦は天然原料を使った
自然素材である』ことをご理解いただき、その特性をあらかじめご承知おきください。
《特性》
○ 粘土成分の違いや気圧など気象条件による焼成窯内雰囲気の変化により、微妙な色ムラが発生
している場合があります。
○ 焼き物特有の若干のネジレや寸法のバラツキがある場合があります。また瓦は重ね合わせて施工
していきますが、葺きあげ後に瓦と瓦の間にスキマが発生することがあります。
○ 陶器瓦(釉薬瓦)は貫入(かんにゅう)と呼ばれる表面亀裂が発生する場合があります。これは 陶器
製品特有の現象で生地を焼いて焼結させる場合、粘土と釉薬の収縮率の違いにより釉薬表面に細か
い亀裂が発生します。但しこれは製品生地までの亀裂ではなく製品の品質(漏水、強度など)には
問題ありません。
○ 陶器瓦〔釉薬瓦)には釉薬面にピンホールと呼ばれる小さなへこみや粘土素地の露出が発生して
いる場合があります。釉薬の気泡や粘土に含まれる有機物(亜炭)などが燃焼して発生するものですが、
品質(漏水、強度など)には問題ありません。
○ 施工後、ホコリの付着などによる色合いの変化が発生する場合があります。また、住宅の立地条件により
瓦表面にコケなどが付着することがありますが、屋根材としての品質・性能及び耐久性を損なうものでは
ありません。
○ 石州瓦は1200度以上の高温で焼成しております。粘土の中に含まれる砂粒の一部が瓦表面で破裂
し、小さなクレーターが出来、瓦素地の露出が発生している場合があります。選別で不良な傷の瓦は
取り除いています、屋根材としてはなんら問題のない小さな傷はご容赦ください。
安心してご使用願います。
○ 改良のため、仕様・外観は予告なく変更する場合がありますので、ご了承ください。
○ 製品カタログ等の色調は、印刷のため実際の色とは多少異なる場合があります。
《 工事担当者の方々にお願いいたします。 》
● 施工中、不具合品
不具合品を発見された場合は使用せず取り除いてください。
不具合品
安全に関するご注意
○ 粘土瓦の施工には専門の工事が必要です。専門工事業者にご相談ください。工事に不備があると、
落下・雨漏り等の原因になることがあります。
○ 寒冷地積雪地域あるいは強風地域では、特殊な工事を必要とする場合があります。こうした地
域で粘土瓦を使う場合には、専門工事業者にご相談ください。
○ 粘土瓦を使った屋根は、関連する工事標準仕様書に基づいて設計してください。特殊な設計を
行う場合は、専門工事業者にご相談ください。
※屋根勾配が3.0/10
屋根勾配が3.0/10未満
が3.0/10未満のときは
未満のときは特
のときは特に施工方法に
施工方法に注意をお
注意をお願
をお願いします。
いします。
7
(ウルトラ3S瓦
ウルトラ3S瓦スーパーBタイプ)
スーパーBタイプ)
6-1).製品概要
).製品概要 製品概要 5
4
0
7
2
0
5
2
5
2
40
275
物性データ
※島根県産業技術センターでの試験データ
項 目
曲げ破壊強度
吸 水 率
凍害試験
295mm±4mm
寸 法 全 長
全 幅 315mm±4mm
225mm±4mm
働き寸法 長 さ
275mm±4mm
幅
葺き枚数 約16枚(㎡)・ 約53枚(坪)
重 量 約45kg(㎡)・約148kg(坪)
実験結果
2000N以上
6%以下
ひび割れ・剥離異状なし
ウルトラ3S瓦スーパーBタイプの標準屋根勾配と流れ長さ(社内実験値:無風)
勾 配
流れ 長 さ
4
6
8
10
12
14
16
18 (M)
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
※ この性能値は保証値ではありません。実際の施工時には、地域や建築物の種類などを
考慮し、下地にも注意してください。
低勾配屋根では軒瓦は桟瓦と同じ勾配で施工してください。
低勾配屋根では雪止瓦の釘穴をコーキングなどで防水加工してください。
流れの長い屋根には用心のため二次防水として下葺材は改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)を、
桟木は穴開き桟木かキズリテ-プなどを、または流し桟木などの工法を利用してください。
8
雨漏れ実験風景
6-2)製品概要 製品概要 (ウルトラ3S瓦
ウルトラ3S瓦スーパーAタイプ)
スーパーAタイプ)
5
4
0
7
2
0
5
2
5
2
275
40
物性データ
※島根県産業技術センターでの試験データ
項 目
曲げ破壊強度
吸 水 率
凍害試験
295mm±4mm
寸 法 全 長
全 幅 315mm±4mm
長 さ 225mm±4mm
働き寸法
275mm±4mm
幅
葺き枚数 約16枚(㎡)・ 約53枚(坪)
重 量 約45kg(㎡)・約148kg(坪)
実験結果
2000N以上
6%以下
ひび割れ・剥離異状なし
ウルトラ3S瓦スーパーAタイプの標準屋根勾配と流れ長さ(社内実験値:無風)
勾 配
流れ長 さ
4
6 8
10
16 18(M)
12 14 5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
雨漏れ実験風景
※ この性能値は保証値ではありません。実際の施工時には、地域や建築物の種類などを
考慮し、下地にも注意してください。
低勾配屋根では軒瓦は桟瓦と同じ勾配で施工してください。
低勾配屋根では雪止瓦の釘穴をコーキングなどで防水加工してください。
流れの長い屋根には用心のため二次防水として下葺材は改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)を、
桟木は穴開き桟木かキズリテ-プなどを、または流し桟木などの工法を利用してください。
9
6-3)製品概要 製品概要 (ウルトラ3S
(ウルトラ3S瓦
ウルトラ3S瓦 Zタイプ)
Zタイプ)
5
4
0
7
2
0
5
2
5
2
275
40
物性データ
※島根県産業技術センターでの試験データ
項 目
曲げ破壊強度
吸 水 率
凍害試験
実験結果
2000N以上
6%以下
ひび割れ・剥離異状なし
295mm±4mm
寸 法 全 長
全 幅 315mm±4mm
長 さ 225mm±4mm
働き寸法
275mm±4mm
幅
葺き枚数 約16枚(㎡)・ 約53枚(坪)
重 量 約45kg(㎡)・約148kg(坪)
ウルトラ3S瓦 Z タイプの標準屋根勾配と流れ長さ(社内実験値:無風)
勾 配 流れ長さ
4
6 8
10
16 18(M)
12 14 5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
雨漏れ実験風景
※ この性能値は保証値ではありません。実際の施工時には、地域や建築物の種類などを
考慮し、下地にも注意してください。
低勾配屋根では軒瓦は桟瓦と同じ勾配で施工してください。
低勾配屋根では雪止瓦の釘穴をコーキングなどで防水加工してください。
流れの長い屋根には用心のため二次防水として下葺材は改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)を、
桟木は穴開き桟木かキズリテ-プなどを、または流し桟木などの工法を利用してください。
10
6-4)製品概要 製品概要 (ウルトラ3S瓦
ウルトラ3S瓦スーパーモラン スーパーモラン J )
5
4
0
7
2
0
5
2
5
2
275
40
物性データ
※島根県産業技術センターでの試験データ
項 目
曲げ破壊強度
吸 水 率
凍害試験
実験結果
2000N以上
6%以下
ひび割れ・剥離異状なし
全 長 295mm±4mm
全 幅 315mm±4mm
長 さ 225mm±4mm
働き寸法
275mm±4mm
幅
葺き枚数 約16枚(㎡)・ 約53枚(坪)
重 量 約42kg(㎡)・約138kg(坪)
寸 法
スーパーモランJの標準屋根勾配と流れ長さ(社内実験値:無風)
勾 配
流れ 長 さ
4
6
8
10
12
14
16
18 (M )
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
雨漏れ実験風景
※ この性能値は保証値ではありません。実際の施工時には、地域や建築物の種類などを
考慮し、下地にも注意してください。
低勾配屋根では軒瓦は桟瓦と同じ勾配で施工してください。
低勾配屋根では雪止瓦の釘穴をコーキングなどで防水加工してください。
流れの長い屋根には用心のため二次防水として下葺材は改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)を、
桟木は穴開き桟木かキズリテ-プなどを、または流し桟木などの工法を利用してください。
11
横方向に15mm広い瓦と25mm狭い瓦です。
6-5)幅小(
幅小(調整)
調整)・幅広(
幅広(調整)
調整)瓦
5
4
5
4
5
4
54
0
5
2
0
5
2
0
5
2
502
250
40
250
ウルトラ3S瓦Zタイプ
幅小桟瓦
40
250
ウルトラ3S瓦Bタイプ
幅小桟瓦
5
4
5
4
05
2
0
5
2
0
5
2
40
290
ウルトラ3S瓦Zタイプ
幅広桟瓦
290
ウルトラ3S瓦輪型
幅小雪止瓦
5
4
290
40
5
4
0
5
2
40
290
ウルトラ3S瓦Bタイプ
幅広桟瓦
ウルトラ3S瓦面戸付
幅小唐草
40
330
ウルトラ3S瓦輪型
幅広雪止瓦
ウルトラ3S瓦面戸付
幅広唐草
◎例)野地幅3043mmの物件の場合。
(標準割付の場合)標準割付寸法277mmで割付けると屋根地が約30mm余る
(左袖 21 5+ 右袖 305) +(桟 瓦 277× 9枚 )= 30 13mm( 30mm野 地が広 い)
215
277
277
277
277
277
277
277
277
30
277
305
余り
255
277
277
277
277
277
277
277
277
277
30
265
(幅小桟瓦使用の場合)幅小桟瓦252mmで調整すると10列必要になる。
(左袖215+右袖 305)+(幅小桟瓦252× 10枚=3040mm(- 3mm)
215
252
252
252
252
252
252
252
252
252
252
305
幅小調整瓦
255
252
252
252
252
252
252
252
252
252
252
265
(幅広桟瓦使用の場合)幅広桟瓦292mmで調整したら2列で綺麗に納まった。
(左袖215+右袖305)+(幅広桟瓦292×2枚)+(桟瓦277×7枚)=3043mm
215
292
277
277
277
277
277
277
277
292
305
幅広調整瓦
幅広調整瓦
255
292
277
277
277
277
12
277
277
277
292
265
縦方向に35mm長い瓦です。
6-6)足長(
足長(調整)
調整)瓦
5
4
5
4
5
4
5
4
5
8
2
5
8
2
5
8
2
5
8
2
250
250
40
ウルトラ3S瓦Bタイプ
幅小足長桟瓦
ウルトラ3S瓦Zタイプ
幅小足長桟瓦
5
4
5
4
5
8
2
5
8
2
275
290
ウルトラ3S瓦Bタイプ
幅広足長桟瓦
230
40
ウルトラ3S瓦Zタイプ
足長桟瓦
7
22
ウルトラ3S瓦Zタイプ
幅広足長桟瓦
半
瓦
4 0
ウルトラ3S万十
足長左袖瓦
3 20
ウルトラ3S万十
足長右袖瓦
45 半瓦用台座
7
58
2 7
22
7
22
275
◎半瓦には必ず釘穴を開けて留め付けてください
260
227
227
260
227
260
227
足長調整 桟瓦
半瓦作成の手間が省けます。
227
13
40
ウルトラ3S輪型
足長雪止瓦
330
227
40
03 5
3 82
275
ウルトラ3S瓦Bタイプ
足長桟瓦
40
54 40
22
290
40
7.瓦の形状 形状 7-1)瓦の
-1)瓦の形状 形状 地瓦類 地瓦類 Ⅰ
29
5
5
31
ウルトラ3S瓦スーパー
Aタイプ
5
31
29
5
0
29
29
5
ウルトラ3S瓦スーパー
Aタイプ幅小桟瓦
ウルトラ3S瓦
Zタイプ
0
29
29
5
ウルトラ3S瓦
Zタイプ幅小桟瓦
0
25
295
5
31
ウルトラ3S瓦スーパー
Bタイプ
250
25
ウルトラ3S瓦スーパー
Bタイプ幅小桟瓦
5
31
295
29
5
0
29
スーパーモランJ(ジェイ
ウルトラ3S瓦スーパー ウルトラ3S瓦スーパー
モランJ(ジェイ)桟瓦 モランJ(ジェイ)幅小桟瓦
0
29
295
5
31
29
5
29
5
5
31
29
5
0
29
ウルトラ3S瓦スーパー ウルトラ3S瓦スーパー
ウルトラ3S輪型
ウルトラ3S輪型
雪止瓦(ABZ共通) 幅小雪止瓦(ABZ共通) モランJ(ジェイ)雪止瓦 モランJ(ジェイ)幅小雪止瓦
5
31
33
0
0
29
330
0
33
33
0
ウルトラ3S瓦足長 ウルトラ3S瓦足長幅小 ウルトラ3S瓦足長幅広
桟瓦(B・Zタイプのみ) 桟瓦(B・Zタイプのみ) 桟瓦(B・Zタイプのみ)
240
24 0
千枚袖(左)
5
31
ウルトラ3S足長
輪型雪止瓦
240
0
24
0
23
23
0
33
0
230
千枚袖(右)
千枚唐草(左)
14
230
千枚唐草(右)
7-2)瓦の形状 形状 地瓦類 地瓦類 Ⅱ
29
5
29
5
29
5
5
31
面戸
ウルトラ3S瓦
面戸付万十唐草
295
ウルトラ3S瓦
面戸付幅小唐草
32
0
ウルトラ3S瓦
万十左袖瓦
0
27
ウルトラ3S瓦
万十右袖角瓦
295
2 95
ウルトラ3S瓦
万十見掛け右袖瓦
ウルトラ3S瓦
万十左袖角瓦
29 5
29
5
32
0
0
27
32
0
29
5
295
0
27
ウルトラ3S瓦
万十右袖瓦
ウルトラ3S瓦
面戸なし万十唐草
29
5
32
0
315
290
80
ウルトラ3S瓦
万十見掛け左袖瓦
0
27
ウルトラ3S瓦
万十見掛右袖角瓦
ウルトラ3S瓦
万十見掛左袖角瓦
295
5
29
29
5
5
31
29
5
流形一文字
面戸付軒瓦
0
29
0
27
32
0
流形一文字
幅小面戸付軒瓦
流形一文字
右袖瓦
流形一文字
左袖瓦
2 95
29
5
32
0
流形一文字
面戸付右袖角瓦
29
5
27 0
流形一文字
面戸付左袖角瓦
5
31
万十なし
鎌剣唐草
15
29
5
0
27
万十なし
鎌剣左袖角瓦
7-3)瓦の形状 形状 地瓦類 地瓦類 Ⅲ
5
29
29
5
5
31
コマ一文字軒瓦
295
0
27
32
0
コマ一文字右袖瓦 295
コマ一文字左袖瓦
29 5
29
5
32
0
0
27
コマ一文字右袖角瓦 コマ一文字左袖角瓦
32
0
29
5
一文字右袖角瓦 一文字左袖角瓦 295
29
5
5
31
一文字軒瓦 295
32
0
0
27
一文字右袖瓦
0
28
31
0
28
0
箕甲桟瓦・左
0
27
一文字左袖瓦 0
31
0
29
31
0
箕甲桟瓦・右
箕甲唐草・左
29
0
0
31
箕甲唐草・右
35
5
31
0
350
剣高長箕甲唐草・左
350
340
310
剣高長箕甲唐草・右
新箕甲・左
16
7-4)瓦の形状 形状 棟
棟もの もの 冠類 冠類 5
35
340
新箕甲・右
0
25
0
21
0
25
3 00
5
28
300
小雁振
25
0
55
雁振
5寸紐丸
5寸紐丸目板
50
雁振目板
32
0
0
24
2 95
0
19
0
20
50
0
19
0
19
295
28
5
小雁振目板
32
0
0
14
0
22
55
0
24
6寸紐丸
6寸紐丸目板
0
22
29
5
0
27
32
0
7寸紐丸
0
27
30
15
0
7寸紐丸目板
5
27
30
18
0
5
27
5寸素丸
6寸素丸
1
90
0
19
27
5
23
0
熨斗雁振
30
5
29 5
紐雁振
5
23
三角雁振
0
29
27
5
0
25
衾 8寸
25
0
245
三角雁振巴
60
300
30
0
0
30
16
0
衾 10寸
本葺素丸
17
7-5)瓦の形状 形状 のし
のし類
のし類 320
18
0
0
26
0
21
27 5
275
2 75
小のし
0
21
七分のし
大のし
275
15
17
5
15
30
5
27
14
7
紐のし小
35
35
5
27
30
21
5
紐付き箱のし
30
275
紐のし大
5
27
165
0
26
27
5
七分紐のし
10
19
0
10
70
紐のし中
45
21
5
30
13
5
5
27
防災大判のし
5
27
12 0
15
防災小のし
5
27
5
0
21
275
27
5
25
60
5
21
5
2
合体小のし(チリ約3分) 合体大のし(チリ約5分) 合体大のし(チリ約2寸) 合体七分のし(チリ約8分)
275
松皮のし
5
20 210
27
5
5
27
そぎのし
5
23
受平
18
7-6)瓦の形状 形状 棟
棟もの もの 鬼類 鬼類 さ
高
さ
高
さ
高
5寸~10寸
5寸~10寸
5寸~10寸
海津又鬼
海津隅鬼
海津降鬼
さ
高
さ
高
さ
高
高さ
さ
高
8寸~12寸
4寸~8寸
5寸~8寸
6寸~8寸
鬢付三つ組鬼
鬢付又鬼
鬢付隅鬼
鬢付降鬼
こづち
こづち
こづち
こづち
8寸~12寸
4寸~8寸
5寸~8寸
6寸~8寸
鬢付三つ組鬼
鬢付又鬼
鬢付隅鬼
鬢付降鬼
えびす
だいこく
えびす
えびす
寸
0
1
寸
5
1
寸
2
1
本シャチ(小)
本シャチ(中)
本シャチ(大)
高さ10寸
高さ12寸
高さ15寸
8寸
8寸
略シャチ(ヒレなし)
立浪
帆掛
19
7-7)瓦の形状 形状 棟
棟もの もの 巴類 巴類 38
320
320
面戸付切巴
切巴
沓巴
3 20
鶴切巴
32
0
花切巴
30
300
素丸巴
長沓巴
3 20
亀切巴
0
32
軒巴
0
松追掛巴
0
7
3
42 0
30 0
100
石持素丸巴
42 0
鶴拝み巴
巴柄拝巴
拝み巴(ドカン型)
42 0
42 0
亀拝み巴
花拝み巴
20
550
0
8.副資材
43
21
軒用瓦座
40
ケラバ用登淀
45
瓦桟木(15×21以上)
15
43
垂木(43×43)
45
105
棟用補助金具
H-60~
棟用補助金具
H-100~
桟木用ワイヤー連結釘
L-38~45mm
ステンレススクリング釘
L-65mm
エル形釘
L-75mm
パッキン付ステンレスビス
L-65mm
パッキン付ステンレスビス
L-100mm
パッキン付ステンレスビス
Lー120~200mm
谷板金
捨て谷板金
雨押さえ板金
瓦接着剤(シリコン等゙)
瓦用接着剤
緊結線
下葺材
なんばん
21
シーラーテープ(25角)
屋根下葺き
屋根下葺き材の施工法
平部・壁際・大棟部
ルーフィングの施工方法
250mm以上
タッカー固定位置
上下の重ねは、上下に引かれた
線に合わせてください。
上
m以
0m
10
ルーフィング
ピン ホ ールや亀裂がある
場合、 防水テ ープ 又は
コ ーキン グ等で 補修。
壁下地
横重ね200mm以上
100mm以上
ルーフィング
20
0m
m以
上
タッカー固定位置
軒先1段目のルーフィングは雨仕舞のため、横重ね
を作らないよう、1枚ものでの施工をお勧めします。
軒先1段目のルーフィングは1枚もので施工。
軒先部
上
m以
0m
25
ピンホールや裂け目があれば必ず補修して・・・。
壁上がり部
外壁 面捨 て貼 り
25 0m m以 上
壁下 地
下葺材
瓦座
垂木
野地板
D
鼻隠し
壁止 まり 金物 又は ブチ ルテ ープ 等
瓦座の高さ(D )=桟木の高さ+瓦の厚み 軒先は瓦座の先端まで貼る。
大棟部
隅棟部
下 葺 材 を 上 か ら 一 枚 も ので増し張りする
増
幅
し張
し
増
り
り
幅
割
下葺き材
mm
2 5 0
以
上 250m
m以
2 50 m m以 上
上
棟の下葺き材は三重貼りにする。
2 50 m m以 上
棟は上から増し貼りし三重にする。
谷 部 1
2 50 m m以 上
2 50 m m以 上
谷 部 2
捨て ルー フ ィン グ
( 1枚 谷芯 に沿 っ て貼 る)
一枚も のの下 葺材を 先に増 し張り する。
2 00 m m以
上
2 50
増し
m m以
張り
上
幅 上
m m以
2 00 2 50
m m以
増し
上
幅
張り
(谷の 下葺き 材は三 重貼り にする 。)
谷は下部に一枚ものを敷き三重貼りに・・・。
22
雨もれ
雨もれ注意箇所
もれ注意箇所
1
2
4
4
5
3
① 谷 部
② けらば部
6
③ 軒先と壁の取り合い部
④ 下屋根と壁の取り合い部
⑤ トップライトまわり
⑥ 棟違い部
23
屋根の
屋根の形いろいろ
1.切妻屋根
2.寄棟屋根
3.片流れ屋根
4.方形屋根
5.入母屋屋根
6.半切妻屋根
7.招き屋根
8.越屋根
24
9.桟木の
桟木の施工
平 部
桟木は良質の杉材、松材、檜材などを使用し垂木に打ちつけてください。
葺き足ピッチ
垂木の位置はあらかじめ印を付けておくと作業がスムーズにできます。
瓦桟 木 15× 21mm以 上
桟木留 め 用 ロ ール 釘 ( 38mm以上)
桟木留付け 釘
よ
る
垂木 ピ ッ チ
瓦
の
働
き
寸
法
に
垂木ごと
軒瓦用桟木
ピ
ッ
チ
は
桟木
垂木
釘はできるだけ垂木と桟木の中心部に打ち込んでください
25
10.
10.板金施工
谷樋
下 葺き 材 瓦 桟木 ( 15× 21以 上)
谷 用板 金
190
190
谷樋
二 段シ ー ラ ー
桟木
瓦座
桟木
谷樋の両横に桟木を取り付けてください。
捨て谷
捨谷板金
瓦桟木(15×21mm以上)
150
90~110
26
下 葺き 材の 立ち 上が り寸 法300ミリ以 上
下葺き材
11.
11.桟瓦の
桟瓦の割付け
割付け寸法
桟瓦は、地震・台風を考慮して特に二階の屋根
では、全数を桟木に瓦緊結用釘で留め付けてく
ださい。
実寸法の測り 方
桟瓦 は 裏返 し て組 み あわ せ ます 。
53 B桟 瓦
A
53 B桟 瓦
B
さし がね を当 てる と二 辺
の寸 法が 同時 に測 れま す。
陶器瓦は天然素材を高温(1200度以上)焼成したもので寸法のばらつきが発生することがあります。
実際の施工時には実寸法を計測、確認の上割り付けてください。
桁行方向の割付寸法
230
差葺
277
277
277
320
277
( 215)
7.2寸
40
D
( 305)
10.1寸
右袖
左袖
B
8.4寸
被葺 A (255)
270
C
8.75寸 A
(265)
280
277
277
277
277
C= 右 袖 全 幅 - D - A
例) 右 袖 の 割 寸 法 = 320-40-15
A= 袖 瓦 の 出 ( 垂 れ の 厚 み 15mm含 む )
B= 左 袖 全 幅 ー A
例) 左 袖 の 割 寸 法 = 270- 15
D= 桟 瓦 の 差 込 寸 法
流れ方向の割付寸法
下葺き材
瓦桟木(15×21以上)
野地板
2 27
2 27
2 27
瓦座
2 27
2 27
D
B
A
C
2 27
鼻隠し
A=軒瓦の出
B=軒瓦の全長-A-C
C=引っ掛け駒の厚み(10ミリ)
D=瓦座の高さ(桟木の高さ+瓦の厚み)
27
12.
12.小判瓦の
小判瓦の割付
万十仕様
桁行き方向
195
225
225
225
225
225
225
255
25
15
205
225
225
225
225
225
225
215
15
流れ方向
全長
1 65
215
1 65
1 65
1 65
1 65
1 65
65
すり合わせ一文字仕様
桁行き方向
15 195
225
225
225
225
225
225
袖瓦の出 寸法
255 15
袖瓦の出 寸法
25
15 220
袖瓦の出 寸法
225
225
225
225
225
225 15
袖瓦の出 寸法
流れ方向
1 65
225
1 65
1 65
1 65
1 65
65
28
1 65
2 15
13.
13.瓦施工詳細図
13-
13-1)軒先瓦の
軒先瓦の施工
軒先瓦には万十唐草、一文字軒瓦、コマ付一文字軒瓦などがあります。
一文字軒瓦
駒一文字軒瓦
野地板
瓦座
垂木
流形一文字軒瓦
野地板
注) 低勾配屋根では、軒先も屋根地
と同じ角度で施工してください。
逆水の恐れがあります。
瓦座
鼻隠し
パ ッ キ ン 付 ス テ ン レ ス ビ ス 75 mm
パ ッ キ ン 付 ス テ ン レ ス ビ ス 75mm
エ ル 形 釘 75mm
軒瓦(唐草)は釘やビスなどで3ケ所を固定します。
固定方法としては、エル形釘で差し込み側を押さえる。桟峠に穴を開けパッキン付ビスで
固定。留め金具を差し込み側に取り付けビスで止め、桟小端を差し込む。図のように
差し込み側に設けられている孔にビスを差し込み固定するなどいくつかの方法があります。
29
13-
13-2)左袖瓦の
左袖瓦の施工図
袖瓦は、尻部二ケ所を瓦緊結釘で留め付けパッキン付ビスなどで補強してください。
パッキン付ステンレスビス50mm
瓦桟木(15×21mm以上)
ステンレススクリュー釘65mm
縦桟木
登り瓦座
下葺き材
破風板
全幅 270
全幅 270 -A (垂
厚み含 む)
A
袖瓦の出寸法
B
墨の位置
補強方法としては、袖瓦表面垂側に穴を開けパッキン付ビスで留め付ける。
袖瓦の表面垂側の穴は、地方によって袖瓦の出寸法がいろいろあるので確認してください。
なお、穴の開いた袖瓦は、受注生産品なので早めに手配してください。
右袖瓦の
右袖瓦の施工図
パ ッ キ ン 付 ス テ ン レ ス ビ ス 50mm
ス テ ン レ ス ス ク リ ュ ー 釘 6 5m m
瓦 桟 木 15× 21以 上
下葺 材
登り 瓦 座
垂木 野地 板
破風 板
全 幅 32
0
D(4 0) 全 幅 (3 20 )-D (4 0) -A (垂 厚 味 含 )
重な り
C
墨の 位 置
A
袖瓦 の 出 寸 法
右袖の補強は、袖瓦表面垂側にビス穴を開けパッキン付ビスで留め付ける方法です。
袖瓦の表面垂側の穴は、地方によって袖瓦の出寸法がいろいろあるようなので確認してください。
なお、穴の開いた袖瓦は受注生産品なので早めに手配してください。
30
13-
13-3)雪止瓦の
雪止瓦の施工
雪止め瓦には、駒型と輪型がありますが、当社は輪型しか作っておりません。
配置には横一列に葺く方法と数枚ずらして葺く千鳥葺きがあります。
○横一列葺き
一般的には図のように、横一列に配置します。
タテに長い屋根や、積雪の多い地域ではその
量に応じて2列、3列と段数を増やす必要があ
ります。
一段目の雪止瓦は軒桁の上に来るようにしま
す。だいたい4・5枚目位か・・・。
輪型雪止瓦
二段目以降は、4枚毎とか10枚毎とか
設計事務所の指示のある物件もあります。
○千鳥葺き
同じところに雪を留めておくことを防ぐのと、
屋根全体に荷重の分散を図るために数枚
おきに雪止め瓦を配置する葺き方。
雪止瓦の下にかかる負荷を減らし、瓦の
破損を予防する工法です。
低勾配屋根では「すが漏れ」の恐れが
ありますので、雪止瓦の使用には対策
など注意してください。
「すが漏れ」とは、屋根上の雪が氷の堰と
なり、溶け出た水を堰き止め雨漏れする
状態。
31
13-
13-4)壁際
下 葺材 立上 がり300ミリ以上 水平方向
水切板 金
雨押え 板
緊結線
なんば ん
面戸瓦
○瓦割 の都 合で 壁際 の桟 瓦を 切断 する 場合 、桟 木等 で
高さ調 整し てく ださ い。
○切断 した 瓦に は必 ず谷 部分 より 高い 位置 に釘 孔
を開け 釘ま たは ビス で留 め付 けて くだ さい 。
下葺材立上がり300ミリ以上
150
流れ方向
下葺材立上がり300ミリ以上 水切 り 板 金
雨押 え 板
水切 り 板 金
雨押 え 板
なん ば ん
捨て 谷 板 金
緊結 線
なん ば ん
捨て 谷 板 金
150
90~110
90~110
32
13-
13-5)谷の納まり
15 0ミ リ以 上
下葺材
桟木 15× 21以上
野地板
谷樋
○切断し た桟瓦( 勝手、う ろこ)は 屋根用接 着剤また は緊結線 などで
しっかり 固定し、 谷樋の中 に落下し ないよう にしてく ださい。
○下葺材 は3重張 りにして ください 。
谷筋に合わせて切った瓦を「勝手またはうろこ」という地域もある。
150 ミ
リ以 上
下葺材
桟木15× 21以上
野地板
○二段シーラー (硬質ポリエ チレンと合成 ゴムを張り合わ せた製品)で
谷樋の両内側に 貼って瓦を下 から支え、中 へ落ちないよう にする面戸。
○下葺材は3重 張りにしてく ださい。
例)雪の重みで勝手が落ちないよう下に熨斗を敷いて補強する方法
谷樋
15 0ミ
リ以 上
下葺材
桟木15× 21mm以上
野地板
桟木15× 21以 上
○谷樋の両内 側へ小のし を緊結線で 吊りながら 並べ、勝手 などが
雪の重みで下 がらないよ うにするア イデア施工 方法です。
(広島県 北部地方で ききました 。)
○下葺材は3 重張りにし てください 。
33
13-
13-6)片流れ
片流れ屋根(
屋根(受注生産品)
受注生産品)
1) 垂れ平(4.5寸勾配用
(4.5寸勾配用プレス
寸勾配用プレス金型
プレス金型) 金型) Z
) Zタイプのみ。
タイプのみ。袖は手作りです
手作りです。
りです。
差込側にも
差込側にも釘孔
にも釘孔があり
釘孔があり、
があり、おもて面
おもて面からの施工
からの施工だけで
施工だけで容易
だけで容易に
容易に固定できます
固定できます。
できます。
4.5寸 勾 配
ビス用 留 付 け 穴
勾配 調 整 台座
外壁 材
245
275
80
100
100
180
1 8 0
70
40
下地
注)垂れ平の最大葺き地は一番上の桟木から100mm以内にしてください。
4.5寸 勾 配 屋 根
パッキン付 ステンビス100ミリ
ステンビス75ミリ
100
勾配 調 整 台 座
(25× 30ミリな ど )
2 27
1 00
シー ラ ー
外 壁 材 (サ イ デ ィ ン グ 等 )
一番 上 の 桟 木
(15× 21ミリ以 上 )
下地 材
2)
2) ウルトラ3S
ウルトラ3S瓦スーパーAタイプ、
スーパーAタイプ、ウルトラ3S
ウルトラ3S瓦スーパーB
スーパーBタイプ、
タイプ、スーパーモランJ
スーパーモランJの
垂れ
垂れ付き瓦は受注生産品です
受注生産品です。
です。手作り
手作り製品になりますので
製品になりますので納品
になりますので納品までには
納品までには時間
までには時間が
時間が
かかります
かかります、
かかります、ご注文はお
注文はお早
はお早めに余裕
めに余裕を
余裕を持ってお願
ってお願いいたします。
いいたします。
34
13-
13-7)中樋屋根の
中樋屋根の施工図
桟瓦 2枚抜き
枚抜き
227
227
227
垂れ平
75
227
210
瓦座
1 00
中樋
耐酸被覆 鋼板
565
桟瓦 1枚抜き
1枚抜き
227
380
227
227
垂れ
平
中樋
8 0 耐酸被覆鋼板
350 勾配調整台木(30×45)
35
14.
14.合体のしの
合体のしの棟施工
のしの棟施工
10
25
15
119
162
180
15
25
5
2
合体小のし
24 105
25
5
7
2
180
25
58
105 24
275
190
275
10
275
25
58
合体幅小大のし5分チリ 合体幅小大のし2寸チリ
6寸紐 雁振
17°
6寸又 鬼
合体七分のし8分チリ
18°
17°
18°
190
190
190
強力棟 Aー 16 0
強力棟金具
(AB。A‐180)
133
紐 丸 5 寸 小のし 合体小 のし
144
紐丸5 寸
小のし
合体小 のし
合体七 分のし
190
190
190
紐雁振
小のし
合体大 のし2 寸チ リ
合体大 のし5 分チ リ
紐雁振
小のし 合体小 のし 2
合 体 大 の し 2寸
合 体 大 の し 5分
注)数字は棟芯から台のしまでの寸法を示したもの。
36
210
紐雁振
小のし 合体小 のし 4
合 体 大 の し 2寸
合 体 大 の し 5分
25
雨押 包板 金
上
以リ
0ミ2
1
金
板
え
押
雨
捨て谷 板金
90 ~11 0
注)壁際のしの下段に合体のしを使うと、上段のしが溝にはまり崩れにくくなる。
37
雨押包 み板 金
雨押え 板
緊結線
小のし
合体七 分の し
なんば ん
150
下葺材立上がり300ミリ以上
雨押 え板
緊結 線
小の し
合体 七分 の し
面戸 瓦
なん ばん
下葺材立ち上げ300ミリ以上
雨押包板金120ミリ以上
15.
15.合体のしの
合体のしの壁際施工
のしの壁際施工
16.
16.箕の甲の施工
28 5mm
A
A、箕 の甲 唐草 1枚
20 0
B、2 枚箕 の甲
C、剣 高長 箕の 甲
B
48 0mm
D、新 箕の 甲
39 0
C
箕の甲 の野 地寸 法は 、
36 0mm
右の数 字か ら出 寸法
27 0
( 9 0 m m前 後 ) を
差し引 いた 寸法
D
36 0m
m
新 箕 の 甲 の 場 合 、 葺 き 厚 が 1 0 5 mm
27 0
あ る の で 、 3 0 mm 程 度 箕 の 甲 の 野 地
27 5( 27 7)
27 5( 27 7)
を、下 げる と納 めや すい
27 5( 27 7)
23 0- N
27 5( 27 7)
27 5( 27 7)
軒瓦 の
出寸 法 (N )
45
27 5( 27 7)
かぶ せ 葺 き
27 0- N
27 5( 27 7)
さし 葺 き
27 5(
27 7)
27 5( 27 7)
27 5( 27 7)
32 0- N
27 5( 27 7)
かぶ せ 葺 き
28 0- N
野地 寸 法 = 275 (2 77 )の 倍 数 -N
野地 寸 法 = 275 (2 77 )の 倍 数 -N
箕の甲の折れ峠部分は、瓦の桟芯をもってくるのが定法ですので、そこから隅先までは
葺き上げ状態で割付寸法の倍数となり、野地寸法は、それから軒瓦の出寸法を引いた
寸法になります。右隅も同様です。
瓦の寸法は、施工上の余裕を見て2mm程度加えたものを割付寸法とするとよいでしょう。
38
17.
17.鬼瓦の
鬼瓦の施工
17-
17-1)陸棟の
陸棟の納まり
海津 7寸 又鬼
パッキン付 ステンレスビ ス L-135mm
防腐 処理 垂 木 43X43
5寸 紐丸
小の し 17° 3段( チリ 10mm)
緊結 線
なん ばん
七分 (肌 )の し 20° (チ リ 25mm)
七分 (台 )の し 20° (チ リ 10mm)
棟金 具 H140mm
棟面 戸
瓦桟 15X21以 上
鬢付 7寸 又鬼
パッキン付ステンレスビス75mm
棟用垂木43ミリ角
雁振
棟金具A220
小のし 大のし
棟金具AB
棟面戸
半瓦
半瓦
ハ ゚ッ キン付 ス テン レス ビ ス6 5 ミリ
勾配調整台木
○瓦割の都合で棟際の桟瓦を切断する場合、桟木等で高さを調節してください。
○切断した桟瓦は、必ず谷部より高い位置に釘穴を開けて留め付けてください。
39
17-
17-2)隅棟の
隅棟の納まり
海津 6寸 隅 鬼
パッキン付 ステンレスビス L-65mm
垂木 43X43
緊結 線
なん ば ん
5寸 紐 丸
小の し 1 8 °
七分 の し1 8 °
棟金 具
瓦桟 木 ( 15× 21mm以 上)
6寸 隅 鬼
垂木 43X43
棟金
具
緊結 線
雁振
小の し
なん ば ん
大の し 2段
瓦桟 木 ( 15× 21mm以 上 )
勝手(かって)・うろこ
○切断した桟瓦(勝手)は釘穴を開け、しっかり固定してください。
40
18.工事点検
18.工事点検チェックリスト
工事点検チェックリスト
このチェックリストは、工事店が自主点検として行い、施工後に必要事項を記入の上、現場担当者に提出します。
41
参考)
参考) 鬼瓦等の
鬼瓦等の配置 配置 1
鬼瓦の陰陽
その昔、瓦は寺院建築とともに中国から渡ってきた。中国は昔から陰陽学が発達していて何を
するにも陰陽を基としていた。
屋根に使う鬼瓦もその例にもれず陰陽がある。
元来鬼瓦は棟の端をかくすために用いるものであるが、後世のひとは魔よけ悪魔払いのためと、
もっともらしい理屈をつけて最も重要な瓦としている。
鬼には雌雄があり、雌は女を、雄は男を現わし、女は陰で男は陽とか。陰と陽は原則として相対
し鬼瓦は相をもって区別する。口をつぐんだほうが男、開いたほうが女だとか。
陰陽と方位
方位は北より始まり東南西北の順に回る。四方を十二支にちなみ十二支に分けて北を子とし、丑
寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の順にまわる。
北=子、東北=丑寅(艮)、東=卯、東南=辰巳(巽)、南=午、西南=未申(坤)、西=酉、西北
=戌亥(乾)、
子より卯を経て午までを午前と言い陽とする。午より酉を経て子までを午後と言い陰とする。
東、巽、南を陽。西、乾、北を陰。艮坤を中性位とする。
北
子
丑
亥
亀
中性 位
乾
戌
西 酉
中性 位
陰
亀
申
艮
午後
午前
陽
坤
中性 位
未
寅
鶴
卯
東
辰
巽
中性 位
鶴
未
午
南
大棟の
大棟の鬼瓦
棟が東西に通っている場合、東は陽であるから鬼は雌を据え、西は陰であるから雄の鬼を据える。
降り鬼および隅鬼について
降り鬼及び隅鬼は建物の正面を本位として陰陽を決める。正面の方位いかんにより陰陽の位置
が変ってくる。正面でないほうは陰陽を無視することがあるがやむをえない。
陰陽による鬼の据え方
鬼面鬼
吽形(男)陽=○ 阿形( 女)陰=●
大棟鬼 陰の所は雄鬼、陽の所は雌鬼
● ●
○
降り鬼 陰の所は雄鬼、陽の所は雌鬼
隅 鬼 陰の所は雄鬼、陽の所は雌鬼
二の鬼 陰の所は雌鬼、陽の所は雄鬼
妻降り鬼 正面に関係なく陰陽に配する
○
○ ●
●
○
西
陰
○
●
● ○
●
○
○●
○
井上新太郎著「本瓦葺の技術」より引用
42
東
●
○
●
陽
参考)
参考) 鬼瓦等の
鬼瓦等の配置 配置 2
建物の位置の方位を考慮して、阿形、吽形の鬼を据えることが困難な場合には、仏教の教え
による考え方を応用する方法もある。
「阿は口を開いて発する音声で言葉の最初、吽は口を閉ざして発する言葉の最後である。この
ため仏教ではこの二字をすべての法の根元と窮極を現すものとして、前者を万物が発生する理
念の本体、後者をそれぞれが帰着する智恵を意味するものとする」として、寺院の山門の左右に
ある仁王像はこれを表していると説いている。
この考え方に基づいての鬼面の据え方は、屋根の流れに向かって右側に阿形の鬼面を、左
側に吽形の鬼面を据えることになる。降り鬼、隅鬼も同じく流れに向かって考える。
向拝の場合、一般的な納め方は、向かって右に阿形の獅子を、左には吽形の獅子を据える。
顔の向きは正面または内側に向けることが多い。
山門の場合は隅先の方向に顔を向けて据えるのを基本とし、首の捻り具合によっては多少の
違いはやむを得ない。
山門 巴蓋の向き
巴蓋 阿 ●
巴蓋 吽 ○
●
○
○
●
徳枡敏成著「瓦施工書」より引用
えびすだいこく
大国さん(大国主命)は出雲大社のご祭神。恵比寿さん(事代主命)は美保関神社のご祭神。
大国主命の子孫が事代主命と言われている。
古来から立ち位置は左が上位とされており、左(向かって右)が大国さん、向かって左が恵比寿
さん。本来、内裏雛も向かって右が親王様、左がお妃様。髭の左大臣若い右大臣など左(向かっ
て右)が上位です。
す だ い こ
く 鬼
えび
(だい こく ○ 左 )
( え び す ● 右)
○
○
●
西 亀 ●
●
●
○ 鶴 東
●
○
○
鶴巴= 南、 東、 亀巴 =北 、西
43
18.
18.ガイドライン(全瓦連
ガイドライン(全瓦連)
全瓦連)抜粋
かわら工事関係法規法令
かわら工事関係法規法令
第 Ⅰ 編 総 則
第1章
設計の基本概念
1-1 目的
この「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」は、
(1)粘土瓦及び厚型スレート施工工事の設計及び施工を行う人を対象とする。
(2)法令に準拠して、風圧力や地震力に対して屋根葺き材の緊結等に必要な構造性能を
明らかとする。
(3)屋根葺き材の緊結等に必要な構造性能を確認するための標準試験方法を示す。
(4)法令の仕様規定に対応した標準施工方法(法令の仕様規定より優れた構造性能を有
する方法)を例示するとともに、標準試験方法で確認された構造性能を示す。
(5)法令の構造計算規定に対応した標準施工方法を示すとともに標準試験方法によって
確認された構造性能を示す。
(6)その他、耐久性能・防水性能等についての設計・施工法のキーポイントを設計者・施工
者に理解、しらしめる。
ことを目的に作成した。
1-2 仕様規定への対応
建築基準法に寄れば、屋根葺き材は、昭和46建告示第109号に規定する取付け仕様の規
定を満足すればよいことになっている。しかしながら「瓦屋根標準設計施工ガイドライン」では、
これまでの災害などの経験から以下に示すような構造計算規定に定められた基準風速にも
とづき、取付け方法をとるものとした。
(1)平部(一般には風圧力が地震力を上回る)について
標準的なJ形桟瓦
(a)基準風速32m/s未満地域は、基本として平部2枚に1枚の留め付け
(b)基準風速32m/s以上、38m/s未満地域は基本として平部全数の留め付け
(c)基準風速38m/s以上地域は、基本として構造計算規定で対応
標準的なS形桟瓦
(a)基準風速32m/s未満地域は、基本として平部2枚に1枚の留め付け
(b)基準風速32m/s以上、38m/s未満地域は基本として平部全数の留め付け (c)基準風速38m/s以上地域は、基本として構造計算規定で対応
標準的なF形桟瓦
(a)基準風速32m/s未満地域は、基本として平部全数の留め付け
(b)基準風速32m/s以上、38m/s未満地域は基本として平部全数の留め付け及び補強 (c)基準風速38m/s以上地域は、基本として構造計算規定で対応
なお、地形の影響等により風速の増大が見込まれる場合はそれに対する適切な配慮が
必要になる。
(2)棟部(一般には地震力が風圧力を上回る)について
基本としては棟芯材、棟補強金物を用いる。これは加速度1Gによる地震力に対して脱落
しない性能を有するものである。
1-3 構造計算規定への対応 法令に従い、荷重・外力を算定する。採用しようとする瓦の取り付け方法について、標準試
より算定された荷重・外力に対し、脱落等の構造安全性に関する支障がないことを確認する。
験方法に本ガイドラインには、いくつかの標準工法が示されている。各標準工法にはそれぞ
れ構造安全性が確認された荷重・外力の値も示されている。よってそれらの標準工法につ
いては、改めて試験することなく採用することができる。
参考文献
社団法人全日本瓦工事業連盟発行 『かわら2004・33号』
44
第2 章
屋根葺き
屋根葺き材(瓦)に関する関連法令告示
する関連法令告示
(ガイドライン抜粋瓦工事関係法規法令
(ガイドライン抜粋瓦工事関係法規法令)
抜粋瓦工事関係法規法令)
2-1 はじめに
ここでは、建築基準法施行令ならびに関連建設省告示に従って、構造安全性、風荷重、
屋根葺き材・ 外装材・帳壁等の外装材の耐風設計に関わる基準を紹介する。
2-2 外装材等に関係する法令の条文及び告示の概説
■建築基準法
●法第20条(構造耐力)
すべての建築物について、安全な構造でなければならないこと、および一定規模以上
の建築物に ついては、構造計算で安全な構造であることを確認しなければならないと
規定している。
■建築基準法施行令
●令第36条(構造方法に関する技術的基準)
建築物の荷重、外力に対する安全上必要な構造方法を定めている。
●令第39条(屋根葺き材等の緊結)
屋根葺き材について、風圧力や地震等の振動によって脱落しないように規定している。
●令第82条の5(屋根葺き材等の構造計算)
屋根葺き材は平12告示第1458号に規定する構造計算で、風圧力に対し構造耐力上
安全であることを、確認しな ければならないと規定している。(一定規模以上の建築物)
●令第82条の6(限界耐力計算)
屋根葺き材について、地震力によって建築物に生ずる加速度等を考慮して、地震に対
する構造安全性を、また風圧力に対する構造安全性を構造計算によって確認すること
を規定している。
■建設省告示
●昭46告示第109号(屋根葺き材、外装材及び屋外に面する帳壁の基準を定める件)
屋根葺き材は、荷重・外力に対し脱落、浮き上がりを生じないように、たるき、梁、けた、
野地板、その他 これらに類する構造部材に取り付けること。また、屋根葺き材や緊結金
物等について、腐食や腐朽する 恐れのある場合は、有効なさび止めや防腐の為の措置
をとること。さらに屋根瓦について軒やけらばから二枚通りまでを一枚ごとに、その他の
部分のうち棟については、一枚ごとに、銅線、鉄線、釘等で下地に 緊結し、またはこれと
同等以上の効果を有する方法ではがれ落ちないように葺 くことを定めている。
●平12告示第1454号( E の数値を算出する方法並びに Vo 及び風力係数の数
値を定める件)告示の第一で、E
E について、E=Er
E=Er Gf の式によって計算をする
ことを規定している。
( Er :平均風速の高さ方向の分布を表す係数、Gf
Gf :ガスト影響係数)
告示の第二では、地方の区分ごとの Vo
45
についての数値を表示している。
●平12告示第1457号
(Td、
Td、Bdi、
Bdi、 安全限界変位、Ts、
Ts、Bsi、
Bsi、Fh 及びGs を計算する方法、並び
に屋根葺き材等の構造耐力上の安全を確かめるための構造計算の基準を 定める件)
地震力に対しては、建築物の損傷限界時に屋根葺き材が取り付く 階に生ずる加速度に
よって、屋根葺き 材に作用する力に対し、緊結部の応力が短期許容応力度を超えない
ことを確かめることを求めている。
●平12告示第1458号
(屋根葺き材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐力上の、安全性を確かめる
ための構造計算の基準を定める件)
建築物の屋根葺き材等の、風圧力に対する構造耐力上の安全性を確める構造計算方
法を定めている。 また、風圧力の算定に必要なピーク風力係数を規定している。
W= f
風圧力の算定式は ここで、
௥
௢
௙
2
= 0.6 2
:平均風速の高さ方向の分布を表す係数で、平12告示第1454号に規定する数値
:基準風速、
(それぞれの地域で予想される標準の平均風速)
:ピーク風力係数
:平均速度圧
(風の強さの基準値)
2-3 法令の適用
法令の規定は、いわゆる仕様規定と構造計算規定からなる。
仕様規定については、令第39条ならびにそれを受けた昭46告示第109号で規定され
ている。この仕様規定は、すべての建築物の外装材等に適用される。
構造計算規定は、令第82条の5を受けた平12告示第1458号、ないし令第82条の
6 の七を受けた平12告示第1457号で規定 (風圧力に関する部分は、この告示か
ら孫引の形で平12告示第1458号で規定)されている。
この構造計算規定は、法第20条で構造安全性を構造計算で確めなければならない
と、規定され「木造建築 物では、階数3以上のもの、述べ面積500㎡、高さが13m
もしくは軒の高さが9mを超えるもの」。「木造以 外では、階数2以上のもの、延べ面
積が200㎡を超えるもの」となっている。
参考文献
社団法人全日本瓦工事業連盟発行『かわら2004・33号』
46
第3章
構造計算規定
3-1 概 要
法令の構造計算規定によれば、屋根葺き材の構造安全性に係わる荷重・外力は、
風圧力と地震荷重 である。
3-2 風圧力
(1) 風圧力の構造計算
屋根葺き材の構造耐力上の安全性を確めるための風圧力は、平12建告第1458号
において次式にて算出することが示されている。
W = f
2
‫ݍ‬ത =0.6Er
ு α
௓ಸ
Er=1.7
ここで、
W
‫ݍ‬ത
‫ ܥ‬መ௙
Vo2
:風圧力(単位:N/㎡)
:平均速度圧(単位:N/㎡)
:ピーク風力係数
:平均風速の高さ方向の分布を表す係数
H :建築物と軒の高さの平均、 H ≦Z b の時 H=Z b (単位:m)
ࡱ࢘
ࢆࡳ
ܸ௢
、 α :地表面粗度区分に応じて表に掲げる数値(ただし、地表面粗度
区分がⅣの場合は、Ⅲの数値を用いるものとする。)
:基準風速(単位:m/s)
地表面粗度区分
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Zb
5
5
5
10
ZG
250
350
450
550
α
0.10
0.15
0.20
0.27
局地的な地形や地物の影響により、平均風速が割り増しされているおそれがある場合
には、その影響 を適切に評価し、Erを割り増す必要がある。
地表面粗度区分については平12建告第1454号に規定されている。
Ⅰは都市計画区域外にあって、極めて平坦で障害物がないものとして特定行政庁が
規則で定める区域とな っている。
Ⅱは都市計画区域外にあって地表面粗度区分Ⅰ以外の区域、又は都市計画区域内
にあって地表面粗度区分がⅣ以外の区域で、海岸線または湖岸線から500m以内の
区域、ただし建築物の高さが13m以下の場合または海岸線もしくは湖岸線から200m
を超え、かつ、建築物の高さが31m以下の場合は除くとなって いる。
Ⅳは都市計画区域内にあって、都市化が極めて著しいとして特定行政庁が規則で定
める区域となっている。
Ⅲは、Ⅰ、Ⅱ、又はⅣ以外の区域である。
以上の規定から、住宅等の低層建築物の屋根葺き材の場合はほとんど。地表面粗度
区分はⅢと想定 することになる。
47
基準風速は30m/s~46m/sの範囲で9区分され、それぞれの行政単位ごとに平12
建告第1454号第二に示された表に定められている。(P47の表および地図を参照)
ピーク風力係数はピーク外圧係数とピーク内圧係数の差で規定される。瓦を吹き飛ば
そうとする風力は ピーク外圧係数が負のとき発生する。
このときピーク内圧係数は0となる関係から、ピーク風力係数はピーク外圧係数と同じ
値となる。
d
C
a
0.
3a
θ(度)
部位
0.
1a
b
1a
0.
3a
0.
≧30
20
≦10
勾配目安
≒2寸以下
a・平部
-2.5
b・軒・袖・棟
-3.2
c・隅棟
-4.3
d・棟端
-3.2
≒4寸
≒6寸
-3.2
-5.4
a・平面の短辺長さとHの2倍の小さい方の数値
参考文献
社団法人全日本瓦工事業連盟発行 『かわら2004・33号』
48
-3.2
県別基 準風 速一覧 表
県 名
基準 風 速
県 名
基準 風 速
県 名
基準 風 速
北海 道
30・32・34・36
新 潟
30・32
岡 山
30・32
青 森
34
富 山
30
広 島
30・32・34
岩 手
30・32・34
石 川
30
山 口
34
宮 城
30
福 井
30・32
徳 島
34・36・38
秋 田
30.32.34
岐 阜
30・32・34
香 川
34
山 形
30.32
静 岡
32・34・36
愛 媛
34
福 島
30
愛 知
30・32・34
34・36・38・40
茨 城
30・32・34・36
三 重
34
高 知
福 岡
栃 木
30
滋 賀
32・34
佐 賀
34
群 馬
30
京 都
32
長 崎
34・36
埼 玉
30・32・34
大 阪
32・34
熊 本
30・32・34
千 葉
34・36・38
兵 庫
30・32・34
大 分
30・32
東 京
30・32・34・38・42
奈 良
32.34
宮 崎
32・34・36
神奈 川
32・34・36
和歌 山
34
山 梨
30・32
鳥 取
30・32
長 野
30
島 根
30・32・34
32・34
36・38・40
鹿児 島
42・44・46
46
沖 縄
全国 基 準 風 速地 図
32m
3 0 m/ s
32 m / s
30m
36m
3 4 m/ s
34m
34m
3 6 m/ s
34m
32m
3 8 m/ s
4 0 m/ s
32m
4 2 m/ s
4 4 m/ s
30m
32m
4 6 m/ s
30m
34m
34m
34m
34m
36m
40m
36m
34m
32m
36m
36m
32m
36m
38m
32m
38m
40m
38m
42m
44m
46m
46m
参考資料
49
瓦屋根標準設計・施工ガイドラインより抜粋
地震力
第88条 建築物の地上部分の地震力については、当該建築物の各部分の高さに応じ、
当該高さの部分が支える部分に作用する、全体の地震力として計算するものとし、
その数値は、当該部分の固定荷重と積載荷重との和(第86条第2項ただし書の
規定によって特定行政庁ガ指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加え
るものとする。)に該当高さにおける地震層せん断力係数を乗じて計算しなければ
ならない。この場合において、地震層せん断力係数は、次の式によって計算する ものとする。
Ci=ZRtAiCo
この式において、 Ci、
Co はそれぞれ次の数値を表すものとする。
Ci Z 、 Rt 、 Ai 及びCo
Ci
Z
建築物の地上部分の一定の高さにおける地震層せん断力係数
その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震
活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内にお
いて国土交通大臣が定める数値
Rt
建築物の振動特性を表すものとして、建築物の弾性域における固有
周期及び地盤の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算
出した数値
Ai
建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の建築物の高さ方
向の分布を表すものとして国土交通大臣が定める方法により算出し
た数値
Co
2
標準せん断力係数
標準せん断力係数は、0.2以上としなければならない。ただし、地盤が著しく軟弱
な区域として特定行政庁が国土交通大臣の定める基準に基づいて規則で指定
する区域内における木造の建築物(第46条第2項第一号に掲げる基準に適合す
るものを除く)にあっては、0.3以上としなければならない。
(以下略)
参考資料
瓦屋根標準設計・施工ガイドラインより抜粋
50
(追加資料)
瓦のガイドライン工法
のガイドライン工法 工法 ガイドライン工法
ガイドライン工法は
工法は、耐震性、
耐震性、耐風性を
耐風性を飛躍的にアップさせた
飛躍的にアップさせた施工基準
にアップさせた施工基準です
施工基準です。
です。
高品質な瓦と優れた施工方法。この二つが揃ってはじめて。安心・快適な瓦屋根が
出来上がります。全日本瓦工事業連盟では、最新の実験データに基づいた「ガイド
ライン工法」を推奨。そのメリットは、従来の施工法に比べて耐震性・耐風性が飛躍
的にアップしたことです。
ガイドライン工法
ガイドライン工法なら
工法なら台風
なら台風の
台風の強い風にも安心
にも安心。
安心。
台風にも
台風にも安心
強風が吹いても、
いても、瓦はずれない、
はずれない、飛ばない。
ばない。
にも安心。
安心。強風が
平成12年、建設省(当時)は全国の自治体ごとに「基準風速」を決め、大型台風下
の強風でも瓦が飛ばされない工事を実施するよう指示しました。この「基準風速」に
従って、安全な瓦屋根づくりの標準施工方法を示したのが「ガイドライン工法」です。
瓦表面に
瓦表面に当たる風
たる風だけでなく、
だけでなく、巻き上げる風圧
げる風圧にも
風圧にも強
にも強さを発揮
さを発揮。
発揮。
瓦屋根の強風対策でもっとも大切なこと。それは風が通り過ぎるときに生じる「瓦を
巻き上げる力(内圧)です。「ガイドライン工法」では、風が瓦屋根の表面に当たった
ときの外圧と、持ち上げようとする内圧を緻密に計算して施工します。
新幹線(250
新幹線(250km/
(250km/h)
km/h)並
h)並みの強風
みの強風が
強風が屋根を
屋根を直撃!
直撃!ガイドライン工法
ガイドライン工法は
工法は、そんな
激しい台風
しい台風も
台風も想定しています
想定しています。
しています。
日本でもっとも風の強い「基準風速46m」地域は、沖縄県と南西諸島の一部だけ。
40mのレッドゾーンには高知県、鹿児島県がリストアップされています。昨今の台
風襲来回数の多さを考えると、基準風速が低いからと言って油断は禁物です。
参考資料
ガイドライン工法/全日本瓦工事業連盟
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耐震性
“地震の
地震の巣”と呼
”と呼ばれる日本列島
ばれる日本列島の
日本列島の現状
太平洋プレートとフィリピン海プレートがぶつかり合う日本列島。私たちはまさに、地
震の巣の上に暮らしているといっても過言ではありません。いつ、どこで起こるか分
からない巨大地震に備えるため、瓦屋根もより安全性の高い方法で施工する必要
があります。
「阪神・
阪神・淡路大地震クラスの
淡路大地震クラスの揺
クラスの揺れに耐
れに耐える。
える。
「ガイドライン工法」は、巨大地震(震度7)にも耐える耐震工法です。一般の木造
建築の場合。地震時に最も揺れの影響を受けやすいのが屋根の一番上の棟部分。
こうした部分ごとの耐震実験や実物大の家屋による振動実験の結果を受け、巨大
地震の揺れにも対応できる工法としてまとめられたのが「ガイドライン工法」です。
“地震大国”
地震大国”日本にかかせない
日本にかかせない先進
にかかせない先進の
先進の耐震工法。
耐震工法。
私たち瓦業界は、地震大国・日本に欠かせない耐震工法の開発にむけて長年努
力を重ねてきました。以来、多くの実験・研究を繰り返し、確立させたのが「ガイド
ライン工法」です。全日本瓦工事業連盟では、この画期的な耐震工法の全国的な
普及をめざします。
発生が
発生が危惧される
危惧される「
される「東海大地震」
東海大地震」も想定。
想定。
今後発生が危惧されている[東海大地震」に予想波でも耐震実験を実施。
全日本瓦工事業連盟では「ガイドライン工法」の現状に満足することなく、つねに
未来を見据えた安心・安全を追求し続けています。
数々の
数々の実験で
実験で証明される
証明される「
される「耐震性」
耐震性」
平成17年11月、独立行政法人防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は兵庫県
三木市で世界最大級の震動台「実大三次元震動破壊実験施設(通称。E-ディフ
ェンス)」にて、阪神大地震と同じ震度7クラスを再現した実験を実施。いづれも2階
建て、無補強住宅と各種補強を施した住宅の比較をした。
倒壊した無補強の住宅は、屋根についてはほとんど損傷が見られない。この実験
で使用された屋根材は瓦であり、実験で採用された瓦の施工方法こそがガイドラ
イン工法です。実験では、無補強の住宅の二階部分が1階を押しつぶしているが、
これは瓦屋根の重さによるものでなく、柱や壁の耐力不足にあります。柱や基礎
が老朽化していたり、壁のバランスが悪い場合に倒壊する事例が多いようです。
建築基準法では、屋根の種類によって躯体の強度を決めることになっています。
屋根にあわせて柱の太さや壁の量を決めるルールです。
「屋根を軽くすれば耐震性能が向上する」というものではありません。
参考資料
ガイドライン工法/全日本瓦工事業連盟
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本
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TEL0854-89-0201 FAX0854-89-0276
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広島サービスセンター/広島県山県郡北広島町本地605-1
TEL0826-73-0587 FAX0826-73-0588
平成27年 5月改訂