電子証明書IC カードと無償独占 15.9.3 情報化対策部長 田中一志 電子

電子証明書 IC カードと無償独占
15.9.3 情報化対策部長 田中一志
電子政府構築計画は、
「利用者本位で、透明性が高く、効率的で、安全な行政サービスの提供」と「行
政内部の業務・システムの最適化(効率化・合理化)
」を図ることです。このことから国税庁は16年2
月の所得税申告を名古屋局で開始し、16年6月の法人税申告から全国的に拡大され、新しい申告形態
が出現します。ここでは、電子申告、電子証明書ICカードと無償独占の関係について説明します。
電子申告が出来る者は申告納税制度から、納税者本人と税理士等に限られます。税理士法改正での論
議や行政オンライン化手続での税務書類作成も税理士の無償独占が確認されたことや納税者への税理士
の関与実態などから、税理士の電子申告に果たす役割は従来以上に増すものと思います。
インターネットで電子申告をする場合に、誰かに成りすまして申告するとか、通信途上の税務書類の
改ざんや自分の申告でないと否認することなどが考えられます。電子申告により租税債権が確定するな
どの重要性から、それらを防止するために公開鍵暗号方式による電子証明書を利用する方式が採用され
ます。
このようなことから、日税連では電子申告をするために必要な税理士の電子証明書を発行するための
認証局を設置し、電子証明書を格納する媒体のICカードを全員に配布します。電子証明書の発行に際
しては厳重な本人確認が必要で、本人の記名押印のある電子証明書発行申請書の提出に住民票の写しと
印鑑登録証明書の添付が要求されます。
総務省による住民基本台帳ネットワークの構築と印鑑証明書の電子版とも言える公的個人認証サービ
スがこの秋に稼動します。
国税庁では15年度中に電子申告関連の予算を200億円投じて構築します。
電子申告に国民がどのように取り組むだろうかにつき、一つの示唆があります。国税庁のホームページ
で14年の所得税申告が入力・印刷出力・提出まで出来るシステムへのアクセスは見込みを大きく上回
る333万件となり、印刷された件数は107万件でした。このことから一般社会での潜在的なインタ
ーネット申告需要は大変大きなものと国税庁や税務関連メーカー各社の対応も積極的になるでしょう。
それでは、
「電子申告と税理士を取巻く環境」と題した図の上段を左から説明します。まず初めに、税
理士法の改正で税理士法人の設立が可能となり、監査法人系の大規模税理士法人が出現しています。そ
の間に、行政オンライン化法での税務書類(オンライン手続きを含む)の改正により電子申告は税理士の
無償独占が守られました。次いで、法科大学院の設立が認可され、税理士業務の出来る弁護士の急増と
公認会計士法の改正により、税理士になりうる公認会計士も急増が見込まれ、2010年には税理士数
は3倍になると危惧されます。これらの問題は法律の改正ですが、図の下段も大きな問題です。行政や
民間企業では財政危機、経営危機からの脱出策として、基幹業務以外の業務をアウト・ソーシング(外部
委託)することが進んでいます。フロント・オフィス業務やバック・オフィス業務(会計・財務・人事・
給与計算など)を専門家不足やコスト削減のためにアウト・ソーシング企業へ委託するのが急増している
のです。また、政府税制調査会の中期答申では給与課税の見直しで、給与所得控除の縮減と年末調整か
ら特定支出控除による確定申告への移行が指摘されています。
このような状況下で、電子証明書の入手手続きが面倒だとかの理由で電子証明書入手が低調で、税理
士が電子申告に積極的に取り組まなければ、電子申告件数は低くになるでしょう。すべての行政には実
績評価システムがあり、電子申告普及割合が低調であれば普及啓蒙策の再検討にせまれ、国民や行政が
電子申告の担い手を他に求めるのは規制緩和の流れの中ではしかたないのではないか。
日税連では電子申告に積極的に取り組むことが税理士の無償独占制度の擁護であると認証局構築と電
子証明書の全員配布を決定しました。電子証明書は税理士の変更手続きや研修履歴のデータ収集のため
に活用することを前提にしています。
会員全員による電子証明書ICカードの入手をお願いいたします。
「電子証明書ICカード」の入手手順 (通常の場合)
1、 日税連の登録システムから必要事項を印刷した電子証明書発行申請書を記載例、利用同意書と返信
用封筒とともに会員事務所へ送付する。(11月を予定)
2、 電子証明書発行申請書の内容を確認し、押印(実印)のうえ、住民票の写し並びに印鑑登録証明書を
同封し、返信用封筒にて返送する。
3、 日税連認証局からICカードと受領ハガキ及び必要資料を本人限定郵便で会員事務所宛てに送付
する。
4、 受取郵便局へ運転免許証などの公的証明書と税理士証票を持参して、ICカード等を受領する。
5、 同封の受領ハガキに署名、押印(実印)のうえ、返送する。