フロシール総合カタログ

高度管理医療機器 ヒトトロンビン含有ゼラチン使用吸収性局所止血材
特定生物由来製品
(5mL /10mL)
保険適用
フロシールは、架橋結合(クロスリンク)
したゼラチン粒子と
ヒトトロンビンを原材料とする、
フローアブル* な吸収性の
局所止血材です。
架橋ゼラチン粒子をヒトトロンビンが取り囲むことによって、
補助的な機能を
果たし、速やかで効果的な止血を可能にします。
フロシールは、1999 年に欧州で、2000 年に米国で販売されて以降、世界
+
約40カ国で600万キット 以上が販売された、豊富な使用実績があります。
粘稠性流動体
*+ 2012
年時点
特許を取得した架橋ゼラチン粒子
日本特許第4418535号
(癒着防止用の断片化重合体ヒドロゲルおよびそれらの調製)
フロシールの止血原理
●
血液との接触による架橋ゼラチン粒子の膨張がタンポナーデ効果を発揮して出血を減じます。
●
フロシール内のトロンビンがフィブリン形成を促進して止血を補助します。
フロシールを出血部位に適用します。
フロシール内のトロンビンが
フィブリン形成を促進します。
1
架橋ゼラチン粒子の膨張が
出血部位を閉塞します。
止血後、余剰分のフロシールを
洗浄除去します。
生体内に吸収されます。
各種外科手術での適用 1
出血部位に直接適用できるため、狭い術野、深い術野など各種の手術 注意)に使用可能です。
注意)
【禁忌・禁止】適用対象 (部位:
) 眼内
脊椎・脊髄外科手術
心臓血管外科手術
人工関節手術
脳神経外科手術
Easy to Use
●
フロシールは出血のあるウェットな部位に適用します1, 2, 5。
● トロンビン溶液と架橋ゼラチンの混合は、
約
●
1分程度で完了します 2。
必要なアイテムが1つのキットに揃っています。
トロンビン溶液と架橋ゼラチンの混合
3
フロシール(10mL)
Cat. No.1503279
フロシール(5mL)
6
Cat. No.1503278
構成品内容
構成品内容
• ゼラチンシリンジ(1本)
• 混合用シリンジ(1本)
• ミキシングボウル(1個)
• アプリケーター(2種)
• トロンビンバイアル(2バイアル)
• 溶解液バイアル(2バイアル)
• 針付シリンジ (5mL /1本)
• コネクター
(1個)
• ゼラチンシリンジ(1本)
• 混合用シリンジ(1本)
• ミキシングボウル(1個)
• アプリケーター(2種)
• トロンビンバイアル(1バイアル)
• 溶解液バイアル(1バイアル)
• 針付シリンジ (5mL /1本)
7
5
2
1
2
3
4
5
6
4
1
7
※写真はフロシール
(5mL)のキット内容です。
2
フロシールの適用方法
■ ステップ 1
フロシールは出血組織表面に正確に適用します。
創面の不規則な形状にゼラチン粒子が適合します。
■ ステップ 2
創部を覆うため、十分量を用います。
■ ステップ 3
適用は速やかに行います。
出血の勢いでフロシールが流れ落ちてしまわないように、
シリンジから
フロシールを速やかに押し出して
(出血よりも早い速度で)適用します。
■ ステップ 4
生理食塩水で湿らせたガーゼ等を用いてフロシール適用部位に軽く指を
添えるようにして保持します。
(圧迫しないこと)
2分間経ってからガーゼを外し、確認します。
強い出血や凝固障害のある患者の場合は、さらに時間を要することがあります。
追加の適用が必要な場合もあります。
■ ステップ 5
止血が得られたら、凝血塊に取り込まれなかったフロシールをそっと洗い
流します。
取り込まれなかったフロシールは、凝血塊を壊さずに簡単に洗い流すことが
できます。
フロシールの適用のポイント : 適用の大原則
3
1
出血部位に直接適用してください。
2
創面を完全に覆うよう十分量を適用してください。
3
適用は迅速に行ってください。
4
出血部位に2分間保持してください。
5
凝血塊の形成を妨げないよう余剰分をそっと洗い吸引してください。
4 出血していることが必須となります。
4 血管内や組織に注入又は詰め込まないでください。
4 さらに必要であれば出血部位のできるだけ近くに再適用します。適用した層の上には再適用しないでください。
4 出血の勢いでフロシールが流れ落ちてしまわないように、出血よりも早い速度で行うことが必要です。
4 生理食塩水で湿らせたガーゼ等を用いて保持します。
(圧迫しないこと)
4 余剰分のフロシールが、
組織を刺激したり、合併症を引き起こしたりすることを防ぐためです。
フロシールの特徴
フローアブル(粘稠性流動体)
●
架橋ゼラチン粒子は不規則な創面にも適合します 1, 2。
●
局所又はびまん性出血にも使用可能です。
●
硬い組織にも軟部組織にも使用可能です 3。
架橋ゼラチン粒子
止血原理(タンポナーデ効果と強固な凝血塊)
● 患者血液に接触後、
フロシールは最大約20%膨張し、物理的に血流を
押さえます。
(タンポナーデ効果)1
架橋ゼラチン粒子間に浸透した血液がヒトトロンビンと接触し、患者の
フィブリノーゲンをフィブリンに変換することで、凝血塊の安定化を
促進して止血を補助します 1。
●
●
凝血塊に取り込まれたフロシールは6– 8週間で生体内に吸収されます1。
タンポナーデ効果と凝血塊の形成
速やかで効果的な止血作用
2 分以内の速やかな止血(止血までの時間の中央値)を実現します 3。
● ほとんどの出血
( 97 % )を6 –10 分以内に止血可能です 1。
●
●
骨や軟部組織の出血にも対応可能です 3, 4。
良好な術野の確保
●
凝血塊に取り込まれなかった余剰分のフロシールは簡単に洗い流せるため、良好な術野の確保につながります 1。
ヘパリン投与の影響を受けにくい
●
ヘパリンを投与している心疾患患者であっても、出血の89%を10分以内に止血します 1, 5。
不具合・有害事象
海外で実施された比較臨床試験
(156例)
において認められた主な有害事象は貧血
(12例、
7.7%)、心房細動及び感染(共に10例、6.4%)
でした。そのうち、
フロシールの使用との因果関係があると外科医により判断された有害事象は、貧血(2例、1.3%)、軽度の処置後出血
(1例、1%未満)、炎症(1例、1%未満)
でした。
●
多施設共同前向き比較臨床試験
(海外)6 309例、心臓外科/血管外科/脊椎・脊髄外科手術
出血が確認された患者309例を、
フロシール群またはウシ由来トロンビンを含ませたゼラチンスポンジ(対照)群に無作為に割付けた。
10分以内に止血が得られた場合を成功とみなし、適用から1、2、3、6、10分後の状態を確認した。
出血を「滲出性(oozing)」、
「湧出性(flowing)」、
「噴出性(spurting)」に分けて評価した結果、約3分の1の患者が「湧出性」または「噴出性」に分類された。
†PPS解析集団
†
止血成功率(初回病変)
69.2%
40.5%
21.3%
97.4%
93.5%
84.9%
76.6%
68.0%
48.0%
32.0%
0~1分
1~2分
2~3分
3~6分
6~10 分
(
* 62/153)(32/150)
(
* 106/153)
(48/150)
(
* 130/153)
(72/150)
(
* 143/153)
(102/150)
(
* 149/153)
(115/150)
フロシール群
トロンビン含有ゼラチンスポンジ群
* 完全な止血が得られた患者の累積率
4
特定生物由来製品
販売名
和名 フロシール
一般的名称 ヒトトロンビン含有ゼラチン使用吸収性局所止血材
洋名
保険請求名 微線維性コラーゲン
(フロシール)
Floseal
医療機器承認番号
クラス分類
22600BZX00074000
高度管理医療機器(クラスⅣ)
【警告】
があればそっと洗い落とすこと。骨孔、骨の境界領域、脊髄、脳及び脳神経に対し、又はその周辺部もしくは近接部に使う
1. 余剰分(凝血塊に吸収されずに残った量)
ときは、細部まで丁寧に洗い落とすこと。
手術の種類にかかわらず、
使用者は周囲の組織に影響が及ぶ可能性を考慮すること。膨張は約10分以内に最大に達する。
2. 本品は適用後最大約20%膨張するため、
[本品の膨張により、頭蓋内又は脊髄硬膜下圧を
3. 脳神経領域、特に術前から脳浮腫の強い症例や脊髄手術などにおいては、必要量以上の本品を使用しないこと。
上昇させる危険があるため。]
<適用対象(部位)
>
[汚染部位は、新たな感染巣となる可能性があるため。]
1. 汚染された部位には、十分な洗浄除去等の適切な処置を行い、使用すること。
【禁忌・禁止】
<適用対象(患者)
>
1. ウシ由来成分に過敏症の既往歴のある患者
<適用対象(部位)
>
1. 本品を血管内に注入又は詰め込まないこと。また、血流のない部位、例えばクランプによる血流遮断やバイパス処置された血管に使用しないこと。
[血管内に凝固が広がり、場合によっては死に至る恐れがある。]
[生命を脅かすことになり得る血栓塞栓症・アナフィラキシーを起こす可能性がある。]
2. 血管内や組織に注入又は詰め込まないこと。
3. 感染部位[感染巣を悪化させる可能性があるため。]
4. 眼内[眼の手術における安全性及び有効性は確立されていない。]
5. 皮膚切開部[皮膚創縁の癒合を妨げる可能性があるため。]
<使用方法>
再使用禁止・再滅菌しないこと
【使用目的、効能又は効果】
結紮又は通常の処置による止血が無効、又は実施できない場合の各種手術時(眼科以外)の補完処置的な止血
〔効能又は効果に関連する使用上の注意〕
精細な外科手術や、結紮等止血を目的とする従来法の処置に代わるものではない。本品は、止血予防材として使用しないこと。
【使用上の注意】
1. 使用注意(次の患者には慎重に投与すること)
(1)血液凝固障害の一次治療として使用しないこと。
(2)癌原性、変異原性、妊孕性の障害
本品の癌原性の可能性を評価する長期動物試験や、本品が妊孕性に与える影響を 調べるための試験は、実施されていない。
(3)抗生物質の溶液又はパウダーとの併用における安全性及び有効性は確立されていない。
2. 重要な基本的注意
[患者への説明]
本品の使用にあたっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、本品の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられ ているが、乾燥ヒトトロンビン
及びヒト血清アルブミンが使用されていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
【貯蔵・保管方法及び使用期間等】
1. 貯蔵・保管方法
で保管すること。
高温、多湿、直射日光のあたる場所を避け、25℃以下(凍結を避ける)
2. 有効期間・使用期限
(使用期限を過ぎた製品は使用しないこと)
包装に表示の使用期限内に使用すること。
【取扱い上の注意】
本品は特定生物由来製品に該当することから、本品を使用した場合は、医療機関等において、販売名、製造番号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名・住所
(使用期限を過ぎた製品は使用しないこと)
等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
<特定生物由来原材料>
原材料名
含有
備考
2500単位
乾燥ヒトトロンビン ( バイアル中)
1
採血国:米国
採血の区分:非献血 注1)
乾燥ヒトトロンビンの製造工程において、
ヒト血清アルブミンを使用している
(採血国:米国、採血の区分:非献血 注1) )。
注1) 献血又は非献血の区別の考え方
献血又は非献血の区分は製品の安全性の優劣を示すものでありません。この表示区別は、下記の手順に従って決められています。
採血国の政府が「自発的な無償供血」
の定義を有しているか
いない
いる
その定義が1991年国際赤十字・
赤新月社決議と同じ趣旨か
同じ趣旨
異なる
確認できない
「非献血」の表示
当該国の「自発的な無償供血」の定義に
そって採血されたことが確認できるか
確認できる
「献血」の表示
参考文献
1. Oz MC, Rondinone JF, Shargill NS. FLOSEAL matrix: new generation topical hemostatic sealant. J Card Surg. 2003;18:486-493.
2. Fiss I, Danne M, Stendel R. Use of gelatin-thrombin matrix hemostaticsealant in cranial neurosurgery. Neurol Med Chir. 2007;47:462-467
3. Renkens Jr K.L. et al. A Multicenter, prospective, randomized trial evaluating a new hemostatic agent for spinal surgery. Spine 2001; 26:-1645-1650.
4. Solimeno LP, Casadei C, Pasta G, et al. Blood-sparing knee surgery in patients with haemophilia: use of a novel haemostatic matrix. European Musculoskeletal Review. 2008;3(1):33-36
5. Oz MC, Cosgrove DM, Badduke BR. Controlled clinical trial of a novel hemostatic agent in cardiac surgery. Ann Thorac Surg. 2000;69:1376-1382.
6. バクスター社内資料
製造販売元(輸入元)
販売業者
バクスター株式会社
日本メドトロニック株式会社
東京都中央区晴海一丁目8番10号
東京都港区東新橋2-14-1
[ 文献請求先 ] 03-6430-2011 (大代表)
受付時間:9:00∼17:30(土、日、祝日、その他当社の休業日を除く)
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Baxter及びFlosealはバクスターインターナショナルインクの登録商標です。
R1503093 FLO-001-02 2015年4月作成