公衆衛生系専門職大学院基準(改定案)に対する意見

平成 27 年6月 23 日
公衆衛生系専門職大学院基準(改定案)に対する意見募集の結果について
公益財団法人 大 学 基 準 協 会
公衆衛生系専門職大学院基準委員会
委 員 長
橋 本 英 樹
本協会の公衆衛生系専門職大学院基準(改定案)に対して、公衆衛生系専門職大学院、公衆衛生分野の大学院及び関連団体並びに本協会正会員大学より
貴重なご意見を賜りました。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。
つきましては、この度の意見募集の結果を以下の通り公表いたします。
【意見募集の概要】
1
案
件
名
公衆衛生系専門職大学院基準(改定案)に対するご意見について
2
意 見 募 集 期 間
2015(平成 27)年3月 20 日(金)~同年4月 15 日(水)
3
意 見 提 出 者 数
6団体
4
内容別にみた意見件数
15 件
5
意見の受け取り方法
電子メール
1
公衆衛生系専門職大学院基準(改定案)への意見に対する対応
No.
1
意見
意見を踏まえた修正
<基準項目>
2.教育内容・方法・成果
いただいたご意見の趣旨を踏まえ
て、下記の通り修正いたします。
(2)教育方法
項目5:履修指導、学習相談
評価の視点 2-14(13 頁)
<ご意見>
理由
ご意見をいただきました点につ
きまして、本委員会において再度審
「インターンシップ・実習等を実施
議を行いました結果、インターンシ
する場合、守秘義務に関する仕組みを
ップ・実習等を実施する場合におい
規程等で明文化し、かつ、適切な指導
ては、守秘義務のみならず、安全対
を行っていること。
」
策などに関する仕組みについても
→「インターンシップ・実習等を実
規定等で明文化することが必要で
「インターンシップ・実習等を実施する場合、守秘義務に関する 仕
施する場合、守秘義務並びに安全対策
あるとの判断に至り、左記の通り修
組みを規程等で明文化し、かつ、適切な指導を行っていること。」とあ
等に関する仕組みを規程等で明文化
正を行うことといたしました。
りますが、インターンシップ・実習等を実施する場合の「守秘義務に
し、かつ、適切な指導を行っているこ
なお、「事故発生時の対応」につ
関する仕組み」のみならず「安全対策」とその「責務に関する規定」
、 と。」
いては、想定できる事故を網羅的に
「事故発生時の対応」等に関する規定の整備と適切な指導が必要であ
事前にマニュアル化するのは事実
上困難と考え、安全対策に対する一
る。
般的対応の一環として対処してい
ただくことを求めています。
2
<基準項目>
8
修正なし。
ご意見いただきました点につき
ましては、自己点検・評価、認証評
点検・評価、情報公開
価の結果を恒常的に教育研究活動
項目 21:自己点検・評価
の改善・向上に繋げるためには、ま
評価の視点8-4(30 頁)
ずはその仕組みの構築が必要であ
ることから、評価の視点8-2にお
<ご意見>
いて、「自己点検・評価、認証評価
8-4はA群(Advanced)の内容として示されていますが、自己点検
2
の結果を教育研究活動等の改善・向
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
内容は、どのような状況においても教育研究活動の改善・向上に繋げ
上に結びつけるための仕組みを整
るものであると思いますので、F群(Fundamental)の区分になるので
備していること」をF群(Fandame
はないかと考えます。
ntal)として規定し、そのうえで、
評価の視点8-4では、実際にどの
ように改善・向上に結びつけられて
いるかを確認することとしており、
ご意見いただいた点に配慮した規
定とさせていただいておりますこ
とをご理解いただきたく存じます。
3
<基準項目>
3
修正なし。
いただいたご意見につきまして
委員会で再検討しましたが、公衆衛
教育・教員組織
生分野における実務は広範にわた
項目 71:専任教員数、構成等
っている現状に鑑み、一義的な定義
評価の視点3-5(19 頁)
や部分的な例示は、かえって基準の
意図するところを不用意に狭める
<ご意見>
恐れがあると判断いたしました。よ
公衆衛生分野における実務家教員とは、どのようなものを指すか、
って、今回は修正を行うこととはせ
定義または例示があってもいいのではないかと考える。
ず、基準(改定案)のような内容と
させていただきたく存じます。
4
<基準項目>
2.教育内容・方法・成果
(1)教育課程・教育内容
項目3:教育課程の編成 本文(9頁)
3
1につきましては、いただいたご意
1につきましては、ご賢察のとお
見の趣旨を踏まえて、下記の通り修正
り米国の Council on Education fo
いたします。
r Public Health(CEPH)が定める
「各公衆衛生系専門職大学院は、教
5領域を意図していますが、該当科
育課程の編成・実施方針に基づき、理
目用語について定訳がないことか
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
<ご意見>
論と実務の架橋教育である点に留意
ら、「Health」について、より広い
1.教育内容は当然、米国CEPHのガイドラインに準拠しているも
し、体系的に教育課程を編成すること
意味での「健康」という用語を用い
のと思われるが、訳語として Environmental Health Sciences を が求められる。特に、疫学・生物統計
学・環境健康科学・社会行動科学・健
「環境健康科学」としているのは「環境保健学」の方が良いと考
康政策管理学の5領域を基本専門領
える。また、Health Policy and Management を「健康政策管理学」
域とし、系統的教育科目としてそれぞ
という訳語も、明らかに Health Policy and Health Management
れ準備することが求められる。
」
の意味なので、
「保健政策学及び保健管理学」とした方が良いと考
→「各公衆衛生系専門職大学院は、
える。
ることとしました。ただし、定訳が
ないことを再度考慮し、左記の通り
英文との併記に修正することとし
ました。
2につきましては、本委員会にお
いても議論を重ね、その重要性を認
教育課程の編成・実施方針に基づき、 識しているところであり、必要とさ
2.CEPHのガイドラインでは、これら5つのコア知識を習得した
理論と実務の架橋教育である点に留
れる専門的知識・技能を習得するこ
後で、系統的な実習を通して実践スキルを身につけることも必須
意し、体系的に教育課程を編成するこ
とのみならず、課題解決に導く資
としており、実際に専門家として直面するような問題に対して知
とが求められる。特に、疫学(epide
質・能力(competency)の涵養を支
miology)・生物統計学(biostatisti
援する教育が求められるという趣
cs)・環境健康科学(environmental
旨で、基準(改定案)のような内容
health sciences)・社会行動科学(s
としたことをご理解いただきたく
識と実習経験を総合して対処する総合研修をクリアしなければな
らないとされている。これは米国のみならず、マヒドン大学公衆
衛生大学院のMPHコースでも重視されている(International
ocial behavioral sciences)
・健康政
存じます。なお、実際に認証評価を
Students 向けのコースでは言語や生活習慣の制約から比較的短
策管理学(health
services adminis
実施する際には、いただきましたご
期間のコースになっているが、タイ人向けには長期間農村部に住
tration)の5領域を基本専門領域と
意見に配慮した運用を心掛けて参
み込んで問題の発見と解決策の提案を行う実習が必須である)。本
し、系統的教育科目としてそれぞれ準 ります。
基準でも言及が必要と考える。
備することが求められる。
」
3.また、国際協力分野での公衆衛生学修士(専門職)のニーズは高
いので、教育課程全体を英語で実施することも推奨すべきと考え
る。
3につきましては、ご意見いただ
きました英語による授業の実施も
含め、グローバルな視点を涵養する
観点から教育課程を編成すること
を規定していることをご理解いた
だきたく存じます。
(付記)
なお、付記していただいた事項に
4
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
本基準とは離れるが,公衆衛生学修士(専門職)の活躍の場を広げる
関しては、このたびの改定案に対す
ためには、国内では厚生労働省の技官の応募資格が公衆衛生学修士に
るご意見の対象には当たらないこ
も開放されることが必須と考える。現在、医師と歯科医師しか応募資
とから、回答は差し控えさせていた
だきます。
格がないが、MPH取得者こそ厚生労働技官に必要な知識を備えてい
ることは言うまでもない。
5
<基準項目>
修正なし。
ご意見いただきました点につき
1.使命・目的
ましては、本委員会においても課題
項目1:目的の設定及び適切性 本文及び評価の視点全般(6頁)
解決に導く資質・能力(competenc
y)の教育の重要性を認識している
ものの、資質そのものを育成する教
<ご意見>
上記項目には、
「公衆衛生課題の解決には、専門的知識・技能の習得
育方法や資質を測定する評価方法
が現状で標準化されるにはいたっ
は必須であるが、それだけでは十分ではない。必要とされる専門的知
ていないとの判断にいたり、あくま
識・技能を使いこなし、課題解決に導く資質・能力(competency)も
で資質・能力を各学生が伸ばすこと
不可欠である。その資質・能力とは、人間性と論理性を基盤とし、コ
を教育的に支援することが求めら
ミュニケーション能力・マネジメント能力・多様性への寛容・公共に
れると規定することとしました。こ
資する職業倫理観、そして課題解決に向けて動きを興す能力
の点をご理解いただきたく存じま
(advocacy)などである。さらに今日の公衆衛生課題の広域化・多様
化に鑑み、グローバルな視点も必要である。これらの資質・能力の涵
養を支援することも公衆衛生系専門職大学院に求められる。
」とある。
しかし、それに続く評価の視点では大学基準協会が求めている資質
と能力については言及されていない。上記「グローバルな視点」とい
うことを考慮すると、保健医療専門職に対して行われている世界的な
教育内容の変革に沿う教育を日本でも行い、世界的水準の教育を行う
5
す。
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
ことが必要であると考える。日本の公衆衛生系大学院で授与する学位
が国際的に認められた質であることを確保するためにも上記は必要な
点であると考える。
大学院の質に対する取組や国際通用性は文部科学省の中央教育審議
会「新時代の大学院教育」に関する報告(平成 17 年)とも合致する点
である。また、国際的にも活躍できるような高度専門職業人を養成す
るために教育内容の充実と質の向上を図るとする文部科学省中央教育
審議会「グローバル化社会の大学院教育~世界の多様な分野で大学院
修了者が活躍するために~答申」
(平成 23 年)など、日本国内で目指
す大学院教育の方針と合致する。
よって、評価の視点に「今日の公衆衛生課題の広域化・多様化と世
界的水準に見合う専門職の資質・能力の涵養をめざし、人間性と論理
性を基盤とし、コミュニケーション能力・マネジメント能力・リーダ
ーシップ・多様性への寛容・公共に資する職業倫理観、そして課題解
決に向けて動きを興す能力(advocacy)などを教育していること」と
いう視点を追記することを提案する。これを評価区分のF群、少なく
ともA群に導入することが望ましい。その評価に関しては、まずはシ
ラバスへの記載と実施の有無などの基本的な項目での評価が可能であ
る。
6
<基準項目>
いただいたご意見に基づき、下記の
通り修正いたします。
1.使命・目的 本文(6頁)
「国内外の行政機関・保健環境医療
福祉関連機関・教育研究機関・民間組
6
いただいたご意見に基づき、文言
を左記の通り修正することといた
しました。
No.
意見
意見を踏まえた修正
<ご意見>
理由
織等」
第一段落に「国内外の行政機関・保健環境医療福祉関連機関・教育
→「国内外の行政機関・保健医療や
研究機関・民間組織等」とあるが、
「保健環境医療福祉関連機関」とい
福祉、環境に関連する諸機関・教育研
う語が長いと感じられる。
「保健医療や環境、福祉に関連する諸機関」
など分けて記載するよう修正するべきである。
究機関・民間組織等」
なお、上記の修正に伴い、他項目に
おいて同様の文言を用いている箇所
についても、上記の通り修正いたしま
す。
7
<基準項目>
修正なし。
委員会においても、今後わが国に
おいて公衆衛生大学院専門職学位
1.使命・目的 本文(6頁)
において求められる資質・能力の策
定が必要であるとの認識を共有い
<ご意見>
たします。今後、日本公衆衛生学会
欧州公衆衛生大学院協会、米国公衆衛生大学院協会では各学位のコ
等の関係機関や既存・新設の公衆衛
ンピテンシーを策定し、公表している。日本においても、専門職大学
8
生系専門職大学院を中心とした関
院の国際通用性を目指すのであれば、国内外の機関で働く専門職の育
係大学院間における議論がなされ、
成、そして海外の学生も受け入れることをふまえ、今後、日本版の公
その策定が進むことを期待し、議論
衆衛生大学院専門職学位の資質と能力(competency)の策定を進める
が熟した時点で、評価基準に採用す
ことを提案する。
ることが望ましいと考えます。
<基準項目>
2.教育内容・方法・成果
修正なし。
ご意見いただきました点につき
ましては、評価の視点2-2(2)
(1)教育課程・教育内容
において、「公衆衛生系分野の人材
項目3:教育課程の編成 本文及び評価の視点全般(9頁)
養成にとって基本的な内容、発展的
な内容、事例研究等を取扱う科目を
7
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
<ご意見>
適切に配置していること。」と規定
「各公衆衛生系専門職大学院は、教育課程の編成・実施方針に基づき、
し、5領域については、基本的な内
理論と実務の架橋教育である点に留意し、体系的に教育課程を編成す
容に含めていることをご理解いた
だきたく存じます。
ることが求められる。特に、疫学・生物統計学・環境健康科学・社会
行動科学・健康政策管理学の5領域を基本専門領域とし、系統的教育
科目としてそれぞれ準備することが求められる。
」とある。
この5領域を学ぶことは国際的に公衆衛生系専門職大学院の卒業生
に求められる素養である。日本の公衆衛生系専門職大学院卒業生が海
外で活躍すること、他方、海外からの留学生が日本に留学するに当た
りその教育が国際的基準に沿ったものであるか否かを考慮することを
考えるならば、本改正案の評価の視点には 5 領域の基本専門領域が必
須であることを明記すべきである。
評価の視点に「国際基準を鑑みて、疫学・生物統計学・環境健康科
学・社会行動科学・健康政策管理学の5領域の授業を必修として履修
するようカリキュラムを編成することが望ましい。
」という条件を追加
することを提案する。
9
<基準項目>
2.教育内容・方法・成果
1については意見に基づく修正は
1につきましては、評価の対象を
行わないものの、2の意見に基づき、 公衆衛生系専門職大学院としてい
(1)教育課程・教育内容
下記の通り修正を行います。
項目3:教育課程の編成 本文及び評価の視点全般(9頁)
<ご意見>
1.
「Master of Public Health(日本語該当学位名称としては公衆衛
8
る以上、必ずしも School of Publi
「また、Master of Public Health
c Health に限定しておらず、hospi
(日本語該当学位名称としては公衆
tal administration や occupation
衛生学修士(専門職)、社会健康医学
al health などに関連した学位プロ
修士(専門職)など)の学位授与にあ
グラムを含むものとご理解くださ
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
生学修士(専門職)
、社会健康医学修士(専門職)など)の学位授
たっては、その教育課程において上記
与にあたっては、その教育課程において上記の基本専門領域をす
の基本専門領域をすべて包括するこ
2につきましては、本委員会にお
べて包括することが求められる。一方、公衆衛生活動のより限定
とが求められる。一方、公衆衛生活動
いても、専門職大学院のみならず、
のより限定的な領域における専門職
公衆衛生系大学院の質の保証と向
学位(Master of Healthcare Admini
上に寄与するため、汎用性の高い基
stration;医療経営・管理学修士(専
準となるよう検討を重ね、基準(改
門職)、Master of Occupational Hea
定案)のような内容としたことをご
的な領域における専門職学位(Master of Healthcare Administr
ation;医療経営・管理学修士(専門職)
、Master of Occupationa
l Health:産業保健学修士(専門職)など)では、これら基本5分
い。
野の中から重点的に取り上げる領域を選定することも許容され
lth:産業保健学修士(専門職)など) 理解いただきたく存じます。
る。
」とある。
では、これら基本5分野の中から重点
ただし、該当部分については、上
的に取り上げる領域を選定すること
記の趣旨が伝わりにくい表現とな
も許容される。
」
っていることも否めないことから、
しかし、School of Public Health 教育に基本的に求められる M
aster of Public Health の学位授与なしに各重点領域をおくこ
→「また、国際的に認められる学位
とが許容されるという点については再検討すべきである。School
of Public Health(公衆衛生系専門職大学院)という名称を名乗
るためには最低限 Master of Public Health の学位を授与する機
関であることが必須であると考える。
(Master of Public Health など:日
本語該当学位名称としては公衆衛生
学修士(専門職)、社会健康医学修士
(専門職)など)の学位授与にあたっ
2.貴協会は公衆衛生系専門職大学院という教育組織の評価を行って
ては、その教育課程において上記の基
いる。しかし、現在では公衆衛生系専門職大学院を有さずに「Ma
本専門領域をすべて包括することが
ster of Public Health(日本語該当学位名称としては公衆衛生学
求められる。一方、公衆衛生活動のよ
修士(専門職)
、社会健康医学修士(専門職)など)の学位授与」 り限定的な領域における専門職学位
を行う組織がある。日本の公衆衛生系の専門職学位の質の確保す (Master of Healthcare Administra
るため、今後は基準に準拠した教育をすべての学位授与組織に実
施するよう求めるなど、大学院組織の有無にかかわらず専門職学
位の質の評価手段を検討することを提案する。
tion:医療経営・管理学修士(専門職)、
Master of Occupational Health:産
業保健学修士(専門職)など)の授与
においては、これら基本5領域を包括
しつつも各公衆衛生系専門職大学院
9
左記の通り修正を行うことといた
しました。
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
の固有の目的に沿って、それらの領域
の中から重点的に取り上げることも
許容される。
10
<基準項目>
2.教育内容・方法・成果
修正なし。
ご意見いただきました点につき
ましては、公衆衛生系専門職大学院
(2)教育方法
の教育の現状に鑑み、評価の視点2
項目6:授業の方法等
-20 において、固有の目的に即し
評価の視点 2-17(13 頁)
た特色ある取組みとして評価する
こととしておりますことをご理解
<ご意見>
いただきたく存じます。なお、実際
「実践教育を充実させるため、講義に加えて、討論、演習、グルー
に認証評価を実施する際には、いた
プ学習、ケース教育、フィールド調査、インターンシップ等による双
だきましたご意見に配慮した運用
方向・多方向の授業等、個々の授業の履修形態に応じて、資質・能力
を心掛けて参ります。
の涵養を効果的に支援する教育方法を採用することが必要である。」
とあるが、評価の視点 2-17、もしくは追加の視点として「公衆衛生の
資質・能力の涵養を効果的に支援する教育方法を採用している。」の導
入が必要であると考える。
11
<基準項目>
2.教育内容・方法・成果
修正なし。
ご意見いただきました点につき
ましては、評価の視点2-20 にお
(2)教育方法
いて、固有の目的に即した特色ある
項目9:改善のための組織的な研修等
取組みとして評価することとして
評価の視点 2-27(16 頁)
おりますことをご理解いただきた
く存じます。なお、実際に認証評価
<ご意見>
1.使命・目的の項目1:目的の設定及び適切性(6 頁)には「公
10
を実施する際には、いただきました
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
衆衛生課題の解決に貢献する専門的・技能を身に着け、さらには広い
ご意見に配慮した運用を心掛けて
見識と高い職業倫理観をもった人材を養成することである」とある。
参ります。
そのためには専門的知識・技能のほか、資質・能力も必要であるとい
う大学基準協会の認識に賛成する。
しかしそのほかに、得られた知識や研究の成果(科学的根拠)をい
かして政策に反映すること、地域保健の諸活動等、人々の健康に資す
る活動を行う必要がある。そのためには、当該問題に関連する利害関
係者(ステークホルダー)を列挙しかつ分析することや交渉・調整す
る能力、計画策定とその実施、評価といった、一連の公衆衛生問題解
決のための手順についても専門職の能力として教育すべきであると考
える。
したがって、評価の視点には「問題解決をはかるために科学的根拠
に基づき、利害関係者の同定と分析をすること、そのうえで計画を策
定する能力を備えること、実施と評価手法について学び実践するよう
努めていること。それらを体得するための研究、実習等を行っている
こと」と追記することが必要であると考える。
さらにこれは教員のみならず、大学院生についても学ぶべき技能であ
ることから、2.教育内容・方法・成果(1)教育課程・教育内容、
項目3:教育課程の編成において、評価の視点として導入することを
提案する。
12
<基準項目>
修正なし。
ご意見いただきました点につき
ましては、評価の視点5-8におい
5.学生支援
11
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
項目 15:学生支援
て、固有の目的に即した特色ある取
評価の視点5-3、5-5(23 頁)
組みとして評価することとしてお
りますことをご理解いただきたく
存じます。なお、実際に認証評価を
<ご意見>
実施する際には、いただきましたご
評価視点には5-3「奨学金などの経済的支援についての相談・支
意見に配慮した運用を心掛けて参
援体制を整備していること。
」
、5-5「学生の課程修了後を見越した
ります。
キャリア形成・進路選択等に関わる相談・支援体制を整備し、効果的
に支援を行っているか。
」とある。現在、公衆衛生系専門職大学院では
課題研究を卒業時に提出して達成度をはかること、インターンシップ
と導入する教育が行われている。その活動を経済的に支援することは、
評価視点5-3にある授業料に関する奨学金と同様に重要であると考
える。また、このような課題研究やインターンシップ等による成果は
評価の視点5-5にあるように学生の卒業後を見越したキャリア形成
に影響を及ぼすことが想定される。さらには、課題研究やインターン
シップ等のような取り組みは将来にわたり、Master of Public Health
をはじめ、公衆衛生学系専門職大学院修了者が活躍する場を社会に形
成するという役割も担っており、学生のためだけではなく公衆衛生学
系専門職の教育と活動意義にも関わる点である。
よって、評価の視点に「学生の課題研究やインターンシップ等の講
義以外の活動を支援するための奨学金や研究支援金の支給といった支
援を行っている。
」を導入することを提案する。
13
<基準項目>
修正なし。
ご意見いただきました点につき
6 教育研究等環境
ましては、公衆衛生系専門職大学院
項目 16:施設・設備、人的支援体制の整備
の教育の現状に鑑み、評価の視点6
評価の視点6-2(25 頁)
-6において、固有の目的に即した
12
No.
意見
意見を踏まえた修正
理由
特色ある取組みとして評価するこ
<ご意見>
ととしておりますことをご理解い
学生が自主的に学習できる自習室という居室は専門職大学院として
ただきたく存じます。なお、実際に
多職種・多彩な背景を持った学生が交流するという教育的意義のみな
認証評価を実施する際には、いただ
らず、授業後のさらなる討議を深めること、学生どうしの共同で行う
きましたご意見に配慮した運用を
課題遂行等の活動にきわめて重要であることを鑑み、
「学生が自主的に
心掛けて参ります。
学習できる相互交流のための居室を整備し、効果的に利用されている
こと」とすることが望ましい。
14
<基準項目>
修正なし。
ご意見いただきました点につき
7.管理運営
ましては、国・公立大学においては、
項目 20:事務組織
研究科独自の事務担当者を置くこ
評価の視点7-7、7-8(29 頁)
とが難しい場合もあるため、現状に
おいては基準(改定案)の内容にと
どめていることをご理解いただき
<ご意見>
たく存じます。また、事務組織に関
評価の視点には「適切な規模と機能を備えた事務組織を設置してい
する優れた取組みに関しては、評価
ること。
」とあり、
「事務組織は、関係諸組織と有機的連携を図りつつ、
の視点7-9の固有の目的に即し
適切に運営されていること。
」とあるが、人員に関する視点も必要だと
た特色として評価することとして
考える。教育の成果を挙げるためには、大学の履修等を担当する事務
おります。実際に認証評価を実施す
と教員が教育と研究に専念できるように勤務する研究科独自の事務担
る際には、いただきましたご意見に
当者を置くことは必要不可欠であることも併記する必要がある。
15
配慮した運用を心掛けて参ります。
<基準項目>
修正なし。
ご意見いただきました点につき
6 教育研究等環境
ましては、電子媒体の利用環境の整
項目 17:図書資料等の整備
備に関して、評価の視点6-7にお
13
No.
意見
意見を踏まえた修正
評価の視点6-7、6-8(26 頁)
理由
いて、電子媒体を含む各種資料が計
画的・体系的に整備されていること
<ご意見>
とし、ご意見いただいた点に配慮し
これだけオープンアクセスを含む電子ジャーナルや電子書籍が旺盛の
た規定とさせていただいておりま
なか、あえて図書館(図書室)の整備が専門職大学院の環境として必
すことをご理解いただきたく存じ
要なのか疑問に思う。むしろ特色のある分野への集中と選択という観
ます。
点から関連する和文・英文雑誌の購読および閲覧環境の整備の方が実
践的ではないかと思われる。
以
14
上