医療法人 光の会

第49号
2015.7.15
医療法人 光の会
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ハートオブしげもとこころんと記念撮影
目次:
第11回
ハートオブしげもとの報告
~南館1病棟看護主任 吉田由香~
厚島太鼓芸能保存会
~代表
認知症治療の紹介
~精神保健福祉士
第51回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会参加報告
第40回日本精神科看護学術集会参加報告
基本方針
運営方針
2ページ
卓~
2ページ
渡辺真実~
3ページ
田村良次~
3ページ
濵新佳代子~
3ページ
~精神保健福祉主任
~北館2病棟看護課長
急性期治療病棟での取り組み~あなたの未来を考え隊~
病院理念
村上
~北館1病棟 牧野大地~
4ページ
誠意をもって医療にあたろう
心病む人の痛みを理解しよう
心の和む雰囲気を作ろう
患者本位の医療を実践する
地域生活支援を視野に
病院と一歩社の一層の連携を促進しよう
-1-
第11回ハートオブしげもとの報告
認知症サポーター養成講座
交流会の様子
毎年恒例となっていますハートオブしげもとも今年で11回目となり
ました。今年のテーマは「認知症」でコンセプトは、地域の方や認知
症の方を実際抱えるご家族に、みんなで認知症の方を支えていけるよ
うな社会作りを目指し、まずは病気を正しく理解していただきたいと
考えました。今回は、豊浦地域包括支援センターで業務をされている
傍ら、キャラバンメイトとしても精力的に活動されています吉村直美
先生と、田辺美里先生をお迎えして「認知症サポーター養成講座」の
講演がありました。現在、認知症は、超高齢社会を突き進む我が国に
とって深刻で身近な問題となっています。しかし、認知症は誰にでも
起こりうる脳の病気で4人に1人にその症状があるといわれています。
「認知症サポーター養成講座」では、誰もが認知症についての正しい
知識をもち、認知症の人や家族を支える手だてを知っていれば「尊厳
ある暮らし」をみんなで守ることができるというもので、認知症サ
ポーターを一人でも増やし、安心して暮らせる町をみんなで作ってい
くことを目指しています。講演の中には簡単な劇も織り込まれてお
り、楽しく拝見しながら学習することが出来たり普段の対応を反省す
る場面もあったりと、大変貴重な体験となりました。交流会では、ご
家族の方と、病棟での活動や患者さんのご様子を語り合う事ができま
した。交流会終了時には「このような機会を設けさせて下さってあり
がとうございました。」と温かい言葉を頂きとても光栄でした。今年
度は、会場に設置していましたパネルの作成もあり、教育委員になり
たての私にとってはとても不安なものでしたが、講師の先生やご家
族、地域の方、スタッフのお力のもと無事に終える事ができました事
を心より感謝いたしております。
こころの日は、精神保健福祉啓発活動の一環として毎年開催してい
ますが、地域とのふれあいを大切にしていきたいという思いを込めて
今後もできる限りの事を続けていきたいと考えております。
会場(デイケア一歩社)
南館1病棟看護主任
吉田由香
この度は「こころの日 第11回ハートオブしげもと」にご招待いただ
きありがとうございました。太鼓にとっては何よりの敵である雨が降る中
でしたが、多くのスタッフさんのご協力・ご配慮によりスムーズに会場へ
搬入することができました。心より御礼申し上げます。
私たち厚島太鼓芸能保存会は平成3年より活動を開始し、当初は涌田盆
祭りでの演奏を主に行っていましたが、徐々に活動範囲が広がっていき現
在では豊浦町周辺地域の祭りやイベントで太鼓を叩かせていただく機会が
増えてきました。現在では総勢29人。保育園児から大人までが入り乱
れ、毎週金曜日の夜に集まり約2時間程度の練習を行っています。
そんな中2年連続で声を掛けて頂きました。昨年よりパワーアップした姿をお見せしたいと思い、昨年ま
で大人が中心となっていた「まつり」という曲を子供が中心に元気よく、大人中心の「屋台ばやし」という
曲は演奏時間・編成を変更し、また篠笛演奏者の方にもご協力いただきより躍動的な曲となるよう練習に取
り組んできました。
そして、いざ本番。雰囲気が良く、音が良く響く会場というものは気
持ちが昂るもので、いつもより力が入り曲のスピードが速くなってし
まいましたが、終了後去年より良かった等の温かいメッセージをいた
だき、ほっとしているところでございます。
今後は豊浦町夏祭りや、世界スカウトジャンボリーの関連行事等で
の出演機会が控えております。この度の出演を糧にし、こころのこ
もった和太鼓の演奏を続けていきたいと思っております。ご来場の皆
様、重本病院スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
厚島太鼓芸能保存会代表 村上 卓
-2-
認知症治療についての紹介
ハートオブしげもとで掲示したパネルの一部を紹介します。会場で掲示、交流会で説明しました。
精神保健福祉士 渡辺真実
第51回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会
第14回日本精神保健福祉士学会学術集会参加報告
6月25日に福島県郡山市で開催された精神保健福祉士の全国大会に参加してきました。会場になった
『ビッグパレットふくしま』は、東日本大震災の際には、避難場所として使用され、現在も仮設住宅が隣
接しており、未だ続く震災の影響を感じました。大会テーマは『共生・創造・未来~はじめよう、ここか
ら!~』です。人は皆一人ではなく、障害をもった人、被災した人、支援をしている人など、皆で共に生
きていく社会の実現を福島県から発信するという想いがこめられています。プログラムは前日のプレ企
画、大会初日の講演とシンポジウム、2日目の分科会(学術集会)となっており、内容は精神保健福祉施策
の動向、ソーシャルワーク、被災地における取組みの他、地域生活の支援、関係法令、犯罪被害者支援、
高齢者、子どもや若者支援、就労支援など多様でした。
昨年50回の記念大会を迎えた日本精神保健福祉士協会全国大会ですが、来年は山口県下関市で開催予定で
す。当院は大会事務局を担っており、全国から1,000人を超える精神保健福祉士が下関の地に集まること
が見込まれています。
精神保健福祉士は専門職として、日々、知識や技術を習得し、専門性の質的な向上を目指しています。自
身の向上は患者さんによりよい支援を提供するうえで不可欠だと考えています。患者さんとのかかわり、
研修機会を通して、一層向上していきたいと思います。
精神保健福祉主任 田村良次
第40回日本精神科看護学術集会参加報告
6月の中旬福島県で行われた第40回日本精神科看護学術集会に参加しました。
この学術集会は東日本大震災の翌年宮城県の仙台市、今年福島県の郡山市で開催
し、来年岩手県の盛岡市での開催となります。被災地を気遣い、被災地から学び、
応援しようという協会の考えから東日本の地域で開催しています。
学術集会の主題は『患者が望む生活の実現を目指して~精神科医療改革と看護者
のかかわり~』でした。平成26年厚生労働省検討会による「長期入院精神障害者
の地域移行に向けた具体的方策の方向性」の中で、長期入院精神障がい者の地域移
行を進めるために「病院の構造改革の方向性」が示されました。地域移行支援が
いっそう強化される中で、看護者は長期的にどのようなビジョンを持ち日々の活
動を行う必要があるのかを考える機会となりました。
また本学会では看護研究の発表や各種セミナーが行われました。全国の精神科看
護師がよりよい看護を目指し試行錯誤した結果を発表します。多くのヒントや新
しい情報を得ることが出来ました。振り返りを行い今後の業務に役立てて行きた
いと考えています。
北館2病棟看護課長 濵新佳代子
-3-
急性期治療病棟での取り組み~あなたの未来を考え隊~
病院という生活から退院といういわゆる「社会復帰」では、避けては通れない刺激やストレスが舞い込ん
できます。病気の症状からも、ストレスへの耐性が決して強くはない方も平等に避けては通れないストレス
の影響を受ける事になります。このストレスによって「心と思考」が脆く崩れやすくなると予測できます。
外来通院で良い状態が続く方でも「病気への慢心または猜疑心」といった事から服薬を中断してしまい、病
気の症状を不安定にさせるケースが多くあります。他にも理由は様々ですが、入院して治療を受けることで
症状が軽快した方が症状が再燃し入院となる場合もあります。
3ヶ月以内での再入院の要因として
・病識欠如に伴う、怠薬による症状再燃
・本人、家族共にサインに気づかず、身体の変調や問題行動が増え生活ができなくなる
・家族の無関心、知識不足による協力体制の不足
そこで、今年の2月より「退院後の再発防止」「薬・病気に対する正しい知識を得る」を目的としたクライ
シスプランという取り組みを始めています。どのような病気・症状があるのか対処方法や薬について(作
用・副作用)パンフレットを用いての疾患教育。入院のきっかけとなった事を患者さんと話し合い、問題点
に対し患者さんの思いを聞きクライシスプランの作成。治療過程に沿って、入院前に比べ患者さん自身が感
じて気づいた事を一緒に家族や周囲と共有できる場を持ち、
①患者さんが病気の悪くなる前兆やきっかけに気づける事。
②家族を含む周囲が患者さんの変化に気づき、プランで決めた対処行動を取れる事。
③患者さんと周囲の双方がプランで決めた対処行動をとれるようにする事。
以上3点を重要な指標として、患者さんと一緒にク
ライシスプランを作成していきます。
現在いくつかのケースに、クライシスプランを導入
した事で家族関係の修復が少しずつ改善。服薬自己
管理ができ、ほっとホーム一歩社の入所に繋がった
ケースもあります。患者さんが主体的にクライシス
プラン作成に参加できるように、今後も、個々の問
題に対し多職種間での連携をとりながら退院後も活
用していきたいです。
北館1病棟 牧野大地
~重本病院
診療実績6月
(外来)
患者延べ数・・・1,127
初診患者数・・・・26
1日平均患者数・・43
(全病棟)
新入院数・・・・・16
退院数・・・・・・21
1日平均在院数・・203.6
平均在院日数・・330.1
病床利用率・・・95.1%
倫理規定~
重本病院は、“誠意をもって医療にあたろう 心病む人の痛みを理解しよう
心の和む雰囲気を作ろう”といった病院理念および “患者本位の医療を実践す
る”の基本方針のもとに、以下の倫理規定を設ける。
職業倫理
1.患者の人格の尊厳と権利を尊重し、説明と同意に基づく心のこもった対応をして
信頼を得ること。
2.最善の医療を提供するために、常に学術的知識と技術の習得に励むこと。
3.医療の担い手としての誇りを持ち、自らの義務と責任を自覚して人格を高めること。
4.多職種間が対等に協調、協力して業務を遂行し、良好なチーム医療に努めること。
5.医療の公共性を重んじて地域社会に貢献するとともに、法規範を遵守すること。
6.良質な医療を提供するために、自ら心身の健康保持と増進に努めること。
~編集後記~
台風も過ぎ去り、気持ちの
良い晴れの日が続くように
なりました。
暑さも本格化してきて、つ
い運動を怠りがちになって
しまうので、栄養のある食
事にも気を配りつつ、暑さ
に負けない体づくりに励み
たいところです。
臨床倫理
1.患者の人権の尊重と医療の倫理の遵守による安心できる医療を提供すること。
2.患者・家族と医療従事者が協力して患者中心の公正かつ公平な医療を提供すること。
3.患者の生命と安全を第一に考慮し、QOLの向上につなげた医療を提供すること。
4.人権擁護・倫理委員会での審議結果に従った医療を提供すること。
-4-
広報委員:里信