人権コラム「心の窓」

~8課題、ごぞんじですか~
≪2015.No.1≫
「人権」と聞いてどんなことを連想しますか。差別でしょうか、権利でしょう
か・・。また、真っ先にどんな課題が思い浮かびますか?
豊後高田市では、すべての人々の人権が尊重される社会の実現を目指して「人
権施策基本計画」を策定しており、その中で8つの人権課題を定めています。
① 同和問題 ② 女性 ③ 子ども ④ 高齢者 ⑤ 障がい者 ⑥ 外国人 ⑦医療
そして8番目は「さまざまな人権」です。皆さんは、いくつ思い浮かべることが
できましたか?
人権問題は、すべての人に関係する身近なテーマであり、住みやすい社会をつ
くっていくためには大切にしていかなければならない重要な問題です。
このコラムは、現在も起こっている様々な人権問題について、市民の皆さんに
理解を深めていただくため、今月から始まりました。家庭で、職場で、そして地
域で話題にしていただけると幸いです。
~仏滅
あなたは気にしますか~
≪2015.No.2≫
新年になり、カレンダーや手帳が新しくなったと思いますが、みなさんの家庭
や職場にあるカレンダーには、
「大安」
「友引」といった六曜(ろくよう)が入っ
ていますか? また、
『今日は「仏滅」だから日が悪い』なんて気にしていませ
んか。
六曜は、中国から伝わったと言われていますが現在のカレンダーに記載され
ているものは、旧暦の毎月 1 日から順に六曜を固定し、後は規則正しく並べた
だけのもので、そこには科学的根拠はありません。
六曜と人権問題、何が関係しているのかと思うかもしれませんが、
「昔からし
ている」
「みんながしているから」と信じこんでしまうことが、ややもすると先
入観や偏見を他者へ強制することにつながります。
そして、時に差別を助長してしまう恐れがあることが問題なのです。
六曜のほかに、私たちの日頃の生活のなかで、他にもこのようなことがないか、
考えてみてはどうでしょうか。
~3月3日は何の日~
≪2015.No.3≫
そう聞かれて一番に思い浮かぶのは、ひなまつりかもしれません。しかし、こ
の日は、人権問題を考えるうえで、大きな転機となる出来事が起こった日でもあ
ります。
1922年(大正11年)3月3日、京都の岡崎公会堂に全国から多くの被差
別部落の民衆が集まり、厳しい差別からの解放を目指す「全国水平社」が創立さ
れました。その時に出された「水平社宣言」は、日本における最初の人権宣言と
も言われています。
宣言の中に「人間を尊敬することによって自ら解放せんとする・・・」という
言葉があります。
これは、同情やあわれみ、さらには憎しみの中からでは、差別は決して解消さ
れるものではなく、まず、相手を尊敬することから始めることの大切さを訴えて
います。
家庭や職場、地域において、周りの人を尊敬する気持ちで接すれば、差別は起
きないのではないでしょうか。
~大切な「斜めの関係」~
≪2015.No.4≫
いじめ、不登校、虐待等、子どもの人権を侵害する事件が後をたちません。そ
して、そんな時、誰か一人でも手を差し伸べる人はいなかったのかといった話に
なります。
家庭や学校の責任は、当然、重要ですが、その関係が深いがゆえに、子どもか
らすれば、いじめなどの繊細なことについては相談しにくい現状もあります。
そこで大切になるのが、近所の知人、サークル活動の仲間、昔の担任の先生と
いった、地域の存在です。
親、先生、同級生など、子どもにとって深い関係を「縦と横の関係」とするな
らば、地域の存在は、少し離れた立場から見守る「斜めの関係」と言えます。
この関係が時に、子どもの変化に気づき、よき相談相手になる場合があります。
私たち一人ひとりが、地域ぐるみで子どもを守り育てる意識を高めていくこ
とが必要ではないでしょうか。
~高齢者に優しい社会を~
≪2015.No.5≫
高齢者は、これまで様々な物事の経験者として敬われ大切にされてきましたが、
年齢を理由に就業や社会的活動への参加が制限されるなど、高齢者の人権にか
かわる問題が起きています。
4人に一人が 65 歳以上という高齢化社会となり、他人事ではない、差し迫っ
た課題がある今だからこそ地域のつながりが必要な社会と言えます。
本市では、玉津商店街において高齢者のまちづくりやサロン活動などの積極
的な取り組みが行われています。
そこに高齢者だけでなく、子どもや若い世代も集まり一緒に活動することで、
高齢者とのつながりを取り戻していけるのではないかと思います。
高齢者の人権問題は、私たち自身の問題なのです。
豊かな経験や知識があり、様々なことを教えてくれる先人を大切にする、そん
なあたり前の社会をみんなで築いていきましょう。
~男女共同参画社会の実現に向けて~
≪2015.No.6≫
我が国でも、様々な分野で女性の社会進出が進み始めています。しかしながら、
女性の参画は国際的に見ても遅れており、女性が十分に活躍できる環境が整っ
ていない状況にあり、就労の分野では男性に比べて仕事上の待遇が悪かったり、
家事や育児や介護の負担が大きいことなど大きな問題があります。
こうした背景には、
「男(夫)は外で働き、女(妻)は家庭を守るべき」とい
った昔ながらの固定的な役割分担意識)や女性蔑視があり、そうした意識が職場
や家庭において様々な男女差別を生む原因となっています。
本市においても平成 25 年度に実施した市民意識調査では、約 5 人に 1 人が
昔ながらの固定的な考え方に同感する、という結果が出ています。
「男だから・・・」
「女だから・・・」と性別で仕事や役割を割り当てるので
はなく、その人の能力や個性、意欲を活かすことが大切です。
まずは、家事、育児、介護など身近なことから一緒に取り組んでみませんか。