第3回 ISO 20022勉強会 EDI/SCMの現状と近未来 2015年2月10日 Ver.1.3 株式会社データ・アプリケーション EDI/SCM企画推進 エグゼクティブコンサルタント 藤野 裕司 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 0 アジェンダ 1. 産業界のEDI/SCM (1)EDI/SCMの現状 (2)新たな取り組み 2. 金融業界との連携 (1)現状の産業界と金融業界 (2)金流商流連携の促進(産業界から金融業界を見て) (3)「決済情報と商流情報の連携」実証実験(2014年8月~2015年1月) (4)金流商流連携の近未来 3.EDI/SCMの近未来 産業界国内外EDI/SCMの進化は続く 4.産業界が取り組む連携の基盤 (1)企業間・企業内はシームレス (2)これからのシステムはデータ連携基盤で統合 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 1 1.産業界のEDI/SCM (1)EDI/SCMの現状 ① SCMの現状 • • • • 社内でSCMの共通認識がない。 部分最適が進み、全体最適に至らない。 社内の業務連携と企業間のEDIが別管理。 物流と金融で連携が途切れがち。 受注企業 発注企業 SCM SCM SCM 調達管理 生産管理 販売管理 計画 計画 計画 調達 生産 販売 在庫 在庫 在庫 物流 物流 物流 管理機能 管理機能 管理機能 管理機能 フ ァイル 転送 フ ァイル 転送 フ ァイル 転送 フ ァイル 転送 会計 会計 調達管理 SCM EDI EDI Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 調達 2 1.産業界のEDI/SCM ② グローバルサプライチェーンの実態 • • • • • • グルーバルEDIはほとんど実施されていない。 現状は、グローバルな社内連携の位置づけ。 貿易は通関以外電子化が進んでいない。 海外の取引先との間に多くの事業者が関与しており、 その事業者間で情報の分断が発生している。 情報がENDtoENDで繋がっていない。 大手フォーワーダはすべての情報を持っているというが、 荷主の全取引や商品をカバーできるわけではない。 海外のシステムと国内のシステムの精度が異なり、 海外のシステムが国内の精度に追随できない。 商慣習、法制度が異なり、国内で求める情報を海外法人 が出せない。 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 3 1.産業界のEDI/SCM (2)新たな取り組み ① SCMの全体最適化(2010年~) • SCMの全社統括組織が必要。 • 社内と企業間の業務・組織間連携を強化。 • サプライチェーンインフラの構築。 受注企業 発注企業 SCM 会計 調達管理 生産管理 販売管理 調達管理 計画 計画 計画 計画 調達 生産 販売 在庫 在庫 在庫 在庫 物流 物流 物流 物流 管理機能 管理機能 管理機能 管理機能 フ ァイル 転送 フ ァイル 転送 フ ァイル 転送 フ ァイル 転送 会計 EDI Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. EDI 調達 4 1.産業界のEDI/SCM ② グローバルサプライチェーンのIT化推進(2012年~) • 貿易を含めたシステム連携推進。 • 海外現地法人のIT化推進。 • グローバルデータ連携基盤の萌芽⇒クラウド(?) 輸出者 国内工場 フォワーダー フォワーダ 物流センター 通関 コンテナヤード 船社 通関 コンテナヤード Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. フォワーダー 海外 保税倉庫 輸入者 海外 顧客 5 2.金融業界との連携(産業界から金融業界を見て) (1)現状の産業界と金融業界 • 現状の産業界と金融業界の連携は、ファームバンキ ングのみ。 • 接点は、データ交換と画面操作による資金移動と照 会。 • 金融側から見ると資金の移動がひとつの取引だが、 企業側から見ると資金移動は相手先企業との取引の 塊(複数の取引)。 個々の取引と資金移動の紐付けができない。 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 6 2.金融業界との連携(産業界から金融業界を見て) (2)金流商流連携の促進(2014年~) • • • • • • 国の政策(成長戦略)にも掲げられた。 企業側は売掛金突合、違算管理に効果。 金融側は、将来的には融資機会の拡大も視野に。 大手銀行が積極的に取り組めば産業界も動く。 地銀・信金がその後に続けば、中小企業にとって有効。 実施に向けた検討は始まったばかり。 A銀行 B銀行 振分・ネット処理算出 A行 B行 被仕向銀行 仕向銀行 (第6次)全銀システム ファームバンキング 月末〆で 取引先別に 一括振込 依頼人 ファームバンキング 発注 受取人 発 注 納品 受 注 企 業 検収 企 業 請求 売掛金突合 遺算 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 7 2.金融業界との連携(産業界から金融業界を見て) (3)「決済情報と商流情報の連携」実証実験 (2014年8月~2015年1月) 金融機関側 仕向銀行 ③振込 被仕向銀行 ④全銀協 振込入金通知 (ASPはPull型で受信) ②全銀協 総合振込 ASP(NTTデータ) 拡張金融データ保管 ISO20022 Pain 変換 ①ISO20022 Pain(総合振込) 振込企業 (イオン) 流通BMS (請求・ 支払案内 他) 流通側 全銀協 総合振込 ⑤ISO20022 Camt(振込入金通知) (Pull型で受信) 拡張金融EDIデータ (保管DB) 全銀協 振込入金通知 クローク 変換 請求・ 支払 ISO20022 Camt ⑤ISO20022 Camt(振込入金通知) (Pull型で受信) ①ISO20022 Pain(総合振込) 振込企業 (小島プレス) 被振込企業 (花王など) 拡張金融データ追加 共通EDI 基盤 請求・ 支払 小島グループ側 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 被振込企業 (真和工業など) 8 2.金融業界との連携(産業界から金融業界を見て) • 流通業界(小売-卸-メーカー)と小島グループ(小島プレスとその取 引先、豊田商工会議所会員)2組の共同実証を行った。 • 金融機関と企業の間にクロークと呼ばれる共通プラットフォーム(NTT データ)を設置し、そこを経由してデータの授受を行う。 • 「仮想口座」と「EDI情報」を利用し、企業と取引を特定して売掛金の マッチング処理を行う。 • 企業とクロークの間は、新規のISO20022のPain.001(総合振込)と Camt.054(振込入金通知)のEDI情報欄(140桁)を利用。 • EDI情報欄にUN/EDIFACTのメッセージを取り込むことも標準化を見据 えて検討中。(Remittance Information[送金情報:取引明細]、 Remittance Advice[送金通知]など) • 金融機関とクロークの間は、既存の全銀固定長の総合振込と振込入金通 知のEDI情報欄(20桁)を利用。 • 小島グループは、本件以外にも「金融EDI連携」実証実験をいくつか 行っている。 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 9 3.EDI/SCMの近未来 産業界国内外EDI/SCMの進化は続く 【国内】 • • • これまで分断されていたSCMを連結または拡大する流れが 最も大きい。 ⇒ 特に物流、Tier2・Tier3 販売計画、生産計画、調達計画など計画系の高精度化が重 要視されている。 ⇒ 在庫の最適化を実現 販売→(計画)→生産→(計画)→調達と異なる組織間の 利害調整が難しい。 ⇒ トップダウンのSCMが必須! 銀行 銀行 銀行 銀行 素材 中間 製品 部品 原料 部品 素材 倉庫・運送 部品 倉庫・運送 中間 製品 最終 製品 倉庫・運送 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 10 3.EDI/SCMの近未来 【グローバル】 • • • • • アジアではIT基盤の構築から始まる。 日系企業も現時点では拠点ごとのシステム構築まで。 現地と国内の情報感度・精度にばらつきがある。 構築・再構築にはグローバルロジスティクスの視点が求 められている。 国ごとに異なる法制度、文化、慣習が大きな壁。 グローバルITガバナンスを通して課題を克服。 グローバルSCM 輸出者 国内工場 フォワーダー フォワーダ 物流センター 通関 コンテナヤード 船社 通関 コンテナヤード フォワーダー 海外 保税倉庫 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 輸入者 海外 顧客 11 4.産業界が取り組む連携の基盤 (1)企業間・企業内シームレスはあたりまえ 業務は、企業間・企業内を隔てることなく流れている。 これを、EDIやEAIといったシステムで分けることはできない。 取引先 発注データ 基幹システム EDIシステム 受注 受注 受注 出荷 在庫引当 出荷データ (梱包紐付けあり) 硬直化された業務プロセス 出荷報告 出荷 受注 在庫 出荷指示 在庫管理システム ピッキング 物流業務システム Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 企業間(EDI) 企業内(EAI) 12 4.産業界が取り組む連携の基盤 社内業務間は緊密な連携、企業間は柔軟な連携がとれ、 クラウドを通しても縦横無尽にデータが流れるような 金融業界 環境を構築することが重要。 銀 行 クラウド 電機メーカ グループ連結 社内システム 社内システム 本 調達 部品仕入先 変 換 機 能 海外 得意先 販社 変換機能 国内 部品仕入先 自動車業界 社 AP ・ ・ ・ AP 得意先 設計 変 変 換 機 能 生産 換 機 能 営業 変 換 機 能 家電量販店 関連会社 変換機能 得意先 卸 流通SM/GMS 工場 変換機能 委託・・・ 変換機能 変換機能 物流 加工・・・ Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 海外 得意先 得意先 13 4.産業界が取り組む連携の基盤 (2)これからのシステムはデータ連携基盤で統合 共通化できる機能は、データ連携基盤上 で集約する。 業務が異なるサーバで稼働しようとも、 運用上は1つのサーバで稼働しているが ごとく管理できることが重要! 会計 会計 調達管理 生産管理 販売管理 計画 計画 計画 調達 生産 販売 会計 会計 調達管理 生産管理 販売管理 調達 生産 計 画 在 庫 物 流 販売 データ変換・加工・編集・コード変換 在庫 在庫 在庫 物流 物流 物流 管理機能 管理機能 管理機能 ファイル 転送 ファイル 転送 ファイル 転送 共通管理機能 システム間連携機能 EDI EDI データ連携基盤 Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 14 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-3-8 Phone 03-5640-8544 Facsimile 03-5640-8541 E-Mail [email protected] EDI情報館 http://www.ediblog.jp/ (藤野裕司のブログ) URL http://www.dal.co.jp/ http://www.AnyTran.jp/ Copyright(C)2015 Data Applications Co., Ltd. All rights reserved. 15
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